JP6874800B2 - 継手リンク及びチェーン - Google Patents

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Description

本発明は、継手リンク及び継手リンクを備えたチェーンに関する。
一般に、チェーンは、一対のブシュの両端部を一対の内リンクプレートに形成されたブシュ圧入孔に圧入してなる内リンクと、一対のピンの両端部を一対の外リンクプレートに形成されたピン圧入孔に圧入してなる外リンクとを、ブシュにピンが回転可能に挿入されるようにして交互に複数連結した構成になっている。こうしたチェーンでは、スプロケットに巻き掛けて使用する場合、両端同士を例えば特許文献1に示すような継手リンクによって連結して無端状にする必要がある。
上述のような継手リンクは、一枚のリンクプレートに一対のピンが固着されてなる第1継手部材と、第1継手部材の一対のピンがそれぞれ遊嵌される一対のピン挿入孔を有したリンクプレートからなる第2継手部材と、第1継手部材の一対のピンの先端部に係合可能なクリップとを備えている。
そして、上述のような継手リンクによって、両端を有した状態のチェーンを無端状にする場合には、まず、チェーンの両端に位置する内リンクのブシュに第1継手部材の一対のピンをそれぞれ挿入する。続いて、第1継手部材に対してチェーンの両端に位置する内リンクを挟んだ反対側に第2継手部材を配置して第2継手部材の一対のピン挿入孔に第1継手部材の一対のピンをそれぞれ遊嵌する。
その後、第1継手部材の一対のピンの先端部にクリップを第2継手部材の外側で係合させることにより、第1継手部材の一対のピンが第2継手部材の一対のピン挿入孔から抜けないようにすることで、両端を有したチェーンが無端状のチェーンにされる。この無端状にされたチェーンは、通常、スプロケットに巻き掛けて使用されるが、メンテナンスなどの際にスプロケットから取り外す必要がある。
このため、上述のような無端状にしたチェーンに取り付けられた継手リンクは、第2継手部材の一対のピン挿入孔に第1継手部材の一対のピンがそれぞれ遊嵌される構成にして、クリップを外すと無端状のチェーンから容易に取り外せるようになっている。
特開2017−20645号公報
しかし、上述のような無端状にしたチェーンでは、継手リンクを第2継手部材の一対のピン挿入孔に第1継手部材の一対のピンがそれぞれ遊嵌される構成であるため、第2継手部材の一対のピン挿入孔と第1継手部材の一対のピンとの間に隙間が形成されている。このため、チェーンの使用時に第2継手部材の一対のピン挿入孔と第1継手部材の一対のピンとが擦れ合ってこれらが摩耗しやすくなるので、継手リンクの寿命が短くなり、ひいてはチェーンの寿命が短くなってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされた。その目的は、寿命を延ばすことができる継手リンク及びチェーンを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する継手リンクは、一対の内リンクプレートのブシュ挿入孔に筒状のブシュの両端部がそれぞれ圧入された内リンクと、一対の外リンクプレートのピン挿入孔にピンの両端部がそれぞれ圧入された外リンクとを前記ブシュに前記ピンを挿入することによって交互に複数回転可能に直列に連結されたチェーンの両端に位置する少なくとも一方が前記内リンクによって構成された2つの端部リンクを連結する継手リンクであって、継手孔を有した一対の継手リンクプレートと、前記内リンクによって構成された前記端部リンクの前記ブシュ及び前記継手孔に挿入される継手ピンと、潤滑油を保持する環状の焼結体によって形成され、前記継手孔と前記継手ピンとの間に介在される環状の焼結ブシュと、を備え、前記焼結ブシュは、前記継手孔に圧入された状態で前記継手ピンが遊嵌されていることを要旨とする。
この構成によれば、継手孔と焼結ブシュとの間でのがたつきや擦れ合いがなくなるとともに、焼結ブシュが保持する潤滑油によって焼結ブシュと継手ピンとの間が潤滑されるので、継手孔及び継手ピンの摩耗が抑制される。したがって、継手リンクの寿命を延ばすことができ、ひいてはチェーンの寿命を延ばすことができる。
