JP2009266692A - 単セルアセンブリ、燃料電池、および、それらの製造方法 - Google Patents

単セルアセンブリ、燃料電池、および、それらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制すること。
【解決手段】複数積層されることにより燃料電池を形成する単セルアセンブリの製造方法であって、少なくとも電解質膜を含む単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、セパレータの周縁部に、絶縁部材を接着させる絶縁部材接着工程と、絶縁部材接着工程後、単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部にシール部材を成形する成形工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、単セルアセンブリ、燃料電池、および、それらの製造方法に関する。
燃料電池は、例えば、略平板状の膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly )を含む単セル構成部材とセパレータとを交互に積層して構成される(下記特許文献1参照)。
特開2007−149393号公報
しかしながら、上記燃料電池では、例えば、外力を受けたり、劣化等により、積層ずれを起こし、隣接するセパレータ同士が、接触し、短絡するおそれがあった。このように、短絡が生じると、燃料電池の発電効率の低下など種々の不具合が生じるおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
複数積層されることにより燃料電池を形成する単セルアセンブリの製造方法であって、少なくとも電解質膜を含む単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、前記セパレータの周縁部に、絶縁部材を接着させる絶縁部材接着工程と、前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部にシール部材を成形する成形工程と、を備えることを要旨とする。
上記単セルアセンブリの製造方法によれば、製造された単セルアセンブリを複数積層した燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。また、上記製造方法によれば、シール部材が、損傷することを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記単セル構成部材は、絶縁性のフィルムであって、一部が、前記電解質膜の保護のため、前記電解質膜の周縁部に接合される保護フィルムを備え、前記絶縁部材接着工程は、前記セパレータの周縁部に、前記絶縁部材として、前記保護フィルムの一部を接着させる工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、部品点数を軽減しつつ、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記単セル構成部材配置工程は、前記絶縁部材接着工程後に行うことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、単セル構成部材を配置する際、位置決めを容易に行うことができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記成形工程は、前記絶縁部材接着工程後、前記シール部材を、前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部であって、前記絶縁部材上に成形する工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、シール部材を容易に形成することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記絶縁部材接着工程は、前記セパレータの端面に、前記絶縁部材を接着させる工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することをより抑制することができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、 前記セパレータは、周縁部にマニホールドを形成する貫通孔を有しており、前記絶縁部材接着工程は、前記絶縁部材を、前記セパレータの前記貫通孔を塞ぐように配置する工程を含み、前記成形工程後、前記セパレータの前記貫通孔を塞ぐ前記絶縁部材を裁断する裁断工程を備えることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、シール部材を成形する際、成形材料が、セパレータが形成する流路に入り込むことを抑制することができ、成形材料によって流路が閉塞することを抑制することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用6のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記成形工程は、前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部と一体化するように前記シール部材を成形する工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、単セルアセンブリのハンドリングを向上させることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、前記絶縁部材は、フィルム状部材であることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
このようにすれば、セパレータの周縁部に、容易に絶縁部材接着させることができる。
[適用例9]
単セルアセンブリであって、適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法で製造されたことを要旨とする。
上記構成の単セルアセンブリによれば、複数積層して燃料電池を形成した際、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。また、シール部材の損傷を抑制することができる。
[適用例10]
単セルアセンブリであって、セパレータと、電解質膜と、絶縁性であり、前記電解質膜を保護するためのフィルムであって、前記電解質膜の周縁部と接合されると共に、前記セパレータの周縁部と接着する保護フィルムと、を備えることを要旨とする。
