本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図2参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、二つの球受皿7,8が上下に列設されており、各球受皿7,8を臨む位置には、遊技球が払い出される球払出口30,31が夫々開口している。二つの球受皿7,8のうち、下側に設置された下部球受皿8の底部には、開閉可能な球抜孔33が設けられており、遊技者は、下部球受皿8の手前側に設けられた球抜レバー34が操作されて球抜孔33を開放することで、下部球受皿8の遊技球を機外に排出できる。また、前枠5には、右下部に発射ハンドル9が突設される。ここで、遊技機本体3により本発明の機台が構成されている。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、画像表示器14等の各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には各種演出画像等が表示される。
また、センターケース13の下部には、特別図柄の始動記憶(以下、特別始動記憶)を記憶保持している個数を表す未消化数(特別図柄始動記憶数)を報知するための特別始動記憶数表示装置17が配設されている。ここで、4個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17は、その点灯数により4個までの未消化数を報知する。
さらにまた、センターケース13の右側上部には、6個のLED(発光ダイオード)からなる特別図柄表示装置15が配設される。この特別図柄表示装置15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものであり、後述するように、所定契機によって、各LEDを点滅させることによって特別図柄が変動状態となり、点滅後にいずれかのLEDが点灯することで特別図柄が停止表示状態となる。本実施例では、右側のLEDが点灯した停止図柄態様が当り態様、それ以外のLEDが点灯した停止図柄態様がハズレ態様と設定されており、特別図柄の停止図柄態様が当り態様で確定された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り遊技(特別遊技作動)に移行する。
図2に示すように、センターケース13の左側には普通始動ゲート19が設けられている。この普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、普通始動ゲート19に具備された普通始動スイッチS2(図4参照)が遊技球を検知して球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて、センターケース13の下部右側に設けられた2個の普通図柄表示装置(図示せず)が点滅して所定点灯態様で停止する。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口21を備えた普通電動役物20が配設されている。この始動口21の内部には、遊技球を検知する特別始動スイッチS1(図3参照)が配設されており、該始動口21への遊技球流入に伴って特別始動スイッチS1が遊技球を検知することによって特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
さらに普通電動役物20の直下かつアウト口28の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵する特別電動役物ソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図4参照)が設けられている。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
また、普通電動役物20の両側に配設された一般入賞装置29に遊技球が入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された一般入賞スイッチS4(図4参照)が球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