上記継手リンクにおいて、前記継手リンクプレートには、前記継手孔を囲むように環状の圧縮加工部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、圧縮加工部の形成により継手孔に圧縮残留応力が付与されるので、継手孔の疲労強度をより一層向上することができる。
上記継手リンクにおいて、前記焼結ブシュは、前記継手孔よりも径が大きい環状の鍔部を備えていることが好ましい。
この構成によれば、鍔部により焼結ブシュが継手孔から抜け落ちることを抑制できる。
上記継手リンクにおいて、前記焼結ブシュは、全体が前記継手リンクプレート内に収まるように前記継手孔に圧入されていることが好ましい。
この構成によれば、焼結ブシュが継手リンクプレートから突出しないので、焼結ブシュが継手リンクにおける継手ピンの組み付け作業の妨げにならないようにすることができる。
上記課題を解決するチェーンは、一対の内リンクプレートのブシュ挿入孔に筒状のブシュの両端部がそれぞれ圧入された内リンクと、一対の外リンクプレートのピン挿入孔にピンの両端部がそれぞれ圧入された外リンクとを前記ブシュに前記ピンを挿入することによって交互に複数回転可能に直列に連結されたチェーンであって、両端に位置する少なくとも一方が前記内リンクによって構成された2つの端部リンクを連結する上記構成の継手リンクを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、継手孔と焼結ブシュとの間でのがたつきや擦れ合いがなくなるとともに、焼結ブシュが保持する潤滑油によって焼結ブシュと継手ピンとの間が潤滑されるので、継手孔及び継手ピンの摩耗が抑制される。したがって、継手リンクの寿命を延ばすことができ、ひいてはチェーンの寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、チェーンの寿命を延ばすことができる。
一実施形態のチェーンの一部を示す斜視図。 図1の断面図。 継手リンクの分解斜視図。 図2の要部拡大図。 図2の要部拡大図。
以下、チェーンの一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、チェーン11は、その長手方向Xと直交する幅方向Yで互いに対向して離れて配置される一対の内リンクプレート12を各々有した複数の内リンク13と、一対の内リンクプレート12を幅方向Yの外側から挟むように配置される一対の外リンクプレート14を各々有した複数の外リンク15とを備えている。幅方向Yで対向する内リンクプレート12及び外リンクプレート14は、いずれも丸みを帯びた略矩形状をなしており、互いに平行となるように配置されている。
内リンクプレート12の長手方向Xにおける両端部には、それぞれ円形のブシュ挿入孔16が内リンクプレート12の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。内リンク13において対向する一対の内リンクプレート12間には、これら一対の内リンクプレート12間の距離を保つように円筒状のブシュ17が2つ組み付けられる。
ブシュ17は、その両端部が一対の内リンクプレート12のブシュ挿入孔16に対してそれぞれ回転不能に圧入されている。ブシュ17は、円筒状のローラ18に挿入されることでローラ18を回転可能に支持している。すなわち、ブシュ17は、ローラ18に遊嵌されている。
外リンクプレート14の長手方向Xにおける両端部には、それぞれブシュ17の内径よりも若干小さい外径を有した円柱状のピン19が挿嵌される円形のピン挿入孔20が外リンクプレート14の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。そして、外リンク15の一対の外リンクプレート14は、ブシュ17が一対の内リンクプレート12間に組み付けられて形成された内リンク13における一対の内リンクプレート12を外側から挟むように配置された状態で、ピン19を介して内リンク13の内リンクプレート12に対して回動自在に連結される。
