JP2013174139A - ポンプユニット - Google Patents

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太郎 中村
Yoshihiro Hirayama
義浩 平山
Kunihiro Saito
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Yoshinori Kimura
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Abstract

【課題】耐久性に優れるとともに、製造が容易でかつ製造時のバラつきの少ない内筒を備えたポンプユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】外筒と、外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、内筒の軸方向両端部と外筒の軸方向両端部とを固定する固定部材と、内筒と外筒との間に加圧用媒体を供給する加圧用通路とを備え、加圧用媒体にて内筒を膨張させて流体を搬送するポンプユニットであって、内筒には、周面に沿って当該内筒の軸線方向の一方の側から他方の側に延長し、導入された加圧用媒体の圧力により内筒に折れ目を誘発するゴム異形部が内筒の周方向に複数設けられている構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、外筒と内筒との間に加圧用媒体を供給して外筒及び内筒、もしくは、内筒を膨張させることで流体を搬送するポンプユニットに関するもので、特に、内筒をゴム部材で構成したポンプユニットに関する。
図20(a)は、従来の軸方向に延長する多数の高弾性繊維が埋設されたゴム部材から成る内筒51と外筒52とを備えたポンプユニット50の構成を示す図で、(b)図は(a)図のA−A断面である。
ポンプユニット50は、内筒51と外筒52の間に設けられた空気室53に、図示しない圧搾空気給排手段から一方のフランジ54に設けられた空気導入孔54Hを介して加圧用媒体である圧搾空気を供給して内筒51及び外筒52を膨張させ、内筒51の一方の端部側から内筒51の内壁により形成された流路55内に送り込まれた流体を内筒51の他方の端部側から排出する。なお、同図の符号54hは、ポンプユニット50を軸方向に複数接続したときに、当該ポンプユニット50の後段に接続されるポンプユニットへ圧搾空気を送るための図示しないエア・チューブを通すための孔である。
図20(c)に示すように、内筒51には、当該内筒51の軸方向に平行な方向に延長し、内筒51の変形を拘束する拘束体56が周方向に等間隔で複数本設けられている。当該拘束体56は、内筒51の軸方向への膨張を規制,拘束するものであって、内筒51の膨張時には、図21(a),(b)に示すように、拘束体56が内筒51の変形を拘束し、内筒51を複数の膨張域511〜514に区画する。
これにより、加圧用媒体である圧搾空気を供給して内筒51を膨張させると、内筒51は、拘束体56により区画された複数の膨張域511〜514により流路55となるユニット内部を閉状態にするので、流体を効率よくポンプユニット50の一方の端部側から他方の端部側に搬送することができる。
また、上述した従来のポンプユニット50の内筒51及び外筒52は、ポンプユニット50の軸方向には伸長せず、内筒51及び外筒52の膨張時には、ポンプユニット50は軸方向に収縮する。これにより、流体を内筒51内から押し出す際にはポンプユニット50の長さが短くなるので、流体を効率よく搬送することができる。
したがって、このようなポンプユニット50を軸方向に複数連結することで、液体や固液混合物などの流体をポンプユニット50の連結方向に沿って効率よく搬送することのできる蠕動運動型ポンプ装置を構成できる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−203400号公報
しかしながら、従来のポンプユニット50では、内筒51を作製する際には、ガラス繊維やカーボンロービング繊維などのゴムよりも弾性率の高い材料から成る拘束体56をゴム部材中に埋設するので、製造時にバラツキが発生するだけでなく、長期にわたる膨張・収縮の繰り返しによって、拘束体56と内筒51のマトリックス材料であるゴム部材との間に亀裂が発生して内筒51が裂開してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性に優れるとともに、製造が容易でかつ製造時のバラつきの少ない内筒を備えたポンプユニットを提供することを目的とする。
本願発明は、外筒と、外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、内筒の軸方向両端部と外筒の軸方向両端部とを固定する固定部材と、内筒と外筒との間に加圧用媒体を供給する加圧用通路とを備え、加圧用媒体にて内筒を膨張させて流体を搬送するポンプユニットであって、内筒には、周面に沿って当該内筒の軸線方向の一方の側から他方の側に延長し、導入された加圧用媒体の圧力により内筒に折れ目を誘発するゴム異形部が内筒の周方向に複数設けられていることを特徴とする。
