JP2013171105A - 現像剤搬送機構及びそれを備えた現像装置並びに画像形成装置 - Google Patents

現像剤搬送機構及びそれを備えた現像装置並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】現像剤を搬送する通路に形成された現像剤排出口からの現像剤の漏出を確実に防止することができ、且つ、現像剤排出口を開閉するシャッターも円滑に動作する現像剤搬送機構、及びそれを備えた現像装置並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】シール部材76は、矩形部76aと傾斜部76bとから成る平面視六角形状であり、中央部には排出口65に重なる開口部77が形成されている。このシール部材76は、現像剤排出部22hの排出方向上流側に矩形部76aが配置され、排出方向下流側に傾斜部76bが配置されるように、排出口65の周縁部に貼り付け固定されている。シャッター70と傾斜部76bとが摺動することにより、コイルバネ75の復元力(付勢力)が小さくなるタイミングに合わせてシャッター70とシール部材76との摺動負荷の増加割合も小さくなる。
【選択図】図16

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いられる現像剤搬送機構に関し、特に、現像剤を搬送する通路に形成された現像剤排出口を開閉する機構に関するものである。
画像形成装置においては、感光体等からなる像担持体上に形成した潜像を現像装置により現像し、トナー像として可視化することを行っている。このような現像装置の一つとして、二成分現像剤を用いる二成分現像方式が採用されている。この種の現像装置は、現像容器内に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収容し、像担持体に現像剤を供給する現像ローラーを配設するとともに、現像容器内部の現像剤を攪拌しながら搬送して現像ローラーへと供給する攪拌搬送部材を配設している。
二成分現像方式の現像装置では、トナーは現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像装置内に残る。従って、現像容器内でトナーと共に攪拌されるキャリアは攪拌頻度が多くなるにつれて劣化し、その結果、トナーに対するキャリアの帯電付与性能が徐々に低下してしまう。
そこで、キャリアの帯電付与性能の低下を防止する方法が提案されており、例えば特許文献1、2には、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出することで、帯電性能の低下を抑制するようにした現像装置が提案されている。
ところで、従来の現像装置では、初期駆動時における現像ローラー等の部材間の摩擦によるダメージの発生を防止する必要があるため、外部からトナーを供給する方式の現像装置においても、現像ローラー上にトナー層を形成可能な量の現像剤が予め充填されている。そのため、特許文献1、2に示すような現像剤排出部を備えた現像装置を画像形成装置本体に装着した状態で、或いは画像形成装置本体とは別個に梱包して輸送すると、輸送中の振動や衝撃によって現像装置内に充填された現像剤が排出口から漏出して飛散し、画像形成装置内部を汚染するおそれがあった。
そこで、現像装置の現像剤排出部に排出口を塞ぐシャッターを装着し、画像形成装置のセットアップ時に、排出口のシャッターを開放した現像装置を画像形成装置本体に装着するか、或いは画像形成装置本体に装着された状態で現像装置のシャッターを開放する手順が一般的であった。
ところで、シャッターで排出口が開閉される現像装置を装着した状態で画像形成装置を輸送すると、輸送中の振動や衝撃によって現像剤排出部の外周面とシャッターの内面との間から現像剤が漏れてしまうおそれがある。そこで、現像剤の漏れが生じないようにするために、現像剤排出部の外周面とシャッターの内面との間にシール部材を設けることが望ましい。しかし、シャッターとシール部材との摺動負荷が大きくなると、シャッターが動作不良を起こして排出口を完全に閉鎖できず、現像剤が排出口から漏出するという問題点があった。一方、シール部材とシャッターとの摺動面積を小さくすれば摺動負荷が低減される反面、シール効果が低下してしまう。
そこで、シール効果を維持しつつシャッターの開閉動作を円滑にする方法が提案されており、例えば、特許文献3には、像担持体上から除去された廃トナーを搬送するパイプ状通路に設けられた排出口を開閉するシャッターを備え、パイプ状通路の排出口にはシャッターのスライド方向両側にシール部材が設けられているとともに、シャッターのスライド方向におけるシール部材の長さは、シャッターの開方向へのスライド方向側の長さがシャッターの閉方向へのスライド方向側の長さよりも長く構成されている画像形成装置が開示されている。
特許文献3の構成によれば、シャッターの開方向へのスライド方向においてはシール部材の長さが比較的長く構成されるため、シャッター内側に堆積した廃トナーがパイプ状通路とシャッターとの隙間から漏れ出すことを防止するとともに、シャッターの閉方向へのスライド方向においてはシール部材の長さが比較的短く構成されるため、シャッターが円滑に閉鎖される。
特開2005−292376号公報 特開2009−300645号公報 特開2001−228768号公報
しかしながら、シャッターとパイプ状通路との間に設けられるシール部材は、シャッターのスライド方向における長さを長くすればするほどシール効果は向上するが、その反面、シャッターに対する摺動抵抗が増大してシャッターの開閉動作が悪くなるという問題が生じる。逆に、シャッターのスライド方向におけるシール部材の長さを短くすれば、シャッターの開閉動作は円滑になるが、その反面、良好なシール効果が期待できなくなるという問題が生じる。特許文献3の構成では、シャッターの閉方向へのスライド方向側のシール部材の長さを短くするため、シャッターの閉方向に対し排出口よりも下流側のシール効果が低下するおそれがあった。
