本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島(図示せず)に固定される木製の矩形状の外枠2と、該外枠2の前面開口部分を覆うように枢支された遊技機本体3とを備えている。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図4参照)が取り付けられた本体枠5と、該本体枠5の前面側に開閉可能に配設された前扉6とを備え、本体枠5と前扉6とが、外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。前扉6は、本体枠5に対して開閉可能であり、本体枠5(遊技機本体3)は、外枠2に対して開閉可能となっている。
ここで、本体枠5(遊技機本体3)は、通常は外枠2の右縁内側に設けられた第一係止部34,34に、第一フック片32,32が係合されていることにより、図1のように、外枠2の前面開口部分を覆う閉鎖状態で係止保持され、第一係止部34と第一フック片32との係合を解除することにより、図2のように、その左端縁を中心に前方回動可能となって開放できる。一方、前扉6は、通常は本体枠5の右縁に設けられた第二フック片33,33が、第二係止部35,35に係合されていることにより、図1のように、遊技盤10の前面を覆う閉鎖状態で係止保持され、第二係止部35と第二フック片33との係合を解除することにより、図3のように、その左端縁を中心に前方回動可能となって開放できる。前記フック片32,33はそれぞれ、前記係止部34,35と係合した状態を保持する方向へ付勢されており、この係合状態と係合解除する解除状態とに位置変換可能とするように配設されている。そして、フック片32,33は、前扉6に配設された鍵穴36に所定のカギを差し込み、所定の操作することにより、前記係合状態と解除状態とに変換可能となっている。すなわち、本体枠5を閉鎖状態から開放するためには、鍵穴36に差し込んだカギを一方向へ回動(第一操作)することにより、第一フック片32,32を係合解除する位置に変換させる。また、前扉6を閉鎖状態から開放するためには、鍵穴36に差し込んだカギを他方向へ回動(第二操作)することにより、第二フック片33,33を係合解除する位置に変換させる。
この前扉6には、遊技盤10の遊技領域12(図4参照)を臨む前面ガラス(図示せず)が配設されており、図1,2のように、前面ガラスの下方に上部球受皿7が設けられている。さらに、図3のように、前扉6の裏側には、上部球受皿7の左端に対応する部位に、該上部球受皿7内の遊技球を発射装置40に送り出す球送出装置38が配設されている。また、遊技機本体3の下部には、下部球受皿8が設けられ、該下部球受皿8の左方に発射ハンドル9が突設されている。尚、遊技機本体3により、本発明の機台が構成されている。
図4は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、演出画像表示器14等の各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。演出画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には各種演出画像等が表示される。
また、センターケース13の下部には、特別図柄の始動記憶(以下、特別始動記憶)を記憶保持している個数を表す未消化数(特別図柄始動記憶数)を報知するための特別始動記憶数表示装置17が配設されている。ここで、4個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17は、その点灯数により4個までの未消化数を報知する。
さらにまた、センターケース13の右側上部には、6個のLED(発光ダイオード)からなる特別図柄表示装置15が配設される。この特別図柄表示装置15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものであり、後述するように、所定契機によって、各LEDを点滅させることによって特別図柄が変動状態となり、点滅後にいずれかのLEDが点灯することで特別図柄が停止表示状態となる(図11,図12参照)。本実施例では、右側のLEDが点灯した停止図柄態様が当り態様、それ以外のLEDが点灯した停止図柄態様がハズレ態様と設定されており、特別図柄の停止図柄態様が当り態様で確定された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り遊技(特別遊技作動)に移行する。
図4に示すように、センターケース13の左側には普通始動ゲート19が設けられている。この普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、普通始動ゲート19に具備された普通始動スイッチS2(図6参照)が遊技球を検知して球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて、センターケース13の下部右側に設けられた2個の普通図柄表示装置(図示せず)が点滅して所定点灯態様で停止する。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口21を備えた普通電動役物20が配設されている。この始動口21の内部には、遊技球を検知する特別始動スイッチS1(図6参照)が配設されており、該始動口21への遊技球流入に伴って特別始動スイッチS1が遊技球を検知することによって特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
