JP2013166687A - 誘電体磁器およびそれを用いた電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】LiOを含む化合物を使用しても、低温で焼成して得ることを可能としつつ、焼結性を確保し、優れた誘電特性を有し、誘電体セラミックスに耐水性を保たせて、高温多湿環境下での信頼性試験面を維持できるような誘電体磁器及び電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】主成分としてMgSiOを含み、副成分としてTiO、AlおよびLiOを含み、前記主成分100質量部に対し、前記TiOは酸化物換算で0.5質量部以上5.0質量部以下,前記Alは酸化物換算で0.5質量部以上3.0質量部以下,前記LiOは酸化物換算で1.0質量部以上3.0質量部以下含有することを特徴とする誘電体磁器であることが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ波など高周波領域で使用される誘電体磁器およびそれを用いた電子部品に関する。
近年、需要が増加している携帯電話等の移動体通信機器では、数百MHzから数GHz程度のいわゆる準マイクロ波帯と呼ばれる高周波帯域が使用されている。そのため、移動体通信機器に用いられるコンデンサ、フィルター、共振器、回路基板等の電子部品においても高周波帯域での使用に適した諸特性が要求されている。
高周波帯域で使用される電子部品の一つである回路基板は、電極や配線等の導体(以下、「導体材」という。)を備え、磁性体と誘電体とを組み合わせてなるLCフィルター、高誘電率材料と低誘電率材料とを組み合わせてなるコンデンサなどを内蔵し、LCフィルターやコンデンサなどの回路を形成している。
回路基板では、その配線層での配線間容量に起因する信号遅延を低減するため、基板の比誘電率εrを低くすることが必要となる。また、回路基板では、高周波信号を減衰させないため、基板のQ・f値を大きくすること(即ち、誘電損失を小さくすること)が必要となる。従って、回路基板用の材料としては、使用周波数における比誘電率εrが低く、且つQ・f値が大きい誘電体材料が要求される。Qは、誘電体における現実の電流と電圧の位相差と、理想の電流と電圧の位相差90度との差である損失角度δの正接tanδの逆数であり、fは共振周波数である。Q・f値は、品質係数Q=1/tanδと共振周波数fとの積で表され、Q・f値が大きくなると、誘電損失は小さくなる。
一般に誘電率の低い材料は誘電損失が小さいものが多く、マイクロ波領域のデバイスに使用されており、例えば、LCフィルターは高誘電率材料と低誘電率材料とを同時焼成して形成される。LCフィルターはそのL部を構成する部分のセラミック材料に自己共振周波数を高く取れるように高いQ値を有する低誘電率材料を、C部に温度特性が良く誘電率の高い材料を用いることで温度特性の良い高Q値を有するLC素子を実現できる。
一般に、導体材と誘電体材料とを同時に焼成するには、低温焼成が可能な誘電体材料(LTCC材料)が必要となる。低温焼成を行うためには、副成分として低融点酸化物(LiO,B,MoO,Bi等)やガラス類(SiO−B−アルカリ金属酸化物−アルカリ土類酸化物,硼珪酸亜鉛ガラス等)を使用する。特に、LiOを含むガラスは低軟化点のため、低温焼成には非常に有効な副成分になることが知られている。
特許文献1には、フォルステライト(金属酸化物結晶相)をフィラーとして混入させたリチウム珪酸系ガラスの、焼成時における非晶質相の生成量の制御に関する技術が開示されている。しかしながら、このLiOを含むガラスを上記LTCC材料の副成分として使用すると、誘電特性,特にQ値の劣化や機械強度の劣化等、耐水性と電気,機械特性を含めた諸特性との両立化が困難になる問題が生じる。また特許文献2には、主成分にフォルステライトを含み、副成分の一つとしてリチウム化合物(LiO)を含有させる技術が開示されているが、この場合も同様な問題が生じる。
特開平10−242604号公報 特開2009−132579号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、LiOを含む化合物を使用しても、低温で焼成することを可能としつつ、緻密に焼結し、優れた誘電特性を有する誘電体磁器(誘電体セラミックス)を提供するものである。また誘電体セラミックスに耐水性を保たせて、高温多湿環境下での信頼性試験面を維持できるような誘電体磁器およびそれを用いた電子部品を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するために、本発明者らは誘電体磁器、およびそれを用いた電子部品について鋭意研究をした。その結果、主成分としてMgSiOを含み、副成分としてTiO、AlおよびLiOを含み、主成分100質量部に対し、TiOは酸化物換算で0.5質量部以上5.0質量部以下,Alは酸化物換算で0.5質量部以上3.0質量部以下,LiOは酸化物換算で1.0質量部以上3.0質量部以下であることを特徴とする誘電体磁器を得て、その誘電体磁器からなる誘電体層を有することを特徴とする電子部品を得ることで上記目的を達成するに至った。
