JP2013172776A - 吸水体、および、これを用いた吸収性物品 - Google Patents

吸水体、および、これを用いた吸収性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた防臭効果を有する吸収体および吸収性物品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の吸収体は、吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有する吸収体であって、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品および吸収体の防臭性能の改良技術に関するものである。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッドなどの吸収性物品は、身体から排泄される尿や経血などの体液を吸収、保持させて使用するが、使用時あるいは使用後に廃棄する時の不快臭に対する対策が求められている。
例えば、特許文献1には、液体透過性トップシート、バックシート、および前記トップシートとバックシートの間に位置する吸収性コアを具備する吸収性製品であって、前記吸収性製品が、分子量136以上のシリカまたは金属珪酸塩(遷移金属を除く)を具備する防臭系を、吸収性ゲル化材料と共に具備することを特徴とする吸収性製品が開示されている。特許文献2には、有機アミン類、有機アミン塩類、あるいは排泄物と反応して有機アミン類を生成する物質の中から選ばれた消臭剤を一種類以上存在させることを特徴とする吸収性物品が開示されている。特許文献3には、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、それらの間に設けられた吸収体とを有したペット用吸収性物品において、吸収体が繊維状吸収体(A)と、茶葉及び/又は茶抽出物(B)と、抗菌性を有する界面活性剤(C)とを含有する、ペット用吸収性物品が開示されている。
特表平11−512944号公報 特開2002−102280号公報 特開2009−232685号公報
抗菌剤として、カチオン型界面活性剤が知られている。尿などの排泄物を吸収した吸収体では、細菌が繁殖することにより臭気が強くなる。抗菌性カチオン型界面活性剤を吸収体に使用すれば、細菌の繁殖を抑制して、防臭効果が得られるはずである。しかしながら、抗菌性カチオン型界面活性剤を吸収体に使用しても、所望の防臭効果が認められないという問題が生じた。本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、優れた防臭効果を有する吸収体および吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、吸水性樹脂として使用するアクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のナトリウム塩が、抗菌性カチオン型界面活性剤に作用をして、防臭機能を低下させていることを突き止め、本発明を完成するに至った。すなわち、吸水性樹脂に塗布された抗菌性カチオン型界面活性剤は、架橋重合体のナトリウム塩とカチオン成分を交換し、吸水性樹脂にトラップされ、細菌に作用しにくくなる。その結果、防臭効果が低減することを突き止めた。
そして、前記課題を解決することのできた本発明の吸収体は、吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有する吸収体であって、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物であることを特徴とする。本発明は、前記抗菌性カチオン型界面活性剤として、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物を使用するところに要旨がある。架橋重合体の主構成成分であるアクリル酸の水・25℃での酸解離定数は、4.26である。アクリル酸の酸解離定数に近い酸解離定数を有する酸で中和された抗菌性カチオン型界面活性剤は、吸水性樹脂粉末とカチオン交換しにくくなる。その結果、本発明で使用する抗菌性カチオン型界面活性剤は、吸水性樹脂にトラップされにくく、細菌に作用して本来の防臭効果を発現する。
前記抗菌性カチオン型界面活性剤は、吸水性樹脂粉末の少なくとも一部に塗布されていることが好ましい。抗菌性カチオン型界面活性剤を吸水性樹脂粉末の近傍に存在させることにより、防臭効果を高めることができる。前記吸水性樹脂粉末としては、前記架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が、ナトリウムイオンで中和されているものが好ましい。前記抗菌性カチオン型界面活性剤の含有率は、吸収体中0.0005質量%〜0.050質量%であることが好ましい。
前記抗菌性カチオン型界面活性剤は、水・25℃での酸解離定数pKaが3.18〜5.24である酸で中和された化合物であることがより好ましい。前記抗菌性カチオン型界面活性剤としては、例えば、モノアルキル・トリメチル・アンモウニム塩、ジアルキル・ジメチル・アンモニウム塩、モノアルキル・モノベンジル・ジメチル・アンモニウム塩、モノアルキル・ピリジニウム塩より成る群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
本発明の吸収体としては、例えば、透液性の第1シートと、第2シートとを有し、前記第1シートと第2シートとの間に、前記吸水性樹脂粉末を有する吸収層が配置されているものを挙げることできる。本発明には、本発明の吸収体を有する吸収性物品が含まれる。
本発明の吸収体および吸収性物品は、防臭効果に優れる。
本発明の好ましい実施形態の吸収体の模式的断面図。 本発明の好ましい実施形態の吸収体の模式的断面図。 本発明の好ましい実施形態の吸収体の模式的断面図。 本発明の好ましい実施形態の吸収性物品の模式的断面図。
本発明の吸収体は、吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有する吸収体であって、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物であることを特徴とする。
まず、本発明で使用する吸水性樹脂粉末について説明する。本発明で使用する吸水性樹脂粉末は、アクリル酸を主構成成分とする(A)架橋重合体であって、そのカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものである。架橋重合体を構成するアクリル酸成分の含有率は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。アクリル酸成分の含有率が前記範囲内であれば、得られる吸水性樹脂粉末が、所望の吸収性能を発現しやすくなる。