また、特許文献3の構成では、シャッターの閉方向に対し排出口よりも下流側におけるシャッターの摺動を円滑にすることはできる。しかし、シャッターの移動方向に対し直交するシール部材の幅方向寸法は一定であるため、シャッターが排出口を通過する際の摺動負荷を低減することはできず、シャッターを円滑に摺動させて排出口を確実に閉鎖するために十分な構成ではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑み、現像剤を搬送する通路に形成された現像剤排出口からの現像剤の漏出を確実に防止することができ、且つ、現像剤排出口を開閉するシャッターも円滑に動作する現像剤搬送機構、及びそれを備えた現像装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、現像剤を搬送するとともに側面の一部に排出口が形成されたパイプ状搬送路と、該パイプ状搬送路の外周面に固定され、前記排出口に重なる開口部が形成されたシール部材と、該シール部材の表面に沿って摺動可能に配置され、前記排出口を開閉するシャッターと、該シャッターを前記排出口が閉鎖される方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記シール部材は、前記シャッターの移動方向に直交する幅方向寸法が、前記シャッターの閉方向に対し上流側から下流側に向かって減少する傾斜部を有する現像剤搬送機構である。
また本発明は、上記構成の現像剤搬送機構において、前記傾斜部は、前記シャッターの閉方向に対し前記開口部の上流側開口縁、若しくは前記開口部の上流側開口縁よりもさらに上流側を始点とし、前記開口部の下流側開口縁を越えて前記シール部材の下流側端縁まで延在することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の現像剤搬送機構において、前記シール部材は、前記シャッターの閉方向における前記開口部の下流側開口縁が前記シャッターの先端部と所定の角度を有することを特徴としている。
また本発明は、キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内に現像剤を補給する現像剤補給口と、前記現像容器から余剰の現像剤を排出する現像剤排出部とを備えた現像装置であって、前記現像剤排出部として、上記構成の現像剤搬送機構を用いた現像装置である。
また本発明は、上記構成の現像剤搬送機構を備えた画像形成装置である。
また本発明は、上記構成の現像装置を備えた画像形成装置である。
本発明の第1の構成によれば、シャッターの閉方向に対し上流側から下流側に向かって幅方向寸法が減少する傾斜部をシール部材に設けることにより、シャッターの閉鎖時にシャッターと傾斜部とが摺動するとき、シャッターとシール部材とが重なる面積の増加割合が小さくなる。その結果、シャッターとシール部材との摺動負荷の増加割合も小さくなり、付勢部材の付勢力が小さくなるタイミングに合わせてシャッターとシール部材との摺動負荷を小さくすることができ、シャッターの開閉動作を円滑に行うことができる。また、シャッターの閉方向に対し開口部の下流側の開口縁からシール部材の下流側端縁までの距離を小さくすることなくシャッターとシール部材との摺動負荷の増加割合を小さくできるため、シール部材のシール性能も確保することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の現像剤搬送機構において、傾斜部は、シャッターの閉方向に対し開口部の上流側開口縁、若しくは開口部の上流側開口縁よりもさらに上流側を始点とし、開口部の下流側開口縁を越えてシール部材の下流側端縁まで延在することにより、シャッターが開口部を通過する際には必ずシャッターと傾斜部とが摺動し、摺動負荷が低減される。従って、シャッターが排出部を開放した状態から排出口を閉鎖した状態に円滑に切り換わり、シャッターの動作不良に起因する排出口からの現像剤の漏洩を確実に防止することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の現像剤搬送機構において、シール部材は、シャッターの閉方向における開口部の下流側開口縁がシャッターの先端部と所定の角度を有することにより、シャッターの閉鎖時におけるシャッター先端部の下流側開口縁への引っ掛かりを防止してシャッターの開閉を円滑に行うことができる。
また、本発明の第4の構成によれば、キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内に現像剤を補給する現像剤補給口と、現像容器から余剰の現像剤を排出する現像剤排出部とを備えた現像装置であって、現像剤排出部として、上記第1乃至第3のいずれかの構成の現像剤搬送機構を用いることにより、シャッターの動作不良に起因する現像剤排出部からの現像剤の漏洩を確実に防止することができる現像装置となる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれか構成の現像剤搬送機構を搭載することにより、パイプ状搬送路の排出口を開閉するシャッターの開閉動作を円滑且つ確実に行うことができ、排出口からの現像剤の漏洩による装置内部の汚染を効果的に抑制可能な画像形成装置となる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第4の構成の現像装置を搭載することにより、現像剤排出部を備えた現像装置内に現像剤を充填した状態で画像形成装置を輸送したときの、排出口からの現像剤の漏出を確実に防止することができる。また、現像装置を画像形成装置本体に装着した状態で排出口の開閉操作を円滑に行うことができるため、画像形成装置をセットアップした後に設置場所を移動させる場合の現像剤の漏出も簡単に防止可能となる。