LiOを含む化合物を使用しても、低温で焼成して得ることを可能としつつ、焼結性を確保し、優れた誘電特性を有し、誘電体セラミックスに耐水性を保たせて、高温多湿環境下での信頼性試験面を維持できるような誘電体磁器を提供することが可能となる。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
<誘電体磁器>
本実施形態に係る誘電体磁器(誘電体セラミックス)は、主成分としてMgSiOを含み、副成分としてTiO、AlおよびLiOを含むことを特徴とする。
なお、本実施形態において、誘電体磁器とは、誘電体組成物を焼結させることによって得られる焼結体である。また、焼結とは、誘電体組成物を加熱することで、誘電体組成物が焼結体となり、緻密な物体になる現象である。一般に、加熱前の誘電体組成物に比べて、焼結体(誘電体磁器)の密度、機械的強度等は大きくなる。また、焼結温度とは、誘電体組成物が焼結する際の温度である。また、焼成とは、焼結を目的とした加熱処理を意味し、焼成温度とは、加熱処理の際に誘電体組成物が曝される雰囲気の温度である。
誘電体組成物を低温で焼成することが可能であるか否か(低温焼結性)の評価は、誘電体組成物の焼成温度を徐々に下げて焼成し、本実施形態に係る誘電体磁器が所望の誘電体高周波特性が得られる程度に誘電体組成物が焼結しているかどうかで判断することができる。また、本実施形態に係る誘電体磁器についての誘電特性は、Q・f値、温度変化による共振周波数の変化(共振周波数の温度係数τf)、及び比誘電率εrによって評価することができる。Q・f値、比誘電率εrは、日本工業規格「マイクロ波用ファインセラミックスの誘電特性の試験方法」(JIS R1627 1996年度)に従って測定することができる。
<主成分>
本実施形態に係る誘電体磁器には、MgSiO(フォルステライト)が主成分として含まれる。MgSiOは、単体でのQ・f値が200000GHz以上であり、誘電損失が小さいため、誘電体磁器の誘電損失を低下させる機能を有する。また、MgSiOは、その比誘電率εrが6から7程度と低いため、誘電体磁器の比誘電率εrを低下させる機能も有する。ここで、誘電損失は、高周波のエネルギの一部が熱となって放散する現象である。誘電損失の大きさは、上記の通り、現実の電流と電圧の位相差と理想の電流と電圧の位相差90度との差である損失角度δの正接tanδで表される。従って、低損失化の式としてはtanδの逆数であるQ(Q=1/tanδ)が使われる。誘電体磁器の誘電損失の評価は、このQと共振周波数fの積であるQ・f値を用いている。誘電損失が小さくなればQ・f値は大きくなり、誘電損失が大きくなればQ・f値は小さくなる。誘電損失は高周波デバイスの電力損失を意味するため、誘電体磁器のQ・f値は大きいことが好ましい。本実施形態では、誘電損失の評価は、Q値を用いる。
MgSiOを構成するMgOとSiOとのモル比は、化学量論的にはMgO対SiOが2対1であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲内で化学量論比から外れてもよい。例えば、MgO対SiOは、1.9対1.1から2.1対0.9の範囲内とすることができる。
本実施形態の誘電体磁器中のMgSiOの含有量は、誘電体磁器全体から後述する各副成分を除いた残部であることが好ましい。誘電体磁器がこのような条件で主成分であるMgSiOを含むことで、誘電損失及び比誘電率εrを低下する効果が確実に得られるようになる。
<副成分>
本実施形態の誘電体磁器は、主成分であるMgSiOに対する副成分として、TiO、AlおよびLiOから構成されている。副成分は、誘電体組成物を焼成する際に液相を形成する焼結助剤として用いられる。特にLiOを含むガラスは液相としての役割を果たし、未反応で残る焼結助剤と主成分であるMgSiOとの反応を促進する。これにより、誘電体組成物の焼成後に誘電体磁器に未反応で残る焼結助剤を低減することができ、或いは、焼結助剤を完全に反応させることができるため、誘電体磁器の焼結性が確保される。この結果、得られる誘電体磁器のQ値を向上させることができる。また、TiOはガラス成分の未反応部分を結晶化させる役割を担う。これにより、耐水性を向上させる役割を果たす。また、TiOは自身のQ値が高いため、誘電体磁器の焼結性が確保されることで、誘電体磁器のQ値を上昇させることができ、誘電損失を小さくすることができる。Alは単独酸化物の形で副成分として添加しても、LiOを含むガラス組成中にAlを含ませて添加してもガラスの化学耐久性を向上させる。また、Alはガラス成分の未反応部分を結晶化させる役割も担う。これにより、耐水性を向上させる役割を果たす。また、ガラスの軟化点が450℃以上650℃以下のものを副成分である焼結助剤として使用することで液相としての役割を果たし、未反応で残る焼結助剤と主成分であるMgSiOとの反応性を促進する。これにより、誘電体組成物の焼成後に誘電体磁器に未反応で残る焼結助剤を低減することができ、或いは、焼結助剤を完全に反応させることができるため、誘電体磁器の焼結性が確保される。
