JP2013161907A - パターン形成方法、金属パターン形成方法および金属パターン - Google Patents

パターン形成方法、金属パターン形成方法および金属パターン Download PDF

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Abstract

【課題】簡便なパターン形成方法と、それを用いて効率良く金属のパターンを形成する金属パターン形成方法を提供し、金属パターンを提供する。
【解決手段】パターン形成方法を、[1]基板1上、ポリアセタール構造を有するポリマーを含む第1の組成物から樹脂層2を形成する工程と、[2]局所的に加熱して樹脂層2中に除去部3を形成する工程とから構成する。[2]工程の後に、[3]除去部3に、金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される金属酸化物含有粒子(A)、アルジトール(B)並びにアルジトールの酸化物(C)を含有する第2の組成物4を充填する工程と、[4]除去部の第2の組成物4を加熱するとともに樹脂層2を除去する工程とを設けて金属パターン形成方法を構成する。金属パターン形成方法により金属パターン5を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法、金属パターン形成方法および金属パターンに関する。
回路基板における配線パターンや電極パターン等の金属パターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィ技術を利用する方法が知られている。この方法では、まず均質な金属膜を基板上に形成する。金属膜の形成方法としては、メッキ法の他、蒸着法やスパッタ法等の利用が可能である。そして、形成された金属膜の上にレジスト液を塗布してレジスト層を形成する。次に、このレジスト層を、フォトマスクを用いて紫外線照射し、その後、現像することによりレジスト層のパターニングを行う。次いで、レジスト層で被覆されていない金属膜をエッチングして除去し、さらに残存するレジスト部分を剥離することで金属パターンを得る。フォトリソグラフィ技術を利用する方法は、形成される配線パターンの線幅をサブミクロンオーダーにすることも可能とされ、有効な金属膜の形成方法となる。
しかしながら、金属膜の形成に用いられるメッキ法においては、通常、スパッタ法によるシード層の形成とメッキ処理が必要となる。スパッタ法は、真空中で行う必要があるので、装置や操作上の制約が大きい。また、処理に長時間を要して製造効率が低い。そして、メッキ処理は、メッキ液の廃液処理が環境上大きな問題となる。
同様に、金属膜の形成に蒸着法やスパッタ法等を用いる場合でも、真空中で金属膜形成を行う必要があるので、装置や操作上の制約が大きく、処理に長時間を要して効率良く金属膜を形成することができない。そして何れの方法においても、不要な金属膜を除去する必要がある等、原料の使用効率の観点からの無駄が多く、回路基板の製造コストが上昇するという問題点があった。
そこで、近年、インクジェット法やスクリーン印刷法等の塗布法を利用し、金属パターンを直接描画する金属パターンの形成方法が注目されている。
特許文献1には、酸化銀とグリセリン等の還元剤とを含む組成物を用いた銀膜あるいは銀画像の形成方法が提案されている。特許文献2には、金、銀、銅等の金属塩とグリセリン等の還元剤とを含むインク状の組成物を用い、金属パターンを形成する方法が提案されている。
しかしながら、上記のような組成物を用いた塗布法の場合、塗布の後のインク状の組成物の流動性が高すぎて、所謂滲みや流れ出し現象が生じ、所望とする形状のパターンを正確に形成することができないという問題があった。さらに、薄膜の金属パターンしか形成することができないという問題もあった。
金属塩等に代えて金属粒子等を含んだ組成物を用いれば、ある程度の厚膜の金属パターンの形成は可能である。しかし、より膜厚の大きい金属パターンを形成するために粒子径の大きい金属粒子等を使用すると、金属粒子間の接着が不十分になるなどの理由により、自立した金属膜による金属パターンの形成が困難となることがあった。特にイオン化傾向の大きい銅などの金属の粒子を使用した場合には、通常その粒子表面に形成されている金属酸化物が還元されにくいために、自立した金属膜を形成することがさらに困難であった。
特開2004−176079号公報 特開2008−205430号公報
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、容易にパターンを形成できるパターン形成方法を提供することにある。そして、そのパターン形成方法を利用し、イオン化傾向の大きい金属からなる金属パターンであっても、所望とする膜厚と形状で効率良く形成できる金属パターン形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上述の金属パターン形成方法により所望の膜厚と形状で形成でき、イオン化傾向の大きい金属による構成が可能な金属パターンを提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、
[1]基板上に、ポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、基板上に樹脂層を形成する工程と、
[2]局所的に加熱してその樹脂層を任意の形状に除去する工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法に関する。
本発明の第1の態様において、工程[2]の局所的な加熱は、放射線を照射して行うことが好ましい。
本発明の第1の態様において、第1の組成物の含有するポリマーは、下記式(α)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2013161907
(上記式(α)中、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表す。XおよびXは互いに連結して1以上の環を形成する、合計炭素数が1〜15の原子団を表す。ここで、各炭化水素基およびその原子団上の水素原子はそれぞれ独立に、ハロゲン原子および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される原子または置換基によって置換されていてもよい。)
本発明の第1の態様において、第1の組成物の含有するポリマーは、下記式(β)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2013161907
(上記式(β)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは5〜1000の整数を表す。ここで、nはその繰り返し単位の繰り返し数を表す。mが2以上の場合、Rは互いに同一であってもよく、また異なっていてもよい。)
本発明の第1の態様において、第1の組成物の含有するポリマーは、下記式(γ)で表される末端構造を有することが好ましい。
Figure 2013161907
(上記式(γ)中、Zは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アシル基、カルボニル基、エステル基およびホルミル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、イソシアネート基、アミド基、ニトロ基およびシアノ基、並びに窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む複素環式基からなる群から選択される置換基を表す。ここで、炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、エステル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミド基、複素環式基上の水素原子はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボニル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される1種以上により置換されていてもよい。)
