JP2013174136A - ポンプユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】直管ユニットとほぼ同じ閉口率や体積排除率を有し、ポンプに流入された流体を流入方向とは異なる方向に効率よく排出することのできるポンプユニットを提供する。
【解決手段】外筒と、外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、内筒の軸方向両端部を前記外筒の軸方向両端部に固定する固定部材と、内筒と外筒との間に加圧用媒体を供給するための加圧用通路とを備え、内筒を前記加圧用媒体の圧力により膨張させて当該内筒の軸方向の一方の側から流入した流体を他方の側から排出するポンプユニットであって、内筒が、当該内筒の軸線を通り、かつ、当該内筒の軸線方向に平行な面で切ったときの縦断面形状が矩形である円筒部と、縦断面形状が直角三角形である斜面部とを有した構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、外筒とゴム部材から成る内筒との間に加圧用媒体を供給して内筒を膨張させることで、流体を搬送するポンプを構成するポンプユニットに関するもので、特に、流体の搬送方向を変更する機能を有するポンプユニットに関する。
図24(a)は、従来のポンプユニット(以下、直管ユニットという)50の構成を示す図で、(b)図は(a)図のA−A断面、(c)図はB−B断面図である。
直管ユニット50は、金属又は硬質合成樹脂などから成る外筒51と、ゴム部材から成る内筒52との間に、図示しない加圧用媒体給排手段から空気導入孔53を介して加圧用媒体を供給して内筒52を膨張させ、内筒52の一方の端部側からユニット内に送り込まれた流体を内筒52の他方の端部側から排出する。
前記内筒52には、図24(d)に示すように、当該内筒52の軸方向に平行な方向に延長して、内筒52の変形を拘束する拘束体54が周方向に等間隔で複数本設けられている。当該拘束体54は、内筒52の軸方向への膨張を規制,拘束するものであって、内筒52の膨張時には、図25(a),(b)に示すように、拘束体54により、外筒51と内筒52との間に形成されたチャンバー55が、複数の小チャンバー551〜554に分割される。
すなわち、加圧用媒体を供給して内筒52を膨張させると、拘束体54により分割された複数の小チャンバー551〜554が均等に膨張して流路を閉状態とするので、流体を効率よく直管ユニット50の一方の端部側から他方の端部側に搬送することができる。
そして、このような直管ユニット50を内筒52の軸方向に複数個同軸に連結することで、流体を直管ユニット50の連結方向に沿って効率よく搬送することのできる直管型ポンプを構成することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−196689号公報
ところで、流体の搬送方向を変更する場合には、軸線が円弧状であるポンプユニットを用いる必要がある。しかしながら、ポンプユニットの軸線を円弧状とすると、内筒を膨張させたときのチャンバー内部の閉鎖割合である閉口率やチャンバー内部の体積変化の割合である体積排除率が減少してしまい、流体の搬送効率が低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、直管ユニットとほぼ同じ閉口率や体積排除率を有し、ポンプに流入された流体を流入方向とは異なる方向に効率よく排出することのできるポンプユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための構成として、外筒と、外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、内筒の軸方向両端部を前記外筒の軸方向両端部に固定する固定部材と、内筒と外筒との間に加圧用媒体を供給するための加圧用通路とを備え、内筒を前記加圧用媒体の圧力により膨張させて当該内筒の軸方向の一方の側から流入した流体を他方の側から排出するポンプユニットであって、内筒が、当該内筒の軸線を通り、かつ、当該内筒の軸線方向に平行な面で切ったときの縦断面形状が矩形である円筒部と、縦断面形状が直角三角形である斜面部とを有した構成とした。
本構成によれば、内筒内に流入した流体を流入方向とは異なる方向に排出することができる。なお、斜面部は円筒部の片側のみにあってもよいし、円筒部の両側にあってもよい。
また、他の構成として、前記内筒に、当該内筒の周面に沿って軸線方向の一方の側から他方の側に延長し、導入された圧力により内筒に折れ目を誘発する拘束体又はゴム異形部が内筒の周方向に複数設けられた構成とした。
本構成によれば、直管ユニットとほぼ同じ閉口率や体積排除率を確保しつつ、内筒内に流入した流体を流入方向とは異なる方向に排出することができる。