上記構成の単セルアセンブリによれば、部品点数を軽減しつつ、複数積層して燃料電池を形成した際、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。
[適用例11]
複数積層されることにより燃料電池を形成する単セルアセンブリの製造方法であって、電解質膜と、絶縁性のフィルムであって、一部が、前記電解質膜の保護のため、前記電解質膜の周縁部に接合される保護フィルムとを備える単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、前記セパレータの周縁部に、前記保護フィルムの一部を接着させる絶縁部材接着工程と、前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部にシール部材を成形する成形工程と、を備えることを要旨とする。
上記構成の単セルアセンブリの製造方法によれば、部品点数を軽減しつつ、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。
[適用例12]
燃料電池の製造方法であって、少なくとも電解質膜を含む単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、前記セパレータの周縁部に、絶縁部材を接着させる絶縁部材接着工程と、前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部にシール部材を成形し、単セルアセンブリを製造するセル製造工程と、前記セル製造工程で製造された前記単セルアセンブリを積層する積層工程と、を備えることを要旨とする。
上記燃料電池の製造方法によれば、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。また、上記製造方法によれば、シール部材が、損傷することを抑制することができる。
[適用例13]
燃料電池であって、適用例12に記載の燃料電池の製造方法で製造された燃料電池。
このようにすれば、燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。
上記単セルアセンブリの製造方法によれば、セパレータの周縁部に絶縁部が設けられた単セルアセンブリを製造することができる。そして、製造した単セルアセンブリを複数積層した燃料電池において、セパレータ同士が接触して、短絡することを抑制することができる。
なお、本発明は、上記した単セルアセンブリの製造方法に限ることなく、セパレータの製造方法など、他の方法発明の態様で実現することも可能である。また、上記した単セルアセンブリや燃料電池に限られず、セパレータなど、他の装置発明の態様で実現することも可能である。
以下、本発明に係る燃料電池について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池の構成
本発明の第1実施例に係る燃料電池の概略構成について説明する。図1は、第1実施例における燃料電池100の構成を示す説明図である。図2は、燃料電池100を構成する単セルアセンブリ200の側面図である。図3は第1実施例における燃料電池の製造ステップを示すフローチャートである。図2において、単セルアセンブリ200は、離れて示されているが、実際には、隣接している。図2に示される単セルアセンブリ200には、シール部材700、単セル構成部材800、発電領域DA、および、周囲領域DRが示されている。これらについての詳細は、後述する。
図1および図2に示すように、燃料電池100は、単セルアセンブリ200が複数個積層された構造(いわゆるスタック構造)を有している。単セルアセンブリ200を積層する方向を積層方向とも呼び、積層方向に垂直な方向であって、単セルアセンブリ200の面に沿った方向を面方向とも呼ぶ。図3に示すように、燃料電池100は、単セルアセンブリ200を所定枚数積層し(ステップS102)、積層された単セルアセンブリ200を積層方向に所定の締結力を負荷するように締結する(ステップS104)ことにより、製造される。
図1に示すように、燃料電池100には、酸化ガスが供給される酸化ガス供給マニホールド110と、酸化ガスを排出する酸化ガス排出マニホールド120と、燃料ガスが供給される燃料ガス供給マニホールド130と、燃料ガスを排出する燃料ガス排出マニホールド140と、冷却媒体を供給する冷却媒体供給マニホールド150と、冷却媒体を排出する冷却媒体排出マニホールド160と、が設けられている。
燃料電池100は、酸化ガス供給マニホールド110に酸化ガスが供給されると共に、燃料ガス供給マニホールド130に燃料ガスが供給されることにより、発電を行う。また、発電中の燃料電池100には、発電に伴う発熱による燃料電池100の温度上昇を抑制するために、冷却媒体供給マニホールド150に冷却媒体が供給される。なお、酸化ガスとしては、例えば、空気を用い、燃料ガスとしては、例えば、水素を用いる。また、酸化ガス、燃料ガスは共に反応ガスとも呼ばれる。冷却媒体としては、例えば、水、エチレングリコール等の不凍水、空気等を用いる。
図2に加えて、図4および図5を参照しながら、単セルアセンブリ200の構成について説明する。図4は、単セルアセンブリ200の正面図(図2における右側から見た図)を示す図である。図5は、図4におけるA−A断面を示す断面図である。
図2、図4、図5に示すように、単セルアセンブリ200は、セパレータ600と、単セル構成部材800と、シール部材700と、から構成されている。これら各部材において、周縁部に位置し、積層方向に沿った面を端面とも呼ぶ。セパレータ600の端面を、端面TMとも呼ぶ。単セル構成部材800は、本実施例の特徴部分である保護フィルム777を備えている。この詳細は後述する。
セパレータ600は、アノードプレート300と、カソードプレート400と、中間プレート500と、導電性多孔部材555と、から構成されている。
図6は、カソードプレート400の形状を示す説明図である。図7は、アノードプレート300の形状を示す説明図である。図8は、中間プレート500の形状を説明図である。図6、図7、図8は、各プレート400、300、500を図2の右側から見た様子を示している。図6〜図8において、各プレート300、400、500の中央部に破線で示す領域DAは、単セルアセンブリ200において、上述した単セル構成部材800が配置される領域に対応する領域(以下、発電領域DAとも呼ぶ)である。
図6に示すように、カソードプレート400は、例えば、ステンレス鋼で形成されている。カソードプレート400は、6個のマニホールド形成部422〜432と、酸化ガス供給スリット440と、酸化ガス排出スリット444と、を備えている。マニホールド形成部422〜432は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。酸化ガス供給スリット440は、発電領域DAの端部(図6における上端部)に配置されている。酸化ガス排出スリット444は、発電領域DAの端部(図6における下端部)に、並んで配置されている。
