JP2013174305A - ローラチェーン、チェーン伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内リンクプレート111と外リンクプレート114とを交互にブシュ112及び連結ピン113でチェーン長手方向に多数連結してローラ115をスプロケットと噛み合わせるローラチェーン110において、ローラ115が、このローラ幅方向中央部115bとこのローラ幅方向中央部115bの両側に配設されてローラ幅方向中央部115bの径より幅方向側方へ向かってしだいに小径となるローラ幅方向側方部115cとからなる外周面115aを備えるとともに、この外周面115aの少なくともローラ幅方向側方部115cが、ローラ115の軸方向を通る断面でみたとき外側に凸となる曲面に形成されているローラチェーン110。
【選択図】図1
Description
また、長期に亘って高い潤滑性を得るために、ある程度の粘性を有する潤滑剤をチェーン及びスプロケットに給油することが奨励されている。
ここで、「潤滑剤」とは、粘性の高い潤滑油またはグリースをいう。
さらに、スプロケットの回転に伴って噛み合いが外れる際に粘性を有する潤滑油によるローラとスプロケットとの密着状態から引き剥がすような現象により大きな騒音が生じるという問題があった。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤にせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減するため、噛み合いが外れる際も潤滑剤による騒音を低減することができる。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤にせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減するため、噛み合いが外れる際も潤滑剤による騒音を低減することができる。
さらに、噛み合う際の衝撃力も第1分力の大きさとなり衝撃力も低減するため、衝撃による騒音を低減できる。
さらに、噛み合う際の衝撃力も第1分力の大きさとなり衝撃力も低減するため、衝撃による騒音を低減できる。
ここで、図1は、本発明の第1実施例のローラチェーン110の斜視図であり、図2(A)は、本発明の第1実施例のローラチェーン110の一部断面平面図であり、図2(B)は、本発明の第1実施例のローラチェーン110の側面図であり、図3は、本発明の第1実施例のローラチェーン110の一部拡大平面図であり、図4は、従来使用されていた平坦な歯形のスプロケット120の斜視図であり、図5(A)〜図5(E)は、本発明の第1実施例のローラチェーン110が従来使用されていた平坦な歯形のスプロケット120と噛み合う際および噛み合いが外れる際の潤滑剤Gの様子を示すスプロケット120の周方向からみた断面図である。
また、潤滑剤Gの様子を理解しやすいように、ローラ115の外周面115aとスプロケット120の歯底部122との関係において、スプロケット120の歯底部122側の潤滑剤Gのみを図示し、ローラ115の外周面115a側の潤滑剤の図示は省略する。
従来使用されていた平坦な歯形のスプロケット120は、このスプロケット120の周方向に等間隔で複数配設された歯部121と、この複数の歯部121の間に形成された歯底部122とを有している。
これにより、スプロケット120の回転に伴ってローラチェーン110がスプロケット120と噛み合う際、ローラ115と歯底部122との間の潤滑剤Gが幅方向中央から幅方向側方へかき分けられるようにしてスムーズに押し出される。
さらに、ローラ115の外周面115aがローラ幅方向中央部115bとローラ幅方向側方部115cとからなることにより、ローラが球体の構造の場合より、ローラ115の径を変更せずにローラ115の幅を狭くできる等の自由度が増す。
これにより、スプロケット120の回転に伴ってローラチェーン110がスプロケット120と噛み合う際、ローラ115と歯底部122との間の潤滑剤Gが幅方向中央から幅方向側方へかき分けられるようにしてよりスムーズに押し出される。
ローラ幅方向側方部の曲面の曲率半径R1 < ローラ幅方向中央部の曲面の曲率半径R2
の関係が成立するように外周面115aが形成されている。
