JP2013175336A - 燃料電池セルアセンブリの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 MEGA等の電極部材、セパレータ、およびシール部材を備える燃料電池セルアセンブリを、簡単に短時間で高品質に製造する方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池セルアセンブリ1の製造方法は、ゴム成分および接着成分を含む架橋前ゴム組成物をシート状に成形してなり、厚さが異なる枠状の段差部41、42、43を有するゴムシート40を備えるゴムシート部材51を作製する工程と、ゴムシート部材51のゴムシート40を打ち抜き加工して、シール部材4として不要な部分を除去することによりシール部材前駆体52を作製する工程と、成形型8の型内に、シール部材前駆体52と電極部材2とセパレータ30、31とを、ゴムシート40の段差部41、42、43と電極部材2の周縁部とを合わせて配置して、成形型8の型締めを行う工程と、成形型8を加熱することにより、ゴムシート40を架橋させる工程と、を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 燃料電池セルアセンブリ1の製造方法は、ゴム成分および接着成分を含む架橋前ゴム組成物をシート状に成形してなり、厚さが異なる枠状の段差部41、42、43を有するゴムシート40を備えるゴムシート部材51を作製する工程と、ゴムシート部材51のゴムシート40を打ち抜き加工して、シール部材4として不要な部分を除去することによりシール部材前駆体52を作製する工程と、成形型8の型内に、シール部材前駆体52と電極部材2とセパレータ30、31とを、ゴムシート40の段差部41、42、43と電極部材2の周縁部とを合わせて配置して、成形型8の型締めを行う工程と、成形型8を加熱することにより、ゴムシート40を架橋させる工程と、を有する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、電極部材、セパレータ、およびシール部材を備える燃料電池セルアセンブリの製造方法に関する。
ガスの電気化学反応により電気を発生させる燃料電池は、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ない。なかでも固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動させることができ、大きな出力密度を有する。このため、発電用、自動車用電源等、種々の用途が期待されている。
固体高分子型燃料電池においては、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)等をセパレータで挟持したセルが発電単位となる。固体高分子型燃料電池は、当該セルを多数積層したセル積層体を、セル積層方向の両端に配置したエンドプレート等により締め付けて、構成される。セルを構成するMEAは、電解質となる高分子膜(電解質膜)と、電解質膜の表裏両面に配置された一対の電極触媒層(燃料極(アノード)触媒層、酸素極(カソード)触媒層)と、からなる。通常、一対の電極触媒層の各々の表面には、ガス拡散層が配置される。MEAとガス拡散層とをまとめて、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)と称すこともある。燃料極側には水素等の燃料ガスが、酸素極側には酸素や空気等の酸化剤ガスが、それぞれ供給される。供給されたガスと電解質と電極触媒層との三相界面における電気化学反応により、発電が行われる。
セル積層体の周縁部には、ガスや水等の流路となるマニホールドが形成されている。各々の電極に供給されるガスが混合すると、発電効率が低下する等の問題が生じる。また、電解質膜は、水を含んだ状態でプロトン導電性を有する。このため、作動時には、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。したがって、ガスの混合や漏れを防止すると共に、セル内を湿潤状態に保持するために、MEGAやマニホールドの周縁部にはシール部材が配置されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1、2の製造方法においては、MEGA等の周縁部にシール部材の原料の液状ゴムを射出成形して、MEGAとシール部材とを一体成形している。しかしながら、MEGAは、薄く脆い。このため、成形型内にMEGAを配置した状態で液状ゴムを射出成形すると、液状ゴムの射出圧により、MEGAが変形したり、損傷するおそれがある。
これに対して、特許文献3の製造方法においては、液状ゴムの代わりにソリッドゴムを使用している。すなわち、接着性を有するソリッドゴムの架橋前組成物を予め所定の形状に成形しておき、得られた予備成形体を、MEGAおよびセパレータと共に成形型内に配置して、架橋させている。しかしながら、特許文献3の製造方法においては、以下の問題がある。すなわち、ソリッドゴムの架橋前組成物を予備成形した場合、予備成形体にばりが発生する。このため、ばり取り作業が必要になる。この際、ばり取りの程度により、予備成形体の重さにばらつきが生じやすい。また、ソリッドゴムの架橋前組成物は接着性を有するため、成形型に付着しやすい。よって、成形ごとに、成形型の洗浄が必要になる。また、シール部材は、極めて薄い。このため、成形型のキャビティにゴム組成物を注入する際、ゴム組成物の流動抵抗が大きく、充填に時間がかかる。また、ゴム組成物が、キャビティの隅まで行き渡りにくい。このように、特許文献3の製造方法によると、手間と時間がかかり、コスト高になる。また、ばり取りや成形型の洗浄工程が必要であるため、セルアセンブリの製造工程を、自動化することはできない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、MEGA等の電極部材、セパレータ、およびシール部材を備える燃料電池セルアセンブリを、簡単に短時間で高品質に製造する方法を、提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、膜電極接合体、および該膜電極接合体の表裏両面に配置される一対のガス拡散層を有する電極部材と、該電極部材に積層して配置されるセパレータと、該電極部材の周縁部を該周縁部の形状に沿って封止し、該電極部材と該セパレータとを一体化するシール部材と、を備える燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、ゴム成分および接着成分を含む架橋前ゴム組成物をシート状に成形してなり、厚さが異なる枠状の段差部を有するゴムシートを備えるゴムシート部材を作製するゴムシート部材作製工程と、該ゴムシート部材の該ゴムシートを打ち抜き加工して、該シール部材として不要な部分を除去することによりシール部材前駆体を作製する打ち抜き工程と、成形型の型内に、該シール部材前駆体と該電極部材と該セパレータとを、該ゴムシートの該段差部と該電極部材の該周縁部とを合わせて配置して、該成形型の型締めを行う部材配置工程と、該成形型を加熱することにより、該ゴムシートを架橋させる架橋工程と、を有することを特徴とする。
