JP2013173156A - ハンダペーストの製造方法及びこの方法で製造されたハンダペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長を抑制することにより、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させ、これによりハンダペーストの保存安定性を向上とともに、ハンダ溶融性を良好に保つ。
【解決手段】本発明のハンダペースト10は、溶剤、ロジン及びチキソ剤を含有する第1フラックス11とハンダ粉末13とを混合して混合物14を調製し、この混合物14に第2フラックス12を更に混合することにより製造される。上記第2フラックス12は、有機酸系、アミン、有機ハロゲン化合物及びイオン性ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有する活性剤と、溶剤と、ロジンとを含有し、第1フラックス11が上記活性剤を含有しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に電子部品を実装するときに用いられるハンダバンプを基板に形成するためのハンダペーストの製造方法と、この方法で製造されたハンダペーストに関するものである。
電子部品の接合に用いられるハンダは環境の面から鉛フリー化が進められ、現在では、錫を主成分としたハンダ粉末が採用されている。このハンダ粉末を用いたハンダペーストは、図4(a)に示すように、溶剤、ロジン及び活性剤を含有するフラックス2と、ハンダ粉末3とを混合することにより調製される。このように調製されたハンダペースト1を用いてハンダバンプを基板に形成するには、図5に示すように、先ず基板4上にマスク5を施し、次にハンダペースト1を基板4表面のCuパッド6上に塗布し、更に基板4からマスク5を取除いた後に、この基板4をリフロー炉に入れて加熱する。この加熱により、フラックス2中の活性剤がハンダ粉末3表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応して金属塩が生成され、この金属塩が溶剤中に溶けることによって、ハンダ粉末表面の金属酸化物が除去され、ハンダ粉末表面にSnなどの金属が露出する。この結果、ハンダ粉末の金属が溶けてこれらの金属同士が結合することにより、ハンダバンプ7が形成される。
しかし、上記ハンダペーストを使用せずに長期間保存すると、加熱しなくても、図4(b)に示すように、フラックス2中の活性剤がハンダ粉末3表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応して金属塩8が成長し、ハンダペースト1の粘度が高くなってしまい、ハンダペースト1の保存安定性が低下する問題点があった。
この点を解消するために、ハンダ粉末とフラックスとからなり、ハンダ粉末がシランカップリング剤でコーティングされたクリームハンダが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このクリームハンダを調製するには、先ず無機材料であるハンダ粉末とシランカップリング剤とを化学結合させて、ハンダ粉末表面にシランカップリング剤のコーティング皮膜を形成し、次にこれを有機材料のフラックスと混合する。このときシランカップリング剤膜とフラックスとは親和性が良いため、ハンダ粉末とフラックスとを馴染み良く混合できる。またシランカップリング剤がクリームハンダの保管中における活性剤の化学反応(錯体化)を抑えるので、活性剤の初期状態を維持でき、ハンダ付け性が低下しないようになっている。
特開平6−126481号公報(請求項1、段落[0007]、[0018])
しかし、上記従来の特許文献1に示されたクリームハンダでは、シランカップリング剤によりクリームハンダの保存安定性は向上するけれども、シランカップリング剤がハンダ粉末の粒子表面に強固に結合してしまうため、クリームハンダをリフロー炉で加熱すると、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れて、ハンダ溶融性が低下する問題点があった。
本発明の目的は、ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長を抑制することにより、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させることができ、これによりハンダペーストの保存安定性を向上できるとともに、ハンダ溶融性を良好に保つことができる、ハンダペーストの製造方法及びこの方法で製造されたハンダペーストを提供することにある。
本発明の第1の観点は、溶剤、ロジン及びチキソ剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する工程と、この混合物に第2フラックスを更に混合する工程とを含むハンダペーストの製造方法であって、第2フラックスが、有機酸系、アミン、有機ハロゲン化合物及びイオン性ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有する活性剤と、溶剤と、ロジンとを含有し、第1フラックスが上記活性剤を含有しないことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、溶剤、ロジン、チキソ剤及び第1活性剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する工程と、この混合物に第2フラックスを更に混合する工程とを含むハンダペーストの製造方法であって、第2フラックスが、溶剤と、ロジンと、第1活性剤よりハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤とを含有することを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に第1活性剤が有機酸系、アミン及び有機ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有し、第2活性剤が第1活性剤にイオン性ハロゲン化合物を添加して構成されたことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に第1フラックス中の溶剤及びロジンが第2フラックス中の溶剤及びロジンと同一割合で混合され、第2活性剤が第1活性剤と同一成分を含有しかつ第2活性剤の各成分が第1活性剤の各成分と同一割合で混合され、第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nが5以上であることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1ないし第4の観点のいずれかに記載の方法で製造されたハンダペーストである。
