JP2013165764A - ガイドワイヤ用把持具 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ガイドワイヤに取り付けて使用した際にガイドワイヤの破断を防止することができるガイドワイヤ用把持具を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のガイドワイヤ用把持具は、先端部、後端部、内側面により区画された第一中空軸及び前記第一中空軸に通されるガイドワイヤが固定される固定部を有する内筒体と、前記先端部側に位置する遠位部、前記後端部側に位置する近位部及び前記内筒体が挿入される第二中空軸を有する外筒体と、前記内筒体及び前記外筒体を直接的又は間接的に係合する係合手段と、からなるガイドワイヤ用把持具であって、
前記係合手段は、所定の引張力が前記外筒体に加えられた際に前記内筒体と前記外筒体との係合が解除されるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
ガイドワイヤの遠位部は体内に挿入されることにより病変部に到達し、ガイドワイヤの近位部は医師等の手技者によって回転操作や押引操作される。
また、チャック400の頭部430には、チャック400の長軸方向に沿って複数の縦溝440が形成されており、頭部430の半径方向外側から半径方向内側に向かって外力が加えられると、頭部430に形成されたガイドワイヤ貫通孔410(縦溝440)が閉じられるように動作する。
まず、円筒把持部200の貫通孔210にチャック400の管状部420を挿入し、キャップ300の貫通孔310にチャック400の頭部430が挿入されるようにしてキャップ300をチャック400の頭部430に被せる。
そして、円筒把持部200の雄ネジ部220とキャップ300の雌ネジ部320とを軽く螺合させて、仮組み立てする。
次に、ガイドワイヤGの一端をキャップ300の貫通孔310から、チャック400のガイドワイヤ貫通孔410及び円筒把持部200の貫通孔210まで挿入する。
この状態から円筒把持部200の雄ネジ部220とキャップ300の雌ネジ部320とをさらに螺合していくと、キャップ300のテーパー部330がチャック400の頭部430を半径方向外側から半径方向内側に向かって締め付けていき、頭部430に形成されたガイドワイヤ貫通孔410(縦溝440)が閉じられていく。
このようにして、ガイドワイヤGが頭部430によって固定される。
そして、ガイドワイヤの破断位置によっては、破断したガイドワイヤの体内留置が生じるという問題がある。
前記係合手段は、所定の引張力が前記外筒体に加えられた際に前記内筒体と前記外筒体との係合が解除されるように形成されている。
なお、本明細書において、所定の引張力とは、その上限値がガイドワイヤの引張破断荷重未満である荷重のことをいい、例えば、ガイドワイヤの引張破断荷重が2.0〜20N(0.2〜2.0kgf)である場合には、所定の引張力の上限値は2.0〜20N(0.2〜2.0kgf)未満である。下限値については特に限定されないが、あまり低い値に設定すると振動が加えられること等により係合が解除されて外筒体が脱落しやすくなってしまうので、上限値からあまり離れていないことが望ましい。
このことについて、以下に図面を用いて説明する。
そのため、医師等の手技者が所定の引張力をもって外筒体30を手元側に引っ張った場合には、係合手段40による内筒体10と外筒体30との係合が解除されることにより、ガイドワイヤGが固定された内筒体10から外筒体30が離脱する。
なお、図1(a)〜図1(c)では、凸状部及び凹状部から係合手段が形成された実施形態を示しているが、本発明のガイドワイヤ用把持具に係る係合手段としては、凸状部及び凹状部に限定されず、後述する各実施形態に記載した構成を適宜採用し得る。
外筒体30を強く引張すぎたとしても、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との係合が解除されるように係合手段40が形成されているので、ガイドワイヤGに引張破断荷重以上の荷重が負荷されて引張により破断するよりも先に、係合手段40による係合が解除されて内筒体10から外筒体30が手元側に離脱し、ガイドワイヤGに引張力が加えられなくなるからである。
本発明の第一実施形態に係るガイドワイヤ用把持具1について、図1(a)〜図1(c)を参照しつつ説明する。
なお、第一実施形態に係るガイドワイヤ用把持具は、上述した本発明のガイドワイヤ把持具と略同一の構成を有しているので、重複する事項の説明は省略することもある。
従って、既に説明したとおり、第一実施形態のガイドワイヤ用把持具1は、ガイドワイヤGに取り付けて使用することにより、ガイドワイヤGの引張による破断を防止することができる。
筒部17は、ポリアセタール等の合成樹脂から形成されていてもよい。
但し、凸状部41は、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との係合が解除されやすいように、ゴム等の変形可能な弾性材料から形成されていてもよい。
