JP2013174338A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両に搭載される駆動装置1であって、モータ10からの動力を車輪に伝達する伝達軸と、伝達軸を収容したケース100と、ケース100内の上部に配置されると共にオイルを貯溜する上オイル貯溜室S3と、ケース100内の下部に配置されると共にオイルを貯溜する下オイル貯溜部と、伝達軸に取り付けられ、伝達軸の回転速度を検出するためのパルサープレート50と、を備え、回転するパルサープレート50は、下オイル貯溜部から前記上オイル貯溜室S3にオイルを掻き上げる。
【選択図】図1
Description
これにより、車両の前進時、リングギヤで、下オイル貯溜部から上オイル貯溜部にオイルを掻き上げることができる。一方、車両の後退時、パルサープレートで、下オイル貯溜部から上オイル貯溜部にオイルを掻き上げることができる。すなわち、車両の前進時、後退時のいずれにおいても、オイルの掻き上げ量を確保できる。
駆動装置1は、モータ10(電動機、動力出力装置)と、カウンタ軸21(中間軸、第2伝達軸)と、デフ装置30(差動装置、第3伝達軸)と、リングギヤ41(ファイナルドリブンギヤ)と、パルサープレート50と、PDU61(Power Drive Unit、制御装置)と、ホール素子70と、ケース100と、を備えている。
モータ10は、インナーロータ型であり、PDU61から電力が供給されると、正方向(前進に対応する方向)又は逆方向(後退に対応する方向)で回転し、駆動力を発生する。モータ10は、モータ10の中心軸線上であって左右方向に延びるモータ軸11(出力軸、第1伝達軸)と、モータ軸11の外周面に固定されたロータ12と、ロータ12の径方向外側に配置されたステータ13と、を備えている。
モータ軸11は、ロータ12から左右に突出しており、その突出した部分は、軸受14、軸受15を介してケース100に回転自在に支持されている。
モータ軸11は、円筒状を呈している。モータ軸11の中空部11aは、モータ軸11の左側開口に差し込まれた円筒状のオイル供給パイプ16の中空部(オイル供給路)を介して、後記する上オイル貯溜室S3と連通している。
ロータ12は、円柱状を呈しており、その中心軸線上には、モータ軸11が差し込まれる差込孔が形成されている。ロータ12はモータ軸11とスプライン結合しており、ロータ12及びモータ軸11は一体で回転するようになっている。ロータ12の外周縁部近傍には、回転力を生成するための磁石(図示しない)が埋設されている。
ステータ13は、円筒状を呈しており、ロータ12の外側に配置されている。ステータ13の内周面側には径方向内向きで延びる複数のティース(図示しない)が形成されている。複数のティースは周方向において等間隔で配置されており、各ティースにはコイル(図示しない)が装着されている。複数のコイルは、周方向において、U相用、V相用、W相用、U相用、…のように振り分けられ、各相毎に直列で接続されている。
カウンタ軸21は、モータ軸11から後下方において左右方向に延びており、軸受22、軸受23を介してケース100に回転自在に支持されている。
なお、カウンタ軸21とギヤ24とは、キー、スプライン等によって、周方向において固定されている。
デフ装置30は、軸受31a、31aを介してケース100に回転自在に支持されたデフケース31(第3伝達軸)と、デフケース31に収容された2つのピニオンギヤ32、32と、同様に収容された2つのサイドギヤ33、33と、を備えている。
パルサープレート50は、カウンタ軸21の回転速度を検出するためのプレートであり、浅底の有底円筒状を呈している(図5、図6参照)。パルサープレート50は、底壁部を構成する円板状の円板部51と、円板部51の外周縁から軸方向左側に延び周壁部を構成する円筒部52と、を備えている。
PDU61は、ECU220(Electronic Control Unit、電子制御装置)からの指令に従って、バッテリ230からの直流電力を三相交流電力に変換し、モータ10に供給するインバータである。三相交流電力は、PDU61から、バスバー62a、アダプタ62b、バスバー62cを介して、ステータ13のコイル(図示しない)に供給されるようになっている。なお、PDU61は、U相用コイル、V相用コイル、W相用コイルに独立した系統で接続されており、各系統にバスバー62a等が設けられている。
ホール素子70は、パルサープレート50(カウンタ軸21)の回転速度を検出するための素子である。ホール素子70の基端部71は、ハーネスを介さず、PDU61に直接取り付けられている。そして、ホール素子70は、基端部71から後方に向かって延び、検出部となる先端部72は、パルサープレート50の円筒部52の近傍に配置されている。
ケース100は、モータ10、カウンタ軸21、デフ装置30、リングギヤ41、パルサープレート50、PDU61及びホール素子70を収容するケースである。このようにケース100が、モータ10等の駆動装置1の全機器を収容した構成であるので、駆動装置1全体が一ユニット化し、その取り扱い(取り付け、取り外し等)が容易となる。
電子部品室S1は、PDU61及びホール素子70を収容している。
第2ケース120の隔壁部121は、左右方向に延びており(図1参照)、その左側の中間位置に貫通孔122が形成されている(図2参照)。貫通孔122にはホール素子70が差し込まれている。
オイル室S2は、モータ10、カウンタ軸21、デフ装置30、リングギヤ41及びパルサープレート50を収容している。
そして、車両の停止時、オイル室S2の底部に、オイル溜まりが形成される、このオイル溜まりに、ギヤ24の下部、リングギヤ41の下部及びパルサープレート50の下部が浸るようになっている。なお、図2、図3では、車両の停止時におけるオイル溜まりの油面Hを二点鎖線で記載している。
ここで、ケース100内の下部に配置されると共にオイルを貯溜する下オイル貯溜部は、第1ケース110の下部と、第2ケース120の下部と、第3ケース130の下部と、第4ケース140の下部とを備えて構成されている。
