JP2013171154A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CARS顕微鏡光学装置で生体物質等の観察物体への照射光量を増加させずに、高分解能と信号雑音比の向上を図る。
【解決手段】 観察物体202からのCARS光と、スーパーコンティニューム光の一部であって波長がωAS=2ωPST である参照光とを干渉させ、干渉光から信号を取り出すことにより、信号を増幅させる。
【選択図】図1

Description

本発明は光学的な分解能を要する光学装置に関し、特に光ビームを絞り込み、光ビームの観物体に対する照射位置を相対的に変化させて応答信号を取得する光学装置に関する。
ラマン分光顕微鏡は生物関連の試料を観察するのに非常に有効である。ラマン分光顕微鏡では、観察対象に絞り込んだレーザ光を照射し、発生するラマン散乱光を検出する。ラマン散乱光は励起光波長から周波数シフトしており、分光器等でスペクトルを取る。観察対象と照射ビームの位置を相対的に変え、走査することでそれぞれの位置での分光スペクトルを得ることができる。このスペクトルをもとに画像化が可能である。それぞれの観察位置でのラマンスペクトルは、そこに存在する分子の振動励起状態を反映したものとなっており、その分子に特徴的なものとなっている。そのスペクトルの特徴を利用することで、生物の細胞を観察しているのであれば、組織内での生体分子の分布が分かる。
図2にラマン散乱が起こる過程を示すエネルギー準位図を示す。ラマン散乱にはストークス散乱とアンチストークス散乱とがあるが、図2ではストークス散乱のみを示した。701は分子の振動基底状態を表し、702は振動励起状態を表す。周波数ωPのポンプ光を分子に照射すると、中間状態703を経て、周波数ωの光を散乱する。このとき、分子は702振動励起状態の一つに帰着する。散乱光の周波数ωSはポンプ光より周波数の低いストークス光となっている。分子の振動励起状態の準位は複数あり、分子の種類によって振動励起状態が異なり、また中間状態から振動励起状態の準位への遷移確率が異なるため、分子特有のスペクトルが形成される。ラマンシフト周波数ΩはΩ=ωP−ωSで表され、ストークス散乱の場合は正の値となる。アンチストークス光の場合は、始状態が分子の振動励起状態であり、中間準位を経て分子の状態が振動基底状態に帰着する。この場合、ωASをアンチストークス光の周波数とすると、ωP<ωASとなっており、すなわちアンチストークスラマン散乱光の方がポンプ光より周波数が高い。
上記のラマン散乱は得られる散乱光の強度が弱いため測定に時間がかかる。強い散乱光が得られる方式として、CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering:コヒーレント反ストークスラマン散乱)という非線形ラマン散乱を使用する分光方法がある。この方法でもラマンスペクトルを得ることが可能であり、分子の振動状態が分かる。CARSの発生のためにはピークパワーの高いパルスレーザを用いる。これにより、ラマン散乱と比べて桁違いに強い信号が得られ、すなわち高い信号雑音比の信号が得られ、計測時間が格段に短くすることができる。
CARSは3次の分極による発光であり、CARSを発生させるためには、ポンプ光、ストークス光、プローブ光が必要とされる。一般的には、光源の数を少なくするために、プローブ光はポンプ光で代用される。この場合、誘起される3次の分極は
Figure 2013171154
で表される。ここに、χr (3)AS)は3次の電気感受率の分子振動の共鳴項であり、χnr (3)は非共鳴項である。また、ポンプ光およびプローブ光の電場をEPで表し、ストークス光の電場はESで表されている。非共鳴項は周波数依存性がない。数1のESの肩についたアスタリスクは複素共役を示す。CARS光の強度は以下のように表される。
Figure 2013171154
CARS光が発生する機構を分子のエネルギー準位図(図3)を用いて説明する。本図は共鳴項のプロセスを示している。図1と同様に、701は分子の振動基底状態を表し、702は振動励起状態を表す。周波数ωPのポンプ光と周波数ωSのストークス光を同時に照射する。このとき分子は中間状態703を介して、702のある振動励起準位に励起される。この励起状態にある分子に周波数ωPのプローブ光を照射すると、中間状態704を介して周波数ωASのCARS光を発生しながら、分子は振動基底状態に戻る。このときのCARS光の周波数はωAS=2・ωP−ωSと表される。
数1の非共鳴項に関係する一つのプロセスを図4に示す。ストークス光の周波数が振動励起状態ではなく、中間状態705を介したプロセスとなる。周波数ωPのポンプ光と周波数ω'Sのストークス光の同時照射により電子等の関与する705の中間状態が励起され、さらに周波数ω'Pのプローブ光を照射することにより、中間状態704を介して周波数ωASの非共鳴のCARS光が発生する。パルス幅の狭いレーザ光をストークス光として使用した場合などは、幅広い周波数の光が照射されることになるので、図4における周波数ω'Pやω'Sなどの光が含まれることがある。これらの共鳴CARS光と非共鳴CARS光とは互いにコヒーレントであり、干渉することになる。