(A)架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する陽イオンとしては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオンなどを挙げることができる。これらの中でも、架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が、ナトリウムイオンで中和されていることが好ましい。なお、架橋重合体のカルボキシル基の中和は、重合して得られる架橋重合体のカルボキシル基を中和するようにしてもよいし、予め、中和された単量体を用いて架橋重合体を形成するようにしてもよい。
架橋重合体のカルボキシル基の中和度は、60モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましい。中和度が低すぎると、得られる吸水性樹脂粉末の吸収性能が低下する場合があるからである。また、中和度の上限は、特に限定されず、カルボキシル基のすべてが中和されていてもよい。なお、中和度は、下記式で求められる。
中和度(モル%)=100×「架橋重合体の中和されているカルボキシル基のモル数」/「架橋重合体が有するカルボキシル基の総モル数(中和、未中和を含む)」
前記架橋重合体は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または加水分解により(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する(a2)加水分解性モノマーと、(b)内部架橋剤とを含有する不飽和単量体組成物を重合して得られるものが好ましい。
(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するモノマー等が使用できる。水溶性モノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つモノマーを意味する。また、(a2)加水分解性モノマーとは、50℃の水、必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により、加水分解されて、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する。(a2)加水分解性モノマーの加水分解は、架橋重合体の重合中、重合後、および、これらの両方のいずれでもよいが、得られる吸水性樹脂粉末の分子量の観点等から重合後が好ましい。
水溶性置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基、スルホオキシ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、または、これらの塩、並びに、アンモニウム塩が挙げられ、カルボキシル基の塩(カルボキシレート)、スルホ基の塩(スルホネート)、アンモニウム塩が好ましい。また、塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。アンモニウム塩は、第1級〜第3級アミンの塩または第4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。これらの塩のうち、吸収特性の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
前記カルボキシル基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数3〜30の不飽和カルボン酸および/またはその塩が好ましい。前記カルボキシル基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、クロトン酸および桂皮酸などの不飽和モノカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸、マレイン酸塩、フマル酸、シトラコン酸およびイタコン酸などの不飽和ジカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル及びイタコン酸グリコールモノエステルなどの不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステルおよび/またはその塩などが挙げられる。なお、本発明の説明において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味する。
スルホ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数2〜30のスルホン酸および/またはその塩が好ましい。スルホ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、および、α−メチルスチレンスルホン酸などの脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸;(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、および、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリロイル含有アルキルスルホン酸;及びアルキル(メタ)アリルスルホコハク酸エステルなどが挙げられる。
スルホオキシ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの硫酸エステル;ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステルなどが挙げられる。
ホスホノ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルのリン酸モノエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルのリン酸ジエステル、および、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸などが挙げられる。
水酸基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アリルアルコール、および、(メタ)プロペニルアルコールなどの炭素数3〜15のモノエチレン性不飽和アルコール;炭素数2〜20のアルキレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(重量平均分子量100〜2000)などの2〜6価のポリオールのモノエチレン性不飽和カルボン酸エステル又はモノエチレン性不飽和エーテル等が含まれる。これらの具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ−オキシエチレン−オキシプロピレンモノ(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。