さらに普通電動役物20の直下かつアウト口28の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵する特別電動役物ソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図6参照)が設けられている。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
また、普通電動役物20の両側に配設された一般入賞装置29に遊技球が入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された一般入賞スイッチS4(図6参照)が球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
また、遊技機本体3の背面側には、図5に示すように、遊技島から供給される遊技球を貯留する球タンク45と、該球タンク45から、球受皿7,8の球払出口(図示せず)へ遊技球を流下させる球流通樋46と、球流通樋46に配設されて、球タンク45側から流下する遊技球を球払出口側へ送り出すことで、球受皿7,8に遊技球を払い出す球払出装置47とが設けられている。球払出装置47が送り出す遊技球は、上側の上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となると自然に下部球受皿8へ遊技球が払い出されることとなる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作を制御する制御回路を、図6を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技動作等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選乱数を参照して当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御信号を三つの制御基板62,63,64へ出力し、これらの制御基板62,63,64の中央制御装置CPUがこの制御信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、および払出制御基板64の各入力ポートに向け、一方向に出力される。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、特別始動スイッチS1や普通始動スイッチS2等の各種スイッチやセンサ等が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物ソレノイドや特別電動役物ソレノイド等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納された記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、演出画像表示器14を制御する画像制御基板65、スピーカを制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からの制御信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該制御信号で指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けて制御信号を送信する。
上記の画像制御基板65には、演出画像表示器14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、表示態様を制御処理する画像制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや画像データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、描画領域等のデータを読み書きする領域が設けられた記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。画像制御基板65は、演出制御基板62から演出画像等の表示に係る信号を受信すると、画像制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所要の画像データを記憶装置RAMに書き込んで一画面分の画像データを作成し、出力ポートを介して演出画像表示器14に出力し、演出画像表示器14の表示画面に、出力した画像データに係る画像を表出させる。
