JP2013165814A - ミルクフォーマー及び飲料製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラへの湯の供給を停止した後も出続ける蒸気による悪影響を解消しながら、ミルカーへの蒸気の吐出を的確に制御することができるミルクフォーマーを提供する。
【解決手段】湯タンク11からボイラ73に湯を供給するための湯供給経路61と、ボイラからミルカー62に蒸気を吐出するための蒸気吐出経路74と、ミルク保冷庫69からミルカーにミルクを供給するためのミルク供給経路79と、ミルカーに空気を供給するための空気供給経路82と、蒸気吐出経路から分岐して湯タンクに至る蒸気戻し経路77と、ボイラにて生成された蒸気をミルカーに吐出するか、蒸気戻し経路を経て湯タンクに戻すかを制御する三方弁76を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、蒸気を用いてミルクフォームを製造するミルクフォーマー及びこれを備えた飲料製造装置に関するものである。
コーヒー液にミルクフォームを添加することにより、カプチーノ等のコーヒー飲料を提供する場合には、コーヒー抽出機でコーヒー液を製造する飲料製造装置に、ミルクフォームを製造するミルクフォーマーが搭載される。この場合、従来では粉ミルクと湯を混合してクリームを作成し、これをコーヒー抽出機で抽出したコーヒー液に添えていたが、飲料品質の向上に伴って、生乳からミルクフォームを製造するミルクフォーマーが提案されている。
このミルクフォーマーは、コーヒー抽出機にミルクを供給する際に、ミルクと空気とを混合し、ミルクを泡立てた状態(エアレーション)でコーヒー抽出機に供給するためのものである。ミルクフォーマーにおいて用いられるミルクは、当該ミルクの長時間保存を可能とするため、冷却装置で冷却されている。そのため、ミルクをそのままコーヒー抽出機に供給すると、コーヒー抽出機内のコーヒー液の温度を低下させ、味覚や触感を損なうこととなる。
そこで、冷却保存されたミルクは、コーヒー抽出機に供給する際に、例えば貫流式蒸気発生器(以下、単に「ボイラ」という)で生成された蒸気を用いてミルクパック等からのミルクをミルカーにおいて空気と混合し、泡立て、蒸気処理されたミルクの混合物、即ちミルクフォームをコーヒー抽出機に供給する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−167394号公報
この場合、従来のミルクフォーマーでは、湯タンクから湯をボイラに供給し、このボイラで生成された蒸気をミルカーに吐出する際に、所謂ベンチュリ効果を利用してミルクパックからミルクを吸い上げていた。しかしながら、貫流式蒸気発生器にて構成されたボイラにおける蒸気の生成は、当該ボイラに湯を供給し始めても直ぐには開始されず、所定期間(数秒)のタイムラグが発生する。また、湯の供給を停止した後も直ぐには終了せず、暫くは蒸気が出続ける。そのため、ミルクの供給開始や停止を的確に制御することが困難となっていた。
また、ボイラにおける蒸気生成が終わるころには、蒸気吐出の勢いが低下するためにミルクがミルカーから所謂提灯状態で垂れ下がり、それが破裂して周囲を汚損すると云う不都合が発生していた。
そこで、ボイラからミルカーに吐出する蒸気を弁装置等で制御しようとすると、今度はミルカーに吐出されない蒸気が飲料製造装置内にこもって内部が高湿度状態となり、結露が発生し、また、エネルギー効率も低下するという問題が発生する。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、ボイラへの湯の供給を停止した後も出続ける蒸気による悪影響を解消しながら、ミルカーへの蒸気の吐出を的確に制御することができるミルクフォーマー及びそれを備えた飲料製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のミルクフォーマーは、湯を貯留する湯タンクと、この湯タンクからの湯を加熱して蒸気を生成するボイラと、ミルクを保冷するミルク保冷庫と、ミルカーとを有し、ボイラにて生成された蒸気をミルカーに吐出し、空気とミルク保冷庫からのミルクをミルカーに供給してフォームミルクを生成するものであって、湯タンクからボイラに湯を供給するための湯供給経路と、ボイラからミルカーに蒸気を吐出するための蒸気吐出経路と、ミルク保冷庫からミルカーにミルクを供給するためのミルク供給経路と、ミルカーに空気を供給するための空気供給経路と、蒸気吐出経路から分岐して湯タンクに至る蒸気戻し経路と、ボイラにて生成された蒸気をミルカーに吐出するか、蒸気戻し経路を経て湯タンクに戻すかを制御する蒸気流路制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明のミルクフォーマーは、上記発明において湯供給経路に設けられ、湯タンクからボイラへの湯の供給を制御する湯供給制御手段と、ミルク供給経路に設けられ、ミルク保冷庫からミルカーへのミルクの供給を制御するミルク供給制御手段と、空気供給経路に設けられ、ミルカーへの空気の供給を制御する空気供給制御手段と、蒸気流路制御手段、湯供給制御手段、ミルク供給制御手段、及び、空気供給制御手段を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明のミルクフォーマーは、上記発明において制御装置は、ミルカーに蒸気を吐出する状態に蒸気流路制御手段を制御し、且つ、湯供給制御手段による湯の供給を開始してから遅延して、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始することを特徴とする。
請求項4の発明のミルクフォーマーは、請求項2又は請求項3の発明において制御装置は、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始する前に、空気を供給する状態に空気供給制御手段を制御することを特徴とする。