尚、本実施例にあって、上記した普通電動役物20の始動口21が、本発明の始動口であり、普通電動役物20内に設けられた特別始動スイッチS1が、本発明にかかる球検知手段である。また、特別図柄表示装置15が、本発明の図柄表示装置である。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技島から供給される遊技球を貯留する球タンク35と、該球タンク35から、球受皿7,8の球払出口30,31へ遊技球を流下させる球流下樋36と、球流下樋36に配設されて、球タンク35側から流下する遊技球を球払出口30,31側へ送り出すことで、球受皿7,8に遊技球を払い出す球払出装置37とが設けられている。球払出装置37が送り出す遊技球は、上側の上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となると自然に下部球受皿8へ遊技球が払い出されることとなる。そして、球流下樋36には、下部球受皿8の球払出口31の直前位置に、下部球受皿8の満杯状態を検知する満杯検知センサ38が配設される。この満杯検知センサ38は、リミットスイッチからなり、下部球受皿8が満杯となった時に、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知し、満杯検知ONして満杯検知ON信号を出力する。満杯検知センサ38は、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知しなければ、前記満杯検知ON信号を出力せず、いわゆる満杯検知OFFである。そして、遊技球を検知している間、満杯検知ONが継続し、満杯検知ON信号を出力し続ける。本実施例では、上下の球受皿7,8のうち、満杯検知センサ38が配設された下部球受皿8が、本発明に係る球受皿に相当する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技動作等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選乱数を参照して当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御信号を三つの制御基板62,63,64へ出力し、これらの制御基板62,63,64の中央制御装置CPUがこの制御信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、および払出制御基板64の各入力ポートに向け、一方向に出力される。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、特別始動スイッチS1や普通始動スイッチS2等の各種スイッチやセンサ等が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。ここで、下部球受皿8の奥に配設された満杯検知センサ38が盤面中継基板61を介して接続されており、下部球受皿8の満杯時には、満杯検知センサ38から主制御基板60へ満杯検知ON信号が送信される。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物ソレノイドや特別電動役物ソレノイド等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納された記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、画像表示器14を制御する画像制御基板65、スピーカを制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からの制御信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該制御信号で指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けて制御信号を送信する。
上記の画像制御基板65には、画像表示器14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、表示態様を制御処理する画像制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや画像データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、描画領域等のデータを読み書きする領域が設けられた記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。画像制御基板65は、演出制御基板62から演出画像等の表示に係る信号を受信すると、画像制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所要の画像データを記憶装置RAMに書き込んで一画面分の画像データを作成し、出力ポートを介して画像表示器14に出力し、画像表示器14の表示画面に、出力した画像データに係る画像を表出させる。
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音声データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。音源制御基板66は、演出制御基板62から演出音声等の出力に係る信号を受信すると、所要の音声データを記憶装置RAMで展開・混合してスピーカ(図示せず)に送出し、スピーカから出力させる。