これにより、カーボンロービング繊維などの拘束体を用いることなく、内筒の変形を確実に拘束し、流路を全閉状態とすることができる。つまり、内筒をゴム部材のみで製造できるので、内筒の作製が容易となるだけでなく、製造時のバラツキも小さくすることができる。更に、異形部がゴム部材であるので、ゴム異形部と当該ゴム異形部の周囲のゴム部材との間に亀裂が発生し難く、内筒の耐久性についても向上させることができる。
また、本願発明は、ゴム異形部が、内筒を形成するゴムが内筒の径方向外側に突出することで当該内筒の内側に形成されるガイド溝、または、内筒の外周側から当該内筒の径方向外側に突出する突起を有する肉厚部であることを特徴とする。
これにより、ゴム部材自体を変形したり、ゴム部材自体の厚みを部分的に変えるなどの簡単な方法で、周囲のゴム部材との間に確実に折れ目を形成することができる。
また、本願発明は、内筒の内周側に、当該内筒の径方向内側に突出する内側突出部が複数形成されていることを特徴とする。
これにより、ゴム異形部で区画された内筒の各部分(以下、膨張域という)は内側突出部を中心に膨張するので、各膨張域を均一に膨張させることができる。また、内側突出部自身が内筒で閉鎖されていない流路の空間を埋めるので、流路となるユニット内部の閉口率RL[%]及び体積排除率RE[%]をほぼ100%にすることができる。
また、逆に、膨張時に内側突出部同士が当接してゴム異形部で分割された内筒の各部分の間に網目状の隙間を形成することで固液混合物を濾過するなど、流体の搬送状態を制御することができる。
なお、閉口率RL[%]は、内筒が膨張したときのユニット内部の閉鎖割合を表す量で、図22(a),(b)に示すように、ユニットを軸方向から見たときの内筒11の通常時の流路の開口面積をS0[m2]、膨張時の開口面積をSp[m2]としたときに、以下の式(1)で表わされる。
L[%]={(S0−Sp)/S0}×100 ……(1)
閉口率RL[%]は、ユニットの弁としての性能を表している。
なお、符号12は外筒、符号17は空気室、符号18は流体の流路である。
体積排除率RE[%]は、内筒11が膨張したときのユニット内部(流路18)の体積変化の割合を表す量で、図23(a),(b)に示すように、通常時の流路18の体積をV0[m3]、膨張時の流路18の体積をVp[m3]としたときに、以下の式(2)で表わされる。
E[%]={(V0−Vp)/V0}×100 ……(2)
体積排除率RE[%]は、ユニット内部の流体を押し出す効率を表している。
また、本願発明は、外筒が、ゴム部材と、当該ゴム部材内に埋設されて外筒の軸方向に延長する高弾性繊維とを備えることを特徴とする。
このような構成の外筒を用いれば、外筒及び内筒の膨張時に、ポンプユニットの軸方向の長さを収縮させることができる。したがって、外筒及び内筒が膨張して流体をユニット内部から押し出す時には、ユニット長さが短くなるので、流体を効率よく搬送することができる。
また、本願発明は、ゴム異形部の本数が、流体の流入側から排出側に行くにしたがって増加していることを特徴とする。
このような構成を採ることにより、内筒は流入側から順に閉口していくので、流体の搬送効率を向上させることができる。
また、本願発明は、ゴム異形部が、流体の流入側と排出側とにそれぞれ4本ずつ設けられ、当該内筒の軸方向から見たときの流入側のゴム異形部の周方向の位置と排出側のゴム異形部の周方向の位置とが45°ずれていることを特徴とする。
このような構成を採ることにより、内筒内に流入した流体を絞り出すようにして排出できるので、例えば、ポンプユニットを鉛直に立てて、流入側を下側、排出側を上側にすれば、固形分は上側に搬送され、水分は下方に排出されるので、固形分のみを効率よく搬送することができる。
また、本願発明は、ゴム異形部の本数が偶数本で、互いに隣接するゴム異形部が流体の流入側から排出側に行くにしたがって互いに逆方向に傾くように形成されていることを特徴とする。
この構成でも、ユニット内部に流入した流体は絞り出すようにして排出されるので、固形分のみを効率よく搬送することができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施の形態1に係るポンプユニットの構成を示す図である。 内筒の一例を示す図である。 外筒の一例を示す図である。 ガイド溝を有する内筒の動作を説明するための図である。 ポンプユニットの動作を説明するための図である。 ガイド溝の他の形態を示す図である。 実施の形態2に係る内筒の構成を示す図である。 実施の形態3に係る内筒の構成を示す図である。 本発明による内筒の他の構成を示す図である。 実施の形態4に係る内筒の構成を示す図である。 本発明による内筒を備えたポンプユニットと従来の内筒を備えたポンプユニットの膨張状態を示す図である。 内側突出部の他の形態を示す図である。 圧搾空気給排手段の一構成を示す図である。 本発明による内筒を有するポンプユニットを複数個直列に連結して成るポンプの動作を示す図である。 圧力と閉口率及び体積排除率との関係を示す図である。 閉口率の立ち上がり特性及び立ち下がり特性を示す図である。 閉口率の立ち上がり特性の拡大図である。 実施の形態5に係る内筒の構成を示す図である。 実施の形態5に係る内筒の動作を示す図である。 従来のポンプユニットの構成を示す図である。 従来のポンプユニットの動作を説明するための図である。 閉口率を説明するための図である。 体積排除率を説明するための図である。 流体の粘性と体積効率との関係を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1.