副成分として、TiOは酸化物換算で主成分100質量部に対し、0.5質量部以上5.0質量部以下を含有することが好ましく、1.0質量部以上3.0質量部以下を含有することがより好ましい。TiOで0.5質量部より少ないとガラス成分の未反応部分を結晶化させる役割を果たせなくなり、耐水性を付与できなくなる。これによりQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。また、5.0質量部より多いと焼結不足を招き、耐水性を付与できなくなる。さらにQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。
副成分として、Alは酸化物換算で主成分100質量部に対し、0.5質量部以上3.0質量部以下を含有することが好ましく、1.0質量部以上2.0質量部以下を含有することがより好ましい。Alで0.1質量部より少ないとガラス成分の未反応部分を結晶化させる役割を果たせなくなり、耐水性を付与できなくなる。これによりQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。また、3.0質量部より多いと焼結不足を招き、耐水性を付与できなくなる。さらにQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる
副成分として、LiOは酸化物換算で主成分100質量部に対し、1.0質量部以上3.0質量部以下を含有することが好ましく、1.0質量部以上2.0質量部以下を含有することがより好ましい。添加量で1.0質量部より少ないと誘電体磁器の焼結性が確保できなくなり、耐水性を付与できなくなる。さらにQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。また、3.0質量部より多いとガラス成分の未反応部分が増加し、結晶化に限界が生じ、耐水性を付与できなくなる。またこれによりQ・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。
LiOの添加形態としては、LiOを含むガラス組成中にAlを含むことでガラスの化学耐久性を向上させ、Alはガラス成分の未反応部分を結晶化させる役割も担う。このようなガラス成分としては、例えば、SiO−RO−LiO−Al(ROはアルカリ土類金属酸化物を1種類以上含む)系ガラスとB−RO−LiO−Al系ガラスとの何れか一方又は両方を含んで構成されるものが好ましい。ガラス成分として、具体的には、SiO−RO−LiO−Al系ガラスとしては、SiO−CaO−LiO−Al系ガラス、SiO−SrO−LiO−Al系ガラス、SiO−BaO−LiO−Al系ガラス、SiO−SrO−CaO−LiO−Al系ガラス、SiO−SrO−BaO−LiO−Al系ガラス、SiO−CaO−BaO−LiO−Al系ガラスなどが挙げられる。B−RO−LiO−Al系ガラスとしては、B−CaO−LiO−Al系ガラス、B−SrO−LiO−Al系ガラス、B−BaO−LiO−Al系ガラス、B−SrO−CaO−LiO−Al系ガラス、B−SrO−BaO−LiO−Al系ガラス、B−CaO−BaO−LiO−Al系ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、SiO−CaO−BaO−LiO−Al系ガラスが好ましい。これにより、耐水性を向上させる役割を果たす。また、ガラスの軟化点が450℃以上650℃以下のものを使用することで液相としての役割を果たし、未反応で残る焼結助剤と主成分であるMgSiOとの反応性を促進する。ガラス軟化点が450℃より低いと焼結体に発泡が生じ、Q・f値が低下し低損失な誘電体磁器が得られなくなる。また、ガラス軟化点が650℃よりも高いと、900℃以下の低温焼成においては焼結が不十分であり緻密な誘電体磁器が得られなくなる。よって、ガラスの軟化点が450℃以上650℃以下のものを使用する。これにより、誘電体組成物の焼成後に誘電体磁器に未反応で残る焼結助剤を低減することができ、或いは、焼結助剤を完全に反応させることができるため、誘電体磁器の焼結性が確保される。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