本発明の画像形成装置1の全体構成を示す概略図 本発明の画像形成装置1に搭載される現像装置2の側面断面図 現像装置2の攪拌部を示す平面断面図 図3における現像剤排出部22h周辺の拡大図 画像形成装置1の前面側の外装カバーを開放した状態を示す部分斜視図 図5のインナーカバー85を取り外して現像剤回収機構80を露出した状態を示す斜視図 シャッター70により排出口65が閉鎖された状態を示す現像剤回収機構80の側面断面図 押圧部材86a〜86dの軸部88と現像剤回収機構80の筐体80aに形成された貫通孔90との関係を示す概略図 シャッター70により排出口65が開放された状態を示す現像剤回収機構80の側面断面図 図9における現像剤排出部22h周辺の拡大図 現像装置2の現像剤排出部22hの側面図 現像剤排出部22hを排出口65側から見た平面図 現像剤排出部22hを現像剤の排出方向下流側から見た正面図 排出口65の周縁部に付設されるシール部材76の平面図 シャッター70の閉動作とシール部材76との関係を示す平面図であり、シャッター70が矢印A方向に動き出した直後の状態を示す図 シャッター70の閉動作とシール部材76との関係を示す平面図であり、シャッター70が排出口を通過する状態を示す図 シール部材76の他の構成例を示す平面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を概略的に示す断面図である。本実施形態の画像形成装置1はタンデム型のカラープリンターであり、回転自在である感光体ドラム11a〜11dは、例えば有機感光層が形成された有機感光体(OPC感光体)やアモルファスシリコン感光層が形成されたアモルファスシリコン感光体が用いられ、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対応させて配設される。各感光体ドラム11a〜11dの周囲に、現像装置2a〜2d、露光ユニット12、帯電器13a〜13d及びクリーニング装置14a〜14dが配設される。
現像装置2a〜2dは、感光体ドラム11a〜11dの右方に夫々対向して配置され、感光体ドラム11a〜11dにトナーを供給する。帯電器13a〜13dは、感光体回転方向に対し現像装置2a〜2dの上流側であって感光体ドラム11a〜11dの表面に対向して配置され、感光体ドラム11a〜11d表面を一様に帯電させる。
露光ユニット12は、パーソナルコンピューター等から画像入力部(図略)に入力された文字や絵柄などの画像データに基づいて、各感光体ドラム11a〜11dを走査露光するためのものであり、現像装置2a〜2dの下方に設けられる。露光ユニット12には、レーザー光源、ポリゴンミラーが設けられ、各感光体ドラム11a〜11dに対応して反射ミラー及びレンズが設けられる。レーザー光源から出射されたレーザー光が、ポリゴンミラー、反射ミラー及びレンズを介して、帯電器13a〜13dの感光体回転方向下流側から、各感光体ドラム11a〜11dの表面に照射される。照射されたレーザー光により、各感光体ドラム11a〜11d表面には静電潜像が形成され、この静電潜像が各現像装置2a〜2dによりトナー像に現像される。
無端状の中間転写ベルト17は、テンションローラー6、駆動ローラー25及び従動ローラー27に張架されている。駆動ローラー25は図示しないモーターによって回転駆動され、中間転写ベルト17は駆動ローラー25の回転によって循環駆動させられる。
この中間転写ベルト17に接触するように各感光体ドラム11a〜11dが中間転写ベルト17の下方で搬送方向(図1の矢印方向)に沿って隣り合うように配列されている。各一次転写ローラー26a〜26dは、中間転写ベルト17を挟んで各感光体ドラム11a〜11dと対向し、中間転写ベルト17に圧接して一次転写部を形成する。この一次転写部において、中間転写ベルト17の回転とともに所定のタイミングで各感光体ドラム11a〜11dのトナー像が中間転写ベルト17に順次転写される。これにより、中間転写ベルト17表面にはマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたフルカラートナー像が形成される。
二次転写ローラー34は、中間転写ベルト17を挟んで駆動ローラー25と対向し、中間転写ベルト17に圧接して二次転写部を形成する。この二次転写部において、中間転写ベルト17表面のトナー像が用紙Pに転写される。転写後に、ベルトクリーニング装置31が中間転写ベルト17に残存するトナーを清掃する。
画像形成装置1内の下方には、用紙Pを収納する給紙カセット32が配設され、給紙カセット32の右方には、手差しの用紙を供給するスタックトレイ35が配設される。給紙カセット32の左方には、給紙カセット32から繰り出された用紙Pを中間転写ベルト17の二次転写部に搬送する第1用紙搬送路33が配設される。また、スタックトレイ35の左方には、スタックトレイ35から繰り出された用紙を二次転写部に搬送する第2用紙搬送路36が配設される。更に、画像形成装置1の左上方には、画像が形成された用紙Pに対して定着処理を行う定着部18と、定着処理の行われた用紙を用紙排出部37に搬送する第3用紙搬送路39とが配設される。
給紙カセット32は、画像形成装置1本体の外部(図1の表面側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にしたもので、収納されている用紙Pがピックアップローラー33b及び捌きローラー33aにより1枚ずつ第1用紙搬送路33側に繰り出される。
第1用紙搬送路33と第2用紙搬送路36とはレジストローラー対33cの手前で合流しており、レジストローラー対33cにより、中間転写ベルト17における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取って、用紙Pが二次転写部に搬送される。二次転写部に搬送された用紙Pは、バイアス電位が印加された二次転写ローラー34によって、中間転写ベルト17上のフルカラーのトナー像を二次転写され、定着部18に搬送される。
定着部18は、ヒーターにより加熱される定着ベルトと、定着ベルトに内接する定着ローラーと、定着ベルトを挟んで定着ローラーに圧接して配設された加圧ローラー等とを備え、トナー像が転写された用紙Pを加熱及び加圧することにより定着処理を行う。用紙Pは、トナー像が定着部18で定着された後、必要に応じて第4用紙搬送路40で反転されて用紙Pの裏面にも二次転写ローラー34でトナー像が二次転写され、定着部18で定着される。トナー像が定着された用紙Pは第3用紙搬送路39を通って、排出ローラー対19により用紙排出部37に排出される。