ラマン散乱は1928年に発見されて以来、各種の分子についてスペクトルの研究がなされており、データの蓄積が進んでいる。したがって、このスペクトルデータを参照して分子の同定を行うのが望ましい。CARS光は数1、2で表されるが、ラマン散乱スペクトルに比例する部分はIm[χr (3)AS)]である。これは共鳴項の複素部分であり、前述したように、非共鳴項χnr (3)と干渉するので、CARSで得られるスペクトルではラマン散乱スペクトルIm[χr (3)AS)]を直接得ることができない。
CARSスペクトルからラマン散乱スペクトルを抽出する方法の開発は重要な課題であり、いろいろな方式が開発されている(非特許文献1)。たとえば、強度スペクトルから位相スペクトルを回復する方法である最大エントロピー法では数学的な計算を行い、共鳴項の複素部分を求める。あるいは、干渉を利用する方法もある(非特許文献2)。この方法では、ポンプ光とストークス光を集光レンズで同時に観察試料に絞り込み、CARS信号を発生させる。他方、非共鳴のCARS信号を発生する別試料にポンプ光とストークス光を照射し、非共鳴CARS信号を得る。非共鳴CARS信号をローカル光とし、両者のCARS信号を干渉させる。非共鳴信号のローカル光にはλ/4板により円偏光とし、観察試料からのCARS光はλ/2板により偏光方向を45度回転させる。これらのビームの干渉光を2本のビームに偏光分離し、それぞれを分光器で分光する。観察試料からのCARSの電場をEAS (ω)としローカル光の電場をELOとすると、それぞれの干渉信号は
Figure 2013171154
Figure 2013171154
となる。ここに、Φ(ω)はローカル光とCARS信号光の位相差を表しており、Φ(ω)=ωτ+θS(ω)+θinst(ω)のように表される。ωτは二つの光の光路差、θS(ω)は共鳴光による位相差、θinst(ω)は装置に由来する位相差である。数3、4における|ELO|2および| EAS (ω)|2は一方を遮断することで求めることが可能である。したがって、数3、4からtanΦ(ω) が求められ、Φ(ω)も決めることができる。まず、観察試料として非共鳴CARS光だけを発生する試料を測定することで、ωτ+θinst(ω)を決めておく。次に、共鳴CARSを発生する観察試料を測定する。これによりθS(ω)を決めることができるので、共鳴成分の複素数部分は| EAS (ω)|sinθS(ω)として求めることができる。これにより、ラマン散乱スペクトルに相当するものを得ることができる。
上述の方法は非共鳴CARS光を発生する試料を用いて正確にωτ+θinst(ω)を決める方法である。しかし、θinst(ω)の周波数依存性が小さい場合で,あらかじめ得られるCARSスペクトのピーク周波数やスペクトルが平坦となる周波数が分かっているのであれば、そのスペクトルを実現するための初期値としてのθinst(ω)を設定すればよい。この場合は、非共鳴CARS光を発生する参照試料が不要となる。
分子構造に敏感なスペクトル領域として指紋領域と呼ばれるラマン散乱スペクトル領域(1800から800 cm-1)がある。CARS光の検出においても同様な領域のスペクトルが得られることが望ましい。非特許文献1に紹介した方式では励起用のストークス光のスペクトル幅が140 cm-1程度であり、この領域をカバーできない。この欠点を補うために、光源にフォトニックファイバを使用する方式が、非特許文献3に紹介されている。フォトニックファイバに超短パルスレーザを照射することでスーパーコンティニューム光(SC光)と呼ばれるブロードバンドの光を発生させ、ストークス光として使用するものである。
J. P. R. Day, K. F. Domke, G. Rago, H. Kano, H. Hamaguchi, E. M. Vartiainen, and M. Bonn "Quantitative Coherent Anti-Stokes Scattering (CARS) Microscopy," J. Phys. Chem. B, Vol. 115, 7713-7725 (2011) C. L. Evans, E. O. Potma, X. S. and Xie, "Coherent Anti-Stokes Raman Scattering Spectral Interferometry: Determination of the Real and Imaginary Components of Nonlinear Susceptibility χ(3) for Vibrational Microscopy," Opt. Lett. Vol. 29, 2923-2925 (2004) M. Okuno, H. Kano, P. Leproux, V. Couderc, J. P. R. Day, M. Bonn, and H. Hamaguchi, "Quantitative CARS Molecular Fingerprintig of Single Living Cells with the Use of the Maximum Entropy Method," Angew. Chem. Int. Ed. Vol. 49, 6773-6777 (2010)
