JP2013170265A - タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】走行によりタイヤ温度が上昇した場合にも良好なグリップ性能を維持できるタイヤトレッド用ゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたタイヤトレッドを有する空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物および該タイヤトレッド用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤである。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物および該タイヤトレッド用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤである。
【選択図】なし
Description
本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
氷雪路面走行用タイヤであるスタッドレスタイヤなどの冬季に使用する空気入りタイヤでは、氷雪路面におけるグリップ性能において優れることは必須の特性として確保する必要があり、さらに、長時間の走行に耐え得る耐摩耗性および製造工程における加工性において優れることが求められる。
空気入りタイヤのグリップ性能は、タイヤを構成するゴム組成物のtanδ、すなわちゴム組成物のエネルギー損失が一定以上となるように設定することで改善することができる。そして、ある温度におけるゴム組成物の損失正接(tanδ)を向上させる方法としては、ゴム成分のガラス転移温度(Tg)を比較的高く設定する方法等が知られているが、使用するゴム成分のTgを超える温度においては、タイヤの貯蔵弾性率(E’)およびtanδが急激に低下し、タイヤの脆化破壊が生じる危険性がある。よって、Tgのみが考慮されたゴム組成物を用いたタイヤにおいては、走行によるタイヤ温度の上昇によりグリップ性能が大きく低下してしまうという問題がある。
特許文献1には、金属架橋した硬質のゴム粉末を所定量含有するトレッド用ゴム組成物とすることで、このゴム組成物を用いるタイヤの氷雪上性能が向上すること、さらにゴム成分の一部に液状ポリブタジエンを用いることで耐摩耗性が向上することが開示されている。
特許文献2には、所定のカーボンブラックおよびシリカを所定量含有し、さらにカーボンブラックとシリカの含有量の相対関係を調整したタイヤトレッド用ゴム組成物とすることで、このゴム組成物を用いるタイヤの氷上グリップ力を向上させつつも耐摩耗性に対しては悪影響を及ぼさないことが開示されている。
また、特許文献3には、所定のカーボンブラックおよび脂肪酸亜鉛を所定量含有するタイヤトレッド用ゴム組成物とすることで、このゴム組成物を用いるタイヤの氷上グリップ性、耐摩耗性、耐発熱性等が改善されることが開示されている。
特許文献1〜3に開示されたタイヤトレッド用ゴム組成物、走行初期の氷上グリップ性能および耐摩耗性に優れたタイヤが得られるという点においては有効である。しかしながら、高温環境に曝された場合のゴム組成物の物性を制御することについては考慮されていないため、長時間の走行によりタイヤトレッドの温度が上昇した場合には、ゴム組成物のtanδが低下し、破壊特性、耐摩耗性およびグリップ性能が著しく低下するという問題がある。
本発明は上記問題を解決し、走行によりタイヤ温度が上昇した場合にも良好なグリップ性能を維持できるタイヤトレッド用ゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたタイヤトレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
さらに、オイル(C)を含有することが好ましい。
イソシアヌル酸誘導体(B)の含有量がゴム成分(A)100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましい。
オイル(C)の含有量に対するイソシアヌル酸誘導体(B)の含有質量比(B)/(C)が、1/50〜50/1であることが好ましい。
100℃におけるtanδが0.20〜0.60であることが好ましい。
また、本発明は上記タイヤトレッド用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明のゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム組成物のガラス転移温度(Tg)を極端に高く設定せずとも、ゴム組成物が高温になった場合に、良好な損失正接(tanδ)を示すタイヤトレッド用ゴム組成物である。したがって、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物からなるタイヤトレッドを有する空気入りタイヤは、走行によりタイヤ温度が上昇した場合にも、走行初期のグリップ性能および耐摩耗性を維持することができる、つまり走行初期から長時間の走行にわたって良好なグリップ性能および耐摩耗性を持続する空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有する。
本発明のゴム成分(A)としては、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴム成分は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできるが、グリップ性能において優れるという点から、SBRのみをゴム成分として含有することが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)ならびに、これらを変性させたもの(変性E−SBR、変性S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。30質量%未満の場合は、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、スチレン含有量は、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。50質量%を超える場合は、硬度が上昇し過ぎる傾向がある。
EPDMは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものであり、第三ジエン成分として、炭素数5〜20の非共役ジエン、たとえば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンのほか、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、さらに5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネンなどが使用できる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、イソシアヌル酸誘導体(B)を含有することにより、ゴム成分であるポリマーにイソシアヌル酸誘導体のアクリル基部が結合することで、ゴム組成物のTgを極端に高く設定せずとも、ゴム組成物が高温になった場合に、良好なtanδを示すタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができる。