図7に示すように、アノードプレート300は、カソードプレート400同様、例えば、ステンレス鋼で形成されている。アノードプレート300は、カソードプレート400同様、6個のマニホールド形成部322〜332と、燃料ガス供給スリット350と、燃料ガス排出スリット354と、を備えている。マニホールド形成部322〜332は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、カソードプレート400と同様に、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。燃料ガス供給スリット350は、発電領域DAの端部(図7における下端部)に、セパレータ600を構成した際にカソードプレート400における上述した酸化ガス排出スリット444と重ならないように配置されている。燃料ガス排出スリット354は、発電領域DAの端部(図7における上端部)に、セパレータ600を構成した際にカソードプレート400における上述した酸化ガス供給スリット440と重ならないように配置されている。
図8に示すように、中間プレート500は、上述の各プレート300、400とは異なり、ラミネート樹脂で形成されている。ラミネート樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、または、カプトンフィルムなどが用いられる。中間プレート500は、厚さ方向に貫通する貫通部として、反応ガス(酸化ガスまたは燃料ガス)を供給/排出のための4つのマニホールド形成部522〜528と、供給流路形成部542、546および排出流路形成部544、548を備えている。中間プレート500は、さらに、プレートの略中央に厚さ方向に貫通する貫通部として、冷媒流路形成部550と、冷媒流路形成部550に連通する冷媒供給スリット551および冷媒排出スリット552と、を備えている。マニホールド形成部522〜528は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、カソードプレート400、アノードプレート300と同様に、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。
導電性多孔部材555は、面方向の面積が冷媒流路形成部550より一回り小さ多孔体であり、ステンレス鋼等の導電性材料で形成され、厚さが、中間プレート500とほぼ同様である。導電性多孔部材555は、冷媒流路形成部550に配置され、セパレータ600の3つのプレート300、400、500を重ね合わせた際に、カソードプレート400と、アノードプレート300とを電気的に接続すると共に、冷却媒体が流れる流路として機能する。
反応ガスの供給流路形成部542、546と排出流路形成部544、548は、それぞれ対応するマニホールド形成部522〜528と一端が連通している。これらの流路形成部542、544、546、548の他端は、3つのプレート300、400、500を接合した際に、それぞれ対応するガス供給/排出スリット440、444、350、354と連通する。
図9は、セパレータの正面図である。セパレータ600は、上述したアノードプレート300およびカソードプレート400を、中間プレート500を挟持するように中間プレート500の両側にそれぞれ接合し、中間プレート500における冷却媒体供給マニホールド150および冷却媒体排出マニホールド160に対応する領域に露出している部分を打ち抜いて作製される。3枚のプレートを積層し、ホットプレスすることで、中間プレート500とアノードプレート300、および、中間プレート500とカソードプレート400とを接合する。この結果、貫通部である6つのマニホールド形成部110A〜160A(図9:ハッチング)と、酸化ガス供給流路650と、酸化ガス排出流路660と、燃料ガス供給流路630と、燃料ガス排出流路640と、冷却媒体流路670とを備えたセパレータ600が得られる。
なお、酸化ガス供給流路650は、上述した中間プレート500に形成された酸化ガスの供給流路形成部542(図8)とカソードプレート400に形成された酸化ガス供給スリット440(図6)によって形成される。酸化ガス排出流路660は、上述した中間プレート500に形成された酸化ガスの排出流路形成部544(図8)とカソードプレート400に形成された酸化ガス排出スリット444(図6)によって形成される。燃料ガス供給流路630は、上述した中間プレート500に形成された燃料ガスの供給流路形成部546(図8)とアノードプレート300に形成された燃料ガス供給スリット350(図7)によって形成される。燃料ガス排出流路640は、上述した中間プレート500に形成された燃料ガスの排出流路形成部548(図8)とアノードプレート300に形成された燃料ガス排出スリット354(図7)によって形成される。冷却媒体流路670は、冷媒流路形成部550(図8)と、冷媒供給スリット551(図8)と、冷媒排出スリット552(図8)とによって形成される。
A2.特徴部分を含む単セル構成部材の説明:
図2、図4、図5に戻って、単セルアセンブリ200の説明を続ける。図2、図5に示すように、単セルアセンブリ200は、上述したセパレータ600のカソードプレート400側の面における発電領域DAに、単セル構成部材800が配置され、同じ面における発電領域DAの外側の領域DR(以下、周囲領域DRとも呼ぶ)にシール部材700が配置されている。
単セル構成部材800は、図5に示すように、MEA(Membrane Electrode Assembly)810と、MEA810のアノード側の面に接して配置されたアノード側拡散層820と、MEA810のカソード側の面に接して配置されたカソード側拡散層830と、アノード側多孔体840と、カソード側多孔体850と、から構成されている。アノード側多孔体840は、MEA810のアノード側にアノード側拡散層820を挟んで配置され、カソード側多孔体850は、MEA810のカソード側にカソード側拡散層830を挟んで配置されている。カソード側多孔体850は、セパレータ600の発電領域DAに接触している。アノード側多孔体840は、複数の単セルアセンブリ200を積層して燃料電池100を構成した際に、他の単セルアセンブリ200のセパレータ600におけるアノードプレート300側の面に接触する。
MEA810は、例えばフッ素系樹脂材料あるいは炭化水素系樹脂材料で形成され湿潤状態において良好なイオン導電性を有する電解質膜811と、アノード触媒層812と、カソード触媒層813と、保護フィルム777と、保護フィルム778と、から構成されている。
保護フィルム778は、枠形状を有する絶縁性のフィルムであり、電解質膜811のアノード側面における周縁部を保護するためのフィルムである。
