以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、リソース管理装置の一実施形態を示している。図1において符号V1で示した移動体は、例えば、電車やバスのように運行経路および運行スケジュールが予め決定されている車両である。また、図1において、符号BS1〜BSmは、広域無線通信網に含まれるm箇所の基地局を示す。また、図1に例示したネットワーク制御装置2は、これらの基地局BS1〜BSmを広域無線通信網の一部として機能させるための制御を行う。なお、以下の説明において、各基地局BS1〜BSmを総称する場合は、単に、基地局BSと称する。
また、図1において、符号DB1で示した基地局データベースは、各基地局BSの位置を示す情報を含んでいる。また、符号DB2で示した経路データベースは、移動体V1の運行経路を示す情報を含んでいる。また、符号DB3で示した時刻表データベースは、移動体V1の運行経路に含まれる複数の地点への到着時刻を示す情報を含んでいる。
図1に例示したリソース管理装置10は、収集部11と、予測部12と、予約部13とを含んでいる。収集部11は、移動体V1に搭載された端末装置1から、移動体V1の位置を示す情報と、この移動体V1に乗車している少なくとも一人の利用者が所持している携帯端末UEの識別情報を収集する。
収集部11が移動体V1に搭載された端末装置1から収集する情報は、例えば、移動体V1を識別する識別情報である移動体ID(IDentifier)とともに、この移動体V1の位置を示す情報を含むことが望ましい。また、収集部11は、例えば、各携帯端末UEの識別情報として、この携帯端末UEの携帯端末IDを収集してもよい。
また、図1に例示した予測部12は、移動体V1の運行に伴って携帯端末UEが各基地局BSにハンドオーバされる順序および時刻を示すハンドオーバスケジュールを予測する。この予測部12は、ハンドオーバスケジュールの予測処理に、収集部11が収集した情報と基地局データベースDB1、経路データベースDB2および時刻表データベースDB3とを用いることができる。
そして、予約部13は、予測されたハンドオーバスケジュールに基づいて、このハンドオーバスケジュールで示される各基地局BSに対して携帯端末UEへのリソースの割り当てを予約する。予約部13は、例えば、図1に例示したように、ネットワーク制御装置2を介して、各基地局BSに対するリソースの予約を行う。
ここで、予測部12が、移動体V1に乗車している利用者の携帯端末UEについて、ハンドオーバスケジュールを予測する手法の説明に先立って、図2〜図4を参照しつつ、この予測処理に利用する各データベースについて説明する。
図2は、図1に例示した基地局データベースDB1の例を示す図である。図2(A)は、基地局BSの配置例を示している。また、図2(B)は、基地局データベースDB1に含まれる情報の一例を示している。なお、図2(A)において、符号BS−A,BS−B,BS−C,BS−D,BS−E,BS−F,BS−Gは、それぞれ基地局を示す。
また、図2(A)において、符号Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgは、それぞれ2つの基地局に対応するセルが重なり合っている領域を示している。これらの領域Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgは、小文字で示した添え字の組み合わせで示される2つの隣接する基地局の間でハンドオーバがなされる領域である。なお、図2(A)の例では、これらの領域Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgの境界を楕円によって近似して示している。以下の説明では、これらの領域Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgを、中央の基地局BS−Dに対応するハンドオーバ地帯と称する。
図2(A)においては、基地局BS−A,BS−B,BS−C,BS−E,BS−F,BS−Gに対応するハンドオーバ地帯のうち、基地局BS−Dとの間にある上述したハンドオーバ地帯のみを図示し、他は省略した。なお、基地局BS−Dに対応するハンドオーバ地帯と同様にして、広域無線通信網に含まれる各基地局BSについて、それぞれに隣接する基地局との間のハンドオーバ地帯を示す楕円形の領域を予め特定しておくことができる。
そして、図1に例示した基地局データベースDB1は、図2(B)に示すように、各基地局BSを識別するための基地局IDに対応して、当該基地局の位置を示す座標と、対応するセルの半径を示す情報とともに、ハンドオーバ地帯を示す情報を含むことが望ましい。
図2(B)に例示した基地局データベースDB1は、例えば、基地局ID「BS−D」に対応して、この基地局BS−Dに対応するセルの中心位置を示す座標Xd,Ydと、セルの半径rdを含んでいる。なお、セルの中心位置は、例えば、基地局BS−Dの所在地の経度および緯度を用いて表してもよい。また、この基地局データベースDB1は、基地局ID「BS−D」に対応して、更に、上述したハンドオーバ地帯Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgを示す情報を含んでいる。基地局データベースDB1は、各ハンドオーバ地帯Zda,Zdb,Zdc,Zde,Zdf,Zdgを示す情報として、例えば、個々のハンドオーバ地帯の境界に対応する楕円の長軸と短軸との交点および長軸および短軸の長さを保持してもよい。また、基地局データベースDB1は、図2(B)において、基地局ID「BS−D」に対応して示したように、各ハンドオーバ地帯に対応するハンドオーバ先の基地局IDを示す情報を含んでもよい。
同様に、図2(B)に例示した基地局データベースDB1は、基地局ID「BS−C」に対応して、この基地局BS−Cに対応するセルの中心位置を示す座標Xc,Ycと、セルの半径rcを含んでいる。また、この基地局データベースDB1は、基地局ID「BS−E」に対応して、この基地局BS−Eに対応するセルの中心位置を示す座標Xe,Yeと、セルの半径reを含んでいる。図2(B)においては図示を省略したが、基地局データベースDB1は、基地局ID「BS−C」に対応するハンドオーバ地帯およびハンドオーバ先の基地局IDを示す情報を含んでいる。同様に、基地局データベースDB1は、基地局ID「BS−E」に対応するハンドオーバ地帯およびハンドオーバ先の基地局IDを示す情報を含んでいる。また、基地局データベースDB1は、図2(A)に例示した基地局BS−A,BS−B,BS−F,BS−Gおよびこれらの基地局BSの周囲に配置された他の基地局BSに対応する情報を含んでいる。
また、図3は、図1に例示した経路データベースDB2の例を示す図である。図3(A)は、移動体V1の運行経路の一例を示している。また、図3(B)は、経路データベースDB2に含まれる情報の一例を示している。なお、図3(A)において、符号R1は、移動体V1の運行経路を示し、符号S0,S1,S2,S3は、それぞれ運行経路R1に設けられた駅又はバス停などの停車場を示している。
また、図3(A)において、n+1個の符号P0,P1,P2,…,Pn−1,Pnは、駅S1と駅S2とで区切られた区間に設けられた参考点を示している。図3(A)においては、駅S0,S1で区切られた区間に設けられた参考点や駅S2,S3で区切られた区間に設けられた参考点の図示は省略した。駅S1と駅S2とで区切られた区間と同様にして、運行経路R1に設けられた各駅で区切られた各区間について、それぞれ複数の参考点を予め特定しておくことができる。
そして、図1に例示した経路データベースDB2は、図3(B)に示すように、各運行経路を示す経路IDに対応して、運行経路内の各区間を特定する情報と、当該区間内の参考点を示す情報とを含んでいることが望ましい。この経路データベースDB2は、運行経路内の各区間を特定する情報として、例えば、当該区間の出発駅と到着駅とをそれぞれ示す情報を含んでもよい。
図3(B)に例示した経路データベースDB2は、経路ID「R1」に対応する情報の一部として、出発駅S1と到着駅S2とで示される区間内の各参考点P0,P1,P2,…,Pn−1,Pnの位置を示す情報を含んでいる。なお、経路データベースDB2は、各参考点P0,P1,P2,…,Pn−1,Pnの位置を示す情報を、各参考点P0,P1,P2,…,Pn−1,Pnの経度および緯度を示す情報によって表してもよい。
なお、図3(B)では図示を省略したが、経路データベースDB2は、出発駅S0と到着駅S1との間に設けられた複数の参考点の位置を示す情報および出発駅S2と到着駅S3との間に設けられた複数の参考点の位置を示す情報を含んでいる。同様に、この経路データベースDB2は、運行経路R1に設けられた各駅で区切られる区間それぞれに設けられた参考点の位置を示す情報を含んでいる。このような経路データベースDB2に運行経路R1に対応して含まれる複数の参考点の位置を示す情報を用いることにより、運行経路R1を各参考点を結ぶ直線の集まりによって近似することができる。更に、経路データベースDB2は、広域無線通信網による無線通信サービスが提供されている地域内を移動する様々な移動体の運行経路に関する情報を含んでもよい。
また、図4は、図1に例示した時刻表データベースDB3の一例を示している。なお、図4に示した要素のうち、図1又は図2又は図3に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図4に例示した時刻表データベースDB3は、各移動体を示す移動体IDに対応して、当該移動体が運行される経路を示す経路IDと当該移動体の運行の終点あるいは行き先の方面を示す終点/方面情報を含んでいる。また、この時刻表データベースDB3は、更に、各移動体が運行される経路に含まれる複数の停車駅を示す情報と、これらの停車駅に対応する出発時刻を示す情報とを含んでいる。
例えば、図4に例示した時刻表データベースDB3は、移動体V1を示す移動体ID「V1」に対応して、経路ID「R1」と行き先/方面情報「上り」を含んでいる。また、この時刻表データベースDB3は、移動体V1の停車駅を示す情報として、駅S0,S1,S2を含む複数の駅を示す駅IDを含んでいる。また、この時刻表データベースDB3は、移動体V1の各停車駅に対応する出発時刻「04:30」、「04:33」、「04:36」を示す情報を含んでいる。
また、図4に別の移動体V2を示す移動体ID「V2」に対応して示すように、時刻表データベースDB3は、複数の移動体の運行に関する時刻表情報を含むことができる。図4の例では、時刻表データベースDB3は、移動体V2を示す移動体ID「V2」に対応して、経路ID「R2」と行き先/方面情報「上り」を含んでいる。また、この時刻表データベースDB3は、移動体V2の停車駅を示す情報として、駅S4,S2を含む複数の駅を示す駅IDを含んでいる。また、この時刻表データベースDB3は、移動体V2の各停車駅に対応する出発時刻「04:32」、「04:37」を示す情報を含んでいる。なお、以下の説明において、移動体V1,V2および他の移動体を総称する場合には、単に移動体Vと称する。
これらのデータベースに蓄積された情報に基づいて、図1に例示した予測部12は、まず、移動体V1に搭載された端末装置1から収集部11によって収集された情報に含まれる移動体V1を示す識別情報に基づいて、この移動体V1の運行経路を特定する。
例えば、予測部12は、収集部11から移動体V1を示す移動体ID「V1」を受け取り、この識別情報「V1」に基づいて、時刻表データベースDB3を検索することにより、移動体V1の運行経路を示す経路IDを取得してもよい。
このようにして取得した経路ID「R1」に基づいて経路データベースDB2を参照することにより、予測部12は、経路R1に含まれる各駅および駅で区切られた各区間に設けられた参考点の位置を示す情報を取得する。
そして、これらの駅および参考点の位置を示す情報と基地局データベースDB1とに基づいて、予測部12は、移動体V1が運行経路R1に従って移動する過程で、移動体V1内の各携帯端末UEが順次にハンドオーバされていく基地局BSを特定する。
図5は、基地局BSの配置と運行経路R1との関係を説明する図である。なお、図5に示した要素のうち、図1〜図4に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図5に例示した移動体V1の運行経路R1は、駅S1を出発した後に、基地局BS−B、BS−D,BS−Gにそれぞれ対応するセルを順に通過している。
例えば、予測部12は、上述したようにして経路データベースDB2から取得した各参考点に最も近い基地局を、基地局データベースDB1からそれぞれ検索することで、これらの基地局BS−B、BS−D,BS−Gを特定してもよい。同様にして、予測部12は、移動体V1内の各携帯端末UEが移動体V1の運行に伴って通過する各基地局を順次に特定していくことができる。
更に、予測部12は、基地局データベースDB1および経路データベースDB2に蓄積された情報を用いることで、上述したようにして特定した各基地局BSに対応するセルの境界と移動体V1の経路R1とが交差する点をそれぞれ求めることができる。例えば、予測部12は、各基地局BSのセル半径を用いて示されるセルの境界について、経路データベースDB2で示される参考点を用いて折れ線で近似した経路R1との交点をそれぞれ求めることにより、各セルの境界と経路R1との交点を求めてもよい。また、図2を用いて説明したハンドオーバ地帯の境界を示す楕円と、上述したようにして折れ線で近似した経路R1との交点を求めることにより、各セルの境界と経路R1との交点を求めてもよい。このようにして求めた各セルの境界と経路R1との交点は、移動体V1が各基地局BSに対応するセルに進入する点であり、移動体V1内の各携帯端末UEについて、当該セルに対応する基地局BSへのハンドオーバ処理が開始される地点である。
例えば、図5において符号PB1,PD1,PG1で示した各点は、それぞれ基地局BS−B,BS−D,BS−Gに移動体V1内の各携帯端末UEがハンドオーバされる処理が開始されるハンドオーバ地点を示している。
予測部12は、これらのハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1の位置を示す座標を算出する処理に、基地局データベースDB1に保持された各基地局BS−B,BS−D,BS−Gの位置および対応するセルの半径を示す情報を用いることができる。また、予測部12は、同じく、これらのハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1の位置を示す座標を算出する処理に、経路データベースDB2に保持された各参考点P0,P1,P2,…,Pn−1,Pnの位置を示す情報を用いることができる。