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様のパターン形成方法を用いる金属パターン形成方法であって、
[3]本発明の第1の態様のパターン形成方法の工程[2]で樹脂層を任意の形状に除去して得られた樹脂層の除去部に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有する第2の組成物を充填する工程と、
[4]加熱を行い、除去部に充填された第2の組成物を加熱するとともに、樹脂層を除去する工程と
を有することを特徴とする金属パターン形成方法に関する。
本発明の第2の態様において、第2の組成物は、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)をさらに含有することが好ましい。
本発明の第2の態様において、アルジトールの酸化物(C)は、アルジトール(B)の酸化物であることが好ましい。
本発明の第2の態様において、アルジトール(B)はグリセリンであることが好ましい。
本発明の第2の態様において、第2の組成物は、アルジトールの酸化物(C)の含有量が、アルジトール(B)100質量部に対して、1質量部〜50質量部であることが好ましい。
本発明の第2の態様において、工程[3]の除去部への第2の組成物の充填は、インクジェット法を用いることが好ましい。
本発明の第2の態様において、工程[4]の加熱の温度は100℃〜300℃であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の金属パターン形成方法を用いて形成されることを特徴とする金属パターンに関する。
本発明の第1の態様によれば、容易にパターンを形成できるパターン形成方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、イオン化傾向の大きい金属からなる金属パターンであっても、効率良く所望の膜厚と形状で形成することができる金属パターン形成方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、所望の膜厚と形状で形成でき、イオン化傾向の大きい金属による構成が可能な金属パターンが提供される。
(a)〜(d)は、本発明の実施形態のパターン形成方法および金属パターン形成方法を説明する工程図である。
以下、適宜図面を用い、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)〜図1(d)は、本発明の実施形態のパターン形成方法および金属パターン形成方法を説明する工程図である。
本発明の実施形態の金属パターン形成方法は、本発明の実施形態のパターン形成方法を実施する工程を含んで構成されることが好ましい。そして、本発明の実施形態の金属パターン形成方法は、少なくとも、図1(a)〜図1(d)に示される工程[1]〜工程[4]の各工程をこの順で有することが好ましい。
このとき、図1(a)および図1(b)に示される工程[1]および工程[2]は、基板1上に樹脂層2を設け、その樹脂層2の一部を局所加熱して除去し、樹脂からなるパターンを形成するパターン形成工程である。すなわち、本実施形態のパターン形成方法を実施する工程である。その後の図1(c)および図1(d)に示される工程[3]および工程[4]は、工程[1]および工程[2]で形成されたパターンの樹脂層2の除去部3に、金属からなるパターンの形成のための組成物(第2の組成物4)を充填し、加熱して、金属パターン5を形成する金属パターン形成工程である。
したがって、本発明の実施形態の金属パターン形成方法は、樹脂からなるパターンを形成する本実施形態のパターン形成方法を実施し、そこで形成されたパターンと金属パターン形成のための組成物とを用いて、金属パターンを形成する。
具体的には、本実施形態のパターン形成方法は、図1(a)に示される、[1]基板1にポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、基板1上に樹脂層2を形成する工程(以下、樹脂層形成工程とも言う。)を有する。
その後に、本実施形態のパターン形成方法は、図1(b)に示される、[2]局所的な加熱をして樹脂層2を任意の形状に除去し、樹脂層2中に除去部3を形成する工程(以下、除去部形成工程とも言う。)を有する。
すなわち、本実施形態のパターン形成方法は、図1(a)および図1(b)に示される工程[1]および工程[2]を含んで構成され、樹脂層2に除去部3を形成して、樹脂からなる所望形状のパターンを簡便に形成することができる。そして、本実施形態のパターン形成方法は、後述する工程と組み合わされることにより、本実施形態の金属パターン形成方法を構成することができる。
そして、本実施形態の金属パターン形成方法は、本実施形態のパターン形成方法を用い、本実施形態のパターン形成方法を実施する工程[1]および工程[2]の後に、図1(c)に示される[3]工程と図1(d)に示される[4]工程を有して構成される。
すなわち、本実施形態の金属パターン形成方法は、[3]工程[2]で形成された除去部3に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有する第2の組成物4を充填する工程(以下、組成物充填工程とも言う。)を有する。
その後に、本実施形態の金属パターン形成方法は、図1(d)に示される、[4]加熱を行い、除去部3に充填された第2の組成物4を加熱するとともに樹脂層2を除去し、金属からなる金属パターン5を形成する工程(以下、加熱工程とも言う。)を有する。
以上のように、本実施形態の金属パターン形成方法は、[1]〜[4]の各工程を有し、工程[1]および工程[2]で本実施形態のパターン形成方法を実施し、樹脂からなるパターンを形成した後、それを用いて金属からなる金属パターンの形成を実現する。
以下、本実施形態のパターン形成方法および本実施形態の金属パターン形成方法について、[1]工程(樹脂層形成工程)、[2]工程(除去部形成工程)、[3]工程(組成物充填工程)および[4]工程(加熱工程)の各工程をより詳細に説明する。
<樹脂層形成工程>
樹脂層形成工程では、基板上にポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、その基板上に樹脂層を形成する。この樹脂層の厚さは、1μm〜1000μmとすることが好ましい。
本実施形態の第1の組成物は、常温、例えば、25℃付近で塗布することにより、基板等の対象物表面に容易に樹脂層を形成することができる。そして、得られた樹脂層は、低温加熱処理によって基板から分解除去することができる。
基板としては、樹脂からなるパターンおよび金属パターンの形成に耐えられる、耐熱性と耐薬品性を備えた基板が求められる。そのような基板として、例えば、銅板、鉄板、アルミ板等の金属基板を挙げることができる。また、シリコン基板や、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基板や、アルミナ等のセラミクス基板等の無機基板を挙げることができる。また、ポリイミド基板、ポリアミド基板、ポリキノオキサリン基板等の有機基板を挙げることができる。
次に、上記した、ポリアセタール構造を有するポリマーを含有する本実施形態の第1の組成物について説明する。
〔ポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物〕