カルバモイル基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;N−メチルアクリルアミドなどのN−アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−又はi−プロピルアクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(アルキルの炭素数1〜8)アクリルアミド;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。アミドからなる基を有する不飽和モノマーとしては、これらの他に、炭素数5〜10のビニルラクタム(N−ビニルピロリドン等)等も使用できる。
アミノ基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、モノエチレン性不飽和モノ−又はジ−カルボン酸のアミノ基含有エステルおよびモノエチレン性不飽和モノ−又はジ−カルボン酸のアミノ基含有アミドなどが挙げられる。モノエチレン性不飽和モノ−又はジ−カルボン酸のアミノ基含有エステルとしては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノアルキルエステル及びモルホリノアルキルエステル等が使用でき、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、 ジメチルアミノエチルフマレートおよびジメチルアミノエチルマレート等が挙げられる。モノエチレン性不飽和モノ−又はジ−カルボン酸のアミノ基含有アミドとしては、モノアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。アミノ基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、これらの他に、4−ビニルピリジンおよび2−ビニルピリジンなどのビニルピリジンも使用できる。
加水分解により(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する(a2)加水分解性モノマーとしては、特に限定されないが、加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するエチレン性不飽和モノマーが好ましい。加水分解性置換基としては、酸無水物を含む基、エステル結合を含む基およびシアノ基などが挙げられる。
酸無水物を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数4〜20の不飽和ジカルボン酸無水物等が用いられ、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。エステル結合を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルなどのモノエチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキルエステル;および、酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリルなどのモノエチレン性不飽和アルコールのエステルが挙げられる。シアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、および、5−ヘキセンニトリルなどの炭素数3〜6のビニル基含有のニトリル化合物が挙げられる。
(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーとしては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−975759号公報に記載のものを用いることができる。(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーはそれぞれ、単独で、または、2種以上の混合物として使用してもよい。
不飽和単量体組成物は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーの他に、これらと共重合可能な(a3)その他のビニルモノマーを用いることができる。共重合可能な(a3)その他のビニルモノマーとしては、疎水性ビニルモノマー等が使用できるが、これらに限定されるわけではない。(a3)その他のビニルモノマーとしては下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が用いられる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレンモノマー;
エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセンおよびオクタデセンなどのアルケン;並びに、ブタジエンおよびイソプレンなどのアルカジエン。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレンモノマー;
ピネン、リモネン及びインデンなどのモノエチレン性不飽和モノマー;並びに、シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネンなどのポリエチレン性ビニル重合性モノマー。
(a3)その他のビニルモノマーとしては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−975759号公報に記載のものを用いることができる。
本発明では、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体を得るという観点から、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または加水分解により(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する(a2)加水分解性モノマーとして、(a1)アクリル酸またはアクリル酸塩、あるいは、加水分解によりアクリル酸またはアクリル酸塩を生成する(a2)加水分解性モノマーを使用することが好ましい。(A)架橋重合体を形成する不飽和単量体組成物中の(a1)アクリル酸またはアクリル酸塩、あるいは、加水分解によりアクリル酸またはアクリル酸塩を生成する(a2)加水分解性モノマーの含有率は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。
(b)内部架橋剤としては、(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤、(b2)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する内部架橋剤、および、(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する内部架橋剤などを挙げることができる。