次に、予測部12は、各ハンドオーバ地点の位置と時刻表データベースDB3に含まれる移動体V1の運行スケジュールを示す情報と移動体V1の位置とに基づいて、これらの各ハンドオーバ地点に移動体V1が到達すると予測される時刻を算出する。
例えば、図5に例示した各ハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1への到着予測時刻を算出する際に、予測部12は、時刻表データベースDB3で示される駅S1の出発時刻を用いることができる。また、予測部12は、各ハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1への到着予測時刻の算出処理に、図3において、駅S1の次の駅として示した駅S2の出発時刻を用いることができる。また、予測部12は、各ハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1への到着予測時刻を算出する際に、駅S1,S2間の経路R1上の距離と、各ハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1と駅S1との経路R1上の距離の比を用いることができる。また、予測部12は、収集部11で収集した移動体V1の位置を示す情報とこの情報を収集した時刻を示す情報を用いて、各ハンドオーバ地点PB1,PD1,PG1への到着予測時刻を補正することが望ましい。これにより、予測部12は、運行スケジュールと移動体V1の実際の運行状況とのズレを補正し、より正確な到着予測時刻を求めることができる。更に、時刻表データベースDB3が、各駅における停車時間や各駅間の区間における走行速度の変動などに関する情報を含んでいる場合は、これらの情報を利用して、より高い精度で各ハンドオーバ地点への到着予測時刻を予測することができる。このようにして各ハンドオーバ地点について算出された到着予測時刻は、移動体V1内の各携帯端末UEが、各基地局BSにハンドオーバされることが予測される予測ハンドオーバ時刻である。
上述したようにして得た結果に基づいて、予測部12は、移動体V1の運行に伴って移動する各携帯端末UEが通過する基地局BSの順序を示すハンドオーバシーケンスとこれらの基地局BSへの予測ハンドオーバ時刻を示すハンドオーバスケジュールを作成する。
図6は、ハンドオーバスケジュールの一例を示している。なお、図6に示した要素のうち、図1〜図5に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
このハンドオーバスケジュールは、携帯端末を識別するための携帯端末IDに対応して、当該携帯端末が移動体内に滞在する可能性のある運行区間を示す情報と、ハンドオーバシーケンスを示す情報を含んでいる。また、このハンドオーバスケジュールは、各ハンドオーバシーケンスに対応するハンドオーバ地点と、予測ハンドオーバ時刻とを示す情報をそれぞれ含んでいる。
なお、各携帯端末が移動体内に滞在する可能性のある運行区間は、当該携帯端末の識別情報が移動体Vに搭載された端末装置1から初めて通知された際の位置情報と、当該移動体Vの運行経路を示す情報に基づいて設定してもよい。例えば、図1に例示した予測部12は、当該携帯端末の識別情報が移動体Vに搭載された端末装置1から初めて通知された際の位置情報に基づいて、この携帯端末の利用者が移動体Vに乗車した駅を乗車駅として特定してもよい。そして、当該移動体の運行経路の終点として示された駅を、当該携帯端末が移動体Vから降車する降車駅として特定してもよい。なお、後述するように、各携帯端末の利用者の移動体Vへの乗車区間を示す情報を取得する場合は、この情報に基づいて、各携帯端末が移動体内に滞在する可能性のある運行区間をより高い精度で特定することができる。
例えば、図6に例示したハンドオーバスケジュールは、携帯端末ID「UE−1」で示される携帯端末UEが移動体内に滞在する可能性のある運行区間を示す情報として、乗車駅「S0」と降車駅「S3」を含んでいる。また、このハンドオーバスケジュールは、ハンドオーバシーケンスの一部として、基地局BS−B,BS−D,BS−Gに順に当該携帯端末UEがハンドオーバされる旨を示す情報を含んでいる。なお、図6において、符号BS−iは、基地局BS−Bの前に当該携帯端末UEが滞在している基地局BSを示している。
また、このハンドオーバスケジュールは、ハンドオーバシーケンス「BS−i→BS−B」に対応してハンドオーバ地点「PB1」と予測ハンドオーバ時刻「tb1」を含んでいる。同様に、このハンドオーバスケジュールは、ハンドオーバシーケンス「BS−B→BS−D」に対応してハンドオーバ地点「PD1」と予測ハンドオーバ時刻「td1」を含んでいる。また、このハンドオーバスケジュールは、ハンドオーバシーケンス「BS−D→BS−G」に対応してハンドオーバ地点「PG1」と予測ハンドオーバ時刻「tg1」を含んでいる。更に、このハンドオーバスケジュールは、上述したハンドオーバシーケンスの一部の前後のハンドオーバシーケンスに対応して、それぞれのハンドオーバ地点および予測ハンドオーバ時刻を示す情報を含んでいる。
更に、予測部12は、移動体V1内の各携帯端末UEに対応して収集部11が収集した情報を用いて同様の処理を行うことにより、これらの各携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールを作成することができる。また、予測部12は、他の運行経路に従って運行される別の移動体に搭載された端末装置から収集部11が収集した情報に基づいて、当該移動体内の携帯端末について、同様のハンドオーバスケジュールを作成することもできる。以下の説明において、運行経路に従って移動する移動体を総称する場合は、移動体Vと称する。
上述したようにして、予測部12が携帯端末UEについて作成したハンドオーバスケジュールに基づいて、図1に例示した予約部13は、次のようにして、この携帯端末UEが利用するリソースの予約を行う。
例えば、予約部13は、携帯端末UEのハンドオーバスケジュールに含まれる各基地局BSへのハンドオーバに対応する予測ハンドオーバ時刻に先立って、各基地局BSに携帯端末UEに割り当てるチャネルを予約する処理を実行してもよい。例えば、予約部13は、図6に例示した予測ハンドオーバ時刻td1よりも時間τだけ先行する時刻に、ネットワーク制御装置2を介して、各基地局BSに、携帯端末UEに割り当てるチャネルを予約してもよい。このとき、予約部13は、例えば、リソース予約の対象となる基地局BSに対して、ハンドオーバ元の基地局BSを示す基地局ID及び携帯端末UEを示す携帯端末IDを渡すことにより、リソースの割当先の携帯端末UEを特定することができる。また、予約部13は、リソースの割当先を示す情報とともに、予測ハンドオーバ時刻を示す情報を、リソース予約の対象となる基地局BSに渡すことにより、当該基地局BSにおいてリソースの予約を実行する正確な時刻を指定してもよい。
上述したように、予測部12によって予測されたハンドオーバスケジュールで示される各基地局への予測ハンドオーバ時刻は、移動体V1の実際の運行状況を反映しているので、非常に高い精度で実際のハンドオーバが行われる時刻を示す。つまり、例えば、図6に例示したハンドオーバスケジュールに従って予約部13が各基地局BSに対して予約したチャネルが実際に携帯端末UEに割り当てられる時刻と、このハンドオーバに対応して得られた予測ハンドオーバ時刻との差は非常に小さい。
したがって、図1に例示した予約部13が、各基地局BSに対して、携帯端末UEに割り当てるチャネルを予約するタイミングを予測ハンドオーバ時刻に先行させる時間τを短くすることができる。つまり、予約部13が移動体V1内の携帯端末UEに割り当てるチャネルを各基地局に対して予約する時刻を、当該携帯端末UEが各基地局に対応するセル内に進入する時刻に高い精度で一致させることができる。
このように、移動体V1内の携帯端末UE向けのチャネルを各基地局に対して予約する時刻を管理することにより、携帯端末UEが移動体V1とともに移動していく過程を通じて、携帯端末UEの利用者にQoSを保証することが可能となる。そして、このようにして携帯端末UEについて予約されたリソースは、移動体V1の運行に伴って携帯端末UEが各基地局BS−に対応するセルに進入した際にこの携帯端末UEに割り当てられる。つまり、本件開示のリソース管理装置10によって予約されたリソースが、携帯端末UEに割り当てられずに無駄になることはほとんどない。
以上に説明したように、本件開示のリソース管理装置10によれば、移動体V1とともに移動する携帯端末UEに対して、QoSを保証するために過不足ないリソースを予約することができる。したがって、広域無線通信網による無線通信システムに本件開示のリソース管理装置10を適用することにより、限られたリソースを有効に利用して、多数の携帯端末に質の高いサービスを提供することが可能となる。このように、本件開示のリソース予約装置10によれば、広域無線通信網による無線通信サービスを提供する企業は、既存の設備を最大限に活用することが可能となるので、移動通信システムを維持するために要するコストの抑制を図ることができる。
しかも、本件開示のリソース管理装置10によれば、ハンドオーバスケジュールを予測するために利用する移動経路を示す情報や位置情報を、利用者の携帯端末UEから取得する必要がない。このため、利用者の携帯端末について高い精度で移動経路を特定することを可能としながら、利用者のプライバシーを保つことができ、かつ、携帯端末に割り当てられたリソースを位置情報の通知などのために費やすこともない。つまり、本件開示のリソース管理装置10によれば、各利用者が所望のQoSを享受するためにそれぞれの携帯端末に割り当てられるリソースの予約を、個々の利用者に負担をかけることなく実現することができる。
更に、本件開示のリソース管理装置10がリソース予約を実現する過程で生成するハンドオーバスケジュールを活用することにより、複数の移動体がそれぞれ運行されている環境において、より確実に個々の携帯端末へのリソース予約を実現することができる。
図7は、リソース管理装置10の別実施形態を示している。なお、図7に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図7に例示した予測部12は、ハンドオーバシーケンス作成部121と、ハンドオーバシーケンスデータベース(DB)122と、検索部123と、ハンドオーバ時刻予測部124とを含んでいる。
ハンドオーバシーケンス作成部121は、基地局データベースDB1と経路データベースDB2とに基づいて、様々な経路に沿って移動する移動体内の携帯端末について各基地局が行うハンドオーバの順序を示すハンドオーバシーケンスを予め作成する。そして、ハンドオーバシーケンス作成部121は、各経路について作成したハンドオーバシーケンスを、個々の経路に対応してハンドオーバシーケンスデータベース122に格納する。
図8は、図7に例示したハンドオーバシーケンスデータベース122の一例を示している。なお、図8に示した要素のうち、図1〜図6に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
ハンドオーバシーケンスデータベース122は、経路IDと終点あるいは方面を示す情報との組み合わせで示される各経路に対応して、当該経路に含まれる各駅で区切られた区間それぞれについて、ハンドオーバシーケンスを保持している。
また、ハンドオーバシーケンスデータベース122は、図8に例示したように、ハンドオーバシーケンスに含まれる個々のハンドオーバに対応して、ハンドオーバ地点を示す情報を含むことが望ましい。
なお、図8に例示したハンドオーバシーケンスは、ハンドオーバシーケンスデータベース122が、経路ID「R1」と終点/方面「上り」との組み合わせで示される運行経路の駅S1と駅S2との間の区間に対応して蓄積するハンドオーバシーケンスの一部である。ハンドオーバシーケンスデータベース122は、同様にして、当該運行経路の駅S0と駅S1との間の区間や駅S2と駅S3との間の区間を含む各区間に対応するハンドオーバシーケンスを含んでいる。また、ハンドオーバシーケンスデータベース122は、経路ID「R1」と終点/方面「下り」との組み合わせで示される運行経路や別の経路IDを用いて示される運行経路に含まれる各区間に対応するハンドオーバシーケンスを含んでもよい。
このようなハンドオーバシーケンスデータベース122は、運行経路および基地局BSの配置が固定されている限り変化しない。したがって、ハンドオーバシーケンス生成部121は、リソースの予約処理を開始する時点に先立って生成しておくことができる。
次に、このようにして得られたハンドオーバシーケンスデータベース122に基づいて、移動体内の各携帯端末に対応するハンドオーバシーケンスを特定する手法について説明する。
ここで、図7に例示した収集部11は、端末装置1から、この端末装置1を搭載している移動体Vに新たに乗車してきた利用者の携帯端末UEを示す携帯端末IDを当該移動体Vの識別情報とともに収集してもよい。この場合に、収集部11が、各携帯端末UEの携帯端末IDを収集した時刻は、当該携帯端末UEの利用者が、移動体Vに乗車した時刻を示す。
検索部123は、まず、収集部11が端末装置1から収集した情報に含まれる移動体IDに基づいて、時刻表データベースDB3から当該移動体の運行経路を示す情報を検索する。この検索処理により、検索部123は、例えば、図1に例示した移動体V1を示す識別情報に基づいて、図4に例示した時刻表データベースDB3からこの移動体V1の運行経路を示す経路ID「R1」と終点/方面「上り」との組み合わせを取得することができる。このとき、検索部123は、収集部11が各携帯端末UEの識別情報を収集した時刻と時刻表データベースDB3に移動体Vの運行経路に含まれる各駅の出発時刻とを照合することにより、当該携帯端末UEの利用者が移動体Vに乗車した乗車駅を特定してもよい。
次いで、検索部123は、ハンドオーバシーケンスデータベース122から、取得した運行経路を示す情報に対応するハンドオーバシーケンスのうち、上述したようにして特定した乗車駅以降のハンドオーバシーケンスを検索する。このようにして、各携帯端末に対応して、この携帯端末が移動体V内に滞在する可能性のある区間に対応するハンドオーバシーケンスを、ハンドオーバシーケンスデータベース122から取得することができる。