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された多数の演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出用ランプの点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、演出ランプを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板67は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の演出制御基板62から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、出力ポートを介して、各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、特別図柄表示装置15のLEDの点灯、点滅等を制御する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LEDを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この図柄制御基板63は、図柄制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、特別図柄表示装置15のLEDを発光作動するドライバを配した図柄作動基板に出力し、この図柄作動基板が、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板64には、遊技球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、球払出装置37のソレノイドを作動して、賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータや未払球数等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力される払出要求信号を払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、出力ポートを介して球払出装置37のソレノイドを作動して、所定個数の賞球を払出す払出処理(図5参照)を実行する。
払出制御基板64の出力ポートには、発射制御基板68が接続される。発射制御基板68には、発射装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板68の入力ポートには、発射ハンドル9に内蔵された回動角度検知センサから発射ハンドル9の現在角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板68の出力ポートには発射装置が接続されており、発射制御基板68は、発射ハンドル9からの入力信号に応じた電圧強度で、発射装置に内蔵されたロータリーソレノイドを間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。
以上の制御回路にあって、本発明に係る払出制御手段は、主に、主制御基板60及び払出制御基板64によって実現される。また、本発明に係る遊技制御手段は、主に、主制御基板60、演出制御基板62、図柄制御基板63、払出制御基板64によって実現される。また、本発明に係る満杯エラー報知手段は、主に、払出制御基板64、演出制御基板62、画像制御基板65及び音源制御基板66によって実現される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作の態様について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
遊技盤10の遊技領域12に発射された遊技球が、普通電動役物20の始動口21へ流入すると、各種テーブルから乱数抽選が行われて特別図柄用の特別始動記憶が発生する(図5の入賞検知処理参照)。そして、この特別始動記憶を消化することにより、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し(図8の特別図柄処理参照)、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を確定する。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。ここで、特別図柄の停止図柄態様が当り停止図柄態様であると大当りとなり、後述の特別遊技作動を実行する。
また、上記の図柄生成行程の実行に伴って、スピーカや演出用ランプが所定態様で作動すると共に、画像表示器14の表示画面で演出用画像を表示する。例えば、特別図柄が変動表示されている間は、画像表示器14の表示画面で演出図柄が変動表示され、時折リーチ演出画像や予告演出画像などが表示されることによって、遊技者の大当りへの期待感を盛り上げる。また、特別遊技作動中には大当り用の演出画像が画像表示器14に表示され、大当り遊技を盛り上げる。また、演出画像の表示と並行して、演出用LED(図示省略)が発光・点滅する。さらに、これらと並行するように、スピーカから演出音声が逐次出力されることで、画像、光、音声などを組み合わせた盛大な演出が行われる。