図2は、上述の画像形成装置1に用いられる、本発明の現像剤搬送機構を備えた現像装置2の構成を示す断面平面図である。なお、図2の説明では、図1に示す感光体ドラム11aに対応する現像装置2aの構成及び動作について説明するが、現像装置2b〜2dの構成及び動作については現像装置2aと同様であり、説明を省略し、また各色の現像装置及び感光体を示すa〜dの符号を省略する。
図2に示すように、現像装置2は、現像ローラー20と、磁気ローラー21と、規制ブレード24と、攪拌搬送部材42、及び現像容器22等により構成されている。
現像容器22は、現像装置2の外郭を構成し、その下部で仕切り部22bによって第1搬送室22cと第2搬送室22dに仕切っている。第1搬送室22c及び第2搬送室22dには、キャリアとトナーからなる現像剤が収容される。また、現像容器22は、攪拌搬送部材42と磁気ローラー21及び現像ローラー20を回転可能に保持している。更に、現像容器22には、現像ローラー20を感光体ドラム11に向けて露出させる開口22aが形成されている。
現像ローラー20は、感光体ドラムに対向し、一定の間隔を設けて感光体ドラム11の右方に配設される。また、現像ローラー20は、感光体ドラム11に接近した対向位置において、感光体ドラム11にトナーを供給する現像領域Dを形成している。磁気ローラー21は、一定の間隔を設けて現像ローラー20に対向し、現像ローラー20の右斜め下方に配設される。また、磁気ローラー21は、現像ローラー20に接近した対向位置において、現像ローラー20にトナーを供給する。攪拌搬送部材42は磁気ローラー21の略下方に配設される。また、規制ブレード24は磁気ローラー21の左斜め下方にて現像容器22に固定保持されている。
攪拌搬送部材42は、第1スパイラル43と第2スパイラル44の2本で構成される。第2スパイラル44が磁気ローラー21の下方で、第2搬送室22d内に設けられ、第1スパイラル43が第2スパイラル44の右方に隣接して、第1搬送室22c内に設けられる。
第1及び第2スパイラル43、44は現像剤を攪拌して現像剤中のトナーを所定のレベルに帯電させる。これによりトナーはキャリアに保持される。また、第1搬送室22cと第2搬送室22dを仕切る仕切り部22bの長手方向(図2の紙面表裏方向)の両端部分には、連通部(図略)が設けられており、第1スパイラル43が回転すると、帯電した現像剤が仕切り部22bに設けた一方の連通部から第2スパイラル44に搬送され、現像剤が第1搬送室22c内と第2搬送室22d内とを循環する。そして、第2スパイラル44から磁気ローラー21に現像剤が供給される。
磁気ローラー21は、ローラー軸21aと磁極部材M及び非磁性材からなる非磁性スリーブ21bを備え、攪拌搬送部材42により供給された現像剤を担持し、担持した現像剤からトナーのみを現像ローラー20に供給するものである。磁極部材Mは、断面扇形に形成された外周部の極性の異なる複数の磁石が交互に配設され、ローラー軸21aに接着等により固着される。ローラー軸21aは、非磁性スリーブ21b内で、磁極部材Mと非磁性スリーブ21bの間に所定の間隔を設けて、現像容器22に回転不能に支持される。非磁性スリーブ21bは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、現像ローラー20と同方向(図2の時計回り方向)に回転し、また直流電圧56aに交流電圧56bを重畳したバイアス56を印加される。非磁性スリーブ21b表面において、帯電した現像剤は磁極部材Mの磁力によって磁気ブラシを形成して担持され、磁気ブラシは規制ブレード24によって所定の高さに調節される。
非磁性スリーブ21bが回転すると、磁気ブラシは、磁極部材Mによって非磁性スリーブ21b表面に担持されて搬送され、現像ローラー20に接触すると、磁気ブラシのトナーのみが、非磁性スリーブ21bに印加されたバイアス56に応じて、現像ローラー20に供給される。
現像ローラー20は、固定軸20aと、磁極部材20bと、非磁性の金属材料で円筒状に形成される現像スリーブ20c等を備えて構成されている。
固定軸20aは現像容器22に回転不能に支持される。この固定軸20aには、現像スリーブ20cが回転自在に保持され、更に、磁石よりなる磁極部材20bが磁気ローラー21と対向する位置に現像スリーブ20cと所定の間隔を設けて、接着等により固着される。現像スリーブ20cは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、図2の矢印方向(時計回り方向)に回転させられる。また、現像スリーブ20cには、直流電圧55aに交流電圧55bを重畳した現像バイアス55が印加される。
現像バイアス55を印加された現像スリーブ20cが図2の時計回り方向に回転すると、現像領域Dにおいて、現像バイアス電位と感光体ドラム11の露光部位の電位との電位差により、現像スリーブ20c表面に担持されたトナーが感光体ドラム11に飛翔する。飛翔したトナーは矢印A方向(反時計回り方向)に回転する感光体ドラム11上の露光部位に順次付着し、感光体ドラム11上の静電潜像が現像される。
次に、図3を用いて、現像装置の攪拌部について詳しく説明する。図3は現像装置2の攪拌部を示す平面断面図(図2のXX′矢視断面図)である。
現像容器22には、前述のように、第1搬送室22cと、第2搬送室22dと、仕切り部22bと、上流側連通部22e、及び下流側連通部22fが形成され、その他に、現像剤補給口22gと、現像剤排出部22hと、上流側壁部22i、及び下流側壁部22jが形成されている。なお、第1搬送室22cにおいて、図3の左側を上流側、図3の右側を下流側とし、また、第2搬送室22dにおいて、図3の右側を上流側、図3の左側を下流側とする。従って、連通部及び側壁部は、第2搬送室22dを基準として、上流及び下流と呼称している。
仕切り部22bは、現像容器22の長手方向に延びて第1搬送室22cと第2搬送室22dを並列させるように仕切っている。仕切り部22bの長手方向の右側端部は、上流側壁部22iの内壁部とともに上流側連通部22eを形成し、一方、仕切り部22bの長手方向の左側端部は、下流側壁部22jの内壁部とともに下流側連通部22fを形成している。そして現像剤は、第1搬送室22cと、上流側連通部22eと、第2搬送室22d、及び下流側連通部22f内を循環することが可能である。