本発明の第1の観点のハンダペーストの製造方法では、活性剤を含有しない第1フラックスをハンダ粉末に混合した後に、この混合物に活性剤を含有する第2フラックスを混合するので、ハンダ粉末は、低活性の第1フラックスで十分に被覆された状態で、更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆される。この結果、ハンダ粉末が高活性の第2フラックスに接触しないので、ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長が抑制される。従って、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させることができるので、ハンダペーストの保存安定性を向上できる。またシランカップリング剤がハンダ粉末の粒子表面に強固に結合してしまうため、クリームハンダをリフロー炉で加熱すると、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れて、ハンダ溶融性が低下する問題点があった従来のクリームハンダと比較して、本発明では、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れず、ハンダ溶融性を良好に保つことができる。
本発明の第2の観点のハンダペーストの製造方法では、ハンダ表面の酸化皮膜への活性の低い第1活性剤を含有する第1フラックスをハンダ粉末に混合した後に、この混合物にハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤を含有する第2フラックスを混合するので、ハンダ粉末は、低活性の第1フラックスで十分に被覆された状態で、更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆される。この結果、ハンダ粉末が高活性の第2フラックスに接触しないので、ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長が抑制される。従って、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させることができるので、ハンダペーストの保存安定性を向上できる。また上記と同様に、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れず、ハンダ溶融性を良好に保つことができる。
本発明の第5の観点のハンダペーストでは、ハンダ粉末が、低活性の第1フラックスで十分に被覆された状態で、更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆されるので、ハンダ粉末が高活性の第2フラックスに接触せず、ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長が抑制される。この結果、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させることができるので、ハンダペーストの保存安定性を向上できる。また上記と同様に、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れず、ハンダ溶融性を良好に保つことができる。
(a)は本発明第1実施形態の製造途中のハンダペーストのイメージ断面図であり、(b)は本発明第1実施形態の製造後であって比較的長期間保管した後のハンダペーストのイメージ断面図である。 実施例1〜4及び比較例1〜3のハンダペーストを銅板上に塗布した後にリフロー炉で加熱することにより銅板上にハンダバンプを形成する手順を示す断面構成図である。 実施例1〜4及び比較例1〜3のハンダペーストをリフローして得られたハンダバンプの溶融性を評価する部位を示す銅板上のハンダバンプの平面図である。 (a)は従来の製造直後のハンダペーストのイメージ断面図であり、(b)は従来の比較的長期間保管した後のハンダペーストのイメージ断面図である。 そのハンダペーストをガラスエポキシ基板に塗ってCuパッド上にハンダバンプを形成する手順を示す断面構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1(b)に示すように、ハンダペースト10は、ハンダ粉末13と、ハンダ粉末13を被覆する第1フラックス11と、第1フラックス11で被覆されたハンダ粉末13を更にその外側から被覆する第2フラックス12とを備える。ハンダ粉末13は、Sn、Ag、Cu、Bi、Sb、Ni、In等の金属により構成される。ハンダ粉末13の組成としては、例えば、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Bi、Sn−In等が挙げられる。またハンダ粉末13の平均粒径は、0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3.5μmである。なお、本明細書において、ハンダ粉末13の平均粒径とは、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950)にて測定した体積累積中位径(Median径、D50)をいう。
第1フラックス11は溶剤及びロジンを含有する。第2フラックス12は溶剤、ロジン及び活性剤を含有する。活性剤は、有機酸系(有機酸、有機酸塩)、アミン、有機ハロゲン化合物及びイオン性ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有する。溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、α−テルピネオール等が挙げられる。またロジンとしては、ガムロジン、水添ロジン、重合ロジン、エステルロジン等が挙げられる。