この場合、ピン19は、内リンク13の一対の内リンクプレート12間に組み付けられたブシュ17に回転可能に挿入された状態で、外リンク15の一対の外リンクプレート14のピン挿入孔20に対してそれぞれ両端部が回転不能に圧入されている。したがって、チェーン11は、長手方向Xで隣り合う内リンク13の内リンクプレート12と外リンク15の外リンクプレート14とが長手方向Xの端部同士でピン19及びブシュ17を介して交互に複数回動可能に直列に連結された構成になっている。なお、本実施形態のチェーン11は、鋼材によって構成されている。
また、チェーン11は、長手方向Xの両端に位置する2つの端部リンクTLを連結する継手リンク21を備えている。チェーン11における2つの端部リンクTLは、少なくとも一方が内リンク13によって構成される。本実施形態のチェーン11では、2つの端部リンクTLのうちの一方が内リンク13によって構成され、他方が外リンク15によって構成されている。
この場合、2つの端部リンクTLのうち一方を構成する内リンク13は端部内リンク13Aとされ、他方を構成する外リンク15は端部外リンク15Aとされている。したがって、チェーン11は、端部内リンク13Aと端部外リンク15Aとを継手リンク21によって連結することで無端状となる一方、端部内リンク13Aと端部外リンク15Aとの継手リンク21による連結状態を解除することによって両端を有した状態となる。
次に、継手リンク21の構成について詳述する。
図2及び図3に示すように、継手リンク21は、一対の継手リンクプレート22と、継手ピン23と、一対の焼結ブシュ24とを備えている。一対の継手リンクプレート22は、丸みを帯びた略矩形状をなしており、幅方向Yで互いに対向して離れて配置される。継手リンク21は、一対の継手リンクプレート22の長手方向Xにおける端部内リンク13A側の端部同士間の距離が一対の継手リンクプレート22の長手方向Xにおける端部外リンク15A側の端部同士間の距離よりも長くなるように、一対の継手リンクプレート22の長手方向Xの中央部が曲げられた、所謂オフセットリンクによって構成されている。
すなわち、継手リンク21は、一対の継手リンクプレート22の長手方向Xにおける端部内リンク13A側の端部同士間の距離が一対の外リンクプレート14間の距離と同じになっており、一対の継手リンクプレート22の長手方向Xにおける端部外リンク15A側の端部同士間の距離が一対の内リンクプレート12間の距離と同じになっている。したがって、継手リンク21は、長手方向Xにおける端部内リンク13A側の端部が外リンク15として機能し、長手方向Xにおける端部外リンク15A側の端部が内リンク13として機能する。
一対の継手リンクプレート22は、端部外リンク15A側の端部にブシュ挿入孔16が貫通するように形成され、端部内リンク13A側の端部に円形の継手孔25が貫通するように形成されている。継手リンク21における一対の継手リンクプレート22の端部外リンク15A側の端部は、端部外リンク15Aの一対の外リンクプレート14間に配置されている。
一対の継手リンクプレート22のブシュ挿入孔16には、ローラ18に挿入された状態のブシュ17の両端部がそれぞれ回転不能に圧入されている。一対の継手リンクプレート22のブシュ挿入孔16に両端部がそれぞれ圧入されたブシュ17にはピン19が回転可能に挿入され、当該ピン19の両端部は端部外リンク15Aの一対の外リンクプレート14のピン挿入孔20にそれぞれ回転不能に圧入されている。
各継手リンクプレート22には、ブシュ挿入孔16及び継手孔25を含む全体にショットピーニング加工が施されている。各継手リンクプレート22における幅方向Yの両面には、ブシュ挿入孔16及び継手孔25をそれぞれ囲むように円環状の圧縮加工部26が形成されている。つまり、各継手リンクプレート22には、4つの圧縮加工部26が形成されている。
圧縮加工部26は、継手リンクプレート22の表面を押圧して圧縮するように窪ませることによって形成される環状の凹溝によって構成されている。本実施形態の圧縮加工部26を構成する凹溝は、断面視三角形状をなしている。継手リンク21における一対の継手リンクプレート22の端部内リンク13A側の端部は、端部内リンク13Aを幅方向Yの外側から挟むように配置されている。
継手ピン23は、略円柱状をなしており、端部内リンク13Aのブシュ17及び一対の継手リンクプレート22の継手孔25に挿入されている。一対の継手リンクプレート22の継手孔25と継手ピン23との間には、潤滑油を保持する円環状の金属焼結体によって形成された一対の焼結ブシュ24が介在されている。