上記の特別始動記憶としては、記憶装置ROMに格納された特別図柄用の各種テーブルから夫々抽出した複数の乱数値によるデータ集合体から構成されており、該複数の乱数値は始動口21に流入した遊技球を特別始動スイッチS1が検知することによって夫々抽出される(図5の入賞検知処理参照)。特別始動記憶を構成する各乱数値は、上述したように、特別図柄の当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するためのものであり、具体的には、当り又はハズレを判定するための大当り乱数値、当りとなる場合の停止図柄態様を決定するための大当り図柄乱数値等を含む。このような特別始動記憶を消化することにより、当該始動記憶の大当り乱数値を判定し、その判定結果に基づき、他の乱数値に従って停止図柄態様や演出態様を選定する処理(図8中の変動演出態様選択処理)を行う。これに従って、図柄生成行程が実行される。
始動口21への入賞によって生成された特別始動記憶は、当該特別始動記憶の消化により図柄生成行程が開始されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。そして、特別始動記憶領域に記憶保持されている特別始動記憶の個数である未消化数を、上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって報知している。尚、本実施例にあっては、未消化数の上限が4個となっており、未消化数が4個ある状態では新たな特別始動記憶を発生しない(図5参照)。
特別図柄表示装置15で変動した特別図柄が当り停止図柄態様で確定停止すると、図9の大入賞口処理に従って特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開放ラウンドを所定回数実行する作動であり、上述したように、特別図柄が当り停止図柄態様で停止して大当りとなることにより開始する。その後、所定回数の開放ラウンドを満了することにより当該特別遊技作動を満了する。ここで、一回の開放ラウンドは、大入賞口25の30秒間開放または9個の入賞のいずれか一方を満足することにより満了する。特別遊技作動では、この開放ラウンドを15回繰り返し実行する。このような特別遊技作動の実行状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。
このように、パチンコ遊技機1は、遊技球の始動口21への入賞に基づいて、特別図柄表示装置15で特別図柄を変動し、その停止図柄態様が当り態様である場合に大入賞口25を開閉する特別遊技作動を実行するという、一連の遊技動作を処理制御するものである。
以下に、本発明の要部に係る構成について説明する。
本実施例では、遊技球が始動口21などに入賞すると、通常は、入賞の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が賞球として球受皿7,8に払い出される(図5の入賞検知処理)。球払出装置37が送出する遊技球は、上述のように、上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となって遊技球が上部球受皿7に流入不能となると、下部球受皿8に払い出される(図3参照)。そして、下部球受皿8も満杯となると、遊技球の払出しが停止する。
下部球受皿8が遊技球で満杯となると、上記の満杯検知センサ38が、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知することにより、満杯検知ONして満杯検知ON信号を出力し、検知している間で該満杯検知ON信号の出力を継続する。ここで、満杯検知センサ38は、満杯により滞留した遊技球を検知しなければ、満杯検知OFFを維持して、満杯検知ON信号を出力しない。すなわち、遊技球が満杯となると、満杯検知センサ38が満杯検知OFFから満杯検知ONとなることによって、満杯検知ON信号を出力していない状態(満杯フラグ=0)から満杯検知ON信号を出力する状態(満杯フラグ=1)となる(図6参照)。
満杯検知センサ38から出力した満杯検知ON信号は、上述したように主制御基板60に入力される。主制御基板60は、満杯検知ON信号を入力すると、図6又は図11の満杯中断処理により満杯フラグ=1として、該満杯検知ON信号が継続している間で(満杯フラグ=1かつ仮中断フラグ=1)、図5の入賞検知処理により上記した各スイッチS1,S2,S3から球検出信号を入力する毎に、未払球数Nをカウントして記憶装置RAMに記憶し、払出制御基板64への払出要求信号(賞球コマンド)を出力しない。これにより、払出制御基板64は球払出装置37の駆動を停止する。すなわち、下部球受皿8が遊技球で満杯となると、賞球の払い出しを中断する。尚、前記満杯が解消されることにより満杯検知ON信号の入力が無くなると、図6又は図11の満杯中断処理および図7の満杯中断復帰処理により満杯フラグ=0として、未払球数Nに従って未払いの賞球を払い出す未払い処理を実行する。この未払い処理では、未払球数Nに基づく払出要求信号を払出制御基板64へ出力し、払出制御基板64が、払出要求信号に従って球払出装置37を駆動して、未払球数Nによる数の賞球を払い出す。ここで、本発明に係る未払い制御処理が、入賞検知処理、満杯中断処理、満杯中断復帰処理(および未払い処理)により実現される。