請求項5の発明のミルクフォーマーは、請求項2乃至請求項4の発明において制御装置は、ミルカーに蒸気を吐出する状態に蒸気流路制御手段を制御し、且つ、湯供給制御手段による湯の供給を停止してから遅延して、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を停止することを特徴とする。
請求項6の発明のミルクフォーマーは、上記発明において制御装置は、ミルク供給制御手段によるミルクの供給停止から遅延して、湯タンクに蒸気を戻す状態に蒸気流路制御手段を制御することを特徴とする。
請求項7の発明のミルクフォーマーは、請求項2乃至請求項6の発明においてミルク供給制御手段は、ミルク保冷庫からミルカーにミルクを送給する正逆回転可能なポンプであり、制御装置は、ポンプを正回転させてミルクをミルカーに供給した後、当該ポンプを逆回転させることを特徴とする。
請求項8の発明の飲料製造装置は、コーヒー原料粉末に湯を加圧供給してコーヒー液を抽出すると共に、抽出されたコーヒー液に上記各発明のミルクフォーマーからのミルクフォーム、及び/又は、スチームミルク、若しくは、コールドミルクを添加可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、湯を貯留する湯タンクと、この湯タンクからの湯を加熱して蒸気を生成するボイラと、ミルクを保冷するミルク保冷庫と、ミルカーとを有し、ボイラにて生成された蒸気をミルカーに吐出し、空気とミルク保冷庫からのミルクをミルカーに供給してフォームミルクを生成するミルクフォーマーにおいて、湯タンクからボイラに湯を供給するための湯供給経路と、ボイラからミルカーに蒸気を吐出するための蒸気吐出経路と、ミルク保冷庫からミルカーにミルクを供給するためのミルク供給経路と、ミルカーに空気を供給するための空気供給経路と、蒸気吐出経路から分岐して湯タンクに至る蒸気戻し経路と、ボイラにて生成された蒸気をミルカーに吐出するか、蒸気戻し経路を経て湯タンクに戻すかを制御する蒸気流路制御手段とを備えているので、ミルカーに蒸気を吐出してミルクフォームを生成する際には、蒸気流路制御手段をボイラにて生成された蒸気がミルカーに吐出される状態とし、ミルクフォームの生成を終了する際には、蒸気流路制御手段を蒸気が湯タンクに戻る状態とすることで、ミルカーへの蒸気の吐出を的確に制御することが可能となる。
これにより、ミルクフォームの生成を的確に制御し、且つ、周囲が汚損される不都合も解消することが可能となる。特に、蒸気吐出経路から湯タンクに至る蒸気戻し経路が分岐して設けられており、蒸気流路制御手段はミルカーに蒸気を吐出しない場合、この蒸気戻し経路から湯タンクに蒸気を戻すので、ミルカーに吐出しない蒸気によって装置内部が高湿度となり、結露が発生する不都合も解消することができるようになると共に、エネルギーロスの発生も回避することが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、上記発明に加えて湯供給経路に設けられ、湯タンクからボイラへの湯の供給を制御する湯供給制御手段と、ミルク供給経路に設けられ、ミルク保冷庫からミルカーへのミルクの供給を制御するミルク供給制御手段と、空気供給経路に設けられ、ミルカーへの空気の供給を制御する空気供給制御手段と、蒸気流路制御手段、湯供給制御手段、ミルク供給制御手段、及び、空気供給制御手段を制御する制御装置とを備えているので、制御装置によりミルカーへの蒸気吐出、ミルク供給、及び、空気供給の全てを的確に制御することが可能となる。
これにより、ミルカーにミルクと空気を供給して蒸気を吐出することでミルクフォームを生成することができるようになると共に、空気の供給を停止してミルクを供給し、蒸気を吐出することでスチームミルクを生成することができるようになる。また、請求項7の発明の如くミルク供給制御手段をポンプにて構成すれば、蒸気の吐出と空気の供給を停止した状態でコールドミルクを供給することも可能となり、これらにより、多種類のミルクを供給することが可能となる。また、蒸気のみの吐出も可能となるので、前述のコールドミルクの場合も含め、係る多種類のミルクの供給後にミルカー等を蒸気ブローし、衛生的に保つこともできるようになる。
この場合、請求項3の発明の如く制御装置により、ミルカーに蒸気を吐出する状態に蒸気流路制御手段を制御し、且つ、湯供給制御手段による湯の供給を開始してから遅延して、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始するようにすれば、ボイラにおける蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したフォームミルクやスチームミルクの生成を実現することが可能となる。また、十分に加温されないまま流入されたミルクによる飲料の温度低下をまねき難くすることも可能となる。
その際、請求項4の発明の如く制御装置により、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始する前に、空気を供給する状態に空気供給制御手段を制御するようにすれば、空気供給経路へのミルクの逆流を防止することができるようになる。
また、請求項5の発明の如く制御装置により、ミルカーに蒸気を吐出する状態に蒸気流路制御手段を制御し、且つ、湯供給制御手段による湯の供給を停止してから遅延して、ミルク供給制御手段によるミルクの供給を停止するようにすれば、ボイラにおける蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したフォームミルクやスチームミルクの生成を実現することが可能となる。
その際、請求項6の発明の如く制御装置により、ミルク供給制御手段によるミルクの供給停止から遅延して、湯タンクに蒸気を戻す状態に蒸気流路制御手段を制御するようにすれば、ミルク供給停止後もミルカー内に蒸気を吐出し、ミルカー内に残留するミルクを全て出し切り、且つ、空気供給経路へのミルクの流入も阻止して、より衛生的に保つことが可能となる。
また、請求項7の発明の如くミルク供給制御手段を、ミルク保冷庫からミルカーにミルクを送給する正逆回転可能なポンプにて構成し、制御装置により、ポンプを正回転させてミルクをミルカーに供給した後、当該ポンプを逆回転させるようにすれば、ミルク供給経路内に残留するミルクをミルク保冷庫に戻すことができるようになり、より一層衛生状態を向上させることができるようになる。