イソシアヌル酸誘導体(B)とは、イソシアヌル酸を構成するトリアジン環の窒素原子に結合する水素原子の少なくとも1つを反応性置換基に置換することで得られる化合物であり、下記一般式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体であることが好ましい。
ここで、一般式(1)中のR1、R2およびR3は、その少なくとも1つが、グリシジル基、アリル基、下記の一般式(2)の置換基、メチル基、アミノ基またはカルボニル基である。
また、イソシアヌル酸誘導体は、一般式(1)で表される化合物のなかでも、R1、R2およびR3が、それぞれ独立に、グリシジル基、アリル基または一般式(2)の置換基である化合物であることがより好ましく、ポリマーへの反応性が高いという点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸であることがさらに好ましい。
イソシアヌル酸誘導体(B)の融点は80℃以下であることが好ましく、75℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の融点が80℃を超える場合は、ゴム成分中に充分に分散しない傾向がある。また、イソシアヌル酸誘導体の融点は30℃以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の融点が30℃未満の場合は、操縦安定性が悪化する傾向がある。
イソシアヌル酸誘導体(B)のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の含有量が5質量部未満の場合は、イソシアヌル酸誘導体を含有することによる効果が得られ難くなる傾向がある。また、イソシアヌル酸誘導体の含有量は、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。イソシアヌル酸誘導体の含有量が40質量部を超える場合は、ゴム組成物の加工性が悪化する傾向がある。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、さらにオイル(C)を含有することが好ましい。オイルを含有することで、ゴム組成物に柔軟性が付与されるのでタイヤのグリップ性能を向上させることができる。
オイル(C)としては、パラフィン系、オレフィン系、アロマ系等のプロセスオイル、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系オイル、ヒマシ油、亜麻仁油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系オイル等が挙げられる。なお、これらのオイルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。オイル(C)として使用できる市販品としては、たとえば(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマ系オイル)等が挙げられる。
オイル(C)を多量に添加すると、高温下でのtanδが低下する等の物性低下が生じるとともに、タイヤ表面にオイル成分がブリードする場合がある。そこで、本発明においては、オイルを多量に添加することなく所望のグリップ性能が得られるよう、イソシアヌル酸誘導体(B)とオイル(C)との含有質量比を考慮することが好ましい。すなわち、オイル(C)の含有量に対するイソシアヌル酸誘導体(B)の含有質量比(B)/(C)が、1/50〜1/50であることが好ましく、3/50〜50/12であることがより好ましい。含有質量比(B)/(C)をこの範囲に調整することで、イソシアヌル酸誘導体(B)の寄与による高温時のtanδ向上と、オイル(C)の寄与による柔軟性の付与という効果がともに良好に発現される。なお、ゴム成分として油展されたゴム成分(油展ゴム)を用いる場合、オイル(C)の含有量には油展ゴムに含まれるオイル成分も含まれる。
また、オイル(C)のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましい。オイルの含有量が5質量部未満の場合は、オイルを含有することによる効果が得られ難くなる傾向がある。また、オイルの含有量は、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることがさらに好ましい。オイルの含有量が200質量部を超える場合は、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム組成物の補強性を改善し、耐摩耗性、グリップ性能、特に高温条件化でのグリップ性能をさらに向上させることができるという点から、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的に用いられるSAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPFなどが挙げられる。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物においては、これらのカーボンブラックを単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、100m2/g以上であることが好ましく、120m2/g以上であることがより好ましい。カーボンブラックのN2SAが100m2/g未満の場合は、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、500m2/g以下であることが好ましく、450m2/g以下であることがより好ましい。カーボンブラックのN2SAが500m2/gを超える場合は、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。なお、本発明におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法によって求められる値である。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、充分な補強性が得られる点から、100ml/100g以上であることが好ましく、120ml/100g以上であることがより好ましい。また、カーボンブラックのDBPは、充分な耐摩耗性が得られるという点から、160ml/100g以下であることが好ましく、150ml/100g以下であることがより好ましい。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる値である。