JP2013135070A - パターン形成方法および金属パターン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パターン形成方法を、[1]基板1上に、α−シアノアクリル酸エステルを含む第1の組成物から樹脂層2を形成する工程と、[2]レーザ光を照射して樹脂層2中に除去部3を形成する工程と、[3]除去部3に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その一部分以外がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される金属酸化物含有粒子(A)、アルジトール(B)並びにアルジトールの酸化物(C)を含有する第2の組成物4を充填する工程と、[4]除去部の第2の組成物4を加熱するとともに樹脂層2を除去する工程とから構成する。このパターン形成方法により金属パターン5を形成する。
【選択図】図1
Description
同様に、金属膜の形成に蒸着法やスパッタ法等を用いる場合でも、真空中で金属膜形成を行う必要があるので、装置や操作上の制約が大きく、処理に長時間を要して効率良く金属膜を形成することができない。そして何れの方法においても、不要な金属膜を除去する必要がある等、原料の使用効率の観点からの無駄が多く、回路基板の製造コストが上昇するという問題点があった。
特許文献1には、酸化銀とグリセリン等の還元剤とを含む組成物を用いた銀膜あるいは銀画像の形成方法が提案されている。特許文献2には、金、銀、銅等の金属塩とグリセリン等の還元剤とを含むインク状の組成物を用い、金属パターンを形成する方法が提案されている。
[1]基板上に、α−シアノアクリル酸エステルを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、その基板上に樹脂層を形成する工程と、
[2]レーザ光を照射してその樹脂層を任意の形状に除去する工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法に関する。
[3]工程[2]で樹脂層を任意の形状に除去して得られたその樹脂層の除去部に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有する第2の組成物を充填する工程と、
[4]加熱を行い、除去部に充填された第2の組成物を加熱するとともに、樹脂層を除去する工程と
をさらに有することが好ましい。
以下、本実施の形態のパターン形成方法における[1]〜[4]の各工程について、詳しく説明する。
この工程では、基板上にα−シアノアクリル酸エステルを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、その基板上に樹脂層を形成する。
樹脂層の厚さは、1μm〜1000μmとすることが好ましい。
次に、α−シアノアクリル酸エステルを含有する第1の組成物について説明する。
第1の組成物中に含有されるα−シアノアクリル酸エステルは、下記の式(CA)で表される。
第1の組成物には、これらのα−シアノアクリル酸エステル1種類にとどまらず2種以上を混合して使用することもできる。
また、第1の組成物は、必要に応じて増粘剤、揺変剤、硬化促進剤、強度向上剤、耐熱性付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤、香料または溶剤等を1種または2種以上含有することもできる。
基板上での第1の組成物の塗膜の形成方法としては、短時間で硬化する第1の組成物の特性に適合して所望とする塗膜の形成が可能な塗布法の選択が好ましい。そして、特に、スプレイコータを用いたスプレイ塗布法を用いることが好ましい。
この工程では、基板上に形成された樹脂層に対し、レーザ光を照射して樹脂層を除去し、樹脂層中にその樹脂層を貫通する除去部を形成する。
すなわち、YAGレーザ光を、所望とする金属パターンに対応する照射パターンで樹脂層に照射し、照射部分の加熱を行い、照射部分の樹脂層を除去する。そして、所望とする金属パターンと相補的な形状の開孔パターンとして、樹脂層中に除去部を形成し、樹脂からなるパターンを形成する。この除去部形成工程では、除去部の形成に、例えば、YAGレーザ光等のレーザ光を用いており、細い線幅の繊細な形状を備えた除去部を形成することができる。
この工程では、上述した除去部形成工程で形成されたパターンにおける樹脂層の除去部に、第2の組成物を充填する。
充填方法としては、インクジェット法を用いることが好ましい。すなわち、樹脂層中に形成された樹脂層を貫通する除去部に向けて、インクジェット法により第2の組成物を打滴し、第2の組成物を除去部に充填する。
次に、第2の組成物について説明する。