(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤としては、炭素数8〜12のビス(メタ)アクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10のポリアリルアミン及び炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。これらの具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(重合度2〜5)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ又はトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びジグリセリンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b2)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する内部架橋剤としては、炭素数6〜8のエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、炭素数4〜8の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物及び炭素数4〜8のイソシアナト基を有するエチレン性不飽和化合物などが挙げられる。これらの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びイソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する内部架橋剤としては、多価アルコール、多価グリシジル、多価アミン、多価アジリジン及び多価イソシアネートなどを挙げることができる。多価グリシジル化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。多価アミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンおよびポリエチレンイミンなどが挙げられる。多価アジリジン化合物としては、日本触媒化学工業社製のケミタイトPZ−33{2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス(3−(1−アジリジニル)プロピネート)}、ケミタイトHZ−22{1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア}およびケミタイトDZ−22{ジフェニルメタン−ビス−4、4’−N、N’−ジエチレンウレア}などが挙げられる。多価イソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの内部架橋剤は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
(b)内部架橋剤としては、吸収性能(特に吸収量及び吸収速度等)等の観点から、(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤が好ましく、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテルがより好ましく、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタンまたはペンタエリスリトールトリアリルエーテルがさらに好ましく、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが最も好ましい。
(b)内部架橋剤としては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−975759号公報に記載のものを用いることができる。
(A)架橋重合体の重合形態としては、従来から知られている方法等が使用でき、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法が適応できる。また、重合時の重合液の形状として、薄膜状及び噴霧状等であってもよい。重合制御の方法としては、断熱重合法、温度制御重合法及び等温重合法などが適用できる。重合方法としては、溶液重合法が好ましく、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、水溶液重合法がより好ましい。
重合によって得られる含水ゲル{架橋重合体と水とからなる}は、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は、50μm〜10cmが好ましく、100μm〜2cmがより好ましく、1mm〜1cmがさらに好ましい。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性がさらに良好となる。
細断は、公知の方法で行うことができ、例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機およびロール式粉砕機などの従来の細断装置を使用して細断できる。
重合に溶媒(有機溶媒、水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に水を含む場合、留去後の水分(質量%)は、架橋重合体の質量(100質量%)に対して、0質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは1質量%〜10質量%、さらに好ましくは2質量%〜9質量%、最も好ましくは3質量%〜8質量%である。水分(質量%)が、前記範囲内であると、吸収性能及び乾燥後の吸水性樹脂粉末の壊れ性がさらに良好となる。
なお、有機溶媒の含有率及び水分は、赤外水分測定器{(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W}により加熱したときの加熱前後の測定試料の質量減量から求められる。
溶媒(水を含む。)を留去する方法としては、80℃〜230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100℃〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
(A)架橋重合体は、乾燥後に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定されず、例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機などの通常の粉砕装置が使用できる。粉砕された(A)架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
必要によりふるい分けした場合の(A)架橋重合体の重量平均粒子径(μm)は、100μm〜800μmが好ましく、より好ましくは200μm〜700μm、さらに好ましくは250μm〜600μm、特に好ましくは300μm〜500μm、最も好ましくは350μm〜450μmである。(A)架橋重合体の重量平均粒子径(μm)が、前記範囲内であれば、吸収性能がさらに良好となる。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿の順等に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙{横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率}にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