図1(a)〜(c)は、実施の形態1に係るポンプユニット10を示す図で、ポンプユニット10は、内筒11と、外筒12と、上流側及び下流側フランジ13A,13Bとを備える。
内筒11は、例えば、天然ラテックスゴムやシリコーンゴムなどのゴム部材から構成された円筒状の部材で、内筒11の軸方向両端部は、それぞれ、上流側フランジ13Aの流入側に設けられた凹部13kと下流側フランジ13Bの排出側に設けられた凹部13kとにおいて、内側固定リング14により固定される。なお、本例では、ゴム部材として低アンモニア天然ラテックスゴムを用いた。
内筒11は、内筒11の軸線方向に平行な方向に沿って延長して、導入された圧力により折れ目を誘発するゴム異形部としてのガイド溝15を備える。ガイド溝15は、図2にも示すように、内筒11の周方向に間隔を隔てて複数本設けられ、当該内筒11を構成するゴム部材の変形を拘束し、ゴム部材を周方向に複数個の膨張域に区画する。本例におけるゴム異形部は、内筒11を構成するゴムを内筒11の径方向外側に突出する形状とすることで内筒11の内周面にガイド溝15を形成している。
図2(a)の拡大図に示すように、ガイド溝15は、内筒11の内面側に形成される断面形状が、溝底部の角度がほぼ直角である三角形状の溝である。また、ガイド溝15は、内筒11の周方向に等角度(90°毎)に4本設けられている。また、ガイド溝15は、
内筒11の軸方向に平行に延在しており、その位置は、内筒11の軸方向中央部付近が好ましい。
また、図2(b)に示すように、ガイド溝15の長さlgとしては、当該内筒11の軸方向の長さlの50%程度かそれ以上の長さを有していればよく、ガイド溝15の長さlgをこのように設定することにより、内筒11の膨張時に、内筒11のゴム部材を確実に複数個(ここでは、4個)の膨張域に区画することができる。
なお、ガイド溝15の本数iとしては、内筒11を膨張させたときに内筒11の内部が完全に閉鎖されて緩みがない、という条件から、i≧4であることが好ましいがこれに限るものではない。本例では、ガイド溝15の本数を、前述の条件を満たす最小の本数である4本に設定している。
図3(a)〜(c)に示すように、外筒12は、低アンモニア天然ラテックスゴムから成る2つの円筒状のゴム部材12a,12bの間に、軸方向に延長する高弾性繊維12kを周方向に多数本埋設して成る繊維層を設けたもので、外筒12の軸方向両端部は、それぞれ、上流側及び下流側フランジ13A,13Bの外周側に、外側固定リング16を介して固定される。高弾性繊維12kとしては、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などが好適に用いられる。
上流側フランジ13Aは、図1に示すように、空気流入孔13Hと複数の貫通孔13hとを備え、流体の流入側に配置される。下流側フランジ13Bは、複数の貫通孔13hを備え、流体の排出側に配置される。
内筒11の外周側と外筒12の内周側と、上流側フランジ13A及び下流側フランジ13Bにより、加圧用媒体である圧搾空気を供給するための加圧用通路としての空気室17が形成される。また、内筒11の内周側と上流側フランジ13A及び下流側フランジ13Bにより、液体や固液混合物などの流体を搬送するための流路18が形成される。なお、この流路18を、以下「ユニット内部」という場合がある。
空気流入孔13Hは、図示しない圧搾空気給排手段から送られてきた圧搾空気を空気室17に導入するための孔で、貫通孔13hはポンプユニット10を軸方向に複数接続したときに、当該ポンプユニット10の後段に接続されるポンプユニットへ圧搾空気を送るための図示しないエア・チューブを通すための孔である。
なお、符号13pは上流側フランジ13Aの流入側に設けられた係合凹部であり、符号13qは下流側フランジ13Bの排出側に設けられた係合凸部である。ポンプユニット10を複数連結する際には、上流側のポンプユニットの係合凸部13qと下流側のポンプユニットの係合凹部13pとを係合する。これにより、複数のポンプユニット10を内筒11及び外筒12の軸方向に連結することができる。
次に、上記構成からなる内筒11と外筒12の膨張時の動作について説明する。
空気室17に圧搾空気を導入すると、図4(a)示すように、内筒11の空気室17側の面(外周面)には、面に垂直な方向に空気圧Pが作用して、内筒11は膨張する。
このとき、内筒11の円筒面から鋭角に突き出たガイド溝15を構成する壁面には、垂直な方向の空気圧が作用するので、ガイド溝15は、溝が潰れる方向(壁面同士が近づく方向)に変形し、その結果、図4(b)示すように、内筒11にはガイド溝15の溝底を起点に折り目が発生する。そして、空気室17内の圧力を更に上昇させると、内筒11は、この折り目によって複数個の膨張域に区画されて膨張するような膨張変形を起こす。
一方、外筒12は、高弾性繊維12kにより軸方向に対しては非伸長性であるので、径方向に膨張しながら軸方向に収縮する。
すなわち、図5(a)に示すように、外筒12はポンプユニット10の径方向外側へ膨張し、内筒11はガイド溝15により分割された複数の膨張域111〜114が径方向内側に均等に膨張するとともに、図5(b)に示すように、ポンプユニット10は軸方向へ収縮する。
ガイド溝15が設けられた内筒11は、図5(b)に示すように、最大膨張時においては、膨張域111〜114が流路となるユニット内部をほぼ全閉状態とすることができる。
