JP2013164496A - 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下及び残留電位上昇(感度低下)、並びに温度及び/又は湿度による帯電性及び残留電位の変動が小さい電子写真感光体の提供。
【解決手段】導電性支持体と、該支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、前記感光層が、ベンゼン誘導体の少なくとも一つと、ピリジン誘導体の少なくとも一つと、ヒドロキシベンゼン誘導体の少なくとも一つと、チタン化合物とを反応させることにより得られるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有する電子写真感光体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光層中に特定のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有させた電子写真感光体、並びに、前記電子写真感光体を装備した画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式において使用される感光体の光導電体としては、大きく分けて無機光導電体と有機光導電体とが知られている。ここでいう「電子写真方式」とは、一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料等の着色剤、高分子材料などで構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成するようにした、いわゆるカールソンプロセスとよばれる画像形成プロセスである。有機光導電体を用いた感光体は、無機光導電体を用いた感光体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性、コスト面などにおいて利点を持つため、現在ではほとんどの感光体に有機光導電体が用いられている。また、前記電子写真方式及びそれに類似するプロセスにおいて繰り返し使用される感光体には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光感度特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。
近年、この電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うデジタル記録方式を用いたプリンタは、そのプリント品質及び信頼性において向上が著しい。また、前記デジタル記録方式は、プリンタのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。更に、前記デジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため、その需要性が今後益々高まっていくと予想される。
このようなデジタル記録方式に対応させる電子写真感光体には、従来からあるアナログ方式とは異なった特性が要求されている。例えば、光源としては現在のところ小型かつ安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。前記LDの発光波長域は近赤外光領域にあり、前記LEDの発光波長は650nmより長波長である。このため、前記電子写真感光体への要求事項に加え、可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有することが望まれる。
この観点から、スクエアリリウム染料(特許文献1及び2参照)、トリフェニルアミン系トリスアゾ顔料(特許文献3参照)、フタロシアニン顔料(特許文献4及び5参照)などが、デジタル記録用の光導電体として提案されている。特にポルフィラジン(テトラアザポルフィリン)誘導体の1つであるフタロシアニン顔料は、長波長域まで感光波長域を持つと共に高い光感度を有し、また中心金属や結晶形の種類によって様々な特性のバリエーションが得られることからデジタル記録用の光導電体として盛んに研究が行われている。これまで知られている良好な感度を示すフタロシアニン顔料としては、ε型銅フタロシアニン、X型無金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、バナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどが挙げられる。
前記フタロシアニン顔料の中でも、特に高感度なものとして、チタニルフタロシアニン顔料が挙げられる(特許文献6〜8参照)。チタニルフタロシアニン顔料の分光波長域は700nm〜860nmに最大吸収を示しており、半導体レーザー光に対して極めて高感度を示すものである。しかしながら、これまでに提案されてきたチタニルフタロシアニン顔料を電子写真感光体に用いた場合、感度的には充分であるものの、繰り返し疲労による帯電性の低下や、温度及び/又は湿度による感度変動が大きいなどの実用上の多くの問題を残している(非特許文献1参照)。
湿度による感度変動が小さい光導電体としては、光電変換材料用クロロガリウムフタロシアニン顔料(特許文献9参照)、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有する光電変換材料用の高感度なV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(特許文献10参照)などが提案されている。前記ガリウムフタロシアニン顔料も近赤外領域まで実用的な感度を示し、上述のチタニルフタロシアニン顔料に比べ、光感度は低いものの、光感度の湿度依存性がこれに比べて小さいとされている(非特許文献2参照)。しかしながら、前記ガリウムフタロシアニン顔料も繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇(感度低下)という問題を残している。
一方、光導電体として前記フタロシアニン顔料以外のポルフィラジン誘導体を用いた例としては、ピリジン、ピラジン等のヘテロ環を有するポルフィラジン系顔料が提案されている(特許文献11及び12参照)。また、前記フタロシアニン顔料とその他のポルフィラジン系顔料との混合物が提案されている(特許文献13〜15参照)。しかしながら、これらの光導電体を用いた電子写真感光体も上述の光導電体と同様に、可視域及び近赤外域における感度、繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇、温度及び/又は湿度による感度変動などの点で前記電子写真感光体の要求事項を充分満足するものではなかった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下及び残留電位上昇(感度低下)、並びに温度及び/又は湿度による帯電性及び残留電位の変動が小さい電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討した結果、導電性支持体上に、少なくとも感光層を設けた電子写真感光体において、前記感光層が、特定のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有することにより、可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下及び残留電位上昇(感度低下)、並びに温度及び/又は湿度による帯電性及び残留電位の変動が小さい電子写真感光体が得られることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、該支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、
前記感光層が、下記式(1)〜(6)で表されるベンゼン誘導体群中の少なくとも一つと、下記式(7)〜(18)で表されるピリジン誘導体群中の少なくとも一つと、下記式(19)〜(24)で表されるヒドロキシベンゼン誘導体群中の少なくとも一つと、下記一般式(1)で表されるチタン化合物とを反応させることにより得られる、下記一般式(2)で表されるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子及びアルコキシ基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(2)中、A、B、C、及びD(nは1〜4の整数を表す)は、各々独立に、水素と結合した炭素原子、又は窒素原子を表し、nが同じA、B、C、及びDからなる群の中では、A、B、C、及びDは、いずれも水素と結合した炭素原子であるか、又はいずれか1つのみが窒素原子であり、いずれも水素と結合した炭素原子である場合、mは0又は1を表し、いずれか1つのみが窒素原子である場合、mは0を表す。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下及び残留電位上昇(感度低下)、並びに温度及び/又は湿度による帯電性及び残留電位の変動が小さい電子写真感光体を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を説明するための概略図である。 図2は、本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置の一例を説明するための概略図である。 図3は、本発明のプロセスカートリッジの一例を説明するための概略図である。 図4は、化合物No.1の粉末X線回折スペクトル図である。 図5は、化合物No.1の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図6は、化合物No.7の粉末X線回折スペクトル図である。 図7は、化合物No.7の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。 図8は、実施例10で用いたY型チタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル図である。 図9は、比較化合物No.1の粉末X線回折スペクトル図である。 図10は、比較化合物No.2の粉末X線回折スペクトル図である。 図11は、比較化合物No.4の粉末X線回折スペクトル図である。 図12は、比較化合物No.5の粉末X線回折スペクトル図である。 図13は、比較化合物No.6の粉末X線回折スペクトル図である。 図14は、比較化合物No.7の粉末X線回折スペクトル図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、該支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<感光層>
前記感光層は、下記一般式(2)で表されるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有し、好ましくはアゾ系顔料又はフタロシアニン系顔料を更に含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ただし、前記一般式(2)中、A、B、C、及びD(nは1〜4の整数を表す)は、各々独立に、水素と結合した炭素原子、又は窒素原子を表し、nが同じA、B、C、及びDからなる群の中では、A、B、C、及びDは、いずれも水素と結合した炭素原子であるか、又はいずれか1つのみが窒素原子であり、いずれも水素と結合した炭素原子である場合、mは0又は1を表し、いずれか1つのみが窒素原子である場合、mは0を表す。
<<チタニルポルフィラジン誘導体の混合物>>
前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物は、上記一般式(2)で表される複数種のチタニルポルフィラジン誘導体からなり、下記式(1)〜(6)で表されるベンゼン誘導体群中の少なくとも一つと、下記式(7)〜(18)で表されるピリジン誘導体群中の少なくとも一つ、及び下記式(19)〜(24)で表されるヒドロキシベンゼン誘導体群中の少なくとも一つ、並びに下記一般式(1)で表されるチタン化合物とを反応させることにより得られる。
