JP2013175675A - 半導体素子電極の接合方法 - Google Patents

半導体素子電極の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する際に、リードフレームと、半導体素子との接合部の接合性を高めることができる半導体素子電極の接合方法を提供する。
【解決手段】金属製のリードフレーム2を、半導体素子1に配置された半導体素子電極3に接合する半導体素子電極3の接合方法であって、リードフレーム2と、半導体素子電極3とを、接合すべき姿勢に維持しつつ、リードフレーム2と半導体素子電極3とを、めっき液中に浸漬し、めっき液中の金属を析出させることにより、析出した金属で、リードフレーム2を半導体素子電極3に接合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する半導体素子電極の接合方法に関する。
従来から、半導体素子は、高い熱伝導性が要求されるIGBT素子などに用いられている。例えば、IGBT素子は、HV用大容量インバータ(パワーデバイス)に組み込まれて、多用されている。例えば、HV用大容量インバータに用いられるIGBT素子では、半導体素子であるチップの両面から冷却が可能なように、その両側から冷却可能なモジュール構造が採用されている。これにより、半導体素子に大電流を流すことが可能となっている。
このような半導体素子の表面には半導体素子電極がたとえばめっきなどにより被覆され、銅などの金属製のリードフレームによって接合される。さらに、リードフレームによってこの回路パターンと外部電極用端子とが接合されて、電気的配線経路が構成される。
ここで、金属製のリードフレームを、半導体素子の表面に被覆された半導体素子電極に接合する半導体素子電極の接合方法として、例えば、特許文献1に記載の接合方法が提案されている。ここでは、ケイ素からなる半導体素子の表面の一部に被覆される半導体素子電極として、アルミニウム膜が形成されており、その表面には、金属保護膜として、さらに金膜が金属保護膜として形成されている。この半導体素子電極の表面に、例えば銅製のリードフレームが鉛フリーはんだなどのはんだを介して接合されている。
特開2009−147123公報
ところで、近年、IGBT素子などの半導体素子(パワー半導体素子)は、その性能を向上させるため、その素材として、ケイ素から炭化ケイ素への変更が進められている。ここで、半導体素子電極とリードフレームとの接合に用いられるはんだの素材は、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Cu合金など、融点が240℃程度の材料であるため、炭化ケイ素などからなる半導体素子を用いた場合には、半導体素子の動作温度が300℃程度となり、上述した融点を超える場合があった。これにより、半導体素子電極とリードフレームとの接合部であるはんだ材料が再溶融を起こすおそれがあり、半導体素子電極とリードフレームとの接合との接合性が低下するおそれがあった。
このような結果、半導体素子電極とリードフレームとの電気導通不良ならびに伝熱性不良が引き起こされ、HV用大容量インバータ(パワーデバイス)としての機能を果たさなくなることがあった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する際に、リードフレームと、半導体素子との接合部の接合性を高めることができる半導体素子電極の接合方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討を重ねた結果、はんだを用いて接合する場合は、動作時の発熱により接合部の溶融を回避するために、動作温度以上の融点を有するはんだ材料を選定する必要があると考えた。しかしながら、一般的はんだ材料を用いた場合には、上述する課題を解決することができないと判断した。そこで、発明者は、リードフレームと、半導体素子に配置された半導体素子電極とは、金属製の材料からなることに着眼し、リードフレームと、半導体素子電極とをめっき処理を利用して接合することができるとの新たな知見を得た。
本発明は、発明者の新たな知見に基づくものであり、本発明に係る半導体素子電極の接合方法は、金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する半導体素子電極の接合方法であって、前記リードフレームと、前記半導体素子電極とを、接合すべき姿勢に維持しつつ、前記リードフレームと前記半導体素子電極とを、めっき液中に浸漬し、該めっき液中の金属を析出させることにより、該析出した金属で、前記リードフレームを前記半導体素子電極に接合することを特徴とする。