また、ポンプユニット10全体は軸方向に収縮するため、流体を効率よくポンプニット10の一方の端部側から他方の端部側に搬送することができる。
このように、本実施の形態1では、外筒12と、外筒12の内周側に設けられた内筒11と、内筒11の軸方向両端部と外筒12の軸方向両端部とを固定する固定部材である上流側及び下流側フランジ13A,13Bと備えたポンプユニット10において、内筒11をゴム部材で構成するとともに、内筒11を形成するゴム部材を内筒11の径方向外側に突出させることで内筒11の軸方向に沿って延長するゴム異形部としてのガイド溝15を内筒11の周方向に間隔を隔てて複数本形成して、加圧用媒体である圧搾空気の圧力により内筒11に折れ目を誘発し、内筒11を複数の膨張域111〜114に区画するようにしたので、カーボンロービング繊維などのゴムとは異なる材質の拘束体を用いることなく、内筒11の変形を確実に拘束し、ユニット内部を確実に閉口させることができる。
また、内筒11をゴムのみで製造できるので、製造が容易となり、製造時のバラツキを小さくでき、更には、拘束体を用いていないので、内筒の耐久性を向上させることができる。また、閉口率や体積排除率も向上するので、流体の搬送効率が向上する。
したがって、このような内筒11を備えたポンプユニット10を複数個連結することで、搬送効率の高い蠕動運動型ポンプを構築することができる。
なお、実施の形態1では、ゴム部材中に軸方向に延長する高弾性繊維12kを周方向に多数本埋設した繊維層を設けた外筒12を有するポンプユニット10について説明したが、本願発明はこれに限るものではなく、金属または硬質合成樹脂などから成る外筒を有するポンプユニットのように、外形寸法が固定された形態のポンプユニットにも適用可能である。また、上述の例では、ガイド溝15を内筒11の周方向に等角度に4本設けたが、3本もしくは5本以上であってもよい。また、前記例では、ガイド溝15を、軸方向に1本ずつ設けたが、図6(a)に示すように、ガイド溝15を、軸方向に間隔をおいて複数本設けてもよい。
また、加圧用媒体の圧力により内筒11に折れ目を誘発するゴム異形部の形態としては、のガイド溝15に限るものではなく、図6(b)に示すような、内筒11の外周側から当該内筒11の径方向外側に突出する突起19kを有する肉厚部19であってもよい。突起19kも、内筒11の軸方向に沿って平行に延在し、その位置は、内筒11の軸方向中央部付近が好ましい。このような、肉厚部19を有する内筒11内に圧搾空気を導入すると、圧搾空気は突起19kから周囲の円筒部方向に流れて肉厚部19の周りの円周部を膨張させようとする、その結果、ガイド溝15を設けた場合と同様に、内筒11に肉厚部19を起点とした折り目を発生させることができる。
実施の形態2.
図7(a)は実施の形態2に係る内筒11Lの構成を示す図である。
内筒11Lは、流体の流入側に位置する上流側内筒部11Aと、排出側に位置する下流側内筒部11Bと、上流側内筒部11Aと下流側内筒部11Bとの間に配置される中間内筒部11Cとの3つの部分から成り、各内筒部11A〜11Cは、それぞれ、軸方向と平行な方向に延長し、周方向に等間隔に形成される複数本のガイド溝15A〜15Cを備える。
本例では、上流側内筒部11Aのガイド溝15Aの本数を4本、中間内筒部11Cのガイド溝15Cの本数を6本、下流側内筒部11Bのガイド溝15Bの本数を8本とした。
このように、ガイド溝15の本数を流入側から排出側に行くに従って増加させる構成とすれば、内筒11Lの膨張時には、図7(b)に示すように、ユニット内部は、上流側内筒部11Aから下流側内筒部11Bに向かって順に閉口していくので、流体は上流側から下流側に押し出されるようにして搬送される。したがって、流体を更に効率よく搬送することができる。
なお、内筒11Lを、2つの部分、もしくは、4つ以上の部分に分けてもよい。この場合にも、ガイド溝15の本数を流体の流入側から排出側に行くにしたがって増加させるようにすれば、同様の効果を得ることができる。また、各内筒部11A〜11Cにおけるガイド溝15A〜15Cの本数は、4本、6本、8本に限定されるものではなく、搬送される流体の種類や内筒11Lの大きさ等により適宜決定される。
また、ガイド溝15A〜15Cに代えて、図6(b)に示すような異形部としての肉厚部19を設けても同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図8(a)〜(c)は実施の形態3に係る内筒11Pの構成を示す図で、図8(b)は(a)図のA−A断面図、(c)図は(a)図のB−B断面図ある。
内筒11Pは、流体の流入側に位置する上流側内筒部11Dと、排出側に位置する下流側内筒部11Eの2つの部分から成り、各内筒部11D,11Eは、それぞれ、軸方向に平行な方向に延長し、周方向に等間隔に形成される複数本のガイド溝15D,15Eを備える。
本例では、上流側内筒部11D及び下流側内筒部11Eがそれぞれ有するガイド溝15D,15Eの本数を共に4本に設定し、内筒11Pの軸方向から見たときのガイド溝15Dの周方向の位置と、ガイド溝15Eの周方向の位置とを45°ずらしている。具体的には、図8(b),(c)において、内筒11Pの中心Oを通り、各図の右側に延長する軸をx軸としたときに、ガイド溝15Dは、x軸から反時計回りに0°,90°,180°,270°の位置に形成され、ガイド溝15Eはx軸から反時計回りに45°,135°,225°,315°の位置に形成されている。