本実施形態の第1の組成物中に含有されるポリアセタール構造を有するポリマーは、下記の式(α)で表すことができる。
尚、本実施形態の第1の組成物では、ポリアセタール構造を有するポリマーに代えて、α−メチルスチレン重合体および(メタ)アクリレート/α−メチルスチレン共重合体等を含有することが可能であるが、本実施形態においては、ポリアセタール構造を有するポリマーの使用が特に好ましい。
Figure 2013161907
(上記式(α)中、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表す。XおよびXは互いに連結して1以上の環を形成する、合計炭素数が1〜15の原子団を表す。ここで、各炭化水素基および原子団上の水素原子はそれぞれ独立に、ハロゲン原子および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される原子または置換基によって置換されていてもよい。)
上記式(α)で表されるポリアセタール構造を有するポリマーにおいて、XおよびXは水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であることが特に好ましい(尚、本明細書において炭化水素基とは特に断りのない限り、直鎖若しくは分岐のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を含む概念である。)。
また、上記式(α)で表されるポリアセタール構造を有するポリマーにおいて、XおよびXから構成される合計炭素数が1〜15の原子団としては、メチレン基の他、エチレン基(この場合、ポリマー鎖上の1つの酸素原子およびこれに隣接する2つの炭素原子と該エチレン基とは五員環を構成する。)、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基や、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルカジエニル基、アリーレン基等が挙げられる。ポリマーの得やすさや安定性、分解温度等の観点から、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルカジエニル基、アリーレン基等が好ましく、アリーレン基がより好ましい。特に好ましくは、下記式(β)で表されるポリフタルアルデヒドが選択される。
Figure 2013161907
(上記式(β)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは5〜1000の整数を表す。ここで、nは前記繰り返し単位の繰り返し数を表す。mが2以上の場合、Rは互いに同一であってもよく、また異なっていてもよい。)
ポリアセタール構造を有するポリマーを選択する場合、解重合を防ぐため、末端に所謂エンドキャップ処理を施すことが好ましい。末端構造は−OH基をキャップ可能なものであれば特に限定されないが、例えば、下記式(γ)で表される構造を選択することができる。
Figure 2013161907
(上記式(γ)中、Zは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アシル基、カルボニル基、エステル基およびホルミル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、イソシアネート基、アミド基、ニトロ基およびシアノ基、並びに窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む複素環式基からなる群から選択される置換基を表す。ここで、炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、エステル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミド基、複素環式基上の水素原子はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボニル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される1種以上により置換されていてもよい。)
上記式(γ)で表される構造においては、Zが炭化水素基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環式基であるものが好ましく、特に炭化水素基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい。
第1の組成物中に含有されるポリアセタール構造を有するポリマーの分子量については、上述した樹脂層の形成と除去層の形成に好適である限り特に限定されないが、製膜性および取り扱い性の観点から、重量平均分子量が1000〜100000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量が100000超の場合、粘度の増大に伴い取り扱いの負荷が増加する場合がある。尚、ポリマーの重量平均分子量は、分子量既知の標準ポリスチレンを標準試料として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
第1の組成物には、ポリアセタール構造を有するポリマーの分解開始温度において固体である低分子量化合物(以下、単に「固体化合物」と略記する場合がある。)を配合することができる。このような固体化合物を配合することで、高分子量のポリマーのネットワークに伴い発生する膜中の空隙に対し、低分子量の固体化合物が入り込む形状を取ることができ、緻密な膜を形成することが可能となる。
このような固体化合物としては、例として、安息香酸、安息香酸メチル、ベンゾイン、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル等の安息香酸およびその誘導体;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド等のフタルおよびその誘導体;ニコチン酸、ニコチン酸アミド、イソニコチン酸等のニコチン酸およびその誘導体;アダマンタン、1,3−アダマンタンジオ−ル、1,3,5−アダマンタントリオール、1,3−アダマンタン二酢酸、2−アダマンタノール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノン、2−メチル−2−アダマンタノール、1−アダマンタンカルボン酸等のアダマンタンおよびその誘導体;カンファー、ボルネオール等のカンファーおよびその誘導体;アントラセン、アントラキノン、ヒドロキシアントラキノン、アミノアントラキノン等のアントラセンおよびその誘導体;が挙げられる。
第1の組成物は、さらに有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒は特に限定されないが、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、その他の極性溶媒またはハロゲン系溶媒等を用いることができる。
上記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の1個の水酸基を有するアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の2個以上の水酸基を有する多価アルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の、2個以上の水酸基を有するアルコールを部分的にエーテル化してなる多価アルコール部分エーテル系溶媒が例示される。
上記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶媒が例示される。