図3〜図5に示すように、一対の焼結ブシュ24は、一対の継手リンクプレート22の継手孔25に圧入される圧入部27と、圧入部27における幅方向Yの外側の端部に一体形成された円環状の鍔部28とをそれぞれ備えている。鍔部28の外径は、継手孔25の内径よりも若干大きくなっている。一対の焼結ブシュ24のうち、継手ピン23の先端部と対応する一方は内側の孔がD字形状をなしており、継手ピン23の基端部と対応する他方は内側の孔が真円形状をなしている。
一対の継手リンクプレート22の幅方向Yの外側の面における継手孔25の外周側には、一対の焼結ブシュ24の圧入部27を一対の継手リンクプレート22の継手孔25に幅方向Yの外側から圧入した際に鍔部28が収容される円環状の収容凹部29が形成されている。
そして、一対の継手リンクプレート22の継手孔25に幅方向Yの外側から一対の焼結ブシュ24の圧入部27を圧入して、一対の焼結ブシュ24の鍔部28が一対の継手リンクプレート22の収容凹部29に収容された状態では、一対の継手リンクプレート22の幅方向Yの両面と一対の焼結ブシュ24の幅方向Yの両面とが面一になる。したがって、各焼結ブシュ24は、全体が各継手リンクプレート22内に収まるように継手孔25に圧入されていると言える。
継手ピン23の基端には、焼結ブシュ24の孔よりも外径が大きい円形の頭部30が設けられている。継手ピン23の先端部には、継手ピン23の周面の一部を切除して形成された平面部31が形成されている。継手ピン23の先端部の断面は、D字形状の孔を有する焼結ブシュ24の孔の形状と対応するD字形状をなしている。継手ピン23の平面部31には、継手ピン23の軸方向となる幅方向Yと直交する方向に延びる割ピン孔32が貫通するように形成されている。
図2及び図3に示すように、継手ピン23を端部内リンク13Aのブシュ17及び一対の継手リンクプレート22の継手孔25に挿入した状態では、継手ピン23が一対の焼結ブシュ24の孔に遊嵌される。すなわち、一対の焼結ブシュ24は、一対の継手リンクプレート22の継手孔25に圧入された状態で継手ピン23が遊嵌される。
この場合、一対の焼結ブシュ24のうちの真円形状の孔を有する焼結ブシュ24に継手ピン23の基端部が遊嵌され、一対の焼結ブシュ24のうちのD字形状の孔を有する焼結ブシュ24に継手ピン23における断面がD字形状の先端部が遊嵌される。このため、一対の焼結ブシュ24と継手ピン23とは相対回転しない。
なお、一対の継手リンクプレート22の幅方向Yの外側で継手ピン23の割ピン孔32に割ピン33を挿入した状態で割ピン33の先端部を曲げることで、端部内リンク13Aのブシュ17及び一対の焼結ブシュ24から継手ピン23が抜けないようになる。
次に、チェーン11の作用について説明する。
チェーン11は、例えば、物品の搬送や動力の伝達に用いられ、例えば、複数のスプロケット(図示略)に巻き掛けられて無端状にされた状態で各スプロケットを回転駆動させることで、各スプロケットの周りを循環移動させるようにして使用される。
この場合、チェーン11は、端部内リンク13Aと継手リンク21とが連結されていない状態で複数のスプロケット(図示略)に巻き掛けた後、継手ピン23を端部内リンク13Aのブシュ17及び一対の継手リンクプレート22の一対の焼結ブシュ24の孔に挿入して端部内リンク13Aと継手リンク21とが連結される。
また、チェーン11のメンテナンスや交換を行う場合には、チェーン11から継手ピン23を抜くことによって端部内リンク13Aと継手リンク21との連結状態を解除して複数のスプロケット(図示略)からチェーン11が取り外される。このため、継手ピン23は、一対の焼結ブシュ24に対して圧入することができず、一対の焼結ブシュ24に対して遊嵌させる必要がある。
そして、チェーン11を高荷重で使用する場合には、チェーン11に対して長手方向Xの大きな引っ張り力が作用する。このとき、特に各継手リンクプレート22の継手孔25には、一対の焼結ブシュ24を介して継手ピン23から大きな荷重がかかる。しかし、本実施形態のチェーン11の各継手リンクプレート22には、ショットピーニング加工が継手孔25を含む全体に施されているとともに、継手孔25を囲むように円環状の圧縮加工部26が形成されている。