一方、主制御基板60が満杯検知ON信号を入力すると、その時点における遊技動作状況を確認し、その状況に応じて、該遊技動作を所定契機動作の出現まで継続し、該所定契機動作の出現により遊技動作を中断する処理を行う(図6又は図11参照)。この処理として、所定契機動作を特別遊技作動の満了とする処理(実施例1)、または所定契機動作を大入賞口の開放ラウンドの満了とする処理(実施例2)を備えた構成を、具体例として以下説明する。尚、いずれの構成にあっても、特別図柄の変動満了も前記した所定契機動作として設定している。
実施例1の構成としては、上記した特別遊技作動中に、下部球受皿8が遊技球で満杯となると、当該特別遊技作動をその満了まで継続し、該満了すると、遊技動作を中断する。さらには、特別図柄の変動中に、下部球受皿8が満杯となると、当該変動を停止するまで継続し、確定停止すると、遊技動作を中断する。すなわち、本実施例1は、所定契機動作として、特別遊技作動の満了と、特別図柄の変動停止(図柄生成行程の満了)とを設定したものである。
上述したように、下部球受皿8が遊技球で満杯となると、満杯検知センサ38が満杯検知OFFの状態から満杯検知ONとなって満杯検知ON信号を主制御基板60へ出力する。主制御基板60が満杯検知ON信号を入力すると、図6の満杯中断処理を行う。満杯中断処理では、満杯検知ON信号の入力により、満杯フラグ=1とする。すなわち、満杯検知ON信号を入力していない状態では、満杯フラグ=0が維持され、満杯検知ON信号を入力すると満杯フラグ=1となって、このON信号を継続的に入力している間で満杯フラグ=1が維持される。
満杯検知ON信号の入力により満杯フラグ=1となると、図柄生成行程の実行中(変動フラグ=1)であるか否か、特別遊技作動の実行中(特別遊技フラグ=1)であるか否かを確認する。そして、変動フラグ=1の場合には変動満了フラグ=1とし、又は特別遊技フラグ=1の場合には特別満了フラグ=1とし、仮中断フラグ=1とする。この仮中断フラグ=1となっても、変動中の図柄生成行程が継続し、又は実行中の特別遊技作動が継続する。すなわち、遊技動作を継続する。
先ず、特別遊技作動の実行中(特別遊技フラグ=1)で満杯フラグ=1となった場合について、説明する。この場合における上記の遊技動作の継続としては、満杯フラグ=1となっても実行中の特別遊技作動を継続する。すなわち、遊技球の発射が可能であり、画像表示器14での演出画像も継続して表示され、始動口21への入賞に基づいて特別始動記憶が発生し、遊技球の入賞による未払球数Nをカウントする等、非満杯状態と同様に遊技動作を継続する。尚、前記のように、始動口21や大入賞口25に遊技球が入賞しても、満杯フラグ=1であることから、未払球数Nをカウントして記憶して払出要求信号を出力しないため、新たな賞球を発生しない(図5参照)。
さらに、本実施例1にあっては、満杯フラグ=1により仮中断フラグ=1となると、図6に示す満杯エラー報知処理を実行する。この満杯エラー報知処理では、仮中断フラグ=1であることから、消極的な満杯エラー報知の実行を指示するための報知要求信号を、演出制御基板62に送信し、これに伴って演出制御基板62が、図10(a)のように画像表示器14の片隅に満杯エラー画像Fの「球受皿が満杯です!」を小さく且つ目立たないように表示する制御を、画像制御基板65を介して実行する。このように、満杯エラー画像Fの表示という消極的な満杯エラー報知を実行しても、特別遊技作動中に画像表示器14で表示される演出画像を妨げることが無く、該演出画像を遊技者が満喫できるようにしている。
満杯フラグ=1は、満杯検知ON信号の入力が継続している間、継続する。そして、特別遊技作動が満了して特別遊技フラグ=0となると、仮中断フラグ=1かつ特別満了フラグ=1であることから、中断フラグ=1かつ仮中断フラグ=0として、遊技動作を中断する図6に示す動作中断処理を実行する。尚仮に、特別遊技作動の満了前に、遊技者が球抜レバー34の操作により満杯を解消すると、満杯検知センサ38が満杯検知OFFとなって満杯検知ON信号が主制御基板60に入力しなくなるため、図7の満杯中断復帰処理により、仮中断フラグ=0かつ満杯フラグ=0として、上述したように未払い処理により未払球数Nに従って賞球を払い出す。さらに、エラー報知満了処理により、上記した満杯エラー画像Fを消す処理を行う。そして、この後に特別遊技フラグ=0となっても、満杯フラグ=0かつ中断フラグ=0を維持することから、遊技動作を中断する前記の動作中断処理は実行されずに、遊技動作が継続する。