また、他の構成として、ゴム異形部が、当該内筒を形成するゴムが当該内筒の径方向外側に突出することで当該内筒の内側に形成されるガイド溝、もしくは、当該内筒の外周側から当該内筒の径方向外側に突出するゴム部材を備えた肉厚部である構成とした。
これにより、カーボンロービング繊維などの拘束体を用いることなく、内筒の変形を確実に拘束することができる。したがって、内筒をゴムのみで製造できるので、内筒の作製が容易となるだけでなく、製造時のバラツキも小さくなる。また、拘束体とゴムとの間に亀裂が発生して内筒が裂開することがないので、内筒の耐久性が向上する。
なお、本構成の「ゴム異形部」とは、内筒を構成するゴムを変形させて形成された箇所、内筒を構成するゴムの肉厚を変えた箇所、或いは、内筒にゴム部材を貼り付けて肉厚とした箇所をも含む。
また、他の構成として、内筒の内周側に、当該内筒の径方向内側に突出する内側突出部が複数形成された構成とした。
これにより、拘束体もしくはゴム異形部で分割された内筒の各部分を均一に膨張させることができるとともに、内側突出部により内筒で閉鎖されていない空間を埋めて閉口率をほぼ100%にして流体の搬送効率を向上させることができる。また、逆に膨張時に内側突出部同士を当接させることにより、分割された内筒の各部分の間に網目状の隙間を形成でき、固液混合物を濾過するなど、流体の搬送状態を制御することができる。
なお、上述した各発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施の形態に係る曲管ユニットの構成を示す図である。 曲管ユニットの内筒の断面図である。 曲管ユニットのフランジの形状を示す図である。 曲管ユニットの内筒の詳細を示す図である。 曲管ユニットの接続方法の一例を示す図である。 曲管ユニットの接続方法の他の例を示す図である。 中間ユニットの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る曲管型ポンプの構成を示す図である。 圧搾空気給排手段の構成を示す図である。 曲管型ポンプの動作を説明するための図である。 閉口率を説明するための図である。 体積排除率を説明するための図である。 ポンプユニットの圧力と閉口率及び体積排除率との関係を示す図である。 ポンプユニットの閉口率の立ち上がり特性及び立ち下がり状態を示す図である。 ポンプユニットの体積排除率の時間変化を示す図である。 ガイド溝を有する内筒の構成を示す図である。 ガイド溝を有する内筒の動作を説明するための図である。 肉厚部を有する内筒の構成を示す図である。 内側突出部を有する内筒の構成を示す図である。 内側突出部の他の構成を示す図である。 真空ポンプを備えた直管ユニットの構成を示す図である。 内側突出部を有する内筒の他の構成を示す図である。 内側突出部の濾過作用を説明するための図である。 従来の直管ユニットの構成を示す図である。 従来の直管ユニットの動作を説明するための図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1(a),(b)は、実施形態に係るポンプユニットの一例としての曲管ユニット10の構成を示す図である。曲管ユニット10は、外筒11と、外筒11の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒12と、内筒12の軸方向両端部を外筒11の軸方向両端部にそれぞれ固定する固定部材としての正円フランジ13a及び楕円フランジ13bと、外筒11と内筒12との間に設けられた加圧用通路としてのチャンバー14と、チャンバー14に圧搾空気を導入するための空気導入溝15と、一端が空気導入溝15に連通する空気導入管16とを備える。なお、同図の符号17は、内筒12に設けられた拘束体である。
外筒11は、金属もしくはアクリル等の合成樹脂などの圧搾空気の圧力によって容易に変形しない材料から構成される。
内筒12を構成するゴム部材としては、例えば、天然ラテックスゴムやシリコーンゴムなどが好適に用いられる。本例では、ゴム部材として低アンモニア天然ラテックスゴムを用いた。
内筒12は、図2に示すように、当該内筒12の軸線を通りかつ軸方向に平行な面で切ったときの縦断面形状が軸方向に直交する辺を有する直角台形をなしている。すなわち、内筒12は、縦断面形状が矩形である円筒部12aと縦断面形状が直角三角形である斜面部12bとを有する。
以下、内筒12の円筒部12aの直径(内径)をd、軸線方向の長さの最小値である円筒部12aの軸線方向の長さをlmin、円筒部12aの軸線に垂直な面(円形の面)と斜面部12bの軸線と交差する面(楕円形の面)との成す角を傾斜角φとする。
内筒12の側面を内筒12の径方向外側から覆う外筒11は、内筒12と同様に縦断面形状が矩形である円筒部11aと、縦断面形状が直角三角形である斜面部11bとを有する。なお、外筒11の傾斜角は内筒12の傾斜角φと同じである。