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音声データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。音源制御基板66は、演出制御基板62から演出音声等の出力に係る信号を受信すると、所要の音声データを記憶装置RAMで展開・混合してスピーカ(図示せず)に送出し、スピーカから出力させる。
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された多数の演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出用ランプの点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、演出ランプを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板67は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の演出制御基板62から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、出力ポートを介して、各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、特別図柄表示装置15のLEDの点灯、点滅等を制御する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LEDを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この図柄制御基板63は、図柄制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、特別図柄表示装置15のLEDを発光作動するドライバを配した図柄作動基板に出力し、この図柄作動基板が、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板64には、遊技球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、球払出装置47のソレノイドを作動して、賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータや未払球数等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力される払出要求信号を払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、出力ポートを介して球払出装置47のソレノイドを作動して、所定個数の賞球を払出す払出処理を実行する。
払出制御基板64の出力ポートには、発射制御基板68が接続される。発射制御基板68には、遊技機本体3に配設された発射装置40および球送出装置38を駆動制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板68の入力ポートには、発射ハンドル9に内蔵された回動角度検知センサから発射ハンドル9の現在角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板68の出力ポートには発射装置40および球送出装置38が接続されている。発射制御基板68は、発射ハンドル9からの入力信号があると、球送出装置38に内蔵されたモータを間欠的に駆動して発射装置40へ遊技球を一球毎に送り出すと共に、発射ハンドル9からの入力信号に応じた電圧強度で、発射装置40に内蔵されたロータリーソレノイドを間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度に応じた強さで遊技球を打圧発射する。
以上の制御回路にあって、本発明に係る遊技制御手段は、主に、主制御基板60、演出制御基板62、図柄制御基板63によって構成されている。また、本発明に係る演出画像手段は、主に、主制御基板60、演出制御基板62、画像制御基板65により構成されている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作の態様について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
遊技盤10の遊技領域12に発射された遊技球が、普通電動役物20の始動口21へ流入すると、各種テーブルから乱数抽選が行われて特別図柄用の特別始動記憶が発生する。そして、この特別始動記憶を消化することにより、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し(図11(a)参照)、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を確定する(図11(e)参照)。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。ここで、特別図柄の停止図柄態様が当り態様であると大当りとなり、後述の特別遊技作動を実行する。