上記のように満杯フラグ=1かつ仮中断フラグ=1が継続している状態で特別遊技作動が満了すると、特別満了フラグ=1で特別遊技フラグ=0となることから、中断フラグ=1かつ仮中断フラグ=0として遊技動作を中断する動作中断処理を行う。ここで、動作中断処理としては、遊技球の発射停止、特別始動記憶の消化停止(図8参照)、各スイッチによる遊技球検知停止(図5参照)等を行う。すなわち、主制御基板60は、動作中断処理により、発射制御基板68へ停止要求信号を送信する。発射制御基板68は、停止要求信号を受信すると、発射ハンドル9の回動角度検知センサからの入力信号を無効とし、例え該入力信号を受信しても発射装置を駆動しないように制御する。これにより、遊技者が例え発射ハンドル9を回動操作しても、遊技球は発射されない。また、主制御基板60は、動作中断処理に従って、未消化の特別始動記憶を記憶している場合であっても該特別始動記憶の消化処理を行わない(図8参照)。また、動作中断処理に従って、各スイッチS1〜S3から球検知信号を入力しても、該入力を無効とする(図5参照)。これにより、新たな特別始動記憶を発生せず且つ未払球数Nもカウントしない。さらに、主制御基板60は、上記した満杯エラー報知処理により、演出制御基板62へ中断演出要求信号を送信する。そして、演出制御基板62は、中断演出要求信号の受信により、画像制御基板65を介して、画像表示器14で演出画像を一時停止した表示態様を表示するように制御すると共に、図10(b)のように画像表示器14で満杯エラー画像Gを表示する。ここで、満杯エラー画像Gとしては、画像表示器14の表示画面の大部分を占めるように「球受皿が満杯です!/球を排出して下さい!」というメッセージを表記してなるものであり、他の演出画像よりも前面に表示される。すなわち、この満杯エラー画像Gが他の画像に比して優先して表示される。さらに、演出制御基板62は、中断演出要求信号の受信により、音源制御基板66を介して、スピーカから所定の満杯エラー音声を出力するように制御する。満杯エラー音声は、「球受皿が満杯です!球を排出して下さい!」という音声からなり、他の演出音声を出力を小さくする。これにより、満杯エラー音声が優先して発生することとなる。
尚ここで、特別遊技作動の満了後に遊技動作の動作中断処理を実行する条件としては、特別遊技フラグ=0となった際に、満杯フラグ=1および仮中断フラグ=1が継続していることとしている。
こうして、中断フラグ=1により遊技動作を中断し(動作中断処理)、満杯エラー画像Gの表示および満杯エラー音声の発生による満杯エラー報知を実行する(満杯エラー報知処理)ことにより、下部球受皿8の満杯を解消するため、遊技者に球抜レバー34の操作を強く促すことができる。遊技者にあっては、遊技動作の中断によって遊技が進行しないことから、満杯解消の操作に集中でき、該操作を余裕を持って行うことができる。
遊技動作を中断している状態で、遊技者による球抜レバー34(図1参照)の操作によって満杯解消されると、満杯検知センサ38が、満杯検知ONを継続した状態から、満杯検知OFFとなる。これにより満杯検知ON信号の入力が無くなることから、図7の満杯中断復帰処理によって、満杯フラグ=0として、未払い処理とエラー報知満了処理とを実行する。未払い処理としては、主制御基板60が払出制御基板64に払出要求信号を送信し、これに伴って払出制御基板64が、球払出装置37を駆動して、払出要求信号の未払球数Nに従って、満杯フラグ=1の間で未払いとなっていた賞球を払い出す。ここで、払出要求信号は、上述したように、未払球数Nに基づいて設定されるものであり、仮中断フラグ=1である間に発生した未払いの賞球を払い出すための信号である。これにより、下部球受皿8の満杯中に発生した賞球が払い出されることから、遊技者が本来得るべき利益を確実に提供することができる。また、前記のエラー報知満了処理としては、主制御基板60が演出制御基板62に中断演出停止信号を送信し、これに伴って演出制御基板62が画像表示器14で表示している上記の満杯エラー画像Gの表示を消す処理と、スピーカから発生している上記の満杯エラー音声を停止する処理とを実行する。
さらに、本実施例の構成では、満杯フラグ=0となっても中断フラグ=1が維持されていることから、上記のエラー報知満了処理により、下部球受皿8の左側に設けられた復帰操作ボタン52の操作を促すための遊技再開報知を、画像表示器14で実行する処理を実行する。すなわち、主制御基板60は、エラー報知満了処理により、満杯フラグ=0となった場合に中断フラグ=1であると、演出制御基板62に、上記した中断演出停止信号と共に再開要求演出信号を送信する。演出制御基板62では、再開要求演出信号に従って、図10(c)のように画像表示器14で再開要求画像Hである「復帰操作ボタンを押して下さい!」を表示する。前記復帰操作ボタン52は、その押圧操作によって再開信号を発信する復帰操作スイッチ装置51を構成しており、この復帰操作スイッチ装置51が盤面中継基板61を介して主制御基板60に接続されている。