本発明の燃料電池セルアセンブリ(以下、適宜「セルアセンブリ」と称す)の製造方法においては、シール部材前駆体のゴムシートを、セルアセンブリを構成する他の部材に組み付けて架橋することにより、シール部材を形成する。ゴムシートは、架橋前ゴム組成物をシート状に成形した後、打ち抜き加工することにより、作製される。
ゴムシートの成形は、例えばカレンダー成形、押出成形等により行うことができる。また、打ち抜き加工は、トムソン刃等の抜き刃を用いて、簡単に行うことができる。したがって、本発明の製造方法によると、シール部材前駆体のゴムシートを、簡単に短時間で作製することができる。また、従来のように型成形を行わないため、ゴムシートにばりは発生しない。このため、ばり取り作業は必要ない。よって、ゴムシートごとの重さのばらつきが少なく、ゴムシートの品質も向上する。また、成形型の洗浄作業も、不要である。このため、本発明の製造方法によると、セルアセンブリを製造する手間および時間を、削減することができる。さらに、成形型にゴム組成物を注入する際に生じる上記問題や、射出成形によるMEGAの変形等の問題も、解消される。したがって、本発明の製造方法によると、セルアセンブリを、簡単に短時間で高品質に製造することができる。また、本発明の製造方法によると、セルアセンブリの製造工程の自動化も可能である。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記ゴムシート部材および前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、前記部材配置工程において、該シール部材前駆体から該フィルム部材を取り外す構成とする方がよい。
フィルム部材は、ゴムシートの一面に積層され、ゴムシートを支持する役割を果たす。このため、本構成によると、打ち抜き加工時や、その後の搬送、成形型への組み付け時に、ゴムシートの形状を保持しやすい。また、後の(8)の構成において説明するように、打ち抜き工程において、ゴムシートをハーフカットする場合がある。フィルム部材を備えると、ハーフカットを行いやすい。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記ゴムシート部材作製工程は、前記架橋前ゴム組成物をシート状に成形するシート成形工程と、成形されたゴムシートをプレス加工して前記段差部を形成するプレス工程と、を有する構成とする方がよい。
ゴムシート部材作製工程においては、架橋前ゴム組成物の成形と段差部の形成とを、例えばカレンダー成形により、同時に行っても良い。本構成においては、まず、架橋前ゴム組成物をシート状に成形した後、プレス加工により段差部を形成する。ゴムシート部材の作製を二段階に分けることにより、各々の作業を単純化することができる。また、シート成形工程において、ゴムシートにフィルム部材を積層させることにより、二層からなるゴムシート部材を簡単に製造することができる。
(4)好ましくは、上記(1)または(3)の構成において、前記電極部材は、一対の前記ガス拡散層の一方側に積層される網状のガス流路板を有し、前記セパレータは、該電極部材を挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータを有し、前記ゴムシートの前記段差部は、面方向外側に向かって順に厚さが大きくなる内側段差部、中側段差部、および外側段差部を有し、前記部材配置工程は、前記成形型の第一下型に、前記シール部材前駆体と該ガス流路板を除く該電極部材とを、該シール部材前駆体の該ゴムシートの該中側段差部の枠内に該電極部材を合わせるように載置して、さらに該第一セパレータを配置した後、第一上型を配置して型締めする第一配置工程と、該成形型の上下を反転させる反転工程と、反転により該成形型の上方に配置される該第一下型を取り外す第一下型除去工程と、該第一上型に配置される該電極部材の上面と、該ゴムシートの該内側段差部および該中側段差部の上面とを、該ガス流路板により押圧して、該内側段差部および該中側段差部を下方に移動させることにより、該ガス流路板を該ゴムシートの該外側段差部と面一に配置するガス流路板配置工程と、該ガス流路板の上面に該第二セパレータを配置して、さらに第二上型を配置して型締めする第二配置工程と、を有する構成とする方がよい。
第一配置工程においては、第一下型に、ゴムシートを備えるシール部材前駆体を配置した後、ガス流路板を除く電極部材、すなわち、膜電極接合体および一対のガス拡散層(MEGA)を配置すればよい。こうすると、ゴムシートを基準にMEGAを配置することができるため、MEGAの位置決めを簡単に行うことができる。
MEGAを構成する一対のガス拡散層の面積(大きさ)は、一方のガス拡散層の端面から他方のガス拡散層の端面へのガスリークを抑制するため、アノード側とカソード側とにおいて異なる。加えて、ガス流路板の面積も、ガス拡散層の面積とは異なる。このため、電極部材の周縁部の厚さ方向断面形状は、凹凸状を呈する。したがって、電極部材の周縁部を封止するためには、電極部材の周縁部形状の型対称の段差部を、ゴムシートに形成する必要がある。
この点、本構成によると、ゴムシートは、三つの枠状の段差部を有する。これらの厚さは、内側段差部→中側段差部→外側段差部の順に大きい。三つの段差部の厚さ方向断面は、面方向外側に向かって登る階段状を呈する。例えば、MEAを挟んで上側のガス拡散層の面積が、下側のガス拡散層の面積よりも小さい場合、MEGAの周縁部は、厚さ方向断面形状において上層よりも下層が突出した階段状になる。このMEGAの上側に、下層よりも面積が大きいガス流路板を積層させる場合、電極部材の周縁部は、厚さ方向断面形状において、上方から下方に高→低→中の順で突出した階段状になる。この場合、電極部材を上記段差部を有するゴムシートと共に配置しようとしても、電極部材の周縁部形状と、ゴムシートの段差部形状と、を合わせることはできない。
しかし、本構成によると、反転工程において、型内に配置された部材を上下反転させる。よって、第一配置工程において、一旦、MEGAを、ゴムシートの段差部に合うように上下反対に配置しても、反転工程において、元の状態に戻すことができる。そして、ガス流路板配置工程において、ガス流路板を配置する際に、ゴムシートの内側段差部および中側段差部を、中側段差部の枠内に配置された電極部材と共に押圧して、下方に移動させる。こうすることにより、上記周縁部形状を有する電極部材を、ゴムシートと接触させた状態で、成形型内に配置することができる。