また、上記の図柄生成行程の実行に伴って、スピーカや演出用ランプが所定態様で作動すると共に、演出画像表示器14の表示画面で演出画像を表示する。例えば、特別図柄が変動表示されている間は、演出画像表示器14の表示画面で特別図柄の変動表示に応じた特別演出画像態様Fが表示される(図10参照)。この特別演出画像態様Fでは、所定の演出画像を変動表示すると共に、時折リーチ演出画像や予告演出画像などが表示されることによって、遊技者の大当りへの期待感を盛り上げる。また、特別演出画像態様の表示と並行して、演出用LED(図示省略)が発光・点滅する。さらに、これらと並行するように、スピーカから演出音声が逐次出力されることで、画像、光、音声などを組み合わせた盛大な演出が行われる。
上記の特別始動記憶としては、記憶装置ROMに格納された特別図柄用の各種テーブルから夫々抽出した複数の乱数値によるデータ集合体から構成されており、該複数の乱数値は始動口21に流入した遊技球を特別始動スイッチS1が検知することによって夫々抽出される。特別始動記憶を構成する各乱数値は、上述したように、特別図柄の当落判定や図柄の変動・停止態様、特別演出画像態様F等を決定するためのものであり、具体的には、当り又はハズレを判定するための大当り乱数値、当りとなる場合の停止図柄態様を決定するための大当り図柄乱数値等を含む。このような特別始動記憶を消化することにより、当該始動記憶の大当り乱数値を判定し、その判定結果に基づき、他の乱数値に従って特別図柄の停止図柄態様や特別演出画像態様Fを選定する変動演出態様選択処理(図7参照)を行う。これに従って、図柄生成行程が実行される。
始動口21への入賞によって生成された特別始動記憶は、当該特別始動記憶の消化により図柄生成行程が開始されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。そして、特別始動記憶領域に記憶保持されている特別始動記憶の個数である未消化数を、上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって報知している。尚、本実施例にあっては、未消化数の上限が4個となっており、未消化数が4個ある状態では新たな特別始動記憶を発生しない。
特別図柄表示装置15で変動した特別図柄が当り停止図柄態様で確定停止すると、図示しない大入賞口処理に従って特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開放ラウンドを所定回数実行する作動であり、上述したように、特別図柄が当り停止図柄態様で停止して大当りとなることにより開始する。その後、所定回数の開放ラウンドを満了することにより当該特別遊技作動を満了する。ここで、一回の開放ラウンドは、大入賞口25の30秒間開放または9個の入賞のいずれか一方を満足することにより満了する。特別遊技作動では、この開放ラウンドを15回繰り返し実行する。このような特別遊技作動の実行状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。
次に本発明の要部について説明する。
上述したように、遊技機本体3の背面側に設けられた上記した球流通樋46の、球払出装置47の直下流位置に、球流通樋46内を通過する遊技球を検知する球センサ52aが配設されている。さらに、球流通樋46の、球払出装置47の直上流位置にも、同様の球センサ52bが配設されている。これら球センサ52a,52bは、上記した払出制御基板64に接続されており(図6参照)、遊技球の球検知信号を払出制御基板64へ送信する。
ここで、払出制御基板64は、各球センサ52a,52bからの球検知信号により、球流通樋46で遊技球が正常に流通しているか否かを判定する処理を行う。すなわち、球払出装置47へ球払出信号を送信している状態で、球センサ52aからの球検知信号が無く且つ球センサ52bからの球検知信号が有る場合には、球払出装置47の作動異常の発生または球払出装置47の上流での球詰り異常の発生と判定する。また、球払出信号の送信状態で、球センサ52aおよび球センサ52bの両方から球検知信号が無い場合には、遊技球の供給異常の発生または球タンク45近傍での球詰り異常の発生と判定する。また、球払出信号を送信していない状態で、球センサ52aから継続的に球検知信号が有る場合には、球払出装置47よりも下流での球詰り異常の発生と判定する。尚、球タンク45から球受皿7,8に至る球流通樋46の、遊技球が流通する内部空域により、本発明にかかる流通領域が構成されている。また、このような球詰り発生などが、本発明にかかる球流通異常の発生である。
そして、払出制御基板64は、上記の球流通異常が発生したと判定すると、異常発生信号を主制御基板60へ送信する。主制御基板60は、異常発生信号を受信すると、球流通異常の発生を報知するための指示信号を演出制御基板62へ送信する。演出制御基板62は、前記指示信号に従って、画像制御基板65を介して演出画像表示器14で球流通異常の発生を報知したり、光源制御基板67を介して所定のランプを点灯することにより球流通異常の発生を報知する流通異常報知処理(図8参照)を行う。このような報知により、遊技者が異常発生に気付くと、遊技場の係員を呼んで、異常解消の作業を求めることとなる。また、その他として、主制御基板60は、異常発生信号を受信すると、遊技場のホールコンピュータへ異常発生を知らせる信号を送信して、遊技場の係員に直接報知するようにしても良い。このように、球流通異常の発生を報知する構成については、従来から用いられている構成を適用できるため、その詳細については省略する。