図3に示すように、正円フランジ13aは円形の中空部13pを有し、外筒11と内筒12のそれぞれの円筒部11a,12aの一端側が取り付けられる。一方、楕円フランジ13bは楕円形の中空部13qを有し、外筒11と内筒12のそれぞれの斜面部11b,12bの一端側が取付けられる。
本例では、図1(b)に示すように、外筒11の外縁部をフランジ13a,13bに設けられた中空部13p,13qの内周側の内縁部に設けられた溝13mにそれぞれ固定するとともに、内筒12の外縁部をフランジ13a,13bの外周側の内縁部に設けられた溝13nにそれぞれ固定している。なお、外筒11と内筒12とをフランジ13a,13bに固定する方法はこれに限るものではなく、内筒12の外縁部を外筒11に固定するなど、他の固定方法を採用してもよい。
図1(b)に示すように、チャンバー14は、外筒11と内筒12との間に設けられて、空気導入管16から空気導入溝15を通って供給される加圧用媒体としての圧搾空気を収納する空間である。圧搾空気の導入前、もしくは、圧搾空気の排出後には、外筒11の内面側(径方向内側)と内筒12の外面側(径方向外側)との間に隙間がなく、チャンバー14が閉じられた状態となる。
空気導入溝15は、外筒11の内面側(チャンバー14側)に設けられる。空気導入溝15には空気導入管16が取付けられており、図示しない圧搾空気給排手段から送られてきた圧搾空気は前記空気導入管16から空気導入溝15を通ってチャンバー14内に導入される。
図4(a)にも示すように、内筒12には、周方向に間隔を隔てて、内筒12の軸線方向と平行な方向に沿って延長する複数の拘束体17が設けられている。
本例では、拘束体17として、細くて強度の高いカーボンロービング繊維を用いるとともに、内筒12を低アンモニア天然ラテックスゴムから構成した。拘束体17は、曲管ユニット10の内部の膨張変形を安定させる役割を果たすもので、拘束体17の本数iとしては、内筒12を膨張させたときに曲管ユニット10の内部(内筒12の内部)が完全に閉鎖されて緩みがない、という条件から、i≧4である。本例では、拘束体17の本数を、前述の条件を満たす最小の本数である4本に設定した。
これにより、膨張時には、曲管ユニット10の内筒12を構成するゴム部材に拘束体17を起点に折り目が発生し、この折り目により、内筒12が周方向に複数(ここでは、4つ)の部分に区画される。つまり、拘束体17は、導入された圧力により内筒12に折れ目を誘発する部材として機能する。
拘束体17により区画されたゴム部材のうち、円筒部12aのゴム部材を帯状ゴム部材12gとすると、帯状ゴム部材12gは、軸方向の長さがlminで、周方向の長さがπd/iである長方形を直径dの円筒の側面に貼り付けたものである。
圧搾空気の導入時には、図4(b)に示すように、前記帯状ゴム部材12gが、それぞれ、符号t1〜tiで示す1本目〜i本目の拘束体を節として、曲管ユニット10の中心軸に向かって膨張する。
なお、これまでの実験の結果、曲管ユニット10に用いられる内筒12においても、軸方向から見た場合、ゴムの膨張の頂点の位置は、図25に示した従来の直管ユニット50の内筒52と変わらないので、閉口率や体積排除率などに内部閉鎖条件についても直管ユニット50の場合と同じ条件が適用可能である。
ところで、内筒12を膨張させたときのユニット内部の閉鎖割合である閉口率やユニット内部の体積変化の割合である体積排除率を確保するためには、帯状ゴム部材12gの軸方向長さlminは、(イ)前記帯状ゴム部材12gに折れ目ができないという条件と(ロ)ユニット内部が完全に閉鎖されるという条件を満たす必要がある。
そこで、帯状ゴム部材12gのアスペクト比を変えて膨張実験を行った結果、前記(イ)及び(ロ)の条件を同時に満たすためには、内筒12の円筒部12aの直径dと軸方向の長さをlminの比である円筒部アスペクト比nが以下の式(1)を満たす必要があることが分かった。
Figure 2013174136
但し、iは拘束体17の本数
本例では、内筒12の円筒部12aの直径(内径)dと軸線方向の長さの最小値である円筒部12aの軸線方向の長さlminと、円筒部12aの軸線に垂直な面(円形の面)と斜面部12bの軸線と交差する面(楕円形の面)との成す角を傾斜角φとを、上記式(1)を満たすように設定した。
このように、曲管ユニット10の内筒12の寸法を設定すれば、曲管ユニット10に流入した流体の搬送方向を傾斜角φだけ傾いた方向に排出することが可能となる。
図5(a)に示すように、曲管ユニット10は、1個でも流体の搬送方向を変更することが可能であるが、例えば、円筒部12a側を流入側とし、斜面部12b側を排出側とした場合、排出側の中空部の形状が楕円になってしまうので、流入側に接続する直管ユニット50と同じ直管ユニットを排出側に接続することが困難である。