一方、有機酸系の有機酸としては、カルボキシル基を含む有機化合物が挙げられる。ここで、有機酸の具体例としては、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、サリチル酸、没食子酸、安息香酸、フタル酸、ケイ(桂)皮酸、メリト酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また有機酸系のうち有機酸塩の具体例としては、蟻酸アンモニウム、メチルアミン乳酸塩等が挙げられる。
またアミンの具体例としては、トリエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エタノールアミン、ブチルアミン、アミノプロパノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、エチルヘキシルアミン、エトキシプロピルアミン、エチルヘキシルオキシプロピルアミン、ビスプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン等が挙げられる。
また、有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコール、ハロゲン化エステル、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化ケトン、ハロゲン化アミド、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。ここで、ハロゲン化アルキルの具体例としては、1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペン、1,1−ジブロモテトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモプロピル)−3,5−ジブロモフェルニ]プロパン、α,β−ジブロモエチルベンゼン等が挙げられる。またハロゲン化アルコールの具体例としては、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1−ブロモ−2−ブタノール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、2,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4ジオール、9,10,12,13,15,16−へキサブロモステアリルアルコール、9,10,12,13−テトラブロモステアリルアルコール等が挙げられる。
またハロゲン化エステルの具体例としては、ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン酸エチル、α−ブロモ−酢酸エチル、9,10,12,13,15,16−へキサブロモステアリン酸メチルエステル、同エチルエステル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸、同メチルエステル、同エチルエステル等が挙げられる。またハロゲン化アミドの具体例としては、ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタルアミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリトアミド、テトラ(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリトアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)タータミド、N,N‘−ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド等が挙げられる。
またハロゲン化カルボン酸の具体例としては、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジピン酸、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸、ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシネート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタルアミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリテート、4−ブロモメチルベンジルステアレート、2,4−ビスブロモメチルべンジルステアレート、テトラ(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリテート等が挙げられる。またハロゲン化エーテルの具体例としては、トリメチロールプロパンビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシべンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド等が挙げられる。ハロゲン化ケトンの具体例としては、2,4−ジブロモアセトフェノン等が挙げられる。
更にイオン性ハロゲン化合物としては、アミンハロゲン化水素酸塩が挙げられる。ここで、アミンハロゲン化水素酸塩の具体例としては、アニリン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、プロペンジオール塩酸塩、3−アミノ−1−プロペン塩酸塩、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等が挙げられる。上記活性剤はロジン及び溶剤より高活性であるため、ロジン及び溶剤を含有するけれども活性剤を含有しない第1フラックスは、ロジン、溶剤及び活性剤を含有する第2フラックスより低活性になる。なお、第1フラックス11又は第2フラックス12のいずれか一方又は双方には、硬化ひまし油、マイド樹脂、ワックス等の粘度調整成分を添加してもよい。この粘度調整成分を添加するのは、チキソトロピー(撹拌すると粘度が低下し、静止すると粘度が上昇する性質)をハンダペースト10に持たせるためである。