また、上記と同様の球センサ52cが、前扉6の裏側に配設された上記した球送出装置38の送出口(図示せず)の口縁部位に配設されている。この球センサ52cは、発射制御基板68に接続されており(図6参照)、遊技球の球検知信号を発射制御基板68へ送信する。ここで、発射制御基板68は、球センサ52cからの球検知信号により、上部球受皿7から発射装置40までの間で遊技球が正常に流通しているか否かを判定する処理を行う。すなわち、発射ハンドル9からの入力信号に従って発射装置40および球送出装置38へ駆動信号を送信している状態で、球センサ52cからの球検知信号が無い場合には、球払出装置38の作動異常の発生または球詰り異常の発生と判定する。そして、このような球流通異常の発生に伴って、発射制御基板68は異常発生信号を主制御基板60へ送信する。主制御基板60は、異常発生信号を受信すると、上述と同様に、球流通異常の発生を報知するための指示信号を演出制御基板62へ送信する。これに伴って、演出制御基板62は、上述と同様に、球流通異常の発生を報知する流通異常報知処理(図8参照)を実行する。尚、上部球受皿7から発射装置40までの遊技球が流通する空域により、本発明にかかる流通領域が構成されている。また、このような球詰り発生などが、本発明にかかる球流通異常の発生である。
上記した流通異常報知処理(図8参照)では、払出制御基板64で球流通異常が発生した場合と、発射制御基板68で球流通異常が発生した場合とで、これらを報知する報知態様を夫々異なるものとして設定することにより、遊技場の係員にいずれの球流通異常が発生したかを報知できる。これにより、球流通異常の発生を解消する作業を行う場合に、本体枠5(遊技機本体3)を開放するか、前扉6を開放するかを、係員が正確かつ容易に判断できるようにしている。
また、前扉6の裏面側には、本体枠5(遊技機本体3)との開閉状態を検知するための扉開閉センサ55が設けられており、主制御基板60に接続されている(図6参照)。この扉開閉センサ55は、前扉6の閉鎖状態でセンサOFFであり、前扉6の開放状態でセンサONである。扉開閉センサ55は、前扉6が開放されてセンサONとなると、扉開放ON信号を主制御基板60に送信し、開放状態で継続的に扉開放ON信号を送信する。そして、前扉6が開放状態から閉鎖されてセンサOFFとなると、扉開放ON信号を送信停止する。主制御基板60は、扉開放ON信号を受信していない未受信状態から該扉開放ON信号を受信した受信状態に変わった時点で、前扉6が開放されたとし、扉開放ON信号の継続受信により開放状態が維持されているとする。そして、扉開放ON信号の受信状態から未受信状態に変わった時点で、前扉6が閉鎖されたとし、扉開放ON信号の未受信状態で閉鎖状態が維持されているとする。
また、本体枠5の背面側には、外枠2との開閉状態を検知するための本体開閉センサ56が設けられており、主制御基板60に接続されている(図6参照)。この本体開閉センサ56は、上記した扉開閉センサ55と同様に、本体枠5(遊技機本体3)が外枠2に閉鎖されている状態でセンサOFFであり、本体枠5が開放されるとセンサOFFからセンサONに変わり、開放状態でセンサONが維持される。本体枠5が開放されると、本体開閉センサ56から主制御基板60へ本体開放ON信号が送信され、この本体開放ON信号の継続受信により開放状態が維持されているとする。そして、本体枠5が閉鎖されるとセンサONからセンサOFFにかわり、本体開閉センサ56からの本体開放ON信号が停止し、閉鎖状態とされたとし、該本体開放ON信号の未受信状態で閉鎖状態が維持されているとする。
上記した扉開閉センサ55からの扉開放ON信号の受信に従って、図8の開放中断処理を実行する。この開放中断処理では、上記した扉開閉センサ55からの扉開放ON信号の未受信状態から、該扉開放ON信号の受信状態に変わると、前扉6が開放されたとして扉開放フラグ=1とする。さらに、扉開放ON信号の未受信状態から受信状態に変わった場合に、上記した発射制御基板68から異常発生信号を受信していれば、前扉6の開放を正規な開放として正規フラグ=1とする。また、扉開放ON信号の未受信状態から受信状態に変わった場合に、発射制御基板68から異常発生信号を受信していなければ、非正規な開放として、正規フラグ=0を維持する。尚、扉開閉センサ55からのON信号の受信状態から未受信状態に変わると、前扉6が閉鎖されたとして扉開放フラグ=0とする(図9参照)。一方、上記した本体開閉センサ56から本体開放ON信号を受信した場合にも、前記の開放中断処理を実行する。前記の扉開閉センサ55の場合と同様に、上記した本体開閉センサ56からの本体開放ON信号の未受信状態から、該本体開放ON信号の受信状態に変わると、本体枠5(遊技機本体3)が開放されたとして本体開放フラグ=1とする。さらに、本体開放ON信号の未受信状態から受信状態に変わった場合に、上記した払出制御基板64から異常発生信号を受信していれば、本体枠5の開放を正規な開放として正規フラグ=1とする。また、本体開放ON信号の未受信状態から受信状態に変わった場合に、上記した払出制御基板64から異常発生信号を受信していなければ、本体枠5の開放を非正規な開放として正規フラグ=0を維持する。尚、本体開閉センサ56からの本体開放ON信号の受信状態から未受信状態に変わると、本体枠5が閉鎖されたとして本体開放フラグ=0とする(図9参照)。