本発明によれば、まず、リードフレームと、半導体素子電極とを、接合すべき姿勢に維持しつつ、リードフレームと前記半導体素子電極とを、めっき液中に浸漬する。そして、めっき液中の金属(イオン)を析出させることにより、析出した金属が接合材としての機能を果たすため、はんだによる接合時の熱影響などを懸念することなく、析出した金属で、リードフレームを半導体素子電極に接合することができる。
さらに、半導体素子の動作温度以上の融点を有する金属材料を選定することが容易にできるので、接合部が半導体素子の動作温度に達したとしても、接合部の金属は溶融することがないので、リードフレームと、半導体素子との接合の信頼性を高めることができる。
このような接合方法としては、たとえば、電気めっき処理を利用して、リードフレームと半導体素子電極とに、めっき用電極を接続し、いずれか一方の表面にめっき液に含まれる金属を析出させ、これを成長させることにより、リードフレームを半導体素子電極に接合する方法などを挙げることができ、めっき液を利用してリードフレームを半導体素子電極に接合することができるのであれば、接合方法は、特に限定されるものではない。
しかしながら、より好ましい態様としては、前記めっき液による接合を、無電解めっき処理により行なう。この態様によれば、無電解めっき処理により行なうことにより、リードフレームの表面と半導体素子電極の表面とに、無電解めっき液に含まれる金属を析出させ、双方の表面から析出した金属がめっき被膜となって成長する。さらに双方の表面で成長しためっき被膜は、結合し、これによりリードフレームを半導体素子電極に接合することができる。
また、無電解めっき処理の場合には、電気めっき処理の場合に比べて、単純な装置構成で、複雑な形状の接合面であっても、この接合面により均一な膜厚のめっき膜を被覆しながらリードフレームを半導体素子電極に接合することができる。また、リードフレームと半導体素子電極との表面のうちこれらが接合される接合表面以外の表面に、めっき被膜を被覆することも可能となる。
リードフレームと前記半導体素子電極との接合すべき姿勢としては、リードフレームと半導体素子電極とを当接させて、これらの周りを連続して覆うように、めっき液中の金属を析出させ、めっき被膜を形成することにより、リードフレームを半導体素子電極に接合してもよい。
しかしながら、より好ましい態様としては、前記接合すべき姿勢は、前記リードフレームと、前記半導体素子電極とを、離間した姿勢であり、該離間した姿勢の前記リードフレームと前記半導体素子電極との間に、前記金属を析出させる。
このように離間した姿勢の前記リードフレームと前記半導体素子電極との間に、めっき液が進入し、これらの接合面において、無電解めっき液に含まれる金属を析出させ、双方の接合面から析出した金属がめっき被膜となって成長し、これらが結合するので、これらの接合面間において、より強固にリードフレームを半導体素子電極に接合することができる。
さらに、好ましい態様としては、前記めっき液は、無電解ニッケル−リンめっき液であり、前記接合後の析出したニッケル−リン合金が結晶化するように、少なくとも前記リードフレームと前記半導体素子電極との接合部を加熱する。
この態様によれば、リードフレームおよび半導体素子電極の接合面の原子拡散による接合強度の向上ばかりでなく、ニッケル−リン合金が結晶化するので、ニッケル−リン合金の接合部が収縮し、この収縮力により見かけ上の接合強度が向上することになる。
さらに、半導体素子電極にアルミニウム電極を用いた場合には、無電解ニッケルめっき処理を行なう際には、たとえば、その表面に、鉄、コバルト、もしくはニッケルなどの鉄族元素、または、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、もしくは白金などの白金族元素などを、触媒として用い、電極表面にニッケルめっき液中のニッケルを析出することができる。しかしながら、より好ましい態様としては、前記接合前に、該アルミニウム電極の表面をジンケート処理する。この態様によれば、アルミニウム電極の表面にアルミニウムを亜鉛に置換することにより、半導体素子電極の表面にニッケルを析出することができる。
本発明によれば、金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する際に、リードフレームと半導体素子と接合部の接合性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る半導体素子電極の接合方法を説明するためのフロー図。 本発明の実施形態に係る半導体素子電極の接合方法を説明するための図であり、(a)は、接合途中を説明するための図であり、(b)は、接合状態を説明するための図。 (a)実施例に係る半導体素子電極の接合状態を示した写真図であり、(b)は、(a)の拡大図。