CARSで生体細胞を観察するときに有用とされる点に「非侵襲」がある。CARSを発生させるためには、ポンプ光とストークス光の超短パルス光を同時に照射することになるが、一般的にCARSで使用される両励起光の波長は生体細胞で吸収されない波長を使用する。したがって、ピークパワーが低い状態では「非侵襲」であり、細胞を傷つけないと云える。しかし、ピークパワーを上げすぎるとマルチフォトンプロセスが起こり細胞に影響を与える可能性があり、「非侵襲」といえども生体細胞に照射するピークパワーは低い方が望ましい。本発明の課題は、励起光のピークパワーを抑えた条件で発生する弱いCARS信号の信号雑音比を向上させ、かつ高い空間分解能を実現することにある。
上述の課題を解決するための光学装置は、波長ωPの第1のレーザ光と、前記レーザとコヒーレントな関係を維持している波長ωSTの第2のレーザ光と、スーパーコンティニューム光の一部であって、波長がωAS=2ωPSTである参照光としての第3のレーザ光と、第1、第2のレーザ光をほぼ同軸状に一致させる光学系と、第1、第2のレーザ光の位相を調整する機構と、前記第1、第2のレーザ光を集光する対物レンズと、観察試料から発生したCARS光を検出する対物レンズと、前記CARS光と前記第3のレーザ光とを干渉させる干渉光学系と、干渉光を検出する光検出器と、前記光検出器からの信号を処理する演算装置とで実現される。光学装置に表示装置が組み込まれている場合には、更に、前記演算装置の情報に基づいて画像を表示する表示装置を有する。
さらに、前記光学装置でCARSスペクトルを取るために、第1または第2のレーザを波長可変としてもよい。
さらに、前記光学装置でCARSスペクトルを取るために、第2のレーザを広帯域とし、干渉光の分光検出のために分光器を使用してもよい。
さらに、前記光学装置において、空間分解能を向上させるために、参照光の光路中に光学フィルタを設置してもよい。
本発明によると、照射レーザ光のパワーデンシティを小さくした状態でも、観察物体からのCARS光と参照光とを干渉させ、干渉光から信号を取り出すことにより、信号を増幅できる。これにより、非侵襲を維持し、信号雑音比を向上させ、かつ空間分解能を向上させることが出来る。
本発明による光学装置の一例を示す図。 通常のラマン散乱におけるストークス散乱のエネルギー準位図。 CARSにおけるエネルギー準位図。 CARSにおける非共鳴光の一例を説明するエネルギー準位図。 パルスレーザ光の周波数スペクトル。 スーパーコンティニューム光の周波数スペクトル。 ストークス光として使用されるスーパーコンティニューム光の低周波数領域の周波数スペクトル。 参照光として使用されるスーパーコンティニューム光の高周波数領域の周波数スペクトル。 光学フィルタの形状の一例を示す図。 本発明による光学装置の一例を示す図。 本発明による光学装置の一例を示す図。 本発明による光学装置の一例を示す図。
以下、本発明の光学装置を実施するための最良の形態を、図を用いて説明する。
図1に、本発明に基づく光学装置を示す。141はパルスレーザ光源であり、図5のスペクトルで示す中心波長ωPのレーザ光161(第1の光)を出射する。出射レーザ光の偏光方向はs偏光であり、251のビームスプリッタで2つのビームに分けられる。ビームスプリッタを透過したビームはフォトニック結晶ファイバー142に入射する。入射光はSC光と呼ばれる図6の162のスペクトルで示すような光に変換される。ここではフォトニック結晶ファイバーによりSC光を得ているが、分散フラット/減少ファイバ、双方向テーパファイバ等の他の手段でSC光を得ることも可能である。SC光は励起光周波数ωPを含んだ広い範囲に及び、コヒーレントな性質は保持されている。このSC光はダイクロイックミラー257で周波数ωPを境に二つのビームに分けられる。すなわち、このダイクロイックミラーを図7の163で示される領域の低い周波数の光は透過し、図8の164のスペクトルで示される領域の高い周波数の光は反射される。ダイクロイックミラー257の透過光(第2の光)はミラー259で反射され、ダイクロイックミラー260を透過し、ブロードバンドの周波数ωSTのストークス光として使用される。一方、ダイクロイックミラー260には中心波長ωPのポンプ光として使用されるレーザ光も入射する。このレーザ光は、251のビームスプリッタで反射され、さらにミラー252と光路差調整のためのミラー群253、254、255、256で反射された後にダイクロイックミラー260に達する。二つのレーザ光は同軸光となり、レンズ261と208でコリメートされた後、ダイクロイックミラー210で反射され、対物レンズ201で観察試料202に絞り込まれる。観察物体は走査機構102で走査できるようになっている。本実施例では、光学系の複雑さを避けるために、観察物体そのものを走査する方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、集光スポット自体を走査する光学系を搭載する方式でもよい。観察物体で発生した周波数ωAS =2ωPSTのCARS光は、対物レンズ201とダイクロイックミラー210を透過し、反射鏡211で反射された後、ハーフビームスプリッタ213に入射する。
