JP2013170976A - 移動体通信機器試験用信号発生装置およびその周波数制御方法 - Google Patents

移動体通信機器試験用信号発生装置およびその周波数制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スプリアスの低減と高速周波数切換とを両立させる。
【解決手段】VCO121、DDS123、LPF124、基準信号発生器126、位相比較器125、ループフィルタ127を含むローカル信号発生部21に対して、周波数制御部25は、周波数変換部13から出力される試験用信号Sの周波数Fbが、出力周波数指定手段14で指定された値となるために必要なDDS123の位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frの設定値の組合せのうち、DDS123に入力されるクロックBの周波数がDDS123の出力信号Dの周波数の3以上の整数(P)倍に等しくなる組合せを選択してDDS123および基準信号発生器126に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末や基地局装置等の移動体通信機器の試験を行うための信号発生装置に関し、特に、微細な周波数ステップで広帯域に信号周波数を可変できるように、DDSをフィードバックループに挿入したPLL構成の信号発生装置のスプリアスの低減と、高速な周波数切換とを両立させるための技術に関する。
移動体通信で使用される周波数帯は各種通信規格によって異なるが、大まかに800〜2000MHzの範囲が用いられており、それらの周波数帯を用いる端末や基地局装置等の試験を行うために、同等の周波数範囲をカバーし、且つ微細な周波数ステップで周波数可変が可能な信号発生装置が必要となる。
このような広帯域で微細な周波数ステップの試験信号を生成するために、図5に示すように、中間周波信号発生部11から固定周波数Faで出力される中間周波信号(一般的にデジタル変調波)Mと、PLL(位相同期ループ制御)方式を用いたローカル信号発生部12から出力される周波数(Fc)可変のローカル信号Lとを、周波数変換部13に入力して内部のミキサで混合し、所望周波数に周波数変換する構成が採用されている。また、周波数変換部13から出力される試験信号Sの周波数Fbは、出力周波数指定手段14によって指定され、その指定された出力周波数Fbの情報を受けた周波数制御部15によってローカル信号発生部12が出力するローカル信号Lの周波数を可変制御する。
ここで、ローカル信号発生部12は、出力周波数指定手段14によって指定された出力周波数Fbと中間周波信号Mの周波数Faとの和(または差)に等しい周波数Fcのローカル信号Lを出力する必要があり、例えば、Faを4000MHz、Fbを800〜2000MHzとすれば、Fcの範囲は4800〜6000MHzとなる。
上記のように、広い周波数範囲のローカル信号Lを、例えば100kHzのような微細な周波数ステップで正確に且つ安定に出力させるための構成として、図に示しているように、PLL方式のフィードバックループにDDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)を用いたものが知られている。
この構成のローカル信号発生器12は、VCO121が制御信号Vcに応じた周波数Fcで出力する信号Lを、DDS123が扱える周波数帯になるように、分周器122によってN分周してDDS123に入力する。
DDS123は、図6のように、設定される位相変化幅ΔΦを、クロック信号B(この場合、分周器122の出力)の周期で累積加算し、その累積加算結果をnビットで出力する累積加算器123aと、1周期分のサイン波形データがnビットで指定されるアドレス領域にアドレス順に予め記憶されていて、累積加算器123aの出力値が示すアドレスのデータを出力する波形メモリ123bと、波形メモリ123bから出力された波形データをアナログ信号に順次変換するD/A変換器123cとで構成されている。