上記炭化水素溶媒としては、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエンの水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−ブチルキシレン、ドデシルベンゼン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン等が例示される。
上記エーテル溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、フェントール、2−メチルフェントール、3−メチルフェントール、4−メチルフェントール、ベラトロール、2−エトキシアニソール、1,4−ジメトキシベンゼン等が例示される。
上記ハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等が例示される。
これらの有機溶媒は1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
第1の組成物におけるポリアセタール構造を有するポリマー濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1質量%〜50質量%であり、より好ましくは1質量%〜20質量%である。
ポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物の調製方法は、特に限定されない。例えば、カチオン重合、アニオン重合、ラジカル重合、開環重合、配位重合、縮重合により得られた所望とするポリマーから溶媒を除去し、別途所望の溶媒に溶解してもよく、また所望の溶媒中で重合を行い、これをそのまま、または濾過して用いてもよい。
第1の組成物は、その他に、添加剤を含むことができる。例えば、界面活性剤(レベリング剤)、濡れ性改良剤、消泡剤等を含んでもよい。さらに、ポリマーの分解を促進するための分解促進剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステリアルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系レベリング剤・界面活性剤、エフトップ(登録商標)EF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社)、メガファック(登録商標)F171、F172、F173(DIC社)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社)、アサヒガード(登録商標)AG710、サーフロン(登録商標)S−381、S−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106、サーフィノールE1004、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子社)、フタージェント(登録商標)250、251、222F、FTX−218(ネオス社)等のフッ素系レベリング剤・界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341、X−70−092、X−70−093(信越化学工業社)、SH8400(東レ・ダウコーニング社)、アクリル酸系またはメタクリル酸系ポリフローNo.75、No.77、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社)を挙げることができる。
これら界面活性剤を単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤として、これらの中では、フッ素系レベリング剤・界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤(レベリング剤)の配合量は、第1の組成物中、通常50ppm〜1000ppmが好ましく、より好ましくは70ppm〜800ppmである。50ppm未満の場合は基板上への均一塗布性が悪化し、1000ppmを超える場合は塗膜の密着性が低下する。
分解促進剤としては、例えば、過蟻酸等の過酸またはその誘導体、ハイドロキノン等のキノン系化合物等が挙げられる。これらの中ではキノン系化合物が好ましい。
以上の成分を含んで構成される第1の組成物は、主成分として、窒素雰囲気下において熱重量分析を行った場合に(a)100℃で30分経過した際の重量減少率が10%以下であり、(b)25℃から10℃/分で昇温させる場合において、測定開始から20分後の重量減少率が80%以上である、ポリアセタール構造を有するポリマーを含む。第1の組成物は、このようなポリマーを、例えば、上述したように有機溶媒に溶かして溶液状とし、保護対象物である基板の表面に塗布されて塗膜の形成に用いられる。その後、塗膜から有機溶媒を除去することで、基板の表面に樹脂層を形成する。この際、例えば、100℃程度まで加熱したり、液膜が形成された対象物を減圧下に置いたりすることによって、有機溶媒の除去を促進してもよい。加熱には、ホットプレートやオーブン等の適当な加熱装置を用いることができる。第1の組成物に含有されるポリアセタール構造を有するポリマーは、100℃で30分経過した際の重量減少率が10%以下であるため、基板上に形成された塗膜は溶媒の除去等のプロセスにおいて100℃程度まで加熱しても安定である。
尚、基板上に第1の組成物の塗膜を形成する方法としては、公知の塗布法を用いることができる。塗布法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の公知の方法を採用することができる。これらのうち、均一な厚みの塗膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
第1の組成物から形成された樹脂層は、100℃〜300℃の加熱により、基板上から完全に除去することが可能である。すなわち、第1の組成物から形成された樹脂層は、200℃以下の加熱であっても、基板上から完全に除去することが可能である。第1の組成物から形成された樹脂層は、本実施形態のパターン形成方法、ひいては本実施形態の金属パターン形成方法に好適な樹脂層となる。
<除去部形成工程>
除去部形成工程では、上述の樹脂層形成工程で基板上に形成された樹脂層に対し、局所的に加熱を行い、その樹脂層を任意の形状に除去する。そして、樹脂層中にその樹脂層を貫通する除去部を形成する。
上述の樹脂層の局所的な加熱は、放射線を照射して行われることが好ましい。すなわち、基板上に形成された樹脂層に対し、放射線を照射して局所的な加熱を実現し、樹脂層を除去することが好ましい。尚、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
そして、特に、放射線としてはレーザ光の使用が好ましい。したがって、上述の樹脂層形成工程で基板上に形成された樹脂層に対し、レーザ光を照射して樹脂層を除去することが好ましい。
レーザ光としては、YAGレーザ光を用いることが好ましい。
すなわち、YAGレーザ光を、所望とする金属パターンに対応する照射パターンで樹脂層に照射する。その結果、照射部分で局所的な加熱がなされ、照射部分の樹脂層が除去される。そして、所望とする金属パターンと相補的な形状の開孔パターンとして、樹脂層中に除去部を形成し、樹脂からなるパターンを形成する。この除去部形成工程では、除去部の形成に、例えば、YAGレーザ光等のレーザ光を用いており、細い線幅の繊細な形状を備えた除去部を形成することができる。
以上の樹脂層形成工程および除去部形成工程は、上述したように、本実施形態のパターン形成方法を構成し、所望形状の樹脂からなるパターンを簡便に形成することができる。そして、樹脂層形成工程と除去部形成工程とにより形成される、樹脂からなるパターンの樹脂層中の除去部は、後述する各工程において、金属パターンを形成するために用いることができる。樹脂層形成工程および除去部形成工程は、本実施形態の金属パターン形成方法の一部を構成することができる。