本第1実施例でローラ幅方向中央部115bを曲面に形成した理由は、平坦な構成の場合より潤滑剤Gが幅方向中央から幅方向側方へかき分けられるようにしてよりスムーズに押し出されるからである。
また、ローラ幅方向側方部115cの曲面の曲率半径R1よりローラ幅方向中央部115bの曲面の曲率半径R2が大となる関係とした理由は、ローラ115の耐久性を考慮したためである。
ローラ幅方向中央部115bの曲面でのかき分け効果よりもローラ115の耐久性を優先する場合は、外周面115aにおけるローラ幅方向中央部115bを幅方向に平坦に形成するのがよい。
そして、図5(B)に示すように、ローラ115が歯底部122に存在する潤滑剤Gと接触する。
また、図5(C)の完全に噛み合った状態からスプロケット120の回転に伴って噛み合いが外れる際、図5(D)に示すように、ローラ115の外周面115aにおけるローラ幅方向中央部115bがスプロケット120の歯底部122から離間する。
つまり、潤滑剤Gの位置が噛み合う前の位置に戻り、油切れを起こしにくい効果が得られる。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤Gにせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減する。
ここで、図6(A)に示すのは、本発明の第2実施例のローラチェーン210の一部断面平面図であり、図6(B)に示すのは、本発明の第2実施例のローラチェーン210の側面図である。
なお、図示しない第2実施例のスプロケットは、第1実施例のスプロケット120と同じであるので、同じ符号を用いることとする。
また、噛み合いが外れる際、ローラ215の外周面215aと歯底部122との間の潤滑剤Gにおいて幅方向側方側から幅方向中央側に張力(表面張力)が作用して潤滑剤Gが幅方向側方から幅方向中央へスムーズに誘導されて噛み合う前の状態に戻る。
さらに、引張強度を向上するためにはとくに必要ではないブシュのような部材を設けずに済む。
ここで、図7は、本発明の第3実施例のチェーン伝動装置300のローラチェーン310と特殊歯形のスプロケット320との噛み合いを示すスプロケット周方向からみた断面図である。
なお、接触箇所についての理解を容易にするために潤滑剤Gの図示は省略する。
また、スプロケット320の歯底部322が、スプロケット320の周方向に延設されてなる断面V字形の溝部323を備えている。
そして、ローラ315の外周面315aにおけるローラ幅方向中央部315bと溝部323の底面との間には隙間Cが形成されるとともに、ローラ315の外周面315aにおけるローラ幅方向側方部315cが溝部323と接触する。
さらに、噛み合いが外れる際、ローラ幅方向側方部315cと溝部323との接触箇所における面の法線方向に対して傾いた方向へローラ幅方向側方部315cが溝部323から離間する構成となる。
なお、凸曲面と平面との接触であるため、凸曲面と凸曲面との接触と比べて接触応力(ヘルツ面圧)が低減する。
ここで、図8は、本発明の第4実施例のチェーン伝動装置400のローラチェーン410と特殊歯形のスプロケット420との噛み合いを示すスプロケット周方向からみた断面図である。
なお、接触箇所についての理解を容易にするために潤滑剤Gの図示は省略する。
また、スプロケット420の歯底部422が、スプロケット420の周方向に延設されてなる断面U字形の溝部423を有するとともに、この溝部423が、ローラ415のローラ幅方向側方部415cの曲率半径より大となる凹曲面を備えている。
ローラ幅方向側方部の曲面の曲率半径R1 < 溝部の凹曲面の曲率半径R3
の関係が成立するようにローラ415の外周面415aおよびスプロケット420の溝部423が形成されている。
さらに、ローラ415の外周面415aにおけるローラ幅方向中央部415bと溝部423の底面との間には隙間Cが形成されるとともに、ローラ415の外周面415aにおけるローラ幅方向側方部415cが溝部423と接触する。
さらに、噛み合いが外れる際、ローラ幅方向側方部415cと溝部423との接触箇所における面の法線方向に対して傾いた方向へローラ幅方向側方部415cが溝部423から離間する構成となる。
なお、凸曲面と凹曲面との接触であるため、凸曲面と凸曲面との接触および凸曲面と平面との接触と比べて接触応力(ヘルツ面圧)が低減する。