そして、請求項8の発明の飲料製造装置によれば、コーヒー原料粉末に湯を加圧供給してコーヒー液を抽出すると共に、抽出されたコーヒー液に上記各発明のミルクフォーマーからのミルクフォーム、及び/又は、スチームミルク、若しくは、コールドミルクを添加可能としたので、ホット及びコールドのカプチーノやラテ、カフェオレ等の種々のコーヒー飲料を提供することができるようになるものである。
本発明を適用した実施例の飲料製造装置の正面図である。 図1の飲料製造装置の前面ドア、側面パネル、コーヒー豆キャニスタ等を取り外した状態の正面図である。 図2の飲料製造装置の平面図である。 図2の飲料製造装置の左側面図である。 図2の飲料製造装置の右側面図である。 図1の飲料製造装置の部分概略構成図である。 図1の飲料製造装置に設けられた本発明の実施例のミルクフォーマーの概略構成図である。 図1の飲料製造装置の電気回路のブロック図である。 スチームミルクの生成後、フォームミルクを生成してカプチーノを提供する場合の制御を説明するタイミングチャートである。 フォームミルクの生成後、スチームミルクを生成してラテを提供する場合の制御を説明するタイミングチャートである。 フォームミルクの生成後、コールドミルクを供給してコールドラテを提供する場合の制御を説明するタイミングチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の飲料製造装置1の正面図、図2は飲料製造装置1の前面ドア8、側面パネル、コーヒー豆キャニスタ70等を取り外した状態の斜視図、図3は図2の平面図、図4は図2の左側面図、図5は図2の右側面図、図6は飲料製造装置1の部分概略構成図をそれぞれ示している。
実施例の飲料製造装置1は、前面にコーヒー液を排出する抽出ノズル2と、ミルクフォームやスチームミルク(ホットミルク)、コールドミルクを排出するミルクノズル3と、飲料原料となるココアパウダー等の粉末原料と湯を混合撹拌することにより得られる飲料を排出する飲料ノズル4とを有するノズルユニット5及び湯ノズル(図示せず)とを備えた本体6により構成されている。そして、これらノズルユニット5と、飲料ノズル4の下方には、抽出されたコーヒー液やその他の飲料を受容するカップを載置するカップ支持台7が設けられている。
本体6の前面には一側に回動自在に枢支されたドア8が開閉可能に設けられている。このドア8の前面には、当該飲料製造装置1において提供(排出)可能な飲料の種類を選択する複数の飲料選択ボタン9・・が設けられている。
本実施例の飲料製造装置1は、本体6内に、湯タンク11と、湯タンク11の底部近傍に取り付けられた湯ポンプ(ギヤポンプ)12と、コーヒー抽出機30と、詳細は後述する本発明のミルクフォーマー60を備えている。
また、本実施例では、挽き豆からコーヒー液を抽出することにより得られるコーヒー飲料のみならず、飲料原料となる粉末原料と湯を混合撹拌することにより得られる飲料をも提供可能とする。そのため、図1に示すように本体6上部には、粉末原料を貯蔵する粉原料貯蔵容器17がコーヒー豆キャニスタ70、70と並設される。そして、この粉原料貯蔵容器17から排出された所定量の粉末原料と所定量の湯とを混合撹拌して飲料を生成する粉飲料生成部18が設けられている。
そして、上記湯タンク11は、数リットルの飲料水を貯水可能とする大気開放型のタンクであり、内部には、貯留された飲料水を例えば+97℃に加熱保温する図示しないヒータが設けられている。また、湯タンク11の底部近傍(本実施例では、湯タンク11下部前方)に設けられた湯ポンプ12は、湯タンク11内の湯を加圧して排出するポンプであり、この湯ポンプ12の排出口には、図6に示すようにフィルタ13と、流量計14と、給湯弁(電磁弁)15とが順次介設された給湯配管16が接続されており、この給湯配管16の他端は、コーヒー抽出機30を構成するシリンダ33の給湯口に接続されている。
そして、この給湯配管16には、給湯弁15とコーヒー抽出機30との間に位置して当該給湯配管16から分岐する排水管19が接続されている。この排水管19には、コーヒー抽出機30や後述するコーヒー液配管39内の残液等を外部に排出を制御するための排水弁(電磁弁)20が設けられている。
また、図2及び図5において、21はコーヒー液の抽出に使用された残滓を受容すると共に、ドア8を開放した状態で、前方に引出自在に設けられる滓受け部材を収容するように本体6下部に形成された滓受け部材収容部である。
本体6の上部には、本体6内に位置してコーヒー抽出機30の上方に配設されたミル71が設けられ、このミル71の上方に前記コーヒー豆キャニスタ70が着脱自在に取り付けられる。ミル71はコーヒー豆キャニスタ70から落下するコーヒー豆を粉砕刃により粉砕して挽き豆とするものである。また、湯タンク11の上方には本体6内の廃熱を排出するための排気ファン25が設けられている。
次に、コーヒー抽出機30は、ミル71から供給される挽き豆を湯に通すことにより抽出されるコーヒー液をフィルタでろ過するものである。このコーヒー抽出機30は、昇降装置32により移動可能に設けられたシリンダユニット31と、このシリンダユニット31の上方に設けられたキャップ35とを備える。シリンダユニット31は、上面が開口したシリンダ33と、このシリンダ33内に上下に移動可能に設けられた通水性のピストン34から成る(図6)。
シリンダ33の底部側面には、上述した如き給湯配管16が挿脱可能に接続される。また、シリンダ33内にキャップ35が填め込まれた状態で、キャップ35の下面、シリンダ33の内壁、及び、ピストン34の上面に囲繞された空間内にコーヒー液の抽出室が形成される。
そして、このキャップ35の下面には、抽出室内にて抽出されたコーヒー液の抽出口50が形成されており、当該抽出口50は、キャップ35の下面に設けられた図示しないメッシュフィルタにて囲繞されている。また、この抽出口50は、キャップ35内を上下に貫通して形成される図示しない抽出路と連通して形成されており、当該抽出路の上端部に設けられたコーヒー液取出部には、上述した如きコーヒー液配管39が接続されている。このコーヒー液配管39には、抽出弁(電磁弁)52が介設されていると共に、その端部に前記抽出ノズル2が接続される。