(A)架橋重合体は、さらに(B)表面改質剤で処理されてもよい。(B)表面改質剤としては、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物などの多価金属化合物;ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどのポリカチオン化合物;無機微粒子;(B1)炭化水素基を含有する表面改質剤;(B2)フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する表面改質剤;及び、(B3)ポリシロキサン構造をもつ表面改質剤などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、および、酸化ジルコニウムなどの酸化物、炭化珪素および炭化アルミニウムなどの炭化物、窒化チタンのような窒化物、および、これらの複合体(例えば、ゼオライトおよびタルクなど)などが挙げられる。これらのうち、酸化物が好ましく、さらに好ましくは酸化ケイ素である。無機微粒子の体積平均粒子径は、1μm〜500μmが好ましく、より好ましくは3μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜75μm、最も好ましくは9μm〜50μmである。なお、体積平均粒子経は、動的光散乱法により、溶媒中で測定される。具体的には、日機装株式会社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(光源:He-Neレーザー)を用いて、溶媒シクロヘキサン中で、25℃の温度で測定される。
(B1)炭化水素基を含有する表面改質剤としては、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂誘導体、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂誘導体、ワックス、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸およびその塩、長鎖脂肪族アルコール、並びにこれらの2種以上の混合物等が含まれる。
(B2)フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する表面改質剤としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロアリール、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸またはその塩、パーフルオロアルキルアルコール、および、これらの2種以上の混合物等が含まれる。
(B3)ポリシロキサン構造をもつ表面改質剤としては、ポリジメチルシロキサン;ポリオキシエチレン変性ポリシロキサン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)変性ポリシロキサンなどのポリエーテル変性ポリシロキサン;カルボキシ変性ポリシロキサン;エポキシ変性ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン;アルコキシ変性ポリシロキサン、および、これらの混合物などが挙げられる。
(B)表面改質剤としては、吸収特性の観点から、(B3)ポリシロキサン構造をもつ表面改質剤、および、無機微粒子が好ましく、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、および、シリカがより好ましい。
(A)架橋重合体を(B)表面改質剤で処理する方法としては、(B)表面改質剤が(A)架橋重合体の表面に存在するように処理する方法であれば、特に限定されない。しかし、(B)表面改質剤は、(A)架橋重合体の含水ゲル又は(A)架橋重合体を重合する前の重合液ではなく、(A)架橋重合体の乾燥体と混合されることが表面の(B)表面改質剤の量をコントロールする観点から好ましい。なお、混合は、均一に行うことが好ましい。
吸水性樹脂粉末の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
架橋重合体は、必要に応じてさらに表面架橋を行うことができる。表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、(b)内部架橋剤と同じものが使用できる。表面架橋剤としては、吸水性樹脂粉末の吸収性能等の観点から、(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する架橋剤が好ましく、より好ましくは多価グリシジル、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリセリンジグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
表面架橋する場合、表面架橋剤の含有率(質量%)は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または(a2)加水分解性モノマー、(b)内部架橋剤、並びに必要により使用する(a3)その他のビニルモノマーの合計質量(100質量%)に対して、0.001質量%〜7質量%が好ましく、より好ましくは0.002質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.003質量%〜4質量%である。すなわち、この場合、表面架橋剤の含有率(質量%)の上限は、(a1)及び/又は(a2)、(b)並びに(a3)の合計質量に基づいて、7質量%が好ましく、より好ましくは5質量%、さらに好ましくは4質量%であり、同様に、下限は0.001質量%が好ましく、より好ましくは0.002質量%、さらに好ましくは0.003質量%である。表面架橋剤の含有率が、前記範囲内であれば、さらに吸収性能が良好となる。表面架橋は表面架橋剤を含む水溶液を吸水性樹脂粉末に噴霧又は含浸させた後、加熱処理(100〜200℃)する方法等により達成できる。
(2)抗菌性カチオン型界面活性剤について
本発明で使用し得る抗菌性界面活性剤としては、抗菌性を有するカチオン型界面活性剤であって、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和されている化合物であれば、特に限定されない。本発明で用いられる抗菌性カチオン型界面活性剤としては、例えば、下記式(1)〜(3)で示されるカチオン型界面活性剤であって、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和されている化合物を好適に使用することができる。
Figure 2013172776