したがって、D/A変換器123cから出力される信号Dの周波数Fzは、クロック信号Bの周波数をFx(=Fc/N)とすれば、
Fz=Fx・ΔΦ/2
=Fc・ΔΦ/(N・2
となり、VCO121の出力周波数Fcに対して、比例係数ΔΦ/(N・2)を乗じた周波数Fzの信号Dが得られる。
このDDS123の出力信号Dは、LPF(ローパスフィルタ)124に入力され、高調波成分が除去されて位相比較器125に入力される。位相比較器125は、LPF124の出力信号D′と、基準信号発生器126から出力される周波数Frの基準信号Rとの位相・周波数の比較を行い、その周波数差・位相差に応じた誤差信号Eをループフィルタ127に出力する。ループフィルタ127は、位相比較器125に入力される信号D′が基準信号Rに周波数同期および位相同期させる方向の制御信号Vcを生成してVCO121に与える。
上記ループ制御により、
Fr=Fz=Fc・ΔΦ/(N・2
となり、VCO121の出力信号Lの周波数Fcは、
Fc=Fr・(N・2)/ΔΦ
にロックされる。
したがって、(N・2)を固定値とすれば、周波数Fcが例えば4800〜6000MHの範囲の所望値となるように、周波数制御部15によって、Fr(=Fz)、ΔΦの値を設定すれば、所望周波数の試験信号を出力させるための安定なローカル信号Lを得ることができる。
なお、このように、フィードバックループにDDSを挿入したPLL構成の信号発生器は、例えば次の特許文献1に開示されている。
特開平7−131343号公報
上記のようにDDSを用いたPLL構成の信号発生器では、DDSによる微細なステップの周波数可変が可能であるが、DDSの内部でデジタルの離散値データからアナログ信号に変換するD/A変換処理に起因してスプリアスが発生する。
以下、このスプリアスの発生原理を説明する。
前記したように、DDS123のクロック周波数をFxとすると、DDS内部のD/A変換器のサンプリング周波数はFxである。また、DDS123の出力信号Dについての高調波成分の周波数は、2Fz、3Fz、…、mFz(mは2以上の整数)となる。
このとき、サンプリング定理により、サンプリング周波数Fxの1/2の周波数でエイリアシング(折り返し)が発生し、例えば図7のように、Fx/2とFxの間にある高調波成分3Fz〜5FzをFx/2で折り返した折り返し成分Fz(3)〜Fz(5)が発生する。
前記したように、DDS123の出力側にはその高調波成分を除去するためのLPF124が設けられるが、その特性はカットオフ周波数Feが、Fzと2Fzの間になるように設定されるから、図のようにFzより周波数が低い折り返し成分Fz(5)を除去することができない。
また、周波数Fzが可変されることを考えると、その可変分を見越してカットオフ周波数Feを高めにとる必要があり、より低次の折り返し成分(例えばFz(4))がLPF124を通過する場合もある。
このようにしてLPF124を通過した折り返し成分は、周波数Fzの基本波成分とともに位相比較器125に入力されて周波数Fr(=Fz)の基準信号と位相比較され、その位相差に応じた信号がループフィルタ127に入力される。ここで、折り返し成分と基準信号との周波数差|Fz−Fz(5)|が、ループフィルタ127の通過帯域の外にあれば、その折り返し成分による影響は除外されるが、ループフィルタ127の通過帯域内にあれば、その折り返し成分によって位相変調雑音(スプリアス)が生じ、出力信号の純度を低下させる。
これを防ぐために、ループフィルタ127の通過帯域を狭くすることが考えられるが、ループフィルタ127の通過帯域を狭くすればループの応答速度が低下してしまい、周波数を高速に変化させることができなくなり、例えばGSM(登録商標)のように、周波数ホッピングによるスペクトラム拡散方式を用いた機器の試験が行えなくなってしまう。
具体的な数値例で示すと、Fz=16.67Mz、Fx=100MHz、ループフィルタ127のカットオフ周波数Fg=100kHzとすると、5Fz=83.35MHz、折り返し成分Fz(5)=16.65MHz<Fzとなり、この折り返し成分がLPF124を通過し、それによって生じる位相誤差成分は、|Fz−Fz(5)|=20kHz<Fgとなって、ループフィルタ127を通過してしまい、20kHzで位相変調された雑音成分(スプリアス)が発生して出力信号の純度を低下させてしまう。
