JP2013163661A - 育毛剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、イソアセトシドを有効成分とする育毛剤を提供するものである。
【選択図】 なし
Description
現在、脱毛症の治療に用いられている育毛剤有効成分は、毛母細胞活性化剤(例えば、特許文献1参照)、血行促進剤、抗男性ホルモン剤、殺菌・皮脂除去・保湿成分等があるが、効果の程度は必ずしも明瞭ではなく、さらに高い改善率を示す育毛剤成分が求められている。
一方、退行期の毛母細胞や外毛根鞘細胞は、アポトーシスが誘導されると増殖が止まり、休止期へと移行する。このヘアーサイクルが乱れると、脱毛症の原因にもつながる。外毛根鞘細胞には、上記のようにバルジ幹細胞や幹細胞から派生した毛芽、また、その分化系統細胞の子孫細胞など毛包形成能をもつ細胞が含まれており、ヘアーサイクルに深く関与している(非特許文献2参照)。
このことから、太く長い毛の形成には、毛包上皮系細胞である外毛根鞘細胞の維持、増殖が非常に重要であり、脱毛症に対して有効な手段と考えられる。
即ち、請求項1に係る本発明は、イソアセトシドを有効成分とする育毛剤を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、脱毛症の予防及び/又は治療に用いる請求項1に記載の育毛剤を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、イソアセトシドを含有してなる洗髪料を提供するものである。
即ち、これまで、育毛剤については必ずしも効果が明瞭ではなく、脱毛症に対してさらに高い改善効果を有する育毛成分の開発が望まれてきた。
本発明のイソアセトシドを有効成分とする育毛剤は、これまでに認められている育毛剤有効成分とは作用機構が異なり、最近になって明らかとなったヘアーサイクルに入る重要な初期の成長期、即ち幹細胞、幹細胞から派生する毛芽、子孫細胞、分化系統細胞を含むヒト外毛根鞘細胞に対して高い増殖促進作用を有する優れた育毛剤である。
本発明は、イソアセトシド(iso-acetoside)を有効成分とする育毛剤に関する。換言すると、外毛根鞘細胞増殖促進作用を有する育毛剤に関する。
なお、上記式で表されるイソアセトシドには、構造異性体としてアセトシドがあるが、後記実験結果から明らかなように、このアセトシドには、細胞増殖促進作用は示されなかった。
なお、本発明の育毛剤は、上記式で表されるイソアセトシドを有効成分とするものであればよく、本発明の効果を奏するものである限り、精製品の他に、粗製品であってもよい。本発明に用いるイソアセトシドは、薬品メーカーより市販されている。
ここで化粧品として具体的には、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアリキッド、ヘアトリートメント、ヘアムース、ヘアシャンプー、ヘアリンスなどの頭髪用化粧品を挙げることができる。
ここで育毛剤中のイソアセトシドの配合量が0.001重量/容量%未満であると、十分な脱毛防止効果乃至育毛効果を奏することができない。一方、育毛剤中にイソアセトシドを1重量/容量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの脱毛防止効果乃至育毛効果が得られない。
ここで洗髪料とは、文字通り、髪を洗う際に用いられるものを総称するものである。洗髪料として具体的には例えば、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアコンディショナーなどを挙げることができる。
ここで洗髪料中のイソアセトシドの配合量が0.001重量/容量%未満であると、十分な脱毛防止効果乃至育毛効果を奏することができない。一方、洗髪料中にイソアセトシドを1重量/容量%を超えて配合しても、配合量に見合うだけの脱毛防止効果乃至育毛効果が得られない。
式(I)で表されるイソアセトシドについて、ヒト由来の外毛根鞘細胞を用いて細胞増殖作用を調べた。
なお、培地中に、イソアセトシドを、25μg/mlの割合で添加したもの(本発明区)の他、対照として無添加のもの(無添加区)を用意して試験した。
外毛根鞘細胞増殖促進作用は、Cell Counting Kit-8(DOJINDO製)を用いて測定した。培養終了後、Cell Counting Kit-8溶液を各wellに50 μl添加して、炭酸ガスインキュベーター内で2時間培養した。培養後、マイクロプレートリーダーを用いて、450 nm(参照波長:650 nm)における吸光度を測定して、ブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、次式に基づき、外毛根鞘細胞増殖促進率(%)を算出した。