本実施の形態のパターン形成方法に用いる第2の組成物は、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)を含有することを特徴とする。そして、第2の組成物は、さらに、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)を含有することが好ましい。
金属酸化物含有粒子(A)は、第2の組成物を用いて形成される本実施の形態の金属パターンを構成する金属を供給する物質である。つまり、第2の組成物を用いると、金属酸化物含有粒子(A)に含有される金属からなる金属パターンが形成される。例えば、銅からなるパターンを形成する場合には、金属酸化物含有粒子(A)として銅酸化物含有粒子が使用される。
金属−金属酸化物複合粒子(A1)(以下、単に、複合粒子(A1)とも言う。)は、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、その表面部を含む一部分以外の部分がその金属からなる粒子である。例えば、銅−酸化銅複合粒子の場合には、表面部を含む一部分が酸化銅からなり、それ以外の部分が銅からなる。表面部を含む一部分とは、その表面が複合粒子(A1)の表面の少なくとも一部を形成している部分を意味する。その表面部を含む一部分以外の部分はその金属からなっている。したがって、複合粒子(A1)においては、金属酸化物からなる部分が、複合粒子(A1)の表面に現れない状態で含まれることはない。
前述のとおり、市販されている金属粒子は、通常、本発明の金属−金属酸化物複合粒子(A1)である。
また、このような焼成により作製した複合粒子(A1−1)を適当な条件で粉砕して得られた粒子を、複合粒子(A1−2)および金属酸化物粒子(A2)を含む粒子として使用することができる。
金属酸化物粒子(A2)は、金属酸化物から形成される粒子である。
金属酸化物粒子(A2)の50質量%平均粒子径(D50)は0.1μm〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜3μmである。金属酸化物粒子(A2)の50質量%平均粒子径(D50)が前記範囲内であると、金属酸化物の還元が効率的に進行するとともに、厚膜の金属膜として金属パターンを形成するのに有効である。0.1μmより小さいと、厚膜の金属膜として金属パターンを形成する上で不都合になる場合がある。5μmより大きいと、金属酸化物の完全な還元が困難になる場合がある。
アルジトール(B)は、本実施の形態のパターン形成方法に用いる第2の組成物に含有される場合、還元剤として作用し、金属酸化物含有粒子(A)が有する金属酸化物を還元して金属に変換する。
これらのうち、還元力が強く、金属酸化物含有粒子(A)から金属膜として金属パターンを効率的に形成できる点で、グリセリンが特に好ましい。
アルジトールの酸化物(C)は、アルジトール(B)として例示した糖アルコールの酸化物である。アルジトールの酸化物(C)は、一般に、アルジトールが有する水酸基が酸化され、カルボニル基に変換されて形成される構造を有する。アルジトールの酸化物(C)において、対応するアルジトールが複数の水酸基を有する場合、酸化されている水酸基の数には特に制限はない。
金属酸化物含有粒子(A)に含有される金属酸化物が銅酸化物であり、アルジトールの酸化物(C)がグリセリンの酸化物であるジヒドロキシアセトンである場合を例にする。この例では、第2の組成物を用いて金属膜として金属パターンを形成する過程で、下記式(1)に示すように、ジヒドロキシアセトンのカルボニル酸素と銅酸化物中の銅原子との間でキレート結合が形成されると考えられる。このキレート結合の形成により、アルジトール(B)による還元が効率的に行われるものと考えられる。このため、イオン化傾向の大きい金属の酸化物であっても効率的に還元することができる。
アルジトール(B)がグリセリンである場合には、下記式(2)に示すように、グリセリン(I)は金属酸化物含有粒子(A)中の酸化銅を還元する。
本実施形態のパターン形成方法に用いる第2の組成物は、必要に応じて、金属酸化物含有粒子(A)、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)以外の成分を含有していてもよい。
例えば、第2の組成物は、金属酸化物含有粒子(A)以外に、金属のみからなる金属粒子を含有することができる。
本実施形態のパターン形成方法に用いられる第2の組成物は、上述した成分を混合することにより調製することができる。混合方法には特に制限はなく、例えば、ビーズミルなどを用いて混合することができる。
この工程では、加熱を行い、樹脂層の除去部に充填された第2の組成物を加熱するとともに、樹脂層を除去する。加熱によって、樹脂層の除去部に充填された第2の組成物は、除去部の形状に対応する金属パターンを形成する。除去部は、上述したように、所望とする金属パターンと相補的な形状の開孔パターンとして形成されたものであり、形成された金属パターンは、所望とする形状を備えている。すなわち、細い線幅の繊細な形状を有する除去部に対応して、金属パターンは所望とする細い線幅の繊細な形状を有することができる。