現像剤補給口22gは、現像容器22の上部に設けられた現像剤補給容器(図略)から新たなトナー及びキャリアを現像容器22内に補給するための開口であり、第1搬送室22cの上流側(図3の左側)に配置される。
現像剤排出部22hは、現像剤の補給によって、第1及び第2搬送室22c、22d内で余剰となった現像剤を排出するための部分であり、第2搬送室22dの下流側で第2搬送室22dの長手方向に連続して円筒状に設けられるパイプ状搬送路である。
第1搬送室22c内には第1スパイラル43が配設され、第2搬送室22d内には第2スパイラル44が配設されている。
第1スパイラル43は、回転軸43bと、回転軸43bに一体に設けられ、回転軸43bの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根43aとを有する。また、第1螺旋羽根43aは、第1搬送室22cの長手方向の両端部側まで延び、上流側及び下流側連通部22e、22fにも対向して設けられている。回転軸43bは現像容器22の上流側壁部22iと下流側壁部22jに回転可能に軸支されている。
第2スパイラル44は、回転軸44bと、回転軸44bに一体に設けられ、回転軸44bの軸方向に第1螺旋羽根43aと同じピッチで第1螺旋羽根43aとは逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根44aとを有する。また、第2螺旋羽根44aは、磁気ローラー21の軸方向長さ以上の長さを有し、更に、上流側連通部22eに対向する位置まで延びて設けられている。回転軸44bは、回転軸43bと平行に配置され、現像容器22の上流側壁部22iと下流側壁部22jに回転可能に軸支されている。
また、回転軸44bには、第2螺旋羽根44aとともに、減速搬送部51、規制部52及び排出羽根53が一体に配設されている。
減速搬送部51は、第2螺旋羽根44aと同方向を向く複数(ここでは3枚)の羽根で螺旋状に形成されている。減速搬送部51を構成する螺旋羽根は、第2螺旋羽根44aの外径と同じサイズで第2螺旋羽根44aのピッチより小さく設定されている。減速搬送部51の羽根ピッチは第2螺旋羽根44aのピッチの1/6〜1/3となっており、これらの螺旋羽根が下流側連通部22fの長手方向の開口幅に対向している。なお、減速搬送部51の螺旋羽根は下流側連通部22fの開口の全幅に対向しなくともよいが、この場合には、規制部52側の羽根が下流側連通部22fの開口に対向しているのがよい。
規制部52は、第2搬送室22d内で下流側に搬送された現像剤を塞き止め、且つ、所定量以上になった現像剤を現像剤排出部22hに搬送することを可能にするものである。規制部52は、回転軸44bに設けられる螺旋羽根からなり、第2螺旋羽根44aと逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成され、且つ、第2螺旋羽根44aの外径と略同じで第2螺旋羽根44aのピッチより小さく設定されている。また、規制部52は、下流側壁部22j等の現像容器22の内壁部と規制部52の外周部において所定量の隙間を形成している。この隙間から余剰の現像剤が排出されることになる。
回転軸44bは現像剤排出部22h内まで延びている。現像剤排出部22h内の回転軸44bには排出羽根53が設けられている。排出羽根53は、第2螺旋羽根44aと同じ方向を向く螺旋状の羽根からなるが、第2螺旋羽根44aよりピッチが小さく、また羽根の外周が小さくなっている。従って、回転軸44bが回転すると、排出羽根53も回転し、規制部52を乗り越えて現像剤排出部22h内に搬送された余剰現像剤は、図3の左側に送られて、現像容器22外に排出されるようになっている。なお、排出羽根53、規制部52、及び第2螺旋羽根44aは合成樹脂によって回転軸44bと一体に成型される。
また、現像剤排出部22hの下部には搬送パイプ82の連結部82a〜82d(図6参照)に連通する排出口65が形成されており、現像剤排出部22hの外周面には排出口65を開閉するシャッター70が装着されている。
現像容器22の外壁には、歯車61〜64が配設されている。歯車61、62は回転軸43aに固着され、歯車64は回転軸44bに固着され、歯車63は現像容器22に回転可能に保持されて、歯車62、64に噛合している。
図4は、図3における現像剤排出部22h周辺の拡大図である。第2スパイラル44には現像剤搬送方向(図4の白矢印方向)に対し規制部52の上流側直近において下流側連通部22fに対向するように減速搬送部51が設けられている。
この構成によって、回転軸44bが回転すると、第2螺旋羽根44aによって、第2搬送室22d内で現像剤が比較的に速く搬送されるが、減速搬送部51の羽根ピッチが第2螺旋羽根44aのピッチより小さいので、減速搬送部51が設けられている第2搬送室22d内では、第2螺旋羽根44aよりも現像剤の搬送速度が低下することになる。従って、搬送される現像剤は、第2螺旋羽根44aの羽根の外周に倣い波打つように搬送路内を移動するが、螺旋羽根のピッチが比較的に大きいと、現像剤の嵩高が大きく変動しながら現像剤が速く移動する。一方、減速搬送部51のように螺旋羽根のピッチが比較的に小さいと、現像剤の嵩高の変動は小さく現像剤がゆっくりと移動することになる。
従って、新たに現像剤を補給していない現像時には、モーター等の駆動源によって、歯車61が回転すると、回転軸43bとともに第1螺旋羽根43aが回転し、第1螺旋羽根43aによって、現像剤は、第1搬送室22c内の現像剤を矢印P方向に搬送され、その後、上流側連通部22eを通って第2搬送室22d内に搬送される。更に、回転軸44bと連動する回転軸44bとともに第2螺旋羽根44aが回転すると、第2螺旋羽根44aによって、現像剤は、第2搬送室22d内の現像剤を矢印Q方向に搬送され、減速搬送部51に搬送される。