B:イソアセトシド無添加時の吸光度
培地中に、式(I)で表されるイソアセトシドを、20μg/mlの割合で添加したもの、50μg/mlの割合で添加したもの(いずれも本発明区)を用意して試験したこと以外は、実験例1と同様にして450 nm(参照波長:650 nm)における吸光度を測定し、細胞増殖作用を調べた。
結果を図1に示す。
ここでは、イソアセトシドについて、その構造異性体であるアセトシドとの活性比較を行った。
培地中に、式(I)で表されるイソアセトシドを、5μg/ml、20μg/ml、50μg/mlの割合でそれぞれ添加したもの(いずれも本発明区)を用意して試験したこと以外は、実験例1と同様にして450 nm(参照波長:650 nm)における吸光度を測定し、1週間後の細胞増殖作用を調べた。
なお、比較のために、構造異性体であるアセトシド(和光純薬工業製)についても、同様にして吸光度を測定し、1週間後の細胞増殖作用を調べた。
結果を図2に示す。
しかしながら、構造異性体であるアセトシド添加区については、濃度依存性は見られず、細胞増殖作用は示されなかった。
本発明の育毛剤を配合した育毛料を下記に示す処方で調製し、下記のヒト育毛試験方法により育毛効果を評価した(実施例1)。
また、比較のために、実施例1において、イソアセトシドを用いずに下記に示す処方で育毛料を調製し、下記のヒト育毛試験方法により育毛効果を評価した(比較例1)。
さらに、実施例1において、イソアセトシドの代わりにアセトシドを用いたこと以外は、実施例1と同様にして下記に示す処方で育毛料を調製し、下記のヒト育毛試験方法により育毛効果を評価した(比較例2)。
イソアセトシド 20mg
1.3ブチレングリコール 1 g
無水エタノール 70 ml
精製水 適量
100 ml
1.3ブチレングリコール 1 g
無水エタノール 70 ml
精製水 適量
100 ml
アセトシド 20mg
1.3ブチレングリコール 1 g
無水エタノール 70 ml
精製水 適量
100 ml
薄毛の悩みを持つ60名の被験者を3群(各群20名ずつ)に分け、試験群として実施例1の育毛料を、対照群として比較例1の育毛料を、さらに比較群として比較例2の育毛料を、それぞれ毎日朝夕2回、1回2mlを頭皮に滴下し、軽くマッサージしてもらった。4ヶ月間連用塗布後に、以下の内容のアンケートを行うことで有効性を評価した。
A.抜け毛の程度
1:減った、2:変わらない、3:増えた
B.髪のハリ/コシ
1:出てきた、2:変わらない、3:減った
C.髪のボリューム
1:増えた、2:変わらない、3:減った
D.刺激性
1:ない、2:気にならない、3:ある
E.匂い
1:ない、2:気にならない、3:ある
表1にヒト育毛試験の結果を示す。
表1から明らかなように、本発明(実施例1)のイソアセトシドを配合した育毛剤は、抜け毛、髪のハリコシ、髪のボリューム、いずれの項目についても対照群(比較例1)に比べて優れた育毛効果を示した。
また、アセトシドを用いた比較例2については、対照群に対して育毛効果は示されなかった。なお、比較例2においては、途中脱落者が1名おり、回答が19名の場合と20名の場合がある。
以下にその例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、%は全て質量%である。
イソアセトシド 20mg
フィトステロール 0.03 g
ポリオキシエチレンフィトステロール 0.2 g
無水エタノール 74 ml
香料 適量
精製水 適量
100 ml
イソアセトシド 20mg
β−グリチルレチン酸 0.1 g
ニコチン酸アミド 0.05 g
カモミラエキス−1 1 ml
グリセリン 0.05 g
無水エタノール 74 ml
香料 適量
精製水 適量
100 ml
育毛効果が明瞭な育毛剤については、今後ますます需要は増大していくと考えられ、る。
従って、本発明は、育毛剤、特に脱毛防止剤,脱毛症治療剤などとして有効に利用することが期待される。
Claims (3)
- イソアセトシドを有効成分とする育毛剤。
- 脱毛症の予防及び/又は治療に用いる請求項1に記載の育毛剤。
- イソアセトシドを含有してなる洗髪料。
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