ただし、前記一般式(1)中、Rはハロゲン原子及びアルコキシ基のいずれかを表す。
前記Rのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、i−オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、セチルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜7のシクロアルキルオキシ基、ヘキサヒドロベンジルオキシ基、ベンジルオキシ基等、シクロアルコキシ基又はフェニル基等の芳香族基が置換したアルコキシ基などが挙げられる。
これらの中でも、塩素原子、又は炭素数3〜5の直鎖若しくは分岐状アルコキシ基が特に好ましい。
前記式(1)〜(6)で表されるベンゼン誘導体群、前記式(7)〜(18)で表されるピリジン誘導体群、及び前記式(19)〜(24)で表されるヒドロキシベンゼン誘導体群の中でも、コスト、入手のしやすさ、反応性のバランスなどの観点から、式(1)、(7)及び(19)で表される化合物が好ましい。
前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を得るための前記反応は、無溶媒で、或いは、前記ベンゼン誘導体、前記ピリジン誘導体、前記ヒドロキシベンゼン誘導体、及び前記チタン化合物と共に、α−クロロナフタレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ペンタノ−ル、1−オクタノ−ル、2―オクタノール、ベンジルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、ジオキサン等の溶媒の存在下で行うことができる。また、前記反応は、必要に応じて、尿素、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)、アンモニアなどの存在下で行ってもよい。
反応温度としては、通常、室温〜300℃であり、140℃〜260℃が好ましい。
前記ベンゼン誘導体(A)と、前記ピリジン誘導体(B)及び前記ヒドロキシ置換のベンゼン誘導体(C)の合計との混合割合(モル比)[(A):〔(B)+(C)〕]は、1:99,999〜99,999:1、好適には1:1〜399:1、更に好ましくは4:1〜49:1である。更に(B)と(C)の混合割合(モル比)〔(B):(C)〕は、1:99,999〜99,999:1、好適には1:39〜39:1、更に好ましくは1:4〜4:1である。前記ベンゼン誘導体(A)が前述の混合割合より少ない場合、本発明のチタニルポルフィラジン誘導体混合物を用いた電子写真感光体の電子写真特性においては帯電性や感度が低くなる。また、前記ピリジン誘導体(B)の混合割合が少ない場合、繰り返し疲労等による帯電低下の変化率が大きくなる。また、ヒドロキシ置換のベンゼン誘導体(C)の混合割合が少ない場合は温湿度変動に対して安定性が悪くなる。
前記一般式(1)で表されるチタン化合物の反応時の仕込み量としては、チタニルポルフィラジン誘導体混合物の理論モル収量に対して、1.0倍モル量〜2.0倍モル量が好ましく、1.0倍モル量〜1.5倍モル量がより好ましい。
前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶型のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物であることが好ましい。
前記一般式(2)で表されるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物に対し、溶媒を用いて処理して所望の特性を有する結晶型のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を製造することができる。
更に、結晶型のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の製造にあたっては、酸処理をおこなった後、溶媒を用いて処理することが好ましい。
前記酸処理とは、硫酸(濃硫酸)、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などの酸中に−5℃〜室温で顔料を溶解させた後、これを氷、水、氷水、若しくは水と有機溶媒の混合液中に滴下して顔料の結晶を析出させ、濾過等の手段により顔料を得ることを示す。前記酸の中でも、ガリウムピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物の溶解度が高く、発煙性もなく、取り扱いやすい点で、濃硫酸が好ましい。
また、このように析出させたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物は、水、有機溶媒と水の混合液、又は必要に応じて塩基性水溶液で洗浄し、酸及び水溶性有機溶媒や加水分解において生じる不純物などを除去、中和することが好ましい。
前記水と混合させる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの水溶性有機溶媒などが挙げられる。
前記塩基性水溶液における塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ、水酸化マグネシウム、アンモニア、各種の水酸化第四級アンモニウムなどが挙げられる。
前記塩基の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記酸に対して、0.5モル当量〜1.5モル当量が好ましく、0.8モル当量〜1.2モル当量がより好ましい。
前記酸処理により得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を更に溶媒を用いて処理すると、光感度と耐久性に一層優れた結晶に転移させることができる。
ここで、溶媒を用いて処理するとは、室温下又は加熱下での溶媒中におけるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の懸濁処理を示す。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、メタノ−ル、エタノ−ル、ベンジルアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、n−ブチルエ−テル、エチレングリコ−ル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式粉砕、浸漬、懸濁撹拌などが挙げられる。
チタニルポルフィラジン誘導体の混合物結晶1質量部に対する前記溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量部〜200質量部が好ましく、10質量部〜100質量部がより好ましい。
処理温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、室温〜100℃がより好ましい。
また、溶媒処理は適当な容器中で放置又は撹拌しながら行ってもよい。
更には、所定の溶剤を用いてボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー、アトライター等により湿式粉砕してもよく、粉砕の際に、食塩、ぼう硝等の無機化合物や、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ等の磨砕メディアを用いてもよい。
以上のような溶媒処理により、更に結晶が安定で、光感度と耐久性に優れたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の好ましい結晶を製造することができる。
電子写真感光体用の光導電体として用いられる、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物としては、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、13.2°、20.7°、26.2°に強い回折ピークを有する結晶型と、若しくは少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.0°、27.2°に強い回折ピークを有する結晶型であることが好ましい。
前記感光層は、感光体の要求特性に応じて、混合比率の異なる2種以上のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有していてもよい。
前記感光層は、前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物の他に、感度向上を目的としてアゾ系顔料又はフタロシアニン系顔料を更に含有することが好ましい。
前記アゾ系顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゼン環チオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)などが挙げられる。
前記フタロシアニン系顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニンなどが挙げられる。
前記アゾ系顔料又は前記フタロシアニン系顔料の含有量としては、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物に対して、0.1質量%〜0.9質量%が好ましく、0.1質量%〜0.4質量%がより好ましい。前記含有量が、0.4質量%を超えると、繰り返し疲労による帯電性の低下又は残留電位の低下が生じることがあり、0.1質量%未満であると、感度向上効果が得られないことがある。
前記感光層としては、支持体上に単層構造である感光層(以下、「単層型感光層」と称することもある)を有する態様、支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順及び逆順のいずれかで積層した積層構造を有する感光層(以下、「積層型感光層」と称することもある)を有する態様がある。
本発明の電子写真感光体においては、単層型感光層及び積層型感光層のいずれも好適に用いることができる。
前記単層型感光層の場合、導電性支持体の上に、結着樹脂中に前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物単独、又は前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物と電荷輸送物質とを併用し分散させた感光層を設ける。
前記積層型感光層の場合は、支持体上にチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含む電荷発生層、その上に電荷輸送物質を含む電荷輸送層を形成するものであるが、前記電荷発生層及び前記電荷輸送層を逆に積層してもよい。
前記感光層は、適当な溶媒に、必要に応じて結着樹脂を加えて前記チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を分散させた分散液を、支持体に塗布し乾燥させることにより設けることができる。
チタニルポルフィラジン誘導体の混合物の分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル、ビーズミル、超音波、ホモミキサーなどが挙げられる。また、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ディッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法などが挙げられる。
チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を分散させて感光層を形成する場合、分散液中のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、層中への分散性を良くする観点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。ただし、上記の粒径があまりに小さいとかえって凝集しやすく、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、或いは微細化する上で限界があるため、前記個数平均粒径の下限としては、0.01μmが好ましい。
なお、前記個数平均粒径は、例えば、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(大塚電子株式会社製)により、測定することができる。
前記分散液を調製する際に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1、2ージクロルエタン、1、1、1ートリクロルエタン、ジクロルメタン、1、1、2ートリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサンなどが挙げられる。
感光層形成時に用いる結着樹脂としては、絶縁性がよい従来から知られている電子写真感光体用結着樹脂であれば特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、及びこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂)のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
以上のような層構造、物質を用いて感光層を形成する場合には、その平均厚み、各物質の含有量に好ましい範囲がある。積層型(支持体/電荷発生層/電荷輸送層)感光層の電荷発生層において、前記結着樹脂が使用される場合、結着樹脂に対するチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の含有量としては、20質量%以上が好ましく、その平均厚みとしては、0.01μm〜5μmが好ましい。前記電荷輸送層において、結着樹脂に対する電荷輸送物質の含有量としては、20質量%〜200質量%が好ましく、その平均厚みとしては、5μm〜100μmが好ましい。なお、高分子型電荷輸送物質を用いる場合は、それ単独で電荷輸送層を形成してもよい。
前記平均厚みは、例えば、電荷発生層は感光体断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、電荷輸送層は渦電流式膜厚計 フィッシャースコープ MMS(Fischer社製)などにより、測定することができる。
更に、電荷発生層中には電荷輸送物質を含有することが好ましく、含有させることにより残留電位の抑制、感度の向上に対し効果を持つ。前記電荷輸送物質の含有量としては、結着樹脂に対して、20質量%〜200質量%が好ましい。
また、単層型の感光層の場合は、その感光層中の結着樹脂に対するチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の含有量としては、5質量%〜95質量%が好ましく、平均厚みとしては、10μm〜100μmが好ましい。また、電荷輸送物質と組み合わせる場合、電荷輸送物質の結着樹脂に対する含有量としては、30質量%〜200質量%が好ましい。また、高分子型電荷輸送物質とチタニルポルフィラジン誘導体の混合物で感光層を形成してもよく、この場合、高分子型電荷輸送物質に対するチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の含有量としては、5質量%〜95質量%、平均厚みとしては、10μm〜100μmとするのが好ましい。
前記感光層には、帯電性の向上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールとが同一分子中に存在する化合物などを添加することができる。
<<電荷輸送物質>>
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
−正孔輸送物質−
正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、下記一般式(3)〜(8)、(11)〜(14)、(18)〜(24)、及び(26)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔一般式(3)〕
(前記一般式(3)中、Rはメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、Rはメチル基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はニトロ基を表す。)
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
〔一般式(4)〕
(前記一般式(4)中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。)
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−カルボアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルボアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
〔一般式(5)〕
(前記一般式(5)中、Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基又はナフチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基又はジアリールアミノ基を表し、nは1〜4の整数を表し、nが2以上のときはRは同じでも異なっていてもよい。Rは水素原子又はメトキシ基を表す。)
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
〔一般式(6)〕
(前記一般式(6)中、Rは炭素数1〜11のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は複素環基を表し、R、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基又は置換若しくは無置換のアラルキル基を表し、また、RとRは互いに結合し窒素を含む複素環を形成していてもよい。Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
前記一般式(6)で表される化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどが挙げられる。
〔一般式(7)〕
(前記一般式(7)中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、Arは置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アントリル基又はカルバゾリル基を表す。)
前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどが挙げられる。
〔一般式(8)〕
(前記一般式(8)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Arは下記一般式(9)、一般式(10)を表す。
(前記一般式(9)及び(10)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を表し、nは1又は2であって、nが2のとき、Rは同一でも異なっていてもよく、R、Rは水素原子、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のベンジル基を表す。)
前記一般式(8)で表される化合物としては、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
〔一般式(11)〕
(前記一般式(11)中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換若しくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、又はアントリル基であって、これらの置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表す。)
前記一般式(11)で表される化合物としては、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
〔一般式(12)〕
(前記一般式(12)中、Rは低級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又はベンジル基を表し、R、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基又はベンジル基で置換されたアミノ基を表し、nは1又は2の整数を表す。)
前記一般式(12)で表される化合物としては、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
〔一般式(13)〕
(前記一般式(13)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R及びRは置換若しくは無置換のアリール基を表し、Rは水素原子、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、また、Arは置換若しくは無置換のフェニル基又はナフチル基を表す。)
前記一般式(13)で表される化合物としては、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどが挙げられる。
〔一般式(14)〕
(前記一般式(14)中、nは0又は1、Rは水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Arは置換若しくは未置換のアリール基を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは置換若しくは無置換のアリール基を表し、Aは下記一般式(15)〜(16)、9−アントリル基又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。nが0の時、AとRは共同で環を形成してもよい。)
(前記一般式(15)及び(16)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は下記一般式(17)を表す。mが2以上の時Rは同一でも異なってもよい。)
〔一般式(17)〕
(前記一般式(17)中、R及びRは置換若しくは無置換のアリール基を示し、R及びRは同じでも異なっていてもよく、Rは環を形成してもよい。)
前記一般式(14)で表される化合物としては、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどが挙げられる。
〔一般式(18)〕
(前記一般式(18)中、R、R及びRは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子又はジアルキルアミノ基を表し、nは0又は1を表す。)
前記一般式(18)で表される化合物としては、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどが挙げられる。
〔一般式(19)〕
(前記一般式(19)中、R及びRは置換アルキル基を含むアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基、置換若しくは未置換のアリール基又はアリル基を表す。)
前記一般式(19)で表される化合物としては、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