シリンダユニット31が所定の待機位置とされた状態で、飲料選択ボタン9が操作されると、ミル71が所定時間回転駆動され、コーヒー豆キャニスタ70内に収容されたコーヒー豆は順次粉砕されて挽き豆とされ、所定量の挽き豆がシリンダ33の抽出室内に投入される。
次に、昇降装置32が上昇し、これによりシリンダユニット31も上昇していき、シリンダ33の上面開口内にキャップ35の下端が押し込まれていく。抽出室内に投入された挽き豆(コーヒー原料粉末)は、内底部に位置するピストン34と、キャップ35により挟まれて閉じこめられ、圧縮される。
次に、湯ポンプ12が運転され、且つ、給湯弁15が開いて、湯タンク11から湯がシリンダ33内に加圧供給される。この湯の供給量は、流量計14で検出し、所定量に達した時点で湯ポンプ12が停止され、給湯弁15も閉じられる。このとき、抽出弁52も通電開放される。尚、この抽出弁52は所謂抵抗弁として作用するものであるため、抽出弁52が通電開放されていなくとも流路は確保されている。
これにより、湯が抽出室内を通過する過程で加圧されて、挽き豆からのコーヒー成分の溶出が促進され、更に湯が加圧供給されることで、挽き豆の組織内に湯が浸透し、濃いコーヒー液、即ちエスプレッソコーヒーが得られる。このコーヒー液は、キャップ35の下面に形成された抽出口50から当該キャップ35内を通過し、抽出弁52が開放されたコーヒー液配管39を介して抽出ノズル2から排出(販売)される。カップ支持台7上に、抽出ノズル2の下方に対応してカップ等を載置することで、コーヒー液がカップ内に抽出される。
次に、図7及び図8を参照して本発明のミルクフォーマー60の構成について説明する。図7はミルクフォーマー60の概略構成図である。本実施例のミルクフォーマー60は、前記湯タンク11から湯を取り出す湯供給経路(配管)61と、この湯供給経路61に介設された湯供給制御手段としての電磁ポンプ72と、湯供給経路61が入口に接続された蒸気発生手段となる貫流式のボイラ73と、ミルカー62等から構成される。ボイラ73の出口には蒸気吐出経路(配管)74が接続され、この蒸気吐出経路74はミルカー62に接続されている。
ボイラ73は、電気ヒータを内蔵しており、湯タンク11から電磁ポンプ72の運転により湯供給経路61を経て供給された湯を、例えば約+170℃に加熱して蒸気を生成し、この蒸気を蒸気吐出経路74により、三方弁76(後述)を介してミルカー62へ吐出するものである。蒸気吐出経路74には蒸気流路制御手段としての三方弁(三方電磁弁)76が取り付けられており、三方弁76のコモン入口と常閉出口が蒸気吐出経路74に介設されている。三方弁76の常開出口には蒸気戻し経路(配管)77が蒸気吐出経路74から分岐するかたちで接続されている。そして、この蒸気戻し経路77は湯タンク11に至り、内部に連通して接続されている。
三方弁76は通電された状態において、ボイラ73で生成された蒸気をミルカー62に吐出する。また、非通電状態ではボイラ73から出る蒸気を、蒸気戻し経路77を経て湯タンク11に戻すものである。
前記ミルカー62は、略円筒状の本体63により構成されており、この本体63の側面には、中心よりも左右どちらか一方に変位すると共に、当該本体63の内部に突出した吐出部64が一体に形成され、本体63の底面には、本体63内にて生成されたミルクフォーム、又は、供給されたスチームミルク、若しくは、コールドミルクを排出(販売)する前記ミルクノズル3が一体に形成されている。
吐出部64は、左右に開口した略円筒状を呈しており、本体63側とは反対側の端部64Aには、三方弁76の下流側に位置する蒸気吐出経路74の端部が接続される。吐出部64の下面には、吐出部64内部に連通したミルク流入口67が形成されていると共に、吐出部64の上面には、同じく吐出部64内部に連通した空気吸引口68が形成されている。
このミルカー62のミルク流入口67には、一端がミルク保冷庫69に収納されたミルクパック78内に挿入されるミルク供給経路(チューブ)79が接続される。このミルク供給経路79には、ミルク供給制御手段としてのチューブポンプ81が取り付けられている。このチューブポンプ81は正逆回転可能なポンプであり、正回転されてミルクパック78内のミルクをミルカー62のミルカー流入口67に送給する。また、逆回転されてミルク供給経路79内の残留ミルクをミルクパック78に戻すものである。尚、前記ミルク保冷庫69は図示しない冷却機(ペルチェ素子等)により所定温度にミルクパック78を保冷するものである。
また、ミルカー62の空気吸引口68には、空気供給経路82が接続されると共に、この空気供給経路82の他端には、空気供給制御手段としてのエア弁83のコモン出口が接続されている。このエア弁83も三方電磁弁から構成されており、その常開入口が空気入口84として大気に開放され、常閉入口は栓にて封止されている。エア弁83は通電状態で空気入口84を大気と封止し、非通電状態では空気入口84を開放しているものである。
エア弁83は、非通電状態で空気入口84を開く三方電磁弁としているので、後述するタイミングチャートに示すようにエア弁83が空気を吸い込む状態に制御される期間が長くなる場合に、消費電力を抑制することが可能となる。
次に、図8は上記ミルクフォーマー60を主体とした飲料製造装置1の制御装置Cの概略ブロック図を示している。制御装置Cは汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、記憶手段としてのメモリ26と、時限手段としてのタイマ27が内蔵されている。
制御装置Cの入力側には、ドア8に設けられた各飲料選択ボタン9・・等が接続されている。そして、出力側には前記コーヒー抽出機30の他に、ミルクフォーマー60を構成する電磁ポンプ72、ボイラ(電気ヒータ)73、三方弁76、エア弁83、チューブポンプ81等が接続されている。制御装置Cはこれらの機器を制御するものであるが、コーヒー抽出機30のコーヒー液の抽出動作については前述した通りである。