上記した開放中断処理により、異常検知振動の未受信状態で扉開放ON信号または本体開放ON信号を受信した場合には、正規フラグ=0であることから、前扉6または本体枠5が非正規に開放されたと判定して、主制御基板60から演出制御基板62へ非正規信号を送信する。この非正規信号の受信に伴って、演出制御基板62は、非正規な開放を報知する非正規開放報知処理(図8参照)を実行する。さらに、主制御基板60は、非正規信号を遊技場のホールコンピュータへ送信し、遊技場の係員に非正規な開放を報知する。
図11(a)のように特別図柄表示装置15で特別図柄の変動を開始して図柄生成行程を実行開始すると、図10(a)のように演出画像表示器14で特別演出画像態様Fを表示開始する。このように図柄生成行程の実行中に(図11(b),図10(b)参照)、球流通異常が発生し、前扉6または本体枠5(遊技機本体3)を開放したとする。これにより、上記した図8の開放中断処理では、扉開放フラグ=1かつ正規フラグ=1となるか、または本体開放フラグ=1かつ正規フラグ=1となる。そして、変動フラグ=0であると、非消化フラグ=1として、特別図柄処理(図7参照)により新たな特別始動記憶の消化を実行しないようにする。一方、変動フラグ=1であると、変動時間中断処理により、変動時間の時間消化を中断して、中断した変動時間の残余時間を記憶すると共に、特別中断フラグ=1として、図柄制御基板63と演出制御基板62へ中断信号を夫々送信する。図柄制御基板63は、中断信号を受信すると、特別図柄中断処理により、特別図柄表示装置15で点滅するLEDを消灯させる制御処理を実行して、特別図柄の変動表示を中断する(図11(c)参照)。また、演出制御基板62は、前記中断信号を受信すると、演出画像中断処理により、画像制御基板65を介して、演出画像表示器14で特別図柄の変動に応じて表示している特別演出画像態様Fを表示停止すると共に、演出画像表示器14で中断演出画像態様Gを表示する(図10(c)参照)。ここで、中断演出画像態様Gを表示する処理としては、予め記憶装置ROMに記憶されている画像データに基づいて、「特別図柄の変動を中断しています」という中断演出画像態様データを作成する処理を実行し、この中断演出画像態様データにかかる中断演出画像態様Gを演出画像表示器14の表示画面に表出する処理を実行する。
その後、前扉6または本体枠5が閉鎖されると、図9の再開処理により、扉開放フラグ=0または本体開放フラグ=0となると、正規フラグ=0とする。これにより、変動フラグ=0であれば、非消化フラグ=0として、新たな特別始動記憶の消化可能とする(図7参照)。一方、変動フラグ=1であると、変動時間再開処理により、記憶した残余時間に従って変動時間の時間消化を再開すると共に、特別中断フラグ=0として、図柄制御基板63と演出制御基板62へ再開信号を夫々送信する。図柄制御基板63は、再開信号を受信すると、特別図柄再開処理により、特別図柄表示装置15でLEDの点滅を開始する(図11(d)参照)。その後、図7の特別図柄処理により、変動時間が経過すると(タイムアップ)、所定の停止図柄態様で特別図柄表示装置15のLEDを点灯して、特別図柄が変動停止する(図11(e)参照)。そして、その停止図柄態様により当り又はハズレが確定する。また、演出制御基板62は、前記再開信号を受信すると、演出画像再開処理により、画像制御基板65を介して、演出画像表示器14で表示している「特別図柄の変動を中断しています」という中断演出画像態様Gの表示を消すと共に、表示停止した特別演出画像態様Fを表示再開する(図10(d),図10(e)参照)。ここで、特別演出画像態様Fの表示を再開する処理としては、特別図柄の変動開始時に作成した特別図柄演出画像データに基づいて、記憶した残余時間に従って特別図柄演出画像データを作成し、該データにかかる特別演出画像態様Fを演出画像表示器14の表示画面に表示する処理を行う。これにより、演出画像表示器14で再開する特別演出画像態様Fは、開放により表示停止した時点から引き続いて表示するものとなる。
このように前扉6または本体枠5の閉鎖により再開する特別図柄表示装置15での特別図柄の変動および演出画像表示器14での特別演出画像態様は、変動時間の残余時間に従って再開することから、通常の図柄生成行程と同様に、同期して満了する。