本実施例における特徴部分である保護フィルム777は、図2、図4、または、図5に示すように、枠形状を有する絶縁性のフィルムであり、電解質膜811のカソード側面における周縁部を保護するためのフィルムである。保護フィルム777は、保護フィルム778と比較して、面方向に大きく形成されている。保護フィルム777は、内周縁部が、電解質膜811の周縁部と接着すると共に、外周縁部が、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRおよび端面TMと接着している。すなわち、保護フィルム777は、セパレータ600において、周囲領域DRおよび端面TMを被覆している。
保護フィルム777,778は、例えば、PET、PEN、PC等のポリエステル系フィルム、PP、PE等のオレフィン系フィルム、PI、PA等のエンジニアリングプラスチック系フィルムなどを用いることができる。
アノード触媒層812およびカソード触媒層813は、例えば、白金が担持された白金担持カーボンと、電解質とを含む層から成る、アノード触媒層812は、電解質膜811上であって、保護フィルム778の内側部分に配置される。カソード触媒層813は、電解質膜811上であって、保護フィルム777の内側部分に配置される。
アノード側拡散層820およびカソード側拡散層830は、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、あるいはカーボンペーパまたはカーボンフェルトによって形成される。アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、金属多孔体などのガス拡散性および導電性を有する多孔質の材料で形成されている。アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、上述したアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830より空孔率が高く、内部におけるガスの流動抵抗がアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830より低いものが用いられ、後述するように反応ガスが流動するための流路として機能する。
シール部材700は、支持部710と、リブ720と、を備えている。シール部材700は、絶縁性であって、ガス不透性と弾力性と燃料電池の運転温度域における耐熱性とを有する材料、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性材料により形成される。具体的には、シール部材700は、シリコン系ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、フッ素系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、スチレン系エラストマー、フッ素系エラストマーなどが用いることができる。
支持部710は、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRと接着される保護フィルム777上に形成される(図2、図5)。支持部710と保護フィルム777との接触面SU(図5:太線)は、所定の結合力で接着されている。ここで「所定の結合力」とは、単セルアセンブリ200が積層・締結されていない状態、すなわち、積層方向の負荷がかけられていない状態における結合力である。具体的には、接触面SUの結合力は、シールラインの単位長さあたり0.01N/mm(ニュートン毎ミリメートル)以上であることが好ましく、0.6N/mm以上であることがさらに好ましい。
支持部710は、図4および図5において符号BBで示すように、単セル構成部材800の端部に含浸して一体化されている。これにより、単セル構成部材800の端部において、MEA810のカソード側からアノード側への、あるいは、アノード側からカソード側への反応ガスの漏洩が抑制される。
リブ720は、図5に示すように、支持部710から積層方向に突出するように支持部710の上部に形成されると共に、図4に示すように、単セル構成部材800、各マニホールド110〜160を、それぞれ囲むように形成されている。リブ720は、単セルアセンブリ200が積層され燃料電池100を構成する際に、積層方向の締結力により、他の単セルアセンブリ200のセパレータ600のアノードプレート300と気密に接触する。
上述のように、シール部材700は、単セル構成部材800およびセパレータ600と一体化している。言い換えれば、単セルアセンブリ200において、セパレータ600と、シール部材700と、単セル構成部材800とは、一体化されている。
A3.燃料電池の動作
図10を参照して、本実施例に係る燃料電池100の動作について説明する。図10は、燃料電池の反応ガスの流れを示す説明図である。図を見やすくするため、図10においては、2つの単セルアセンブリ200が積層された様子を図示している。図10(a)は、図9におけるB−B断面に対応する断面図を示している。図10(b)は、右側の半分が図9におけるD−D断面に対応する断面図を示し、左側の半分が図9におけるC−C断面に対応する断面図を示している。
酸化ガス供給マニホールド110に供給された酸化ガスは、図10(a)において矢印で示すように、酸化ガス供給マニホールド110から酸化ガス供給流路650を通って、カソード側多孔体850に供給される。カソード側多孔体850に供給された酸化ガスは、酸化ガスの流路として機能するカソード側多孔体850の内部を図4、9における上方から下方に流動する。そして、酸化ガスは、酸化ガス排出流路660を通って、酸化ガス排出マニホールド120へ排出される。カソード側多孔体850を流動する酸化ガスの一部は、カソード側多孔体850に当接しているカソード側拡散層830の全体に亘って拡散し、カソード反応(例えば、2H++2e−+(1/2)O2→H2O)に供される。
燃料ガス供給マニホールド130に供給された燃料ガスは、図10(b)において矢印で示すように、燃料ガス供給マニホールド130から燃料ガス供給流路630を通って、アノード側多孔体840に供給される。アノード側多孔体840に供給された燃料ガスは、燃料ガスの流路として機能するアノード側多孔体840の内部を図4、9における下方から上方に流動する。そして、燃料ガスは、燃料ガス排出流路640を通って、燃料ガス排出マニホールド140に排出される。アノード側多孔体840を流動する酸化ガスの一部は、アノード側多孔体840に当接しているアノード側拡散層820の全体に亘って拡散し、アノード反応(例えば、H2→2H++2e−)に供される。
