JP2013161811A - 基板洗浄方法及び基板洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を低下させることなく、洗浄後の基板同士の貼り付きを防止する基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄液104を収容した洗浄槽105と、複数の基板101を互いに所定間隔で離間させて配置した状態で保持収納するキャリアカセット102と、キャリアカセット102を洗浄槽105に入出させるキャリア搬送機103と、洗浄槽105に浸漬したキャリアカセット102内の基板101間の洗浄液に気泡を混入存在させる気泡供給手段(気泡導入凹部106、気泡発生供給器107)とを備え、基板101を洗浄液104に浸漬して洗浄すると共に、基板101間の洗浄液に気泡を混入させ、気泡混入洗浄液が基板101間に存在している状態においてキャリアカセット102を洗浄槽105から引き上げて基板101を洗浄液104から取り出す制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用のシリコン基板などの半導体基板や液晶用ガラス基板等の薄板状の基板を洗浄するための基板洗浄方法及び基板洗浄装置に関するものである。
結晶シリコンを用いた太陽電池の製造工程では、基板を薬液に浸漬させて処理を行う、様々なウェット処理が行われている。例えば、まずシリコン基板に光閉じ込め効果を目的としたテクスチャを形成するために、アルカリ溶液又は酸溶液によるエッチング洗浄処理が行われる。続いて、pn接合形成のための不純物拡散後には、基板表面に不純物ガラス層が副次的に形成されるため、これを除去するためにフッ酸溶液によるエッチング洗浄処理が行われる。また、太陽電池を高性能化するために、基板最表面の欠陥であるシリコンの未結合手を低減する誘電体膜でのパッシベーションを行うが、パッシベーション効果を高めるためには酸やアルカリの複合的洗浄によってシリコン基板表面の清浄性を極力高める必要がある。
これらの基板洗浄は、一般に複数の洗浄槽が連続して配列されてなるウェットベンチタイプの洗浄槽に、キャリアカセットに収納した複数枚のウエハを搬送装置によりキャリアカセット単位で順次浸漬して行う。この方式はバッチ式ウェット洗浄と呼ばれ、その装置の構成は、例えば特開平6−163506号公報(特許文献1)などに開示されている。
ところで、現在の太陽電池による電力は、在来の商用電力に比べて発電コストが依然高いという問題があり、そのため製造コストの大幅な低減が求められている。特に、主流である結晶シリコン太陽電池では、基板の薄型化によるコスト低減が進んでおり、現状では基板の厚さが180μm〜250μmであるが、将来的には50μm〜150μmを実現する必要があると言われている。
しかしながら、このように基板が薄型化すると、従来のバッチ式ウェット洗浄では、洗浄液からキャリアカセットを取り上げた際、キャリアカセット内で隣り合う基板が貼り付いてしまう現象が頻発することがあった。この現象は、洗浄液の表面張力により基板間に引力が働いていることと、基板の薄型化に伴う基板の剛性低下によっておこる弾性変形とによって生じるものである。
そして、このように貼り付いた基板では、当然のことながら、洗浄や乾燥が正常に行われず、そのままでは不良になってしまうため、生産性が著しく低下してしまった。
また、この問題に対する簡易的な回避策としては、基板の収納間隔を広げる方法があるが、1バッチあたりの処理枚数が減ってしまうことと、基板の厚さ変更の都度、新たな金型を用意する必要があったために、コストが高くなるという問題あった。
特開平6−163506号公報
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、生産性を低下させることなく、洗浄後の基板同士の貼り付きを防止する基板洗浄方法及び基板洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、下記の基板洗浄方法及び基板洗浄装置を提供する。
〔請求項1〕
キャリアカセット内に互いに所定間隔で離間して配置した状態で保持収納された複数の基板を洗浄槽内の洗浄液に浸漬して上記基板を洗浄する工程と、上記基板間の洗浄液中に気泡を混入する工程と、上記基板間に気泡混入洗浄液が存在している状態で上記キャリアカセットを引き上げて上記基板を洗浄液から取り出す工程とを有することを特徴とする基板洗浄方法。
〔請求項2〕
上記基板が太陽電池製造用の厚さ50〜250μmのシリコン基板であることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
〔請求項3〕