上述したように、球流通異常(球詰り異常など)が発生した場合に、遊技場の係員が前扉6または本体枠5(遊技機本体3)を開放すると、正規な開放と判定し、特別図柄の変動中であれば、特別図柄表示装置15でのLEDを消灯して特別図柄の変動を中断する(図11(c)参照)と共に、演出画像表示器14で表示している特別演出画像態様Fを表示停止して「特別図柄の変動を中断しています」という中断演出画像態様Gを表示する(図10(c)参照)。これにより、前扉6または本体枠5の開放中には、特別図柄の変動が進行してしまうことが無く、新たな特別始動記憶が消化されることも無い。その後、球流通異常が解消されて、開放している前扉6または本体枠5を遊技場の係員が閉鎖すると、特別図柄表示装置15でLEDを点滅して特別図柄の変動を再開する(図11(d)参照)と共に、演出画像表示器14で表示している中断演出画像態様Gを消して特別演出画像態様Fを表示再開する(図10(d)参照)。これにより、前扉6または本体枠5の開放状態で中断していた特別図柄の変動が再開し、該開放状態の前後を通じて特別図柄の変動と該変動に応じた特別演出画像態様Fを楽しむことができる。
したがって、本実施例の構成によれば、前扉6または本体枠5の開放中に、特別図柄の変動や特別演出画像態様Fの表示を遊技者が見逃してしまうことがなく、該特別図柄の変動や特別演出画像態様Fの表示により生ずる遊技性や興趣性が確実に保たれる。さらに、前記開放中に特別図柄が当り確定して大入賞口25を開放する特別遊技作動が実行されることも無い。而して、前記開放によって遊技者が不利益を被ることを可及的に抑制できる。
尚、本実施例にあって、本発明にかかる球流通検出手段は、主制御基板60、払出制御基板64、発射制御基板68により構成されている。また、扉開閉センサ55により本発明の扉開閉検知手段が構成され、本体開閉センサ56により本発明の本体開閉検知手段が構成されている。さらに、主制御基板60により、本発明の開放判定手段が構成されている。また、開放中断処理により、本発明にかかる遊技中断処理および演出中断処理が実現されており、再開処理により、遊技再開処理および演出中断処理が実現されている。
一方、上記した実施例の別例(以下、第一別例という)として、前扉6および本体枠5が正規開放した場合に、特別図柄表示装置15で特別図柄を変動継続して変動停止した時点で中断するようにした構成が提案される。すなわち、特別図柄の変動中に(図12(a),(b)参照)、開放されても、直ちに特別図柄の変動が中断せずに、変動継続し(図12(c)参照)、停止図柄態様で停止すると(図12(d)参照)、特別図柄を中断する(図12(e)参照)。この第一別例では、正規開放中に、次の特別始動記憶が消化されて新たな図柄生成行程が開始されることが無く、また、閉鎖した後に、少なくとも特別図柄の停止図柄態様は確認できることから(図12(f)参照)、特別図柄の変動停止により当り又はハズレの確定を報知するという遊技性は保たれ得る。また、演出画像表示器14で表示する特別演出画像態様は、特別図柄の変動と同様に継続して表示停止するようにしても良いし、正規開放した時点で表示停止するようにしても良い。後者の場合には、上述した実施例と同様に、開放した時点で特別演出画像態様を表示停止し、開放することにより、開放時に表示停止した時点から引き続いて特別演出画像態様を再開する。その後、再開した特別演出画像態様と図柄生成行程とが同期して満了するように、中断した図柄生成行程を再開する。ここで、特別図柄の変動時間は、開放された時点で変動時間の残余時間を記憶すると共に時間消化を継続し、さらに特別図柄を中断した時点での残余時間を記憶する。この二つの残余時間により、特別演出画像態様の再開と図柄生成行程の再開とを制御処理し、両者を同期して満了させる。
このような第一別例の構成にあっても、前扉6および本体枠5の正規開放により特別演出画像態様Fが表示停止して、閉鎖により再開することから、遊技者は、少なくとも特別図柄の停止図柄態様を確認できると共に、最も注目する特別演出画像態様Fを満喫できる(図10参照)。そして、遊技者が特別演出画像態様や特別図柄の停止図柄態様を見逃してしまうことを可及的に抑制できる。ここで、遊技者は、特別図柄の変動中も演出画像表示器14での特別演出画像態様Fを注視することから、該特別演出画像態様Fを中断再開することにより、遊技者の感情を昂揚させるという作用効果も保たれ得る。したがって、開放による影響を可及的に抑制できる。
この第一別例の構成は、正規開放により特別図柄を継続する処理以外は、上述した実施例と同じであり、その説明は省略する。すなわち、変動時間の残余時間を記憶する処理を、開放中断処理の変動時間中断処理(図8参照)により実行し、特別図柄を変動継続して中断する処理を特別図柄中断処理(図8参照)により実行し、特別演出画像態様を表示停止する処理を演出画像中断処理(図8参照)により実行することができる。そして、再開処理の変動時間再開処理、特別図柄再開処理、演出画像再開処理により(図9参照)、特別図柄と特別演出画像態様とを再開する処理を実行できる。