復帰操作ボタン52が遊技者によって押圧操作されると、再開信号が主制御基板60へ送信される。この再開信号を受信すると、図7の満杯中断復帰処理により、主制御基板60が中断フラグ=0として、中断している遊技動作を再開する動作再開処理を実行する。この動作再開処理により、遊技球を発射可能とし、特別始動記憶の消化を開始し、各スイッチS1〜S3による遊技球検知を可能とする。すなわち、主制御基板60は、発射制御基板68へ再開要求信号を送信し、該再開要求信号を受信した発射制御基板68は、発射ハンドル9の回動角度センサからの入力信号を有効として、該入力信号に従って発射装置を駆動する。これにより、遊技者の発射ハンドル9の回動操作に従って、通常通りに遊技球が発射される。また、主制御基板60は、中断フラグ=0であることから、未消化の特別始動記憶を記憶していると、該特別始動記憶の消化処理を順次実行する。さらに、各スイッチS1〜S3から球検知信号を入力すると、該入力を有効として、これに従って処理を実行する。さらにまた、中断フラグ=0となると、エラー報知満了処理により、主制御基板60から再開要求停止信号を演出制御基板62へ送信し、演出制御基板62が前記した再開要求画像Hを消す処理を行う。
さらに、本実施例1の構成では、上述したように、図柄生成行程の実行中に下部球受皿8が満杯となると、図6の満杯中断処理により満杯フラグ=1として、変動フラグ=1であることから変動満了フラグ=1かつ仮中断フラグ=1とする。これにより、変動中の図柄生成行程は継続し、遊技球の入賞による未払球数Nをカウントする処理(図5参照)を行うと共に、図10(d)のように画像表示器14の片隅に満杯エラー画像Fを小さく且つ目立たないように表示する満杯エラー報知処理を行う。そして、満杯フラグ=1かつ仮中断フラグ=1が継続した状態で、当該図柄生成行程が満了すると(変動フラグ=0)、中断フラグ=1かつ仮中断フラグ=0として遊技動作を中断する動作中断処理を実行する。この動作中断処理は、上述した特別遊技作動の満了による場合と同様である。すなわち、遊技球の発射停止、特別始動記憶の消化停止、各スイッチによる遊技球検知停止等を行う。さらに、満杯エラー報知処理により画像表示器14で演出画像を一時停止して満杯エラー画像Gを優先表示する(図10(b)参照)。その後、遊技者による球抜レバー34の操作によって下部球受皿8の満杯が解消すると、図7の満杯中断復帰処理により満杯フラグ=0として、未払い処理により未払球数Nに従って仮中断フラグ=1の間に払い出されるはずであった賞球を払い出すと共に、エラー報知満了処理により画像表示器14で満杯エラー画像Gの表示を消して再開要求画像Hを表示する(図10(c)参照)。そして、遊技者によって復帰操作ボタン52が押圧操作されると、中断フラグ=0として、動作再開処理により、発射ハンドル9の回動操作によって遊技球を発射可能とし、未消化の特別始動記憶の消化を開始し、各スイッチS1〜S3による遊技球検知を可能とする。こうして、遊技動作を再開する。
このように、図柄生成行程の実行中に下部球受皿8が満杯になった場合にあっても、特別遊技作動の実行中と同様に、遊技動作の継続と中断と再開とを行う。尚、下部球受皿8が満杯になった際に、図柄生成行程を実行していない状態(変動フラグ=0)または特別遊技作動を実行していない状態(特別遊技フラグ=0)であれば、満杯フラグ=1により中断フラグ=1として、上記した遊技動作を中断する動作中断処理を行う。そして、満杯解消と復帰操作ボタン52の操作によって遊技を再開する。このように本実施例の場合、下部球受皿8が満杯になった場合に遊技動作を継続するのは、図柄生成行程の実行中または特別遊技作動の実行中であり、該図柄生成行程の満了と特別遊技作動の満了とが、本発明にかかる所定契機動作の出現である。
上述したように、本実施例1の構成では、図柄生成行程の実行中または特別遊技作動の実行中に下部球受皿8が満杯となると、当該図柄生成行程の満了または特別遊技作動の満了まで遊技動作を継続することから、遊技者が図柄生成行程による遊技や特別遊技作動による遊技に集中してこれらを満喫することができる。その後、図柄生成行程または特別遊技作動が満了すると、遊技動作を中断し、満杯解消を促す報知を実行する。これにより、遊技者は、遊技の進行を気にせずに、満杯を解消するための操作(球抜レバー34の操作)を余裕を持って行うことができる。そして、満杯解消すると、満杯開始から解消までに発生した賞球を払い出すことから、遊技者の利益が確実に担保される。さらに、遊技者が復帰操作ボタン52の操作によって遊技動作を再開することから、遊技者が自分の意志によって遊技を再開することができるため、遊技再開に向けた遊技者の感情を効果的に高めることができる。このように、下部球受皿8が満杯となった場合には、遊技動作が継続して遊技進行できる期間と、遊技動作が中断して球抜操作を行う期間とが分離されることから、遊技者は遊技進行と球抜操作との一方を行うだけで足り、遊技の操作にかかる負担が増加することもなく、該負担増加による不利益が生じることもない。