このように構成されたハンダペースト10の製造方法を説明する。先ず溶剤及びロジンを含有するけれども活性剤を含有しない第1フラックス11とハンダ粉末13とを混合して混合物14を調製する(図1(a))。これによりハンダ粉末13が低活性の第1フラックス11により被覆される。次に溶剤、ロジン及び活性剤を含有する高活性の第2フラックス12を上記混合物14に更に混合する(図1(b))。これにより低活性の第1フラックス11で十分に被覆されたハンダ粉末13が更にその外側から高活性の第2フラックス12により被覆される。
このように製造されたハンダペースト10では、ハンダ粉末13が、低活性の第1フラックス11で十分に被覆された状態で、更にその外側から高活性の第2フラックス12により被覆されるので、ハンダ粉末13は低活性の第1フラックス11とは接触しているけれども、高活性の第2フラックス12には接触していない。第1フラックス11は低活性であるので、ハンダ粉末13と接触していても、第1フラックス11がハンダ粉末13表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応しない。また第2フラックス12は高活性であるけれども、ハンダ粉末13と接触していないので、第2フラックス12がハンダ粉末13表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応することはない。この結果、ハンダペースト10を長期間保管しても金属塩16の成長が抑制されるので、ハンダペースト10の粘度が高くならず、ハンダペースト10の粘度を安定化させることができる。従って、ハンダペースト10の保存安定性を向上できる。また上記ハンダペースト10を銅板等の上に塗布した後に、このハンダペースト10をリフロー炉で加熱しても、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れず、ハンダ溶融性を良好に保つことができる。
<第2の実施の形態>
この実施の形態では、ハンダ粉末を被覆する第1フラックスが、溶剤、ロジン及び第1活性剤を含有し、第1フラックスで被覆されたハンダ粉末を更にその外側から被覆する第2フラックスが、溶剤と、ロジンと、第1活性剤よりハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤とを含有する。これにより第1フラックスは第2フラックスより低活性になる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたハンダペーストの第1の製造方法を説明する。先ず溶剤、ロジン及び第1活性剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する。これによりハンダ粉末が第1フラックスにより被覆される。次に溶剤、ロジン及び第2活性剤を含有する第2フラックスを上記混合物に更に混合する。これにより第1フラックスで十分に被覆されたハンダ粉末が更にその外側から第2フラックスにより被覆される。ここで、第1活性剤は有機酸系、アミン及び有機ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有し、第2活性剤は第1活性剤にイオン性ハロゲン化合物を添加して構成される。換言すれば、第1活性剤は、有機酸系、アミン及び有機ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有し、第2活性剤は、第1活性剤と同一量かつ同一割合で混合された有機酸系、アミン及び有機ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上に加えて、イオン性ハロゲン化合物を含有する。更に換言すれば、第2フラックス中の第2活性剤はイオン性ハロゲン化合物を含有するけれども、第1フラックス中の第1活性剤はイオン性ハロゲン化合物を含有しないこと以外は、同一に構成される。またイオン性ハロゲン化合物は有機酸系、アミン、有機ハロゲン化合物より高活性である。このため第1フラックスは第2フラックスより低活性であるので、低活性の第1フラックスで十分に被覆されたハンダ粉末が更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆される。
ハンダペーストの第2の製造方法を説明する。先ず溶剤、ロジン及び第1活性剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する。これによりハンダ粉末が第1フラックスにより被覆される。次に溶剤、ロジン及び第2活性剤を含有する第2フラックスを上記混合物に更に混合する。これにより第1フラックスで十分に被覆されたハンダ粉末が更にその外側から第2フラックスにより被覆される。ここで、第1フラックス中の溶剤及びロジンは第2フラックス中の溶剤及びロジンと同一割合で混合される。また第2活性剤は第1活性剤と同一成分を含有し、かつ第2活性剤の各成分は第1活性剤の各成分と同一割合で混合される。更に第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nは3以上、好ましくは5以上10以下に設定される。即ち、第1フラックス中の活性剤の濃度は第2フラックスの活性剤の濃度より低く設定される。このため第1フラックスは第2フラックスより低活性であるので、低活性の第1フラックスにより被覆されたハンダ粉末が更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆される。なお、上記nを5以上に限定したのは、5未満では、ハンダペーストを長期間保管すると、第2フラックスがハンダ粉末表面の金属酸化物と反応して金属塩が次第に成長し、ハンダペーストの粘度が高くなってしまうからである。
