JP2013176796A - ダイカスト金型用入子及びダイカスト金型 - Google Patents

ダイカスト金型用入子及びダイカスト金型 Download PDF

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Abstract

【課題】薄肉リブに欠損等の不具合が生じにくく、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができるダイカスト金型を構成可能なダイカスト金型用入子を提供する。
【解決手段】一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型に装着されるダイカスト金型用入子10である。窒化ケイ素及びサイアロンの少なくともいずれかを含有するセラミックスからなる二以上の板状部材2〜5が積層されるとともに、隣接する板状部材2〜5どうしの間に薄肉リブに対応する一以上のスリット15が形成されており、セラミックスに含有される窒化ケイ素とサイアロンの総量が70質量%以上であり、スリットの幅が0.2〜3mmであり、深さが3〜70mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄肉リブを有する金属製品を鋳造するのに好適なダイカスト金型に装着されるダイカスト金型用入子、及びそれを用いたダイカスト金型に関する。
一般に、電気部品装着用のハウジングやエンジンカバーをはじめとする高い熱交換性能を有する熱交換用の金属製品は、金属製の本体部分と、この本体部分に並設された金属製の複数の薄肉リブ(フィン)とを備えた構造を有する。このような熱交換用の金属製品を製造する方法としては、例えば、本体部分と薄肉リブをそれぞれ作製しておき、溶接等によって本体部分に薄肉リブを接合する方法がある。
しかしながら、溶接等によって両者を接合する上記の方法では、接合される薄肉リブの数が多い金属製品を製造する場合には多大な労力と時間が必要であり、高コスト化に直結するといった問題がある。さらに、隣接する薄肉リブどうしの間隔が狭い金属製品を製造する場合には、得られる金属製品の寸法精度が低下してしまうといった問題もある。これらの技術的な問題を解決し、低コスト化要請に合致する方法として、製造しようとする金属製品の形状に対応するダイカスト金型を用いる鋳造方法がある。ダイカスト金型を用いる鋳造方法によれば、本体部分と薄肉リブが一体的に成形された熱交換用の金属製品を大量に製造することができる。
従来、複雑な形状を有する非鉄金属製部材等を鋳造するためのダイカスト金型について種々の提案がなされている。例えば、特許文献1においては、金型のキャビティ側表面の少なくとも一部にセラミックスからなるコーティング層を設けた鋳造用金型が提案されている。また、特許文献2においては、窒化ケイ素と窒化チタンを含有する導電性セラミックスからなる、放電加工によって成型可能な金型が提案されている。さらに、特許文献3においては、溶融合金(溶湯)の接触によって溶損やヒートクラック等が生じやすい部分を窒化ケイ素等のセラミックスで形成したダイカスト成型用金型が提案されている。
特開2001−96336号公報 特開昭63−203262号公報 実用新案登録第3125257号公報
しかしながら、特許文献1〜3において提案された金型等を用いた場合であっても、上述の熱交換用の金属製品を製造することは困難であった。具体的には、焼き付きによる欠損(欠肉)が薄肉リブに生じてしまい、製造歩留まりが低下してしまうといった問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、薄肉リブに欠損等の不具合が生じにくく、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができるダイカスト金型、及びこのダイカスト金型に用いられるダイカスト金型用入子を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、窒化ケイ素を70質量%以上含有するセラミックスからなる二以上の板状部材を積層し、隣接する板状部材どうしの間で薄肉リブに対応するスリットが形成されるダイカスト金型用入子を用いることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示すダイカスト金型用入子が提供される。
[1]一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型に装着されるダイカスト金型用入子であって、窒化ケイ素及びサイアロンの少なくともいずれかを含有するセラミックスからなる二以上の板状部材が積層されるとともに、隣接する前記板状部材どうしの間に前記薄肉リブに対応する一以上のスリットが形成されており、前記セラミックスに含有される前記窒化ケイ素と前記サイアロンの総量が70質量%以上であり、前記スリットの幅が0.2〜3mmであり、深さが3〜70mmであるダイカスト金型用入子。