図7に例示したハンドオーバ時刻予測部124は、検索部123による検索処理で得られたハンドオーバシーケンスに含まれる各ハンドオーバについて、図5、図6を用いて説明したようにして、予測ハンドオーバ時刻を算出する。このとき、ハンドオーバ時刻予測部124は、収集部11で得られた情報に含まれる移動体Vの位置を示す情報と経路データベースDB2とに基づいて、移動体Vの運行経路上での位置を特定してもよい。そして、特定した運行経路上での位置を、各ハンドオーバに対応する予測ハンドオーバ時刻の算出処理に利用してもよい。また、ハンドオーバ時刻予測部124は、算出した予測ハンドオーバ時刻を含むハンドオーバスケジュールを作成し、このハンドオーバスケジュールを、ハンドオーバスケジュール保持部125を介して予約部13に渡す。
このようにして、図7に例示した予測部12は、上述した移動体に利用者が乗車した時点において、この移動体の運行に伴ってこの利用者が移動する過程で通過する各基地局についてのハンドオーバスケジュールを予測することができる。
次に、このようにして移動体Vに乗車している各利用者の携帯端末UEについて予測されたハンドオーバスケジュールに基づいて、より高い確度で移動体内の携帯端末UEに割り当てるリソースの予約を実現する手法について説明する。
図7に例示した予約部13は、推定部131と、制御部133とを含んでいる。図7に例示した推定部131は、上述したようにして予測されたハンドオーバスケジュールに基づいて、各基地局BSにおいて割り当て可能なリソースの残量の、移動体Vの運行に伴う変動を推定する。また、図7に例示した制御部133は、ハンドオーバスケジュール保持部125に保持されたハンドオーバスケジュールと推定部131によって得られた推定結果とに基づいて、各基地局BSに対してリソースを予約する処理を制御する。制御部133は、推定結果によってリソース予約先の基地局BSにおいてリソースの供給が不足となる可能性が示された場合に、リソース予約に先立って、当該基地局BSに接続中の携帯端末UEの一部を他の基地局BSにハンドオーバさせる制御を行う。なお、図7に例示したように、制御部133は、各基地局BSに対するリソースの予約処理をネットワーク制御装置2に依頼することにより、リソースの予約を実現してもよい。
ここで、図7に例示した推定部131の処理について説明する。推定部131は、例えば、各基地局BSに対応するセルを通過する移動体V内の携帯端末UEに割り当てられるチャネル数の総和Rdvを用いて、移動体Vが当該セルに進入した時点におけるフリーチャネルの数を予測してもよい。フリーチャネルとは、各基地局BSにおいて割り当て済みでないチャネルである。つまり、フリーチャネルの数は、各基地局BSにおけるリソースの残量を示す数量の一例である。以下の説明では、推定部131によって予測したフリーチャネルの数を、予測フリーチャネル数と称する。
推定部131は、例えば、ハンドオーバスケジュール保持部125において、各基地局BSへのハンドオーバについて同一の予測ハンドオーバ時刻が設定された携帯端末IDを数え上げることにより、上述したチャネル数の総和Rdvを求めてもよい。そして、推定部131は、このチャネル数の総和Rdvを、各基地局BSの平均的なフリーチャネル数Rfから差し引くことにより、予測フリーチャネル数を求めてもよい。なお、推定部131は、例えば、各基地局BSにおけるリソースの利用状況を示す統計資料などに基づいて、平均的なフリーチャネル数Rfを予め算出しておくことができる。そして、推定部131は、算出した平均的なフリーチャネル数Rfを予測フリーチャネル数の算出に利用してもよい。
次に、2つの運行経路R1,R2が、一つの基地局BSに対応するセルを通っている場合に、これらの運行経路R1,R2に従って運行される移動体V1,V2の移動に伴う基地局BSにおける予測フリーチャネル数を求める手法について説明する。
ところで、都市部には、複数の鉄道路線やバス路線が集中して配置されている地域があり、このような地域内には、2つの運行経路R1,R2が、一つの基地局BSに対応するセルを通っている箇所がある。このような箇所では、これらの運行経路R1,R2に従って運行される複数の移動体V1,V2内の携帯端末UEが当該セル内を同時に滞在するために、対応する基地局BSのリソースが不足する可能性がある。
次に、複数の近接した運行経路R1,R2に従って運行する複数の移動体V1,V2がある場合について、図7に例示した推定部131が、各基地局BSにおけるリソースの需要量の時間的な変動を見積もる処理について説明する。
図9は、複数の経路R1,R2と基地局BSの配置を説明する図である。なお、図9に示した要素のうち、図5に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図9において、符号S4は、運行経路R2に設けられた駅の一つを示す。また、図9において、符号PA2,PD2,PF2は、移動体V2内の携帯端末UEがそれぞれ基地局BS−A,BS−D,BS−Fにハンドオーバされるハンドオーバ地点を示す。
図9の例では、運行経路R1と運行経路R2とがともに基地局BS−Dに対応するセルDの内部を通るように配置されている。このような場合に、図7に例示した推定部131は、複数の移動体Vが基地局BSに対応するセルを通過する期間に重複があるか否かを考慮して、予測フリーチャネル数を推定することが望ましい。
図10(A),(B)は、基地局BSにおける予測フリーチャネル数の時間変化の例を示している。なお、図10に示した要素のうち、図6に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図10(A),(B)に例示したグラフの横軸は時間tを示し、縦軸は、予測フリーチャネル数Feを示す。また、図10(A),(B)において、符号Rfdは、基地局BS−Dに対応して予め算出された平均的なフリーチャネル数を示す。また、図10(A),(B)において、符号td2は、移動体V2内の携帯端末UEについて予測された基地局BS−Dへの予測ハンドオーバ時刻を示す。そして、図10(A),(B)において、符号tf2は、移動体V2内の携帯端末UEについて、基地局BS−Dから隣接する基地局BS−Fにハンドオーバされる時刻を示す。
また、図10(A),(B)において、符号Rdv1は、移動体V1内の携帯端末UEに割り当てられるチャネルの総数を示し、符号Rdv2は、移動体V2内の携帯端末UEに割り当てられるチャネルの総数を示す。また、図10(A),(B)において、移動体V1がセルDを通過する期間は、時刻td1から時刻tg1までの期間である。そして、図10(A),(B)において、移動体V2がセルDを通過する期間は、時刻td2から時刻tf2までの期間である。
図10(A)に示したグラフGaは、図9に例示した移動体V2が図9に示したセルDを通過した後に、移動体V1が当該セルを通過する場合について、推定部131によって推定された予測フリーチャネル数Feの変化を示している。このグラフGaは、2つの移動体V1,V2がセルDを通過している期間に重複がない場合における予測フリーチャネル数Feの変化の例である。
このグラフGaから分かるように、基地局BS−Dの予測フリーチャネル数Feは、移動体V1,V2が通過する期間において、平均的なフリーチャネル数Rfdから移動体V1,V2内の携帯端末UE向けのチャネル総数Rdv1,Rdv2だけそれぞれ減少する。
したがって、複数の移動体Vが基地局BSに対応するセルを通過する期間に重複がない場合に、推定部131は、各移動体Vが当該セルを通過する期間ごとに、予測フリーチャネル数Feを求めてもよい。この場合に、推定部131は、予測フリーチャネル数Feの算出処理に、当該基地局BSに対応する平均的なフリーチャネル数Rfと、移動体V内の携帯端末UE向けのチャネル総数Rdvとを用いて、予測フリーチャネル数Feを表す下記の式(1)を用いてもよい。
Fe=Rf−Rdv ・・・(1)
一方、図10(B)に示したグラフGbは、図9に例示した移動体V2がセルDを通過している間に、移動体V1が当該セルDに進入する場合について、予測フリーチャネル数Feの変化を示している。このグラフGbは、2つの移動体V1,V2がそれぞれセルDを通過している期間に重複がある場合について、推定部131によって推定された予測フリーチャネル数Feの変化の例である。図10(B)の例では、時刻td1から時刻tf2までの期間が、2つの移動体V1,V2がともにセルDに滞在している期間である。そして、この期間において、予測フリーチャネル数Feは、基地局BS−Dの平均的なフリーチャネル数Rfdから移動体V1,V2内の携帯端末UE向けのチャネル総数Rdv1,Rdv2の和を減算した値になっている。
このように複数の移動体Vがセルに滞在している期間における予測フリーチャネル数Feは、当該セルに対応する基地局BSにおける平均的なフリーチャネル数Rfと各移動体V内の携帯端末UE向けのチャネル総数Rdv1〜Rdvnを用いて式(2)のように表される。
Fe=Rf−(Rdv1+…+Rdvn) ・・・(2)
図7に例示した推定部131は、各基地局BSについて、上述した式(2)を用いて予測フリーチャネル数Feを推定する際に、まず、複数の移動体Vそれぞれについて当該基地局BSに対応する予測ハンドオーバ時刻をソートする。このソート結果に基づいて、推定部131は、各移動体Vが当該基地局BSに対応するセルを通過する期間がどのように重複するかを判断する。そして、推定部131は、重複の仕方が異なる期間ごとに、当該期間において当該基地局BSに対応するセル内に滞在するn個の移動体V内の携帯端末UEに割り当てられるべきチャネル総数Rdv1〜Rdvnを用いて、予測フリーチャネル数Feを算出してもよい。
このようにして基地局BSごとに推定された予測フリーチャネル数Feの時間変化を参照することにより、制御部133は、リソースの割り当てを予約する際に、当該基地局BSにおいてリソースの供給不足が発生する可能性の有無を判断することができる。例えば、制御部133は、リソースの割り当てを予約しようとする時刻に対応して推定部131によって推定された予測フリーチャネル数Feが所定の閾値Thを下回る場合に、当該基地局BSにおいてリソースの供給不足が予測されると判断してもよい。なお、制御部133は、上述した所定の閾値Thとして、例えば、各基地局BSが保有するチャネル総数の数パーセントに相当するチャネル数を示す値を設定してもよい。
例えば、図10(B)に例示したグラフGbにより、移動体V1内の携帯端末UEについて基地局BS−Dへのハンドオーバが予測される時刻td1において、予測フリーチャネル数Feが上述した閾値Thを下回ることが示されている。制御部133は、このハンドオーバに先立って、移動体V1内の携帯端末UEに割り当てるリソースを予約する際に、上述した時刻td1に対応して推定された予測フリーチャネル数Feを参照する。そして、この予測フリーチャネル数Feと閾値Thとを比較することで、制御部133は、時刻td1において基地局BS−Dでリソースの供給が不足する可能性を認識することができる。
このようにして、図7に例示した制御部133は、移動体V内の携帯端末UEについてのリソース予約を実行する前に、予約先の基地局BSでリソースの供給が不足する可能性を認識する。そして、リソースの供給不足を認識した場合に、制御部133は、リソースの予約先の基地局BSに既に接続している携帯端末の一部を隣接する基地局のいずれかにハンドオーバさせる制御を行う。
例えば、制御部133は、上述したようにして得られた予測フリーチャネル数Feと上述した閾値Thとの差分に相当する数の接続中の携帯端末を、予約先の基地局BSから当該基地局BSに隣接する別の基地局BSにハンドオーバさせる制御をしてもよい。制御部133は、例えば、基地局データベースDB1を参照することにより、予約先の基地局BSに隣接する基地局BSを特定する情報を取得することができる。
このような制御をリソースの予約に先立って行うことができるので、制御部133は、予約先の基地局BSにおいて、移動体V内の携帯端末UEに割り当てる分のリソースを確保することができる。したがって、上述した処理の後に、リソース予約を実行することにより、制御部133は、当該基地局BSに対して、移動体V内の携帯端末UEに割り当てるリソースを高い確度で実行することができる。
このように、図1又は図7に例示した予測部12によって予測したハンドオーバスケジュールに基づいて、リソース予約を高い確度で実行できるようにする制御手法は、例えば、図11に例示するようなリソース管理装置10によっても実現可能である。
図11は、リソース管理装置10の別実施形態を示している。なお、図11に示した構成要素のうち、図1又は図7に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図11に例示した推定部131は、更新部134と、リソース予約データベース135とを含んでいる。図11に例示した更新部134は、ハンドオーバスケジュール保持部125に保持された個々の携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールに基づいて、次に述べるようにして、リソース予測データベース135を更新する。リソース予測データベース135は、例えば、各基地局BSを示す基地局IDに対応して、当該基地局をハンドオーバ先あるいはハンドオーバ元とするハンドオーバに対応する各予測ハンドオーバ時刻における予測フリーチャネル数を保持する。
図12は、図11に例示したリソース予測データベース135の一例を示している。なお、図12に示した要素のうち、図10に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
リソース予測データベース135は、各基地局BSに対応して、当該基地局BSのチャネル総数を示す情報を含んでいる。例えば、リソース予測データベース135は、基地局BS−Bを示す基地局ID「BS−B」に対応して、この基地局BS−Bのチャネル総数Rbmaxを含んでいる。同様に、リソース予測データベース135は、基地局BS−Dを示す基地局ID「BS−D」に対応して、この基地局BS−Dのチャネル総数Rdmaxを含んでいる。
また、このリソース予測データベース135は、各基地局BSに対応する情報として、ハンドオーバスケジュールのいずれかに含まれる当該基地局BSにかかわるハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻を示す情報を含んでいる。
例えば、リソース予測データベース135は、基地局BS−Bにかかわるハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻として、時刻tb1及び時刻td1を含んでいる。なお、上述した時刻tb1は、図9に例示した移動体V1内の携帯端末UEについて得られたハンドオーバスケジュールに含まれる基地局BS−Bをハンドオーバ先とするハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻である。同様に、時刻td1は、図9に例示した移動体V1内の携帯端末UEについて得られたハンドオーバスケジュールに含まれる基地局BS−Bをハンドオーバ元とするハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻である。