上流側内筒部11Dのガイド溝15Dと下流側内筒部11Eのガイド溝15Eとの関係を上記のように設定することにより、図8(d)に示すように、内筒11Pの膨張時には、上流側内筒部11Dのゴム部材と下流側内筒部11Eゴム部材とが、45°の位相を持って膨張するので、内筒11P内に流入した流体は内筒11Pによって絞り出されるようにして搬送される。したがって、例えば、内筒11Pを備えたポンプユニットを鉛直に立てて、流入側を下側、排出側を上側にすれば、固形分Gは上側に搬送され、水分は下方に排出されるので、固形分のみを効率よく搬送することができる。
なお、内筒11Pに代えて、図9(a)の斜視図及び図9(b)の展開図に示すような、周方向に循環配置された偶数本のガイド溝151〜156を備えた内筒11Qを用いても同様の効果を得ることができる。
図9に示す内筒11Qにおいては、互いに隣接するガイド溝151とガイド溝152、ガイド溝152とガイド溝153、……、ガイド溝156とガイド溝151とが流入側から排出側に行くにしたがって互いに逆方向に傾くように形成されている。換言すれば、内筒11Qの軸方向からみたときに、任意のガイド溝15jの排出側の端部が流入側の端部に対して時計回りに所定角移動しているときには、隣接するガイド溝15(j+1)の排出側の端部とガイド溝15(j−1)の排出側の端部が流入側の端部に対して反時計回りに移動している(j=1〜6)。なお、ガイド溝151〜156は循環配置されているので、ガイド溝157はガイド溝151であり、ガイド溝150はガイド溝156である。
具体的には、流入側では、ガイド溝15jの端部に隣接するガイド溝のうちの一方の側のガイド溝であるガイド溝15(j+1)の端部とは一致しているが、排出側では、ガイド溝15jの端部はガイド溝15jに隣接するガイド溝のうちの他方の側のガイド溝であるガイド溝15(j−1)の端部と一致するように形成される。
このような構成の内筒11Qは、内筒11Pと同様に、上流側のゴム部材と下流側のゴム部材とが45°の位相を持って膨張するので、内筒11P内に流入した流体を絞り出すようにして搬送することができる。
なお、ガイド溝15D,15E、151〜156に代えて、図6(b)に示すような肉厚部19を設けても同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図10(a)は実施の形態4に係る内筒21を備えたポンプユニット10Zの構成を示す図で、ポンプユニット10Zは、内筒21と、外筒12と、上流側及び下流側フランジ13A,13Bとを備える。外筒12と、上流側及び下流側フランジ13A,13Bについては、前記実施の形態1と同じものであるので、その説明を省略する。
図10(b),(c)に示すように、内筒21は、周方向に間隔を隔てて、当該内筒21の軸方向に沿って延長する複数のガイド溝22と、複数の山形状の内側突出部23とを備える。山形状の内側突出部23は、周方向に等角度に形成された4本のガイド溝22のうちの互いに隣接するガイド溝22の中間にそれぞれ設けられる。
ガイド溝22は、前記実施の形態1のガイド溝15と同一構成である。
内側突出部23は、内筒21の内壁側に設けられているので、空気室17内に圧搾空気を導入すると、内側突出部23がある部分に対しても面に垂直な方向の圧力が作用し、内筒21の膨張時には、内側突出部23自身が閉鎖されていない空間を埋めるので、閉口率と体積排除率とをほぼ100%にすることができる。
図11(a),(b)は、内筒21を備えたポンプユニット10Zと、従来の内筒51を備えたポンプユニット50との膨張状態を示す図で、上段の図が圧搾空気を導入していない状態である「通常時」、中段の図が圧力が約0.02[MPa]である「低圧時」、下段の図が圧力が約0.03[MPa]である「加圧時」の膨張状態である。
同図から分かるように、内側突出部23自身が内筒21で閉鎖されていない空間を埋めるので、閉口率と体積排除率とをほぼ100%にすることができる。
なお、内側突出部の形状としては、山形状の内側突出部に限るものではなく、図12に示すような、円錐台状の内側突出部23rであってもよい。
また、円柱状の内側突出部23rに代えて、半球状の内側突出部を設けてもよい。
円柱状の内側突出部23rや半球状の内側突出部は、必ずしも内筒21の周方向に延長している必要はなく、周方向中心部にある程度の大きさを有していればよい。なお、このような周方向の長さが短い内側突出部23rは、周方向に複数個設けることが好ましい。
また、円柱状の内側突出部23rや半球状の内側突出部の個数としては、内筒の軸方向に1個であってもよいが、内筒11の軸方向の長さが長い場合には、円柱状の内側突出部23rを軸方向に間隔を隔てて複数個設けることが好ましい。
図13は、上記のような内筒21を有するポンプユニット10Zを複数個直列に連結して成るポンプ1Zを動作させるために用いられる圧搾空気給排手段30の一構成を示す図である。本例では、排気系を備えた圧搾空気給排手段30を用い、空気室17内の空気を強制的に排気する構成とすることで、特に搬送対象となる流体の粘度が高い高粘度流体搬送時における内筒21の戻り(復元)を速くして、搬送効率を向上させることが可能な形態について説明する。流体によっては排気系を使用しない場合もあることはもちろんである。
なお、ここでは、ポンプユニット10Zが6個の場合について説明する。前記6個のポンプユニットを、以下、第1〜第6ユニット101〜106という。