このように、本構成によると、ゴムシートの作製時に、電極部材の周縁部形状の型対称の段差部を形成する必要はない。よって、ゴムシートの作製が容易である。また、最初に、ゴムシートの段差部に合わせてMEGAを配置することができるため、MEGAの位置決めを簡単に行うことができる。
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、前記第一配置工程において、該シール部材前駆体を、該フィルム部材が前記第一下型に接するように載置し、前記第一下型除去工程において、該第一下型と共に該フィルム部材を取り外す構成とする方がよい。
上記(2)において説明したように、ゴムシートは、フィルム部材により支持される。このため、打ち抜き加工時や、その後の搬送、成形型への組み付け時に、ゴムシートの形状を保持しやすい。また、フィルム部材を備えると、打ち抜き工程において、ハーフカットを行いやすい。
(6)好ましくは、上記(1)または(3)の構成において、前記電極部材は、一対の前記ガス拡散層の一方側に積層される網状のガス流路板を有し、前記セパレータは、該電極部材を挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータを有し、前記ゴムシートの前記段差部は、面方向外側に向かって順に厚さが大きくなる内側段差部、中側段差部、および外側段差部を有し、前記部材配置工程は、前記成形型の下型に、該第一セパレータを載置して、該第一セパレータの上面に、該ガス流路板を除く該電極部材、および前記シール部材前駆体を該ゴムシートの該段差部のうち該外側段差部のみが該上面に当接するように配置する第三配置工程と、該ゴムシートの該内側段差部および該中側段差部の上面を該ガス流路板により押圧して、該内側段差部および該中側段差部を下方に移動させることにより、該ガス流路板を該ゴムシートの該外側段差部と面一に配置するガス流路板配置工程と、該ガス流路板の上面に該第二セパレータを配置して、さらに上型を配置して型締めする第四配置工程と、を有する構成とする方がよい。
第三配置工程においては、第一セパレータの上面に、ガス流路板を除く電極部材、すなわち、膜電極接合体および一対のガス拡散層(MEGA)を配置する。このため、ゴムシートを基準にMEGAを配置する上記(4)の構成と比較して、MEGAの位置決めは、難しくなる。しかし、本構成によると、成形型内に構成部材を一旦配置した後、上下を反転させる反転工程は、必要ない。これにより、工程数を削減することができる。したがって、より短時間、低コストで、セルアセンブリを製造することができる。
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、前記第三配置工程において、該シール部材前駆体を配置した後、該フィルム部材を取り外す構成とする方がよい。
上記(2)において説明したように、ゴムシートは、フィルム部材により支持される。このため、打ち抜き加工時や、その後の搬送、成形型への組み付け時に、ゴムシートの形状を保持しやすい。また、フィルム部材を備えると、打ち抜き工程において、ハーフカットを行いやすい。
(8)好ましくは、上記(4)ないし(7)のいずれかの構成において、前記打ち抜き工程において、前記中側段差部と前記外側段差部との間に、厚さ方向に伸びる切れ目を形成する構成とする方がよい。
上記(4)から(7)の構成において、ゴムシートは、この順に連続する内側段差部、中側段差部、および外側段差部を有する。ガス流路板配置工程においては、ガス流路板で押圧することにより、ゴムシートの内側段差部および中側段差部のみを、下方に移動させる。本構成によると、隣接する中側段差部と外側段差部との間に、切れ目が形成される。このため、中側段差部を外側段差部から分離しやすい。したがって、内側段差部および中側段差部を、移動させやすい。
以下、本発明の燃料電池セルアセンブリの製造方法の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
[セルアセンブリの構成]
まず、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法により製造されたセルアセンブリの構成について説明する。図1に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法により製造されたセルアセンブリの上面図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、図2の一点鎖線で囲まれた部分IIIの拡大図を示す。図1〜図3に示すように、セルアセンブリ1は、電極部材2と、カソードセパレータ30と、アノードセパレータ31と、シール部材4と、を備えている。
[セルアセンブリの構成]
まず、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法により製造されたセルアセンブリの構成について説明する。図1に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法により製造されたセルアセンブリの上面図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、図2の一点鎖線で囲まれた部分IIIの拡大図を示す。図1〜図3に示すように、セルアセンブリ1は、電極部材2と、カソードセパレータ30と、アノードセパレータ31と、シール部材4と、を備えている。
電極部材2は、MEGA20と、ガス流路板21と、を備えている。MEGA20は、MEA22と、カソードガス拡散層23と、アノードガス拡散層24と、を備えている。MEA22は、図示しない電解質膜、カソード触媒層、およびアノード触媒層からなる。電解質膜は、全フッ素系スルホン酸膜であり、矩形薄板状を呈している。カソード触媒層は、電解質膜の上面を覆うように配置されている。カソード触媒層は、白金を担持したカーボン粒子を含んでいる。アノード触媒層は、電解質膜の下面を覆うように配置されている。アノード触媒層は、白金を担持したカーボン粒子を含んでいる。
カソードガス拡散層23は、カーボンペーパーからなり、矩形薄板状を呈している。カソードガス拡散層23は、MEA22の上面に配置されている。カソードガス拡散層23の大きさ(面積)は、MEA22およびアノードガス拡散層24よりも小さい。このため、カソードガス拡散層23の周縁部は、MEA22およびアノードガス拡散層24の周縁部よりも、内側に配置されている。
アノードガス拡散層24は、カーボンペーパーからなり、矩形薄板状を呈している。アノードガス拡散層24は、MEA22の下面に配置されている。アノードガス拡散層24の大きさ(面積)は、MEA22と同じである。このため、アノードガス拡散層24の周縁部は、MEA22の周縁部と面一に配置されている。すなわち、上方から見て、アノードガス拡散層24の周縁部は、MEA22の周縁部と、揃っている。