<組成物充填工程>
本実施形態の金属パターン形成方法の組成物充填工程では、上述した除去部形成工程で形成されたパターンにおける樹脂層の除去部に、本実施形態の第2の組成物を充填する。
充填方法としては、インクジェット法を用いることが好ましい。すなわち、樹脂層中に形成された樹脂層を貫通する除去部に向けて、インクジェット法により第2の組成物を打滴し、第2の組成物を除去部に充填する。
樹脂層に形成された除去部に第2の組成物を充填するため、第2の組成物の流動性が高い場合でも、滲みや流れ出し現象が生じる懸念はなく、また、充填された第2の組成物の厚みを、樹脂層の厚さまでの範囲内で、厚くすることができる。
次に、第2の組成物について説明する。
〔第2の組成物〕
本実施形態の金属パターン形成方法に用いる本実施形態の第2の組成物は、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有することを特徴とする。そして、第2の組成物は、さらに、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)を含有することが好ましい。
[金属酸化物含有粒子(A)]
金属酸化物含有粒子(A)は、第2の組成物を用いて形成される本実施形態の金属パターンを構成する金属を供給する物質である。つまり、第2の組成物を用いると、金属酸化物含有粒子(A)に含有される金属からなる金属パターンが形成される。例えば、銅からなるパターンを形成する場合には、金属酸化物含有粒子(A)として銅酸化物含有粒子が使用される。
金属酸化物含有粒子(A)は、金属−金属酸化物複合粒子(A1)(以下、複合粒子(A1)とも言う。)および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種である。つまり、金属酸化物含有粒子(A)は、複合粒子(A1)のみであってもよく、金属酸化物粒子(A2)のみであってもよく、複合粒子(A1)と金属酸化物粒子(A2)との両方を含んでいてもよい。金属酸化物含有粒子(A)が、複合粒子(A1)および金属酸化物粒子(A2)の両方を含む場合、複合粒子(A1)および金属酸化物粒子(A2)に含有されるそれぞれの金属は通常同一種類の金属である。
例えば、金属パターンとして、銅からなるパターンを形成する場合には、金属−金属酸化物複合粒子(A1)は銅−酸化銅複合粒子であり、金属酸化物粒子(A2)は酸化銅粒子である。
金属酸化物含有粒子(A)は、その中に含有される金属酸化物が、第2の組成物中に含有される後述のアルジトール(B)により還元されて金属に変換され、相互に接着することにより金属膜として金属パターンを形成する。
[金属−金属酸化物複合粒子(A1)]
金属−金属酸化物複合粒子(A1)(上述したように、単に、複合粒子(A1)とも言う。)は、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる粒子である。例えば、銅−酸化銅複合粒子の場合には、表面部を含む一部分が酸化銅からなり、それ以外の部分が銅からなる。表面部を含む一部分とは、その表面が複合粒子(A1)の表面の少なくとも一部を形成している部分を意味する。その表面部を含む一部分以外の部分はその金属からなっている。したがって、複合粒子(A1)においては、金属酸化物からなる部分が、複合粒子(A1)の表面に現れない状態で含まれることはない。
複合粒子(A1)は、その表面部の全部が金属酸化物からなる粒子(複合粒子(A1−1))であってもよく、その表面部の一部のみが金属酸化物からなる粒子(複合粒子(A1−2))であってもよい。
複合粒子(A1−1)は、金属からなる中核部と、その中核部全体を被覆する、その金属の酸化物を含有する外殻部とを有してなる粒子である。市販されている金属粒子は、通常その表面が酸化されて金属酸化膜となっている。この金属酸化膜は前述した外殻部に該当する。したがって、市販されている金属粒子は、通常、金属−金属酸化物複合粒子(A1−1)に該当する。
複合粒子(A1)の50質量%平均粒子径(D50)は0.1μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜3μmである。複合粒子(A1)の50質量%平均粒子径(D50)が上述した範囲内であると、外殻部を構成する金属酸化物の還元が効率的に進行するとともに、厚膜の金属膜として金属パターンを形成するのに有効である。0.1μmより小さいと、厚膜の金属膜として金属パターンを形成する上で不都合になる場合がある。10μmより大きいと、金属酸化物の効率的な還元が困難になる場合がある。
複合粒子(A1)の金属からなる部分を構成する金属の種類としては、例えば、銅、銀、パラジウム、ニッケル、タングステン、ルテニウム、クロム、マンガン、鉄、スズ、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、亜鉛、鉛およびアンチモン等が挙げられる。金属からなる部分は1種または2種以上の金属で形成していてもよい。
複合粒子(A1)の金属酸化物からなる部分を構成する金属酸化物は、前述の金属からなる部分を構成する金属の酸化物である。例えば、金属からなる部分を構成する金属が銅である場合には、金属酸化物からなる部分を構成する金属酸化物は酸化銅であり、金属からなる部分を構成する金属が銀である場合には、金属酸化物からなる部分を構成する金属酸化物は酸化銀である。
複合粒子(A1)に占める、金属酸化物からなる部分の比率は、複合粒子(A1)の全体積を100体積%とするとき、通常、50体積%以下である。複合粒子(A1)に占める、金属酸化物からなる部分の比率が50体積%以下であると、金属酸化物を完全に還元することが容易であり、純粋な金属膜として金属パターンを形成しやすい。
前述のとおり、市販されている金属粒子は、通常、本発明の金属−金属酸化物複合粒子(A1)である。
金属酸化物含有粒子(A)としては、厚膜の金属パターンを形成するという観点からは、金属酸化物粒子(A2)よりも複合粒子(A1)のほうが好ましい。複合粒子(A1)は、還元を必要としない中核部を有するため外殻部のみを還元すればよいので、金属酸化物粒子(A2)よりも粒子径を大きくすることができ、その分だけ厚い金属膜として金属パターンを得ることができる。
金属粒子は大気中で放置されると、通常その表面が酸化されて、金属−金属酸化物複合粒子(A1−1)となるが、金属粒子を焼成することによりその表面を酸化して、金属−金属酸化物複合粒子(A1−1)を作製することもできる。焼成条件は、通常、100℃〜600℃、10分間〜1000分間である。焼成条件を調整することにより、複合粒子(A1)に占める、金属酸化物からなる部分の比率等を適宜決定することができる。
また、このような焼成により作製した複合粒子(A1−1)を適当な条件で粉砕して得られた粒子を、複合粒子(A1−2)および金属酸化物粒子(A2)を含む粒子として使用することができる。
[金属酸化物粒子(A2)]
金属酸化物粒子(A2)は、金属酸化物から形成される粒子である。
金属酸化物粒子(A2)の50質量%平均粒子径(D50)は0.1μm〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜3μmである。金属酸化物粒子(A2)の50質量%平均粒子径(D50)が上述した範囲内であると、金属酸化物の還元が効率的に進行するとともに、厚膜の金属膜として金属パターンを形成するのに有効である。0.1μmより小さいと、厚膜の金属膜として金属パターンを形成する上で不都合になる場合がある。5μmより大きいと、金属酸化物の完全な還元が困難になる場合がある。