式(1)中、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なる炭素数が1〜22の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基である。nは、1〜4の整数であり、Xn−は、酸のn価のアニオンである。具体的には、下記[1]と[2]があげられる。
[1]RとRが炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基で、RとRは炭素数1〜3のアルキル基(例えば、ジアルキル・ジメチル・アンモニウム塩)
[2]Rが炭素数12〜20の直鎖または分岐のアルキル基で、R、RおよびRは炭素数1〜3のアルキル基(例えば、モノアルキル・トリメチル・アンモニウム塩)
[1]と[2]のうち、[1]が好ましく、更に好ましくは[1]の場合のRとRがともにデシル基で、RとRがともにメチル基である。
式(1)で示される第4級アンモニウム基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
[1]オクチルデシルジメチルアンモニウム、ジオクチルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、デシルドデシルジメチルアンモニウム、ジドデシルジメチルアンモニウム、オクチルデシルメチルエチルアンモニウム、ジオクチルメチルエチルアンモニウム、ジデシルメチルエチルアンモニウム、ジドデシルメチルエチルアンモニウム、ジデシルメチルプロピルアンモニウム、ジドデシルエチルプロピルアンモニウムなど
[2]ドデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルジメチルエチルアンモニウム、テトラデシルジメチルエチルアンモニウム、ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウム、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム、ドデシルメチルジエチルアンモニウム、テトラデシルメチルジエチルアンモニウム、ヘキサデシルメチルジエチルアンモニウム、オクタデシルメチルジエチルアンモニウムなどこれらのうち、好ましくはオクチルデシルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、デシルドデシルジメチルアンモニウムであり、特に好ましくはジデシルジメチルアンモニウムである。
Figure 2013172776
式(2)中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なる炭素数が1〜22の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基である。nは、1〜4の整数であり、Xn−は、酸のn価のアニオンである。好ましくは、Rは炭素数が8〜18の直鎖または分岐のアルキル基で、RとRは炭素数が1〜3のアルキル基である。更に好ましくはRは炭素数が10〜16の直鎖または分岐のアルキル基で、RとRがともにメチル基である(例えば、モノアルキル・モノベンジル・ジメチル・アンモニウム塩)。式中、Phはフェニル基である。
式(2)で示される第4級アンモニウム基の具体例としては、デシルジメチルベンジルアンモニウム、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム、ヤシ油アルキルジメチルベンジルアンモニウムなどがあげられる。これらのうち好ましくは、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムである。
Figure 2013172776
式(3)中、Rは、炭素数5〜20、好ましくは、炭素数が6〜18の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基である(例えば、モノアルキル・ピリジニウム塩)。式(3)で表されるピリニジウム基の具体例としては、デシル・ピリジニウム、ドデシル・ピリジニウム、テトラデシル・ピリジニウムなどを挙げることができる。
本発明で用いられる抗菌性カチオン型界面活性剤は、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和されている化合物である。具体的には、式(1)〜(3)で表される抗菌性カチオン型界面活性剤のアニオン(Xn−で示される酸のn価のアニオン、n=1〜4)を有する酸(Hn−)の水・25℃での酸解離定数が3.0〜5.5である。例えば、酸(Hn−)の酸解離定数pKaは、以下の式で表される。
pKa=−log(1/Ka), Ka=[H+・[Xn−]/[Hn−
本発明で使用する抗菌性カチオン型界面活性剤は、例えば、以下のようにして製造することができる。一般に市販されている抗菌性カチオン型界面活性剤は、強酸(例えば塩酸Cl、シュウ酸Br)で中和された化合物ある。本発明の抗菌性カチオン型界面活性剤は、強酸で中和された一般の抗菌性カチオン型界面活性剤と、[水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸と強塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)との中和塩化合物]との塩交換反応から得ることが可能である。塩交換反応は、両者を混合することで行うことができるが、水等の溶媒で希釈した状態で攪拌しながら、必要に応じて、加温(水の場合は80℃〜95℃)することで安全に且つ容易に反応させることが出来る。これらの反応により本発明の抗菌性カチオン型界面活性剤とともに、強酸と強塩基とからなる中和塩化合物が生成する。例えば、市販のジデシルジメチルアンモニウムクロライドと、アジピン酸と水酸化ナトリウムとの等モル反応からなるアジピン酸−ナトリウムとの反応からは、本発明の抗菌性カチオン型界面活性剤であるジデシルジメチルアンモニウム・アジピン酸塩とともに塩化ナトリウムが生成される。本発明の抗菌性カチオン型界面活性剤の単離には、カラムクロマトグラム法や、高濃度の塩の溶液には本発明の抗菌性カチオン型界面活性剤が溶解しないという性質を利用した塩析法等が利用可能である。
抗菌性カチオン型界面活性剤は、理論的には、アクリル酸の酸解離定数(4.26)よりも大きい酸で中和されていることが好ましいが、アクリル酸の酸解離定数よりもやや小さい酸解離定数を有する酸で中和されている場合にも防臭効果が認められた。具体的には、酸解離定数が3.0以上である酸で中和された抗菌性カチオン型界面活性剤が、防臭効果を発現した。一方、酸解離定数が5.5を超える酸で中和された抗菌性カチオン型界面活性剤は、合成が難しくなる。また、本発明で使用する抗菌性カチオン型界面活性剤は、アクリル酸の酸解離定数とほぼ同じか、やや大きい酸解離定数を有する酸で中和されていることがより好ましい。このような観点から、抗菌性カチオン型界面活性剤を中和している酸の水・25℃での酸解離定数pKaとしては、3.00〜5.50が好ましく、3.18〜5.24がより好ましく、4.26〜5.24がさらに好ましい。