尚、本実施例1の構成にあって、図6の満杯中断処理および図7の満杯中断復帰処理により、本発明に係る満杯中断処理を実現できる。また、画像表示器14による満杯エラー画像Gの表示とスピーカによる満杯エラー音声の発生とにより、本発明にかかる満杯エラー報知を実行している。また、復帰操作ボタン52を備えた復帰操作スイッチ装置51により、本発明にかかる復帰操作スイッチが構成されている。
実施例2の構成にあっては、特別遊技作動の実行中(特別遊技フラグ=1)で下部球受皿8が満杯となると、該特別遊技作動の開放ラウンドが満了するまで遊技動作を継続し、該満了すると、遊技動作を中断するようにしたものである。
ここで、特別遊技作動は、上述したように、大入賞口25を開閉する開放ラウンドを所定回数行う作動であり、一回の開放ラウンドは開放開始から30秒経過または大入賞口25へ9個入賞のいずれかの発生を条件として閉鎖して満了する。本実施例2の構成では、図12のように、開放ラウンドを開始すると、ラウンドフラグ=1とし、当該開放ラウンドを満了すると、該ラウンドフラグ=0とする。そして、開放ラウンドが一回満了する毎に、開放ラウンド数Rを累積加算し、該開放ラウンド数Rが所定回数(15回)となると、特別遊技フラグ=0として特別遊技作動を満了する。
図11の満杯中断処理により、特別遊技作動中に下部球受皿8が満杯となると、満杯フラグ=1とし、ラウンドフラグ=1の場合に仮中断フラグ=1として、上述した実施例1と同様に遊技動作を継続する。遊技動作を継続することから、遊技球の発射や入賞等が継続する。そして、本実施例2にあっては、画像表示器14で上記の満杯エラー画像F(図10(a)参照)を表示しない。これは、開放ラウンドが比較的短時間に満了するためである。尚、特別遊技作動の満了まで継続する実施例1の構成に比して、本実施例2の場合には未払球数Nが少なくなる傾向にある。
その後、開放ラウンドが満了してラウンドフラグ=0となると、仮中断フラグ=1により中断フラグ=1として、上述した実施例1と同様に遊技動作を中断する動作中断処理を実行する。これにより、遊技球の発射不能や入賞の無効等とする。そして、上述した実施例1と同様に、満杯エラー報知処理により画像表示器14で満杯エラー画像Gを優先表示し(図10(b)参照)、遊技者に満杯解消を強く促す。
遊技者による球抜レバー34の操作によって下部球受皿8の満杯が解消すると、満杯フラグ=0として、未払球数Nに従って賞球を払い出す(未払い処理)と共に、画像表示器14で満杯エラー画像Gに換わって再開要求画像H(図10(c)参照)を表示する(エラー報知満了処理)。そして、遊技者によって復帰操作ボタン52が操作されると、中断フラグ=0として、上述した実施例1と同様に、動作再開処理により遊技動作を再開する。これにより、残りの開放ラウンドが順次実行されていく。
尚、本実施例2では、特別遊技作動中に下部球受皿8の満杯により満杯フラグ=1となった場合に、大入賞口25を閉鎖している状態(ラウンドフラグ=0)であれば、中断フラグ=1として、上記の動作中断処理により遊技動作を中断する。そして、満杯解消や復帰操作ボタン52の操作によって、上記の動作再開処理により遊技動作を再開する(図7参照)。
また、本実施例2にあっては、図柄生成行程中に下部球受皿8が満杯になると、上述した実施例1と同様に、該図柄生成行程の満了まで遊技動作を継続し、満了により遊技動作を中断し、満杯解消かつ復帰操作ボタン52の操作により遊技動作を再開する(図7参照)。
本実施例2では、特別遊技作動の開放ラウンド中に下部球受皿8が満杯となると、当該開放ラウンドの満了まで遊技動作を継続して、満了すると、遊技動作を中断するようにしたものであり、上述した実施例1のように特別遊技作動の満了まで遊技動作を継続する構成と異なっている。そして、遊技動作の継続と中断とを、開放ラウンドを基準とするか、又は特別遊技作動を基準とするか以外については、実施例2は実施例1と同様である。そのため、実施例2の構成にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
一方、上述した実施例1,2の構成にあっては、遊技動作を中断している際に、満杯解消されると、復帰操作ボタン52の操作を条件として遊技動作を再開するようにしたものであるが、その他の構成として、満杯が解消されると、遊技動作を自動的に再開するようにしても良い。この場合には、復帰操作ボタンを必要としない。また、復帰操作ボタンに換えて、遊技者の発射ハンドル9の操作によって遊技動作を再開するようにしても良い。この場合には、満杯解消された状態で、遊技者が発射ハンドル9に触れることによって遊技動作を再開したり、発射ハンドル9が回動することによって遊技動作を再開したりすることができる。前者の場合では、発射ハンドル9のタッチセンサにより本発明の復帰操作スイッチを構成し、後者の場合には、発射ハンドル9の回動角度検知センサにより本発明の復帰操作スイッチを構成している。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。