金属酸化物粒子(A2)を構成する金属酸化物としては、例えば、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、タングステン、ルテニウム、クロム、マンガン、鉄、スズ、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、亜鉛、鉛およびアンチモン等の酸化物が挙げられる。前述の金属酸化物は1種または2種以上の金属酸化物で形成していてもよい。
[アルジトール(B)]
アルジトール(B)は、本実施形態の金属パターン形成方法に用いる本実施形態の第2の組成物に含有される場合、還元剤として作用し、金属酸化物含有粒子(A)が有する金属酸化物を還元して金属に変換する。
アルジトール(B)としては、第2の組成物に含まれる金属酸化物含有粒子(A)が有する金属酸化物を還元する機能を有するものならば特に制限はなく、例えば、グリセリン、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトールおよびタリトール等の糖アルコールを挙げることができる。
これらのうち、還元力が強く、金属酸化物含有粒子(A)から金属膜として金属パターンを効率的に形成できる点で、グリセリンが特に好ましい。
アルジトール(B)の含有量は、金属酸化物含有粒子(A)100質量部に対して好ましくは100質量部〜1000質量部、より好ましくは200質量部〜800質量部である。アルジトール(B)の含有量が上述した範囲内であると、金属酸化物の還元を効率的に行うことができる。
[アルジトールの酸化物(C)]
アルジトールの酸化物(C)は、アルジトール(B)として例示した糖アルコールの酸化物である。アルジトールの酸化物(C)は、一般に、アルジトールが有する水酸基が酸化され、カルボニル基に変換されて形成される構造を有する。アルジトールの酸化物(C)において、対応するアルジトールが複数の水酸基を有する場合、酸化されている水酸基の数には特に制限はない。
アルジトールの酸化物(C)としては、例えば、グリセリンの酸化物であるジヒドロキシアセトンおよびグルセルアルデヒド、エリトリトールの酸化物であるエリトロースおよびエリトルロース等を挙げることができる。
本実施形態の金属パターン形成方法に用いる第2の組成物は、アルジトール(B)とともにアルジトールの酸化物(C)を含有することにより、効率的に金属膜として金属パターンを形成することが可能になる。特に、膜厚の大きい金属パターンであっても、またイオン化傾向の大きい金属からなる金属パターンであっても、金属パターンを効率的に形成することができるようになる。
アルジトールの酸化物(C)の作用機構は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
金属酸化物含有粒子(A)に含有される金属酸化物が銅酸化物であり、アルジトールの酸化物(C)がグリセリンの酸化物であるジヒドロキシアセトンである場合を例にする。この例では、第2の組成物を用いて金属膜として金属パターンを形成する過程で、下記式(1)に示すように、ジヒドロキシアセトンのカルボニル酸素と銅酸化物中の銅原子との間でキレート結合が形成されると考えられる。このキレート結合の形成により、アルジトール(B)による還元が効率的に行われるものと考えられる。このため、イオン化傾向の大きい金属の酸化物であっても効率的に還元することができる。
Figure 2013161907
また、銅酸化物が還元されて生成された銅金属の銅原子とジヒドロキシアセトンのカルボニル酸素との間でも式(1)に示されるキレート結合が形成されると考えられる。このキレート結合の形成により、金属酸化物含有粒子(A)の金属酸化物が還元されることにより形成された金属粒子相互間の接着力が強化され、その結果、金属酸化物含有粒子(A)の粒子径が大きい場合であっても、自立した膜が形成され、厚膜の金属膜として金属パターンの形成が可能になると考えられる。
尚、アルジトールの酸化物(C)は、その種類により還元剤として機能することもありうる。例えば、ジヒドロキシアセトンは還元剤として機能する。
アルジトール(B)がグリセリンである場合には、下記式(2)に示すように、グリセリン(I)は金属酸化物含有粒子(A)中の酸化銅を還元する。
Figure 2013161907
このとき、グリセリン(I)は、例えば、1つの水酸基が酸化されて、分子内に1つのカルボニル基を有するジヒドロキシアセトン(II)になる。すなわち、第2の組成物にもともと含有されていたアルジトールの酸化物(C)とともに、このジヒドロキシアセトン(II)がアルジトールの酸化物(C)として機能する。したがって、(III)に示すように、このジヒドロキシアセトン(II)は銅酸化物の銅原子および金属銅の銅原子とキレート結合を形成して、上述のように効率的な金属パターンの形成に寄与すると考えられる。
また、このジヒドロキシアセトン(II)は上述のとおり還元剤として機能するので、金属酸化物含有粒子(A)中の酸化銅を還元する。このとき、ジヒドロキシアセトン(II)は、例えば、1つの水酸基が酸化されて、分子内に2つのカルボニル基を有する化合物(IV)になる。この化合物(IV)はアルジトールの酸化物(C)として機能する。したがって、例えば、(V)に示すように、この化合物(IV)は銅酸化物の銅原子および金属銅の銅原子とキレート結合を形成して、上述のように効率的な金属パターンの形成に寄与すると考えられる。
さらに、化合物(IV)も還元剤として機能するので、金属酸化物含有粒子(A)中の酸化銅を還元する。このとき、化合物(IV)は、水酸基がさらに酸化されて、分子中に3つのカルボニル基を有する化合物になる。この化合物もアルジトールの酸化物(C)として機能し、銅酸化物の銅原子および金属銅の銅原子とキレート結合を形成して、上述のように効率的な金属パターンの形成に寄与すると考えられる。
このように、アルジトール(B)は、金属パターンの形成時に、金属酸化物の還元反応によりアルジトールの酸化物(C)になるので、金属パターン形成中にアルジトールの酸化物(C)濃度が増加し、上述した効率的に金属パターンを形成する効果がより大きくなる。アルジトール(B)の種類によっては、前述のグリセリンのように、次々に生成されるその酸化物がそれぞれアルジトールの酸化物(C)になるので、上述した効果がいっそう大きくなる。
アルジトールの酸化物(C)がアルジトール(B)の酸化物であると、金属パターンの形成時に金属酸化物の還元反応により、アルジトール(B)からそのアルジトールの酸化物(C)と同種のアルジトールの酸化物(C)が生成され、上述したのと同一の作用機構が得られるので好適である。したがって、例えば、アルジトール(B)がグリセリンである場合には、アルジトールの酸化物(C)はグリセリンの酸化物であるジヒドロキシアセトン等が好ましい。
第2の組成物におけるアルジトールの酸化物(C)の含有量は、アルジトール(B)100質量部に対して1質量部〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは5質量部〜30質量部であり、さらに好ましくは5質量部〜20質量部である。アルジトールの酸化物(C)の含有量がこのような範囲内であると、上述したような効率的な金属パターンの形成が行いやすくなる。
[その他の成分]
本実施形態の金属パターン形成方法に用いる本実施形態の第2の組成物は、必要に応じて、金属酸化物含有粒子(A)、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)以外の成分を含有していてもよい。
例えば、第2の組成物は、金属酸化物含有粒子(A)以外に、金属のみからなる金属粒子を含有することができる。
その他、第2の組成物は、界面活性剤、粘度調整剤、密着助剤等を含有することができる。
〔第2の組成物の調製方法〕
本実施形態の金属パターン形成方法に用いられる本実施形態の第2の組成物は、上述した成分を混合することにより調製することができる。混合方法には特に制限はなく、例えば、ビーズミルなどを用いて混合することができる。