加熱の際の雰囲気は、樹脂層を除去するとともに形成された金属パターンの酸化を抑制する等の観点から、不活性ガス雰囲気等の、酸素ガスを含まない雰囲気であることが好ましい。生産性等の観点から、好ましい雰囲気は、窒素ガスを主とする雰囲気である。
金属パターン内部の空隙に金属を充填する方法としては、たとえば、金属元素を含有する溶液をその空隙に充填して、この液から金属を生成させて空隙を埋める方法が挙げられる。
[実施例1]
微粒電解銅粉(三井金属社製、品名「T−220」)を大気下で、オーブンにて200℃で1時間焼成し、その表面部に酸化銅被膜を形成した。焼成後の微粒電解銅粉20部、ジヒドロキシアセトン2部およびグリセリン78部をジルコニアビーズとともにビーズミルに入れて、焼成後の微粒電解銅粉を粉砕し、銅−酸化銅複合粒子、酸化銅粒子および銅粒子の混合粒子(粒子径(D50):0.2μm)20部、ジヒドロキシアセトン2部ならびにグリセリン78部を含有する第2の組成物を調製した。
[実施例2]
シリコン基板であるシリコンウェハ上に、スプレイ塗布法により、大気下で、第1の組成物の塗膜を形成した。第1の組成物には、瞬間接着剤として用いられる東亞合成株式会社製シアノアクリレート系接着剤、品名「アロンアルファ(登録商標)」を用いた。塗膜形成後、室温で放置して第1の組成物の塗膜を硬化させ、シリコンウェハ上に膜厚500μmの樹脂層を形成した。
次に、窒素雰囲気下180℃で30分ベークし、次いで、窒素雰囲気下300℃で1時間ベークした。そして、樹脂層が除去され、ストライプ状の銅からなるパターンが形成された。
本実施形態のパターン形成方法により、メッキ処理や真空プロセス等を用いることなく、銅からなるパターンを形成できることが確認できた。
2 樹脂層
3 除去部
4 第2の組成物
5 金属パターン
Claims (11)
- [1]基板上に、α−シアノアクリル酸エステルを含有する第1の組成物の塗膜を形成し、前記基板上に樹脂層を形成する工程と、
[2]レーザ光を照射して前記樹脂層を任意の形状に除去する工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 前記レーザ光はYAGレーザ光であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記第1の組成物は、アニオン重合防止剤およびラジカル重合防止剤をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
- [3]前記工程[2]で前記樹脂層を任意の形状に除去して得られた前記樹脂層の除去部に、表面部を含む一部分が金属の酸化物からなり、前記表面部を含む一部分以外の部分が前記金属からなる金属−金属酸化物複合粒子(A1)、および金属酸化物粒子(A2)から選択される少なくとも1種の金属酸化物含有粒子(A)溶剤を含有する第2の組成物を充填する工程と、
[4]加熱を行い、前記除去部に充填された前記第2の組成物を加熱するとともに、前記樹脂層を除去する工程と
をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。 - 前記第2の組成物は、アルジトール(B)およびアルジトールの酸化物(C)をさらに含有することを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
- 前記アルジトールの酸化物(C)は、前記アルジトール(B)の酸化物であることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
- 前記アルジトール(B)はグリセリンであることを特徴とする請求項5または6に記載のパターン形成方法。
- 前記第2の組成物は、前記アルジトールの酸化物(C)の含有量が、前記アルジトール(B)100質量部に対して、1質量部〜50質量部であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記工程[3]の前記除去部への前記第2の組成物の充填は、インクジェット法を用いることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記工程[4]の加熱の温度は200℃〜350℃であることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 請求項4〜10のいずれか1項に記載のパターン形成方法を用いて形成されることを特徴とする金属パターン。
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