同様に、図12に例示したリソース予測データベース135は、基地局BS−Dにかかわるハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻として、時刻td1及び時刻tg1を含んでいる。なお、上述した時刻td1は、図9に例示した移動体V1内の携帯端末UEについて得られたハンドオーバスケジュールに含まれる基地局BS−Dをハンドオーバ先とするハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻である。また、時刻tg1は、図9に例示した移動体V1内の携帯端末UEについて得られたハンドオーバスケジュールに含まれる基地局BS−Dをハンドオーバ元とするハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻である。
更に、リソース予測データベース135は、各基地局BSに対応する情報として、当該基地局BSにかかわる予測ハンドオーバ時刻それぞれについて、更新部134によって後述するようにして得られる予測フリーチャネル数を示す情報を含んでいる。
図11に例示した更新部134は、例えば、ハンドオーバスケジュール保持部125に保持された各携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールを順次に参照する。そして、参照したハンドオーバスケジュールに含まれるハンドオーバシーケンスそれぞれに基づいて、更新部134は、リソース予測データベース135に含まれる当該ハンドオーバシーケンスにかかわる基地局BSの予測フリーチャネル数を更新する。例えば、更新部134は、当該ハンドオーバシーケンスによってハンドオーバ先として示された基地局BSについての更新処理として、このハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻における予測フリーチャネル数を「1」減算してもよい。
なお、更新部134は、ハンドオーバスケジュールに基づく更新処理を開始する前に、各基地局BSの予測フリーチャネル数の初期値を設定しておいてもよい。例えば、更新部134は、上述した平均的なフリーチャネル数Rfを、当該基地局BSの予測フリーチャネル数の初期値としてリソース予測データベース135に設定してもよい。
図12に例示したリソース予測データベース135においては、基地局BS−Bに対応して、この基地局BS−Bについて上述したようにして予め算出された平均的なフリーチャネル数Rfbが、予測フリーチャネル数の初期値として設定されている。同様に、このリソース予測データベース135においては、基地局BS−Dに対応して、この基地局BS−Dについて上述したようにして予め算出された平均的なフリーチャネル数Rfdが、予測フリーチャネル数の初期値として設定されている。
この場合に、図9に例示した移動体V1内の各携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールに基づいて、更新部134が上述した処理を行うことにより、図12に基地局BS−Bに対応して示した予測フリーチャネル数「Rfb−Rdv1」を得ることができる。
また、更新部134は、図9に例示したように、複数の移動体V1、V2が同時に通過することが予測されるセルに対応する基地局について、図10を用いて説明した手法を用いて、各時刻における予測フリーチャネル数を更新してもよい。
例えば、図9に例示した移動体V1、V2内の全携帯端末UEのハンドオーバスケジュールに基づいて、更新部134が上述した更新処理を行うことで、図12に例示したように、各予測ハンドオーバ時刻に対応する予測フリーチャネルを得ることができる。つまり、更新部134は、図12に基地局BS−Dに対応して示したように、移動体V2内の携帯端末UEに対応する基地局BS−Dへの予測ハンドオーバ時刻td2について、予測フリーチャネル数「Rfd−Rdv2」を得ることができる。同様に、更新部134は、移動体V1内の携帯端末UEに対応する基地局BS−Dへの予測ハンドオーバ時刻td1について、予測フリーチャネル数「Rfd−(Rdv2+Rdv1)」を得ることができる。また、更新部134は、移動体V2内の携帯端末UEに対応する基地局BS−Dから基地局BS−Fへの予測ハンドオーバ時刻tf2について、予測フリーチャネル数「Rfd−Rdv1」を得ることができる。そして、更新部134は、移動体V1内の携帯端末UEに対応する基地局BS−Dから基地局BS−Gへの予測ハンドオーバ時刻tg1について、予測フリーチャネル数「Rfd」を得ることができる。
このように、図11に例示した更新部134によれば、個々の携帯端末UE対応のハンドオーバスケジュールに基づいて、順次にリソース予測データベース135内の情報を更新することで、各基地局BSにおけるリソース残量の時間変化を予測できる。この更新部134による処理は、リソース予測データベース135において各基地局BSに対応する予測フリーチャネル数を操作するといった簡易な処理によって実現可能である。したがって、この更新部134とリソース予測データベース135とを含む推定部131によれば、各基地局BSにおけるリソース残量の時間変化を推定する処理を高速化することができる。
また、図11に例示した制御部133は、予約先の基地局BSに接続中の携帯端末を隣接する別の基地局BSにハンドオーバさせる際に、このようなリソースの振り替えを、リソース予測データベース135に反映してもよい。制御部133がこのような処理を実行することにより、以降に推定部131によって行われる各基地局BSにおける予測フリーチャネル数を推定する処理に、制御部133によるリソースの振替処理結果を反映させることができる。
次に、本件開示のリソース管理装置10と、端末装置1とを含むリソース管理システムについて説明する。
図13は、リソース管理システムの実施形態を示している。なお、図13に示した構成要素のうち、図1又は図7に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図13に例示したリソース管理装置10の予測部12は、図7に例示したシーケンス生成部121によって予め生成されたハンドオーバシーケンスを登録したハンドオーバシーケンスデータベース122を含んでいる。また、この予測部12は、乗車区間情報生成部126を含んでいる。
また、図13に例示した収集部11は、端末装置1によって各携帯端末UEの携帯端末IDとともに取得された、当該携帯端末UEに搭載された電子決済機能で用いられている電子乗車カードの識別情報を収集してもよい。なお、端末装置1によって、携帯端末UEから電子乗車カードを識別する電子乗車カードIDを取得する手法については、後述する。また、収集部11は、携帯端末UEの携帯端末IDとして、携帯端末UEに搭載されているSIM(Subscriber Identity Module)カードに記録された契約者情報あるいはこのSIMカードを識別するためのSIMカードIDを収集してもよい。
図13に例示した乗車区間情報生成部126は、収集部11で携帯端末UEに対応して収集された電子乗車カードIDと利用者情報データベースDB4とに基づいて、当該携帯端末UEの利用者が移動体Vの運行経路に沿って移動する範囲を示す乗車区間情報を生成する。
図14は、利用者情報データベースDB4の一例を示している。なお、図14に示した要素のうち、図3に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図14に例示した利用者情報データベースDB4は、電子乗車カードID「C1」に対応して、経路ID「R1」で示される運行経路における乗車区間を示す情報と、経路ID「R2」で示される運行経路における乗車区間を示す情報とを含んでいる。この利用者情報データベースDB4は、電子乗車カードID「C1」に対応する運行経路R1における乗車区間を示す情報として、乗車駅S0と降車駅S2とを示す情報とともに乗り継ぎ先の運行経路を示す経路ID「R2」を含んでいる。また、この利用者情報データベースDB4は、電子乗車カードID「C1」に対応する運行経路R2における乗車区間を示す情報として、乗車駅S2と降車駅Sxとを示す情報を含んでいる。なお、このような利用者情報データベースDB4に蓄積される情報は、例えば、移動体Vの運行を管理する公共交通機関から提供を受けることができる。
図13に例示した乗車区間情報生成部126は、上述した利用者情報データベースDB4を検索することにより、収集部11から受け取った電子乗車カードIDに対応して登録された経路IDとともに、それぞれの運行経路における乗車駅および降車駅を示す情報を取得する。このようにして取得した情報と、収集部11から受け取った携帯端末UEの識別情報とを組み合わせることにより、乗車区間情報生成部126は、個々の携帯端末UEが移動体Vの運行経路に沿って移動する可能性の高い乗車区間を示す乗車区間情報を生成することができる。
図13に例示した検索部123は、上述したようにして個々の携帯端末UEに対応して生成された乗車区間情報に基づいて、ハンドオーバシーケンスデータベース122に対する検索処理を行う。この検索処理により、検索部123は、各携帯端末UEが移動体Vの運行経路に沿って移動する範囲に対応するハンドオーバシーケンスを取得することができる。
したがって、このハンドオーバシーケンスに基づいて、ハンドオーバ時刻予測部124は、移動体Vに乗車している各携帯端末UEの利用者の移動を高い確度で反映したハンドオーバスケジュールを生成することができる。
つまり、図13に例示したリソース管理装置10によれば、電子乗車カードIDを利用することにより、携帯端末UEの利用者が移動体Vに乗車した時点で、この利用者が移動体Vから降りるまでのハンドオーバスケジュールを予測することができる。
ここで、電子決済機能に用いられる電子乗車カードIDは、携帯端末UEの利用者の移動経路を直接に示す情報ではない。このため、端末装置1を介して電子乗車カードIDをリソース管理装置10に提供することに対して利用者が抱く抵抗感は、移動経路を示す情報を提供する場合に比べて少ない。したがって、利用者から利用者自身の移動経路に関する情報を提供することについて利用者が協力する可能性に比べて、上述したようにして電子乗車カードIDを提供することについて携帯端末UEの利用者から協力を受けられる可能性は高い。
したがって、図13に例示したように、電子乗車カードIDを利用する仕組みを有するリソース管理装置10によれば、利用者の負担を増すことなく、ハンドオーバスケジュールの予測精度を更に向上させることができる。
次に、端末装置1が携帯端末UEから上述したSIMカードIDおよび電子乗車IDを収集する手法について説明する。
図13に例示した端末装置1は、受信部3と、送信部4と、GPS(Global Positioning System)信号処理部5とを含んでいる。端末装置1の受信部3は、図13に例示したように、RFID(radio Frequency IDentification)などの近接通信インタフェース(I/F:InterFace)6と、情報要求部7とを含んでもよい。また、図13に例示した携帯端末UEは、RFIDなどの近接通信インタフェース(I/F)8と、ユーザ情報保持部9とを含んでいる。
図13に例示した端末装置1の情報要求部7は、近接通信インタフェース6を介して、近接する携帯端末UEに対して、SIMカードIDおよび電子乗車カードIDの送信を要求するメッセージを送信する。
このメッセージを受信した携帯端末UEの近接通信インタフェース8は、ユーザ情報保持部9からSIMカードIDおよび電子乗車カードIDを取得する。そして、近接通信インタフェース8は、取得したSIMカードIDおよび電子乗車カードIDを、要求元の近接通信インタフェース6に送信する。
このようにして、近接通信インタフェース6と情報要求部7とを含む受信部3により、携帯端末UEからSIMカードIDおよび電子乗車カードIDを取得することができる。
また、図13に例示したGPS信号処理部5は、GPSに含まれる衛星からの信号に基づいて、例えば、所定の時間ごとに、移動体V1の位置を示す情報を生成する。また、図13に例示した送信部4は、GPS信号処理部5で得られた移動体V1の位置を示す情報と、受信部3を介して得られた携帯端末UEのSIMカードIDおよび電子乗車カードIDとを含むメッセージをリソース管理装置10に送信する。この送信部4は、受信部3を介して逐次に得られる複数の携帯端末UEのSIMカードIDおよび電子乗車カードIDとを蓄積してもよい。そして、例えば、移動体V1が駅などの停車場を出発するときに、送信部4は、各携帯端末UEについて蓄積したSIMカードIDおよび電子乗車カードIDと、直前に得られた移動体V1の位置を示す情報を含むメッセージを生成してもよい。また、送信部4は、このようにして生成したメッセージを、移動通信システムのネットワークを介してリソース管理装置10に送信してもよい。
このようにして送信された情報に基づいて、リソース管理装置10が、各携帯端末UEについてハンドオーバスケジュールを予測すること、また、このハンドオーバスケジュールに基づき無駄のないリソース予約ができることは、以上に述べたとおりである。
また、図13に例示した端末装置1を、例えば、列車の各車両に設置することにより、列車に含まれる車両単位の位置情報をリソース管理装置10に通知することができる。このような位置情報を利用することにより、リソース管理装置10は、当該車両内の各携帯端末UEについて、より精密なハンドオーバスケジュールを予測することができる。
つまり、図13に例示した本件開示のリソース管理システムによれば、携帯端末UEに既存の近接通信インタフェース8を利用して収集可能な情報に基づいて、個々の携帯端末UEにQoSを保証するために過不足ないリソースの予約を実現することができる。
以上に説明した本件開示のリソース管理装置10は、図15に例示するように、例えば、無線通信サービスを提供するキャリアが保有するサーバ装置などのコンピュータ装置を用いて実現することができる。