上記キャリアカセット内に基板相互を1〜8mmの間隔で離間させた状態で配置させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板洗浄方法。
〔請求項4〕
上記洗浄液の表面張力が20mN/m以上76mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
〔請求項5〕
上記気泡混入洗浄液における気泡の密度が50個/ml以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
〔請求項6〕
洗浄液を収納した洗浄槽と、複数の基板を所定間隔で離間させて配置した状態で保持収納するキャリアカセットと、このキャリアカセットを上記洗浄槽へ入出させるキャリア搬送手段と、上記キャリアカセットが洗浄槽内に搬入されることにより洗浄液に浸漬された基板間の洗浄液に気泡を混入存在させる気泡供給手段とを備え、
上記基板を洗浄液に浸漬して洗浄すると共に、上記基板間の洗浄液中に気泡を混入させ、気泡混入洗浄液が上記基板間に存在している状態において上記キャリアカセットを洗浄槽から引き上げて上記基板を洗浄液から取り出す制御を行うことを特徴とする基板洗浄装置。
本発明の基板洗浄方法及び基板洗浄装置によれば、洗浄液に浸漬した基板間の洗浄液中に気泡を混入させ、この基板間に気泡混入洗浄液が存在している状態でキャリアカセットを引き上げて基板を洗浄液から取り出すことにより、基板間で気泡混入洗浄液が気液界面の面積を増大させて基板同士の貼り付きを抑制して洗浄不良を防止するので、従来のキャリアカセットを用いて薄型基板の洗浄を安定して行うことが可能になる。また、太陽電池用途における低コスト化と生産性向上が可能になる。
本発明に係る基板洗浄装置の構成例(1)を示す断面概略図である。 キャリアカセットの構成を示す平面図である。 本発明に係る基板洗浄装置の構成例(2)を示す断面概略図である。 本発明に係る基板洗浄装置の構成例(3)を示す断面概略図である。 本発明に係る基板洗浄装置の構成例(4)を示す断面概略図である。
以下に、本発明に係る基板洗浄方法及び基板洗浄装置の構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る基板洗浄装置の構成例(1)を示す断面概略図である。
本発明の構成例(1)に係る基板洗浄装置は、複数の基板101が互いに所定間隔で離間して収納されたキャリアカセット102と、洗浄液104が入った洗浄槽105と、キャリアカセット102の洗浄槽105への浸漬及び洗浄槽105からの取り出しを行うキャリア搬送手段であるキャリア搬送機103とを有する。
また、図中、107は気泡発生供給器であり、この気泡発生供給器107には、バルブ109を介装する気体供給管108と、ポンプ111を介装する洗浄液循環管110とが連結していると共に、上記気泡発生供給器107には更に気泡混入洗浄液供給管107aが連結している。また、この気泡混入洗浄液供給管107aの先端は、洗浄槽105内にキャリアカセット102が搬入された際に複数の基板101に対向する洗浄槽底部位置に形成された気泡導入凹部106に連通している。
このような構成の基板洗浄装置では、上記洗浄液循環管110から洗浄槽105内の洗浄液104が、気体供給管108から気体がそれぞれ気泡発生供給器107に導入されて、この中で気泡混入洗浄液が形成され、これが気泡混入洗浄液供給管107aより気泡導入凹部106に供給され、更に基板101間にこの気泡混入洗浄液が導入されるようになっている。
ここで、基板101は、本発明の基板洗浄装置により洗浄される被洗浄材であり、例えば太陽電池の製造に用いられる結晶シリコン基板などの半導体基板や液晶用のガラス基板などの薄板基板である。この場合、基板101の厚さ、特に太陽電池製造用のシリコン基板の厚さは50〜250μmであることが好ましく、また各基板101は1〜8mmの間隔で離間するように配置されることが好ましい。
なお、基板101は、生産性や剛性等が考慮された厚さを有しており、例えば洗浄液104の室温における表面張力が20mN/m以上76mN/m以下であり、洗浄槽105内の洗浄液104における気泡の密度が50個/ml以上である場合、50μm以上250μm以下の範囲で本発明の効果がより有利に得られる。50μm未満では基板101の剛性が低下し、キャリアカセットでの保持が困難になるため、対象基板として現実的ではない。250μm超では基板101の剛性が十分高く貼り付きがほとんど起きなくなるため、気泡を導入する必要がない。
また、基板101同士の間隔が1mm未満では気泡混入洗浄液の供給によっても基板101同士の貼り付きを防止することが困難な場合があり、8mm超ではキャリアカセット102に収納可能な基板101の数が少なくなり、洗浄処理の効率(生産性)が低下するおそれがある。