冷却媒体供給マニホールド150に供給された冷却媒体は、冷却媒体供給マニホールド150から冷却媒体流路670に供給される。冷却媒体流路670に供給された冷却媒体は、冷却媒体流路670の一端から他端まで流動し、冷却媒体排出マニホールド160に排出される。
以上のように、本実施例の燃料電池100では、保護フィルム777が、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRおよび端面TMを覆うように配置されている(図2、図4、図5、図10等)。このようにすれば、例えば、燃料電池100が外力を受けたり、シール部材700が劣化するなどによって、単セルアセンブリ200が積層ずれを起こし、セパレータ600同士が接近した場合であっても、セパレータ600間に、外側被覆部730が挟まれるので、セパレータ600同士が直接接触することを抑制することができる。その結果、セパレータ600同士の接触に伴う短絡を抑制することができ、燃料電池100の発電効率が低下することを抑制することができる。
また、本実施例の単セルアセンブリ200において、MEA810、シール部材700、および、セパレータ600とは、一体に形成されているので、単セルアセンブリ200を積層する際、組み付け性、または、ハンドリング性を向上させると共に、燃料電池100の製造時における製造工程の削減を図ることができる。
A4.単セルアセンブリの製造方法:
図11〜図18を参照して、上述した構成を有する単セルアセンブリ200の製造方法を説明する。図11は、本実施例における単セルアセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。図12は、MEGAを示す図である。図13は、成形型の断面図である。図14は、成形型の正面図である。図15は、セパレータにMEGAを配置する工程を説明するための図である。図16は、保護フィルムとセパレータとを接着する工程を説明するための図である。図17は、成形型に、セパレータを含む積層体を配置する工程を説明するための図である。図18は、射出成形を行う工程を説明するための図である。図13は、図14におけるF−F断面に対応している。なお、各図において、上述した燃料電池100と同様の構成のものは、同符号を用い、説明を省略する。
先ず、図12に示すように、MEGA900を用意する(ステップS200)。MEGA900は、保護フィルム777を備えるMEA810の両面にアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830を予めホットプレスによって接着して一体化したものである。
次に、一体化成型用の成形型を準備する(ステップS202)。成形型は、図13に示すように、上型910と下型920を有している。下型920は、図13、図14に示すように、平滑なフラット面920Aを有している。上型910は、成形材料の投入口SHと、連通口RHとを有している。
続いて、図15に示すように、セパレータ600に、カソード側多孔体850を配置し(ステップS204)、そのカソード側多孔体850上にMEGA900を配置する(ステップS206)。
図16に示すように、保護フィルム777を、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRおよび端面TMに接着させる(ステップS208)。この場合、例えば、保護フィルム777を、セパレータ600の周囲領域DRおよび端面TMにホットプレスすることによって、接着させる。また、保護フィルム777を、接着剤を用いて、セパレータ600の周囲領域DRおよび端面TMに接着させるようにしてもよい。この工程で得られる積層体であって、カソード側多孔体850、MEGA900、および、セパレータ600から成る積層体を、積層体Jと呼ぶ。なお、積層体Jにおいて、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aは、保護フィルム777によって塞がれている。
次に、図17に示すように、下型920に、積層体Jを配置する(ステップS210)。セパレータ600は、アノードプレート300側を下方に、カソードプレート400側を上方にして、下型920に配置される。そして、下型920に配置された積層体JのMEGA900上に、アノード側多孔体840を配置する(ステップS212)。
続いて、図18に示すように、上型910と下型920とを所定の型圧で型締めする(ステップS214)。型締めされた状態において、セパレータ600の周囲領域DRの上方(保護フィルム777上)には、上述した単セルアセンブリ200のシール部材700の形状を有する空間SPが形成される。この空間SPは、図18に示すように、保護フィルム777と、下型920および上型910の内壁面と、単セル構成部材800(アノード側多孔体840とMEGA900とカソード側多孔体850)の端部とによって区画される。
そして、投入口SHから空間SPへ向けて成形材料を射出し、シール部材700の射出成形を行う(ステップS216)。連通口RHは、投入口SHより投入された成形材料を、空間SPに拡散させる機能を有する。なお、成形材料の射出後、加硫工程が行われる。
この射出成形において、成形材料が単セル構成部材800の端部に含浸する(図4および図5の領域BB)ことにより、単セル構成部材800とシール部材700が一体化するように、成形材料の投入圧力が制御される。また、成形材料にシランカップリング剤を添加することにより、シール部材700と保護フィルム777との接触面SU(図5)の結合力が確保される。射出成形後、型開きして、シール部材700と、単セル構成部材800と、セパレータ600とが一体化した一体化アセンブリが得られる。
その後、一体化アセンブリにおいて、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aを塞いでいる保護フィルム777を裁断する(ステップS218)。以上のようにして、単セルアセンブリ200を製造する。
ところで、単セルアセンブリの製造方法において、セパレータ同士の短絡抑制部材として、絶縁部材をセパレータの周縁部に配置する場合において、シール部材を形成後に配置すると、シール部材を損傷するおそれがあった。一方、本実施例の単セルアセンブリ200の製造方法では、短絡抑制部材としての保護フィルム777を、セパレータ600の周縁部(周囲領域DRおよび端面TM)に配置後、シール部材700を形成するようにしているので、単セルアセンブリ200において、シール部材700が損傷することを抑制することができる。
また、本実施例の単セルアセンブリ200の製造方法では、MEGA900(保護フィルム777)と、セパレータ600とを接着して、積層体Jを形成するようにしている。このようにすれば、セパレータ600とMEGA900とを一体化することができ、MEGA900とセパレータ600とが積層ずれを起こすことを抑制することができる。また、下型920に、これら部材を配置する際、ハンドリング性を向上させることができ、さらには、位置決めを容易にすることができる。