ダイクロイックミラー257で反射された高周波領域のレーザ光もSC光であり、周波数(ωAS =2ωPST)を含む参照光(第3の光)として使用される。参照光はレンズ258と206でコリメータされ、光学フィルタ220を透過する。光学フィルタ220で部分的に遮光あるは減光されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ216とλ/4板の効果を有するフレネルロム波長板217を透過し、ミラー218でフレネルロム波長板217に戻される。ミラー218は光路長の調整に使用される。フレネルロム波長板217透過したレーザ光はp偏光になっており、偏光ビームスプリッタ216で反射され、ビームスプリッタ213に向かう。光学フィルタ220の形状の1例として遮光板を図9に示す。251で示す円は参照光のビーム形状を示しており、ビームの中心部を遮光するように遮光領域252が配置されている。遮光板は、使用する波長の光が透過するガラス基板上に円形状のクロムの金属薄膜を蒸着することにより作製可能である。この光学フィルタ220によりビームの周辺領域のみの光が干渉に関与することになり、空間分解能が向上する。十分な分解能の向上のためには、遮光領域の大きさはビームの有効径に対してその半径が中心より70%以上が望ましい。また、本実施例では、光学フィルタを参照光の光路に配置した。これにより、観察物体からのCARS光を減らさず、高分解能と高信号雑音比を同時に実現できる。
ハーフビームスプリッタ213には偏光方向の異なる光が両方向から入射することになり、それぞれの光は2方向に分割され、2方向に干渉光が出射する。|EAS(ω)|の検出のために位相ダイバーシティ検出という方法を用いる。紙面上でハーフビームスプリッタ213の右方向に出射してくる干渉光には光学軸が22.5度傾いたλ/2板の効果を有するフレネルロム波長板221が設置されており、集光レンズ215で焦点位置に置かれた分光器上に集光される。分光器前の光路中には偏光ビームスプリッタ223が設置されており、s方向とp方向の成分に干渉光を分解し、それぞれを分光器106と分光器108で検出する。ここで、観察物体を焦点面の光軸上にある点物体とし、観察物体からのCARS光の複素振幅、参照光の複素振幅はそれぞれEAS(ω)、ELOであるものとする。分光器106と分光器108のそれぞれの波長での差動信号をIC(ω)としたとき、IC(ω)=α|EAS(ω)|・|ELO| cosΦ(ω)と表わされる。αは信号増幅や分光器効率等を含む係数であり、Φ(ω)は観察物体からのCARS光と参照光との位相差である。また、紙面上でハーフビームスプリッタ213の上方向に出射する干渉光には光学軸が45度傾いたλ/4板の効果を有するフレネルロム波長板222が挿入されている。集光レンズ214で集光された干渉光は分光器105および107で検出される。途中に設置されている偏光ビームスプリッタ224によりs偏光とp偏光に分離した後に、それぞれの分光器で検出される。ここで分光器105と107のそれぞれの波長での差動信号をIS(ω)としたとき、IS(ω)=α|EAS (ω)||ELO| sinΦ(ω)のように表わされる。IC(ω)およびIS(ω)には干渉成分のみが検出されている。演算装置109では、
Figure 2013171154
で示す計算を行う。I(ω)は観察物体のCARS光振幅と参照光の振幅に比例した形となる。したがって、波長依存性のない|ELO|を大きくすることにより、|EAS(ω)|を増幅した形のI(ω)を得ることが可能となる。一般的にはSC光のスペクトルは平坦ではないので、より正確なスペクトルI(ω)を得るためには、SC光の振幅スペクトルを使用した補正を行う必要がある。次に、最大エントロピー法によるCARS光の共鳴項の複素成分の抽出、あるいは前述した干渉を用いる方法により、共鳴光によって発生した位相差を計算し、共鳴項の複素成分[I(ω) sinθS(ω)]の抽出を行う。分光器における検出はCCD等の検出器を使用してもよい。110は表示装置であり、観察物体202の走査位置と表示位置の対応をつけた表示がなされる。分子振動に特徴的な周波数位置でのI(ω)を表示することで、その分子の分布を知ることができる。