なお、前記特許文献1においては、DDSによって生じるスプリアスがループフィルタの通過帯域内に入らないようなパラメータの組合せを出力周波数毎に予め求めておき、指定された出力周波数に対応するパラメータの組合せを選択して設定することで、スプリアスの発生を抑圧しているが、スプリアスがループフィルタの通過帯域内に入らないようにするためには、前記したように可能な限りループフィルタの通過帯域を狭くしなければならず、前記した高速な周波数切替を犠牲にしなければならない。また、スプリアスがループフィルタの通過帯域外にあっても、ループフィルタの減衰特性に対してスプリアスの信号強度が大きい場合は、スプリアスを十分に抑圧できない。
本発明はこれを解決し、スプリアスの低減と高速周波数切換とを両立させた移動体通信機器試験用信号発生装置およびその周波数制御方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の移動体通信機器試験用信号発生装置は、
移動体通信機器試験のために変調された所定周波数の中間周波信号を出力する中間周波信号発生部(11)と、
設定情報に応じた周波数のローカル信号を生成出力するローカル信号発生部(21)と、
前記中間周波信号と前記ローカル信号とを混合して、試験用信号を出力する周波数変換部(13)と、
前記周波数変換部が出力する試験用信号の出力周波数を所定範囲で任意に指定するための出力周波数指定手段(14)と、
前記出力周波数指定手段によって指定された出力周波数の試験信号が前記周波数変換部から出力されるために必要な設定情報を前記ローカル信号発生部に与える周波数制御部(25)とを有し、
前記ローカル信号発生部が、
制御信号に応じた周波数の信号を出力するVCO(121)と、
正弦波の波形データをメモリに予め記憶し、前記VCOの出力信号またはこれを分周した信号をクロックとして受けて、該クロックの周期で、前記周波数制御部によって設定された位相変化幅を累積加算し、該累積加算結果で指定されるアドレスの波形データを前記メモリから読出してD/A変換するDDS(123)と、
前記DDSの出力信号から高調波成分を除去するためのLPF(124)と、
前記周波数制御部によって設定された周波数の基準信号を出力する基準信号発生器(126)と、
前記LPFの出力と前記基準信号の位相・周波数比較を行う位相比較器(125)と、
前記位相比較器の出力を平滑して、前記LPFの出力信号を前記基準信号に同期させるための制御信号を生成して前記VCOに与えるループフィルタ(127)とを含む構成を有している移動体通信機器試験用信号発生装置において、
前記周波数制御部は、
前記周波数変換部から出力される試験用信号の周波数が、前記出力周波数指定手段で指定された値となるために必要な前記位相変化幅および前記基準信号の周波数の設定値の組合せのうち、前記DDSに入力されるクロックの周波数が該DDSの出力信号の周波数の3以上の整数倍に等しくなる組合せを選択して前記DDSおよび前記基準信号発生器に設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項2の移動体通信機器試験用信号発生装置の周波数制御方法は、

移動体通信機器試験のために変調された所定周波数の中間周波信号を出力する中間周波信号発生部(11)と、
設定情報に応じた周波数のローカル信号を生成出力するローカル信号発生部(21)と、
前記中間周波信号と前記ローカル信号とを混合して、試験用信号を出力する周波数変換部(13)と、
前記周波数変換部が出力する試験用信号の出力周波数を所定範囲で任意に指定するための出力周波数指定手段(14)と、
前記出力周波数指定手段によって指定された出力周波数の試験信号が前記周波数変換部から出力されるために必要な設定情報を前記ローカル信号発生部に与える周波数制御部(25)とを有し、
前記ローカル信号発生部が、
制御信号に応じた周波数の信号を出力するVCO(121)と、