図15は、リソース管理装置10のハードウェア構成例を示している。なお、図15に示した構成要素のうち、図1又は図13に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図15に例示したコンピュータ装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置(HDD)23と、データベース管理部24と、専用線インタフェース25と、無線通信インタフェース26とを含んでいる。図15に例示したプロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、データベース管理部24と、専用線インタフェース25と、無線通信インタフェース26とは、バスを介して互いに接続されている。また、このコンピュータ装置20は、データベース管理部24を介して、基地局データベースDB1,経路データベースDB2,時刻表データベースDB3および利用者情報データベースDB4に接続されている。また、このコンピュータ装置20は、専用線インタフェース25を介してネットワーク制御装置2に接続されている。また、このコンピュータ装置20は、無線通信インタフェース26を介して広域無線通信網NWに接続されており、この広域無線通信網NWを介して端末装置1からの情報収集を行うことができる。
図15に例示したメモリ22およびハードディスク23は、コンピュータ装置20のオペレーティングシステムとともに、プロセッサ21が上述したリソース管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納している。なお、上述したリソース管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスクに記録して提供することができる。そして、このリムーバブルディスクを図示しない光学ドライブ装置に装着して読み込み処理を行うことにより、リソース管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムを、メモリ22およびハードディスク装置23に格納させてもよい。また、インターネットなどのネットワークに接続する通信装置(図示せず)を介して、リソース管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ22およびハードディスク装置23に読み込ませることもできる。
そして、プロセッサ21は、メモリ22およびハードディスク23に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、図1に例示した収集部11、予測部12、予約部13の機能を果たしてもよい。つまり、以上に説明した本件開示のリソース管理装置10は、例えば、図15に例示したコンピュータ装置20に含まれるプロセッサ21とメモリ22とハードディスク装置23とを用いて実現することができる。
また、図7に例示したハンドオーバシーケンスデータベース122は、メモリ22あるいはハードディスク装置23に予め格納しておくことができる。また、メモリ22あるいはハードディスク装置23に、図7に例示したハンドオーバスケジュール保持部125、図13に例示したリソース予測データベース135を格納するための領域を予め設けておいてもよい。そして、プロセッサ21は、リソース管理処理のためのアプリケーションプログラムを実行する過程で生成した情報を、これらの領域に格納していくことにより、ハンドオーバスケジュール保持部125およびリソース予測データベース135を形成してもよい。
リソース管理処理のためのアプリケーションプログラムは、端末装置1から収集した情報に基づいて各携帯端末UEについてハンドオーバスケジュールを予測する処理をプロセッサ21に実行させるためのアプリケーションプログラムを含んでいる。また、リソース管理処理のためのアプリケーションプログラムは、予測されたハンドオーバスケジュールに基づいて、各基地局BSのリソースを予約する処理をプロセッサ21に実行させるためのアプリケーションプログラムを含んでいる。
まず、各携帯端末UEのハンドオーバスケジュールを予測する処理について説明する。プロセッサ21は、例えば、端末装置1からのメッセージが到達するごとに、このハンドオーバスケジュールを予測する処理を実行してもよい。
図16は、ハンドオーバスケジュールを予測する処理のフローチャートの一例を示している。図16に示したステップS300〜ステップS307の各処理は、ハンドオーバスケジュールを予測する処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、これらのステップS300〜ステップS307の各処理は、プロセッサ21によって実行される。
まず、プロセッサ21は、図15に例示した無線通信インタフェース26および広域無線通信網NWを介して、移動体Vに搭載された端末装置1によって送信されたメッセージを受信する(ステップS300)。このメッセージは、例えば、移動体Vに対応する移動体IDと、このメッセージの送信時における移動体Vの位置を示す位置情報と、この移動体V内の各携帯端末UEの携帯端末IDおよび電子乗車カードIDを含んでいる。
次いで、プロセッサ21は、メッセージに含まれる移動体Vを示す移動体IDと位置情報とに基づいて、このメッセージの送信時における移動体Vの運行経路上での位置を特定する(ステップS301)。例えば、プロセッサ21は、データベース管理部24を介してまず時刻表データベースDB3を参照することにより、上述した移動体IDに対応して保持された経路IDを取得する。また、プロセッサ21は、取得した経路IDに対応して経路データベースDB2に保持された各駅および各参考点の位置情報と上述したメッセージに含まれていた位置情報とを照合することにより、移動体Vの運行経路上での位置を特定する。なお、端末装置1が上述したメッセージを駅又はバス停などにおいて送信する場合に、プロセッサ21は、このメッセージに含まれる位置情報との照合対象を、駅又はバス停の位置を示す位置情報に限定してもよい。
次に、プロセッサ21は、上述したメッセージに含まれる各携帯端末UEの携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアを、スケジュール対象の携帯端末UEの情報として順次に選択する(ステップS302)。なお、上述したメッセージは、既にハンドオーバスケジュールの作成が完了した携帯端末UEに対応する携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアを含んでいる場合がある。この場合に、プロセッサ21は、このステップS302の処理において、このような携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアを、以下の処理の対象からはずしてもよい。
次に、プロセッサ21は、選択した電子乗車カードIDに基づいて利用者情報データベースDB4を参照することで得られた情報と、携帯端末IDとを組み合わせることにより、携帯端末UEに対応する乗車区間情報を生成する(ステップS303)。
次に、プロセッサ21は、ステップS303の処理で得られた乗車区間情報に基づいて、ハンドオーバシーケンスデータベース122から、携帯端末UEに対応するハンドオーバシーケンスを検索する(ステップS304)。
次に、プロセッサ21は、図5、図6を用いて説明したようにして、ハンドオーバシーケンスに含まれる各ハンドオーバについての予測ハンドオーバ時刻を算出することにより、ハンドオーバスケジュールを作成する(ステップS305)。プロセッサ21は、ステップS305の処理で作成したハンドオーバスケジュールを、メモリ22あるいはハードディスク装置23に設けたハンドオーバスケジュール保持部125に格納し、このハンドオーバスケジュールを以降の処理において利用する。
このようにして得られたハンドオーバスケジュールに基づいて、プロセッサ21は、後述するようにして、各基地局BSにおけるリソースの残量を推定する処理を行う(ステップS306)。
その後、プロセッサ21は、まだハンドオーバスケジュールの予測が完了していない未スケジュールの携帯端末UEがあるか否かを判定する(ステップS307)。上述したステップS302の処理でまだ選択されていない携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアがある場合に、プロセッサ21は、ステップS307の肯定判定ルートに従って、ステップS302の処理に戻る。そして、プロセッサ21は、ステップS302の処理で選択した新たな携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアについて、上述したステップS303からステップS306の処理を実行する。
このようにして、プロセッサ21は、ステップS301で受信したメッセージに含まれる各携帯端末UEに対応する携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアについてステップS302〜ステップS307の処理を繰り返す。そして、全ての携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアについての処理が完了したときに、プロセッサ21は、ステップS307の否定判定ルートに従って、ハンドオーバスケジュールを予測する処理を終了する。
プロセッサ21が、上述したステップS300の処理を実行することは、図1に例示した収集部11の機能を実現する手法の一例である。また、プロセッサ21が、上述したステップS301〜ステップS305の処理を実行することは、図1に例示した予測部12の機能を実現する手法の一例である。また、プロセッサ21が、ハンドオーバスケジュールを予測処理の一部として、後述するようにして、ステップS306の処理を実行することにより、図7に例示した推定部131の機能を実現することができる。
なお、プロセッサ21は、図16に例示したステップS306のリソース残量を推定する処理を、別のタイミングで実行してもよい。例えば、プロセッサ21は、ステップS307の処理で受け取ったメッセージに含まれる全ての携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアについての処理が終了した後に、各基地局BSのリソースの残量を推定する処理を実行してもよい。また、プロセッサ21は、端末装置1からのメッセージの到来とは非同期に、各基地局BSのリソースの残量を推定する処理を実行してもよい。
次に、各基地局BSのリソースの残量を推定する処理をプロセッサ21がアプリケーションプログラムを実行することによって実現する手法について説明する。
図17は、リソース残量を推定する処理のフローチャートの一例を示している。図17に示したステップS311〜ステップS318の各処理は、リソース残量を推定する処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例であり、図16に例示したステップS306の処理に対応する。また、これらのステップS311〜ステップS318の各処理は、プロセッサ21によって実行される。
プロセッサ21は、図16に例示したステップS305の処理により、ステップS302の処理で選択された携帯端末UEに対応して生成されたハンドオーバスケジュールを受け取る(ステップS311)。
次に、プロセッサ21は、受け取ったハンドオーバスケジュールに含まれる未処理のハンドオーバを、処理対象のハンドオーバとして選択する(ステップS312)。プロセッサ21は、例えば、ハンドオーバスケジュールに含まれるハンドオーバシーケンスから、対応する予測ハンドオーバ時刻が早い順に処理対象のハンドオーバを選択することが望ましい。
次いで、プロセッサ21は、メモリ22あるいはハードディスク装置23に設けられたリソース予測データベース135を参照することで、選択したハンドオーバで示されるハンドオーバ先の基地局BSの予測フリーチャネル数を取得する(ステップS313)。
そして、プロセッサ21は、ステップS313で取得した予測フリーチャネル数に基づいて、ハンドオーバ先の基地局においてリソースが足りるか否かを判定する(ステップS314)。プロセッサ21は、例えば、取得した予測フリーチャネル数が上述した閾値Th以下である場合に、ハンドオーバ先の基地局においてリソース不足が発生する可能性があると判定する(ステップS314の否定判定)。一方、プロセッサ21は、取得した予測フリーチャネル数が上述した閾値Thより大きい場合に、ハンドオーバ先の基地局においてリソースは足りると判定する(ステップS314の肯定判定)。
上述したステップS314の否定判定ルートにおいて、プロセッサ21は、まず、ハンドオーバ先の基地局BSに隣接する他の基地局BSの中から、予測されるリソースの不足分を振り替える先の基地局BSを選択する(ステップS315)。プロセッサ21は、例えば、図15に例示したデータベース管理部24を介して基地局データベースDB1を参照することで、ハンドオーバ先の基地局BSに隣接して配置された複数の基地局BSを示す情報を取得することができる。そして、プロセッサ21は、これらの基地局BSのいずれかを、ハンドオーバ先の基地局BSに接続中の携帯端末の一部をハンドオーバさせる振り替え先の基地局BSとして選択する。
次いで、プロセッサ21は、ステップS315で選択した振り替え先の基地局BSとハンドオーバ先の基地局BSとについて、リソースの振替処理による予測フリーチャネル数の変化をリソース予測データベース135に反映する(ステップS316)。例えば、プロセッサ21は、ステップS315で選択した振り替え先の基地局BSに対応して予測リソースデータベース135に保持されている、上述した予測ハンドオーバ時刻に対応する予測フリーチャネル数をリソースの振替分に応じて減少させる。また、この処理とともに、プロセッサ21は、ハンドオーバ先の基地局BSに対応して予測リソースデータベース135に保持されている、上述した予測ハンドオーバ時刻に対応する予測フリーチャネル数をリソースの振替分に応じて増加させる。このようにして、プロセッサ21は、リソースの振替処理による予測フリーチャネル数の変化をリソース予測データベース135に反映させることができる。
上述したステップS314の肯定判定ルートでは、プロセッサ21は、上述したステップS315およびステップS316の処理をスキップする。このステップS314の肯定判定ルートの処理と、ステップS314の否定判定ルートの処理は、ステップS317において合流する。
このステップS317において、プロセッサ21は、ステップS312の処理で選択したハンドオーバを実行したときに予測される各基地局BSのリソース残量の変化をリソース予測データベース135に反映する。例えば、プロセッサ21は、当該ハンドオーバにおいて上述した携帯端末UEのハンドオーバ元となる基地局BSに対応する、この予測ハンドオーバ時刻における予測フリーチャネル数を数値「1」加算する。その一方、プロセッサ21は、当該ハンドオーバにおいて上述した携帯端末UEのハンドオーバ先となる基地局BSに対応する、この予測ハンドオーバ時刻における予測フリーチャネル数を数値「1」減算する。このように、プロセッサ21は、図11および図12を用いて説明したように、各基地局BSの予測フリーチャネル数をそれぞれ更新する。このような予測フリーチャネル数の操作を行うことにより、上述したハンドオーバによって、ハンドオーバ元の基地局BSにおいてリソースが解放され、逆に、ハンドオーバ先の基地局BSにおいてリソースが予約されることを示すことができる。