多段で解離する酸の場合、すくなくとも1段の酸解離定数が3.0〜5.5の範囲にあればよく、すべての段の解離定数が3.0〜5.5の範囲にある酸がより好ましい。例えば、酸解離定数が3.0〜5.5の範囲にない第一解離酸性基と、酸解離定数が3.0〜5.5の範囲にある第二解離酸性基とを有する化合物の場合、酸解離定数が3.0〜5.5の範囲にない第一解離酸性基を、例えば、アルコールと反応させてエステルを形成し、酸解離定数が3.0〜5.5の範囲にある第二解離酸性基を残存させるようにすることが好ましい。具体的には、クエン酸の場合、第一段の酸解離定数が2.87であり、第二段の酸解離定数が4.35である。このような場合、クエン酸の第一解離酸性官能基とメタノールとの等モル反応で得られるクエン酸モノメチルエステルは、残存している酸性基の解離定数が4.35であり、本願発明で好適に使用することができる。
水・25℃での酸解離定数が3.0〜5.5である酸の具体例としては、例えば、アジピン酸(4.26)、L−アスコルビン酸(4.03)、アスパラギン酸(2段目:3.7)、アゼライン酸(4.39)、o−アニス酸(4.09)、m−アニス酸(4.09)、p−アニス酸(4.48)、m−アニリンスルホン酸(3.74)、p−アニリンスルホン酸(3.23)、o−アミノ安息香酸(2段目:4.95)、m−アミノ安息香酸(3.12)、p−アミノ安息香酸(2段目:4.85)、4−アミノ酪酸(4.03)、安息香酸(4.20)、イソ吉草酸(4.58)、イソニコチン酸(2段目:4.87)、イソニコチン酸メチル(3.26)、イソ酪酸(4.63)、オキサロ酢酸(2段目:3.89)、オクタン酸(4.89)、ギ酸(3.55)、吉草酸(4.64)、キナルジン酸(2段目:4.75)、クエン酸(2段目:4.35)、グリオキシル酸(3.18)、グリコール酸(3.63)、グルタミン酸(2段目:4.20)、グルタル酸(4.13)、クロトン酸(4.69)、m−クロロ安息香酸(3.82)、p−クロロ安息香酸(3.99)、3−クロロプロピオン酸(3.92)、ケイ皮酸(cis)(3.88)、ケイ皮酸(trans)(4.44)、コハク酸(4.00)、酢酸(4.56)、m−シアノ安息香酸(3.60)、p−シアノ安息香酸(3.55)、シクロヘキサンカルボン酸(4.70)、シュウ酸(2段目:3.82)、d−酒石酸(2段目:3.95)、(R,R)−酒石酸(2段目:4.44)、1−ナフトエ酸(3.70)、2−ナフトエ酸(4.16)、m−ニトロ安息香酸(3.45)、p−ニトロ安息香酸(3.44)、乳酸(3.66)、p−ヒドロキシ安息香酸(4.58)、ビニル酢酸(4.12)、ピメリン酸(4.31)、2,6−ピリジンジカルボン酸(3段目:4.68)、フェニル酢酸(4.10)、フマル酸(2段目:4.10)、o−フルオロ安息香酸(3.27)、m−フルオロ安息香酸(3.87)、p−フルオロ安息香酸(4.14)、プロピオン酸(4.67)、m−ブロモ安息香酸(3.81)、p−ブロモ安息香酸(4.00)、ヘキサン酸(4.63)、ヘプタン酸(4.66)、o−ベンゼンジカルボン酸(2段目:4.93)、m−ベンゼンジカルボン酸(3.50)、p−ベンゼンジカルボン酸(3.54)、マロン酸(2段目:5.28)、マンデル酸(3.19)、メルカプト酢酸(3.43)、m−ヨード安息香酸(3.85)、p−ヨード安息香酸(4.00)、酪酸(4.63)、リンゴ酸(3.24)、レブリン酸(4.44)などを挙げることができる。
前記抗菌性カチオン型界面活性剤の含有率は、吸収体100質量%中、0.0005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.075質量%以下が好ましく、0.050質量%以下がより好ましい。抗菌性カチオン型界面活性剤の含有率が、低すぎると、十分な防臭効果が得られない。一方、抗菌性カチオン型界面活性剤の含有率が、高すぎると、経済性が劣るとともに、吸収体に使用した場合、体液の逆戻り性が劣る場合があるからである。
本発明の吸収体は、吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有するものであれば、特に限定されない。本発明の吸収体は、例えば、透液性の第1シートと、第2シートとを有し、前記第1シートと第2シートの間に、前記吸水性樹脂粉末を有する吸水層が配置されていることが好ましい。
第1シートと第2シートの間に配置される吸収層は、吸水性樹脂粉末のみから形成されてもよいし、吸水性樹脂粉末と繊維基材とから形成されてもよい。吸水層が、吸水性樹脂粉末のみから形成されている吸収体は、薄型化が可能である。吸水層が、吸水性樹脂粉末と繊維基材とから形成されている吸収体は、尿の分散性に優れる。
第1シートと第2シートの間に配置され得る繊維基材としては、解繊パルプ繊維、熱融着繊維などを挙げることができる。解繊パルプ繊維としては、公知のパルプ繊維を挙げることができる。熱融着性繊維は、保形性を高めるために使用される。熱融着繊維の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維や複合繊維などが用いられる。
前記第1シートは、肌面に当接する側のシートであり、着用者からの体液の水分を速やかに透過させる。前記透液性の第1シートは、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布であることが好ましい。第1シートとして利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては、セルロースやレーヨン、コットン等が用いられる。なお、第1シートとして、表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された透液性の不織布が用いられてもよい。
第2シートは、吸収体の使用態様に応じて、透液性シートあるいは不透液性シートのいずれであってもよい。透液性シートとしては、第1シートの材料と同一のものを使用することができる。不透液性シートとしては、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、不透液性シートに到達した排泄物の水分等が、吸収体の外側にしみ出すのを防止する。不透液性シートにプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
本発明の吸収体は、吸水性樹脂粉末の少なくとも一部に、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が塗布されていることが好ましい。抗菌性カチオン型界面活性剤を吸水性樹脂粉末の近傍に存在させることにより、防臭効果が高くなる。具体的には、吸水層の上部(第1シート側)に、抗菌性カチオン型界面活性剤が塗布されていることが好ましい。