正弦波の波形データをメモリに予め記憶し、前記VCOの出力信号またはこれを分周した信号をクロックとして受けて、該クロックの周期で、前記周波数制御部によって設定された位相変化幅を累積加算し、該累積加算結果で指定されるアドレスの波形データを前記メモリから読出してD/A変換するDDS(123)と、
前記DDSの出力信号から高調波成分を除去するためのLPF(124)と、
前記周波数制御部によって設定された周波数の基準信号を出力する基準信号発生器(126)と、
前記LPFの出力と前記基準信号の位相・周波数比較を行う位相比較器(125)と、
前記位相比較器の出力を平滑して、前記LPFの出力信号を前記基準信号に同期させるための制御信号を生成して前記VCOに与えるループフィルタ(127)とを含む構成を有している移動体通信機器試験用信号発生装置における前記周波数制御部の周波数制御方法であって、
前記周波数変換部から出力される試験用信号の周波数が、前記出力周波数指定手段によって指定された値となるために必要な前記位相変化幅および前記基準信号の周波数の設定値の組合せのうち、前記DDSに入力されるクロックの周波数が該DDSの出力信号の周波数の3以上の整数倍に等しくなる組合せを選択して前記DDSおよび前記基準信号発生器に設定することを特徴とする。
このように、本発明は、DDSに入力されるクロックの周波数が、DDSの出力信号の周波数の3以上の整数倍に等しくなるように位相変化幅、基準信号の周波数を設定しているから、DDS内部のD/A変換処理で折り返される成分の周波数が基本波及び高調波成分と一致し、高調波成分をLPFで除去することで折り返し成分の影響を除去することができる。このため、ループフィルタの帯域を狭くすることなく試験用信号のスプリアスを抑圧でき、周波数ホッピング等の高速な周波数切換が可能となる。
本発明の実施形態の構成図 DDSの出力信号成分を説明するための図 周波数設定情報のテーブル例を示す図 出力周波数を複数の範囲に分けて周波数制御を行う場合の説明図 従来装置の構成図 DDSの基本構成図 DDSの出力信号成分を説明するための図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した移動体通信機器試験用信号発生装置(以下、単に信号発生装置という)20の構成を示している。なお、前記構成と同一要素には同一符号を付している。
この信号発生装置20は、前記同様に、中間周波信号発生部11によって移動体通信機器の試験のためにデジタル変調された周波数固定(例えばFa=4000MHz)の中間周波信号Mを生成し、この中間周波信号Mと、PLL方式を用いたローカル信号発生部21から出力される周波数可変のローカル信号Lとを、周波数変換部13に入力して内部のミキサで混合し、所望周波数に周波数変換する構成が採用されている。
出力周波数指定手段14は、図示しない操作部等の操作によって試験用信号の出力周波数Fbを所定範囲(例えば800〜2000GHz)で任意に指定させ、周波数制御部15は、周波数変換部13から出力される試験信号Sの周波数が、指定された出力周波数Fbとなるために必要な周波数Fc′のローカル信号Lを出力させる設定情報をローカル信号発生部21に設定する。
ローカル信号発生部21は、前記したローカル信号発生部12の出力部に逓倍器128を加えた構成を有している。
即ち、VCO121が制御信号Vcに応じた周波数Fcの信号Aを出力し、その出力信号Aを分周器122がN分周してDDS123にクロックBとして入力する。
DDS123は、前記図6に示した構成を有しており、累積加算器123aが、周波数制御部25から設定された位相変化幅ΔΦをクロックの周期で累積加算し、累積加算結果で波形メモリ123bのアドレスを指定して、波形メモリ123bに記憶されている正弦波の波形データを読出し、これをD/A変換器123cによってアナログの信号Dに変換する。
DDS123の出力信号DはLPF124に入力されて高調波成分が除去され、そのLPF124の出力D′と基準信号発生器126から出力される基準信号Rとが位相比較器125に入力されて両者の位相差、周波数差が検出される。なお、この基準信号Rの周波数Frは、周波数制御部25によって設定される。