(1)スチームミルクの後、フォームミルクを吐出する場合
次に、以上の構成で制御装置Cによるミルクフォーマー60の動作について、図9〜図11のタイミングチャートを参照して説明する。最初に、例えば飲料選択ボタン9で選択された飲料がカプチーノ(ホット)である場合について、図9を用いて説明する。カプチーノの場合、例えば最初にスチームミルク(ホットミルク)が供給された後、フォームミルクが供給される流れとする。この図において、制御装置Cはボイラ73の電気ヒータに通電した状態で、電磁ポンプ72を運転し、また、三方弁76に通電して常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。これにより、湯タンク11から湯が湯供給経路61を介してボイラ73に流入し始める。尚、このとき、チューブポンプ81は停止、エア弁83は非通電で空気入口84は開いている。
この電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給開始から所定の開始遅延時間Gs(設定可変)が経過したら、制御装置Cはエア弁83に通電し、空気入口84を閉じる。そして、電磁ポンプ72による湯の供給開始から、開始遅延時間Gsの所定の開始遅延時間As(設定可変)が経過した場合、制御装置Cはチューブポンプ81を正回転させてミルクパック78内のミルクをミルカー62に送給し始める。
これにより、ボイラ97で生成した蒸気がミルカー62内に吐出され、ミルカー62内では旋回流を起こる。そして、ミルク供給経路79からはチューブポンプ81によりミルク保冷庫69にて保冷されたミルクパック78内のミルクが供給される。これにより、ミルカー62の本体63内において、ミルクが蒸気により加熱され、ミルクノズル3からスチームミルク(ホットミルク)が吐出される。
ここで、電磁ポンプ72によりボイラ73に湯を供給し始めても、ボイラ73では直ぐには蒸気生成は開始されず、所定のタイムラグが発生するが、上記の如く電磁ポンプ72の運転開始から所定の開始遅延時間Gs後にチューブポンプ81によるミルクの供給を開始することにより、ボイラ73における蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したスチームミルクの生成を実現することが可能となる。
制御装置Cは所定のスチームミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このスチームミルク設定時間の終了時点より所定の終了遅延時間Bs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72を停止し、ボイラ73への湯の供給を停止する。
ここで、電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給を停止しても、ボイラ73での蒸気の生成は直ぐには終わらず、その後も所定のタイムラグで蒸気が吐出され続けるが、上記の如く終了遅延時間Bsを設けて電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給を停止してから遅延して、チューブポンプ81によるミルクの供給を停止することにより、ボイラ73における蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したスチームミルクの生成を実現することが可能となる。
尚、このチューブポンプ81の停止と同時に制御装置Cはエア弁83も非通電として空気入口84を開放する。また、三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放する。これにより、湯タンク11からの湯の供給が停止し、スチームミルクの生成も終了した後もボイラ73にて生成され続けている蒸気は、蒸気戻し経路77に流入するようになり、そこを経由して湯タンク11内に流入する。
このようにミルカー62に蒸気を吐出しない場合は、ボイラ73で生成され続けている蒸気を湯タンク11に戻すことで、ミルカー62に吐出しない蒸気によって本体6内部が高湿度となり、結露が発生する不都合も解消することができるようになると共に、高温の蒸気が湯タンク11内に戻ることで、エネルギーロスの発生も回避される。
このようなチューブポンプ81の停止から所定のミルク間隔設定時間が経過してから制御装置Cは再びチューブポンプ81の正回転を開始するが、この開始から所定の開始遅延時間Ds(設定可変)だけ前の時点から制御装置Cは電磁ポンプ72の運転を開始し、再びボイラ73に湯を供給し始める。また、同時に三方弁76も通電し、常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。
尚、制御装置Cはチューブポンプ81が運転開始する前にエア弁83の空気入口84は開いているので、空気供給経路82へのミルクの逆流が防止される。また、空気入口84が開いていることで、ボイラ73から吐出される蒸気のベンチュリ効果で空気入口84からは空気がミルカー62内に吸い込まれる状態となる。そして、チューブポンプ81は正回転されてミルクパック78内のミルクをミルカー62に送給するので、ボイラ73で生成された蒸気がミルカー62内に吐出され、ミルカー62内では旋回流を起こり、これによってミルカー62の本体63内において、蒸気とミルク及び空気が混合されて泡立てられ、ミルクノズル3からフォームミルクが吐出されることになる。
このとき、開始遅延時間Dsを設定することで、前述同様にボイラ73における蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
制御装置Cは所定のフォームミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このフォームミルク設定時間の終了時点より所定の終了遅延時間Cs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72を停止し、ボイラ73への湯の供給を停止する。