[2]前記板状部材の厚みが5〜50mmである前記[1]に記載のダイカスト金型用入子。
[3]前記板状部材の表面の最大高さRzが0.05〜12.5μmである前記[1]又は[2]に記載のダイカスト金型用入子。
[4]前記金属製品が、電気部品装着用のハウジング、エンジンカバー、放熱板、又は熱交換用ラジエターである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のダイカスト金型用入子。
また、本発明によれば、以下に示すダイカスト金型が提供される。
[5]一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型であって、金型本体と、前記金型本体に組み込まれた、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のダイカスト金型用入子とを備えるダイカスト金型。
本発明のダイカスト金型用入子を用いれば、薄肉リブに欠損等の不具合が生じにくく、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができるダイカスト金型を提供することができる。そして、このダイカスト金型用入子を備えた本発明のダイカスト金型を用いれば、薄肉リブに欠損等の不具合が生じにくく、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができる。
本発明のダイカスト金型用入子の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す板状部材2の模式図である。 図1に示す板状部材3の模式図である。 図1に示す板状部材4の模式図である。 図1に示す板状部材5の模式図である。 本発明のダイカスト金型を構成する可動型の一例を示す斜視図である。 本発明のダイカスト金型を構成する固定型の一例を示す斜視図である。 熱交換用の金属製品の一例を示す模式図であり、(A)は裏側からみた斜視図、(B)は表側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
1.ダイカスト金型用入子
図1は、ダイカスト金型用入子の一実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のダイカスト金型用入子(以下、単に「入子」とも記す)10は、セラミックスからなる4枚の板状部材2〜5が積層されるとともに、隣接する板状部材2〜5どうしの間にスリット15が形成されている。この入子10は、図8に示すような、3枚の薄肉リブ85を有する金属製品80を鋳造するためのダイカスト金型に装着されて使用される。すなわち、入子10に形成されているスリット15は、図8に示す金属製品80の薄肉リブ85に対応している。
図2〜5は、図1に示す板状部材2〜5の模式図である。図2〜5中、(A)は上面図、(B)は正面図を示す。図2〜5に示すように、板状部材2〜5にはいずれも切欠き部20が形成されている。これらの板状部材2〜5を、隣接する板状部材どうしの当接面27で当接するように積層すると、対向して配置された切欠き部20によってスリット15(図1参照)が形成される。なお、スリットを形成する切欠き部は、隣接する板状部材の両方に形成されていてもよく、一方にのみ形成されていてもよい。
板状部材2〜5を構成するセラミックスは、窒化ケイ素(Si34)及び窒化ケイ素にアルミナ(Al23)が一部固溶したサイアロン(Si6-zAlzz8-z)の少なくともいずれかを含有する。そして、このセラミックスに含有される窒化ケイ素とサイアロンの総量は70質量%以上、好ましくは82質量%以上、さらに好ましくは88質量%以上である。このようなセラミックスからなる二以上の板状部材が積層され、隣接する板状部材どうしの間に一以上のスリットが形成された本発明の入子を金型に装着して鋳造すると、スリット内の隅々にまで金属溶湯が容易に行きわたる。このため、形成される薄肉リブに欠損等の不具合が生じにくく、信頼性の高い金属製品を製造することができる。なお、「窒化ケイ素とサイアロンの総量」とは、セラミックスに窒化ケイ素のみが含有される(サイアロンが含有されない)場合には、窒化ケイ素の含有量を意味する。また、セラミックスにサイアロンのみが含有される(窒化ケイ素が含有されない)場合には、サイアロンの含有量を意味する。