ガス流路板21は、エキスパンドメタルからなり、矩形板状を呈している。ガス流路板21は、MEGA20の上面、すなわちカソードガス拡散層23の上面に配置されている。空気は、ガス流路板21を介して、カソードガス拡散層23に供給される。ガス流路板21の大きさ(面積)は、MEA22およびアノードガス拡散層24よりも大きい。このため、ガス流路板21の周縁部は、MEA22およびアノードガス拡散層24の周縁部よりも、外側に配置されている。
カソードセパレータ30は、ステンレス鋼製であり、矩形板状を呈している。カソードセパレータ30は、電極部材2の上面、すなわちガス流路板21の上面に配置されている。カソードセパレータ30には、四辺に沿って、複数の連通孔300が形成されている。連通孔300は、各々、空気、水素、冷却水の流路になる。
アノードセパレータ31は、ステンレス鋼製であり、矩形板状を呈している。アノードセパレータ31は、電極部材2の下面、すなわちアノードガス拡散層24の下面に配置されている。アノードセパレータ31においても、カソードセパレータ30と同様に、四辺に沿って、複数の連通孔が形成されている。アノードガス拡散層24に接触するアノードセパレータ31の発電領域には、左右方向に延びる複数の突条310が形成されている。複数の突条310により、水素がアノードガス拡散層24に供給される。
シール部材4は、矩形枠状を呈している。シール部材4は、ゴム成分のエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)と、接着成分のレゾルシノール系化合物およびメラミン系化合物と、を含むゴム組成物の架橋物からなる。シール部材4は、電極部材2の周縁部を被覆すると共に、カソードセパレータ30およびアノードセパレータ31と、接着されている。
[燃料電池セルアセンブリの製造方法]
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、ゴムシート部材作製工程と、打ち抜き工程と、部材配置工程と、架橋工程と、を有している。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、ゴムシート部材作製工程と、打ち抜き工程と、部材配置工程と、架橋工程と、を有している。
(1)ゴムシート部材作製工程
まず、ゴムシート部材作製工程について説明する。本工程は、シート成形工程と、プレス工程と、を有する。図4に、シート成形工程、プレス工程、および打ち抜き工程を説明する模式図を示す。シート成形工程においては、架橋前ゴム組成物をシート状に成形する。図4に示すように、シート成形工程においては、まず、EPDMと、レゾルシノール系化合物およびメラミン系化合物と、を含む架橋前ゴム組成物を、カレンダーロール(図略)によりシート状に成形して、ゴムシート40を作製する。次に、供給ロール90により供給されるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム50を、ガイドロール91a、91bを用いて、ゴムシート40に張り合わせる。PETフィルム50は、本発明におけるフィルム部材の概念に含まれる。
まず、ゴムシート部材作製工程について説明する。本工程は、シート成形工程と、プレス工程と、を有する。図4に、シート成形工程、プレス工程、および打ち抜き工程を説明する模式図を示す。シート成形工程においては、架橋前ゴム組成物をシート状に成形する。図4に示すように、シート成形工程においては、まず、EPDMと、レゾルシノール系化合物およびメラミン系化合物と、を含む架橋前ゴム組成物を、カレンダーロール(図略)によりシート状に成形して、ゴムシート40を作製する。次に、供給ロール90により供給されるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム50を、ガイドロール91a、91bを用いて、ゴムシート40に張り合わせる。PETフィルム50は、本発明におけるフィルム部材の概念に含まれる。
プレス工程においては、作製したゴムシート40をプレス加工して、ゴムシート40に段差部を形成する。図4に示すように、プレス工程においては、PETフィルム50が張り合わされたゴムシート40を、プレス上型92aおよびプレス下型92bを用いてプレス加工する。これにより、ゴムシート40に、厚さが異なる枠状の段差部を、二つ形成する(後出の図5における内側段差部41、中側段差部42)。このようにして、段差部を有するゴムシート40とPETフィルム50とを備えるゴムシート部材51を、作製する。
(2)打ち抜き工程
次に、打ち抜き工程について説明する。打ち抜き工程においては、ゴムシート部材51のゴムシート40を打ち抜き加工して、シール部材前駆体52を作製する。まず、前出図4に示すように、ゴムシート部材51のゴムシート40を、打ち抜き上型93aおよび打ち抜き下型93bを用いて、打ち抜き加工する。この際、プレス工程にて形成した二つの段差部のうち、厚さが大きい方の外周を、ハーフカットする。具体的には、後出の図5における、中側段差部42の外周ライン420(中側段差部42と外側段差部43との間)を、ハーフカットする。これにより、中側段差部42と外側段差部43との間に切れ目421を形成する。次に、打ち抜かれた不要な部分を取り除き、枠状のゴムシート40を作製する。このようにして、枠状のゴムシート40、およびPETフィルム50を備えるシール部材前駆体52を、作製する。シール部材前駆体52は、所定の大きさに切断されて、部材配置工程に供される。
次に、打ち抜き工程について説明する。打ち抜き工程においては、ゴムシート部材51のゴムシート40を打ち抜き加工して、シール部材前駆体52を作製する。まず、前出図4に示すように、ゴムシート部材51のゴムシート40を、打ち抜き上型93aおよび打ち抜き下型93bを用いて、打ち抜き加工する。この際、プレス工程にて形成した二つの段差部のうち、厚さが大きい方の外周を、ハーフカットする。具体的には、後出の図5における、中側段差部42の外周ライン420(中側段差部42と外側段差部43との間)を、ハーフカットする。これにより、中側段差部42と外側段差部43との間に切れ目421を形成する。次に、打ち抜かれた不要な部分を取り除き、枠状のゴムシート40を作製する。このようにして、枠状のゴムシート40、およびPETフィルム50を備えるシール部材前駆体52を、作製する。シール部材前駆体52は、所定の大きさに切断されて、部材配置工程に供される。