キャリアカセット102は、主に合成樹脂により成形され、複数の基板101を一定間隔で保持して該基板101同士を離間させた状態で洗浄可能に収納するものである。
図2に、キャリアカセット102の具体例を示す。
キャリアカセット102は、従来より基板洗浄用に使用されているものであり、板状であって互いに対向させて配置された一対のフレーム102b,102bと、フレーム102b,102b間が所定の間隔となるように一対のフレーム102b,102bそれぞれの両端部を連結するフレーム102a,102aとを有する箱型のケース部材であり、少なくとも箱型の一方向、例えば洗浄槽105に浸漬したときの上下方向(図2において紙面垂直方向)に液体が通過可能に開口したものとなっている。また、フレーム102b,102bの内面側には、それぞれ互いに対向した状態で複数の間仕切り102cがキャリアカセット102における液体通過方向と直交する方向に等間隔で立設されている。これにより、互いに隣接する間仕切り102c間に1枚の基板101の両端部がそれぞれ挿入され、所定枚数の基板101が各基板101間で隙間が確保された状態でキャリアカセット102において保持されるようになる。
なお、間仕切り102cの幅wと設置間隔pは特に限定されないが、太陽電池の生産性の観点からそれぞれw=2〜3mm及びp=4〜6mmとすることが好ましい。すなわち、w=2mm未満及びp=4mm未満では基板101同士を接触することなく保持することが困難な場合があり、w=3mm超及びp=6mm超では1つのキャリアカセット102で保持できる基板101の枚数が少なくなり生産性が悪くなるおそれがある。
キャリア搬送機103は、図1に示すように、洗浄槽105上方で、キャリアカセット102の両側部を把持して吊り下げることにより該キャリアカセット102を洗浄槽105内の洗浄液104中に浸漬し、吊り上げることにより該キャリアカセット102を洗浄槽105から取り出すことを行う。キャリア搬送機103の駆動機構は、公知のものでよい。
洗浄液104は、基板101の洗浄目的に応じて選定される。例えば、太陽電池製造工程で使用される洗浄液としては、各処理工程に応じて有機溶剤や酸性及びアルカリ性溶液など様々なものが使用される。
すなわち、太陽電池製造工程では、まず基板表面に光閉じ込めのためのテクスチャを形成するテクスチャ形成工程があるが、本工程では一般的に、洗浄液として、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液又は水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液などのアルカリ洗浄液や、フッ硝酸に酢酸や水などを混合した酸洗浄液を用いる。
また、続いてpn接合形成のための不純物拡散処理を行った後には、基板表面に不純物ガラス層が副次的に形成されるため、これを除去するためのエッチング洗浄のために洗浄液としてフッ酸を用いる。
また、太陽電池を高性能化するために、基板最表面の欠陥であるシリコンの未結合手を低減する誘電体膜でのパッシベーションを行うが、パッシベーション効果を高めるためにシリコン表面の清浄性を極力高める必要がある。この目的のために、洗浄液として、過酸化水素水、硝酸、フッ酸、硫酸、塩酸などの酸溶液や、アンモニア水やテトラメチルアンモニウム水溶液などのアルカリ溶液が複合的に用いられる。
さらに、シリコン基板に拡散層や絶縁膜、また金属膜をパターン形成する場合には、酸レジストやフォトレジストなどの有機材料によりマスキングを行う。例えば、太陽電池の電極を受光面と反対の裏面にのみ形成する裏面電極型太陽電池では、裏面側に正極と負極の両方を形成するため、両極にあたる拡散層をパターン形成する必要がある。拡散層のパターニングは酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などの誘電体膜をマスクに用いるが、これらの膜のパターニングには例えば酸レジストを用い、所望の拡散を行う領域の酸化膜を露出させ、フッ酸で酸化膜を除去する。酸化膜のパターニング後は酸レジストを除去するが、これには通常、アセトンやメタノールなどの有機溶剤を粗洗浄剤として用いる。
なお、洗浄槽105、気泡導入凹部106、気泡発生供給器107、洗浄液循環管110及びポンプ111の洗浄液104と接触する部位には、前述したような薬剤の洗浄液104に適した材料を用いる必要がある。ほとんどの場合、塩化ビニル樹脂やフッ素樹脂をはじめとした各種合成樹脂を利用することが可能である。
ここで、洗浄槽105は、キャリアカセット102を浸漬可能なように洗浄液104を貯留するものである。