<加熱工程>
本実施形態の金属パターン形成方法の加熱工程では、加熱を行い、樹脂層の除去部に充填された本実施形態の第2の組成物を加熱するとともに、樹脂層を除去する。加熱によって、樹脂層の除去部に充填された第2の組成物は、除去部の形状に対応する金属パターンを形成する。除去部は、上述したように、所望とする金属パターンと相補的な形状の開孔パターンとして形成されたものであり、形成された金属パターンは、所望とする形状を備えている。すなわち、細い線幅の繊細な形状を有する除去部に対応して、金属パターンは所望とする細い線幅の繊細な形状を有することができる。
そして、第2の組成物の加熱に際し、樹脂層も加熱され除去される。樹脂層は上述した第1の組成物から形成されたものであり、100℃〜300℃の範囲の温度の加熱により、完全に基板上から除去することが可能である。すなわち、樹脂層は200℃以下の加熱であっても、完全に基板上から除去することが可能である。したがって、加熱工程の加熱により、基板上には、所望とする金属パターンのみが形成されることになる。
加熱工程での加熱温度は、第2の組成物から金属パターンを形成するためには50℃〜300℃とすることが可能である。そして、樹脂層も同時に除去可能な温度とするため、比較的高めに設定することが好ましく、100℃〜300℃とすることが好ましい。省エネルギーの観点や基板に有機基板を使用すること等を考慮した場合、加熱工程の加熱温度を100℃〜250℃とすることがより好ましく、100℃〜200℃とすることがさらに好ましい。こうした範囲の温度条件とすることにより、樹脂層を除去するとともに、基板に対する密着性に優れた金属パターンを短時間に効率良く形成することができる。加熱時間は、5分間〜5000分間、好ましくは10分間〜120分間である。
加熱は数段階に分けて行うこともできる。例えば、初めに低温で一定時間加熱を行い第2の組成物から金属パターンを形成し、次いで高温で一定時間加熱して樹脂層を完全に除去するように行ってもよい。
加熱装置としては、ホットプレート、循環式乾燥炉等が挙げられる。
加熱の際の雰囲気は、樹脂層を除去するとともに形成された金属パターンの酸化を抑制する等の観点から、不活性ガス雰囲気等の、酸素ガスを含まない雰囲気であることが好ましい。生産性等の観点から、好ましい雰囲気は、窒素ガスを主とする雰囲気である。
このようにして得られる金属パターンは、その膜厚を1μm〜100μmとすることができる。上述したように、第2の組成物がアルジトールの酸化物(C)を含有することにより、粒子径の大きい金属酸化物含有粒子(A)を用いることが可能であるので、このような厚膜の金属膜として金属パターンの形成が可能になる。
また一般に、銅などのイオン化傾向の大きい金属の場合には、その金属粒子表面に形成されている金属酸化物は還元されにくいため、その金属の膜を形成することは困難である。本実施形態の金属パターン形成方法に用いられる第2の組成物の場合には、アルジトールの酸化物(C)を含有することにより、上述したとおり、イオン化傾向の大きい金属の酸化物であっても還元を十分に行うことができるので、銅、アルミニウム、鉄、ニッケルなどのイオン化傾向の大きい金属の膜として金属パターンを効率的に形成することができる。
以上の本実施形態の金属パターン形成方法は、樹脂層形成工程および除去部形成工程によって本実施形態のパターン形成方法を実施し、所望とする形状の樹脂からなるパターンを形成する。そして、その後に、組成物充填工程および加熱工程により、その樹脂からなるパターンと第2の組成物とを用いて金属パターンを効率良く形成することができる。
尚、本実施形態の金属パターン形成方法において、本実施形態の第2の組成物を用いて金属膜を形成すると、多数の金属酸化物含有粒子(A)が相互に密着して膜となるので、空隙を有する金属膜つまりポーラスな金属膜が得られることがある。したがって、第2の組成物の調製に粒子径の大きい金属酸化物含有粒子(A)を用いると、内部に占める空隙の割合の大きい、よりポーラスな金属膜として金属パターンが形成されることがある。
したがって、本実施形態の第2の組成物から得られる金属パターンが、空隙を有する膜となった場合に、その空隙に金属を充填することにより、空隙のない、または空隙の含有割合の小さい金属パターンを形成することができる。
金属パターン内部の空隙に金属を充填する方法としては、たとえば、金属元素を含有する溶液をその空隙に充填して、この液から金属を生成させて空隙を埋める方法が挙げられる。
金属元素を含有する溶液は、50℃〜300℃程度の加熱処理等により金属を生成できる溶液である限り特に制限はない。金属元素を含有する溶液に含有される金属元素は、通常、目的とする金属パターンを構成する金属と同種の金属元素であり、金属−金属酸化物複合粒子(A1)および金属酸化物粒子(A2)に含まれる金属元素と同じ金属元素である。例えば、目的とする金属パターンが銅からなるパターンである場合には、金属元素を含有する溶液は、銅元素を含有する溶液である。銅元素を含有する溶液としては、金属銅を生成しやすい点で、蟻酸銅溶液が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔第1の組成物の調製〕
[実施例1]
窒素雰囲気下において、100mLの三口フラスコにo−フタルアルデヒド5gを市販の脱水グレードの塩化メチレン30mLに溶解させ、ドライアイス/アセトン浴にて−78℃冷却した所に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.35mLを添加し重合を開始させた。そのまま−78℃で3時間撹拌した後、重合末端の封止剤としてイソシアン酸フェニル0.36mLを添加し、引き続き−78℃で1.5時間撹拌した。合成後のポリマーは大量の冷メタノール(0℃)中に再沈殿させ、メタノールで洗浄した後、白色の固体としてポリマーを回収した。回収したポリマーについてGPC(東ソー社製 HLC−8320)を用いて溶離液(テトラヒドロフラン)流量0.35mL/分、測定温度40℃の条件で分子量測定を行った結果、ポリスチレン標準試料(アジレント・テクノロジー社製 Easical PS−1)を基準とした重量平均分子量Mwは、12000であった。
得られたポリマーの熱重量変化をTG−DTA(リガク社製 THERMO PLUS2 TG8120型)により測定した。ポリマー粉末をアルミパン中に秤量し、大気圧下、0.2L/分の窒素ガス環境下で25℃から10℃/分の等速昇温により測定した結果、5%重量減少温度は155℃であり、測定開始20分後の225℃では95%重量減少し、良好な熱分解性を示した。得られたポリマーについて、同様の方法により、100℃における重量減少率を測定し、熱安定性を評価した。大気圧下、0.2L/分の窒素ガス環境下で100℃、30分加熱した後の重量減少率は2%であり、熱安定性が確認された。
次に、シクロヘキサノンを溶媒として、得られたポリマーを希釈して、溶液状の第1の組成物を調製した。
〔第2の組成物の調製〕
[実施例2]
微粒電解銅粉(三井金属社製、品名「T−220」)を大気下で、オーブンにて200℃で1時間焼成し、その表面部に酸化銅被膜を形成した。焼成後の微粒電解銅粉20部、ジヒドロキシアセトン2部およびグリセリン78部をジルコニアビーズとともにビーズミルに入れて、焼成後の微粒電解銅粉を粉砕し、銅−酸化銅複合粒子、酸化銅粒子および銅粒子の混合粒子(粒子径(D50):0.2μm)20部、ジヒドロキシアセトン2部ならびにグリセリン78部を含有する第2の組成物を調製した。
〔樹脂からなるパターンの形成と金属パターンの形成〕
[実施例3]
実施例1の第1の組成物を用い、シリコン基板であるシリコンウェハ上に、スピンコート法により、大気下で、第1の組成物の塗膜を形成した。塗膜形成後、80℃で1分間加熱し、シリコンウェハ上に膜厚500μmの樹脂層を形成した。
