JP5622763B2 - チェーン、チェーン伝動装置 - Google Patents
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Description
また、長期に亘って高い潤滑性を得るために、ある程度の粘性を有する潤滑剤をチェーン及びスプロケットに給油することが奨励されている。
ここで、「潤滑剤」とは、粘性の高い潤滑油またはグリースをいう。
さらに、スプロケットの回転に伴って噛み合いが外れる際に粘性を有する潤滑剤によるローラとスプロケットとの密着状態から引き剥がすような現象により大きな騒音が生じるという問題があった。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤にせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減するため、噛み合いが外れる際も潤滑剤による騒音を低減することができる。
また、従来のチェーンと比べて部品の種類が3種類と少ないため、コストを低減できる。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤にせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減するため、噛み合いが外れる際も潤滑剤による騒音を低減することができる。
また、従来のチェーンと比べて部品の種類が3種類と少ないため、コストを低減できる。
また、組み立てる際に一対のリンク部材が凹状保持部で球体を保持した状態で互いの突き当て面が接触して相対的な位置関係が安定するため、連結ピンで容易に連結してチェーンを組み立てることができる。
また、凹状保持部と球体との間に隙間が生じて潤滑剤がこの隙間に入り込むため、球体の回転をスムーズにすることができる。
また、一対のリンク部材は、チェーン長手方向一端側と他端側とで幅が異なりこの一対のリンク部材の一端側を隣接する一対のリンク部材の他端側と連結する所謂、オフセットリンクでもよく、一対の内側リンクと一対の外側リンクとの2種類を交互に連結するものであってもよい。
さらに、チェーンの球体は、チェーンの幅方向を軸としてリンク部材に対して回転できればよく、表面の曲率が一定の真円球でも表面の曲率が箇所によって変化する楕円球でもよい。
また、潤滑剤Gの様子を理解しやすいように、チェーン110の球体112の凸曲面112aとスプロケット120の凹部122の凹曲面122aとの関係において、スプロケット120の凹部122側の潤滑剤Gのみを図示し、球体112の凸曲面112a側の潤滑剤Gの図示は省略する。
具体的には、チェーン110は、一対のリンク部材111と、球体112と、連結ピン113とから構成されている。
つまり、従来のチェーンと比べて部品の種類が3種類と少ない。
そして、一対のリンク部材111が、球体112をそれぞれの凹状保持部111aで左右両側から抱え込むようにして突き当て面111dで合わせられている。
これにより、一対のリンク部材111の相対的な位置関係が安定する。
なお、凹状保持部111aの内側に、球体112と点接触または線接触する凸部(図示せず)を配設してもよい。
これにより、凹状保持部111aと球体112との接触面積が小さくなり凹状保持部111aと球体112との間の摩擦抵抗が小さくなる。
さらに、凹状保持部111aと球体112との間に隙間が生じて潤滑剤Gがこの隙間に入り込む。
また、一対のリンク部材111の一端側のピン遊嵌孔111bと、隣接する一対のリンク部材111の他端側のピン圧入孔111cとを合わせて連結ピン113がそれぞれに挿入される。
さらに、一対のリンク部材111は、ピン圧入孔111cに圧入された連結ピン113によって、左右合わせられた状態が保持されている。
これにより、スプロケット120の回転に伴ってチェーン110がスプロケット120と噛み合う際、チェーン110の球体112とスプロケット120の凹部122との間の潤滑剤Gが幅方向中央から幅方向側方へかき分けられるようにしてスムーズに押し出される。
そして、図4(B)に示すように、球体112が凹部122に存在する潤滑剤Gと接触する。
その後、図4(C)に示すように、球体112の凸曲面112aにおける幅方向中央がスプロケット120の凹部122の凹曲面122aと直接接触し、この部分においてチェーン110がスプロケット120と完全に噛み合った状態となる。
このとき、球体112の曲率(曲率半径R1の逆数)が、凹部122の曲率(曲率半径R2の逆数)より大きく設けられていることにより、球体112の凸曲面112aと凹部122の凹曲面122aとの間の、噛み合う際に凹部122における球体112の幅方向側方へ押し出された潤滑剤Gに張力(表面張力)が作用して幅方向側方の潤滑剤Gが引っ張られて凹部122における球体112の幅方向中央側へスムーズに誘導される。
つまり、潤滑剤Gの位置が噛み合う前の位置に戻り、油切れを起こしにくい効果が得られる。
さらに、従来の構造と比べて潤滑剤Gにせん断力が作用するタイミングが分散されてせん断力の大きさの最大値が低減する。
110 ・・・ チェーン
111 ・・・ リンク部材
111a ・・・ 凹状保持部
111b ・・・ ピン遊嵌孔
111c ・・・ ピン圧入孔
111d ・・・ 突き当て面
112 ・・・ 球体
112a ・・・ (球体の)凸曲面
113 ・・・ 連結ピン
120 ・・・ スプロケット
121 ・・・ スプロケット外周
122 ・・・ 凹部
122a ・・・ (凹部の)凹曲面
G ・・・ 潤滑剤
R1 ・・・ 球体の曲率半径
R2 ・・・ 凹部の曲率半径
Claims (4)
- 左右一対のリンク部材を連結ピンによりチェーン長手方向に複数連結してなりスプロケットと噛み合う無端状のチェーンにおいて、
前記左右一対のリンク部材が、前記チェーンの内周側に突出する球体をそれぞれ回動自在に保持しているとともに、前記球体が前記スプロケットと噛み合うことを特徴とするチェーン。 - 左右一対のリンク部材を連結ピンによりチェーン長手方向に複数連結してなる無端状のチェーンと、該チェーンと噛み合うスプロケットとで構成されるチェーン伝動装置において、
前記チェーンの一対のリンク部材が、前記チェーンの内周側に突出する球体をそれぞれ回動自在に保持しているとともに、前記スプロケットが、前記チェーンの球体と噛み合う球面状の凹部をスプロケット外周にスプロケット周方向に等間隔で複数有しており、
前記球体の曲率が、前記凹部の曲率より大きく設けられていることを特徴とするチェーン伝動装置。 - 前記一対のリンク部材が、前記球体を回動自在に保持する凹状保持部を有しているとともに該凹状保持部の周辺で互いに接触する突き当て面を有していることを特徴とする請求項2に記載のチェーン伝動装置。
- 前記凹状保持部が、前記球体と点接触または線接触する凸部を有していることを特徴とする請求項3に記載のチェーン伝動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012039088A JP5622763B2 (ja) | 2012-02-24 | 2012-02-24 | チェーン、チェーン伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012039088A JP5622763B2 (ja) | 2012-02-24 | 2012-02-24 | チェーン、チェーン伝動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013174306A JP2013174306A (ja) | 2013-09-05 |
JP5622763B2 true JP5622763B2 (ja) | 2014-11-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012039088A Expired - Fee Related JP5622763B2 (ja) | 2012-02-24 | 2012-02-24 | チェーン、チェーン伝動装置 |
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JPS5431767U (ja) * | 1977-08-04 | 1979-03-02 | ||
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JPH0322152U (ja) * | 1989-07-14 | 1991-03-06 |
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2012
- 2012-02-24 JP JP2012039088A patent/JP5622763B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2013174306A (ja) | 2013-09-05 |
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