以下の本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する半導体素子電極の接合方法である。図1は、本発明の実施形態に係る半導体素子電極の接合方法を説明するためのフロー図であり、図2は、発明の実施形態に係る半導体素子電極の接合方法を説明するための図であり、(a)は、接合途中を説明するための図であり、(b)は、接合状態を説明するための図である。
〔半導体素子の前処理工程〕
まず、表面に電極(半導体素子電極)が被覆された半導体素子を準備する。ここで、半導体素子は、いわゆるパワー素子であり、炭化ケイ素からなる素子であり、その表面には、アルミニウム電極(以下、半導体素子電極をアルミニウム電極という)が被覆されている。アルミニウム電極は、たとえば半導体素子の表面に、PVD(スパッタリング)により被覆される。
なお、ここでは、半導体素子に炭化ケイ素を用いたが、ケイ素からなる半導体素子を用いてもよい。このようにして、得られた半導体素子に対して、以下に示す脱脂処理からジンケート処理までの一連の前処理を行なう。
<脱脂処理>
まず、図1のステップS11に示すように、このようにして得られた半導体素子の表面のアルミニウム電極を脱脂処理する。ここでは、例えば、アルコールなどを用いてアルミニウム電極の表面を洗浄し、その表面の油分を除去する。
<アルカリエッチング処理>
次に、ステップS12に示すように、脱脂したアルミニウム電極の処理表面に対してアルカリエッチング処理を行なう。これにより、アルミニウム電極の処理表面に形成された酸化皮膜を除去する。たとえば、アルミニウム基材の場合、アルミニウム基材の処理表面に形成された酸化皮膜をアルカリ溶液に接触させて除去を行う。ここでは、アルミニウム基材を例示して、アルカリエッチング処理を行なったが、基材表面の酸化皮膜を除去できるものであれば、この処理に特に限定されるものではない。
<酸洗浄処理>
次に、ステップS13に示すように、エッチング処理後のアルミニウム電極の処理表面に対して、酸洗浄処理を行なう。ここでは、硫酸、硝酸、またはこれらを混合した酸の溶液に、金属基材の処理表面を接触させる。これにより、エッチング処理時に処理表面に生成されたスマットおよび不純物を除去する。
たとえば、アルミニウム電極の場合には、エッチング処理中にスマットとして、水酸化アルミニウム(Al(OH))が生成され、不純物としてアルミニウム合金中にSi,Mgが含まれるため、これらを酸洗浄することにより除去する。
<ジンケート処理>
次に、ステップS14に示すように、酸洗浄処理後のアルミニウム電極の処理表面に対して、ジンケート処理を行なう。後述する無電解ニッケルめっき液中で、処理表面の金属元素が、ニッケルに置換されやすいように、亜鉛被膜を形成する。ここでは、酸洗浄処理後(スマット除去後)のアルミニウム電極の処理表面に対して、ジンケート溶液を接触させ亜鉛被膜を被覆する。
1度目のジンケート処理で得られた亜鉛被膜は、後述する2度目のジンケート処理で得られた亜鉛被膜に比べて、粒子が大きい亜鉛被膜となるため、ここでは、一度、アルミニウム電極の処理表面に被覆された亜鉛被膜を剥離させる。具体的には、硝酸などの酸溶液に、亜鉛被膜が被覆された処理表面を接触させて、この亜鉛被膜を剥離させる。
亜鉛被膜が剥離した処理表面に対して、2度目の亜鉛置換処理を行なう。ここでは、亜鉛被膜が剥離後の処理表面に対して、上述したジンケート溶液を再度接触させることにより、亜鉛被膜を形成する。ここで、得られる亜鉛被膜を構成する亜鉛粒子は、1度目のジンケート処理で得られた亜鉛被膜の粒子よりも小さいため、より緻密な亜鉛被膜となる。これにより、後述する無電解ニッケルめっき液中で、処理表面の亜鉛被膜の亜鉛が、ニッケルに置換されたときに得られるニッケルめっき被膜をより緻密で微細な被膜にすることができる。
なお、ここでは、アルミニウム電極を用いたので、ジンケート処理を行なったが、例えば、電極の素材が、鉄、コバルト、もしくはニッケルなどの鉄族元素、または、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、もしくは白金などの白金族元素からなる素材を用いた場合には、後述する無電解ニッケルめっき処理(接合処理)を容易に行うことができるので、ジンケート処理を行なわず、脱脂処理および酸洗浄処理のみを行なえばよい。また、無電解ニッケルめっき処理を行なう場合は、接合部と同種の金属となるように、電極の素材に、ニッケルを用いてもよい。