これにより、前述同様にボイラ73における蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
また、制御装置Cはチューブポンプ81の正回転停止後も三方弁76を通電状態としておき、所定の蒸気遅延時間Es(設定可変)が経過した後、三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放する。これにより、前述同様に湯タンク11からの湯の供給が停止し、スチームミルクの生成も終了した後もボイラ73にて生成され続けている蒸気を湯タンク11内に戻すものであるが、蒸気遅延時間Esを設定することで、チューブポンプ81によるミルクの供給停止後もミルカー62内に蒸気を吐出することができるようになる。これにより、ミルカー62内に残留するミルクを全て出し切り、且つ、空気供給経路82へのミルクの流入も阻止して、より衛生的に保つことが可能となる。
また、上記蒸気遅延時間Esの経過と同時に制御装置Cは所定の逆転時間Fs(設定可変)だけ、チューブポンプ81を逆回転させる。これにより、ミルク供給経路79内に残留するミルクをミルク保冷庫69のミルクパック78内に戻すことができるようになり、より一層衛生状態を向上させることができるようになる。
(2)フォームミルクの後、スチームミルクを吐出する場合
次に、飲料選択ボタン9で選択された飲料が、例えばラテ(ホット)の場合について、図10を用いて説明する。ラテ(ホット)の場合、例えば最初にフォームミルクが供給された後、スチームミルク(ホットミルク)が供給される流れとする。この図において、制御装置Cはボイラ73の電気ヒータに通電した状態で、電磁ポンプ72を運転し、また、三方弁76に通電して常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。これにより、湯タンク11から湯が湯供給経路61を介してボイラ73に流入し始める。尚、このとき、チューブポンプ81は停止、エア弁83は非通電で空気入口84は開いている。
この電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給開始から所定の開始遅延時間As(設定可変)が経過した場合、制御装置Cはチューブポンプ81を正回転させてミルクパック78内のミルクをミルカー62に送給し始める。これにより、ボイラ97で生成した蒸気がミルカー62内に吐出され、ミルカー62内では旋回流を起こる。そして、ミルク供給経路79からはチューブポンプ81によりミルク保冷庫69にて保冷されたミルクパック78内のミルクが供給され、空気入口84からは空気が同様のベンチュリ効果で吸引されるので、ミルカー62の本体63内において、蒸気とミルク及び空気が混合されて泡立てられ、ミルクノズル3からフォームミルクが吐出される。
この場合も前述同様に電磁ポンプ72の運転開始から所定の開始遅延時間Gs後にチューブポンプ81によるミルクの供給を開始するので、ボイラ73における蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
制御装置Cは所定のフォームミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このフォームミルク設定時間の終了時点より所定の終了遅延時間Bs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72を停止し、ボイラ73への湯の供給を停止する。
この場合も前述同様に終了遅延時間Bsを設けて電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給を停止してから遅延して、チューブポンプ81によるミルクの供給を停止するので、ボイラ73における蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
尚、このチューブポンプ81の停止と同時に制御装置Cは三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放するので、前述同様にフォームミルクの生成が終了した後もボイラ73にて生成され続けている蒸気は、蒸気戻し経路77を経由して湯タンク11内に戻ることになる。
このようなチューブポンプ81の停止から所定のミルク間隔設定時間が経過してから制御装置Cは再びチューブポンプ81の正回転を開始するが、前述同様にこの開始から所定の開始遅延時間Ds(設定可変)だけ前の時点から制御装置Cは電磁ポンプ72の運転を開始し、再びボイラ73に湯を供給し始める。また、同時に三方弁76も通電し、常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。
尚、制御装置Cはチューブポンプ81の運転開始時に、エア弁83に通電して空気入口84を閉じる。そして、チューブポンプ81は正回転されてミルクパック78内のミルクをミルカー62に送給するので、ボイラ73で生成された蒸気がミルカー62内に吐出され、ミルカー62内では旋回流を起こり、これによってミルカー62の本体63内において、ミルクが蒸気に加熱され、ミルクノズル3からスチームミルクが吐出されることになる。
このとき、開始遅延時間Dsを設定することで、前述同様にボイラ73における蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
制御装置Cは所定のスチームミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このスチームミルク設定時間の終了時点より所定の終了遅延時間Cs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72を停止し、ボイラ73への湯の供給を停止する。
これにより、前述同様にボイラ73における蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したスチームミルクの生成を実現することが可能となる。