第1及び第2螺旋羽根43a、44aの回転によって、現像剤はその嵩高を大きく変動させながら比較的に速く搬送される。一方、減速搬送部51近傍では、現像剤の嵩高の変動が小さく、現像剤は比較的にゆっくりと搬送されることによって、現像剤が規制部52に衝突しても、現像剤の跳ね上がりが抑えられて、規制部52の外周部を乗り越えることがない。その結果、現像剤は、規制部52を乗り越えることなく下流側連通部22fを通って第1搬送室22cに搬送される。
このように現像剤は、第1搬送室22cから、上流側連通部22e、第2搬送室22d、及び下流側連通部22fと循環しながら攪拌されて、攪拌された現像剤が磁気ローラー21に供給される。
次に、現像剤補給口22gから現像剤が補給される場合について説明する。現像によってトナーが消費されると、現像剤補給口22gから第1搬送室22c内にキャリアを含む現像剤が補給される。
補給された現像剤は、現像時と同様に、第1螺旋羽根43aによって、第1搬送室22c内を矢印P方向に搬送され、その後、上流側連通部22eを通って第2搬送室22d内に搬送される。更に、第2螺旋羽根44aによって、現像剤は、第2搬送室22d内の現像剤を矢印Q方向に搬送され、減速搬送部51に搬送される。回転軸44bの回転にともなって規制部52が回転すると、規制部52によって、第2螺旋羽根44aによる現像剤搬送方向とは逆方向の搬送力が現像剤に付与される。減速搬送部51において搬送速度が減速された現像剤は、規制部52の上流側に位置する減速搬送部51近傍で塞き止められて嵩高となり、余剰の現像剤(現像剤補給口22gから補給された現像剤とほぼ同量)が規制部52を乗り越えて現像剤排出部22hを介して現像容器22外に排出される。
また、第2搬送室22d内には現像剤搬送方向(図4の白矢印方向)に対し減速搬送部51の上流側に隣接してトナー濃度検知センサー71が配置されている。なお、図4では第2スパイラル44がトナー濃度検知センサー71の手前側に位置するため、トナー濃度検知センサー71を破線で表示している。
トナー濃度検知センサー71としては、現像容器22内における現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。トナー濃度検知センサー71により現像剤の透磁率が検出されると、その検出結果に相当する電圧値を制御部(図示せず)に出力するよう構成されており、制御部によってトナー濃度検知センサー71の出力値からトナー濃度が決定されるようになっている。
センサー出力値はトナー濃度に応じて変化し、トナー濃度が高くなるほど磁性キャリアに対するトナーの比率が高くなり、磁気を通さないトナーの割合が増加するため出力値が低くなる。一方、トナー濃度が低くなるほどキャリアに対するトナーの比率が低くなり、磁気を通すキャリアの割合が増加するため出力値が高くなる。
また、第2スパイラル44には、トナー濃度検知センサー71に対向する部分にスクレーパー73が設けられている。スクレーパー73は、例えば基材となる可撓性のフィルムに不織布を積層したものが用いられ、搬送スパイラル44の回転軸44bに形成されたスクレーパー支持部(図示せず)に回転軸44bに対し平行に貼り付けられている。回転軸44bの回転に伴いスクレーパー73が回転することで、トナー濃度検知センサー71の検知面が摺擦されて清掃されるとともに、センサー配置部における現像剤の滞留が促進される。
シャッター70は、現像剤排出部22hに対し軸方向(矢印AA′方向)に摺動可能に外挿される円筒状の部材であり、外周面には突起70aが形成されている。シャッター70と現像容器20との間にはコイルバネ75が配置されている。シャッター70はコイルバネ75によって閉方向(矢印A方向)に付勢されており、通常は図4に示すように、現像剤排出部22hの排出口65と重なり合う位置に配置されることにより排出口65を閉鎖している。
排出口65の周縁部には、現像剤排出部22hの外周面とシャッター70の内周面との間にシール部材76が配置されており、現像剤排出部22hとシャッター70との隙間からの現像剤の漏出を防止する。現像剤排出部22h、シャッター70、コイルバネ75、及びシール部材76は、本発明の現像剤搬送機構を構成する。
図5は、画像形成装置の前面側の外装カバー(図示せず)を開放した状態を示す部分斜視図であり、図6は、図5のインナーカバー85を取り外して現像剤回収機構を露出した状態を示す斜視図、図7は、現像剤回収機構の側面断面図である。なお、図6では現像装置3a〜3dの記載を省略している。また、図7では現像装置2aに対応する位置の断面を示している。
現像剤回収機構80は、内部に搬送スクリュー81が配置された搬送パイプ82と、搬送パイプ82を介して搬送されてきた現像剤が貯留される回収容器83とを有している。回収容器83は引き出し可能なトレイ84(図5では不図示)内に収納されている。また、搬送パイプ82には各現像装置2a〜2dの現像剤排出部22h(図4参照)に連結される連結部82a〜82dが形成されている。
また、各現像装置2a〜2dのシャッター70に対応する位置には押圧部材86a〜86dが設けられている。押圧部材86a〜86dは頭部87と軸部88とで構成されるネジ形状であり、軸部88は画像形成装置1の筐体に形成された貫通孔90を貫通してシャッター70の突起70aに当接している。インナーカバー85には押圧部材86a〜86dの頭部87が露出する窓部85a〜85dが形成されている。押圧部材86a〜86dは、コイルバネ75(図4参照)によって付勢されるシャッター70の突起70aによりインナーカバー85方向(矢印A方向)に押圧されている。
図5〜図7は、画像形成装置1の輸送時(出荷時)の状態を示しており、現像装置2aを画像形成装置1に装着した状態では、図7に示すように現像剤排出部22hの排出口65がシャッター70によって閉じられている。そのため、この状態で画像形成装置1を輸送しても、現像装置2a〜2d内に充填された現像剤が輸送中の振動や衝撃によって排出口65から漏出するおそれはない。
画像形成装置1がユーザーの元へ搬入され、サービスマンによりセットアップ(初期設定)を行う際には、押圧部材86a〜86dの頭部87にドライバーを差し込んで回転させながらインナーカバー85内に押し込む。このとき、押圧部材86a〜86dの軸部88と貫通孔90とは、図8(a)に示すように鍵と鍵穴の関係を有しているため、軸部88を貫通孔90に押し込んで図8(b)に示すように90°回転させることにより、押圧部材86a〜86dが押し込まれた位置で固定される。