そこで、曲管ユニット10を用いて流体の搬送方向を変更する場合には、図5(b)に示すように、2個の曲管ユニット10を用いることが実用上好ましい。これにより、流入側の直管ユニット50Aと排出側の直管ユニット50Bとに従来の直管ユニット50を使用することができるとともに、流体を同図の一点鎖線で示す曲率半径がRの仮想曲管ユニット10Rとほぼ同等の流路で搬送することができるので、流体をスムースに搬送することができる。なお、この場合の搬送方向の変更角度θは、傾斜角φの2倍となる。
ところで、搬送方向の変更角度θが大きい(例えば、45°以上)場合には、図6(a)に示すように、2個の曲管ユニット10では、流体を仮想曲管ユニット10Rに沿って搬送することが困難となる。そこで、図6(b),(c)に示すように、流体の流入側に配置される曲管ユニットである第1の末端ユニット10Aと排出側に配置される曲管ユニットである第2の末端ユニット10Bとの間に、円筒部12aの両側に斜面部12bを有する曲管ユニット10Cを設けるようにすれば、流体をスムースに搬送することができる。以下、曲管ユニット10Cを中間ユニットと呼ぶ。
図7(a),(b)は中間ユニット10Cの一構成例を示す図で、中間ユニット10Cの内筒12’は、当該内筒12’の軸線を通り、かつ、軸方向に平行な面で切ったときの縦断面形状が塔脚台形をなしている。すなわち、内筒12’は、縦断面形状が矩形である円筒部12a’と、縦断面形状が直角三角形である2つの斜面部12b’とを有している。なお、中間ユニット10Cが1個である場合には、傾斜角φ’は末端ユニット10A;10Bの傾斜角φに等しい。
内筒12’の軸方向の周囲を覆う外筒11’の形状は、内筒12’の形状と同じく、円筒部と斜面部とを備える。なお、図は省略するが、中間ユニット10Cの内筒12’にも、内筒12に設けられた拘束体17と同様の拘束体が設けられている。
また、中間ユニット10Cは、楕円形の中空部13qを有し、その形状が末端ユニット10A;10Bの楕円フランジ13bの形状と同一の2つの楕円フランジ13cを備え、第1及び第2の末端ユニット10A,10Bの楕円フランジ13bと連結される。
図8は、流体の流入側に配置される第1の末端ユニット10Aと、流体の排出側に配置される第2の末端ユニット10Bと、第1の末端ユニット10Aと第2の末端ユニット10Bを連結する中間ユニット10Cとを備えた曲管型ポンプ1を示す図である。
第1及び第2の末端ユニット10A,10Bと中間ユニット10Cとは、第1及び第2の末端ユニット10A,10Bの楕円フランジ13b,13bと、中間ユニット10Cの楕円フランジ13cとを図示しないボルト及びナットなどの締結部材により締結することで連結される。
流体の搬送方向を角度θだけ変更するには、曲管型ポンプ1の第1の末端ユニット10Aと第2の末端ユニット10Bとを曲率半径がR、円周角がθである円弧の両端部に配置する。このとき、末端ユニット10A,10Bの内筒12の傾斜角φは、曲率半径Rと円筒部アスペクト比nが与えられれば、以下の式(2)により決定される。
Figure 2013174136
なお、中間ユニット10Cの傾斜角φ’は、末端ユニット10の傾斜角φと同じであってもよいし、傾斜角φよりも小さくてもよい。
また、曲管型ポンプ1の曲がりの度合いである曲率半径Rが、内筒12の円筒部12aの直径dの1.6倍に満たないような急な曲がりである場合には、円筒部アスペクト比nが、前述の式(1)で示した条件を満たさない場合があるので、直管ユニットとほぼ同等の閉口率や体積排除率を確保して流体をスムースに搬送するためには、第1の末端ユニット10Aと第2の末端ユニット10Bとを、R≧1.6dであるような曲率半径Rを有する円弧の両端に配置することが好ましい。
逆に、配管の曲率半径Rが予め設定されている場合には、内筒12の円筒部12aの直径dを、d<(R/1.6)を満たすように設定する。これにより、必要な閉口率と体積排除率とを得ることができるので、流体をスムースに搬送することができる。
図9は、曲管型ポンプ1を動作させるための圧搾空気給排手段2を示す図である。
圧搾空気給排手段2は、圧搾空気を供給するエアコンプレッサー21と、比例電磁弁22A〜22Cと、比例電磁弁22A〜22Cを制御する制御手段23と、エアチューブ24A〜24Cとを備える。
圧搾空気給排手段2では、制御手段23に予め記憶された電磁弁制御プログラムに基づいて比例電磁弁22A〜22Cを制御する制御信号を比例電磁弁22A〜22Cに送って、各ユニット10A〜10Cの内筒12,12’の膨張・収縮を制御する。比例電磁弁22A〜22Cは、エアコンプレッサー21から排出される一定圧力の圧搾空気の空気圧を、制御信号に応じた圧力に調整する。
本例では、エアチューブ24A〜24Cにより、比例電磁弁22A〜22Cと曲管型ポンプ1の末端ユニット10A,10B及び中間ユニット10Cの各空気導入管16との間をそれぞれ連結することにより、各ユニット10A〜10Cのチャンバー14内に供給する圧搾空気の圧力を独立に印加するようにしている。
次に、曲管型ポンプ1の動作について説明する。