また、制御装置Cはチューブポンプ81の正回転停止後も三方弁76を通電状態としておき、所定の蒸気遅延時間Es(設定可変)が経過した後、三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放する。これにより、前述同様にチューブポンプ81によるミルクの供給停止後もミルカー62内に蒸気を吐出することができるようになる。
また、上記蒸気遅延時間Esの経過と同時に制御装置Cは同様に所定の逆転時間Fs(設定可変)だけ、チューブポンプ81を逆回転させ、ミルク供給経路79内に残留するミルクをミルク保冷庫69のミルクパック78内に戻す。
(3)フォームミルクの後、コールドミルクを吐出する場合
次に、飲料選択ボタン9で選択された飲料が、例えばコールドラテである場合について、図11を用いて説明する。コールドラテの場合、最初にフォームミルクが供給された後、コールドミルクが供給される流れと成る。この図において、制御装置Cはボイラ73の電気ヒータに通電した状態で、電磁ポンプ72を運転し、また、三方弁76に通電して常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。これにより、湯タンク11から湯が湯供給経路61を介してボイラ73に流入し始める。尚、このとき、チューブポンプ81は停止、エア弁83は非通電で空気入口84は開いている。
この電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給開始から所定の開始遅延時間As(設定可変)が経過した場合、制御装置Cはチューブポンプ81を正回転させてミルクパック78内のミルクをミルカー62に送給し始める。これにより、ボイラ97で生成した蒸気がミルカー62内に吐出され、ミルカー62内では旋回流を起こる。そして、ミルク供給経路79からはチューブポンプ81によりミルク保冷庫69にて保冷されたミルクパック78内のミルクが供給され、空気入口84からは空気が同様のベンチュリー効果で吸引されるので、ミルカー62の本体63内において、蒸気とミルク及び空気が混合されて泡立てられ、ミルクノズル3からフォームミルクが吐出される。
この場合も前述同様に電磁ポンプ72の運転開始から所定の開始遅延時間Gs後にチューブポンプ81によるミルクの供給を開始するので、ボイラ73における蒸気生成の開始時期とミルクの供給開始時期のずれを解消、若しくは、縮小して安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
制御装置Cは所定のフォームミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このフォームミルク設定時間の終了時点より所定の終了遅延時間Cs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72を停止し、ボイラ73への湯の供給を停止する。
この場合も前述同様に終了遅延時間Csを設けて電磁ポンプ72によるボイラ73への湯の供給を停止してから遅延して、チューブポンプ81によるミルクの供給を停止するので、ボイラ73における蒸気生成の終了時期とミルクの供給停止時期のずれを解消、若しくは、縮小してより安定したフォームミルクの生成を実現することが可能となる。
尚、このチューブポンプ81の停止と同時に制御装置Cは三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放するので、前述同様にフォームミルクの生成が終了した後もボイラ73にて生成され続けている蒸気は、蒸気戻し経路77を経由して湯タンク11内に戻ることになる。また、エア弁83には通電し、空気入口84を閉じる。
このようなチューブポンプ81の停止から所定のミルク間隔設定時間が経過してから制御装置Cは再びチューブポンプ81の正回転を開始するが、次はコールドミルクを吐出するので、この時点では電磁ポンプ72は停止したままである。従って、ミルカー62にはミルクパック78内の保冷されたミルクがそのまま流入し、ミルクノズル3から吐出されることになる。
制御装置Cは所定のコールドミルク設定時間(設定可変)が経過するまで、チューブポンプ81の正回転によるミルカー62へのミルクの供給を継続するが、このコールドミルク設定時間の終了時点より所定の開始遅延時間Hs(設定可変)前の時点で電磁ポンプ72の運転を開始し、三方弁76に通電して常閉出口(コモン入口と常閉出口を連通)を開放する。そして、チューブポンプ81の停止と同時に電磁ポンプ72も停止する。
電磁ポンプ72が運転開始により再びボイラ73では蒸気が生成され始めるが、同様のタイムラグにより、開始遅延時間Hsが経過するころに蒸気がミルカー62に吐出され始めるので、コールドミルクの供給が停止してから蒸気は吐出され始めることになり、このときの蒸気で吐出ミルクが温められることを解消若しくは抑制できる。
また、制御装置Cはチューブポンプ81の正回転停止後も三方弁76を通電状態としておき、所定の蒸気遅延時間Es(設定可変)が経過した後、三方弁76を非通電として常開出口(コモン入口と常開出口を連通)を開放する。これにより、前述同様にチューブポンプ81によるミルクの供給停止後もミルカー62内に蒸気を吐出することができるようになる。
また、上記蒸気遅延時間Esの経過と同時に制御装置Cは同様に所定の逆転時間Fs(設定可変)だけ、チューブポンプ81を逆回転させ、ミルク供給経路79内に残留するミルクをミルク保冷庫69のミルクパック78内に戻すものである。
尚、カフェオレを提供する際には、上記におけるスチームミルクのみを吐出する制御となることを云うまでもない。
以上詳述した如く、本発明によれば蒸気吐出経路74から分岐して湯タンク11に至る蒸気戻し経路77と、ボイラ73にて生成された蒸気をミルカー62に吐出するか、蒸気戻し経路77を経て湯タンク11に戻すかを制御する三方弁76を設けたことにより、ミルカー62に蒸気を吐出してミルクフォームを生成する際には、三方弁76をボイラ73にて生成された蒸気がミルカー62に吐出される状態とし、ミルクフォームの生成を終了する際には、三方弁76を蒸気が湯タンク11に戻る状態とすることで、ミルカー62への蒸気の吐出を的確に制御することが可能となる。