さらにまた、上記した実施例の別例(以下、第二別例という)として、前扉6および本体枠5の正規開放後に閉鎖した場合に、該開放により表示停止した特別演出画像態様Fをその最初から演出画像表示器14で表示するようにした構成が提案される。この第二別例では、特別演出画像態様Fの表示中に(図13(a),(b)参照)、前扉6または本体枠5が正規に開放されると、特別演出画像態様Fを消して中断演出画像態様Gを表示する(図13(c)参照)。その後、前扉6の閉鎖により扉開放フラグ=0または本体枠5の閉鎖により本体開放フラグ=0となると、正規フラグ=0として、改めて変動時間(再変動時間)を時間消化開始すると共に、演出制御基板62へ再開信号を送信する。演出制御基板62は再開信号を受信すると、画像制御基板65を介して、演出画像表示器14で表示している「特別図柄の変動を中断しています」という中断演出画像態様Gの表示を消すと共に、表示停止した特別演出画像態様Fを最初から表示する処理を実行する(図13(d)参照)。この処理では、図柄生成行程の開始時に作成して一時記憶した特別図柄演出画像データを読み込み、該特別図柄演出画像データに基づいて、演出画像表示器14の表示画面に特別演出画像態様Fを表示処理する。こうして最初から特別演出画像態様Fが表示されている間で、記憶した残余時間により定まる中断時点に達すると、図柄制御基板63へ再開信号を送信し、特別図柄表示装置15でLEDの点滅を開始する。これにより、演出画像表示器14での特別演出画像態様Fの表示と、特別図柄表示装置15での特別図柄の表示とが同期して満了する。
このような第二別例の構成によれば、前扉6および本体枠5の正規開放により表示停止した特別演出画像態様Fを最初から表示することから、遊技者は中断してしまった特別演出画像態様を十分に満喫することができる。そして、遊技者が特別演出画像態様Fを見逃してしまうことを可及的に抑制する効果が極めて高くなる。特別演出画像態様Fは、上述したように遊技者が最も注視する演出画像表示器14で表示されるものであるから、中断しても最初からもう一度表示することによって、遊技者の感情を昂揚させるという作用効果が一層安定かつ十分に発揮され得る。したがって、中断による影響を可及的に低減できる。
この第二別例の構成は、上記の再開する処理以外は、上述した実施例と同じであり、その説明は省略する。すなわち、変動時間を再開する処理と残余時間を再開する処理とを、再開処理の変動時間再処理(図9参照)により実行し、特別演出画像態様を最初から再開する処理を演出画像再開処理(図9参照)により実行し、特別図柄を再開する処理を特別図柄再開処理(図9参照)により実行する。尚、実施例1と同様に、開放中断処理(図8参照)を実行する。
また、さらに上述した実施例の別例として、図柄生成行程の実行中に前扉6および本体枠5が正規開放されると、当該特別図柄の変動を、該開放した時点から所定時間継続した後に変動途中で中断するようにしても良い。例えば、開放した時点から10秒経過すると特別図柄の変動を中断する等、継続する時間を設定することができる。この継続する時間としては、10秒や20秒のように固定した時間であっても良いし、残余時間に応じて変化させた時間であっても良い。さらに、特別演出画像態様にあっても、特別図柄の変動中断と同様に所定時間継続した後に表示停止するようにしても良い。尚、特別演出画像態様Fを表示停止するまでの継続時間としては、前記した特別図柄の継続時間と同じとしても良いし、異なる時間として設定しても良い。
また、上述した実施例の別例として、正規開放した後に閉鎖した場合に、該閉鎖した時点から所定時間経過すると特別図柄の変動および/または特別演出画像態様を再開するようにしても良い。この所定時間としては、上記の継続時間と同様に、固定した時間であっても良いし、残余時間に応じて変化させた時間としても良い。さらにまた、閉鎖した後に、遊技者の所定操作により再開するようにしても良い。例えば、機台の前面側に、遊技者により操作可能な再開ボタンを設け、閉鎖した後に遊技者が再開ボタンを押圧操作すると、特別図柄の変動および/または特別演出画像態様を再開するようにできる。又は、発射ハンドル9にタッチセンサを設け、閉鎖した後に遊技者が発射ハンドル9に触れることにより、特別図柄の変動および/または特別演出画像態様を再開するようにできる。いずれの構成にあっても、閉鎖した時点から直ちに再開されることがないため、遊技者は余裕を持って再開する遊技を楽しむことができる。
また、上述した本実施例、第一別例、第二別例の構成にあっては、球流通異常を、遊技機本体3の裏側の球流通樋46で発生するもの、および前扉6の裏側の球送出装置47で発生するものとして設定した構成であるが、その他に遊技球が流動する領域で発生する異常を設定しても良い。例えば、遊技盤10の始動口21または入賞口などの近傍に球センサを設け、該球センサにより遊技球が継続的に検知された場合に、球流通異常の発生としても良い。この場合には、役物や釘などの間に遊技球が挟まってしまった異常を検知できる。さらにまた、上記した球流通異常の他の異常が発生した場合にあっても、実施例と同様に開放中断処理および再開処理を実行し、特別図柄の変動中断および再開、特別演出画像態様の表示停止および再開を行うことも可能である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。