位相比較器125の出力Eはループフィルタ127に入力されて平滑され、LPF124の出力を基準信号Rに周波数同期および位相同期させるための制御信号Vcが生成されてVCO121に与えられる。
また、VCO121の出力Aは、逓倍器128によってK倍(例えば4倍)に周波数逓倍され、その逓倍出力がローカル信号Lとして周波数変換部13に入力される。
このローカル信号発生部21においても、前記したループ制御により、
Fr=Fz=Fc・ΔΦ/(N・2
となり、VCO121の出力信号Aの周波数Fcは、
Fc=Fr・(N・2)/ΔΦ
にロックされ、ローカル信号Lの周波数Fc′は、
Fc′=K・Fc=Fr・K・(N・2)/ΔΦ
となる。
したがって、周波数制御部25により、K・(N・2)を固定値とし、周波数Fc′が、例えば中間周波信号Mと出力周波数指定手段14で指定された出力周波数Fbとの和に等しくなるようなFr(=Fz)、ΔΦの値を設定情報として求めてローカル信号発生部21に設定すれば、指定出力周波数Fbの試験信号を出力させることができる。
ただし、前記したようにDDS123を用いたことによるスプリアス発生という問題がある。この問題を解決するために、実施形態の周波数制御部25は、周波数変換部13から出力される試験用信号Sの周波数Fbが、出力周波数指定手段14によって指定された値となるためのローカル信号を出力させる位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frの設定値の組合せのうち、DDS123に入力されるクロックBの周波数FxがDDS123の出力信号Dの周波数Fzの3以上の整数(P)倍に等しくなる組合せを選択して設定しており、これによってDDS123を用いたことによるスプリアス発生という問題を解決している。
即ち、前記した図7から明らかなように、Fx/2〜Fxの間にあるm次高調波の折り返し成分の周波数Fz(m)は、
Fz(m)=(Fx/2)−[m・Fz−(Fx/2)]=Fx−m・Fz
になる。
ここで、3以上の整数Pについて、
Fx=P・Fz
であれば、
Fz(m)=P・Fz−m・Fz=(P−m)Fz
となる。
(P−m)はP>mの条件で整数であるから折り返し成分の周波数はFzの整数倍に一致する。さらに、Pをスプリアス上の問題となる高調波の次数(原理上3以上)より大きな値(例えばP=6)に設定すれば、Fx/2(=P・Fz/2=3Fz)より周波数が高い次数m=4、m=5についての折り返し成分の周波数は、
Fz(4)=(6−4)Fz=2Fz
Fz(5)=(6−5)Fz=Fz
となり、図2のように、4次高調波の折り返し成分が2次高調波と重なり、5次高調波の折り返し成分が基本波と重なる。
したがって、2次高調波の周波数成分はLPF124で除去され、基本波成分のみがLPF124を通過して位相比較器125に入力されることになり、折り返し成分によるスプリアス発生は抑制される。
なお、FxがFz(=Fr)のP倍とすれば、Fx=Fc/Nであるから
Fz=Fx/P=Fc/(N・P) ……(1)
となる。一方、前記式で、
Fz=Fc・ΔΦ/(N・2) ……(2)
であるから、式(1)、(2)の右辺同士を等しいとして整理すれば、
ΔΦ=2/P ……(3)
となる。
つまり、3以上の整数Pに対して、位相変化幅ΔΦを式(3)で表される値に設定し、基準周波数Fr(=Fz)を式(1)で表される値に設定することで、折り返し成分によるスプリアスの無い指定出力周波数Fbの試験信号Sを出力させることができる。
以下、具体的な数値例を用いて説明する。
前記同様に、中間周波信号周波数Fa=4000MHz、出力周波数Fb=2000MHz、分周比N=2、DDSのアドレスビット数n=48、逓倍数K=4とすると、VCO121が出力すべき周波数Fcは、
Fc=Fc′/4=(2000+4000)/4=1500MHz
となる。
前式(2)から、
Fz=Fc・ΔΦ/(N・248
=(1500/2)ΔΦ/248
=750(ΔΦ/248