このため、各継手リンクプレート22における継手孔25にはショットピーニング加工及び圧縮加工部26の形成によって圧縮残留応力が付与されるので、継手孔25の疲労強度は高くなる。
さらに、各継手リンクプレート22における継手孔25には焼結ブシュ24が圧入されている。このため、各継手リンクプレート22における継手孔25には焼結ブシュ24の圧入によって継手孔25への荷重振幅が低下して継手孔25の疲労強度がさらに高くなる上に、継手孔25と焼結ブシュ24との間に隙間が形成されない。したがって、チェーン11の使用時に継手孔25と焼結ブシュ24との間でのがたつきや擦れ合いがなくなるので、継手孔25と焼結ブシュ24との間の摩耗はほとんどなくなる。
一方、継手ピン23は一対の焼結ブシュ24に遊嵌する必要があるので、継手ピン23と一対の焼結ブシュ24との間には隙間が形成される。しかし、本実施形態のチェーン11では、継手ピン23と一対の焼結ブシュ24とが相対回転しない上に、継手ピン23と一対の焼結ブシュ24との間が一対の焼結ブシュ24に保持された潤滑油によって潤滑されるので、継手ピン23と一対の焼結ブシュ24との間の摩耗が効果的に抑制される。
このように、チェーン11の使用時に、継手孔25及び継手ピン23に高荷重がかかっても、継手孔25が疲労破壊したり、継手ピン23が摩耗したりすることが効果的に抑制される。よって、各継手リンクプレート22及び継手ピン23の寿命、すなわち継手リンク21の寿命を延ばすことができ、ひいてはチェーン11の寿命を延ばすことができる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)継手リンク21において、焼結ブシュ24は、継手孔25に圧入された状態で継手ピン23が遊嵌されている。この構成によれば、継手孔25と焼結ブシュ24との間でのがたつきや擦れ合いをなくすことができるとともに、焼結ブシュ24が保持する潤滑油によって焼結ブシュ24と継手ピン23との間を潤滑できるので、継手孔25及び継手ピン23の摩耗を抑制できる。したがって、継手リンク21の寿命を延ばすことができ、ひいてはチェーン11の寿命を延ばすことができる。
(2)継手リンク21において、継手リンクプレート22は、継手孔25を含む全体にショットピーニング加工が施されている。この構成によれば、ショットピーニング加工によって継手リンクプレート22の全体に圧縮残留応力が付与されるので、継手リンクプレート22の全体の疲労強度を向上することができる。
(3)継手リンク21において、継手リンクプレート22には、継手孔25を囲むように環状の圧縮加工部26が形成されている。この構成によれば、圧縮加工部26の形成により継手孔25に圧縮残留応力が付与されるので、継手孔25の疲労強度をより一層向上することができる。
(4)継手リンク21において、焼結ブシュ24は、継手孔25よりも径が大きい環状の鍔部28を備えている。この構成によれば、鍔部28により焼結ブシュ24が継手孔25から一対の継手リンクプレート22における幅方向Yの内側に抜け落ちることを抑制できる。
(5)継手リンク21において、焼結ブシュ24は、全体が継手リンクプレート22内に収まるように継手孔25に圧入されている。この構成によれば、焼結ブシュ24が継手リンクプレート22から突出しないので、焼結ブシュ24が継手リンク21における継手ピン23の組み付け作業の妨げにならないようにすることができる。
(6)焼結ブシュ24は、焼結体によって構成されているため、どのような形状であっても容易に製造することができる。
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・一対の焼結ブシュ24のうちの一方の孔の形状は、上記実施形態のようなD字形状に限らず、楕円形状、多角形状、星形状、涙形状などの非真円形状であってもよいし、真円形状であってもよい。この場合、焼結ブシュ24の孔の形状に合わせて継手ピン23の先端部の断面形状が変更される。
・焼結ブシュ24において、鍔部28は省略してもよい。
・一対の焼結ブシュ24は、一対の継手リンクプレート22における幅方向Yの内側から継手孔25に圧入してもよい。この場合、一対の継手リンクプレート22の幅方向Yの内側の面における継手孔25の外周側に、一対の焼結ブシュ24の圧入部27を一対の継手リンクプレート22の継手孔25に幅方向Yの内側から圧入した際に鍔部28が収容される収容凹部29を形成することが好ましい。