圧搾空気給排手段30は、圧搾空気を供給するコンプレッサー31と、比例電磁弁321〜326と、エアポンプ33と、エアタンク34と、エアレギュレータ35と、3ポート電磁弁361〜366と、比例電磁弁321〜326及び3ポート電磁弁361〜366を制御する制御手段37と、エアチューブ371〜376とを備える。
圧搾空気給排手段30は、制御手段37に予め記憶された電磁弁制御プログラムに基づいて、比例電磁弁321〜326及び3ポート電磁弁361〜366を制御する制御信号を比例電磁弁321〜326及び3ポート電磁弁361〜366に出力し、第1〜第6ユニット101〜106の膨張・収縮を制御する。
3ポート電磁弁361〜366は、エアチューブ371〜376と比例電磁弁321〜326と、エアレギュレータ35とに接続されて、比例電磁弁321〜326とエアチューブ371〜376との通路を開閉するとともに、エアレギュレータ35とエアチューブ371〜376との通路を開閉する。
比例電磁弁321〜326は、開放時には、コンプレッサー31から排出される一定圧力の圧搾空気の空気圧を、制御信号に応じた圧力に調整して第1〜第6ユニット101〜106の空気室17に供給する。
エアレギュレータ35とエアチューブ371〜376との通路が開放されると、空気室17内に導入された圧搾空気は、エアポンプ33により強制的に吸引され、その結果、空気室17内の圧力は、外気圧より低く設定されたエアレギュレータ35の設定圧力にまで減少する。エアレギュレータ35の設定圧力は、第1〜第6ユニット101〜106内(流路内)に発生する負圧に応じて設定される。
このように、比例電磁弁321〜326の閉鎖時には、空気室17内の空気をエアポンプ33により強制的に吸引する構成とすれば、高粘度流体の粘性により、膨張状態にある内筒21の初期状態(圧搾空気導入前の状態)への復元が阻害されるような場合であっても、内筒21を速やかに初期状態に戻すことができる。
なお、本例では、エアチューブ371〜376により、第1〜第6ユニット101〜106とコンプレッサー31とエアポンプ33との間を、3ポート電磁弁361〜366を介して、それぞれ連結することにより、第1〜第6ユニット101〜106の空気室17への圧搾空気の供給と空気室17内からの圧搾空気の排気とを独立に制御している。
図24は、圧搾空気給排手段30を備えたポンプ1Zに導入される流体の粘性(Viscosity)と体積効率(Volumetric efficiency)との関係を示す実験結果である。同図のグラフは、粘性の異なる3種類の流体ごとの体積効率をそれぞれ数値化したものである。また、体積効率とは、理論的に吐出できる流量を100%とした時の、実際に吐出された流量の割合を示すものである。なお、理論的な流量は、ポンプの直径や長さ等の形状要素、及びポンプの動作パターンや動作間隔等により定められる。
同図に示すように、圧搾空気給排手段30による強制吸引が実行されない場合には、流体の粘性が増加するごとに体積効率が次第に低下していくことが分かる。
一方で、圧搾空気給排手段30による強制吸引が実行される場合には、流体の粘性に関わらず3種の流体の流量が略同じ値で収束していることから、ポンプ1Zが有する管内体積を十分に活用できていることが分かる。つまり、強制吸引を実行するポンプ1Zによれば、流体の粘性に依存することなく、流体を安定して搬送することが可能となる。
次に、ポンプ1Zの動作について説明する。
まず、図14(a)に示すように、第1〜第6ユニット101〜106の連結方向が鉛直方向になるようにポンプ1Zセットするとともに、最下段のポンプユニットである第1ユニット101を図13に示した水槽38内に収納された液体39内に設置して、第1ユニット101内へ液体を導入する。なお、初期状態では、3ポート電磁弁361はコンプレッサー31側が開放され、かつ、比例電磁弁321〜326は閉状態にあるので、第1〜第6ユニット101〜106の内筒11はいずれも収縮した状態にある。
次に、図14(b)に示すように、比例電磁弁321を開放して第1ユニット101の空気室17内に圧搾空気を送り、第1ユニット101のみを膨張させて、第1ユニット101内の流体を第2ユニット102内に押し出す。
次に、図14(c)に示すように、第1ユニット101の内筒11を膨張させたまま、エアチューブ372が連結されている比例電磁弁322を開放して第2ユニット102の空気室17に圧搾空気を送り、第2ユニット102を膨張させて、第2ユニット102内の流体を第3ユニット103内に押し出す。
次に、図14(d)に示すように、第2ユニット101を膨張させたまま、エアチューブ373が連結されている比例電磁弁323を開放して第3ユニット103の空気室17内に圧搾空気を送り、第3ユニット103を膨張させて、第3ユニット103内の流体を第4ユニット104内に押し出す。このとき、エアチューブ371が連結されている比例電磁弁321を閉鎖するとともに、3ポート電磁弁361をエアポンプ33側に切換える。これにより、第1ユニット101の空気室17内の圧搾空気はエアポンプ33により強制的に吸引され、エアレギュレータ35の設定圧力にまで減少するので、内筒11及び外筒12は、容易に収縮する。したがって、第1ユニット101内に新たな液体(高粘度流体)39を速やかに導入することができる。
なお、内筒11及び外筒12の収縮後には、3ポート電磁弁361を再びコンプレッサー31側に切換えておくことが好ましい。