光軸からx軸上で距離a離れたところにある焦点面上の観察物体として点物体は、ポンプ光、ストークス光で照射され、CARS光を発生しているものとする。ポンプ光およびストークス光の2次元振幅点像分布関数をそれぞれhP 、hSとし、発生したCARS光の分光器上での2次元振幅点像分布関数をhASとする。光学系の倍率をMとし、それぞれの4つの分光器上では光軸からMa離れた位置を中心とした点像分布hAS(x−Ma,y)が形成される。また、同時に参照光は光軸を中心とした点像分布hAS(x,y)となる。干渉の結果、数5の出力から形成されるCARS光のある波長における2次元振幅点像分布関数をhCARSとしたとき、x軸上での絶対値を取った2次元振幅点像分布関数|hCARS(a, 0)|は
Figure 2013171154
のように表わされる。面積分は検出器上で行われる。コヒーレント光学系になっているので、光学的には点像分布関数は数6を平方したものになる。しかし、物質の濃度に比例するIm[χr (3)AS)]も平方した形になるので、数6では平方をつけていない。CARS光を使用せず、かつ干渉光学系を使わない通常の光学系での点像分布関数は、たとえばポンプ光の波長では|hP (a,0)|2となる。この通常の点像分布関数と比較して、数6では励起光の部分で| hS(a,0) |が乗じられている点と積分の項が乗算されることから、CARS光の点像分布関数が狭くなり、分解能が向上する。さらに、参照光に光学フィルタを配置した場合は、数6の積分内の参照光の2次元振幅点像分布関数hAS(x,y)を狭くすることが出来るので、さらにCARS光の点像分布関数が狭くなり、空間分解能の向上が図られる。
透過タイプの実施例を図10に示す。CARS光の出射方向の強度分布は観察物体の形状と大きさで異なる。一般にはCARS光の後方散乱はCARS光を発する分子が含まれている観察物体が大きくなるほど弱くなる。他方、前方散乱は逆の依存性を示す。図10に示した実施例はこの前方散乱のCARS光を検出するための構成となっている。図1の構成と異なる点はポンプ光とストークス光の照射方向が観察試料の反対方向から入る点である。すなわち、ダイクロイックミラー257を透過したストークス光(第2の光)とミラー256で反射されたポンプ光(第1の光)をそれぞれミラー259とダイクロイックミラー260により同軸光とし、レンズ261と208でコリメート光とする。コリメートされた同軸レーザ光はミラー210で反射された後、対物レンズ207で観察試料202に絞り込まれる。観察試料から前方方向に発生したCARS光は対物レンズ201を透過し、図1の実施例と同様な干渉計測が行われる。
図1の実施例と図10の実施例は別の光学系としたが、光路の切り替えによって、一つの光学系で実施可能である。
前述の実施例では互いに直交する直線偏光を干渉させる方式を採用し、位相ダイバーシティ検出を行った。他の方式としては、観察物体からのCARS光と参照光とを円偏光の状態で直交させて、干渉させる方法もある。たとえば、CARS光を右円偏光、参照光を左円偏光とする。干渉させた光を検出するための検光子の光学軸を0、45、90、135度に設定すると、ビームの位相差が相対的に0、90、180、270度のものが得られる。これらの信号を組み合わせることで、数5で表される信号を得ることができ、前述の実施例と同様な効果を得ることができる。
図11の実施例では、図1の実施例での検出ビーム数を2本にして、簡略化を図っている。260のダイクロイックミラーで同軸にされたポンプ光(第1の光)およびストークス光(第2の光)はコリメートされ、光学シャッター219を透過し、観察試料202に集光される。観察試料から発生した周波数ωAS =2ωPSTのCARS光はフレネルロム波長板225により円偏光に変換され、ミラー211によりハーフビームスプリッタ213に入射する。また、ダイクロイックミラー257で反射された高周波領域のレーザ光(第3の光)は258および206のレンズでコリメートされ、周波数(2ωPST)を含む参照光として使用される。参照光は光学シャッター209および高分解能を実現するための光学フィルタ220を透過する。その後、偏光ビームスプリッタ216を透過し、フレネルロム波長板217で円偏光に変換され、光路長調整用のミラー218で反射される。反射された参照光は逆回りの円偏光となり、217のフレネルロム波長板でp偏光になり、216の偏光ビームスプリッタで反射される。226は22.5度傾けたλ/2板の効果を有するフレネルロム波長板であり、参照光の偏光方向を45度傾ける。参照光はビームスプリッタ213に入射し、左側から入射した観察試料からのCARS光と干渉する。重ねあわされた光は集光レンズ214に向かい、集光された干渉光は偏光ビームスプリッタ224で2分割され、それぞれの分光器105および107上に集光される。光学シャッター219と209が開いているときは、分光器105からは数3で表される信号が出力され、分光器107からは数4で表される信号が出力される。光学シャッター219を閉め、光学シャッター225を空けておくことで、それぞれの分光器105、107には|ELO|2が出力される。逆に光学シャッター219を開け、225の光学シャッターを閉めることにより、それぞれの分光器には|ES(ω)|2が出力される。これらの出力から演算装置109で|ELOES(ω)|を計算する。この結果を用いて、最大エントロピー法によるCARS光の共鳴項の複素成分の抽出、あるいは前述した干渉を用いる方法により共鳴光による発生する位相差を計算し、共鳴項の複素成分[I(ω) sinθS(ω)]の抽出を行い、ラマン分光と等価な結果を得る。