以下、本発明の吸収体および吸収性物品について、図面を参照ながら説明するが、本発明は、図面に示された態様に限定されるものではない。図1は、本発明の吸収体の好ましい形態の模式的断面図である。本発明の吸収体1は、透液性の第1シート2と、第2シート3とを有し、第1シート2と第2シート3の間には、吸水性樹脂粉末4のみから形成された吸水層が配置されている。吸水性樹脂粉末4は、例えば、ホットメルト接着剤(図示せず)により第1シート2および第2シート3に固着されている。図2は、本発明の吸収体の別の好ましい形態の模式的断面図である。本態様では、第1シート2と第2シート3とを所定の間隔で貼り合わせることにより、吸水性樹脂粉末が存在しない吸水性樹脂粉末非存在領域5aと吸水性樹脂粉末が第1シートと第2シートの間に内包された吸水性樹脂粉末存在領域5bが設けられている。本態様の吸収体は、下層にさらに吸収体を設けた場合に,吸水性樹脂粉末非存在領域5aが体液の通路となり、体液が下層に透過しやすくなる。図3は、本発明の吸収体の別の好ましい形態の模式的断面図である。透液性の第1シート2と、第2シート3とを有し、第1シート2と第2シート3の間には、吸水性樹脂粉末4と繊維基材6とからなる吸水層が配置されている。
図1〜3の態様において、例えば、抗菌性カチオン型界面活性剤を、吸水層の上部であって、第1シートの内側に塗布しておくことが好ましい。吸水層に直接、抗菌性カチオン型界面活性剤を塗布しておくことにより、防臭効果が高まる。
図4は、本発明の吸収性物品の好ましい態様を例示する模式的断面図である。吸収性物品9は、透液性のトップシート10と、不透液性のバックシート11と、前記トップシート10とバックシート11との間に2層に積層された吸収体1aと吸収体1bとを有する。トップシート10の両側縁部の上部には、不透液性のサイドシート12が、接合されている。接合点13より内方のサイドシート12は、着用者の肌に向かって起立する立ち上がりフラップを形成する。吸収体1aは、第1シート2と、第2シート3とを有し、第1シート2と第2シート3の間には、吸水性樹脂粉末4のみからなる吸水層が配置されている。吸収体1bは、第1シート2と、第2シート3とを有し、第1シート2と第2シート3の間に、吸水性樹脂粉末4と繊維基材6とを有する吸水層が配置されている。本態様の吸収性物品では、吸収体1aおよび吸収体1bの少なくとも一つが、抗菌性カチオン型界面活性剤を有することが好ましく、吸収体1aおよび吸収体1bの両方が、抗菌性カチオン型界面活性剤を有することがより好ましい。なお、吸収体は、一層であってもよい。
本発明には、本発明の吸収体を備える吸収性物品が含まれる。吸収性物品の具体例としては、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、母乳パッド、ペット用吸収物品などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[吸収体の作製]
吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものからなる吸水層の表面に、表1に示したカチオン型界面活性剤を塗布した。この吸収層を液透過性のトップシートである第1シートと、ポリエチレンフィルムのバックシートである第2シートとの間に挟み、胴部において粘着テープにより固定し装着する組立型の吸収体を製造した。
Figure 2013172776
SAP1:アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の一部がナトリウムイオンで中和された吸水性樹脂粉末:サンウェットIM−930(サンダイヤポリマー株式会社)
SAP2:アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の一部がナトリウムイオンで中和された吸水性樹脂粉末:アクアキープSA60S(住友精化株式会社)
〔防臭性の評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体を、20人の成人尿パネラーに着用させ、4時間装着経過後、吸収体を取り外した。吸収体の取り外しの際、臭気の有無を官能試験をして、<評価基準>に基づき6段階評価を行った。評点の平均値を表1に併せて示した。
<評価基準>
5点:強烈なにおい
4点:強いにおい
3点:楽に感知できるにおい
2点:何のにおいであるかがわかる弱いにおい
1点:やっと感知できるにおい
0点:無臭
実施例1〜11と比較例1〜7との比較から、抗菌性カチオン型界面活性剤として、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物を用いた本発明の吸収体は、防臭効果に優れていることが分かる。
本発明は、例えば、失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、および、母乳パッド、ペット用吸収物品などの吸収性物品、吸収性物品に使用される吸収体の防臭に好適に利用できる。
1:吸収体、2:第1シート、3:第2シート、4:吸水性樹脂粉末、5a:吸水性樹脂非存在領域、5b:吸水性樹脂存在領域、6:繊維基材、7:吸水性樹脂粉末、9:吸収性物品、10:トップシート、11:バックシート、12:サイドシート、13:接合点、14:弾性部材

Claims (8)

  1. 吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有する吸収体であって、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物であることを特徴とする吸収体。
  2. 吸水性樹脂粉末の少なくとも一部に、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が塗布されている請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記抗菌性カチオン型界面活性剤の含有率は、吸収体中0.0005質量%〜0.050質量%である請求項1または2に記載の吸収体。
  4. 前記抗菌性カチオン型界面活性剤は、水・25℃での酸解離定数pKaが3.18〜5.24である酸で中和された化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収体。
  5. 前記抗菌性カチオン型界面活性剤は、モノアルキル・トリメチル・アンモウニム塩、ジアルキル・ジメチル・アンモニウム塩、モノアルキル・モノベンジル・ジメチル・アンモニウム塩、モノアルキル・ピリジニウム塩より成る群から選択される少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収体。
  6. 前記架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が、ナトリウムイオンで中和されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収体。
  7. 透液性の第1シートと、第2シートとを有し、前記第1シートと第2シートとの間に、前記吸水性樹脂粉末を有する吸収層が配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収体を有する吸収性物品。
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