上述したステップS317の処理の終了後に、プロセッサ21は、未処理のハンドオーバがあるか否かを判定する(ステップS318)。ステップS311の処理で受け取ったハンドオーバスケジュールに、未処理のハンドオーバが残っている場合に、プロセッサ21は、ステップS318の肯定判定ルートに従ってステップS312の処理に戻る。そして、プロセッサ21は、ステップS312の処理で、ハンドオーバスケジュールから新たなハンドオーバを処理対象として選択し、この選択したハンドオーバについて、上述したステップS313〜ステップS317の処理を実行する。
このようにして、ステップS312〜ステップS318の処理を繰り返して実行することにより、プロセッサ21は、ハンドオーバスケジュールに含まれる全てのハンドオーバについての処理を実行する。そして、全てのハンドオーバについての処理が完了したときに、プロセッサ21は、ステップS318の否定判定ルートに従って、リソース残量を推定する処理を終了し、図16に例示したステップS307の処理に戻る。
上述したように、プロセッサ21が、ステップS317の処理を実行することにより、図11に例示した更新部134の機能を実現することができる。また、プロセッサ21が、ステップS317の処理に先立って、ステップS312〜ステップS316の処理を実行することにより、図11に例示した制御部133の機能の一部を実現することができる。つまり、プロセッサ21が上述した処理を実行することにより、制御部133がリソースの予約を実行するために行う振替処理によるリソース残量の変化を先取りしてリソース予測データベース135に反映させることができる。
次に、移動体V内の個々の携帯端末UEに割り当てるリソースを予約する処理を、プロセッサ21がアプリケーションプログラムを実行することによって実現する手法について説明する。
図18は、リソース予約処理のフローチャートの一例を示している。図18に示したステップS321〜ステップS329の各処理は、リソース予約処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、これらのステップS321〜ステップS329の各処理は、プロセッサ21によって実行される。
プロセッサ21は、ハンドオーバスケジュール保持部125に個々の携帯端末UEに対応して保持されたハンドオーバスケジュールに基づいて、図18に示したステップS321〜ステップS330の各処理をそれぞれ実行してもよい。この場合に、プロセッサ21は、各携帯端末UEに割り当てるリソースをハンドオーバスケジュールで示される各基地局BSに対して予約する処理を並行して実行することにより、図1に例示した予約部13の機能を実現することができる。
図18に例示したステップS321において、プロセッサ21は、ハンドオーバスケジュールに含まれるハンドオーバシーケンスの中から、まだリソースの予約処理が完了していないハンドオーバシーケンスを選択する。以下の説明では、選択したハンドオーバシーケンスで示されるハンドオーバ先の基地局BSをリソース予約対象の基地局BSと称する。
次いで、プロセッサ21は、リソース予約対象の基地局BSについて、リソース予測データベース135を参照する(ステップS322)。この参照により、プロセッサ21は、当該ハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻において、リソース予約対象の基地局BSの予測フリーチャネル数Feを取得する。
次に、プロセッサ21は、ステップS322の処理で取得した予測フリーチャネル数Feと上述した閾値Thとを比較することにより、リソース予約対象の基地局BSにおいてリソースの予約が可能か否かを判断する(ステップS323)。
予測フリーチャネル数Feが閾値Th以上である場合に、プロセッサ21は、リソースの予約は可能であると判断する(ステップS323の肯定判定)。ステップS323の肯定判定ルートにおいて、プロセッサ21は、ステップS324,S325、S326の処理をスキップして、ステップS327の処理に進む。
一方、予測フリーチャネル数Feが閾値Thより小さい場合に、プロセッサ21は、リソースの予約ができない可能性があると判断する(ステップS323の否定判定)。ステップS323の肯定判定ルートにおいて、プロセッサ21は、まず、ハンドオーバ先の基地局BSから別の基地局BSにリソースの振替を予約する処理についての振替予約時刻を設定する(ステップS324)。プロセッサ21は、例えば、選択したハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻よりも所定の猶予時間だけ先立つ時刻に、振替予約時刻を設定してもよい。なお、プロセッサ21は、上述した猶予時間として、例えば、1分程度の時間を設定することにより、リソースの振替を円滑に実行することができる。
その後、プロセッサ21は、ステップS325において振替予約時刻まで待機した後に、図15に例示した専用線インタフェース25を介して、ネットワーク制御装置2に対してリソースの振替処理を依頼する(ステップS326)。このステップS326の処理において、プロセッサ21は、例えば、ネットワーク制御装置2を介して、リソース予約対象の基地局BSにおける実際のフリーチャネル数を確認してもよい。そして、プロセッサ21は、実際のフリーチャネル数に基づいて、当該基地局BSがリソース不足であると判断した場合に限って、リソースの振替処理をネットワーク制御装置2に依頼してもよい。このようにして、リソース予約対象の基地局BSのリソースが不足する場合に、図11に例示した制御部133が、この基地局BSに接続中の携帯端末の一部を別の基地局BSにハンドオーバさせる制御を実現することができる。このとき、プロセッサ21は、図17に例示したステップS315の処理と同様にして、基地局データベースDB1に基づいて、リソース予約対象の基地局BSに隣接する基地局BSの中から、振替先となる基地局BSを選択することができる。また、プロセッサ21は、振替先の基地局BSを選択する際に、リソース予約対象の基地局BSに隣接する基地局BSそれぞれについてリソース予測データベース135に保持された情報を利用することができる。
ステップS323の肯定判定ルートと否定判定ルートとは、ステップS327の処理において合流する。このステップS327において、プロセッサ21は、ステップS321で選択したハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻に基づいて設定したリソース予約時刻まで待機する。プロセッサ21は、ネットワーク制御装置2とリソース予約の対象となる基地局BSとの間の情報の授受に要する時間などを考慮して、例えば、予測ハンドオーバ時刻よりも所定の時間だけ先行した時刻をリソース予約時刻に設定してもよい。
そして、上述したリソース予約時刻が到来したときに、プロセッサ21は、ネットワーク制御装置2を介して、リソース予約対象の基地局BSのチャネルを、処理中のハンドオーバスケジュールに対応する携帯端末UEについて予約する(ステップS328)。このとき、プロセッサ21は、予約したチャネルの割当先を示す情報として、割当先の携帯端末UEを示す携帯端末IDと、この携帯端末UEに対応するハンドオーバ元の基地局BSを示す基地局IDとをリソース予約対象の基地局BSに通知してもよい。更に、プロセッサ21は、当該携帯端末UEのハンドオーバ先を示す情報として、この携帯端末UEを示す携帯端末IDとリソース予約対象の基地局BSを示す基地局IDとを上述したハンドオーバ元の基地局BSに通知してもよい。これらの情報を上述した2つの基地局BSに通知することにより、当該携帯端末UEを高い確度でハンドオーバシーケンスに従ってハンドオーバさせることができる。
このようにして、プロセッサ21が、ステップS327,S328の処理を実行することにより、図11に例示した制御部133が、ハンドオーバスケジュールに基づいて、各基地局BSに対してリソースを予約する機能を実現することができる。
その後、プロセッサ21は、処理対象のハンドオーバスケジュールに含まれるハンドオーバシーケンスの中に、未処理のハンドオーバシーケンスがあるか否かを判定する(ステップS329)。未処理のハンドオーバシーケンスがある場合に、プロセッサ21は、ステップS329の肯定判定ルートに従ってステップS321の処理に戻り、新たなハンドオーバシーケンスについての処理を開始する。
そして、ハンドオーバスケジュールに含まれる全てのハンドオーバについての処理が完了したときに、プロセッサ21は、ステップS329の否定判定ルートに従って、このハンドオーバスケジュールについてのリソース予約処理を終了する。
なお、プロセッサ21は、ハンドオーバスケジュールに含まれる各ハンドオーバシーケンスについて、当該ハンドオーバシーケンスに伴うリソース予約にかかわるステップS322〜ステップS328の処理をパラレルに実行してもよい。
図16〜図18を参照しつつ説明したように、プロセッサ21が、リソース管理処理のためのアプリケーションプログラムを実行することにより、本件開示のリソース管理装置10に含まれる収集部11、予測部12および予約部13の機能を実現することができる。
つまり、図15に例示したようなコンピュータ装置に含まれるハードウェアとリソース管理処理のためのアプリケーションプログラムとの協働により、本件開示のリソース管理装置10を実現することができる。
同様に、本件開示のリソース管理システムに含まれる端末装置1もまた、コンピュータ装置を用いて実現することができる。
図19は、端末装置1のハードウェア構成例を示している。なお、図19に示した構成要素のうち、図1又は図13に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図19に例示したコンピュータ装置30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ハードディスク装置(HDD)33と、汎用インタフェース(I/F)34と、無線通信インタフェース35とを含んでいる。なお、図19に例示した汎用インタフェース34は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などである。
また、図19に例示したプロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置33と、汎用インタフェース34と、無線通信インタフェース35とは、バスを介して互いに接続されている。また、このコンピュータ装置30は、無線通信インタフェース35を介して広域無線通信網NWに接続されており、この広域無線通信網NWを介してリソース管理装置10に後述するメッセージを送信することができる。
また、このコンピュータ装置30は、上述した汎用インタフェース34を介して、GPS信号処理部5に接続されている。更に、コンピュータ装置30は、この汎用インタフェース34を介して、例えばk個の近接無線通信器RC1〜RCkに接続されている。これらの近接無線通信器RC1〜RCkとしては、例えば、RFIDインタフェースに従う無線信号を送受信する機器を用いることができる。そして、上述した汎用インタフェース34を介して、コンピュータ装置30は、これらの近接無線通信器Rc1〜RCkがそれぞれ少なくとも一つの携帯端末UEから収集した情報を受け取ることができる。なお、以下の説明において、各近接無線通信器Rc1〜RCkを総称する場合は、単に、近接無線通信器RCと称する。
図19に例示したメモリ32およびハードディスク装置33は、コンピュータ装置30のオペレーティングシステムとともに、コンピュータ装置30によって端末装置1を実現するためにプロセッサ31が実行するアプリケーションプログラムを格納している。なお、このアプリケーションプログラムは、端末装置1による情報取得処理を実現するためのアプリケーションプログラムを含んでおり、例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスクに記録して提供することができる。そして、このリムーバブルディスクを図示しない光学ドライブ装置に装着して読み込み処理を行うことにより、情報取得処理を実行するためのアプリケーションプログラムを、メモリ32およびハードディスク装置33に格納させてもよい。また、インターネットなどのネットワークに接続する通信装置(図示せず)を介して、情報取得処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ32およびハードディスク装置33に読み込ませることもできる。
プロセッサ31は、メモリ32およびハードディスク装置33に格納されたアプリケーションプログラムと汎用インタフェース34及び各近接無線通信器RCとを協働させることにより、図13に例示した受信部3の機能を果たしてもよい。また、プロセッサ31は、メモリ32およびハードディスク33に格納されたアプリケーションプログラムと無線通信インタフェース35とを協働させることにより、図13に例示した送信部4の機能を果たしてもよい。つまり、本件開示のリソース管理システムに含まれる端末装置1は、例えば、図19に例示したコンピュータ装置30とGPS信号処理部5とを用いて実現することができる。
図19に例示した近接無線通信器RC1〜RCkは、端末装置1が搭載されている移動体V内に、例えば、図20に例示するように配置されている。
図20は、移動体内の近接無線通信器RCの配置例を示している。なお、図20において、符号RC1〜RC5は、それぞれ近接無線通信器RCを示し、符号UE−1,UE−2は、それぞれ携帯端末を示す。
また、図20においては、移動体が列車の車両である場合について、好適な近接無線通信器RCの配置の一例である。この例において、近接無線通信器RC2、RC3,RC4は、車内に設けられた網棚を支える柱に設置されており、また、近接無線通信器RC1,RC5は、出入り口の脇の壁面に設置されている。
図20に例示したように設置された近接無線通信器RCによれば、利用者が車内に入ろうとしたときや車内を移動している間などに、利用者の携帯端末UEとの間でRFIDインタフェースによる接続を確立することができる。
なお、図20の例は、左側の人物が持っている携帯端末UE−1と近接無線通信器RC2との間で、RFIDインタフェースによる接続が確立されている様子を示している。また、右側の人物が持っている携帯端末UE−2のように、出入り口の脇に設置された近接無線通信器RC5の近くを通り過ぎる際に、RFIDインタフェースによる情報の取得を実現することもできる。