〔一般式(20)〕
(前記一般式(20)中、Xは水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Aは置換アミノ基又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
前記一般式(20)で表される化合物としては、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
〔一般式(21)〕
(前記一般式(21)中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R、Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、l、m、nは0〜4の整数を表す。)
前記一般式(21)で表されるベンジジン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。
〔一般式(22)〕
(前記一般式(22)中、R、R及びRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子又は置換若しくは無置換のアリール基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す。ただし、R、R、R及びRはすべて水素原子である場合は除く。また、k、l、m及びnは1〜4の整数であり、それぞれが2、3又は4の時は、前記R、R、R及びRは同じでも異なっていてもよい。)
前記一般式(22)で表されるビフェニリルアミン化合物としては、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどが挙げられる。
〔一般式(23)〕
(前記一般式(23)中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、また、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。nは1又は2を表す。)
前記一般式(23)で表されるトリアリールアミン化合物としては、例えば、N,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
〔一般式(24)〕
(前記一般式(24)中、Arは置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Aは下記一般式(25)を表す。)
〔一般式(25)〕
(前記一般式(25)中、Ar’は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、R及びRは置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
前記一般式(24)で表されるジオレフィン芳香族化合物としては、例えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどが挙げられる。
〔一般式(26)〕
(前記一般式(26)中、Arは置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。nは0又は1、mは1又は2であって、nが0、mが1の場合、ArとRは共同で環を形成してもよい。)
前記一般式(26)で表されるスチリルピレン化合物としては、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどが挙げられる。
−電子輸送物質−
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゼン環チオフェン−5,5−ジオキサイド、下記一般式(27)から(30)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
〔一般式(27)〕
(前記一般式(27)、中R、Rは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
前記一般式(27)で表される化合物としては、例えば、N,N’−ビス(1,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタレンジカルボキシイミドなどが挙げられる。
〔一般式(28)〕
(前記一般式(28)中、R、Rは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
前記一般式(28)で表される化合物としては、例えば、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノンなどが挙げられる。
〔一般式(29)〕
(前記一般式(29)中、R、R、R及びRは水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
前記一般式(29)で表される化合物としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4−ピラゾリリデン)−2,5−シクロヘキサジエン−1−オンなどが挙げられる。
〔一般式(30)〕
(前記一般式(30)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は下記式一般式(31)で表される基を示す。)
〔一般式(31)〕
ただし、前記一般式(31)中、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、及び置換基を有してもよいアリール基のいずれかを示す。
前記一般式(30)で表される化合物としては、例えば、2−オキシカルボニルベンジル−3−フェニル−1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
−高分子電荷輸送物質−
前記高分子電荷輸送材料は、電荷輸送材料としての機能とバインダー樹脂としての機能を有する。前記高分子電荷輸送材料から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れている。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、公知の材料を使用できるが、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが好ましい。これら中でも、下記一般式(I)、(IV)〜(XIII)のいずれかで表される高分子電荷輸送物質が特に好ましい。
〔一般式(I)〕
ただし、前記一般式(I)中、R、R、及びRは、それぞれ独立して置換又は無置換のアルキル基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。Rは、水素原子、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。R及びRは、いずれも置換又は無置換のアリール基を表す。o、p、及びqは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、k及びjは、組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9である。nは、繰り返し単位数を表し、5〜5,000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、及び下記一般式(II)で表される2価基のいずれかを表す。
〔一般式(II)〕
ただし、前記一般式(II)中、R101及びR102は、各々独立して置換又は無置換のアルキル基、アリール基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。l及びmは、0〜4の整数を表す。Yは、単結合、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(ただし、Zは脂肪族の2価基を表す)、及び下記一般式(III)で表される基を表す。
〔一般式(III)〕
ただし、前記一般式(III)中、aは1〜20の整数、bは1〜2,000の整数を表す。R103及びR104は、置換又は無置換のアルキル基、及びアリール基のいずれかを表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
〔一般式(IV)〕
ただし、前記一般式(IV)中、R及びRは、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、いずれも同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(V)〕
ただし、前記一般式(V)中、R及びR10は、いずれも置換又は無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(VI)〕
ただし、前記一般式(VI)中、R11及びR12は、いずれも置換又は無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。pは、1〜5の整数を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(VII)〕
ただし、前記一般式(VII)中、R13及びR14は、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar10、Ar11、及びAr12は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X及びXは、置換又は無置換のエチレン基、及び置換又は無置換のビニレン基のいずれかを表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(VIII)〕
ただし、前記一般式(VIII)中、R15、R16、R17、及びR18は、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar13、Ar14、Ar15、及びAr16は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。Y、Y、及びYは、単結合、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、置換又は無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、及びビニレン基のいずれかを表し、同一であってもよいし異なっていてもよい。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(IX)〕
ただし、前記一般式(IX)中、R19及びR20は、水素原子、置換又は無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、及びAr19は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(X)〕
ただし、前記一般式(X)中、R21は、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar20、Ar21、Ar22、及びAr23は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(XI)〕
ただし、前記一般式(XI)中、R22、R23、R24、及びR25は、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar24、Ar25、Ar26、Ar27及びAr28は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(XII)〕
ただし、前記一般式(XII)中、R26及びR27は、置換又は無置換のアリール基を表す。Ar29、Ar30、及びAr31は、同一であってもよいし異なっていてもよいアリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記一般式(I)の場合と同じである。