次に、図14(e)に示すように、第3ユニット103を膨張させたまま、第4ユニット104を膨張させて、第4ユニット104の内の流体を第5ユニット105内に押し出すとともに、第2ユニット102を収縮させる。なお、当該第2ユニット102収縮時にも第2ユニット102の空気室17内の圧搾空気を強制的に吸引する。以下、同様に各ユニットの収縮時には、エアポンプ33、エアタンク34及びエアレギュレータ35による強制吸気が実行される。
次に、図14(f)に示すように、第4ユニット104を膨張させたまま、第5ユニット105を膨張させて、第5ユニット105内の流体を第6ユニット106内に押し出すとともに、第3ユニット103を収縮させる。
次に、図14(g)に示すように、第5ユニット105を膨張させたまま、第6ユニット106を膨張させて、第6ユニット106内の流体をポンプ1Zの外部へ押し出すとともに、第4ユニット104を収縮させる。
次に、図14(h)に示すように、第6ユニット106を膨張させたまま、第1ユニット101を膨張させて、第1ユニット101内の流体を第2ユニット102内に押し出すとともに、第5ユニット105を収縮させる。
図14(h)の状態は、第6ユニット106が膨張している以外は、前記の図14(b)の状態と同じである。したがって、次には、図14(c)に示すように、第6ユニット106を収縮させるとともに、第1ユニット101を膨張させたまま第2ユニット102を膨張させて、第2ユニット102内の流体を第3ユニット103内へ押し出す。
以下、図14(c)〜図14(h)の動作を繰り返すことにより、第1ユニット101内へ注入された流体を第6ユニット106からポンプ1Zの外部へ排出することができる。
[実験例]
以下に示すような寸法仕様の内筒を備えたポンプユニットを試作し、その性能について、図20(c)に示した従来の内筒を備えたポンプユニットと比較した。
本発明にかかる内筒の仕様
長さ[mm] ;90
内直径[mm] ;60
厚さ[mm] ;60
ガイド溝〜4本
(深度[mm]×角度[°]×長さ[mm]);1.5×90×65
内側突出部 〜4つ
(高さ[mm]×角度[°]×長さ[mm]);3×56×20
なお、従来の内筒の拘束体の本数は、本発明にかかる内筒に形成されたガイド溝の本数と同じ4本とした。
評価パラメータは、(1)閉口率、(2)体積排除率、(3)時間応答、の3つとした。なお、閉口率RL[%]と 体積排除率RE[%]については、前述した通りである(図22,23参照)。
図15(a)は内筒と外筒間に導入した圧搾空気の圧力[MPa]と閉口率RL[%]との関係を示す図で、図15(b)は圧力[MPa]と体積排除率RE[%]との関係を示す図である。各図において、◆が本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットのデータ、△が従来の内筒を備えたポンプユニットのデータである。
図15(a)に示すように、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットにおいては、閉口率RLは、印加圧力が約0.01[MPa]という非常に低い圧力から収束を始め、0.02[MPa]でほぼ100%が得られた。これにより、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットでは、印加圧力を0.01[MPa]以上にすれば、ユニットの弁として十分な性能を発揮できることが分かった。
また、図15(b)に示すように、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットの体積排除率REと従来の内筒を備えたポンプユニットの体積排除率REは、ともに、印加圧力が約0.03[MPa]付近から収束し始め約0.04[MPa]でほぼ100%に近い値が得られた。
なお、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットでは、低圧段階での閉口率RLが向上したため、体積排除率REも向上している。つまり、当該内筒を備えたポンプユニットでは、従来の内筒を備えたポンプユニットに比較して低圧下においてより多くの流体を搬送可能なことが分かった。
図16(a)は立ち上がり時間[sec.]と閉口率RL[%]との関係を示す図で、図16(b)は立ち下がり時間[sec.]と閉口率RL[%]との関係を示す図である。各図において、実線が本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットのデータ、一点鎖線が従来の内筒を備えたポンプユニットのデータである。
立ち上がり応答は従来の内筒を備えたポンプユニットの方がわずかに応答が速い。しかしながら、図17に示すように、従来の内筒を備えたポンプユニットでは閉口率RLが99.6[%]であるのに対し、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットでは、完全な閉口率100[%]を発揮していることがわかる。
この差は小さいように見えるが、ポンプユニットと連結して得られる螺旋運動型ポンプでは、管内に負圧が発生する動作をするため、僅かな隙間であっても逆流による搬送流量の損失につながるので、閉口率が100[%]であることは重要である。
一方、図16(b)に示すように、立ち下がり応答は、本発明にかかる内筒を備えたポンプユニットの方が緩やかである。
実施の形態5.