図5に、本工程により作製されたゴムシートの上面図を示す。図5に示すように、ゴムシート40は、矩形枠状を呈している。ゴムシート40は、MEGA配置孔400と、複数の連通孔401と、を有している。MEGA配置孔400には、カソードガス拡散層23が配置される。複数の連通孔401は、ゴムシート40の四辺に沿って配置されている。連通孔401は、各々、空気、水素、冷却水の流路になる。ゴムシート40は、内側段差部41、中側段差部42、および外側段差部43を有している。内側段差部41は、MEGA配置孔400の周囲に配置されている。中側段差部42は、内側段差部41の面方向外側に配置されている。外側段差部43は、中側段差部42の面方向外側に配置されている。ゴムシート40の厚さは、内側段差部41→中側段差部42→外側段差部43の順に大きい。内側段差部41および中側段差部42は、前述したプレス加工により形成されたものである。中側段差部42と外側段差部43との間には、厚さ方向に延びる切れ目421が形成されている。
(3)部材配置工程
次に、部材配置工程について説明する。部材配置工程は、第一配置工程と、反転工程と、第一下型除去工程と、ガス流路板配置工程と、第二配置工程と、を有している。
次に、部材配置工程について説明する。部材配置工程は、第一配置工程と、反転工程と、第一下型除去工程と、ガス流路板配置工程と、第二配置工程と、を有している。
第一配置工程においては、成形型8の第一下型80および第二下型81に、シール部材前駆体52と、MEGA20と、アノードセパレータ31と、を配置した後、第一上型82を配置して、型締めする。図6(a)、(b)に、シール部材前駆体の配置過程を示す断面図を示す。図6以下、全ての断面図は、図1のII−II断面に相当する。アノードセパレータ31は、本発明の第一セパレータの概念に含まれる。
図6(a)に示すように、まず、第一下型80の型面に、シール部材前駆体52を、PETフィルム50を下側にして載置する。次に、図6(b)に示すように、ゴムシート40の周囲を囲むように、第二下型81を配置する。シール部材前駆体52において、PETフィルム50の大きさは、ゴムシート40よりも一回り大きい。このため、PETフィルム50の周縁部は、第一下型80と第二下型81との間に挟持される。
図7(a)、(b)に、MEGAおよびアノードセパレータの配置過程を示す断面図を示す。図7(a)、(b)に示すように、まず、ゴムシート40の中側段差部42の枠内に、MEGA20を配置する。この状態において、MEGA20は、中側段差部42と面一に配置される。これにより、MEGA20のアノードガス拡散層24およびMEA22の周端面は、中側段差部42に当接し、カソードガス拡散層23の周端面は、内側段差部41に当接する。次に、アノードセパレータ31を、ゴムシート40に積層して配置する。アノードセパレータ31は、ゴムシート40の外側段差部43の上面に、接している。
図8(a)、(b)に、第一上型を配置して型締めする過程を示す断面図を示す。図8(a)、(b)に示すように、アノードセパレータ31の上方から、第一上型82を配置して、成形型8を型締めする。
反転工程においては、型締め後の成形型8の上下を、反転させる。本工程においては、前出の図8(b)に白抜き矢印で示すように、成形型8の上下を反転させる。これにより、第一下型80が上側に、第一上型82が下側に配置される(後出の図9(a)参照)。
第一下型除去工程においては、第一下型80とPETフィルム50とを、取り外す。 図9(a)、(b)に、第一下型除去工程を示す断面図を示す。図9(a)に示すように、反転後の成形型8においては、第一下型80が上側に、第一上型82が下側に配置される。本工程においては、図9(b)に示すように、第一下型80と、ゴムシート40に張り合わされていたPETフィルム50と、を取り外す。
ガス流路板配置工程においては、ガス流路板21によりゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42を押圧して、内側段差部41および中側段差部42を下方に移動させることにより、ガス流路板21を配置する。図10(a)、(b)に、ガス流路板配置工程を示す断面図を示す。図11に、図10(a)の一点鎖線で囲まれた部分XIの拡大図を示す。図12に、図10(b)の一点鎖線で囲まれた部分XIIの拡大図を示す。
まず、図10(a)に示すように、ガス流路板21を、MEGA20が組み付けられたゴムシート40の上面に載置する。ガス流路板21の大きさは、ゴムシート40の中側段差部42の外周ライン420(前出の図5参照)と同じである。図11に拡大して示すように、中側段差部42と外側段差部43との間には、上下方向(厚さ方向)に延びる切れ目421が配置されている。次に、ガス流路板21を下方に押圧する。すると、ゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42が、MEGA20と共に下方に移動して、中側段差部42がアノードセパレータ31に当接する。このようにして、図10(b)および図12に示すように、ガス流路板21を、ゴムシート40の外側段差部43と面一に配置する。
第二配置工程においては、ガス流路板21の上面にカソードセパレータ30を配置した後、第二上型83を配置して型締めする。カソードセパレータ30は、本発明の第二セパレータの概念に含まれる。図13(a)、(b)に、第二配置工程を示す断面図を示す。まず、図13(a)に示すように、カソードセパレータ30を、ガス流路板21の上面に配置する。次に、図13(b)に示すように、カソードセパレータ30の上方から、第二上型83を配置して、成形型8を型締めする。
(4)架橋工程
次に、架橋工程について説明する。架橋工程においては、成形型8を加熱することにより、ゴムシート40を架橋させる。ゴムシート40が架橋すると、シール部材4(前出の図2参照)になる。
次に、架橋工程について説明する。架橋工程においては、成形型8を加熱することにより、ゴムシート40を架橋させる。ゴムシート40が架橋すると、シール部材4(前出の図2参照)になる。
[作用効果]