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、80質量部以上であることが好ましく、85質量部以上であることがより好ましく、90質量部以上であることがより好ましい。カーボンブラックの含有量が80質量部未満の場合は、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、120質量部以下であることが好ましく、110質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックの含有量が120質量部を超える場合は、硬度が上昇し過ぎる傾向がある。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シリカを配合してもよい。シリカは、補強用充填剤として機能するものであり、耐摩耗性、転がり抵抗特性および加工性を向上させることができる。また、シリカとしては、湿式法により調製されたものであってもよく、乾式法により調製されたものであってもよい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物がシリカを含有する場合、さらにカップリング剤を含有することが好ましい。カップリング剤の含有量は、空気入りタイヤの加工性を低下させない範囲内で適宜調整され得る。カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート等のチタン系カップリング剤等が挙げられる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、前記の成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、他の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、粘着剤、可塑剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜配合することができる。
前記可塑剤としては、前記オイル(C)以外のリノール酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの脂肪酸等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の化合物の他、カルバミン酸金属塩等が挙げられる。
前記粘着剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
前記可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、TCP(リン酸トリクレジル)、TEP(トリエチルホスフェート)、TBP(トリブチルホスフェート)、TOP(トリオクチルホスフェート)、TCEP(リン酸トリ(クロロエチル))、TDCPP(トリスジクロロプロピルホスフェート)、TBXP(リン酸トシブトキシエチル)、TCPP(トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート)、TPP(トリフェニルホスフェート)、オクチルジフェニルホスフェート、リン酸(トリスイソプロピルフェニル)、DOA(ジオクチルアジペート)、DINA(アジピン酸ジイソノニル)、DIDA(アジピン酸ジイソデシル)、D610A(アジピン酸ジアルキル610)、BXA(ジブチルジグリコールアジペート)、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
前記加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)等が挙げられる。なかでも、加硫特性に優れ、加硫後のゴムの物性において、機械的強度の向上効果が大きいという理由から、TBBS、CBS、DZなどのスルフェンアミド系加硫促進剤やMBT、MBTSなどのチアゾール系加硫促進剤が好ましい。また、NRおよびBRを併用する場合はTBBS、NRおよびブチル系ゴムを併用する場合はMBTSが特に好ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、および必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム組成物の温度が100℃である場合のtanδが0.20〜0.60であることが好ましく、0.25〜0.55であることがより好ましい。100℃におけるtanδが0.20未満である場合は、走行によりタイヤ温度が上昇した場合のグリップ性能が低下する傾向がある。また、100℃におけるtanδが0.60を超える場合は、転がり抵抗特性が悪化する傾向がある。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、本発明の高性能タイヤのタイヤトレッド用ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で、通常の方法により、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形する。該未加硫タイヤを加硫機中で加熱・加圧し、本発明の空気入りタイヤを得ることができる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ等として好適に用いることができ、特に氷雪路面走行用タイヤであるスタッドレスタイヤなど冬季に使用する乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤに好適に用いることができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
以下に実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
SBR:旭化成ケミカル(株)製のタフデン4350(結合スチレン量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してアロマオイル50質量部含有)
イソシアヌル酸誘導体:四国化成工業(株)製のDA−MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、融点:40〜42℃)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマオイル)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、N2SA:142m2/g、DBP:116ml/100g)
老化防止剤6PPD:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤224:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
SBR:旭化成ケミカル(株)製のタフデン4350(結合スチレン量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してアロマオイル50質量部含有)