気泡導入凹部106は、洗浄槽105の底部のキャリアカセット102の浸漬位置に設けられた凹部であって、気泡発生供給器107から気泡混入洗浄液供給管107aを経由して気泡混入洗浄液が供給され、該気泡混入洗浄液を洗浄槽105に浸漬したキャリアカセット102内の基板101間に導入するためのものである。また、気泡導入凹部106の洗浄槽105の底部における開口部の大きさは、キャリアカセット102を洗浄槽105内に配置したときに、キャリアカセット102の底部が気泡導入凹部106の開口部を跨り該底部の両端部が洗浄槽105の底部で支持されるようになると共に、該キャリアカセット102の底部が気泡導入凹部106の開口部をできるだけふさぐようになる程度が好ましい。これにより、気泡導入凹部106内の気泡混入洗浄液がキャリアカセット102内の基板101間に効率的に供給されるようになる。
気泡発生供給器107には、気体供給管108からバルブ109によって流量調節された気体が供給され、洗浄液循環管110からポンプ111を介して洗浄液104が供給されるようになっており、気泡発生供給器107において供給された気体と洗浄液104を混合して、所定サイズ及び密度の気泡を含んだ洗浄液104を生成して気泡導入凹部106へ供給する。
気泡発生供給器107は、高密度かつ微細な気泡混入洗浄液を生成し、洗浄槽105側(本実施形態では気泡導入凹部106)に供給する手段である。このような気泡混入洗浄液を生成する方式としては、所望の気泡密度が得られれば、いかなる気泡発生方式であってもよいが、例えば加圧溶解法や気液2相流旋回法が挙げられ、本発明ではこれらの方式の市販されている気泡発生装置を用いることができる。
なお、気泡供給時に強い水流を伴う気泡供給器は、基板洗浄装置における気泡発生供給器107とキャリアカセット102の位置関係や基板101の厚さによっては、基板101が振動し、損傷するおそれがあるので、気泡発生供給器107とキャリアカセット102の距離を離すなどの注意が必要である。
キャリアカセット102内の基板101間に導入する気泡混入洗浄液における気泡のサイズや密度は、基板101の厚さ、使用するキャリアカセット102の間仕切り幅w、間仕切り設置間隔p、洗浄液104の種類(表面張力)等により最適条件は大きく変化する。
また、洗浄液104により基板101間に発生する引力は、基板101間に供給される気泡と洗浄液104との界面面積に反比例する。したがって、キャリアカセット102の寸法及び洗浄液104の表面張力が一定として、基板101を薄くした場合には、基板101はより弾性変形し易くなるため、供給する気泡混入洗浄液における気泡の密度(供給気泡密度と称する。)を高める必要がある。
例えば、太陽電池用シリコン基板の洗浄で主に使われる洗浄液の中では、有機溶剤が最も低い表面張力を示し、通常用いられる室温(20℃)付近での使用温度帯(15〜25℃)で概ね20〜40mN/m(ミリニュートン/メートル)である。洗浄液104がこのような有機溶剤の場合、厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101に対する供給気泡密度は、少なくとも50個/ml以上150個/ml以下が好ましく、80個/ml以上120個/ml以下がより好ましい。また、同じ条件で厚さ50μm以上150μm以下の基板101に対する供給気泡密度は、100個/ml以上350個/ml以下が好ましい。このときの供給気泡密度が50個/ml未満(厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101のとき)、100個/ml未満(厚さ50μm以上150μm以下の基板101のとき)では、洗浄液104の表面張力により発生する基板101の間の引力を低減させる効果が少ない場合がある。また、供給気泡密度が150個/ml超(厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101のとき)、350個/ml超(厚さ50μm以上150μm以下の基板101のとき)では、供給気泡密度をそれ以上大きくしても洗浄液104の表面張力により発生する基板101の間の引力を低減させる効果があまり変わらない場合がある。
一方、太陽電池用シリコン基板の洗浄で主に使われる洗浄液の中では、水が最も高い表面張力を示し、通常用いられる使用温度帯(15〜100℃)で58〜76mN/mである。洗浄液104がこのような水の場合、厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101に対する供給気泡密度は、1000個/ml以上4000個/ml以下が好ましく、2000個/ml以上3000個/ml以下がより好ましい。また、同じ条件で厚さ50μm以上150μm以下の基板101に対する供給気泡密度は、4000個/ml以上30000個/ml以下が好ましい。このときの供給気泡密度が1000個/ml未満(厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101のとき)、4000個/ml未満(厚さ50μm以上150μm以下の基板101のとき)では、洗浄液104の表面張力により発生する基板101の間の引力を低減させる効果が少ない場合がある。また、供給気泡密度が4000個/ml超(厚さ150μmより厚く、250μm以下の基板101のとき)、30000個/ml超(厚さ50μm以上150μm以下の基板101のとき)では、供給気泡密度をそれ以上大きくしても洗浄液104の表面張力により発生する基板101の間の引力を低減させる効果があまり変わらない場合がある。