〔一般式(XIII)〕
ただし、前記一般式(XIII)中、Ar、Ar、Ar、Ar及びArは、置換又は無置換の芳香環基を表す。Zは、芳香環基、及びAr−Za−Ar−のいずれかを表し、Arは、置換又は無置換の芳香環基、Zaは、O、S又はアルキレン基を表し、R及びR’は直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。mは0又は1を表す。k、j、n及びXは、前記一般式(I)の場合と同じである。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ドラム又は金属箔;アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム;導電性物質を塗布した紙、プラスチック等のフィルム又はドラムなどが挙げられる。
<その他の層>
本発明の電子写真感光体は、接着性、電荷ブロッキング性を向上させる目的で、必要に応じて、感光層と支持体との間に下引き層を設けてもよい。更に、耐摩擦性など、機械的耐久性を向上させる目的で、感光層上に保護層を設けてもよい。
<<下引き層>>
前記下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、前記樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、耐溶剤性が高い限り特に制限はなく、公知のものから適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
前記下引き層は、前述の感光層と同様にして、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減などのため、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。更に、前記下引き層には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものなどが好適に用いられる。この他にも公知のものを用いることができる。
前記下引き層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましい。
<<保護層>>
前記保護層は、樹脂を含有し、更に必要に応じてフィラー等その他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
前記保護層には、耐摩耗性向上やトナー、コンタミ等との離系性を向上する目的で、上記の樹脂にフィラーとして、酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、アルミナ、シリカ等の無機材料粒子、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素樹脂微粒子、シリコン微粒子などを添加することができる。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法が挙げられる。これらの中でも、特に塗膜の均一性の観点から、スプレーコートが好ましい。
また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したアモルファスカーボン(a−C)、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)など公知の材料を保護層として用いることができる。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10μmが好ましい。
なお、本発明の一般式(2)で表されるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物は、電子写真感光体の光導電体として有用であるばかりでなく、太陽電池、光ディスク等のエレクトロニクス分野で電子デバイスとして好適に使用することが可能である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記電子写真感光体が、本発明の前記電子写真感光体である。
本発明で用いられる画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、電子写真感光体の表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体の表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
<露光工程及び露光手段>
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系(アナログ方式)とデジタル光学系(デジタル方式)とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。これらの中でも、半導体レーザー及び発光ダイオードの少なくともいずれかを有し、デジタル方式で電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段が好ましい。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<その他の工程及びその他の手段>
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着手段と該定着手段を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着手段としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法、画像形成装置、並びにプロセスカートリッジを詳しく説明する。
図1は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体10は図1中の矢印の方向に回転し、電子写真感光体10の周りには、帯電手段11、画像露光手段12、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17、除電手段18等が配置される。クリーニング手段17や除電手段18が省略されることもある。
前記画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電手段11により、電子写真感光体10表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光手段12により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像手段13により、この静電潜像に現像が行われ、電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ14により転写部位に送られた転写紙15に、転写手段により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング手段17によりクリーニングされる。ついで、電子写真感光体上に残存する電荷は、除電手段18により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図1に示すように、電子写真感光体10はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電手段11、転写手段16には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電手段あるいはブラシ状の帯電手段等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光手段12、除電手段18等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、電子写真感光体10に光が照射される。但し、除電工程における電子写真感光体10への露光は、電子写真感光体10に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、電子写真感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体10に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、電子写真感光体の表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
電子写真感光体の表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが電子写真感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により電子写真感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像手段13により、電子写真感光体10上に現像されたトナーは、転写紙15に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、電子写真感光体10上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段17により、電子写真感光体10から除去される。
このクリーニング手段は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明の電子写真感光体は、高光感度ならびに高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、上記の電子写真感光体がより有効に用いられる画像形成装置あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の電子写真感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の電子写真感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図2は、本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図2において、電子写真感光体(10C(シアン)、10M(マゼンタ)、10Y(イエロー)、10K(ブラック))は、ドラム状の電子写真感光体10であり、これらの電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段(11C、11M、11Y、11K)、現像手段(13C、13M、13Y、13K)、クリーニング手段(17C、17M、17Y、17K)が配置されている。
この帯電手段(11C、11M、11Y、11K)と、現像手段(13C、13M、13Y、13K)との間の電子写真感光体10の裏面側より、図示しない露光手段からのレーザー光(12C、12M、12Y、12K)が照射され、電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト25に沿って並置されている。