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法の作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、シール部材4を形成するシール部材前駆体52のゴムシート40を、架橋前ゴム組成物をシート状に成形した後、プレス加工および打ち抜き加工して作製する。このため、型成形する場合と比較して、ゴムシート40を、簡単に短時間で作製することができる。また、作製されたゴムシート40に、ばりは発生しない。このため、ばり取り作業は必要ない。よって、ゴムシート40ごとの重さのばらつきが少なく、ゴムシート40の品質も向上する。また、成形型の洗浄作業も、不要である。このため、本実施形態の製造方法によると、セルアセンブリ1を製造する手間および時間を、削減することができる。また、液状ゴムを射出成形してシール部材を製造する方法とは異なり、液状ゴムの射出圧により、MEGA20が変形するおそれはない。したがって、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、セルアセンブリ1を、簡単に短時間で高品質に製造することができる。また、セルアセンブリ1の製造工程を、自動化することも可能である。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法の作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、シール部材4を形成するシール部材前駆体52のゴムシート40を、架橋前ゴム組成物をシート状に成形した後、プレス加工および打ち抜き加工して作製する。このため、型成形する場合と比較して、ゴムシート40を、簡単に短時間で作製することができる。また、作製されたゴムシート40に、ばりは発生しない。このため、ばり取り作業は必要ない。よって、ゴムシート40ごとの重さのばらつきが少なく、ゴムシート40の品質も向上する。また、成形型の洗浄作業も、不要である。このため、本実施形態の製造方法によると、セルアセンブリ1を製造する手間および時間を、削減することができる。また、液状ゴムを射出成形してシール部材を製造する方法とは異なり、液状ゴムの射出圧により、MEGA20が変形するおそれはない。したがって、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、セルアセンブリ1を、簡単に短時間で高品質に製造することができる。また、セルアセンブリ1の製造工程を、自動化することも可能である。
本実施形態の製造方法においては、ゴムシート部材作製工程を、シート成形工程とプレス工程との二工程から構成する。シートの成形と段差部の形成とを、二工程に分けることにより、作業を単純化することができる。
ゴムシート部材51およびシール部材前駆体52は、ゴムシート40およびPETフィルム50を備える。すなわち、ゴムシート40は、PETフィルム50により支持される。このため、打ち抜き工程、搬送時、部材配置工程において、ゴムシート40の形状を保持しやすい。
本実施形態の製造方法においては、部材配置工程を、第一配置工程、反転工程、第一下型除去工程、ガス流路板配置工程、および第二配置工程から構成する。第一配置工程においては、ゴムシート40を備えるシール部材前駆体52を配置した後、MEGA20を配置する。この場合、ゴムシート40を基準にMEGA20を配置することができるため、MEGA20の位置決めを簡単に行うことができる。
本実施形態において、カソードガス拡散層23の周縁部は、アノードガス拡散層24の周縁部よりも、内側に配置される。また、ガス流路板21の周縁部は、アノードガス拡散層24の周縁部よりも、外側に配置される。このため、電極部材2の周縁部の厚さ方向断面形状は、上方から下方に高→低→中の順で突出した階段状になる。一方、ゴムシート40は、三つの枠状の段差部41、42、43を有する。これらの厚さは、内側段差部41→中側段差部42→外側段差部43の順に大きい。よって、三つの段差部41、42、43の厚さ方向断面は、面方向外側に向かって登る階段状を呈する。したがって、このままの状態で、MEGA20をゴムシート40と共に配置しようとしても、電極部材2の周縁部形状と、ゴムシート40の段差部形状と、を合わせることはできない。
しかし、本実施形態の製造方法によると、反転工程において、成形型8を上下反転させる。よって、第一配置工程において、一旦、MEGA20を、ゴムシート40の段差部形状に合うように上下反対に配置しても、反転工程において、元の状態に戻すことができる。そして、ガス流路板配置工程において、ガス流路板21を配置する際に、ゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42を、MEGA20と共に押圧して、下方に移動させることにより、MEGA20およびガス流路板21(電極部材2)を、周縁部をゴムシート40と接触させた状態で、成形型8内に配置することができる。
このように、本実施形態の製造方法によると、ゴムシート40の作製時に、電極部材2の周縁部形状の型対称の段差部を形成する必要はない。よって、ゴムシート40の作製が容易である。また、最初に、ゴムシート40の内側段差部41、中側段差部42に合わせてMEGA20を配置することができるため、MEGA20の位置決めを簡単に行うことができる。また、中側段差部42と外側段差部43との間には、切れ目421が形成されている。このため、中側段差部42を外側段差部43から分離しやすい。したがって、ガス流路板21を配置する際、内側段差部41および中側段差部42を、移動させやすい。
<第二実施形態>
本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、の相違点は、部材配置工程において、成形型を反転させない点である。したがって、ここでは相違点を中心に説明する。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、の相違点は、部材配置工程において、成形型を反転させない点である。したがって、ここでは相違点を中心に説明する。
まず、部材配置工程について説明する。部材配置工程は、第三配置工程と、ガス流路板配置工程と、第四配置工程と、を有している。
第三配置工程においては、成形型8の第三下型84および第四下型85に、アノードセパレータ31と、MEGA20と、シール部材前駆体52と、を配置する。また、シール部材前駆体52から、PETフィルム50を取り外す。図14(a)、(b)に、第三配置工程を示す断面図を示す。
図14(a)に示すように、まず、第三下型84の型面に、アノードセパレータ31を載置する。次に、MEGA20を、アノードセパレータ31の上面に配置する。MEGA20は、アノードガス拡散層24を下側にして配置される。MEGA20は、アノードセパレータ31において、複数の突条310が形成されている領域に配置される。次に、シール部材前駆体52を、PETフィルム50を上側にして配置する。シール部材前駆体52は、ゴムシート40の外側段差部43のみが、アノードセパレータ31の上面に当接するように配置される。PETフィルム50の周縁部は、第四下型85の上面に配置される。次に、図14(b)に示すように、ゴムシート40に張り合わされていたPETフィルム50を、取り外す。
ガス流路板配置工程においては、ガス流路板21によりゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42を押圧して、内側段差部41および中側段差部42を下方に移動させることにより、ガス流路板21を配置する。図15(a)、(b)に、ガス流路板配置工程を示す断面図を示す。図15(a)、(b)は、前出の図10(a)、(b)に各々対応する。