図12の実施例では分光器を使用しない。これにより装置の小型化が可能になる。143は周波数ωPのポンプ光(第1の光)用の光源であり、144は周波数ωSTのストークス光(第2の光)の光源である。両者は同期の取られたモードロックレーザであり、狭帯域のパルスレーザである。ポンプ光は光学パラメトリック発振器等により波長可変となっている。252、254,255のミラーはストークス光の光路長の調整を行うためのものである。ダイクロイックミラー262でポンプ光とストークス光が同軸光になり、その同軸光はビームスプリッタ263で二つに分けられる。透過同軸光はミラー264で反射され、レンズ261、208でコリメートされる。コリメートされた同軸光は、ダイクロイックミラー210で反射され、対物レンズ201で観察試料に集光される。発生した観察試料からのCARS光は対物レンズ201とダイクロイックミラー210を透過し、ビームスプリッタ213に向かう。ビームスプリッタ263で反射された同軸光はレンズ258、206でコリメートされ、ダイクロイックミラー265を透過した後、参照光発生試料203上に対物レンズ266により集光される。参照光発生試料からは非共鳴光のCARS光だけが発生し、第3の光として使用される。参照光であるCARS光は対物レンズ266を透過しダイクロイックミラー265で反射される。220は光学フィルタであり、空間分解能を向上させる機能を持つ。この光学フィルタは参照光の光路に設けているが、これは、高分解能と高信号雑音比を同時に実現するためである。227は位相変調器であり、観察試料からのCARS光との位相差をつける。本実施例では第3の光を位相変調器により位相変調しているが、第1あるいは第2の光、観察試料202から発生したCARS光を位相変調しても同様の効果が得られる。観察試料および参照光発生試料からのCARS光はビームスプリッタ213で重ねあわされて、長波長カットフィルタ267を透過する。長波長カットフィルタ267はポンプ光とストークス光を取り除く。干渉光はレンズ214で検出器112に絞り込まれ、検出される。112はアバランシェホトダイオードの検出器であり、ここでは分光器を使用しない。検出信号はロックインアンプ113で処理され、表示装置110で表示される。ここで、観察試料および参照光発生試料からのCARS光の位相差をδとすると、検出信号は以下のように表される。
Figure 2013171154
ELOは参照光発生試料からの非共鳴CARS光の振幅を表し、EASAS)は観察試料から発生したCARS光の振幅を表す。位相差δを位相変調器227で変調すると、数7で示すように強度変調に変換される。ロックインアンプ113で位相敏感検波によりサイン成分を取り出し、検出信号とすることでIm χr (3)AS)に比例した値を得ることができる。ポンプ光の波長を変えれば、ωASも変わりスペクトルを得ることができる。また、ポンプ光の波長を特定分子の共鳴波長に合わせ、観察試料202を走査機構102で走査することでその分子の分布を計測することも可能である。
なお、本実施例では、第1の光を波長可変としたが、第2の光であるストークス光を波長可変としても良い。第1または第2の光を波長可変とすることで、分光器を使用せずにスペクトルを得ることができる。
また、上記実施例では、何れも観察物体を走査する例を示したが、観察物体に限らず、光学系を走査しても良い。
本発明によれば、CARS光を用いた高分解能な画像を取得することができ、非侵襲で生体分子の分布あるいは分布の変化を計測するための光学装置に適用することができる。
102:走査機構、105、106,107,108:分光器、109:演算装置、110:表示装置、113:ロックインアンプ、141:パルスレーザ光源、142:フォトニック結晶ファイバー、201:対物レンズ、202:観察物体、203:参照光発生試料、207:対物レンズ、209:光学シャッター、210:ダイクロイックミラー、213:ビームスプリッタ、214:集光レンズ、216:偏光ビームスプリッタ、217:フレネルロム波長板、218:ミラー、220:光学フィルタ、221:フレネルロム波長板、222:フレネルロム波長板、223:偏光ビームスプリッタ、224:偏光ビームスプリッタ、225:光学シャッター、226:フレネルロム波長板、227:位相変調器、267:長波長カットフィルタ。