本実施例の単セルアセンブリ200の製造方法では、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aを保護フィルム777で塞いだ状態で、シール部材700を射出成形するようにしている。このようにすれば、シール部材700を射出成形する際、成形材料が、燃料ガス供給流路630、燃料ガス排出流路640、セパレータ600の酸化ガス供給流路650、酸化ガス排出流路660、および、冷却媒体流路670などの流路に入り込むことを抑制することができ、成形材料によって流路が閉塞することを抑制することができる。これにより、シール部材700を、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aの直近付近まで形成することができる。また、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aを保護フィルム777で塞ぐことにより、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aに成形材料が流れ込むおそれが軽減でき、下型920において、各マニホールドに対応する凸部を省略し、上述のごとく、フラット面920Aを形成することができる。その結果、下型920に、セパレータ600を配置する際、下型920の形状を考慮することなく、容易にセパレータ600を配置することが可能となる。
なお、本実施例において、保護フィルム777は、特許請求の範囲における絶縁部材に該当し、セパレータ600は、特許請求の範囲におけるセパレータに該当し、単セル構成部材800は、特許請求の範囲における単セル構成部材に該当し、電解質膜811は、特許請求の範囲における電解質に該当し、シール部材700は、特許請求の範囲におけるシール部材に該当し、周囲領域DRおよび端面TMは、特許請求の範囲におけるセパレータの周縁部に該当し、マニホールド形成部110A〜160Aは、特許請求の範囲におけるマニホールドを形成する貫通孔に該当する。
B.第2実施例:
B1.単セルアセンブリの構成:
本発明の第2実施例に係る燃料電池の概略構成について説明する。図19は、第2実施例における単セルアセンブリの構成を示す説明図である。図19に示す第2実施例の単セルアセンブリ200Aにおいて、第1実施例の単セルアセンブリ200と同じ構成は、同様の符号を付しており、説明を省略している。
第2実施例の単セルアセンブリ200Aは、図19に示すように、第1実施例の保護フィルム777を、保護フィルム777Aと、絶縁フィルム777Xとに区分した構成となっている。保護フィルム777Aは、保護フィルム778と同様の構成であり、電解質膜811のアノード側面における周縁部を保護するためのフィルムある。保護フィルム777Aは、電解質膜811を挟んで、保護フィルム778と対向するように配置される。
絶縁フィルム777Xは、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRおよび端面TMと接着している。絶縁フィルム777Xの形状等についての詳細は、後述する。
保護フィルム777Aおよび絶縁フィルム777Xは、例えば、PET、PEN、PC等のポリエステル系フィルム、PP、PE等のオレフィン系フィルム、PI、PA等のエンジニアリングプラスチック系フィルムなどを用いることができる。
B2.単セルアセンブリの製造方法:
図20〜図25を参照して、上述した構成を有する単セルアセンブリ200Aの製造方法を説明する。図20は、本実施例における単セルアセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。図21は、絶縁フィルムおよびMEGAを示す図である。図22は、絶縁フィルムとセパレータとを接着する工程を説明するための図である。図23は、成形型に、絶縁フィルムが接着されたセパレータを配置する工程を説明するための図である。図24は、セパレータに、カソード側多孔体、MEGA、アノード側多孔体を積層する工程を説明するための図である。図25は、射出成形を行う工程を説明するための図である。図21において、(A)は、絶縁フィルム777Xの正面図を示し、(B)は、(A)におけるG−G断面図を示し、(C)は、本実施例におけるMEGA900Aを示す。なお、各図において、第1実施例の単セルアセンブリ200と同様の構成のものは、同符号を用い、説明を省略する。
先ず、図21に示すように、絶縁フィルム777XおよびMEGA900Aを用意する(S00)。絶縁フィルム777Xは、枠形状を有する。MEGA900Aは、第1実施例のMEGA900において、保護フィルム777を保護フィルム777Aに置き換えた構成である。
次に、一体化成型用の成形型(図13、図14:上型910および下型920)を準備する(ステップS302)。
続いて、図22に示すように、絶縁フィルム777Xを、セパレータ600(カソードプレート400)の周囲領域DRおよび端面TMに接着させる(ステップS304)。この場合、例えば、絶縁フィルム777Xを、セパレータ600の周囲領域DRおよび端面TMにホットプレスすることによって、接着させる。この工程で得られる、絶縁フィルム777Xが接着したセパレータ600から成る積層体を、積層体Iと呼ぶ。なお、積層体Iにおいて、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aは、絶縁フィルム777Xによって塞がれている。
次に、図23に示すように、下型920に、積層体Iを配置する(ステップS306)。その後、図24に示すように、セパレータ600に、カソード側多孔体850を配置し(ステップS308)、そのカソード側多孔体850上にMEGA900Aを配置すると共に(ステップS310)、さらに、そのMEGA900A上に、アノード側多孔体840を配置する(ステップS312)。
続いて、図25に示すように、上型910と下型920とを所定の型圧で型締めし(ステップS314)、投入口SHから空間SPへ向けて成形材料を射出し、シール部材700の射出成形を行う(ステップS316)。その後、セパレータ600のマニホールド形成部110A〜160Aを塞いでいる絶縁フィルム777Xを裁断する(ステップS318)。以上のようにして、単セルアセンブリ200Aを製造する。