まず、図10(a)に示すように、第1の末端ユニット10A側から第1の末端ユニット10A内へ流体を注入する。このとき、各比例電磁弁は閉状態にあり、各ユニット10A〜10Cの内筒12,12’はいずれも収縮した状態にある。
次に、図10(b)に示すように、エアチューブ24Aが連結されている比例電磁弁22Aを開放して末端ユニット10Aのチャンバー14内に圧搾空気を送り、第1の末端ユニット10Aの内筒12のみを膨張させて、第1の末端ユニット10Aの内筒12内の流体を中間ユニット10Cの内筒12’内に押し出す。
次に、図10(c)に示すように、第1の末端ユニット10Aの内筒12を膨張させたまま、エアチューブ24Cが連結されている比例電磁弁22Cを開放して中間ユニット10Cのチャンバー14に圧搾空気を送り、中間ユニット10Cの内筒12’を膨張させて、中間ユニット10C内の流体を第2の末端ユニット10Bの内筒12内に押し出す。
次に、図10(d)に示すように、中間ユニット10Cの内筒12’を膨張させたまま、エアチューブ24Bが連結されている比例電磁弁22Bを開放して中間ユニット10Cのチャンバー14内に圧搾空気を送り、第2の末端ユニット10Bの内筒12を膨張させて、第2の末端ユニット10B内の流体を曲管型ポンプ1の外部へ排出する。
このとき、エアチューブ24Aが連結されている比例電磁弁22Aを閉鎖するとともに、エアチューブ24Aに連結されている図示しない開放弁を開放する。これにより、第1の末端ユニット10Aの内筒12は、ゴム部材の復元力により収縮するので、曲管型ポンプ1内には新たな流体が導入される。
次に、図10(e)に示すように、中間ユニット10Cの内筒12’を縮小させるとともに、第1の末端ユニット10Aの内筒12を膨張させて、第1の末端ユニット10Aの内筒12内の流体を中間ユニット10Cの内筒12’内に押し出す。
次に、図10(f)に示すように、第2の末端ユニット10Bの内筒12を縮小させるとともに、中間ユニット10Cの内筒12’を膨張させて、中間ユニット10C内の流体を第2の末端ユニット10Bの内筒12内に押し出す。
図10(f)の状態は、前記の図10(c)の状態と同じである。したがって、次には、図10(d)に示すように、中間ユニット10Cの内筒12’を膨張させたまま第2の末端ユニット10Bの内筒12を膨張させて、第2の末端ユニット10B内の流体を曲管型ポンプ1の外部へ排出するとともに、第1の末端ユニット10Aの内筒12を同時に収縮させることにより、曲管型ポンプ1内に新たな流体を導入するようにすればよい。
以下、図10(d)〜図10(f)の動作を繰り返すことにより、第1の末端ユニット10A内へ注入された流体を第2の末端ユニット10Bから排出する。これにより、流体を流入方向とは異なる方向へ排出することができる。
[実験例]
以下に示すような寸法仕様の末端ユニットと中間ユニットとを試作し、その性能について、直管ユニットと比較した。なお、直管ユニットとしては、図24に示した従来の直管ユニット50よりも輸送効率の高い蠕動運動型の直管ユニットを用いた。蠕動運動型の直管ユニットは、内筒及び外筒として、ゴム部材から成る筒状体に筒状体の軸方向に平行な方向に延長する複数の繊維(カーボンロービング繊維)から成る繊維層を内包した人工筋肉を使用したもので、内筒がユニットの内部方向(求心方向)に膨張し、外筒が外部方向(放射方向)に膨張する。
末端ユニットの仕様
円筒部の最小長さlmin[mm]
;60
円筒部の直径d[mm] ;60
内筒の厚さ[mm] ;1.5
拘束体の本数 ;4本
傾斜角φn[rad.] ;π/8
外筒の直径D[mm] ;94
中間ユニットの仕様
円筒部の最小長さlmin[mm]
;60
円筒部の直径d[mm] ;60
内筒の厚さ[mm] ;1.5
拘束体の本数 ;4本
傾斜角φn[rad.] ;π/8
外筒の直径D[mm] ;94
直管ユニットの仕様
内筒及び外筒の長さl[mm] ;60
内筒及び外筒の直径d[mm] ;60
内筒及び外筒の厚さ[mm] ;1.5
評価パラメータは、(1)閉口率、(2)体積排除率、(3)時間応答、の3つとした。
閉口率RL[%]は、内筒が膨張したときのユニット内部の閉鎖割合を表す量で、図11(a),(b)に示すように、ユニットを軸方向から見たときの通常時である内筒の縮小時の開口面積をS0[m2]、膨張時の開口面積をSp[m2]としたときに、以下の式(3)で表される。
L[%]={(S0−Sp)/S0}×100 ……(3)
閉口率RL[%]は、ユニットの弁としての性能を表している。
体積排除率RE[%]は、内筒が膨張したときのユニット内部の体積変化の割合を表す量で、図12(a),(b)に示すように、通常時の内部体積をV0[m3]、膨張時の内部体積をVp[m3]としたときに、以下の式(4)で表される。
E[%]={(V0−Vp)/V0}×100 ……(4)
体積排除率RE[%]は、ユニット内部の流体を押し出す効率を表している。