次に、プロセッサ31がアプリケーションプログラムを実行することによって、端末装置1による情報取得処理を実現する手法について説明する。
図21は、情報取得処理のフローチャートの一例を示している。図21に示したステップS331〜ステップS340の各処理は、リソース予約処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、これらのステップS331〜ステップS340の各処理は、図19に例示したプロセッサ31によって実行される。
ここで、端末装置1が搭載される移動体V内に携帯端末UEが出入りするのは、移動体Vが駅やバス停などの停車場で停車している間に限られるので、プロセッサ31は、移動体Vが停車するごとに、次に述べる処理を実行してもよい。
プロセッサ31は、例えば、汎用インタフェース34を介して各近接無線通信器RCの状態を監視することにより、これらの近接無線通信器RCと携帯端末UEとの接続の確立を待ち受ける(ステップS331)。
プロセッサ31は、汎用インタフェース34を介していずれかの近接無線通信器RCから携帯端末UEとの同期が確立した旨の通知を受け取らなかった場合に、携帯端末UEとの接続が成功しなかったと判断する。この場合に、プロセッサ31は、ステップS332の否定判定ルートに従って、ステップS331の処理に戻り、携帯端末UEとの接続の確立を待ち受ける処理を繰り返す。
一方、携帯端末UEとの同期が確立した旨の通知を受け取ったときに、プロセッサ31は、携帯端末UEとの接続に成功したと判断し、ステップS332の肯定判定ルートに従ってステップS333の処理に進む。
ステップS333において、プロセッサ31は、汎用インタフェース34および上述した通知の送信元の近接無線通信器RCを介して、当該近接無線通信器RCと接続している携帯端末UEに対して携帯端末IDと電子乗車カードIDの送信を要求する。このように、プロセッサ31が、ステップS333の処理を実行することにより、図13に例示した情報要求部7の機能を実現することができる。
次いで、プロセッサ31は、ステップS331と同様にして、携帯端末UEからの応答の受信を待ち受ける(ステップS334)。プロセッサ31は、汎用インタフェース34及び近接無線通信器RCを介して、接続中の携帯端末UEからの応答を受け取るまで、ステップS334,S335の処理を繰り返し、応答を待ち受ける処理を継続する。
一方、汎用インタフェース34及び近接無線通信器RCを介して、接続中の携帯端末UEからの応答を受信したときに、プロセッサ31は、応答の受信に成功したと判断し、ステップS336の処理に進む。
ステップS336において、プロセッサ31は、汎用インタフェース34及び近接無線通信器RCを介して受け取った応答から、携帯端末ID及び電子乗車カードIDを示す情報を抽出する。プロセッサ31は、例えば、携帯端末UEからの応答に含まれるSIMカードIDおよび電子乗車カードIDとを、それぞれ携帯端末ID及び電子乗車カードIDとして抽出する。このように、プロセッサ31が、ステップS334〜ステップS336の処理を汎用インタフェース34及び近接無線通信器RCと協働して実行することにより、図13に例示した近接通信インタフェース6の機能を実現することができる。
次に、プロセッサ31は、上述したようにして抽出した携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアを、メモリ32あるいはハードディスク装置33に蓄積する(ステップS37)。このステップS337の処理において、プロセッサ31は、ステップS336の処理で抽出した携帯端末ID及び電子乗車カードIDのペアを蓄積する前に、このペアと既に蓄積されている携帯端末ID及び電子乗車カードIDのペアとを照合してもよい。そして、照合結果に基づいて、メモリ32あるいはハードディスク装置33に同一の携帯端末UEに対応する携帯端末ID及び電子乗車カードIDのペアが重複して蓄積されないように制御してもよい。
その後、プロセッサ31は、端末装置1が搭載されている移動体Vが駅やバス停などの停車場を発車したか否かを判定する(ステップS338)。プロセッサ31は、例えば、汎用インタフェース34を介してGPS信号処理部5で得られた位置情報を定期的に取得し、取得した位置情報に基づいて、移動体Vが移動を開始したか否かを判定してもよい。
位置情報などによって、移動体Vがまだ停車中であることが示された場合に、プロセッサ31は、ステップS338の否定判定ルートに従って、ステップS331の処理に戻り、新たに接続される携帯端末UEを待ち受ける。一方、位置情報などによって、移動体Vが発車したことが示された場合に、プロセッサ31は、ステップS338の肯定判定ルートに従って、ステップS339の処理に進む。
ステップS339において、プロセッサ31は、GPS信号処理部5で得られた位置情報と上述したようにして蓄積した携帯端末ID及び電子乗車カードIDのペアとを含むメッセージを作成する。次いで、プロセッサ31は、無線通信インタフェース35を介して、上述したステップS339の処理で作成したメッセージをリソース管理装置10に対して送信する(ステップS340)。このように、プロセッサ31が、無線通信インタフェース35と協働しつつ、ステップS339及びステップS340の処理を実行することにより、図13に例示した送信部4の機能を実現することができる。
なお、プロセッサ31は、近接無線通信器Rcを介して携帯端末UEから携帯端末IDと電子乗車カードIDとのペアを取得する処理を、移動体Vの停車中に限らず、移動体Vが走行中にも継続して実行してもよい。
図21を参照しつつ説明したように、プロセッサ31がコンピュータ装置30のハードウェアと情報取得処理のためのアプリケーションプログラムとを協働させることにより、本件開示の端末装置1に含まれる各部の機能を実現することができる。
また、本件開示のリソース管理システムは、次に述べるように、既存の携帯端末に対してソフトウェアの一部の変更を適用することによって、既存の携帯端末に対するサービスを提供することができる。
図22は、携帯端末UEのハードウェア構成の一例を示している。なお、図22に示した構成要素のうち、図1又は図13に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図22に例示した携帯端末UEは、プロセッサ41と、メモリ42と、ユーザインタフェース(I/F)部43と、電子決済機能部45と、無線通信インタフェース44と、SIMカード46とを含んでいる。
また、図22に例示したプロセッサ41と、メモリ42と、ユーザインタフェース部43と、電子決済機能部45と、無線通信インタフェース44と、SIMカード46とは、バスを介して互いに接続されている。上述した電子決済機能部45は、内部に含んでいるRFIDインタフェース48を用いて、図19に例示した近接無線通信器RCに接続する機能を有している。また、この電子決済機能部45は、内部メモリ47を含んでおり、この内部メモリ47に電子乗車カードIDを保持している。
この携帯端末UEは、無線通信インタフェース44を介して広域無線通信網NWに接続されており、ユーザインタフェース部43を介して、利用者に音声通話を含む様々なサービスを提供することができる。なお、図22に例示したユーザインタフェース部43は、操作パネルあるいはタッチパネル及び液晶ディスプレイなどの入出力装置を含んでいる。
また、図22に例示したSIMカード46は、内部に設けられたメモリに、携帯端末UEの利用者に関する契約情報とともに、自身のSIMカードIDを保持している。
また、本件開示のリソース管理システムは、マルチホップシステムを利用して広域無線通信網NWに接続する携帯端末UEに対しても適用することができる。
図23は、携帯端末UEのハードウェア構成の別例を示している。なお、図23に示した構成要素のうち、図22に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図23に例示した携帯端末UEは、移動体Vに設置されたリピータRPを介して広域無線通信網NWに接続されている点で、図22に例示した携帯端末UEと異なっている。
図23に例示したメモリ42は、携帯端末UEのオペレーティングシステムとともに、携帯端末UEを端末装置1からの要求に応答させるためにプロセッサ41が実行するアプリケーションプログラムを格納している。なお、このアプリケーションプログラムは、例えば、RFID通信処理のためのアプリケーションプログラムに情報取得処理のためのアプリケーションプログラムを付加することによって実現することができる。なお、上述した情報取得処理のためのアプリケーションプログラムは、例えば、無線通信インタフェース44を介して、メモリ42に読み込ませることもできる。
プロセッサ41は、メモリ42に格納された情報取得処理のためのアプリケーションプログラムを実行することにより、電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48を、図13に例示した近接通信インタフェース8として動作させてもよい。また、プロセッサ41は、上述した情報取得処理のためのアプリケーションプログラムを実行することにより、電子決済機能部45に含まれる内部メモリ47及びSIMカード46の内部に設けられたメモリを、図13に例示したユーザ情報保持部9として扱うことができる。
次に、プロセッサ41が情報取得処理を含むRFID通信処理のためのアプリケーションプログラムを実行することによって、端末装置1からの情報要求による携帯端末UEからの情報取得を実現する手法について説明する。
図24は、RFID通信処理のフローチャートの一例を示している。図24に示したステップS341〜ステップS349の各処理は、RFID通信処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる処理の一例である。また、これらのステップS341〜ステップS349の各処理は、図22又は図23に例示したプロセッサ41によって実行される。
まず、プロセッサ41は、例えば、電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48の状態を監視することにより、電子決済機能部45と近接無線通信器RCとの接続の確立を待ち受ける(ステップS341)。
プロセッサ41は、ステップS341の処理の過程で近接無線通信器RCとの同期が確立した旨の通知を電子決済機能部45から受け取らなかった場合に、近接無線通信器RCとの接続が成功しなかったと判断する。この場合に、プロセッサ41は、ステップS342の否定判定ルートに従って、ステップS341の処理に戻り、近接無線通信器RCとの接続の確立を待ち受ける処理を繰り返す。
一方、近接無線通信器RCとの同期が確立した旨の通知を受け取ったときに、プロセッサ31は、近接無線通信器RCとの接続に成功したと判断し、ステップS342の肯定判定ルートに従ってステップS343の処理に進む。
ステップS343において、プロセッサ41は、ステップS341と同様にして、近接無線通信器RCからの要求を待ち受ける。プロセッサ41は、ステップS343の処理の過程における電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48の状態に基づいて、近接無線通信器RCからの要求を受信したか否かを判定する(ステップS344)。
電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48の状態変化によって、近接無線通信器RCからの要求を受信した旨が示されないときに、プロセッサ41は、ステップS344の否定判定ルートに従ってステップS343の処理に戻る。この場合に、プロセッサ41は、上述したステップS343、ステップS344の処理を繰り返す。一方、電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48の状態変化によって、近接無線通信器RCからの要求を受信した旨が示されたときに、プロセッサ41は、ステップS344の肯定判定ルートに従ってステップS345の処理に進む。
このステップS345において、プロセッサ41は、例えば、受信した要求の内容を示すコードなどに基づいて、受信した要求が端末装置1からの要求が否かを判定する。
ステップS345の肯定判定ルートにおいて、プロセッサ41は、図24に例示したステップS346,S347の処理を実行することによって、情報取得処理を実現することができる。
まず、プロセッサ41は、例えば、SIMカード46からSIMカードIDを携帯端末IDとして収集し、また、電子決済機能部45内の内部メモリ47から電子乗車カードIDを収集する(ステップS346)。次いで、プロセッサ41は、収集した携帯端末IDと電子乗車カードIDのペアを、電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48を介して要求元の近接無線通信器RCに送信する(ステップS347)。
一方、上述したステップS345の否定判定ルートにおいて、プロセッサ41は、変更前のRFID通信処理と同様にして、要求に応じて処理を実行する(ステップS348)。
ステップS345の肯定判定ルートと否定判定ルートとは、ステップS349において合流する。このステップS349において、プロセッサ41は、例えば、ユーザインタフェース部43を介して携帯端末UEの電源をオフする旨が指示されたか否かを判定する。
まだ、電源のオフが指示されていない場合に、プロセッサ41は、ステップS349の否定判定ルートに従ってステップS341の処理に戻り、電子決済機能部45に含まれるRFIDインタフェース48を介した新たな接続を待ち受ける。一方、電源のオフが指示された場合に、プロセッサ41は、ステップS349の肯定判定ルートに従って、RFID通信処理を終了する。
携帯端末ID及び電子乗車カードIDについての要求であるか否かを判定する。
このように、プロセッサ41が電子決済機能部45と情報取得処理のためのアプリケーションプログラムとを協働させることにより、既存の携帯端末UEを本件開示のリソース管理システムに適合させることができる。
なお、携帯端末UEと端末装置1との間での情報の授受は、RFIDインタフェースに限らず、例えば、Bluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared Data Association)などの近接無線通信のためのインタフェースを用いて実現してもよい。