以上のように、本実施例の単セルアセンブリ200Aの製造方法では、セパレータ600に、カソード側多孔体850等を積層する前工程で、絶縁フィルム777Xをセパレータ600の周囲領域DR上に形成するようにしている。このようにすれば、カソード側多孔体850をセパレータ600に配置する際、カソード側多孔体850の位置決めの指標としたり、カソード側多孔体850の端面を絶縁フィルム777Xに当てるなどして、位置決めを容易に行うことができる。なお、本実施例において、絶縁フィルム777Xは、特許請求の範囲における絶縁部材に該当する。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記第2実施例の単セルアセンブリ200Aの製造方法では、セパレータ600に、各マニホールド形成部110A〜160Aを塞ぐように絶縁フィルム777Xを接着し、その後、各マニホールド形成部110A〜160Aを塞いでいた絶縁フィルム777Xを裁断するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、各マニホールド形成部110A〜160Aが形成されていないセパレータを用意し、絶縁フィルム777Xを接着後、絶縁フィルム777Xと共に、セパレータを打ち抜いて、各マニホールド形成部110A〜160Aを形成するようにしてもよい。このようにすれば、セパレータの打ち抜きと共に、絶縁フィルム777Xを裁断することができ、製造工程の削減を行うことできる。
C2.変形例2:
上記実施例の単セルアセンブリの製造方法において、絶縁部材(保護フィルム777または絶縁フィルム777X)上に、シール部材700を形成するようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、絶縁部材を、セパレータ600の周囲領域DRにおいて、シール部材700を形成する位置には形成しないようにしてもよい。このようにすれば、シール部材700とセパレータ600との結合力を向上させることができる。
C3.変形例3:
上記実施例では、射出成形によってシール部材を形成しているが、これに代えて、圧縮成形によってシール部材を形成しても良い。例えば、成形型の空間SPに固形の未加硫ゴムを充填し、成形型を型締めして加熱することにより、形状を成形することと加硫を同時に行う熱加硫圧縮成形などが用いられ得る。このようにしても、上記実施例の効果の少なくとも一部を奏することができる。
C4.変形例4:
上記第2実施例では、絶縁フィルム777Xを、カソード側多孔体850の位置決めに利用しているが、本発明は、これに限られるものではなく、絶縁フィルム777Xを、単セル構成部材のいずれかの部材または単セル構成部材全体の位置決めに利用するようにしてもよい。例えば、単セルアセンブリ200Aにおいて、カソード側多孔体850を備えない場合には、絶縁フィルム777Xを、MEGA900Aの位置決めに利用するようにしてもよい。また、単セルアセンブリ200Aにおいて、カソード側多孔体850とMEGA900Aとが一体化されている場合には、絶縁フィルム777Xを、その一体化部材の位置決めに利用するようにしてもよい。このようにすれば、単セル構成部材の位置決めを容易に行うことができる。
C5.変形例5:
上記各実施例では、セパレータ600は3層の金属板を積層した構成であり、その形状は表面が平坦な形状であるとしているが、セパレータ600の構成は他の任意の構成とすることが可能であり、またセパレータ600の形状は他の任意の形状とすることが可能である。このようにしても、上記実施例の効果の少なくとも一部を奏することができる。
C6.変形例6:
上記各実施例では、単セル構成部材800の各部材やセパレータ600の各部材の材料を特定しているが、これらの材料に限定されるものではなく、適正な種々の材料を用いることができる。例えば、アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850を、金属多孔体を用いて形成するとしているが、例えばカーボン多孔体といった他の材料を用いて形成することも可能である。また、セパレータ600は、金属を用いて形成するとしているが、例えばカーボンといった他の材料を用いることも可能である。
C7.変形例7:
上記実施例において、中間プレート500の冷媒流路形成部550に配置する部材として、導電性多孔部材555を用いているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電性多孔部材555の代わりに、導電性の波板状部材を用いるようにしてもよい。このようにしても、上記実施例の効果の少なくとも一部を奏することができる。
C8.変形例8:
上記各実施例では、単セル構成部材800の端部は、同一の平面上に位置している、すなわち単セル構成部材800の端面が1つの平面によって形成されているが、必ずしもそうである必要は無い。単セル構成部材800を構成するMEA810、アノード側拡散層820、カソード側拡散層830、アノード側多孔体840、カソード側多孔体850の端面は、それぞれずれた位置にあってもよい。すなわち単セル構成部材800の端面が複数の面によって形成されていてもよい。このようにしても、上記実施例の効果の少なくとも一部を奏することができる。
第1実施例における燃料電池100の構成を示す説明図である。 燃料電池100を構成する単セルアセンブリ200の側面図である。 第1実施例における燃料電池の製造ステップを示すフローチャートである。 単セルアセンブリ200の正面図(図2における右側から見た図)を示す図である。 図4におけるA−A断面を示す断面図である。 カソードプレート400の形状を示す説明図である。 アノードプレート300の形状を示す説明図である。 中間プレート500の形状を説明図である。 セパレータの正面図である。 燃料電池の反応ガスの流れを示す説明図である。 第1実施例における単セルアセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。 MEGAを示す図である。 成形型の断面図である。 成形型の正面図である。 セパレータにMEGAを配置する工程を説明するための図である。 保護フィルムとセパレータとを接着する工程を説明するための図である。 成形型にセパレータを含む積層体を配置する工程を説明するための図である。 射出成形を行う工程を説明するための図である。 第2実施例における単セルアセンブリの構成を示す説明図である。 第2実施例における単セルアセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。 絶縁フィルムおよびMEGAを示す図である。 絶縁フィルムとセパレータとを接着する工程を説明するための図である。 成形型に絶縁フィルムが接着されたセパレータを配置する工程を説明するための図である。 セパレータにカソード側多孔体MEGAアノード側多孔体を積層する工程を説明するための図である。 射出成形を行う工程を説明するための図である。
符号の説明
100…燃料電池
110…酸化ガス供給マニホールド
120…酸化ガス排出マニホールド
130…燃料ガス供給マニホールド
140…燃料ガス排出マニホールド
150…冷却媒体供給マニホールド