上記第1及び第2の方法で製造されたハンダペーストでは、ハンダ粉末が、低活性の第1フラックスにより被覆された状態で、更にその外側から高活性の第2フラックスにより被覆されるので、ハンダ粉末は低活性の第1フラックスとは接触しているけれども、高活性の第2フラックスには接触していない。このため第1フラックスは低活性であるので、ハンダ粉末と接触していても、第1フラックスがハンダ粉末表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応しない。また第2フラックスは高活性であるけれども、ハンダ粉末と接触していないので、第2フラックスがハンダ粉末表面に形成されたSnOやSnO2等の金属酸化物と反応することはない。この結果、ハンダペーストを長期間保管しても金属塩の成長が抑制されるので、ハンダペーストの粘度が高くならず、ハンダペーストの粘度を安定化させることができる。従って、ハンダペーストの保存安定性を向上できる。また上記ハンダペーストを銅板等の上に塗布した後に、このハンダペーストをリフロー炉で加熱しても、ハンダバンプ表面に黒色の溶け残ったハンダが現れず、ハンダ溶融性を良好に保つことができる。
なお、上記第2の実施の形態では、第1フラックスが高活性のイオン性ハロゲン化合物を含有せずかつ第2フラックスが高活性のイオン性ハロゲン化合物を含有することにより、或いは第1及び第2フラックス中の活性剤が同一でありかつ第1フラックス中の活性剤の濃度を第2フラックスの活性剤の濃度より低く設定することにより、第1フラックスを第2フラックスより低活性にしたが、第1フラックスを第2フラックスより低活性にすることができれば、第1フラックスが有機酸系を含有せずかつ第2フラックスが有機酸系を含有することにより、若しくは第1フラックスがアミンを含有せずかつ第2フラックスがアミンを含有することにより、又は第1及び第2フラックス中の活性剤の各成分(有機酸系、アミン、有機ハロゲン化合物及びイオン性ハロゲン化合物)の混合割合を変えることにより、或いはその他の方法で第1フラックスを第2フラックスより低活性にしてもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず組成が96.5質量%Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cuである平均粒径3μmのハンダ粉末を用意した。次に40質量部の水添ロジン(ロジン)と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を38質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第1フラックスを調製した。更に8.5質量部の水添ロジン(ロジン)と1.5質量部の活性剤を7質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第2フラックスを調製した。ここで、活性剤は、グルタル酸(有機酸系)とジフェニルグアニジン(アミン)と1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(イオン性ハロゲン化合物)とを質量比1:1:1の割合で混合して調製した。そして10質量部の第1フラックスと88質量部のハンダ粉末とを混合して混合物を調製した後に、この混合物に2質量部の第2フラックスを更に混合して、ハンダペーストを得た。このハンダペーストを実施例1とした。
<実施例2>
先ず組成が96.5質量%Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cuである平均粒径3μmのハンダ粉末を用意した。次に39質量部の水添ロジン(ロジン)と1質量部の第1活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を38質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第1フラックスを調製した。更に9.5質量部の水添ロジン(ロジン)と0.5質量部の第2活性剤を7質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第2フラックスを調製した。ここで、第1活性剤は、グルタル酸(有機酸系)とジフェニルグアニジン(アミン)とを質量比1:1の割合で混合して調製した。第2活性剤は、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(イオン性ハロゲン化合物)を用いた。そして10質量部の第1フラックスと88質量部のハンダ粉末とを混合して混合物を調製した後に、この混合物に2質量部の第2フラックスを更に混合して、ハンダペーストを得た。このハンダペーストを実施例2とした。
<実施例3>
先ず組成が96.5質量%Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cuである平均粒径3μmのハンダ粉末を用意した。次に39.75質量部の水添ロジン(ロジン)と0.25質量部の第1活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を38質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第1フラックスを調製した。更に8.75質量部の水添ロジン(ロジン)と1.25質量部の第2活性剤を7質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第2フラックスを調製した。ここで、第1及び第2活性剤は、グルタル酸(有機酸系)とジフェニルグアニジン(アミン)と1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(イオン性ハロゲン化合物)とを質量比1:1:1の割合で混合してそれぞれ同一に調製したけれども、第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nが5となるように第1及び第2フラックスを調製した。そして10質量部の第1フラックスと88質量部のハンダ粉末とを混合して混合物を調製した後に、この混合物に2質量部の第2フラックスを更に混合して、ハンダペーストを得た。このハンダペーストを実施例3とした。
<実施例4>