転写搬送ベルト19は、各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)の現像手段(13C、13M、13Y、13K)と、クリーニング手段(17C、17M、17Y、17K)との間で電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)に当接しており、転写搬送ベルト19の電子写真感光体10側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段(16C、16M、16Y、16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図2に示す構成のカラー画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)において、電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)が、電子写真感光体10と連れ周り方向に回転する帯電手段(11C、11M、11Y、11K)により帯電され、次に、電子写真感光体10の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12C、12M、12Y、12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像手段(13C、13M、13Y、13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(13C、13M、13Y、13K)は、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像手段で、4つの電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト19上で重ねられる。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、上記電子写真感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写手段23に送られる。転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写手段23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着手段24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各電子写真感光体(10C、10M、10Y、10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング手段(17C、17M、17Y、17K)で回収される。
図2に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、電子写真感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図2の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C、20M、20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
上記のタンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、電子写真感光体が少なくとも4本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の電子写真感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による電子写真感光体は、高光感度ならびに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4本の電子写真感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナーを収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図3に示すように、電子写真感光体10を内蔵し、帯電手段11、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17を有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図3中、12は露光手段による露光、115は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図3に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体10は、矢印方向に回転しながら、帯電手段11よる帯電、露光手段(不図示)による露光12により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段13で現像され、得られた可視像は転写手段16により、記録媒体15に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の電子写真感光体の表面は、クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明を実施例により説明するが、これにより本発明の実施例の態様が限定されるものではない。
<製造例1:チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.1)の製造>
フタロニトリル25.11g(196mmol)、2,3−ジシアノピリジン258.2mg(2mmol)、4−ヒドロキシフタロニトリル288.3mg(2mmol)及び1−オクタノール65.12gにオルトチタン酸テトラ−n−ブチル18.72g(55mmol)、尿素6.01g(100mmol)を加え、アルゴン気流下155℃〜160℃で24時間加熱撹拌をおこなった。70℃まで放冷後、メタノール80mLを加え30分間還流撹拌をおこなった。室温(25℃)まで放冷し、濾過して得られた青色粉末をN,N−ジメチルホルムアミド250mLを用いて100℃にて1時間撹拌し、濾過を3回行い、次いでメタノール250mLにて1時間還流撹拌、濾過3回の溶媒処理を行った。最後に減圧加熱乾燥を行って青紫色結晶のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.1)23.76gを得た。
得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の粉末X線回折スペクトルを以下の条件で測定した。粉末X線回折スペクトルを図4に示す。CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、13.2°、20.7°、26.2°に強い回折ピークを示した。
測定装置: X’Pert Pro(株式会社フィリップス)
X線管球: Cu(波長1.54Å)
電圧: 50kV
電流: 30mA
走査速度: 2deg/min
走査範囲: 3〜35deg
時定数: 2sec
また、得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物の赤外線吸収スペクトルを以下の条件で測定した。赤外線吸収スペクトルを図5に示す。
測定装置:フーリエ変換赤外分光光時計FT−720(株式会社堀場製作所製)
条件:KBr錠剤法
<製造例2〜5:チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.2〜5)の製造>
実施例1において、フタロニトリル、2,3−ジシアノピリジン、及び4−ヒドロキシフタロニトリルを表1に示されるように変更した以外は、製造例1と同様に操作して、青紫色結晶のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.2〜5)を得た。
<製造例6:チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.6)の製造>
製造例1において、2,3−ジシアノピリジンを3,4−ジシアノピリジンに変更した以外は、製造例1と同様に操作して、青紫色結晶のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.6)を23.55g得た。
<製造例7:チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)の製造>
濃硫酸300gを氷水浴で撹拌冷却し、これに製造例1で得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.1)15.00gを少量ずつ15分間かけて添加し溶解させた。1時間撹拌の後、内容物を撹拌している1.5kgの氷水に滴下し、1時間撹拌の後、濾過をおこない、更にイオン交換水にて濾液が中性になるまで撹拌濾過洗浄し、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物の湿ケーキを得た。この湿ケーキにテトラヒドロフラン600gを加え、室温にて6時間撹拌、濾過して減圧加熱乾燥をおこなって青色結晶のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)13.45gを得た。
得られた化合物No.7の粉末X線回折スペクトルを図6に示す。ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°、9.6°、14.9°、24.2°、27.2°に強い回折ピークを示した。また、化合物No.7の赤外線吸収スペクトルを図7に示す。
<製造例8〜12:チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.8〜12)の製造>
製造例7において仕込んだチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.1)を化合物No.2〜6にかえた以外は同様に操作してチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.8〜12)を得た。表2に得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を示す。
<製造例13:チタニルテトラピリジン環ポルフィラジン(比較化合物No.1)の製造>
製造例1において、フタロニトリル及び4−ヒドロキシフタロニトリルを同じモル数の2,3−ジシアノピリジンに代えた以外は、製造例1と同様の製造条件にて操作を行い、以下の構造式(I)で示されるチタニルテトラピリジン環ポルフィラジン(比較化合物No.1)を21.2g得た。比較化合物No.1の粉末X線回折スペクトルを図9に示す。
〔構造式(I)〕
<製造例14:チタニルテトラヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン(比較化合物No.2)の製造>
製造例1において、フタロニトリル及び2,3−ジシアノピリジンを同じモル数の4−ヒドロキシフタロニトリルに代えた以外は、製造例1と同様な製造条件にて操作を行い、以下の構造式(II)で示されるチタニルテトラヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン(比較化合物No.2)を22.36g得た。比較化合物No.2の粉末X線回折スペクトルを図10に示す。
〔構造式(II)〕
<製造例15:Y型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)の製造>
製造例1において、2,3−ジシアノピリジン258.2mg(2mmol)、4−ヒドロキシフタロニトリル288.3mg(2mmol)を同じモル数のフタロニトリルに変更した以外は、製造例1と同様に操作して、下記構造式(III)で表される青紫色結晶のチタニルフタロシアニン粗結晶23.54gを得た。
次いで、製造例7において、仕込んだチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.1)を前記チタニルフタロシアニン粗結晶に変更した以外は、製造例7と同様に操作して、Y型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)を13.50g得た。前記比較化合物No.3の粉末X線回折スペクトルを図8に示す。
〔構造式(III)〕
<製造例16:V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(比較化合物No.4)の製造>