以上に説明した本件開示のリソース管理装置10を含むリソース管理システムは、既存の広域無線通信網と協働した動作が可能である。次に、本件開示のリソース管理システムと広域無線通信網との協働について説明する。
図25、図26は、本件開示のリソース管理システムによるリソース管理処理を説明するシーケンス図である。なお、図25及び図26に示した要素のうち、図2または図13に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図25に示した符号REQは、端末装置1から携帯端末UEに対するRFIDインタフェースを用いて情報要求を示している。また、符号RESは、この情報要求REQに対して携帯端末UEから返される応答を示している。
端末装置1は、このようにして取得した各携帯端末UEに関する情報を含むメッセージMES1作成し、作成したメッセージMES1を、図15に例示した広域無線通信網NWを介してリソース管理装置10に送信する。このメッセージMES1の受信に応じて、リソース管理装置10は、ハンドオーバスケジュールの予測処理P1を実行することにより、各携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールを作成する。次いで、リソース管理装置10は、ハンドオーバスケジュールの予測処理P1で作成したハンドオーバスケジュールに基づいて、各基地局BSにおけるリソース残量を推定する処理P2を実行する。このリソース残量を推定する処理P2で得られた結果と各携帯端末UEについて予測されたハンドオーバスケジュールとに基づいて、リソース管理装置10は、各携帯端末UEに対して各基地局BSにおいて割り当てるべきリソースを予約する処理を実行する。
以下の説明では、上述したようにして予測された携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールに基づいて、基地局BS−Dに対してリソースの予約を行う際のリソース管理装置10と広域無線通信網との協働について説明する。
リソース管理装置10は、例えば、図25において符号「td1−dt」で示した時刻に、基地局BS−Dに対してリソースを予約するために実行する一連の処理を開始する。なお、上述した時刻は、携帯端末UEに対応するハンドオーバスケジュールに含まれる基地局BS−Bから基地局BS−Dへのハンドオーバシーケンスに対応する予測ハンドオーバ時刻td1と所定の猶予時間dtとに基づいて予め設定してもよい。また、図25において、符号「COM」を付した矢印は、携帯端末UEが基地局BS−Bに接続中であることを示している。
リソース管理装置10は、まず、ネットワーク制御装置2を介して、上述したハンドオーバシーケンスによってハンドオーバ元であることが示された基地局BS−Bに、携帯端末UEを基地局BS−Dにハンドオーバさせる旨を通知する。この通知は、図25において符号「INF1」で示したリソース管理装置10からネットワーク制御装置2への情報通知と、符号「ODR1」を付して示したネットワーク制御装置2から基地局BS−Bへの指示とによって実現してもよい。この通知に応じて、基地局BS−Bは、取得した携帯端末UEのハンドオーバ先に関する情報を内部のメモリに保持する処理P3を実行する。
また、リソース管理装置10は、ネットワーク制御装置2を介して、上述したハンドオーバシーケンスによってハンドオーバ先であることが示された基地局BS−Dに、携帯端末UEに割り当てるリソースを予約する旨を通知する。この通知は、図25において符号「INF2」で示したリソース管理装置10からネットワーク制御装置2への情報通知と、符号「ODR2」を付して示したネットワーク制御装置2から基地局BS−Bへの指示とによって実現してもよい。また、リソース管理装置10は、この通知に、携帯端末UEを特定する情報として、携帯端末IDとハンドオーバ元の基地局BS−Bを示す基地局IDとを含めることが望ましい。この通知に応じて、基地局BS−Dは、取得した携帯端末UEを特定する情報に基づいて、この携帯端末UEに割り当てる予約リソースを確保する処理P4を実行する。
このようにして、携帯端末UEが基地局BS−Bとの接続を維持している間に、この携帯端末UEが次にハンドオーバされることが予測されている基地局BS−dに対して、この携帯端末UEに割り当てるリソースを予約することができる。
なお、予測されるハンドオーバ先の基地局BS−Dにおけるリソース残量が不足することが推定されている場合に、リソース管理装置10は、ネットワーク制御装置2を介して基地局BS−Dに接続中の携帯端末の一部を別の基地局BSに振り替えてもよい。基地局BS−Dにおけるリソース残量の推定結果は、上述したリソース残量の推定処理P2の実行が終了した時点で分かっているので、リソース管理装置10は、基地局BS−Dについてのリソースの振替処理を、符号「td1−dt」で示した時刻よりも前に実行することが可能である。
次に、図26を参照しつつ、上述したようにしてリソース管理装置10が通知した情報に基づいて、基地局BS−B、BS−Dとの協働により、携帯端末UEについてハンドオーバシーケンスに従うハンドオーバを実現する動作について説明する。
図26において、符号「COM1」は、図25に同一の符号で示した携帯端末UEと基地局BS−Bとの接続が継続中であることを示している。その後、符号「td1」で示した予測ハンドオーバ時刻の前後において、携帯端末UEの利用者が乗車している移動体V1が図5に例示したようにして基地局BS−Bから基地局BS−Dへのハンドオーバ地帯に進入する。この移動体V1の移動に伴って、携帯端末UEは、図26において符号P5で示すように、受信レベルの低下を検出する。
この受信レベルの低下の検出に応じて、携帯端末UEは、接続中の基地局BS−Bに対して、ハンドオーバ先を示すネイバーリストを要求するメッセージMES2を送信する。このメッセージMES2の受信に応じて、基地局BS−Bは、上述した処理P3で保持した情報に基づいて、ハンドオーバ先の基地局BS−Dに対して、携帯端末UEをハンドオーバさせる旨のメッセージMES3を送信する。
そして、このメッセージMES3の受信に応じて、基地局BS−Dは、上述した処理P4で予約したリソースを、携帯端末UEに割り当てる処理P6を実行する。その後、基地局BS−Dは、ハンドオーバ処理を開始した旨の情報と携帯端末UEに割り当てたチャネル周波数を示す情報と含むメッセージMES4を基地局BS−Bに送信する。
このメッセージMES4の受信に応じて、基地局BS−Bは、携帯端末UEに対して、基地局BS−Dをハンドオーバ先として指定したハンドオーバ指示と基地局BS−Dから通知されたチャネル周波数とを含むメッセージMES5を送信する。
携帯端末UEは、このメッセージMES5の受信に応じて、通知された新しいチャネル周波数に対してチューニングする処理P7を実行する。そして、この処理P7の完了後に、基地局BS−Dとの間の接続COM2を確立する。
このようにして、携帯端末UEとの間の接続COM2を確立した後に、基地局BS−Dは、基地局BS−Bに対してハンドオーバ処理が完了した旨を通知するメッセージMES6を送信する。そして、このメッセージMES6の受信に応じて、基地局BS−Bは、携帯端末UEに割り当てられていたリソースを解放する処理P8を実行する。
このようにして、本件開示のリソース管理装置10が各基地局BS−B,BS−Dに通知した情報を用いて、携帯端末UEをハンドオーバシーケンスに従って円滑にハンドオーバさせることができる。
図25および図26に例示した通信手順のうち、携帯端末UEと基地局BS−Bおよび基地局BS−Dとの間の通信手順は、既存の広域無線通信網における通信手順と同等である。つまり、本件開示のリソース管理システムは、既存の広域無線通信網における携帯端末UEと基地局BSとの間の通信手順の変更なしに実現することが可能である。
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1) 所定の運行経路を所定の運行スケジュールに従って移動する移動体に搭載された端末装置から、前記移動体の位置を示す情報と、前記移動体内の携帯端末の識別情報とを含む情報を収集する収集部と、
前記収集部で得られた情報と前記移動体の運行経路および運行スケジュールを示す情報と広域無線通信網に含まれる複数の基地局の位置を示す情報とに基づいて、前記携帯端末が前記移動体の運行に伴って移動する過程において当該携帯端末にかかわる通信がハンドオーバされる少なくとも一つの前記基地局について、前記携帯端末がハンドオーバされる順序および前記ハンドオーバが実行される時刻を示すハンドオーバスケジュールを予測する予測部と、
前記ハンドオーバスケジュールに基づいて、前記各基地局に対して前記携帯端末へのリソースの割り当てを予約する予約部と
を備えたことを特徴とするリソース管理装置。
(付記2) 付記1に記載のリソース管理装置において、
前記予約部は、
少なくとも一つの前記移動体内の携帯端末について前記予測部によってそれぞれ予測されたハンドオーバスケジュールに基づいて、前記各基地局において割り当て可能なリソース残量の、前記移動体の運行に伴う変動を推定する推定部と、
前記推定部によって得られた推定結果に基づいて、前記ハンドオーバスケジュールに基づいてリソースの割り当てを予約する処理を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記リソースの割り当てを予約する先の基地局について得られた推定結果により、当該基地局において前記リソースの供給が不足となる可能性が示された場合に、前記リソースの割り当ての予約に先立って、当該基地局に接続している携帯端末の一部を当該基地局に隣接する別の基地局のいずれかにハンドオーバさせる制御を行う
ことを特徴とするリソース管理装置。
(付記3) 付記2に記載のリソース管理装置において、
前記推定部は、
前記基地局ごとに、前記予測部によって予測された前記ハンドオーバスケジュールに含まれる当該基地局をハンドオーバ先あるいはハンドオーバ元とするハンドオーバの実行が予測された時刻に対応して、当該基地局において割り当て可能なリソースの残量を示す情報を保持するリソース予測データベースと、
前記各携帯端末について予測された前記ハンドオーバスケジュールに基づいて、当該ハンドオーバスケジュールに含まれる各ハンドオーバによるハンドオーバ先の基地局について、当該ハンドオーバについて予測された時刻に対応して前記リソース予測データベースに保持されたリソースの残量を示す情報を、当該携帯端末への割り当てを予約するリソース量に基づいて更新する更新部とを有する
ことを特徴とするリソース管理装置。
(付記4) 付記1に記載のリソース管理装置において、
前記収集部は、前記移動体内の携帯端末に搭載されている電子乗車カードの識別情報を、前記端末装置からの情報の一部として収集し、
前記予測部は、電子乗車カードの識別情報に対応する乗車区間について、対応する携帯端末のハンドオーバスケジュールを予測する
ことを特徴とするリソース管理装置。
(付記5) 所定の運行経路を所定の運行スケジュールに従って移動する移動体に搭載された端末装置と、
前記端末装置から収集した情報に基づいて、広域無線通信網に含まれる各基地局に対してリソースの予約を制御するリソース管理装置とを備え、
前記端末装置は、
前記移動体に乗車した利用者の携帯端末から、当該携帯端末の識別情報を含む情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した情報と前記移動体の位置を示す情報とを前記リソース管理装置に送信する送信部とを有し、
前記リソース管理装置は、
前記端末装置の前記送信部によって送信される情報を収集する収集部と、
前記収集部で得られた情報と前記移動体の運行経路および運行スケジュールを示す情報と広域無線通信網に含まれる複数の基地局の位置を示す情報とに基づいて、前記携帯端末が前記移動体の運行に伴って移動する過程において当該携帯端末にかかわる通信がハンドオーバされる少なくとも一つの前記基地局について、前記携帯端末がハンドオーバされる順序および前記ハンドオーバが実行される時刻を示すハンドオーバスケジュールを予測する予測部と、
前記ハンドオーバスケジュールに基づいて、前記各基地局に対して前記携帯端末へのリソースの割り当てを予約する予約部とを有する
ことを特徴とするリソース管理システム。
(付記6) 付記5に記載のリソース管理システムにおいて、
前記端末装置に含まれる受信部は、
前記移動体内に設置された近接無線通信器を有し、
前記近接無線通信器を介して、前記移動体に乗車中の利用者の携帯端末に搭載された電子乗車カードの識別情報を取得し、
前記リソース管理装置に含まれる前記収集部は、前記移動体内の携帯端末に搭載されている電子乗車カードを識別する情報を、前記端末装置からの情報の一部として収集し、
前記リソース管理装置に含まれる前記予測部は、電子乗車カードを識別する情報に対応する乗車区間について、対応する携帯端末のハンドオーバスケジュールを予測する
ことを特徴とするリソース管理システム。
(付記7) 所定の運行経路を所定の運行スケジュールに従って移動する移動体に搭載された端末装置から、前記移動体の位置を示す情報と、前記移動体内の携帯端末が当該移動体内に滞在し続ける区間を示す情報とを含む情報を収集し、
前記収集処理によって得られた情報と前記移動体の運行経路および運行スケジュールを示す情報と広域無線通信網に含まれる複数の基地局の位置を示す情報とに基づいて、前記携帯端末が前記移動体の運行に伴って移動する過程において当該携帯端末にかかわる通信がハンドオーバされる少なくとも一つの前記基地局について、前記携帯端末がハンドオーバされる順序および前記ハンドオーバが実行される時刻を示すハンドオーバスケジュールを予測し、
前記ハンドオーバスケジュールに基づいて、前記各基地局に対して前記携帯端末へのリソースの割り当てを予約する
ことを特徴とするリソース管理方法。
(付記8) 所定の運行経路を所定の運行スケジュールに従って移動する移動体に搭載された端末装置から、前記移動体の位置を示す情報と、前記移動体内の携帯端末が当該移動体内に滞在し続ける区間を示す情報とを含む情報を収集し、
前記収集処理によって得られた情報と前記移動体の運行経路および運行スケジュールを示す情報と広域無線通信網に含まれる複数の基地局の位置を示す情報とに基づいて、前記携帯端末が前記移動体の運行に伴って移動する過程において当該携帯端末にかかわる通信がハンドオーバされる少なくとも一つの前記基地局について、前記携帯端末がハンドオーバされる順序および前記ハンドオーバが実行される時刻を示すハンドオーバスケジュールを予測し、
前記ハンドオーバスケジュールに基づいて、前記各基地局に対して前記携帯端末へのリソースの割り当てを予約する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするリソース管理プログラム。