第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nが10となるように第1及び第2フラックスを調製したこと以外は、実施例3と同様にしてハンダペーストを得た。具体的には、39.86質量部の水添ロジン(ロジン)と0.14質量部の第1活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を38質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第1フラックスを調製し、8.64質量部の水添ロジン(ロジン)と1.36質量部の第2活性剤を7質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第2フラックスを調製したこと以外は、実施例3と同様にしてハンダペーストを得た。このハンダペーストを実施例4とした。
<比較例1>
先ず組成が96.5質量%Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cuである平均粒径3μmのハンダ粉末を用意した。次に48.5質量部の水添ロジン(ロジン)と1.5質量部の活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を45質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合してフラックスを調製した。ここで、活性剤は、グルタル酸(有機酸系)とジフェニルグアニジン(アミン)と1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(イオン性ハロゲン化合物)とを質量比1:1:1の割合で混合して調製した。そして12質量部のフラックスと88質量部のハンダ粉末とを混合してハンダペーストを得た。このハンダペーストを比較例1とした。
<比較例2>
第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nが3となるように第1及び第2フラックスを調製したこと以外は、実施例3と同様にしてハンダペーストを得た。具体的には、39.63質量部の水添ロジン(ロジン)と0.37質量部の第1活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を38質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第1フラックスを調製し、8.88質量部の水添ロジン(ロジン)と1.12質量部の第2活性剤を7質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合して第2フラックスを調製したこと以外は、実施例3と同様にしてハンダペーストを得た。このハンダペーストを比較例2とした。
<比較例3>
先ず組成が96.5質量%Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cuである平均粒径3μmのハンダ粉末を用意した。次に次にハンダ粉末と、シランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γアミノプロピルメチルジメトキシシラン)を溶媒に希釈したプライマーとを混合し、室温で放置して溶剤を揮発させ、ハンダ粉末表面にシランカップリング剤皮膜を形成した。更に48.5質量部の水添ロジン(ロジン)と1.5質量部の活性剤と5質量部の硬化ひまし油(チキソ剤)を45質量部のジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(溶剤)に混合してフラックスを調製した。ここで、活性剤は、グルタル酸(有機酸系)とジフェニルグアニジン(アミン)と1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩(イオン性ハロゲン化合物)とを質量比1:1:1の割合で混合して調製した。そしてシランカップリング剤皮膜を形成した88質量部のハンダ粉末と12質量部のフラックスとを混合してハンダペーストを得た。このハンダペーストを比較例3とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3のハンダペーストを室温にて保管し、30日間にわたって、ハンダペーストの粘度の変動を測定した。その結果を表2に示す。なお、表1に、実施例1〜4及び比較例1〜3の第1フラックスの組成比と、第2フラックスの組成比とを示すとともに、第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤を第2活性剤で除した値、即ち第1活性剤/第2活性剤の値と、この値を1/nという分数で表した場合のnを示した。また、ハンダペーストの粘度は、マルコム社製のスパイラル粘度計(PLU2型)を使用した。
Figure 2013173156
Figure 2013173156
表1及び表2から明らかなように、第2フラックスを用いずに、第1フラックスのみを用い、かつハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第1活性剤を第1フラックスに混合した比較例1では、ハンダペーストの粘度が、5日後に295Pa・秒と低かったけれども、30日後に575Pa・秒と大幅に増大した。これに対し、第1活性剤を第1フラックスに混合せず、かつハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤を第2フラックスに混合した実施例1では、ハンダペーストの粘度が、5日後に272Pa・秒と低く、30日経過しても282Pa・秒と僅かしか増大しなかった。またハンダ表面の酸化皮膜への活性の低い第1活性剤を第1フラックスに混合し、かつハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤を第2フラックスに混合した実施例2〜4では、ハンダペーストの粘度が、5日後に270〜275Pa・秒と低く、30日経過しても293〜302Pa・秒と僅かしか増大しなかった。上述のことから、第1フラックスに含まれる活性の高い活性剤の比率が高いほど、作製したペーストの粘度が経時的に高くなることが判明した。換言すれば、第1フラックスに活性剤を含まないか、或いは第1フラックスに活性の低い活性剤を含み、第2フラックスに活性の高いフラックスを含んだ方が、作製したペーストの粘度が経時的に殆ど変化しなくなることが判明した。