図2、図4に示すように、第2ケース120は、隔壁部101の中間位置から後方に延びた後、上方に延びる略L字形のリブ123を備えている。そして、隔壁部121とリブ123とで囲まれる空間が、上オイル貯溜室S3となっている。
なお、前記したオイル供給パイプ16の左側開口(オイル導入口)は、上オイル貯溜室S3の底部近傍に配置されている(図3参照)。これにより、上オイル貯溜室S3のオイルは、オイル供給パイプ16を通って、モータ軸11の中空部11aに供給されるようになっている。
車両の後退時におけるオイルの掻き上げ経路を説明する。
第2ケース120は、円弧状壁部124と、接線方向壁部125と、半円弧状リブ126とを備えている(図2、図4参照)。円弧状壁部124、接線方向壁部125及び半円弧状リブ126は、左右方向において、パルサープレート50と同じ位置に配置されている。
車両の前進時におけるオイルの掻き上げ経路を説明する。
図3、図4に示すように、第3ケース130は、半円弧状壁部133と、上壁部134と、リブ135と、リブ136とを備えている。半円弧状壁部133、上壁部134、リブ135及びリブ136は、左右方向において、リングギヤ41と同じ位置に配置されている。
このような駆動装置1によれば次の作用・効果を得る。
車両の後退時、軽量かつ安価なパルサープレート50よってオイルを掻き上げ、上オイル貯溜室S3に案内する構成であるので、カウンタ軸21と一体で回転するギヤ24を、オイルの掻き上げ用のために大径化する必要はなく、駆動装置1の製造コスト及び重量が大幅に増加することはない。
すなわち、車両の前進時、後退時のいずれにおいても、上オイル貯溜室S3にオイルを掻き上げることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
パルサープレート50の円筒部52には、径方向に貫通する貫通孔52aが形成されている。貫通孔52aは周方向において複数形成されている。これにより、円筒部52の径方向内側のオイルが、遠心力により、貫通孔52aを通って径方向外側に向かう。したがって、パルサープレート50によるオイルの掻き上げ量を増加できる。
なお、オイル通路21c及びオイル通路53aは、周方向において複数形成された構成としてもよい。
10 モータ(電動機、動力出力装置)
11 モータ軸(第1伝達軸、出力軸)
11d ギヤ歯(第1ギヤ機構)
16 オイル供給パイプ(オイル供給路)
21 カウンタ軸(第2伝達軸)
21a ギヤ歯(第2ギヤ機構)
24 ギヤ(第1ギヤ機構)
30 デフ装置(差動装置)
31 デフケース(第3伝達軸)
41 リングギヤ(第2ギヤ機構)
50 パルサープレート
51 円板部
52 円筒部
61 PDU(制御装置)
70 ホール素子
71 基端部
72 先端部
100 ケース
S1 電子部品室
S2 オイル室
S3 上オイル貯溜室(上オイル貯溜部)
Claims (6)
- 車両に搭載される動力伝達装置であって、
動力出力装置からの動力を車輪に伝達する伝達軸と、
前記伝達軸を収容したケースと、
前記ケース内の上部に配置されると共にオイルを貯溜する上オイル貯溜部と、
前記ケース内の下部に配置されると共にオイルを貯溜する下オイル貯溜部と、
前記伝達軸に取り付けられ、前記伝達軸の回転速度を検出するためのパルサープレートと、
を備え、
回転する前記パルサープレートは、前記下オイル貯溜部から前記上オイル貯溜部にオイルを掻き上げる
ことを特徴とする動力伝達装置。 - 前記伝達軸は、
前記動力出力装置の出力軸と一体で同方向に回転する第1伝達軸と、
第2伝達軸と、
前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを接続すると共に、前記第2伝達軸を前記第1伝達軸と逆方向で回転させる第1ギヤ機構と、
車輪と同方向で回転する第3伝達軸と、
前記第2伝達軸と前記第3伝達軸とを接続すると共に、前記第3伝達軸を前記第2伝達軸と逆方向で回転させる第2ギヤ機構と、
を備え、
前記第2ギヤ機構は、前記第3伝達軸に固定されると共に、前記第3伝達軸と同方向で回転するリングギヤを備え、
回転する前記リングギヤは、前記下オイル貯溜部から前記上オイル貯溜部にオイルを掻き上げ、
前記パルサープレートは、前記第2伝達軸に取り付けられると共に、前記第2伝達軸と同方向で回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記動力出力装置であると共に前記ケースに収容された電動機と、
前記ケースに収容されると共に、前記電動機に供給する電力を制御することで前記電動機の出力を制御する制御装置と、
基端部が前記制御装置に固定されると共に、先端部が前記パルサープレートに向けて延び、前記伝達軸の回転速度を検出するためのホール素子と、
を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記動力出力装置は電動機であって、
前記上オイル貯溜部のオイルを前記電動機に供給するオイル供給路を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記動力出力装置であると共に前記ケースに収容された電動機と、
前記ケースに収容されると共に、前記電動機に供給する電力を制御することで前記電動機の出力を制御する制御装置と、
基端部が前記制御装置に固定されると共に、先端部が前記パルサープレートに向けて延び、前記伝達軸の回転速度を検出するためのホール素子と、
を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。 - 前記パルサープレートは、円板状の円板部と、前記円板部の外周縁から軸方向に延びる円筒部と、を備え、
前記円筒部には、径方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
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