また、本発明の入子を金型に装着して鋳造すると、入子の表面において金属溶湯が良好な状態で流れるので、通常条件に比べて、より低速・低圧なダイカスト鋳造条件で艶の良い表面を有する金属製品を製造することができる。さらに、板状部材を構成するセラミックスに含有される窒化ケイ素は、高硬度であるとともに耐摩耗性に優れ、かつ、高温環境であっても機械的強度を失わずに高い耐熱性を有する。すなわち、本発明の入子は繰り返しの使用によっても損耗しにくいので、金型表面の損耗に起因する、金型と金属との焼付き(カジリ)が生じにくく、高品質な金属製品を製造することができる。また、本発明の入子は、繰り返しの加熱冷却に起因して発生する応力によっても破壊されにくい。このため、本発明の入子を金型に装着して鋳造すれば、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができる。
なお、本発明の入子は、従来のダイカスト金型に組み込んで用いることができる。すなわち、本発明の入子を用いるに際しては、従来のダイカスト金型を設計変更等しなくてもよい。このため、本発明の入子は極めて汎用性が高いものである。
板状部材を構成するセラミックスに含有される窒化ケイ素の割合が70質量%未満であると、スリット内の隅々にまで金属溶湯が行きわたらなくなるので、形成される薄肉リブに欠損等の不具合が生ずる確率が高まる。なお、セラミックスに含有される窒化ケイ素の割合の上限値は特に限定されないが、88質量%であることが最も好ましい。
スリットの幅W(図1参照)は0.2〜3mm、好ましくは0.3〜2.5mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである。スリットの幅Wが0.2mm未満であると、スリット内の隅々にまで金属溶湯が行きわたらなくなる場合がある。一方、スリットの幅Wが3mm超の場合には、窒化ケイ素を含有するセラミックスを用いた入子を使用しなくても、スリット内の隅々にまで金属溶湯が行きわたりやすい。このため、スリットの幅Wを3mm以下とした場合に、本発明の入子の効果が有効に発揮される。
スリット(切欠き部)の深さD(図2参照)は3〜70mm、好ましくは30〜70mm、さらに好ましくは40〜70mmである。スリットの深さDが3mm未満の場合には、窒化ケイ素を含有するセラミックスを用いた入子を使用しなくても、スリット内の隅々にまで金属溶湯が行きわたりやすい。このため、スリットの深さDを3mm以上とした場合に、本発明の入子の効果が有効に発揮される。一方、スリットの深さDが70mm超であると、ダイカストにより製造された部材として強度を保持することができず、量産品形状としては現実的な構造ではない。しかし、スリット部の深さDが70mm超の形状であっても、試作品レベルでは製造可能である。
板状部材の厚みT(図2〜5参照)は5〜50mmであることが好ましく、10〜30mmであることがさらに好ましい。板状部材の厚みTが5mm未満であると、板状部材の強度が不足する傾向にある。一方、板状部材の厚みTが50mm超であると、入子に形成されるスリットどうしの間隔が広くなりすぎる傾向にある。このため、例えば、多数の薄肉リブが狭い間隔で密に並設された熱交換用の金属製品を製造することが困難になる場合がある。なお、複数の板状部材の厚みTは、同一であっても異なっていてもよい。
板状部材の表面の最大高さRzは、0.05〜12.5μmであることが好ましく、0.05〜5μmであることがさらに好ましい。ここで、板状部材の表面としては、例えば、隣接する板状部材どうしの当接面27や、スリットの内壁面22などがある(図2〜5参照)。板状部材の表面の最大高さRzを上記数値範囲とすることで、その表面が滑らかで、より高品質な金属製品を製造することができる。例えば、隣接する板状部材どうしの当接面27の最大高さRzが12.5μm超であると、板状部材どうしの間に金属溶湯が侵入しやすくなる場合がある。また、スリットの内壁面22の最大高さRzが12.5μm超であると、得られる金属製品の表面が荒れる場合がある。一方、その表面の最大高さRzが0.05μm未満の板状部材を作製するのは実質的に困難であるとともに、最大高さRzを0.05μm未満にしても、得られる金属製品の表面を滑らかにするといった効果が頭打ちになる。なお、本明細書における「最大高さRz」とは、JIS B 0601:2001に準拠して測定される値を意味する。
本発明の入子は、前述の通り、図2〜5に示すような板状部材2〜5を、隣接する板状部材どうしの当接面27で当接するように積層することで作製することができる。板状部材2〜5は、例えば、所定の割合で窒化ケイ素を含有するセラミックスからなる加工前部材を機械的加工方法によって加工し、所定の寸法の切欠き部20等を形成すること等によって作製することができる。機械的加工方法としては、ダイヤモンド工具を用いる加工方法などを挙げることができる。なお、図2〜5中の符号25は、鋳造した金属製品を押し出すための押出ピンが挿通する孔(押出ピン挿通用の孔)を示し、図4中の符号30はガイドホールを示す。