一方、nが3である比較例2では、ハンダペーストの粘度が、5日後に283Pa・秒と低かったけれども、30日後に367Pa・秒と増大した。これに対し、nが5及び10である実施例3及び4では、ハンダペーストの粘度が、5日後に275Pa・秒及び273Pa・秒と低く、30日経過しても302Pa・秒及び295Pa・秒と僅かしか増大しなかった。上述のことから、nの値、即ち第1フラックス中の溶剤及びロジンが第2フラックス中の溶剤及びロジンと同一割合で混合され、第2活性剤が第1活性剤と同一成分を含有しかつ第2活性剤の各成分が第1活性剤の各成分と同一割合で混合された場合であって、第1フラックスと第2フラックスの合計量を100質量部とし、第1活性剤の添加割合を第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nの値が大きい方がハンダペスートの粘度の経時的な増大を抑制できることが分かった。
なお、ハンダ表面をシランカップリング剤で被覆したハンダ粉末を用いた比較例3では、ハンダペーストの粘度が5日後に271Pa・秒と低く、30日経過しても288Pa・秒と僅かしか増大しなかった。これにより、ハンダ表面をシランカップリング剤で被覆すれば、最初から活性の高い活性剤を含むフラックスでペーストを作製しても、粘度の経時的な増大しないことが分かった。
<比較試験2及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3のハンダペーストについて、各々の経過日数毎(5日後、10日後、15日後、20日後、25日後及び30日後)に、リフローハンダ付けを行った。具体的には、図2に示すように、縦、横及び厚さがそれぞれ20mm、50mm及び0.6mmである4N(純度99.995%)の銅板21上に、直径6.5mmの通孔22aが形成された厚さ0.2mmのステンレス鋼板製のメタルマスク22を載せた。この状態で通孔22a内にハンダペースト23を塗布し(図2(a))、メタルマスク22を取除いた後に、コンダクション型リフロー炉を用いて、窒素雰囲気中でリフローハンダ付けを行い、銅板21上にハンダバンプ24(以下、単にハンダ24という)を形成した(図2(b))。評価は、図3に示すように、リフローハンダ付け後のハンダ24の外観を、ハンダ24上部の第1測定箇所、ハンダ24下部の第2測定箇所、ハンダ24左部の第3測定箇所、ハンダ24右部の第4測定箇所及び、ハンダ24中央部の第5測定箇所の5箇所で観察し、表面に黒色の溶け残ったハンダ24の状態により5段階で評価した。そして全面黒色の溶け残ったハンダで厚く覆われている状態を評価点「1」とし、全面黒色の溶け残ったハンダで薄く覆われている状態を評価点「2」とし、5箇所の観察点のうち4〜2箇所で黒色の溶け残ったハンダが観察される状態を評価点「3」とし、5箇所の観察点のうち1箇所で黒色の溶け残ったハンダが観察される状態を評価点「4」とし、溶け残ったハンダが全く観察されない状態を評価点「5」とした。このとき、評価点「4」以上を合格とした。その結果を表3に示す。なお、上記のことから評価点の数値が大きいほど、ハンダの評価は良好であることを示す。
Figure 2013173156
表3から明らかなように、ハンダペーストの粘度が経時的に増大する比較例1及び2では、ハンダ溶融性が、5日後にいずれも5と良好であったけれども、30日経過後にそれぞれ2及び3と不良になった。また、ハンダ表面をシランカップリング剤で被覆したハンダ粉末を用いた比較例3では、ハンダ溶融性が、5日後に3と不良であり、30日経過しても3と不良のままであった。これに対し、ハンダ表面をシランカップリング剤で被覆せず、ハンダペーストの粘度が経時的に殆ど増大しない実施例1〜4では、ハンダ溶融性が、5日後にいずれも5と良好であり、30日経過してもいずれも5と良好であった。上述のことから、粘度が経時的に増大していくハンダペーストでは、ハンダ溶融性が経時的に低下していくのに対し、粘度が経時的に殆ど増大しないハンダペーストは、比較例3のようにハンダ表面をシランカップリング剤で被覆したハンダペーストを除いて、溶融性が良好であることが判明した。
10,23 ハンダペースト
11 第1フラックス
12 第2フラックス
13 ハンダ粉末
14 混合物

Claims (5)

  1. 溶剤、ロジン及びチキソ剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する工程と、
    この混合物に第2フラックスを更に混合する工程と
    を含むハンダペーストの製造方法であって、
    前記第2フラックスが、有機酸系、アミン、有機ハロゲン化合物及びイオン性ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有する活性剤と、溶剤と、ロジンとを含有し、
    前記第1フラックスが前記活性剤を含有しない
    ことを特徴とするハンダペーストの製造方法。
  2. 溶剤、ロジン、チキソ剤及び第1活性剤を含有する第1フラックスとハンダ粉末とを混合して混合物を調製する工程と、
    この混合物に第2フラックスを更に混合する工程と
    を含むハンダペーストの製造方法であって、
    前記第2フラックスが、溶剤と、ロジンと、前記第1活性剤よりハンダ表面の酸化皮膜への活性の高い第2活性剤とを含有することを特徴とするハンダペーストの製造方法。
  3. 前記第1活性剤が有機酸系、アミン及び有機ハロゲン化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上を含有し、前記第2活性剤が前記第1活性剤にイオン性ハロゲン化合物を添加して構成された請求項2記載のハンダペーストの製造方法。
  4. 前記第1フラックス中の溶剤及びロジンが前記第2フラックス中の溶剤及びロジンと同一割合で混合され、前記第2活性剤が前記第1活性剤と同一成分を含有しかつ前記第2活性剤の各成分が前記第1活性剤の各成分と同一割合で混合され、前記第1フラックスと前記第2フラックスの合計量を100質量部とし、前記第1活性剤の添加割合を前記第2活性剤の添加割合で除した値を1/nで表したとき、nが5以上である請求項2記載のハンダペーストの製造方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の方法で製造されたハンダペースト。
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