図9は、シャッター70により排出口65が開放された状態を示す現像剤回収機構の側面断面図であり、図10は、図9における現像剤排出部22h周辺の拡大図である。押圧部材86a〜86dがインナーカバー85内に押し込まれると、図9及び図10に示すように、シャッター70の突起70aが押圧部材86a〜86dの軸部88に押され、シャッター70はコイルバネ75を圧縮しながら矢印A′方向に移動して排出口65を開放する。これにより、現像剤排出部22hの排出口65と搬送パイプ82とが連通して排出口65からの現像剤の排出が可能となる。現像剤排出部22hの排出口65から排出された現像剤は、搬送スクリュー81により搬送パイプ82内を搬送されて回収容器83内に貯留される。
本実施形態の構成により、現像装置2a〜2d内に現像剤を充填した状態で画像形成装置1を輸送(出荷)したときの、現像剤排出部22hからの現像剤の漏出による画像形成装置1内部の汚染を、簡易な構成で確実に防止することができる。また、セットアップ時には簡単な操作で排出口65を開放することができる。
次に、画像形成装置1から現像装置2a〜2dを取り外す際のシャッター70の開閉動作とシール部材76との関係について説明する。先ず、押圧部材86a〜86dの頭部87にドライバーを差し込んで90°回転させることにより、押圧部材86a〜86dを図8(b)に示す状態から図8(a)に示す状態にすると、圧縮されていたコイルバネ75の復元力により押圧部材86a〜86dがインナーカバー85側に押し戻され、シャッター70が矢印A方向に移動して排出口65を閉鎖する。
ここで、シャッター70が排出口65を閉鎖する直前においては、コイルバネ75(図4参照)は圧縮状態から自然長に戻る直前である。そのため、シャッター70が矢印A方向に動き出した直後に比べてコイルバネ75の復元力(付勢力)が小さくなる。そのため、シール部材76に現像剤が付着するなどしてシャッター70とシール部材76との摩擦抵抗が増加すると、シャッター70が排出口を完全に閉鎖しなくなり、この状態で現像装置2a〜2dを取り外すと現像剤の漏洩の原因となる。
そこで、本発明ではシール部材76の形状を工夫することによって、シャッター70とシール部材76との摩擦抵抗を低減し、シャッター70の円滑な動作と十分なシール性能とを両立させている。図11は、現像装置2の現像剤排出部22hの側面図、図12は、現像剤排出部22hを排出口65側から見た平面図、図13は、現像剤排出部22hを現像剤の排出方向下流側(図11の左側)から見た正面図、図14は、排出口65の周縁部に付設されるシール部材76の平面図である。なお、図12ではシャッター70の記載を省略している。
図14に示すように、シール部材76は、矩形部76aと、矩形部76aに連続する両側端縁を斜めにカットして形成された台形状の傾斜部76bとで構成された平面視六角形状であり、中央部には排出口65に重なる六角形状の開口部77が形成されている。また、傾斜部76bは、シャッター70の閉方向(図14の右から左方向)に対し開口部77の上流側開口縁77aを始点とし、下流側開口縁77bを越えてシール部材76の下流側端縁76cまで延在している。これにより、シール部材76の下流側端縁76cの幅方向寸法L1は、上流側端縁76dの幅方向寸法L2よりも狭くなっている。
このシール部材76は、図11〜図13に示すように、現像剤排出部22hの排出方向下流側(図11、図12の左側)に傾斜部76bが配置されるように、排出口65の周縁部に貼り付け固定されている。また、図13に示すように、シール部材76は現像剤排出部22hの外周面の下半分(180°の範囲)に重なるように固定されている。
シール部材76の材質としては、不織布やフェルト、スポンジ等の弾性材料を用いることができる。本実施形態では、ナイロン植毛パイルシール材(植野短繊維工業社製NA800、またはシンセン有維植繊有限公司製P001)をポリエステル系発泡樹脂シート(イノアックコーポレーション社製SM−55)に貼り合わせたシール部材76を両面粘着テープで現像剤排出部22hの外周面に固定している。
図15及び図16は、シャッター70の閉動作とシール部材76との関係を示す平面図である。図15に示すように、シャッター70が矢印A方向に動き出した直後はシャッター70とシール部材76の矩形部76aとが摺動する。矩形部76aの幅方向寸法は一定(L2)であるため、シャッター70の矢印A方向への移動に伴いシャッター70と矩形部76aとが重なる面積は一定の割合で増加する。その結果、シャッター70とシール部材76との摺動負荷も一定の割合で増大する。
その後、図16に示すように、シャッター70が開口部77を通過するとき、シャッター70と傾斜部76bとが摺動する。傾斜部76bの幅方向寸法はL2からL1まで徐々に狭くなるため、シャッター70の矢印A方向への移動に伴いシャッター70とシール部材76とが重なる面積の増加割合(増加率)は、シャッター70が矩形部76aと摺動する場合に比べて小さくなる。その結果、シャッター70が開口部77を通過する際のシャッター70とシール部材76との摺動負荷の増加割合も小さくなり、コイルバネ75(図10参照)の復元力(付勢力)が小さくなるタイミングに合わせてシャッター70とシール部材76との摺動負荷の増加割合を小さくすることができる。
また、シャッター70の閉方向(矢印A方向)に対し開口部77の下流側開口縁77bからシール部材76の下流側端縁76cまでの距離L3を小さくすることなくシャッター70とシール部材76との摺動負荷の増加割合を小さくできるため、シャッター70の閉方向下流側におけるシール部材76のシール性能も確保することができる。
また、図14に示すように、傾斜部76bは、シャッター70の閉方向に対し開口部77の上流側開口縁77aを始点として形成されている。これにより、シャッター70が開口部77を通過するタイミングに合わせてシャッター70と傾斜部76bとが摺動を開始するため、シール部材76との摺動負荷の増大によってシャッター70が閉動作の途中で止まってしまうことがなく、シャッター70が排出部65を開放した状態(図10参照)から排出口65を閉鎖した状態(図4参照)に円滑に且つ確実に切り換わる。従って、シャッター70の動作不良に起因する排出口65からの現像剤の漏洩を確実に防止することができる。