フタロニトリル19.48g(152.0mmol)、三塩化ガリウム7.74g(44.00mmol)及び1−クロロナフタレン100mLを窒素気流下198℃〜200℃で24時間加熱撹拌を行った。放冷後、濾過して得られた結晶をN,N−ジメチルホルムアミド200mLにて3回、メタノール200mLにて2回、撹拌ろ過洗浄した後、減圧加熱乾燥をおこなって青色粉末のクロロガリウムフタロシアニンを18.78g得た。
濃硫酸50gを氷水浴で撹拌冷却し、これに得られたクロロガリウムフタロシアニン2.00gを少量ずつ30分間かけて添加し、溶解させた。1時間撹拌の後、内容物を500gの氷水に滴下し、30分間撹拌の後ろ過を行い、イオン交換水200mLで5回、撹拌ろ過洗浄した後、減圧加熱乾燥を行い、紺色結晶のヒドロキシガリウムフタロシアニン1.72gを得た。
更に、この得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1.00g、N,N−ジメチルホルムアミド15mL及び直径2mmのPSZボール50gを30mLサンプル瓶に入れ、24時間ボールミリングし、結晶変換処理をおこなった。PSZボールをろ別し、ろ液を遠心分離機にかけ、固体部を酢酸n−ブチルにて洗浄し、減圧加熱乾燥して、下記構造式(IV)で表されるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(比較化合物No.4)を0.96g得た。得られた比較化合物No.4の粉末X線回折スペクトルを図11に示す。
〔構造式(IV)〕
<製造例17:チタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.5)の製造>
フタロニトリル19.48g(152.0mmol)、2,3−ジシアノピリジン1.03g(8.00mmol)、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル14.97g(44.00mmol)、尿素4.80g(80.00mmol)及び1−オクタノール24.48gを窒素気流下150℃〜161℃で6時間加熱撹拌を行った。放冷後、メタノール80mLを加え、30分間還流撹拌を行い室温まで冷却した後、濾過して得られた結晶をトルエン200mLにて3回、メタノール200mLにて2回、水200mLにて1回、撹拌ろ過洗浄した後、減圧加熱乾燥をおこなって青色粉末のチタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物を19.38g得た。濃硫酸80gを氷水浴で撹拌冷却し、これに得られたチタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物5.00gを少量ずつ30分間かけて添加し、溶解させた。1時間撹拌の後内容物を500gの氷水に滴下し、30分間撹拌の後濾過を行い、湿ケーキ28.9gを得た(固形分濃度17.3%)。
この湿ケーキ17.3gにイオン交換水9.7g、テトラヒドロフラン120gを加え、室温にて6時間撹拌をおこなった。これを濾過し、減圧乾燥をおこない青色結晶のチタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.5)2.72gを得た。
得られた比較化合物No.5の粉末X線回折スペクトルを図12に示す。
<製造例18:チタニルヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.6)の製造>
製造例16において、2,3−ジシアノピリジンを同じモル数の4−ヒドロキシフタロニトリルに代えた以外は、製造例16と同様の製造条件にて操作を行ってチタニルテトラヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.6)を22.36g得た。得られた比較化合物No.6の粉末X線回折スペクトルを図13に示す。
<製造例19:チタニルピリジン環ヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.7)の製造>
4−ヒドロキシフタロニトリル18.45g(128.0mmol)、2,3−ジシアノピリジン4.13g(32.0mmol)、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル14.97g(44.00mmol)、尿素9.60g(160.0mmol)及び1−オクタノール24.48gを窒素気流下155℃〜160℃で6時間加熱撹拌を行った。放冷後、メタノール80mLを加え、30分間還流撹拌を行い室温まで冷却した後、濾過して得られた結晶をトルエン200mLにて3回、メタノール200mLにて2回、水200mLにて1回、攪拌濾過洗浄した後、減圧加熱乾燥をおこなって青色粉末のチタニルピリジン環ヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物を13.21g得た。濃硫酸80gを氷水浴で撹拌冷却し、これに得られたチタニルピリジン環ヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物5.00gを少量ずつ30分間かけて添加し、溶解させた。1時間撹拌の後内容物を500gの氷水に滴下し、30分間撹拌の後濾過を行い、湿ケーキ27.3gを得た(固形分濃度18.3%)。
この湿ケーキ16.4gにイオン交換水13.6g、テトラヒドロフラン120gを加え、室温にて6時間撹拌をおこなった。これを濾過し、減圧乾燥をおこない青色結晶のチタニルピリジン環ヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.7)2.52gを得た。得られた比較化合物No.7の粉末X線回折スペクトルを図14に示す。
(実施例1)
製造例7で得られた化合物No.7を用い、以下のようにして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、それぞれ評価を行った。
<静電特性を評価するための電子写真感光体の作製>
チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)3質量部、ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学工業製)2質量部、及びテトラヒドロフラン495質量部からなる分散液をボールミルポットに取り、直径2mmのPSZボールを使用し、3時間ボールミリングし電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上に塗布後100℃で20分間乾燥し、平均厚み0.3μmの電荷発生層を形成した。
続いて下記構造式(V)で示される電荷輸送物質7質量部、ポリカーボネート樹脂(PCX−5、帝人化成社製)10質量部、テトラヒドロフラン83質量部、及びシリコーンオイル(KF−50、信越化学社製)0.0002質量部の電荷輸送層塗布液を調製し、前記電荷発生層上に塗布後110℃で20分間乾燥し、平均厚み25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
〔構造式(V)〕
<電子写真感光体の静電特性の評価>
以上のようにして得られた電子写真感光体の静電特性をEPA−8100(川口電気製作所製)を用い、ダイナミック方式(回転速度1,000rpm)にて測定した。まず、印加電圧−6KVで20秒間帯電した後、20秒間減衰させた時の表面電位Vo(V)を測定し、ついでハロゲンランプによる白色光を表面照度5.3luxになるようにして露光を行った。感度は、露光時の表面電位が−800(V)から−400(V)までに要する時間を求め、半減露光量Ew1/2(lux・sec)を算出した。また、同じ装置にて780nmの単色光を感光体の表面での照度が1μW/cmになるように照射して、感光体の表面電位が−800Vから−400Vになるまでに要する半減露光量Em1/2(μJ/cm)をLD光源域(近赤外域)の感度として測定した。Vo、Ew1/2及びEm1/2を表3に示す。
<繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動を評価するための電子写真感光体の作製>
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗布液、電荷発生層塗布液、及び電荷輸送層塗布液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を形成した。
<下引き層塗布液>
二酸化チタン粉末(石原産業製、タイベークCR−EL): 400質量部
メラミン樹脂(大日本インキ製、スーパーベッカミンG821−60): 65質量部
アルキッド樹脂(大日本インキ製、ベッコライトM6401−50): 120質量部
2−ブタノン: 400質量部
<電荷発生層塗布液>
チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7): 18質量部
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1:積水化学工業製): 12質量部
2−ブタノン: 970質量部
<電荷輸送層塗布液>
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製): 10質量部
下記構造式(VI)の正孔輸送材料: 7質量部
テトラヒドロフラン: 100質量部
〔構造式(VI)〕
<電子写真感光体の繰り返し疲労における電位変動の評価>
以上のように作製した電子写真感光体を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をローラー帯電方式、画像露光光源780nmの半導体レーザー(LD)の株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて帯電後電位−800(V)、露光後電位−100(V)になるよう設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験をおこない、繰り返し試験後の帯電後電位(V)と露光後電位(V)について評価を行った。結果を表3に示す。
<電子写真感光体の低温低湿環境における電位変動の評価>
作製した電子写真感光体を電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をローラー帯電方式、画像露光光源780nmの半導体レーザー(LD)の株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて、常温常湿下(温度:23℃、相対湿度:55%)で帯電後電位−800(V)、露光後電位−100(V)になるよう設定した後、この画像形成装置を低温低湿(温度:10℃、相対湿度:15%)の環境試験室の中に4時間放置し、低温低湿環境下での帯電後電位(V)と露光後電位(V)変動について評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例2)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.2に代えた以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例3)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.4に代えた以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例4)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.9に代えた以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.5に代えた以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例6)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.12に代えた以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例7)