また、洗浄液104中に気泡を形成するために使用する気体の種類には制限は無く、大気(空気)を用いてもよい。また、高い清浄性を要求する場合や基板101表面との化学反応を嫌う場合には、純粋なアルゴンや窒素といった不活性ガスを用いることが好ましい。
本発明の基板洗浄装置を用いた基板洗浄は、次の手順で行われる(図1参照。)。
(手順1) 基板101が収納されたキャリアカセット102をキャリア搬送機103によって洗浄槽105内の洗浄液104に浸漬する。このとき、キャリアカセット102に収納された基板101は、洗浄槽105の底部の気泡導入凹部106を跨ぐように配置されている。
(手順2) 基板101の洗浄処理を行う。基板101の洗浄処理は公知の処理でよい。
(手順3) 基板101の洗浄処理が終了すると、気泡発生供給器107への気体及び洗浄液104の供給を開始する。これにより、気泡発生供給器107が気泡混入洗浄液を生成し、気泡導入凹部106へ供給する。
(手順4) 気泡発生供給器107への気体及び洗浄液104の供給をキャリアカセット102の取り出しが完了するまで継続して行う。これにより、気泡発生供給器107から気泡混入洗浄液が一定の圧力で気泡導入凹部106へ継続して供給され、気泡導入凹部106から気泡混入洗浄液がキャリアカセット102内の基板101間に供給される。
(手順5) キャリアカセット102内に入った気泡混入洗浄液は、キャリアカセット102内の基板101間を通って上方に流れる。このとき、基板101間の洗浄液中では気泡が存在することにより、気液界面の面積が増大し、基板101にかかる洗浄液104の表面張力に起因した引力は大幅に低減される。その結果、隣り合う基板101同士は貼り付かずに両者の間隔が維持された状態となる。
(手順6) ついで、キャリアカセット102をキャリア搬送機103によって洗浄槽105から取り出す。このとき、キャリアカセット102内の隣り合う基板101同士は貼り付かずに両者の間隔が維持された状態で洗浄液面から外部に取り出されるため、基板101同士の貼り付きに起因する洗浄不良を防止することができる。
なお、本発明の基板洗浄装置を用いた基板洗浄における気泡供給のタイミングは特に限定されるものではないが、基板101が洗浄液面を通過する前に基板101間に気泡が十分供給されている必要があるため、少なくとも洗浄槽105からの取り出しのためにキャリアカセット102が上昇し始める前(上記手順6の前)にキャリアカセット102内に気泡混入洗浄液を導入する。あるいは、キャリアカセット102の搬送タイミングに拘らず、気泡供給を終始連続的に行い、洗浄処理を行うようにしてもよい。
また、気泡供給手段の構成は、キャリアカセット102内に気泡混入洗浄液を導入するものであれば、図1の構成に限られるものではない。例えば、図3に示すように、洗浄槽105’の底部に気泡導入凹部106を設けずに、気泡発生供給器107から気泡混入洗浄液供給管107aを経由して気泡混入洗浄液を洗浄槽105’の底部付近に直接供給して、該気泡混入洗浄液をキャリアカセット102内に導入するようにしてもよい。この場合、気泡発生供給器107(気泡混入洗浄液供給管107a、気体供給管108、バルブ109、洗浄液循環管110及びポンプ111を含む。)が気泡供給手段となる。なお、図3において、図1の構成と変わらないものは、図1と同じ参照符号を付し、その説明を省略する(図4,図5においても同じ。)。
また、洗浄液104を必ずしも循環させる必要はなく、例えば、図4に示すように、洗浄液104を貯留する洗浄液供給器112を設けて該洗浄液供給器112から気泡発生供給器107に気泡混入洗浄液を生成するための洗浄液104を供給し、洗浄槽105''から洗浄液104をオーバーフローさせてそのまま排液する構成としてもよい。
また、図5に示すように、気泡発生供給器107’を洗浄槽105下部の気泡導入凹部106’内に配置し、気泡導入凹部106’内で洗浄液と気体の混合を行い、気泡混入洗浄液の生成を行う構成でもよい。あるいは、気体発生供給器107’が微細孔を多数形成した多孔質材からなるものとして、該気泡発生供給器107’に洗浄液を供給せず、気体のみを供給して気泡発生供給器107’の微細孔から気体を放出して気泡導入凹部106’内で微細な気泡を発生する構成としてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