MgSiOの原料となるMgO、SiO粉末を所定の質量比率に従って秤量し、純水と市販のアニオン系分散剤一緒に、ボールミルで24時間混合を行って混合スラリーを得た。混合スラリーを120℃で加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し、アルミナ坩堝に入れ1200〜1250℃の温度範囲内で2時間仮焼をしてMgSiOを得た。次に、前記MgSiO仮焼粉を主成分とし、副成分として、TiO、Al各酸化物とLiOを含むガラス(ここでは、SiO−BaO−CaO−Al−LiO)の質量比率を適宜調整し、エタノールと一緒にボールミルで24時間混合を行った。混合スラリーを80℃〜120℃で段階的に加熱乾燥した後、瑪瑙乳鉢で解砕し誘電体組成物を得た。
得られた誘電体組成物の粉末を、アクリル系、又はエチルセルロース系等の有機バインダー等に添加した後、得られた混合物をシート状に成型してグリーンシートを得る。グリーンシートの成型方法としては、シート法や印刷法等の湿式成型法がある。成型して得たグリーンシート上に、所定形状の内部電極が形成されるようにAgを含有する導電性ペーストを塗布する。導電性ペーストが塗布されたグリーンシートを必要に応じて複数作製する。
積層してプレスし、積層体を得る。得られた積層体を所望のサイズに切断し、面取りを行った後、この積層体を空気中にて350℃で脱バインダー処理を施した後、900℃まで昇温し、900℃で保持後、室温まで冷却して焼成し、焼結体を得た。表1は、得られた誘電体磁器に含まれる副成分の量を示す。
焼結体の冷却後、必要に応じて、得られた誘電体磁器に外部電極等を形成することで、誘電体磁器に外部電極等が形成された電子部品が完成する。
[評価]
得られた誘電体磁器の焼結密度ρs、Q値、耐水性の判定、高温耐湿負荷試験後の絶縁性判定を各々求めた。
[焼結密度ρs]
焼成後の試験片がLWT方向で4.5×3.2×0.8mm前後になるように切断加工し、各方向の寸法をマイクロメーターで測定し、電子天秤で質量を測定し、そこからの嵩密度を焼結密度ρs(単位:g/cm)とした。ここで、Lは試験片の長手方向を、Wは試験片の短手方向を、Tは試験片の厚み方向を意味する。測定結果を表1に示す。なお、相対密度値の計算では、基準値を3.35g/cmとし、95%以上のものを焼結性良好と判定した。
[Q値]
空洞共振器摂動法によりQ値を測定した。空洞共振器内に大きさが0.8mm四方で所望の長さの棒状試験片を挿入し、空洞共振器内のQ値の変化を測定した。測定周波数は1.9GHzで行い、Q値は、3回行なって得られたQ値の平均値とした。測定結果を表1に示す。Q値で1000以上のものを良好な特性と判断した。
[耐水性の判定]
焼成後の試験片がLWT方向で4.5×3.2×0.8mm前後になるように切断加工したチップを用意し、pHを任意に調整した水溶液に24時間室温静置した。溶液処理を施したチップをペンチで破断し、その破断した表層部を走査電子顕微鏡(商品名:JSM‐T300、日本電子データム社製)により観察し、焼成後の表層部のSEM像(1000倍)を撮影して溶液浸入の有無を確認した。
[高温耐湿負荷試験後の絶縁性の判定]
焼成後の試験片がLWT方向で4.5×3.2×0.8mm前後になるようなコンデンサパターン入りチップを各材料組成別にn=22個作成した。電極は内層部にあるパターンとした。チップに外部端子を形成後、めっき処理を施した後に、信頼性試験用基板にn=22個半田実装をした後、チップへの印加電圧5Vかけながら温度が60℃で湿度が95%の試験槽に2000hr放置した。絶縁抵抗値が試験前の値から2桁以上劣化するものを絶縁抵抗劣化とみなし、22個中1個でも劣化した場合は、絶縁性が無いと判断した。
Figure 2013166687
表1に示す実施例1から10における主成分および副成分量により、Q値は1000以上を示し、耐水性は焼成後の表層部のSEM像(1000倍)を撮影して溶液浸入が無いことを確認し、縁抵性劣化は試験前の値から2桁以上劣化するものがなく、それぞれの特性で向上したことを確認した。
表1の結果から、実施例1から10は主成分および副成分量が本発明の範囲内にあるため、発明の効果を発現する。
表1の結果から、比較例1から8は主成分および副成分量が発明の範囲外にあるため発明の効果を発現しない。

Claims (2)

  1. 主成分としてMgSiOを含み、副成分としてTiO、AlおよびLiOを含み、前記主成分100質量部に対し、前記TiOは酸化物換算で0.5質量部以上5.0質量部以下,前記Alは酸化物換算で0.5質量部以上3.0質量部以下,前記LiOは酸化物換算で1.0質量部以上3.0質量部以下含有することを特徴とする誘電体磁器。
  2. 前記誘電体磁器からなる誘電体層を有することを特徴とする電子部品。
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