160…冷却媒体排出マニホールド
110A〜160A…マニホールド形成部
200,200A…単セルアセンブリ
300…アノードプレート
322,422,522…マニホールド形成部
350…燃料ガス供給スリット
354…燃料ガス排出スリット
400…カソードプレート
440…酸化ガス供給スリット
444…酸化ガス排出スリット
500…中間プレート
542…供給流路形成部
542…流路形成部
544…排出流路形成部
546…供給流路形成部
548…排出流路形成部
550…冷媒流路形成部
551…冷媒供給スリット
552…冷媒排出スリット
555…導電性多孔部材
600…セパレータ
630…燃料ガス供給流路
640…燃料ガス排出流路
650…酸化ガス供給流路
660…酸化ガス排出流路
670…冷却媒体流路
700…シール部材
710…支持部
720…リブ
730…外側被覆部
777…保護フィルム
777A…保護フィルム
777X…絶縁フィルム
778…保護フィルム
800…単セル構成部材
810…MEA
811…電解質膜
812…アノード触媒層
813…カソード触媒層
820…アノード側拡散層
830…カソード側拡散層
840…アノード側多孔体
850…カソード側多孔体
900,900A…MEGA
910…上型
920…下型
DA…発電領域
SH…投入口
RH…連通口
TM…端面
SP…空間
DR…周囲領域
SU…接触面

Claims (13)

  1. 複数積層されることにより燃料電池を形成する単セルアセンブリの製造方法であって、
    少なくとも電解質膜を含む単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、
    前記セパレータの周縁部に、絶縁部材を接着させる絶縁部材接着工程と、
    前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部にシール部材を成形する成形工程と、
    を備えることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  2. 請求項1に記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記単セル構成部材は、
    絶縁性のフィルムであって、一部が、前記電解質膜の保護のため、前記電解質膜の周縁部に接合される保護フィルムを備え、
    前記絶縁部材接着工程は、
    前記セパレータの周縁部に、前記絶縁部材として、前記保護フィルムの一部を接着させる工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記単セル構成部材配置工程は、前記絶縁部材接着工程後に行うことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記成形工程は、
    前記絶縁部材接着工程後、前記シール部材を、前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部であって、前記絶縁部材上に成形する工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記絶縁部材接着工程は、
    前記セパレータの端面に、前記絶縁部材を接着させる工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記セパレータは、
    周縁部にマニホールドを形成する貫通孔を有しており、
    前記絶縁部材接着工程は、
    前記絶縁部材を、前記セパレータの前記貫通孔を塞ぐように配置する工程を含み、
    前記成形工程後、前記セパレータの前記貫通孔を塞ぐ前記絶縁部材を裁断する裁断工程を備えることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記成形工程は、
    前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部と一体化するように前記シール部材を成形する工程を含むことを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法において、
    前記絶縁部材は、フィルム状部材であることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  9. 単セルアセンブリであって、
    請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の単セルアセンブリの製造方法で製造されたことを特徴とする単セルアセンブリ。
  10. 単セルアセンブリであって、
    セパレータと、
    電解質膜と、
    絶縁性であり、前記電解質膜を保護するためのフィルムであって、前記電解質膜の周縁部と接合されると共に、前記セパレータの周縁部と接着する保護フィルムと、
    を備えることを特徴とする単セルアセンブリ。
  11. 複数積層されることにより燃料電池を形成する単セルアセンブリの製造方法であって、
    電解質膜と、絶縁性のフィルムであって、一部が、前記電解質膜の保護のため、前記電解質膜の周縁部に接合される保護フィルムとを備える単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、
    前記セパレータの周縁部に、前記保護フィルムの一部を接着させる絶縁部材接着工程と、
    前記単セル構成部材の周縁部の少なくとも一部にシール部材を成形する成形工程と、
    を備えることを特徴とする単セルアセンブリの製造方法。
  12. 燃料電池の製造方法であって、
    少なくとも電解質膜を含む単セル構成部材を、セパレータ上に配置する単セル構成部材配置工程と、
    前記セパレータの周縁部に、絶縁部材を接着させる絶縁部材接着工程と、
    前記絶縁部材接着工程後、前記単セル構成部材の周縁部にシール部材を成形し、単セルアセンブリを製造するセル製造工程と、
    前記セル製造工程で製造された前記単セルアセンブリを積層する積層工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  13. 燃料電池であって、
    請求項12に記載の燃料電池の製造方法で製造された燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016152109A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 トヨタ自動車株式会社 燃料電池セルおよびその製造方法

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