まず、図15(a)に示すように、ガス流路板21を、ゴムシート40の上面に載置する。ガス流路板21は、ゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42の上面にのみ、接触している。ゴムシート40の中側段差部42と外側段差部43との間には、上下方向(厚さ方向)に延びる切れ目421が配置されている。次に、ガス流路板21を下方に押圧する。すると、ゴムシート40の内側段差部41および中側段差部42が下方に移動して、中側段差部42がアノードセパレータ31に当接する。このようにして、図15(b)に示すように、ガス流路板21を、ゴムシート40の外側段差部43と面一に配置する。また、MEGA20のカソードガス拡散層23の周端面は、内側段差部41に当接し、アノードガス拡散層24およびMEA22の周端面は、中側段差部42に当接する。
第四配置工程においては、ガス流路板21の上面にカソードセパレータ30を配置した後、第三上型86を配置して型締めする。図16(a)、(b)に、第四配置工程を示す断面図を示す。まず、図16(a)に示すように、カソードセパレータ30を、ガス流路板21の上面に配置する。次に、図16(b)に示すように、カソードセパレータ30の上方から、第三上型86を配置して、成形型8を型締めする。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法の作用効果を説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、構成が共通する部分については、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、同様の作用効果を有する。また、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、第三配置工程において、アノードセパレータ31の上面に、MEGA20を配置する。このため、ゴムシート40を基準にMEGA20を配置する第一実施形態と比較して、MEGA20の位置決めは、難しくなる。しかし、本実施形態によると、成形型8内に構成部材を一旦配置した後、上下を反転させる反転工程は、必要ない。これにより、工程数を削減することができる。したがって、より短時間、低コストで、セルアセンブリ1を製造することができる。
<第三実施形態>
本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、の相違点は、打ち抜き工程においてハーフカットを行わず、ゴムシートの中側段差部と外側段差部との間に、切れ目を形成しない点である。したがって、ここでは相違点を中心に説明する。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、の相違点は、打ち抜き工程においてハーフカットを行わず、ゴムシートの中側段差部と外側段差部との間に、切れ目を形成しない点である。したがって、ここでは相違点を中心に説明する。
図17に、本実施形態におけるガス流路板配置工程を示す断面拡大図を示す。図17は、前出の図11に対応する。図17中、図11と対応する部材については同じ符号で示す。図17に示すように、ゴムシート40の中側段差部42と外側段差部43との間には、切れ目は配置されていない。しかし、ゴムシート40の厚さは、極めて小さい。特に、内側段差部41および中側段差部42は、外側段差部43よりも薄い。また、ゴムシート40は、架橋前ゴム組成物からなる。つまり、架橋されていないため、軟らかい。このため、ガス流路板21の押圧力だけで、内側段差部41および中側段差部42は、下方に移動する。したがって、中側段差部42と外側段差部43との間に、切れ目が形成されていなくても、ガス流路板21を下方へ押圧し、内側段差部41および中側段差部42を下方に移動させることにより、ガス流路板21を、ゴムシート40の外側段差部43と面一に、配置することができる。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、構成が共通する部分については、第一実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法と、同様の作用効果を有する。また、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、打ち抜き工程において、ハーフカットを省略することができる。
<その他>
以上、本発明の燃料電池セルアセンブリの製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
以上、本発明の燃料電池セルアセンブリの製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、ゴムシートとPETフィルム(フィルム部材)とを積層させて、ゴムシート部材を作製した。しかし、フィルム部材は必ずしも必要ない。ゴムシートの形状を保持することができれば、ゴムシートのみからゴムシート部材およびシール部材前駆体を構成してもよい。フィルム部材を用いる場合、その材質は特に限定されない。例えば、ゴムシートに接着しにくいものを採用することが望ましい。
上記実施形態においては、ゴムシート部材作製工程を、シート成形工程とプレス工程と、から構成した。しかし、ゴムシート部材作製工程を、二工程に分けなくてもよい。架橋前ゴム組成物からのシート成形と段差部の形成とを、例えばカレンダー成形により、一工程で行ってもよい。
上記実施形態においては、成形型内に、ゴムシートおよびMEGAを配置した後、ガス流路板により、内側段差部および中側段差部を下方に移動させた。しかし、内側段差部および中側段差部の移動は、必ずしも必要ではない。例えば、ゴムシート部材作製工程において、予めゴムシートに、電極部材の周縁部形状の型対称の段差部を形成すれば、成形型内に、当該ゴムシートと電極部材とを配置して、そのまま(ガス流路板で押圧することなく)架橋すればよい。また、内側段差部および中側段差部を移動させる場合、中側段差部と外側段差部との間の切れ目の有無は、どちらでもよい。
燃料電池セルアセンブリを構成する各部材の材質、形状、大きさ等は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態においては、ガス流路板を、MEGAのカソード側に配置した。しかし、ガス流路板は、アノード側、あるいは両側に配置してもよい。また、シール部材として、EPDMと、レゾルシノール系化合物およびメラミン系化合物と、を含むゴム組成物の架橋物を採用した。シール部材は、ゴム成分および接着成分を含むゴム組成物を架橋させて形成されていればよい。例えば、特開2009−252479号公報(上記特許文献3)の段落[0065]〜[0079]に記載されているゴム組成物を、採用することが望ましい。