キャップ21は、ポリアセタール等の合成樹脂から形成されていてもよい。
チャック25は、真鍮等の金属材料から形成されていてもよい。
まず、筒部17の第一中空軸にチャック25の管状部22を挿入し、キャップ21の貫通孔にチャック25の頭部23が挿入されるようにして、チャック25の頭部23にキャップ21を被せる。
そして、筒部17の雄ネジ部16とキャップ21の雌ネジ部18とを軽く螺合させて、仮組み立てする。
次に、ガイドワイヤGの一端をキャップ21の貫通孔から挿入し、チャック25のガイドワイヤ貫通孔及び筒部17の第一中空軸にも挿入する。
この状態から筒部17の雄ネジ部16とキャップ21の雌ネジ部18とをさらに螺合していくと、キャップ21のテーパー部19がチャック25の頭部23を半径方向外側から半径方向内側に向かって締め付けていき、頭部23に形成されたガイドワイヤ貫通孔(縦溝24)が閉じられていく。
これにより、ガイドワイヤ貫通孔に挿入されたガイドワイヤGが頭部23によって固定される。つまり、チャック25の頭部23が、固定部14として機能する。
外筒体30の内側面には、内筒体10の外側面に形成された凸状部41に嵌合可能なように凹状部42が形成されている。
外筒体30は、従来公知のポリアセタール等の合成樹脂から形成されていてもよい。
但し、凹状部42は、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との係合が解除されやすいように、ゴム等の変形可能な弾性材料から形成されていてもよい。
また、外筒体30の外側面には、手技者が把持しやすいように、滑り止め溝部が形成されていてもよい。
本発明の第二実施形態に係るガイドワイヤ用把持具は、内筒体及び外筒体を間接的に係合する係合手段を備えていること以外は、上述した第一実施形態に係るガイドワイヤ用把持具と略同一の構成を有しているため、重複する事項についての説明は省略する。
なお、内筒体のキャップ及び後述するストッパのフランジ状部の間の長さと外筒体の長手方向の長さが略同一であり、外筒体が内筒体に対して前後移動しないように形成されていてもよい。
具体的には、ストッパ50は、先端部及び後端部を有しており第一中空軸に挿入される円筒状部51と、円筒状部51に形成された凸状部41と、円筒状部51の後端部に結合しており外筒体30が接触するフランジ状部52とを有している。
但し、凸状部41は、後述の凹状部42に嵌合したり外れたりしやすいように、ゴム等の変形しやすい樹脂材料等から形成されていてもよい。
係合手段40は、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との係合が解除されるように形成されている。
そして、この間接的な係合状態から所定の引張力が外筒体30に加えられると、外筒体30に接触したストッパ50に押出力が加えられて係合手段40の係合(凸状部41と凹状部42との嵌合)が解除される。そのため、ストッパ50が後端部12から離脱する。
そうすると、外筒体30も後端部側から離脱することとなり、内筒体10と外筒体30とのストッパ50を介した間接的な係合が解除されることとなる。
このように、係合手段40は、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との間接的な係合が解除されるように形成されているのである。
また、係合手段(凹状部及び凸状部)の詳細な凹凸形状については特に限定されないが、例えば、引張試験機のチャックで内筒体とストッパとを把持しておいて、ガイドワイヤの引張破断荷重未満の引張力が加えられた際に内筒体からストッパが外れるように、凹状部及び凸状部の材質等を考慮しながら凹凸形状(凹状部の窪み具合、凸状部の突出具合)等を適宜変更することで決めればよい。
外筒体30を強く引張すぎたとしても、所定の引張力が外筒体30に加えられた際に内筒体10と外筒体30との間接的な係合が解除されるように形成されているので、ガイドワイヤGが引張により破断するよりも先に外筒体30及びストッパ50が外れ、ガイドワイヤGに引張力が加えられなくなるので、ガイドワイヤGが引張により破断しないからである。
それゆえ、外筒体30を強く引張すぎて係合手段40の係合(凸状部41と凹状部42との嵌合)が解除された場合には、後端部12側に凸状部41がスライド移動し、別の凹状部43に嵌合する。
従って、ストッパ50が内筒体10から完全に脱落してしまうことがなく、手技中におけるストッパ50の紛失を防止することが可能となり、ガイドワイヤ用把持具1の安全性が高い。
但し、別の凹状部43は本発明に必須の構成要素ではなく、別の凹状部43が形成されていなくてもよい。
以下に、本発明のガイドワイヤ用把持具に係る変形例を説明する。
各変形例は、上述した各実施形態に対して単独又は各実施形態に対して組み合わせて好適に適用することができる。
本発明のガイドワイヤ用把持具における係合手段の変形例について、図面を用いて説明する。
なお、図3における符号が示す構成は、図2における符号が示す構成に対応している。