となり、変形して、
ΔΦ=248・(Fz/750)
が得られる。
ここで、前式(3)を満たすΔΦを設定することで、DDS123の出力周波数Fzが決定されるので、数Pについて、
Fz/750=1/P
となるPを決定する。
この数Pがとり得る値は一義的に特定できないが、Fzが、Fx/2未満で、且つDDS123、基準信号発生器126の出力可能な周波数範囲で、位相比較器125の動作周波数範囲に入る条件を満たす値とする。
上記条件を満たす数Pを例えば10とすれば、Fz=75MHzとなり、ΔΦは、
ΔΦ=248/10
となる。これを丸め処理で計算して1桁当たり4ビットの16進表示(HEX)すると、
ΔΦ≒1999 9999 9999(HEX)
となる。なお、この場合、基準信号周波数FrはFzと等しい75MHzに設定する。
これによって、周波数6000MHzのローカル信号Lが周波数変換部13に出力され、4000MHzの中間周波信号Mと混合されて指定出力周波数2000MHzの試験用信号Sが出力される。
上記の位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frの設定処理は周波数制御部25が行うが、出力周波数指定手段14によって指定された出力周波数Fbに対応する位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frを、その都度上記演算処理で求めてローカル信号発生部21に設定する方法の他に、出力周波数Fb毎に、上記関係を満たす位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frを予め算出して、例えば図3の(a)、(b)のようなメモリテーブルに記憶しておき、指定された出力周波数Fbに対応する位相変化幅ΔΦおよび基準信号周波数Frを読み出してローカル信号発生部21に設定する方法を採用してもよい。
なお、図3に示した二つのテーブルでは、同一出力周波数レンジを、異なるPの値(=10、6)で実現している設定例を示しているが、周波数可変ステップ(この例では100kHzステップ)毎にPの値を変更してもよく、それに応じて位相変化幅ΔΦも順次変更してもよい。
また、一般的にPLLの性能を高く維持するためには、基準周波数の可変範囲を拡げないことが要求される。これを実現するためには、例えば図4に示すように、出力周波数Fbの全範囲を複数の帯域に分け、帯域Fbb1、Fbb2、…毎に、基準周波数Frを所定範囲内で単調変化させるとともに、数Pを帯域が高くなるにつれて段階的に大きくしていけば、基準周波数Frの可変範囲を拡げることなく、広帯域な試験用信号を出力させることができる。なお、前記式(3)から明らかなように、数Pの変化に対して位相変化幅ΔΦは、帯域が高くなるにつれて段階的に小さくなる。
また、前記実施形態では、VCO121の出力を分周器122でN分周してDDS123に与えていたが、この分周器122を省略してVCO121の出力をDDS123にクロックとして与える構成であってもよい。この場合、前記した各式でN=1とすればよい。
また、同様に逓倍器128を省略して、VCO121の出力をローカル信号Lとして用いることもできる。この場合、この場合、前記した各式でK=1とすればよい。
11……中間周波信号発生部、13……周波数変換部、14……出力周波数指定手段、20……移動体通信機器試験用信号発生装置、21……ローカル信号発生部、121……VCO、122……分周器、123……DDS、124……LPF、125……位相比較器、126……基準信号発生器、127……ループフィルタ、128……逓倍器、25……周波数制御部

Claims (2)

  1. 移動体通信機器試験のために変調された所定周波数の中間周波信号を出力する中間周波信号発生部(11)と、
    設定情報に応じた周波数のローカル信号を生成出力するローカル信号発生部(21)と、
    前記中間周波信号と前記ローカル信号とを混合して、試験用信号を出力する周波数変換部(13)と、
    前記周波数変換部が出力する試験用信号の出力周波数を所定範囲で任意に指定するための出力周波数指定手段(14)と、