実施例1において、静電特性評価用の電子写真感光体の作製、及びその評価方法を以下のように変更した。繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製、及びその評価は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
<静電特性評価用の電子写真感光体の作製>
アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上に実施例1で用いた電荷輸送層塗布液をブレード塗工し、120℃で10分間乾燥して、平均厚み約20μmの電荷輸送層を形成した。製造例8で得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.8)13.5質量部、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL、ユニオンカーバイドプラスチック社製)5.4質量部、テトラヒドロフラン680質量部、及びエチルセロソルブ1,020質量部をボールミル中で粉砕混合した後、エチルセロソルブ1,700質量部を加え混合して、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を上記の電荷輸送層の上にスプレー塗工し、100℃で10分間乾燥して平均厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。更にこの電荷発生層上にポリアミド樹脂(CM−8000、東レ社製)のメタノール/n−ブタノール溶液(質量比:7/3)をスプレー塗工し、120℃で30分間乾燥して平均厚み0.5μmの保護層を形成し電子写真感光体を作製した。
<電子写真感光体の静電特性の評価>
実施例1において、印加電圧を−6KVから+6KVに変更した以外は、実施例1と同様にして、感光電子写真感光体の静電特性を評価した。
(実施例8)
実施例1において、静電特性評価用の電子写真感光体の作製、及びその評価方法を以下のように変更した。繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製、及びその評価は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
<静電特性評価用の電子写真感光体の作製>
製造例10で得られたチタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.10)1質量部にメチルエチルケトン158質量部を加え、直径5mmのアルミナボールを使用して24時間ボールミリングした。これに下記構造式(VII)で示される電子輸送物質7質量部、下記構造式(VIII)で示される正孔輸送物質5質量部、及びポリエステル樹脂(ポリエステルアドヒーシブ49000、デュポン社製)18質量部を加えて、更に混合して得た分散液をアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上にドクターブレードを用いて塗布し、100℃で30分間乾燥して、平均厚み25μmの感光層を形成し感光体を作成した。
〔構造式(VII)〕
〔構造式(VIII)〕
<電子写真感光体の静電特性の評価>
実施例1において、印加電圧を−6KVから+6KVに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体の静電特性を評価した。
(実施例9)
実施例1において、電荷発生層塗布液に下記構造式(IX)で表されるアゾ顔料1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
〔構造式(IX)〕
(実施例10)
実施例9において、前記構造式(IX)で表されるアゾ顔料1質量部をY型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)1質量部に変更した以外は、実施例9と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例11)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物を化合物No.7から化合物No.6に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例1において、チタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えて、比較化合物No.1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、チタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えてチタニルテトラヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン(比較化合物No.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えてY型チタニルフタロシアニン(比較化合物No.3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えて、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(比較化合物No.4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えて前記チタニルピリジン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例6)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)に代えて前記チタニルヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.6)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例7)
実施例1において、チタニルポルフィラジン誘導体の混合物(化合物No.7)の代わりに前記チタニルピリジン環ヒドロキシ置換ベンゼン環ポルフィラジン誘導体の混合物(比較化合物No.7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、静電特性評価用の電子写真感光体、並びに、繰り返し疲労及び低温低湿環境における電位変動評価用の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして、それぞれ評価を行った。結果を表3に示す。
*表3中、αは、アゾ顔料、βは、Y型チタニルフタロシアニンを表す。
表3から、本発明の電子写真感光体(実施例1〜11)は、比較例1、比較例2、比較例7の感光体と比較して、帯電電位Vo、感度Ew1/2及びEm1/2が非常に優れていることが分かった。
また、本発明の電子写真感光体は、いずれも比較例3、4及び6の電子写真感光体に比べ、繰り返し疲労特性における帯電電位、感度の安定性が優れていることが分かった。
また、本発明の電子写真感光体は、低温低湿下の環境においても帯電性、感度特性の変動が、比較例3及び5の感光体に比べて小さいことがわかった。
以上の説明から明らかなように、感光層中に本発明独特のチタニルポルフィラジン誘導体の混合物が含有された本発明の電子写真感光体は、可視域及び近赤外域における感度が高く、繰り返し疲労による帯電性の低下や残留電位上昇(感度低下)、並びに温度及び/又は湿度による帯電性及び残留電位の変動が小さく、また、その電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置、電子写真用プロセスカートリッジに有用なものである。
10 電子写真感光体
10C、10M、10Y、10K 電子写真感光体
11 帯電手段
11C、11M、11Y、11K 帯電手段
12 画像露光手段
12C、12M、12Y、12K レーザー光
13 現像手段
13C、13M、13Y、13K 現像手段
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写手段
16C、16M、16Y、16K 転写手段
17 クリーニング手段
17C、17M、17Y、17K クリーニング手段
18 除電手段
19 転写搬送ベルト
20C、20M、20Y、20K 画像形成要素ユニット
21 給紙コロ
23 転写手段(二次転写手段)
24 定着手段
25 転写材搬送手段
特開昭49−105536号公報 特開昭58−021416号公報 特開昭61−151659号公報 特開昭48−034189号公報 特開昭57−014874号公報 特開昭64−017066号公報 特開平3−128973号公報 特開平5−098182号公報 特許第3123185号公報 特許第3166293号公報 特許第2637487号公報 特許第2637485号公報 特公平3−027111号公報 特許第4293694号公報 特許第4419873号公報
Y. Fujimaki, Proc. IS&T’s 7th International Congress on Advances in Non−Impact Printing Technologies, 1, 269 (1991) K. Daimon, et al. : J. Imaging Sci. Technol., 40, 249 (1996)

Claims (9)

  1. 導電性支持体と、該支持体上に少なくとも感光層とを有してなり、
    前記感光層が、下記式(1)〜(6)で表されるベンゼン誘導体群中の少なくとも一つと、下記式(7)〜(18)で表されるピリジン誘導体群中の少なくとも一つと、下記式(19)〜(24)で表されるヒドロキシベンゼン誘導体群中の少なくとも一つと、下記一般式(1)で表されるチタン化合物とを反応させることにより得られる、下記一般式(2)で表されるチタニルポルフィラジン誘導体の混合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子及びアルコキシ基のいずれかを表す。
    ただし、前記一般式(2)中、A、B、C、及びD(nは1〜4の整数を表す)は、各々独立に、水素と結合した炭素原子、又は窒素原子を表し、nが同じA、B、C、及びDからなる群の中では、A、B、C、及びDは、いずれも水素と結合した炭素原子であるか、又はいずれか1つのみが窒素原子であり、いずれも水素と結合した炭素原子である場合、mは0又は1を表し、いずれか1つのみが窒素原子である場合、mは0を表す。
  2. 感光層が、アゾ系顔料を更に含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 感光層が、フタロシアニン系顔料を更に含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 感光層が、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層した積層構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 感光層が、少なくとも電荷輸送層と電荷発生層とを順次積層した積層構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 感光層が、単層構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 露光手段が、半導体レーザー及び発光ダイオードの少なくともいずれかを有し、デジタル方式で電子写真感光体上に静電潜像を形成する請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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