〔リードフレームの前処理工程〕
次に、半導体素子のアルミニウム電極に接合されるリードフレームを準備する。本実施形態では、ニッケル製のリードフレームを準備する。ここでは、ステップS21の脱脂処理および、ステップS22の酸洗浄処理を行なう。この脱脂処理および酸洗浄処理は、上述したステップS11の脱脂処理、ステップS13の酸洗浄処理である。
〔無電解ニッケルめっき処理(接合工程)〕
図1のステップS31に示すように、前処理を行ったニッケル製のリードフレームを、半導体素子に配置されたアルミニウム電極に接合する。まず、図2(a)に示すように、リードフレーム2と、アルミニウム電極3とを、無電解めっき液中に浸漬し、これらを接合すべき姿勢に維持する。
ここで、無電解ニッケルめっき液として、本実施形態では、無電解ニッケル−リン合金めっき液を用いている。ただし、ニッケルを無電解めっきできるものであれば任意の、公知の浴液が使用可能であり、例えば、還元剤の違いによって、無電解ニッケル−ホウ素合金めっき浴などを選定することができる。また、酸性無電解ニッケルめっき浴、アルカリ性無電解ニッケルめっき浴のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。無電解ニッケルめっき液に含まれるニッケルのソースとしては、ニッケルイオンを浴液に供給できるものであれば、任意のソースが可能であり、例えば、硫酸ニッケル、次亜リン酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、リンゴ酸ニッケル等の水溶性ニッケル塩が可能であるがこれらに限定されるものではない。
そして、本実施形態の場合には、接合すべき姿勢は、リードフレーム2と、アルミニウム電極3とを、それぞれの接合面において、離間した姿勢である。そして、離間した姿勢のリードフレーム2とアルミニウム電極3との間に、ニッケル(ニッケルリン合金)を析出させる。
図2(a)に示すように、無電解ニッケルめっき処理により行なうことにより、リードフレーム2の表面とアルミニウム電極3の表面とに、無電解めっき液に含まれるニッケル(ニッケルリン合金)を析出させ、双方の表面から析出した金属がニッケルめっき被膜4,5となって成長する。図2(b)に示すように、さらに双方の表面で成長したニッケルめっき被膜4,5は結合して、接合部6となり、これによりリードフレーム2をアルミニウム電極3に接合することができる。
なお、別の態様としては、リードフレーム2とアルミニウム電極3との接合すべき姿勢としては、リードフレーム2とアルミニウム電極3とを当接させて、これらの周りを連続して覆うように、めっき液中の金属を析出させ、めっき被膜を形成することにより、リードフレーム2をアルミニウム電極3に接合してもよい。
このようにして、ニッケルめっき液中のニッケル(イオン)を析出させることにより、析出したニッケル(ニッケルリン合金)が接合材としての機能を果たすため、はんだによる接合時の熱影響などを懸念することなく、析出した金属で、リードフレーム2をアルミニウム電極3に接合することができる。
さらに、半導体素子1の動作温度以上の融点を有するニッケルを選定することにより、接合部6が半導体素子1の動作温度に達したとしても、接合部6の金属は溶融することないので、リードフレーム2と、アルミニウム電極3との接合の信頼性を高めることができる。
〔熱処理工程〕
図1のステップS32に示すように、接合後の析出したニッケル−リン合金が結晶化するように、少なくともリードフレーム2とアルミニウム電極3との接合部6を加熱する熱処理を行う。
具体的には、不活性ガス中で、250℃〜半導体素子1の耐熱温度の範囲の条件で、接合部6を加熱する。この温度条件で加熱することにより、ニッケル−リン合金が結晶化する。このようにして、リードフレーム2およびアルミニウム電極3の接合面における原子拡散による接合強度の向上ばかりでなく、ニッケル−リン合金が結晶化するので、ニッケル−リン合金の接合部6が収縮し、この収縮力により見かけ上の接合強度が向上することになる。
ここで、加熱温度が、250℃未満の場合には、上述した接合面における原子拡散を期待することができず、接合強度が十分に向上しない場合がある。また、半導体素子1の耐熱温度が900℃を超える場合には、ニッケル−リン合金からなる接合部6が溶融することになる。
本発明を以下の実施例に基づいて説明する。
〔半導体素子電極の前処理〕