1:セルアセンブリ、2:電極部材、20:MEGA、21:ガス流路板、22:MEA、23:カソードガス拡散層、24:アノードガス拡散層、30:カソードセパレータ(第二セパレータ)、31:アノードセパレータ(第一セパレータ)、300:連通孔、310:突条、4:シール部材、40:ゴムシート、41:内側段差部、42:中側段差部、43:外側段差部、400:MEGA配置孔、401:連通孔、420:中側段差部の外周ライン、421:切れ目、50:PETフィルム(フィルム部材)、51:ゴムシート部材、52:シール部材前駆体、8:成形型、80:第一下型、81:第二下型、82:第一上型、83:第二上型、84:第三下型、85:第四下型、86:第三上型、90:供給ロール、91a、91b:ガイドロール、92a:プレス上型、92b:プレス下型、93a:打ち抜き上型、93b:打ち抜き下型。
Claims (8)
- 膜電極接合体、および該膜電極接合体の表裏両面に配置される一対のガス拡散層を有する電極部材と、該電極部材に積層して配置されるセパレータと、該電極部材の周縁部を該周縁部の形状に沿って封止し、該電極部材と該セパレータとを一体化するシール部材と、を備える燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、
ゴム成分および接着成分を含む架橋前ゴム組成物をシート状に成形してなり、厚さが異なる枠状の段差部を有するゴムシートを備えるゴムシート部材を作製するゴムシート部材作製工程と、
該ゴムシート部材の該ゴムシートを打ち抜き加工して、該シール部材として不要な部分を除去することによりシール部材前駆体を作製する打ち抜き工程と、
成形型の型内に、該シール部材前駆体と該電極部材と該セパレータとを、該ゴムシートの該段差部と該電極部材の該周縁部とを合わせて配置して、該成形型の型締めを行う部材配置工程と、
該成形型を加熱することにより、該ゴムシートを架橋させる架橋工程と、
を有することを特徴とする燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記ゴムシート部材および前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、
前記部材配置工程において、該シール部材前駆体から該フィルム部材を取り外す請求項1に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記ゴムシート部材作製工程は、前記架橋前ゴム組成物をシート状に成形するシート成形工程と、成形されたゴムシートをプレス加工して前記段差部を形成するプレス工程と、を有する請求項1または請求項2に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。
- 前記電極部材は、一対の前記ガス拡散層の一方側に積層される網状のガス流路板を有し、
前記セパレータは、該電極部材を挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータを有し、
前記ゴムシートの前記段差部は、面方向外側に向かって順に厚さが大きくなる内側段差部、中側段差部、および外側段差部を有し、
前記部材配置工程は、
前記成形型の第一下型に、前記シール部材前駆体と該ガス流路板を除く該電極部材とを、該シール部材前駆体の該ゴムシートの該中側段差部の枠内に該電極部材を合わせるように載置して、さらに該第一セパレータを配置した後、第一上型を配置して型締めする第一配置工程と、
該成形型の上下を反転させる反転工程と、
反転により該成形型の上方に配置される該第一下型を取り外す第一下型除去工程と、
該第一上型に配置される該電極部材の上面と、該ゴムシートの該内側段差部および該中側段差部の上面とを、該ガス流路板により押圧して、該内側段差部および該中側段差部を下方に移動させることにより、該ガス流路板を該ゴムシートの該外側段差部と面一に配置するガス流路板配置工程と、
該ガス流路板の上面に該第二セパレータを配置して、さらに第二上型を配置して型締めする第二配置工程と、
を有する請求項1または請求項3に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、
前記第一配置工程において、該シール部材前駆体を、該フィルム部材が前記第一下型に接するように載置し、
前記第一下型除去工程において、該第一下型と共に該フィルム部材を取り外す請求項4に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記電極部材は、一対の前記ガス拡散層の一方側に積層される網状のガス流路板を有し、
前記セパレータは、該電極部材を挟んで配置される第一セパレータおよび第二セパレータを有し、
前記ゴムシートの前記段差部は、面方向外側に向かって順に厚さが大きくなる内側段差部、中側段差部、および外側段差部を有し、
前記部材配置工程は、
前記成形型の下型に、該第一セパレータを載置して、該第一セパレータの上面に、該ガス流路板を除く該電極部材、および前記シール部材前駆体を該ゴムシートの該段差部のうち該外側段差部のみが該上面に当接するように配置する第三配置工程と、
該ゴムシートの該内側段差部および該中側段差部の上面を該ガス流路板により押圧して、該内側段差部および該中側段差部を下方に移動させることにより、該ガス流路板を該ゴムシートの該外側段差部と面一に配置するガス流路板配置工程と、
該ガス流路板の上面に該第二セパレータを配置して、さらに上型を配置して型締めする第四配置工程と、
を有する請求項1または請求項3に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記シール部材前駆体は、前記ゴムシートの一面に積層されるフィルム部材を備え、
前記第三配置工程において、該シール部材前駆体を配置した後、該フィルム部材を取り外す請求項6に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 前記打ち抜き工程において、前記中側段差部と前記外側段差部との間に、厚さ方向に伸びる切れ目を形成する請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法。
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2012
- 2012-02-24 JP JP2012038357A patent/JP2013175336A/ja active Pending
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