図18に示すように、円筒状の突起などから成る内側突出部42kをガイド溝41とガイド溝41との間に複数個設けた内筒40を備えたポンプユニットを用いれば、濾過機能を有するポンプユニットを得ることができる。なお、本実施の形態5の内筒40を備えたポンプユニットの構造は、図10で示したポンプユニット10Zとは内筒の構成が異なるだけなので、図を省略した。また、ガイド溝41は、図10に記載のポンプユニット10Zのガイド溝22と同一である。
すなわち、図19(a)に示すように、内筒40の膨張時には、ガイド溝41により区画された膨張領域のうち、互いに隣接する膨張領域の内側突出部42k同士が当接して膨張領域の間に網目状の隙間が形成される。
よって、搬送される流体が固液混合物等である場合には、網目状の隙間の大きさよりも大きな固体は隙間を通過できず、液体と網目状の隙間の大きさよりも小さな固体のみがポンプユニットから排出されるので、ポンプユニットに流入した固液混合物を濾過することができる。
また、図19(b),(c)に示すように、内側突出部42kの大きさや個数を変更すれば網目の大きさを調整できるので、濾過する固体の大きさを選別することができる。つまり、内側突出部42kの大きさや個数を変更することにより流体の搬送状態を自在に制御することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
10 ポンプユニット、11 内筒、12 外筒、13A,13B フランジ、
12a,12b 円筒状のゴム部材、12k 高弾性繊維、13H 空気流入孔、
13h 貫通孔、13k 凹部、13p 係合凹部、13q 係合凸部、
14 内側固定リング、15 ガイド溝、16 外側固定リング、17 空気室、
18 流路。

Claims (7)

  1. 外筒と、
    前記外筒の内周側に設けられたゴム部材から成る内筒と、
    前記内筒の軸方向両端部と前記外筒の軸方向両端部とを固定する固定部材と、
    前記内筒と前記外筒との間に加圧用媒体を供給する加圧用通路とを備え、
    前記加圧用媒体にて前記内筒を膨張させて流体を搬送するポンプユニットであって、
    前記内筒には、周面に沿って内筒の軸線方向の一方の側から他方の側に延長し、導入された前記加圧用媒体の圧力により前記内筒に折れ目を誘発するゴム異形部が、内筒の周方向に複数設けられていることを特徴とするポンプユニット。
  2. 前記ゴム異形部が、前記内筒を形成するゴムが前記内筒の径方向外側に突出することで当該内筒の内側に形成されるガイド溝、または、前記内筒の外周側から当該内筒の径方向外側に突出する突起を有する肉厚部であることを特徴とする請求項1に記載のポンプユニット。
  3. 前記内筒の内周側に、当該内筒の径方向内側に突出する内側突出部が複数形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポンプユニット。
  4. 前記外筒が、ゴム部材と、当該ゴム部材内に埋設されて前記外筒の周方向に延長する高弾性繊維とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポンプユニット。
  5. 前記ゴム異形部の数が、流体の流入側から排出側に行くにしたがって増加していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポンプユニット。
  6. 前記ゴム異形部が、前記流体の流入側と排出側とにそれぞれ4本ずつ設けられ、当該内筒の軸方向から見たときの前記流入側のゴム異形部の周方向の位置と前記排出側のゴム異形部の周方向の位置とが45°ずれていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポンプユニット。
  7. 前記ゴム異形部の本数が偶数本で、互いに隣接するゴム異形部が流体の流入側から排出側に行くにしたがって互いに逆方向に傾くように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポンプユニット。
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