・継手リンクプレート22における圧縮加工部26は、省略してもよい。
・継手リンクプレート22における圧縮加工部26を構成する凹溝は、断面視三角形状に限らず、例えば断面視四角形状であってもよいし、断面視半円形状であってもよい。
・継手リンクプレート22は、必ずしもショットピーニング加工を施す必要はない。
・継手リンクプレート22は、継手孔25の部分にのみショットピーニング加工を施すようにしてもよいし、継手孔25の部分以外の部分にのみショットピーニング加工を施すようにしてもよい。
・焼結ブシュ24に保持された潤滑油には、例えば耐腐蝕性などを持つ油を含有させてもよい。
・チェーン11は、全てのリンクがオフセットリンクで構成されたオフセットチェーンであってもよい。
・チェーン11は、2つの端部リンクTLの両方を内リンク13によって構成してもよい。この場合、継手リンク21は、オフセットリンクでなく、端部内リンク13A側の端部同士間の距離と端部外リンク15A側の端部同士間の距離とが同じになるように平行に延びる一対の外リンクプレートを有した、所謂フラットリンクによって構成される。
・端部内リンク13Aのブシュ17及び一対の焼結ブシュ24からの継手ピン23の抜け止めには、割ピン33に限らず、クリップを用いてもよい。この場合、継手ピン23の先端部には、割ピン孔32の代わりにクリップが係合可能な溝が形成される。
・ローラ18は、省略してもよい。
11…チェーン、12…内リンクプレート、13…内リンク、13A…端部リンクを構成する端部内リンク、14…外リンクプレート、15…外リンク、15A…端部リンクを構成する端部外リンク、16…ブシュ挿入孔、17…ブシュ、19…ピン、20…ピン挿入孔、21…継手リンク、22…継手リンクプレート、23…継手ピン、24…焼結ブシュ、25…継手孔、26…圧縮加工部、28…鍔部、TL…端部リンク。

Claims (5)

  1. 一対の内リンクプレートのブシュ挿入孔に筒状のブシュの両端部がそれぞれ圧入された内リンクと、一対の外リンクプレートのピン挿入孔にピンの両端部がそれぞれ圧入された外リンクとを前記ブシュに前記ピンを挿入することによって交互に複数回転可能に直列に連結されたチェーンの両端に位置する少なくとも一方が前記内リンクによって構成された2つの端部リンクを連結する継手リンクであって、
    継手孔を有した一対の継手リンクプレートと、
    前記内リンクによって構成された前記端部リンクの前記ブシュ及び前記継手孔に挿入される継手ピンと、
    潤滑油を保持する環状の焼結体によって形成され、前記継手孔と前記継手ピンとの間に介在される環状の焼結ブシュと、
    を備え、
    前記焼結ブシュは、前記継手孔に圧入された状態で前記継手ピンが遊嵌されていることを特徴とする継手リンク。
  2. 前記継手リンクプレートには、前記継手孔を囲むように環状の圧縮加工部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の継手リンク。
  3. 前記焼結ブシュは、前記継手孔よりも径が大きい環状の鍔部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の継手リンク。
  4. 前記焼結ブシュは、全体が前記継手リンクプレート内に収まるように前記継手孔に圧入されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の継手リンク。
  5. 一対の内リンクプレートのブシュ挿入孔に筒状のブシュの両端部がそれぞれ圧入された内リンクと、一対の外リンクプレートのピン挿入孔にピンの両端部がそれぞれ圧入された外リンクとを前記ブシュに前記ピンを挿入することによって交互に複数回転可能に直列に連結されたチェーンであって、
    両端に位置する少なくとも一方が前記内リンクによって構成された2つの端部リンクを連結する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載された継手リンクを備えたチェーン。
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