なお、スプリングプランジャがストッパの円筒状部の外側面に形成されており、スプリングプランジャの球体が嵌合可能な凹状部が内筒体の内側面に形成されていてもよい。
また、ストッパを備えない実施形態においては、内筒体の外側面及び外筒体の内側面に、スプリングプランジャ及びスプリングプランジャの球体が嵌合可能な凹状部が形成されていてもよい。
本発明のガイドワイヤ用把持具において、係合手段は、凸状部及び凹状部からなる係合手段や、スプリングプランジャ及びスプリングプランジャの球体が嵌合可能な凹状部からなる係合手段に限定されず、例えば、スナップフィット構造からなる係合手段等であってもよい。
本発明のガイドワイヤ用把持具における内筒体と外筒体の変形例について、図面を用いて説明する。
なお、図4における符号が示す構成は、図2における符号が示す構成に対応している。
また、図4(b)中、両矢印で示した円弧は、外筒体の回転方向を示す。
断面形状が略管状である外筒体30の内側面33には、第一突起部26に接触する断面半円弧状の六個の第二突起部34が形成されている。
なお、ここでいう所定の回転力とは、上限値がガイドワイヤGのねじり破断トルク未満であるトルクをいい、例えば、ガイドワイヤGのねじり破断トルクが3×10−5〜5×10−4N・m(30.6×10−5×51×10−4kgf・cm)である場合には、回転力の上限値は3×10−5〜5×10−4N・m(30.6×10−5×51×10−4kgf・cm)未満である。下限値については特に限定されないが、あまり小さな値に設定すると振動が加えられること等により外筒体が容易に回転しやすくなってしまうので、上限値からあまり離れていないことが望ましい。
また、第一突起部26の個数及び第二突起部34の個数は、特に限定されず、2〜8個であってもよい。
即ち、スタックからの脱出を手技者が図る際には、ガイドワイヤ用把持具1の外筒体30を内筒体10に対して回転させるようにする。
そうすると、第一突起部26と第二突起部34とが接触することにより内筒体10と外筒体30とが一体となって回転するので、ガイドワイヤGも追従して回転し、スタックから脱出できることがある。
外筒体30を強く回転させすぎたとしても、第一突起部26と第二突起部34とは、外筒体30を回転させることにより所定の回転力が加えられた際に第二突起部34が第一突起部26を乗り越えて第二突起部34と第一突起部26との接触が解除されるように形成されているので、過剰な回転力が加えられることによりガイドワイヤGが破断するよりも先に、上記接触が解除されてガイドワイヤGに回転力が加えられなくなるからである。
本発明のガイドワイヤ用把持具において、ストッパを備える場合、ストッパは円筒状部とフランジ状部とからなるものであってもよいが、円筒状部が形成されていない中空円盤状部のみからなるものであってもよく、この場合、係合手段(例えば、凸状部又は凹状部等)は中空円盤状部に形成されていてもよい。
また、複数の凸状部(又は凹状部)が形成されていてもよく、この場合、凸状部(又は凹状部)は円筒状部及びフランジ状部に形成されていてもよい。
10 内筒体
11 先端部
12 後端部
13 内側面
14 固定部
30 外筒体
31 遠位部
32 近位部
40 係合手段
G ガイドワイヤ
Claims (4)
- 先端部、後端部、内側面により区画された第一中空軸及び前記第一中空軸に通されるガイドワイヤが固定される固定部を有する内筒体と、
前記先端部側に位置する遠位部、前記後端部側に位置する近位部及び前記内筒体が挿入される第二中空軸を有する外筒体と、
前記内筒体及び前記外筒体を直接的又は間接的に係合する係合手段と、
からなるガイドワイヤ用把持具であって、
前記係合手段は、所定の引張力が前記外筒体に加えられた際に前記内筒体と前記外筒体との係合が解除されるように形成されていることを特徴とするガイドワイヤ用把持具。 - 前記外筒体が接触するように形成されたストッパをさらに備えており、
前記係合手段は、前記内筒体及び前記ストッパに形成されている請求項1に記載のガイドワイヤ用把持具。 - 前記係合手段は、前記内筒体に形成された凹状部と、前記凹状部に嵌合可能なように前記ストッパに形成された凸状部と、前記凹状部が形成された位置よりも前記内筒体の前記後端部側の位置に前記凸状部が嵌合可能なように形成された別の凹状部と、からなる請求項2に記載のガイドワイヤ用把持具。
- 前記内筒体と前記外筒体とは、前記第一中空軸及び前記第二中空軸を回転軸として互いに回転可能に形成されており、
前記内筒体の外側面には、第一突起部が形成されており、
前記外筒体の内側面には、前記第一突起部に接触する第二突起部が形成されており、
前記第一突起部と前記第二突起部とは、前記外筒体を回転させることにより所定の回転力が加えられた際に、前記第二突起部が前記第一突起部を乗り越えて前記第二突起部と前記第一突起部との接触が解除されるように形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のガイドワイヤ用把持具。
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