イソシアヌル酸誘導体:四国化成工業(株)製のDA−MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、融点:40〜42℃)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマオイル)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、N2SA:142m2/g、DBP:116ml/100g)
老化防止剤6PPD:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤224:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
表1に示す配合内容のうち、各種薬品(硫黄ならびに加硫促進剤を除く)を、バンバリーミキサーにて150℃で3分間混練りすることで混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して80℃で5分間混練りすることで未加硫ゴム組成物を得た。その後、得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで試験用ゴムシート(加硫ゴムシート)を作製した。
また、前記の未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機で、厚み4mmのシートを作製し、これを他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃、25kgfの条件下で35分間プレス加硫することにより、11×7.10−5サイズの試験用カートタイヤを作製した。
得られた試験用ゴムシートおよび試験用カートタイヤを用いた、以下に示す方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
<粘弾性試験>
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度100℃、周波数10Hz、初期伸縮歪10%および動歪2%の条件下で、上記試験用ゴムシートの貯蔵弾性率E’(MPa)および損失正接tanδを測定した。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度100℃、周波数10Hz、初期伸縮歪10%および動歪2%の条件下で、上記試験用ゴムシートの貯蔵弾性率E’(MPa)および損失正接tanδを測定した。
<引張試験>
JIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、300%モジュラス(300%伸長時応力)を測定した。測定には、試験用ゴムシートを切り取った試験片(ダンベル3号形)を使用し、測定温度を100℃として行った。300%モジュラスの値が大きいほど耐アブレージョン摩耗性能が良好であることを示す。
JIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、300%モジュラス(300%伸長時応力)を測定した。測定には、試験用ゴムシートを切り取った試験片(ダンベル3号形)を使用し、測定温度を100℃として行った。300%モジュラスの値が大きいほど耐アブレージョン摩耗性能が良好であることを示す。
<グリップ性能試験(実車評価)>
試験用カートに試験用タイヤを装着し、1周約2kmのテストコースを8周走行する試験走行を行った。そして、ドライバーの官能評価により初期グリップ性能および後期グリップ性能を、比較例1における初期グリップ性能の結果を3点とし、下記の基準による5点満点で評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目のグリップ性能を、後半グリップ性能は5〜8周目のグリップ性能を示す。
5:かなりグリップ力が高い
4:ややグリップ力が高い
3:基準
2:ややグリップ力が劣る
1:まったくグリップしない
試験用カートに試験用タイヤを装着し、1周約2kmのテストコースを8周走行する試験走行を行った。そして、ドライバーの官能評価により初期グリップ性能および後期グリップ性能を、比較例1における初期グリップ性能の結果を3点とし、下記の基準による5点満点で評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目のグリップ性能を、後半グリップ性能は5〜8周目のグリップ性能を示す。
5:かなりグリップ力が高い
4:ややグリップ力が高い
3:基準
2:ややグリップ力が劣る
1:まったくグリップしない
<耐摩耗性試験(実車評価)>
前記試験走行(1周約2kmのテストコースを8周走行)後のカートタイヤの外観を目視で観察し、ササクレ摩耗の深さおよび大きさにより耐摩耗性を評価した。評価は、比較例1を3点とし、下記の基準による5点満点で行った。
5:耐摩耗性が良好である
4:耐摩耗性がやや良好である
3:基準
2:耐摩耗性がやや悪い
1:耐摩耗性が悪い
前記試験走行(1周約2kmのテストコースを8周走行)後のカートタイヤの外観を目視で観察し、ササクレ摩耗の深さおよび大きさにより耐摩耗性を評価した。評価は、比較例1を3点とし、下記の基準による5点満点で行った。
5:耐摩耗性が良好である
4:耐摩耗性がやや良好である
3:基準
2:耐摩耗性がやや悪い
1:耐摩耗性が悪い
表1の実施例から、特定のイソシアヌル酸誘導体を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物は、初期グリップ性能、後期グリップ性能において優れることがわかる。
一方、表1の比較例から、特定のイソシアヌル酸誘導体を含有しないタイヤトレッド用ゴム組成物では、初期グリップ性能、後期グリップ性能において劣ることがわかる。
Claims (6)
- ゴム成分(A)およびイソシアヌル酸誘導体(B)を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
- さらに、オイル(C)を含有する請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- イソシアヌル酸誘導体(B)の含有量がゴム成分(A)100質量部に対して5〜40質量部である請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- オイル(C)の含有量に対するイソシアヌル酸誘導体(B)の含有質量比(B)/(C)が、1/50〜50/1である請求項2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 100℃におけるtanδが0.20〜0.60である請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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