図13(a)は内筒と外筒間に導入した圧搾空気の圧力[MPa]と閉口率RL[%]との関係を示す図で、図13(b)は圧力[MPa]と体積排除率RE[%]との関係を示す図である。各図において、◆が直管ユニットのデータ、△が末端ユニットのデータ、○が中間ユニットのデータである。
図13(a)に示すように、閉口率RLは、末端ユニットも中間ユニットも、直管ユニットとほぼ同じく、印加圧力が約0.02[MPa]付近から収束し始め、約0.03[MPa]でほぼ100%になることがわかった。
また、図13(b)に示すように、直管ユニットの体積排除率REは、印加圧力が約0.02[MPa]付近から収束し始め、約0.03[MPa]でほぼ100%になるのに対し、末端ユニット及び中間ユニットでは、印加圧力が約0.03[MPa]付近から収束し始め、約0.04[MPa]でほぼ90%になった。
また、図14(a)は立ち上がり時間[sec.]と閉口率RL[%]との関係を示す図で、図14(b)は立ち下がり時間[sec.]と閉口率RL[%]との関係を示す図で、各図において、一点鎖線が直管ユニットのデータ、実線が末端ユニットのデータ、破線が中間ユニットのデータである。図14(a),(b)から、立ち上がり応答は末端ユニット及び中間ユニットがよく、立ち下がり応答は直管ユニットがよいことわかる。これは、直管ユニットの内管として弾性の高い人工筋肉を使用したことによると考えられる。
また、図15は、立ち上がり時間[sec.]と体積排除率RE[%]との関係を示す図で、図に示すように、末端ユニット及び中間ユニットのように傾斜部を有する部材であっても、安定した応答で、直管ユニットの約90%の体積排除率REが得られる。
このように、本発明による末端ユニット及び中間ユニットは、直管ユニットとほぼ同等の圧力応答特性を示すことが確認された。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
例えば、前述の実施形態では、拘束体17の本数を4本に設定して内筒12,12’のゴム部材を4つに区画したが、5つ以上にしてもよい。但し、拘束体17の本数を多くすると、拘束体17により区画された各帯状ゴム部材12gをユニット10A〜10Cの中心軸付近まで膨張させるのに高い圧力を必要とするので、拘束体17の本数は、4〜6本程度にすることが好ましい。
また、前述の実施形態では、カーボンロービング繊維から成る拘束体17により内筒12,12’のゴム部材の変形を拘束することで、内筒12,12’のゴム部材を周方向に複数個に区画したが、ゴム部材に、ゴムを変形させて形成された箇所やゴムの肉厚を変えた箇所、もしくは、ゴム部材を貼り付けた箇所などのような、導入された圧力により折れ目を誘発するゴム異形部を設けて、内筒のゴム部材の変形を拘束してもよい。
ゴム異形部は、内筒の周方向に等間隔に、かつ、内筒の軸方向に平行な方向に沿って延長するように、複数個設けられる。
図16(a),(b)は、ゴム異形部の一例としてのガイド溝31が形成された第1及び第2の末端ユニット10A,10Bの内筒30を示す図である。ガイド溝31は、内筒30を形成するゴムを当該内筒30の径方向外側に突出させたもので、これにより、内筒30の内面側には、例えば、縦断面形状が、溝底部の角度が直角である直角二等辺三角形などの三角形状の溝が形成される。なお、図示は省略するが、中間ユニット10Cの内筒30’にも、内筒30と同様のガイド溝31が設けられている。
なお、図16では、ガイド溝31を内筒30の周方向に等角度に4本設けたが、拘束体17における好ましい本数と同様に、4〜6本程度にすること望ましい。
また、ガイド溝31は、内筒30の軸方向に沿って平行に延在するものであって、その位置としては、円筒部30aの中央部付近であることが好ましい。
また、ガイド溝31の長さlgとしては、円筒部30aの軸方向の長さlminの50%程度であれば、膨張時に内筒30(内筒30’)のゴム部材を周方向に複数個(ここでは、4個)に区画することができる。
また、ガイド溝31を、軸方向に沿って連続して延長する形態とするのではなく、軸方向に沿って所定の間隔を空けて延長する形態としてもよい。
拘束体17が設けられた内筒12,12’では、図4(b)に示すように、拘束体17を起点に膨張し、当該拘束体17によって周方向に複数個に区画するような膨張変形を起こさせたが、内筒30,30’では、ガイド溝31が内筒30,30’を周方向に複数個に区画するような膨張変形を誘起する。
すなわち、内筒30内に圧搾空気を導入すると、図17(a)に示すように、内筒30の図示しない加圧用通路14側の面に対しては垂直な方向に空気圧Pが作用して内筒30は膨張する。このとき、円筒面から鋭角に突き出たガイド溝31には、ガイド溝31の壁面に垂直な方向の空気圧が作用する。したがって、ガイド溝31は、溝壁面同士が近づく(溝が潰れる)方向に変形し、その結果、内筒30にはガイド溝31を起点に折り目が発生する。なお、図示は省略するが、内筒30’の動作についても同様である。