110、 210、 310、 410 ・・・ ローラチェーン
111、 211、 311、 411 ・・・ 内リンクプレート
112 ・・・ ブシュ
113、 213、 313、 413 ・・・ 連結ピン
114、 214、 314、 414 ・・・ 外リンクプレート
115、 215、 315、 415 ・・・ ローラ
115a、215a、315a、415a ・・・ 外周面
115b、215b、315b、415b ・・・ ローラ幅方向中央部
115c、215c、315c、415c ・・・ ローラ幅方向側方部
120 ・・・ 平坦な歯形のスプロケット
121 ・・・ 歯部
122 ・・・ 歯底部
320、 420 ・・・ 特殊歯形のスプロケット
321、 421 ・・・ 歯部
322、 422 ・・・ 歯底部
323、 423 ・・・ 溝部
C ・・・ 隙間
G ・・・ 潤滑剤
R1 ・・・ ローラ幅方向側方部の曲率半径
R2 ・・・ ローラ幅方向中央部の曲率半径
R3 ・・・ U字形の溝部の曲面の曲率半径
Claims (4)
- 左右一対の内リンクプレートと、該内リンクプレートのブシュ孔にブシュ端部を圧入嵌着するブシュと、前記左右一対の内リンクプレートの両外側にそれぞれ配置する左右一対の外リンクプレートと、前記ブシュに回転自在に嵌挿して外リンクプレートのピン孔にピン端部を圧入嵌着する連結ピンと、前記左右一対の内リンクプレートの間にそれぞれ配設するとともにブシュの外周に回動自在に遊嵌するローラとを備え、前記内リンクプレートと外リンクプレートとを交互にブシュ及び連結ピンでチェーン長手方向に多数連結して前記ローラをスプロケットと噛み合わせるローラチェーンにおいて、
前記ローラが、該ローラ幅方向中央部と該ローラ幅方向中央部の両側に配設されてローラ幅方向中央部の径より幅方向側方へ向かってしだいに小径となるローラ幅方向側方部とからなる外周面を備えるとともに、該外周面の少なくともローラ幅方向側方部が、前記ローラの軸方向を通る断面でみたとき外側に凸となる曲面に形成されていることを特徴とするローラチェーン。 - 左右一対の内リンクプレートと、該左右一対の内リンクプレートの両外側にそれぞれ配置する左右一対の外リンクプレートと、前記内リンクプレートの挿通孔に挿通するとともに外リンクプレートのピン孔にピン端部を圧入嵌着する連結ピンと、前記左右一対の内リンクプレートの間にそれぞれ配設するとともに連結ピンの外周に回動自在に遊嵌するローラとを備え、前記内リンクプレートと外リンクプレートとを交互に連結ピンでチェーン長手方向に多数連結して前記ローラをスプロケットと噛み合わせるローラチェーンにおいて、
前記ローラが、該ローラ幅方向中央部と該ローラ幅方向中央部の両側に配設されてローラ幅方向中央部の径より幅方向側方へ向かってしだいに小径となるローラ幅方向側方部とからなる外周面を備えるとともに、該外周面の少なくともローラ幅方向側方部が、前記ローラの軸方向を通る断面でみたとき外側に凸となる曲面に形成されていることを特徴とするローラチェーン。 - 左右一対の内リンクプレートと左右一対の外リンクプレートとを連結ピンにより長手方向に交互に連結してなるローラチェーンと、該ローラチェーンと噛み合う歯部および歯底部を有するスプロケットとで構成されるチェーン伝動装置において、
前記ローラチェーンが、請求項1または請求項2に記載されたローラチェーンであり、
前記スプロケットの歯底部が、前記スプロケットの周方向に延設されてなる断面V字形の溝部を備えていることを特徴とするチェーン伝動装置。 - 左右一対の内リンクプレートと左右一対の外リンクプレートとを連結ピンにより長手方向に交互に連結してなるローラチェーンと、該ローラチェーンと噛み合う歯部および歯底部を有するスプロケットとで構成されるチェーン伝動装置において、
前記ローラチェーンが、請求項1または請求項2に記載されたローラチェーンであり、
前記スプロケットの歯底部が、前記スプロケットの周方向に延設されてなる断面U字形の溝部を有するとともに、該溝部が、前記ローラ幅方向側方部の曲率半径より大となる凹曲面を備えていることを特徴とするチェーン伝動装置。
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