半導体素子電極として、アルミニウム電極を準備した。次に、上述した脱脂処理からジンケート処理までの一連の処理を、市販の上村工業エピスタシリーズ(クリーナ液、マイクロエッチング、ジンケート液)の処理液を用いて、この処理液の標準処理条件で、行なった。具体的には、クリーナ液で脱脂後、アルミニウム電極の処理表面に対して、アルカリ性のエッチング液を200ml/Lで処理温度50℃、浸漬時間1分の条件で、アルミニウムエッチング処理を行ない、その後、処理表面を水洗した。
次に酸洗浄処理工程として、60%の硝酸500ml/Lで、処理温度21℃、浸漬時間30秒の条件で、スマット除去処理を行ない、その後、処理表面を水洗した。
次に、1回目のジンケート処理として、ジンケート溶液を250ml/Lで、処理温度21℃、浸漬時間10秒の条件で処理を行ない、その後表面を水洗した。さらに、亜鉛剥離工程として、60%の硝酸500ml/L、処理温度21℃、浸漬時間1分の条件で、亜鉛剥離処理を行ない、その後、処理表面を水洗した。次に2回目のジンケート処理として、ジンケート溶液を250ml/Lで、処理温度21℃、浸漬時間35秒の条件で処理を行ない、その後表面を水洗した。
〔リードフレームの前処理〕
リードフレームとしてニッケル製のダミーリードフレームを準備した。市販の上村工業製エピスタシリーズ(クリーナ液)の処理液を用いて、この処理液の標準処理条件で、脱脂処理を行なった。次に、硝酸を用いて、上述したのと同様に、酸洗浄処理を行なった。
〔無電解ニッケルめっき処理(接合工程)〕
次に、リードフレームとアルミニウム電極との接合すべき姿勢としては、リードフレームとアルミニウム電極とを当接させて、市販の上村工業製の無電解ニッケルリンめっき液(NPR18)中に、この処理液の標準処理条件で180分間浸漬した。これにより、リードフレームとアルミニウム電極との周りを連続して覆うように、めっき液中のニッケルが析出し、ニッケルリンめっき被膜が形成されることが確認された。
図3は、(a)実施例に係る半導体素子電極の接合状態を示した写真図であり、(b)は、(a)の拡大図である。この結果から明らかなように、リードフレームとアルミニウム電極との周りを連続して覆うように、めっき液中のニッケルが析出し、ニッケルリンめっき被膜を形成することにより、リードフレームをアルミニウム電極に接合していることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、リードフレームとアルミニウム電極との接合を、無電解ニッケルめっき液を用いておこなったが、リードフレームをアルミニウム電極と接合ができるのであれば、例えば無電解銅めっき液を用いて行なってもよい。
1…半導体素子、2…リードフレーム、3…アルミニウム電極(半導体素子電極)、4,5…ニッケルめっき被膜、6…接合部

Claims (5)

  1. 金属製のリードフレームを、半導体素子に配置された半導体素子電極に接合する半導体素子電極の接合方法であって、
    前記リードフレームと、前記半導体素子電極とを、接合すべき姿勢に維持しつつ、前記リードフレームと前記半導体素子電極とを、めっき液中に浸漬し、
    該めっき液中の金属を析出させることにより、該析出した金属で、前記リードフレームを前記半導体素子電極に接合することを特徴とする半導体素子電極の接合方法。
  2. 前記めっき液による接合を、無電解めっき処理により行なうことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子電極の接合方法。
  3. 前記接合すべき姿勢は、前記リードフレームと、前記半導体素子電極とを、離間した姿勢であり、該離間した姿勢の前記リードフレームと前記半導体素子電極との間に、前記金属を析出させることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子電極の接合方法。
  4. 前記めっき液は、無電解ニッケル−リンめっき液であり、前記接合後の析出したニッケル−リン合金が結晶化するように、少なくとも前記リードフレームと前記半導体素子電極との接合部を加熱することを特徴とする請求項2または3に記載の半導体素子電極の接合方法。
  5. 前記半導体素子電極は、アルミニウム電極であり、前記接合前に、該アルミニウム電極の表面をジンケート処理することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の半導体素子電極の接合方法。
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