次に、YAGレーザ(AOV社製、型式:LP―ES1、品名:エキシマレーザー加工機)を用い、出力30AでYAGレーザ光の照射を行って、線幅100μm、線間100μmのストライプ状に処理することにより、100μmの幅で、シリコン基板上から樹脂層を除去した。そして、樹脂層中に100μm幅のストライプ状の除去部を形成し、樹脂からなるパターンを形成した。
実施例2の第2の組成物を用い、インクジェット法により、上述のようにして形成された樹脂からなるパターンの除去部中に打滴し、除去部の中に第2の組成物を充填した。
次に、フラッシュアニール炉(ULVAC SINKU RIKO社製 RHL−P610CP)で20torrの減圧度に制御された窒素ガス環境下にて、30分間180℃で減圧加熱処理をした。その結果、樹脂層が除去されるとともに、ストライプ状の銅からなるパターンが形成された。
形成された銅からなるパターンは、膜厚が25μmで、線幅100μm、線間100μmのストライプ状であり、所謂パターンのつぶれ等の不具合は見られなかった。得られた銅からなるパターンが導通するかについて、テスタを用いて確認したところ、導通を確認することができた。
尚、銅からなるパターンの膜厚等の測定は、日立ハイテック(株)製走査型電子顕微鏡を用いて行った。
以上の実施例での結果から、本実施形態のパターン形成方法および金属パターン形成方法により、メッキ処理や真空プロセス等を用いることなく、金属パターンとして、銅からなるパターンを形成できることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明のパターン形成方法および金属パターン形成方法は、特にエレクトロニクス分野における配線基板の回路パターン形成に好適に利用することができる。そして、本発明の金属パターンは、エレクトロニクス分野における配線基板の回路パターンに好適に利用することができる。
1 基板
2 樹脂層
3 除去部
4 第2の組成物
5 金属パターン

Claims (13)

  1. [1]基板上に、ポリアセタール構造を有するポリマーを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、前記基板上に樹脂層を形成する工程と、
    [2]局所的に加熱して前記樹脂層を任意の形状に除去する工程と
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記工程[2]の局所的な加熱は、放射線を照射して行うことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記第1の組成物の含有する前記ポリマーは、下記式(α)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
    Figure 2013161907
    (上記式(α)中、XおよびXはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表す。XおよびXは互いに連結して1以上の環を形成する、合計炭素数が1〜15の原子団を表す。ここで、各炭化水素基および前記原子団上の水素原子はそれぞれ独立に、ハロゲン原子および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される原子または置換基によって置換されていてもよい。)
  4. 前記第1の組成物の含有する前記ポリマーは、下記式(β)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
    Figure 2013161907
    (上記式(β)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選択される1以上の原子または置換基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは5〜1000の整数を表す。ここで、nは前記繰り返し単位の繰り返し数を表す。mが2以上の場合、Rは互いに同一であってもよく、また異なっていてもよい。)
  5. 前記第1の組成物の含有する前記ポリマーは、下記式(γ)で表される末端構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
    Figure 2013161907
    (上記式(γ)中、Zは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アシル基、カルボニル基、エステル基およびホルミル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、イソシアネート基、アミド基、ニトロ基およびシアノ基、並びに窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む複素環式基からなる群から選択される置換基を表す。ここで、炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、エステル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミド基、複素環式基上の水素原子はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボニル基、炭素数1〜20の炭化水素基および炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群から選択される1種以上により置換されていてもよい。)
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法を用いる金属パターン形成方法であって、
    [3]前記工程[2]で前記樹脂層を任意の形状に除去して得られた前記樹脂層の除去部に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、前記表面部を含む一部分以外の部分が前記金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有する第2の組成物を充填する工程と、
    [4]加熱を行い、前記除去部に充填された前記第2の組成物を加熱するとともに、前記樹脂層を除去する工程と
    を有することを特徴とする金属パターン形成方法。
  7. 前記第2の組成物は、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)をさらに含有することを特徴とする請求項6に記載の金属パターン形成方法。
  8. 前記アルジトールの酸化物(C)は、前記アルジトール(B)の酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の金属パターン形成方法。
  9. 前記アルジトール(B)はグリセリンであることを特徴とする請求項7または8に記載の金属パターン形成方法。
  10. 前記第2の組成物は、前記アルジトールの酸化物(C)の含有量が、前記アルジトール(B)100質量部に対して、1質量部〜50質量部であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法。
  11. 前記工程[3]の前記除去部への前記第2の組成物の充填は、インクジェット法を用いることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法。
  12. 前記工程[4]の加熱の温度は100℃〜300℃であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法を用いて形成されることを特徴とする金属パターン。
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