したがって、図17(b)に示すように、ガイド溝31は、内筒12,12’に設けられた拘束体17と同様に、内筒30,30’を周方向に複数個に区画するような膨張変形を誘起することができる。
したがって、内筒12,12’に代えて、導入された圧力により折れ目を誘発するゴム異形部としてのガイド溝31を備えた内筒30,30’を用いれば、カーボンロービング繊維などの拘束体17を用いることなく、内筒30,30’の変形を確実に拘束できる。
また、内筒30,30’をゴムのみで製造できるので、内筒30,30’を一体成型で作製することができる。したがって、製造が容易となるだけでなく、製造時のバラツキも小さくなる。
なお、導入された圧力により折れ目を誘発するゴム異形部としては、図18(a)に再掲する前記のガイド溝31に限るものではなく、図18(b)に示すような、内筒30の外周側から当該内筒30の径方向外側に突出する突起32aを有する肉厚部32であってもよい。突起32aは、前述のガイド溝31と同様に、内筒30の軸方向に沿って平行に延在するものであって、その位置は、円筒部30aの中央部付近であることが好ましい。
このような肉厚部32を有する内筒30内に圧搾空気を導入すると、圧搾空気が導入される側である内筒30の外周面側には突起32aが設けられているので、圧搾空気は突起32aから周囲の円筒部方向に流れを変え、突起32aの周り円周部を膨張させようとする。その結果、ガイド溝31を設けた場合と同様に、内筒30に肉厚部32を起点とした折り目を発生させることができる。
なお、肉厚部32を、内筒30の外周面に軸方向に平行な方向に延長するゴム部材を貼り付けて形成してもよい。また、貼り付けるゴム部材としては、内筒30を形成するゴム部材と同じゴム部材を用いてもよいし、異種ゴムから成るゴム部材を用いてもよい。異種ゴムから成るゴム部材を用いる場合には、内筒30を形成するゴム部材よりも弾性率の高いゴム部材を用いることが好ましい。
また、図19(a),(b)に示すように、内筒40(内筒40’)に、当該内筒40の内周側に突出して軸方向に平行な方向に延長する複数の山形状の内側突出部42を、互いに隣接するガイド溝41とガイド溝41との中間に設けるようにすれば、閉口率をほぼ100%にすることができる。なお、ガイド溝41は、図16に示したガイド溝31と同一の構成である。
内側突出部42は、前述した突起32aとは異なり、内筒40のチャンバー14側とは反対側の面である内周面側に設けられている。すなわち、内側突出部42がある部分はチャンバー14側から見ると円筒なので、内筒40内に圧搾空気を導入すると、圧搾空気は内側突出部42がある部分にも面に垂直な方向の力を作用させる。しかし、内側突出部42近傍は周囲の円筒部よりも肉厚が厚いので、内筒40は内側突出部42の周囲のゴムよりもやや凹んだ状態で膨張する。この凹んだ部分は、内側突出部42の配置と同じなので、内筒40のガイド溝41により区画された各部分を均一に膨張させることができる。また、内側突出部42は内筒40の内周面側に設けられているので、内側突出部42自身が内筒40により閉鎖されていない空間を埋めることができる。その結果、閉口率をほぼ100%にすることができる。なお、内側突出部42の機能については、内筒40’についても同様である。
このように、閉口率をほぼ100%とすれば、例えば流体を鉛直方向上方に搬送するときなどに生じる、内筒40(内筒40’)により閉鎖されていない微小穴からの流体の逆流をなくすことができるので、流体の搬送効率を更に向上させることができる。
なお、内側突出部42の形状としては、前述した山形状の突起に限るものではなく、図20に示すような、円錐台状であってもよい。
また、内側突出部42は、必ずしも内筒40(内筒40’)の周方向に延長している必要はなく、円錐台状の内側突出部42rのように、周方向中心部にある程度の大きさを有して設けられていればよい。なお、このような、周方向の長さが短い内側突出部42は、周方向に複数個設けることが好ましい。
また、上述した拘束体17を有する内筒12,12’においても、複数の内側突出部42と同様の突起を当該内筒12,12’の内周側で拘束体17の中間に設ければ、閉口率をほぼ100%にすることができる。
ところで、内側突出部42を有し、閉口率がほぼ100%となる内筒40及び内筒40’を用いて構成した曲管ポンプにより、流体を鉛直方向上方に搬送する場合、流体の粘性によっては、内筒40,40’の初期状態への復元が流体の粘性によって遅くなることや、復元不可能となるということが想定される。
そこで、高粘度流体を内側突出部42を有する内筒40,40´を備えた曲管ポンプによって鉛直方向上方に搬送する場合には、図21に示すように、圧搾空気給排手段2に、エアポンプ(真空ポンプ)25とエアタンク26とエアレギュレータ27と3ポート電磁弁28A〜28Cとから成る排気系を追加してチャンバー14内の空気を強制的に排気する構成とすれば、内筒40,40’の復元を安定して行うことができるので、搬送効率を更に向上させることができる。