これにより、ミルクフォームの生成を的確に制御し、且つ、周囲が汚損される不都合も解消することが可能となる。特に、蒸気吐出経路74から湯タンク11に至る蒸気戻し経路77が分岐して設けられており、三方弁76はミルカー62に蒸気を吐出しない場合、この蒸気戻し経路77から湯タンク11に蒸気を戻すので、ミルカー62に吐出しない蒸気によって飲料製造装置1内部が高湿度となり、結露が発生する不都合も解消することができるようになると共に、エネルギーロスの発生も回避することが可能となる。
また、湯タンク11からボイラ73への湯の供給を制御する電磁ポンプ72を湯供給経路61に設け、ミルク保冷庫69内のミルクパック78からミルカー62へのミルクの供給を制御するチューブポンプ81をミルク供給経路79に設け、ミルカー62への空気の供給を制御するエア弁83を空気供給経路82に設けると共に、制御装置Cによりこれら三方弁76、電磁ポンプ72、チューブポンプ81、及び、エア弁83を制御するようにしているので、制御装置Cによりミルカー62への蒸気吐出、ミルク供給、及び、空気供給の全てを的確に制御し、コーヒー原料粉末に湯を加圧供給してコーヒー液を抽出するコーヒー抽出機30で抽出されたコーヒー液に上記ミルクフォーマー60からのミルクフォーム、及び/又は、スチームミルク、若しくは、コールドミルクを添加可能となる。これにより、ホット及びコールドのカプチーノやラテ、カフェオレ等の種々のコーヒー飲料を提供することができるようになる。
尚、上記各実施例ではミルク供給制御手段を正逆回転可能なチューブポンプにて構成したが、請求項2乃至請求項6の発明ではそれに限らず、ミルクはボイラ73からの蒸気によるベンチュリ効果で吸引するものとし、ミルク供給経路をバルブ等で開閉してミルクの供給を制御するようにしても良い。
C 制御装置
1 飲料製造装置
2 抽出ノズル
3 ミルクノズル
6 本体
9 飲料選択ボタン
11 湯タンク
30 コーヒー抽出機
60 ミルクフォーマー
61 湯供給経路
62 ミルカー
63 本体
64 吐出部
69 ミルク保冷庫
72 電磁ポンプ(湯供給制御手段)
73 ボイラ
74 蒸気吐出経路
76 三方弁(蒸気流路制御手段)
77 蒸気戻し経路
78 ミルクパック
81 チューブポンプ(ミルク供給制御手段)
82 空気供給経路
83 エア弁(空気供給制御手段)

Claims (8)

  1. 湯を貯留する湯タンクと、該湯タンクからの湯を加熱して蒸気を生成するボイラと、ミルクを保冷するミルク保冷庫と、ミルカーとを有し、前記ボイラにて生成された蒸気を前記ミルカーに吐出し、空気と前記ミルク保冷庫からのミルクを前記ミルカーに供給してフォームミルクを生成するミルクフォーマーにおいて、
    前記湯タンクから前記ボイラに湯を供給するための湯供給経路と、
    前記ボイラから前記ミルカーに蒸気を吐出するための蒸気吐出経路と、
    前記ミルク保冷庫から前記ミルカーにミルクを供給するためのミルク供給経路と、
    前記ミルカーに空気を供給するための空気供給経路と、
    前記蒸気吐出経路から分岐して前記湯タンクに至る蒸気戻し経路と、
    前記ボイラにて生成された蒸気を前記ミルカーに吐出するか、前記蒸気戻し経路を経て前記湯タンクに戻すかを制御する蒸気流路制御手段とを備えたことを特徴とするミルクフォーマー。
  2. 前記湯供給経路に設けられ、前記湯タンクから前記ボイラへの湯の供給を制御する湯供給制御手段と、
    前記ミルク供給経路に設けられ、前記ミルク保冷庫から前記ミルカーへのミルクの供給を制御するミルク供給制御手段と、
    前記空気供給経路に設けられ、前記ミルカーへの空気の供給を制御する空気供給制御手段と、
    前記蒸気流路制御手段、前記湯供給制御手段、前記ミルク供給制御手段、及び、前記空気供給制御手段を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のミルクフォーマー。
  3. 前記制御装置は、前記ミルカーに蒸気を吐出する状態に前記蒸気流路制御手段を制御し、且つ、前記湯供給制御手段による湯の供給を開始してから遅延して、前記ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始することを特徴とする請求項2に記載のミルクフォーマー。
  4. 前記制御装置は、前記ミルク供給制御手段によるミルクの供給を開始する前に、空気を供給する状態に前記空気供給制御手段を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のミルクフォーマー。
  5. 前記制御装置は、前記ミルカーに蒸気を吐出する状態に前記蒸気流路制御手段を制御し、且つ、前記湯供給制御手段による湯の供給を停止してから遅延して、前記ミルク供給制御手段によるミルクの供給を停止することを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちの何れかに記載のミルクフォーマー。
  6. 前記制御装置は、前記ミルク供給制御手段によるミルクの供給停止から遅延して、前記湯タンクに蒸気を戻す状態に前記蒸気流路制御手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のミルクフォーマー。
  7. 前記ミルク供給制御手段は、前記ミルク保冷庫から前記ミルカーにミルクを送給する正逆回転可能なポンプであり、
    前記制御装置は、前記ポンプを正回転させてミルクを前記ミルカーに供給した後、当該ポンプを逆回転させることを特徴とする請求項2乃至請求項6のうちの何れかに記載のミルクフォーマー。
  8. コーヒー原料粉末に湯を加圧供給してコーヒー液を抽出すると共に、抽出されたコーヒー液に請求項1乃至請求項7のうちの何れかに記載のミルクフォーマーからのミルクフォーム、及び/又は、スチームミルク、若しくは、コールドミルクを添加可能とされていることを特徴とする飲料製造装置。
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