本発明のダイカスト金型用入子は、例えば図8に示すような、金属製の本体部分87と、この本体部分87に並設された金属製の複数の薄肉リブ85とを備えた金属製品80を鋳造するためのダイカスト金型に装着される入子として好適である。金属製品80の具体例としては、電気部品装着用のハウジング、エンジンカバー、放熱板(ヒートシンク)、及び熱交換用ラジエターなどを挙げることができる。なかでも、本発明のダイカスト金型用入子は、多数の薄肉リブが狭い間隔で密に並設された熱交換用の金属製品を鋳造するためのダイカスト金型に装着される入子として特に好適である。
2.ダイカスト金型
次に、本発明のダイカスト金型について説明する。図6は、本発明のダイカスト金型を構成する可動型の一例を示す斜視図である。また、図7は、本発明のダイカスト金型を構成する固定型の一例を示す斜視図である。本発明のダイカスト金型は、図6に示すような可動型50、及び可動型50と組み合わされる図7に示すような固定型60を含む金型本体と、この金型本体の可動型50の所定の箇所に嵌合して組み込まれる前述の入子10とを備える。可動型50は、押出板57を備えたダイベース55上に配置されている。また、固定型60には、金属溶湯が流入するスリーブ65と、可動型50の入子10に対向する位置に嵌合して組み込まれた固定入子70とを備える。なお、図6においては、入子10が可動型50に組み込まれた状態を示しているが、本発明のダイカスト金型においては固定型に入子が組み込まれてもよい。
本発明のダイカスト金型は、図6に示すように本発明の入子を備えたものである。このため、本発明のダイカスト金型を用いれば、艶の良い表面を有する高品質な金属製品を製造することができる。また、繰り返しの加熱冷却に起因して発生する応力によっても入子が破壊されにくいので、本発明のダイカスト金型を用いれば、信頼性の高い金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造することができる。さらに、本発明のダイカスト金型の入子以外の部分は、従来のダイカスト金型と同様である。すなわち、本発明のダイカスト金型は、金型本体を大幅に設計変更等しなくても、入子を取り換えるだけで様々な形状の金属製品を鋳造することができるので極めて汎用性が高い。
本発明のダイカスト金型は、例えば図8に示すような、金属製の本体部分87と、この本体部分87に並設された金属製の複数の薄肉リブ85とを備えた金属製品80を鋳造するためのダイカスト金型として好適である。本発明のダイカスト金型を用いて金属製品を鋳造するには、先ず、図6及び7に示すような構成の、入子10を装着した可動型50と、固定型60を用意する。可動型50と固定型60を組み合わせた後、スリーブ65を通じて金型内へと金属溶湯を射出する。射出された金属溶湯は湯道を通じて、スリット15を含む金型のキャビティ内へと侵入する。キャビティ内に充填した金属溶湯を冷却して固化させた後、型開きして押出ピン挿通用の孔25から押出ピンにより離型させれば、図8に示すような複数の薄肉リブ85を有する金属製品80を得ることができる。
金属溶湯としては、従来のダイカスト(金型鋳造)に用いられる各種に非鉄金属の合金からなる溶湯を用いることができる。このような非鉄金属の具体例としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、銅合金、真鍮などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
窒化ケイ素を88質量%含有するセラミックス板を4枚用意した。ダイヤモンド工具を使用してこれらのセラミックス板を機械加工することにより、図2〜5に示すような形状の板状部材2〜5を作製した。なお、板状部材2,5の厚みTは12mm、板状部材3,4の厚みTは22mmとした。また、JIS B 0601:2001に準拠して測定される、スリットの内壁面22と当接面27の最大高さRzは、いずれも7μmであった。これらの板状部材2〜5を積層して組み合わせることにより、図1に示すような形状のセラミックス製の入子10を作製した。作製した入子10のスリット15の幅Wはいずれも0.5mmであり、スリット15の深さD(図2参照)は23mmであった。
図6に示すように、作製した入子10を可動型50に嵌合して固定した。図7に示すような固定型60と、入子10を装着した可動型50とを組み合わせた後、定法に従ってダイカスト用のアルミニウム合金(金属溶湯)を用いて鋳造を行い、図8に示すような、厚さ0.5mmの3枚の薄肉リブ85を有する金属製品80を得た。得られた金属製品80の薄肉リブ85を目視観察したところ、いずれの薄肉リブ85にも欠肉等の欠損は生じていなかった。また、得られた金属製品80のいずれの箇所にも金属溶湯の流れた跡(湯流れ模様)は認められず、艶の良い表面を有する高品質な金属製品80であった。なお、鋳造を複数回行ってみたところ、金型とアルミニウム合金との焼付き(カジリ)が生ずることなく、かつ、入子10は破壊等されることなく、欠肉等の欠損が生じていない薄肉リブ85を有する金属製品80を繰り返し得ることができた。