    前記出力周波数指定手段によって指定された出力周波数の試験信号が前記周波数変換部から出力されるために必要な設定情報を前記ローカル信号発生部に与える周波数制御部(25)とを有し、
    前記ローカル信号発生部が、
    制御信号に応じた周波数の信号を出力するVCO(121)と、
    正弦波の波形データをメモリに予め記憶し、前記VCOの出力信号またはこれを分周した信号をクロックとして受けて、該クロックの周期で、前記周波数制御部によって設定された位相変化幅を累積加算し、該累積加算結果で指定されるアドレスの波形データを前記メモリから読出してD/A変換するDDS(123)と、
    前記DDSの出力信号から高調波成分を除去するためのLPF(124)と、
    前記周波数制御部によって設定された周波数の基準信号を出力する基準信号発生器(126)と、
    前記LPFの出力と前記基準信号の位相・周波数比較を行う位相比較器(125)と、
    前記位相比較器の出力を平滑して、前記LPFの出力信号を前記基準信号に同期させるための制御信号を生成して前記VCOに与えるループフィルタ(127)とを含む構成を有している移動体通信機器試験用信号発生装置において、
    前記周波数制御部は、
    前記周波数変換部から出力される試験用信号の周波数が、前記出力周波数指定手段で指定された値となるために必要な前記位相変化幅および前記基準信号の周波数の設定値の組合せのうち、前記DDSに入力されるクロックの周波数が該DDSの出力信号の周波数の3以上の整数倍に等しくなる組合せを選択して前記DDSおよび前記基準信号発生器に設定することを特徴とする移動体通信機器試験用信号発生装置。
  2. 移動体通信機器試験のために変調された所定周波数の中間周波信号を出力する中間周波信号発生部(11)と、
    設定情報に応じた周波数のローカル信号を生成出力するローカル信号発生部(21)と、
    前記中間周波信号と前記ローカル信号とを混合して、試験用信号を出力する周波数変換部(13)と、
    前記周波数変換部が出力する試験用信号の出力周波数を所定範囲で任意に指定するための出力周波数指定手段(14)と、
    前記出力周波数指定手段によって指定された出力周波数の試験信号が前記周波数変換部から出力されるために必要な設定情報を前記ローカル信号発生部に与える周波数制御部(25)とを有し、
    前記ローカル信号発生部が、
    制御信号に応じた周波数の信号を出力するVCO(121)と、
    正弦波の波形データをメモリに予め記憶し、前記VCOの出力信号またはこれを分周した信号をクロックとして受けて、該クロックの周期で、前記周波数制御部によって設定された位相変化幅を累積加算し、該累積加算結果で指定されるアドレスの波形データを前記メモリから読出してD/A変換するDDS(123)と、
    前記DDSの出力信号から高調波成分を除去するためのLPF(124)と、
    前記周波数制御部によって設定された周波数の基準信号を出力する基準信号発生器(126)と、
    前記LPFの出力と前記基準信号の位相・周波数比較を行う位相比較器(125)と、
    前記位相比較器の出力を平滑して、前記LPFの出力信号を前記基準信号に同期させるための制御信号を生成して前記VCOに与えるループフィルタ(127)とを含む構成を有している移動体通信機器試験用信号発生装置における前記周波数制御部の周波数制御方法であって、
    前記周波数変換部から出力される試験用信号の周波数が、前記出力周波数指定手段によって指定された値となるために必要な前記位相変化幅および前記基準信号の周波数の設定値の組合せのうち、前記DDSに入力されるクロックの周波数が該DDSの出力信号の周波数の3以上の整数倍に等しくなる組合せを選択して前記DDSおよび前記基準信号発生器に設定することを特徴とする移動体通信機器試験用信号発生装置の周波数制御方法。
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