CARS光が発生する機構を分子のエネルギー準位図(図3)を用いて説明する。本図は共鳴項のプロセスを示している。図と同様に、701は分子の振動基底状態を表し、702は振動励起状態を表す。周波数ωPのポンプ光と周波数ωSのストークス光を同時に照射する。このとき分子は中間状態703を介して、702のある振動励起準位に励起される。この励起状態にある分子に周波数ωPのプローブ光を照射すると、中間状態704を介して周波数ωASのCARS光を発生しながら、分子は振動基底状態に戻る。このときのCARS光の周波数はωAS=2・ωP−ωSと表される。
上述の課題を解決するための光学装置は、周波数ωPの第1のレーザ光と、前記レーザとコヒーレントな関係を維持している周波数ωSTの第2のレーザ光と、周波数がωAS=2ωPSTである参照光としての第3のレーザ光と、第1、第2のレーザ光をほぼ同軸状に一致させる光学系と、第1、第2のレーザ光の位相を調整する機構と、前記第1、第2のレーザ光を集光する対物レンズと、観察試料から発生したCARS光を検出する対物レンズと、前記CARS光と前記第3のレーザ光とを干渉させる干渉光学系と、干渉光を検出する光検出器と、前記光検出器からの信号を処理する演算装置とで実現される。光学装置に表示装置が組み込まれている場合には、更に、前記演算装置の情報に基づいて画像を表示する表示装置を有する。
図1に、本発明に基づく光学装置を示す。141はパルスレーザ光源であり、図5のスペクトルで示す中心周波数ωPのレーザ光161(第1の光)を出射する。出射レーザ光の偏光方向はs偏光であり、251のビームスプリッタで2つのビームに分けられる。ビームスプリッタを透過したビームはフォトニック結晶ファイバー142に入射する。入射光はSC光と呼ばれる図6の162のスペクトルで示すような光に変換される。ここではフォトニック結晶ファイバーによりSC光を得ているが、分散フラット/減少ファイバ、双方向テーパファイバ等の他の手段でSC光を得ることも可能である。SC光は励起光周波数ωPを含んだ広い範囲に及び、コヒーレントな性質は保持されている。このSC光はダイクロイックミラー257で周波数ωPを境に二つのビームに分けられる。すなわち、このダイクロイックミラーを図7の163で示される領域の低い周波数の光は透過し、図8の164のスペクトルで示される領域の高い周波数の光は反射される。ダイクロイックミラー257の透過光(第2の光)はミラー259で反射され、ダイクロイックミラー260を透過し、ブロードバンドの周波数ωSTのストークス光として使用される。一方、ダイクロイックミラー260には中心周波数ωPのポンプ光として使用されるレーザ光も入射する。このレーザ光は、251のビームスプリッタで反射され、さらにミラー252と光路差調整のためのミラー群253、254、255、256で反射された後にダイクロイックミラー260に達する。二つのレーザ光は同軸光となり、レンズ261と208でコリメートされた後、ダイクロイックミラー210で反射され、対物レンズ201で観察試料202に絞り込まれる。観察物体は走査機構102で走査できるようになっている。本実施例では、光学系の複雑さを避けるために、観察物体そのものを走査する方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、集光スポット自体を走査する光学系を搭載する方式でもよい。観察物体で発生した周波数ωAS =2ωPSTのCARS光は、対物レンズ201とダイクロイックミラー210を透過し、反射鏡211で反射された後、ハーフビームスプリッタ213に入射する。
ダイクロイックミラー257で反射された高周波領域のレーザ光もSC光であり、周波数(ωAS =2ωPST)を含む参照光(第3の光)として使用される。参照光はレンズ258と206でコリメータされ、光学フィルタ220を透過する。光学フィルタ220で部分的に遮光あるは減光されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ216とλ/4板の効果を有するフレネルロム波長板217を透過し、ミラー218でフレネルロム波長板217に戻される。ミラー218は光路長の調整に使用される。フレネルロム波長板217透過したレーザ光はp偏光になっており、偏光ビームスプリッタ216で反射され、ビームスプリッタ213に向かう。光学フィルタ220の形状の1例として遮光板を図9に示す。251で示す円は参照光のビーム形状を示しており、ビームの中心部を遮光するように遮光領域252が配置されている。遮光板は、使用する波長の光が透過するガラス基板上に円形状のクロムの金属薄膜を蒸着することにより作製可能である。この光学フィルタ220によりビームの周辺領域のみの光が干渉に関与することになり、空間分解能が向上する。十分な分解能の向上のためには、遮光領域の大きさはビームの有効径に対してその半径が中心より70%以上が望ましい。また、本実施例では、光学フィルタを参照光の光路に配置した。これにより、観察物体からのCARS光を減らさず、高分解能と高信号雑音比を同時に実現できる。