(比較例1)
セラミック製の入子に代えて、同一形状の金属製の入子を作製して使用したこと以外は、前述の実施例1と同様にして鋳造を行って金属製品を作製した。作製した金属製品の薄肉リブを目視観察したところ、いずれの薄肉リブ85にも欠肉等の欠損が多数生じていた。また、得られた金属製品の表面には金属溶湯の流れた跡(湯流れ模様)が多数認められた。
なお、スリット15の幅Wと、スリット15の深さDを、それぞれ0.2〜3mm、及び3〜70mmの範囲で変えた入子10を作製し、上記実施例1と同様にして鋳造を行った。その結果、いずれの入子10を使用した場合においても、薄肉リブ85に欠肉等の欠損は生じておらず、金属溶湯の流れた跡(湯流れ模様)が認められない、艶の良い表面を有する高品質な金属製品80を得ることができた。さらに、鋳造を複数回行ってみたところ、金型とアルミニウム合金との焼付き(カジリ)が生ずることなく、かつ、入子10は破壊等されることなく、欠肉等の欠損が生じていない薄肉リブ85を有する金属製品80を繰り返し得ることができた。
本発明のダイカスト金型用入子及びダイカスト金型は、電気部品装着用のハウジングやエンジンカバーをはじめとする高い熱交換性能を有する熱交換用の金属製品を良好な製造歩留まりで簡便かつ大量に鋳造するのに有用である。
2,3,4,5:板状部材
10:入子
15:スリット
20:切欠き部
22:スリットの内壁面
25:押出ピン挿通用の孔
27:当接面
30:ガイドホール
50:可動型
55:ダイベース
57:押出板
60:固定型
65:スリーブ
70:固定入子
80:金属製品
85:薄肉リブ
87:本体部分
すなわち、本発明によれば、以下に示すダイカスト金型用入子が提供される。
[1]一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型に装着されるダイカスト金型用入子であって、窒化ケイ素及びサイアロンの少なくともいずれかを含有するセラミックスからなる二以上の板状部材が積層されるとともに、隣接する前記板状部材どうしの間に前記薄肉リブに対応する一以上のスリットが形成されており、前記セラミックスに含有される前記窒化ケイ素と前記サイアロンの総量が70質量%以上であり、前記板状部材の表面の最大高さRzが0.05〜12.5μmであり、前記スリットの幅が0.2〜3mmであり、深さが3〜70mmであるダイカスト金型用入子。
[2]前記板状部材の厚みが5〜50mmである前記[1]に記載のダイカスト金型用入子
[3]前記金属製品が、電気部品装着用のハウジング、エンジンカバー、放熱板、又は熱交換用ラジエターである前記[1]又は2]に記載のダイカスト金型用入子。
また、本発明によれば、以下に示すダイカスト金型が提供される。
]一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型であって、金型本体と、前記金型本体に組み込まれた、前記[1]〜[]のいずれかに記載のダイカスト金型用入子とを備えるダイカスト金型。

Claims (5)

  1. 一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型に装着されるダイカスト金型用入子であって、
    窒化ケイ素及びサイアロンの少なくともいずれかを含有するセラミックスからなる二以上の板状部材が積層されるとともに、隣接する前記板状部材どうしの間に前記薄肉リブに対応する一以上のスリットが形成されており、
    前記セラミックスに含有される前記窒化ケイ素と前記サイアロンの総量が70質量%以上であり、
    前記スリットの幅が0.2〜3mmであり、深さが3〜70mmであるダイカスト金型用入子。
  2. 前記板状部材の厚みが5〜50mmである請求項1に記載のダイカスト金型用入子。
  3. 前記板状部材の表面の最大高さRzが0.05〜12.5μmである請求項1又は2に記載のダイカスト金型用入子。
  4. 前記金属製品が、電気部品装着用のハウジング、エンジンカバー、放熱板、又は熱交換用ラジエターである請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイカスト金型用入子。
  5. 一以上の薄肉リブを有する金属製品を鋳造するために用いられるダイカスト金型であって、
    金型本体と、前記金型本体に組み込まれた、請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイカスト金型用入子とを備えるダイカスト金型。
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