また、図15に示すように、シール部材76の開口部77は六角形状であり、開口部77の下流側開口縁77bはシャッター70の先端部70bと平行ではなく、所定の角度を有している。これにより、シャッター70の閉鎖時における先端部70bの下流側開口縁77bへの引っ掛かりを防止することができる。
なお、ここでは開口部77の上流側開口縁77aを始点として傾斜部76bを形成しているが、開口部77の上流側開口縁77aよりもさらに上流側を始点として傾斜部76bを形成しても良い。この場合にもシャッター70が開口部77を通過する際は必ず傾斜部76bと摺動するため、シャッター70が開口部77を通過する際のシール部材76との摺動負荷を低減することができる。
また、矩形部76aに連続する傾斜部76bの側端縁の角度はシール部材76の摩擦係数やコイルバネ75のバネ係数、開口部77の大きさ等に応じて適宜変更可能である。さらに、シール部材76の形状は図14に示したような矩形部76aと傾斜部76bとで構成される形状に限らず、シャッター部材76の閉方向(コイルバネ75の付勢方向)上流側から下流側に向かって幅方向寸法が減少するような形状であれば良い。例えば、図17(a)のように矩形部76aと三角形状の傾斜部76bとで構成されるシール部材76や、図17(b)のように片側の側端縁のみを斜めにカットした傾斜部76bを有するシール部材76を用いることもできる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明の現像剤搬送機構は、図2に示したような二成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する現像装置2の現像剤排出部への適用に限定されるものではなく、画像形成装置内においてパイプ状搬送路を用いて現像剤を搬送する種々の部分に適用可能である。なお、本発明の現像剤搬送機構で搬送される「現像剤」とは、トナーと磁性キャリアとから成る二成分現像剤、トナーのみから成る一成分現像剤、二成分現像剤から像担持体上へ供給され、像担持体上から回収された廃トナー等を含むものとする。
例えば、図1のクリーニング装置14a〜14dによって感光体ドラム11a〜11dから除去された廃トナーや、ベルトクリーニング装置31によって中間転写ベルト17上から除去された廃トナーを、パイプ状通路と搬送スクリューを用いて廃トナー回収容器(図示せず)まで搬送する現像剤搬送機構において、現像剤搬送機構を画像形成装置1に対し着脱可能とし、パイプ状通路の排出口を開閉するシャッターを設けて廃トナーの漏出を防止する場合にも適用可能である。
また、本発明は図1に示したタンデム式のカラープリンターに限らず、デジタル或いはアナログ方式のモノクロ複写機、カラー複写機、ファクシミリ等、種々の画像形成装置に適用可能である。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像剤搬送機構に利用することができる。本発明の利用により、現像剤を搬送する通路に形成された現像剤排出口からの現像剤の漏出を確実に防止することができ、且つ、現像剤排出口を開閉するシャッターも円滑に動作する現像剤搬送機構となる。
1 画像形成装置
2a〜2d、2 現像装置
22g 現像剤補給口
22h 現像剤排出部(パイプ状搬送路)
42 攪拌搬送部材
43 第1スパイラル
44 第2スパイラル
65 排出口
70 シャッター
75 コイルバネ(付勢部材)
76 シール部材
76a 矩形部
76b 傾斜部
76c 下流側端縁
76d 下流側端縁
77 開口部
77a 上流側開口縁
77b 下流側開口縁
85 インナーカバー
85a〜85d 窓部
86a〜86d 押圧部材

Claims (6)

  1. 現像剤を搬送するとともに側面の一部に排出口が形成されたパイプ状搬送路と、
    該パイプ状搬送路の外周面に固定され、前記排出口に重なる開口部が形成されたシール部材と、
    該シール部材の表面に沿って摺動可能に配置され、前記排出口を開閉するシャッターと、
    該シャッターを前記排出口が閉鎖される方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記シール部材は、前記シャッターの移動方向に直交する幅方向寸法が、前記シャッターの閉方向に対し上流側から下流側に向かって減少する傾斜部を有することを特徴とする現像剤搬送機構。
  2. 前記傾斜部は、前記シャッターの閉方向に対し前記開口部の上流側開口縁、若しくは前記開口部の上流側開口縁よりもさらに上流側を始点とし、前記開口部の下流側開口縁を越えて前記シール部材の下流側端縁まで延在することを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送機構。
  3. 前記シール部材は、前記シャッターの閉方向における前記開口部の下流側開口縁が前記シャッターの先端部と所定の角度を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤搬送機構。
  4. キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内に現像剤を補給する現像剤補給口と、前記現像容器から余剰の現像剤を排出する現像剤排出部とを備えた現像装置であって、
    前記現像剤排出部として、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の現像剤搬送機構を用いた現像装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の現像剤搬送機構を備えた画像形成装置。
  6. 請求項4に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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