同図に示すように、3ポート電磁弁28A〜28Cは、エアチューブ24A〜24Cと比例電磁弁22A〜22Cとエアレギュレータ27とに接続されて、比例電磁弁22A〜22Aとエアチューブ24A〜24Cとの通路を開閉するとともに、エアレギュレータ27とエアチューブ24A〜24Cとの通路を開閉する。
エアレギュレータ27とエアチューブ24A〜24Cとの通路が開放されると、チャンバー14内に導入された圧搾空気は、真空ポンプ25により強制的に吸引され、その結果、チャンバー14内の圧力は、外気圧より低く設定されたエアレギュレータ27の設定圧力にまで減少する。エアレギュレータ27の設定圧力は、各ユニット10A〜10C内(流路内)に発生する負圧に応じて設定される。
このように、比例電磁弁22A〜22Cの閉鎖時において、チャンバー14内の空気を真空ポンプ25により強制的に吸引するようにすれば、膨張状態にある内筒40,40’の初期状態(圧搾空気導入前の状態)への復元を阻害する高粘性流体を搬送する場合であっても流体の粘性による復元力の低下をなくすことができ、内筒40,40’を速やかに初期状態に戻すことができる。
なお、図19及び図20に示した内側突出部42,42rのように、内側突出部をガイド溝41とガイド溝41との中間に1個だけ設けるようにすれば、閉口率をほぼ100%にすることができるが、図22に示すように、円筒状の突起などから成る内側突出部42kをガイド溝41とガイド溝41との間に複数個設けるようにすれば、曲管ユニット10に濾過機能を付与することができる。
すなわち、図23(a)に示すように、内筒40,40’の膨張時には、ガイド溝41により区画された膨張領域のうち、互いに隣接する膨張領域の内側突出部42k同士が当接して膨張領域の間に網目状の隙間が形成される。
よって、搬送される流体が固液混合物等である場合には、網目状の隙間の大きさよりも大きな固体は隙間を通過できず、液体と網目状の隙間の大きさよりも小さな固体のみが曲管ユニット10から排出されるので、曲管ユニット10に流入した固液混合物を濾過することができる。
また、図23(b),(c)に示すように、内側突出部42kの大きさや個数を変更すれば網目の大きさを調整できるので、濾過する固体の大きさを選別することができる。つまり、内側突出部42kの大きさや個数を変更することにより流体の搬送状態を自在に制御することができる。
1 曲管型ポンプ、2 圧搾空気給排手段、10 曲管ユニット、
10A 第1の末端ユニット、10B 第2の末端ユニット、10C 中間ユニット、
11,11’ 外筒、11a 外筒の円筒部、11b 外筒の斜面部、
12,12’,30,30’,40,40’ 内筒、12a 内筒の円筒部、
12b 内筒の斜面部、13a 正円フランジ、13b,13c 楕円フランジ、
14 加圧用通路(チャンバー)、15 空気導入溝、16 空気導入管、
17 拘束体、21 エアコンプレッサー、22A〜22C 比例電磁弁、
23 制御手段、24A〜24C エアチューブ、25 真空ポンプ、
26 エアタンク、27 エアレギュレータ、28A〜28C 3ポート電磁弁、
31,41 ガイド溝、32 肉厚部、32a 突起、
42,42r、42k 内側突出部。

Claims (4)

  1. 外筒と、
    前記外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、
    前記内筒の軸方向両端部を前記外筒の軸方向両端部に固定する固定部材と、
    前記内筒と前記外筒との間に加圧用媒体を供給するための加圧用通路と、
    を備え、
    前記内筒を前記加圧用媒体の圧力により膨張させて当該内筒の軸方向の一方の側から流入した流体を他方の側から排出するポンプユニットであって、
    前記内筒が、当該内筒の軸線を通り、かつ、当該内筒の軸線方向に平行な面で切ったときの縦断面形状が矩形である円筒部と、
    前記縦断面形状が直角三角形である斜面部と、
    を有したことを特徴とするポンプユニット。
  2. 前記内筒には、
    周面に沿って当該内筒の軸線方向の一方の側から他方の側に延長し、導入された圧力により前記内筒に折れ目を誘発する拘束体又はゴム異形部が前記内筒の周方向に複数設けられたことを特徴とする請求項1記載のポンプユニット。
  3. 前記ゴム異形部が、当該内筒を形成するゴムが当該内筒の径方向外側に突出することで当該内筒の内側に形成されるガイド溝、もしくは、当該内筒の外周側から当該内筒の径方向外側に突出するゴム部材を備えた肉厚部であることを特徴とする請求項2に記載のポンプユニット。
  4. 前記内筒の内周側に、当該内筒の径方向内側に突出する内側突出部が複数形成されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のポンプユニット。
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