ハーフビームスプリッタ213には偏光方向の異なる光が両方向から入射することになり、それぞれの光は2方向に分割され、2方向に干渉光が出射する。|EAS(ω)|の検出のために位相ダイバーシティ検出という方法を用いる。紙面上でハーフビームスプリッタ213の右方向に出射してくる干渉光には光学軸が22.5度傾いたλ/2板の効果を有するフレネルロム波長板221が設置されており、集光レンズ215で焦点位置に置かれた分光器上に集光される。分光器前の光路中には偏光ビームスプリッタ223が設置されており、s方向とp方向の成分に干渉光を分解し、それぞれを分光器106と分光器108で検出する。ここで、観察物体を焦点面の光軸上にある点物体とし、観察物体からのCARS光の複素振幅、参照光の複素振幅はそれぞれEAS(ω)、ELOであるものとする。分光器106と分光器108のそれぞれの周波数での差動信号をIC(ω)としたとき、IC(ω)=α|EAS(ω)|・|ELO| cosΦ(ω)と表わされる。αは信号増幅や分光器効率等を含む係数であり、Φ(ω)は観察物体からのCARS光と参照光との位相差である。また、紙面上でハーフビームスプリッタ213の上方向に出射する干渉光には光学軸が45度傾いたλ/4板の効果を有するフレネルロム波長板222が挿入されている。集光レンズ214で集光された干渉光は分光器105および107で検出される。途中に設置されている偏光ビームスプリッタ224によりs偏光とp偏光に分離した後に、それぞれの分光器で検出される。ここで分光器105と107のそれぞれの周波数での差動信号をIS(ω)としたとき、IS(ω)=α|EAS (ω)||ELO|sinΦ(ω)のように表わされる。IC(ω)およびIS(ω)には干渉成分のみが検出されている。演算装置109では、

Claims (10)

  1. 波長ωPの第1の光と、
    前記光とコヒーレントな関係を維持している波長ωSTの第2の光と、
    スーパーコンティニューム光の一部であって、波長がωAS=2ωPST である参照光としての第3の光と、
    第1、第2の光をほぼ同軸状に一致させる光学系と、
    第1、第2の光の位相を調整する機構と、
    前記第1、第2の光を集光する対物レンズと、
    観察試料から発生したCARS光を検出する対物レンズと、
    前記CARS光と前記第3の光とを干渉させる干渉光学系と、
    干渉光を検出する光検出器と、
    前記光検出器からの信号を処理する演算装置と、
    を有することを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記第2の光はブロードバンドのレーザ光であり、分光器を用いた位相ダイバーシティ法を使用することを特徴とする光学装置。
  3. 請求項2に記載の光学装置において、
    前記第2のレーザ光はスーパーコンティニューム光の一部であることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1に記載の光学装置において、
    更に、前記演算装置に基づいて画像を表示する画像表示装置を有することを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記参照光の光路に光学フィルタを設置することを特徴とする光学装置。
  6. 請求項5に記載の光学装置において、
    前記光学フィルタは光軸近傍の光を主に遮光し、光軸から離れた周辺の光を透過することを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記干渉光は、前記観察物体を透過した光を利用して形成されることを特徴とする光学装置。
  8. 波長ωPの第1の光と、
    前記光とコヒーレントな関係を維持している波長ωSTの第2の光と、
    非共鳴CARS光を発生する参照試料と、
    前記第1および第2の光を前記参照試料に同時照射することで発生する非共鳴CARS光である第3の光と、
    第1、第2の光をほぼ同軸状に一致させる光学系と、
    第1、第2の光の位相を調整する機構と、
    前記第1、第2の光を集光する対物レンズと、
    観察試料から発生したCARS光を検出する対物レンズと、
    前記CARS光と前記第3の光とを干渉させる干渉光学系と、
    干渉光を検出する光検出器と、
    前記第3の光の光路に設置された光学フィルタと、
    前記光検出器からの信号を処理する演算装置と、
    を有することを特徴とする光学装置。
  9. 請求項8に記載の光学装置において、
    前記第1から第3の光の一つ、あるいは前記観察試料から発生したCARS光を位相変調する位相変調器と、ロックインアンプとを備えたことを特徴とする光学装置。
  10. 請求項8に記載の光学装置において、
    前記第1または第2の光は、波長可変であることを特徴とする光学装置。
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