以下の条件で、基板の洗浄を行った。
(基板洗浄処理)
(1)使用基板
・基板101;太陽電池用シリコン基板(15cm角、厚さ150μm)
(2)基板洗浄装置(図1に示すもの)
・キャリアカセット102;間仕切り幅w=2mm、間仕切り設置間隔p=4mm
・洗浄液104;工業用メタノール(表面張力(20℃):22.11mN/m)
・洗浄槽105;石英製洗浄槽(容積80L)
・気泡発生供給器107;加圧溶解方式、使用気体:Ar)
(3)基板洗浄手順
(i) キャリアカセット102に厚さ90μmの基板101を50枚収納し、キャリア搬送機103により該キャリアカセット102を洗浄槽105内の洗浄液104として工業用メタノールに浸漬し、基板101が十分洗浄される時間だけ保持した。
(ii) つぎに、気泡発生供給器107に対して、ポンプ111を起動させて洗浄液104を供給すると共に、バルブ109を調整して所定流量のArガスを供給し、気泡混入洗浄液を生成させ、気泡導入凹部106を経由してキャリアカセット102内に該気泡混入洗浄液を供給した。このときの気泡導入凹部106における気泡混入洗浄液の気泡密度をレーザー光遮断方式のパーティクルカウンターで測定した。
(iii) 基板101間に気泡が十分供給されたところで、気泡混入洗浄液の供給を継続しながら、キャリア搬送機103によりキャリアカセット102を洗浄槽105から取り出した。
(評価)
気泡発生供給器107の条件を変更することにより、ステップS22における気泡混入洗浄液の気泡密度を0個/ml(気泡なし)と80個/mlに変化させ、それぞれの気泡密度ごとで基板洗浄処理を行った後、キャリアカセット102から基板101を取り出し、目視により基板101の表面に汚れが認められるものを不良、汚れが認められないものを良と判定して、基板101同士の貼り付きに起因する不良率(不良の試料数/50)を調べた。
なお、気泡混入洗浄液の各気泡密度において同じ実験を3回行い、不良率の平均値を求めた。
その結果を表1に示す。
Figure 2013161811
〔実施例2〕
実施例1において、基板101(太陽電池用シリコン基板)の厚さを90μmとし、気泡発生供給器107の条件を変更することにより、ステップS22における気泡混入洗浄液の気泡密度を0個/ml(気泡なし)と120個/mlに変化させ、それ以外は実施例1と同じ条件で基板洗浄処理を行い、同様にして基板101同士の貼り付きに起因する不良率を調べた。
その結果を表2に示す。
Figure 2013161811
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
101 基板
102 キャリアカセット
102a,102b フレーム
102c 間仕切り
103 キャリア搬送機
104 洗浄液
105,105’,105'' 洗浄槽
106,106’ 気泡導入凹部
107,107’ 気泡発生供給器
107a 気泡混入洗浄液供給管
108 気体供給管
109 バルブ
110 洗浄液循環管
111 ポンプ
112 洗浄液供給器
w 間仕切り幅
p 間仕切り設置間隔

Claims (6)

  1. キャリアカセット内に互いに所定間隔で離間して配置した状態で保持収納された複数の基板を洗浄槽内の洗浄液に浸漬して上記基板を洗浄する工程と、上記基板間の洗浄液中に気泡を混入する工程と、上記基板間に気泡混入洗浄液が存在している状態で上記キャリアカセットを引き上げて上記基板を洗浄液から取り出す工程とを有することを特徴とする基板洗浄方法。
  2. 上記基板が太陽電池製造用の厚さ50〜250μmのシリコン基板であることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄方法。
  3. 上記キャリアカセット内に基板相互を1〜8mmの間隔で離間させた状態で配置させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板洗浄方法。
  4. 上記洗浄液の表面張力が20mN/m以上76mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
  5. 上記気泡混入洗浄液における気泡の密度が50個/ml以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
  6. 洗浄液を収納した洗浄槽と、複数の基板を所定間隔で離間させて配置した状態で保持収納するキャリアカセットと、このキャリアカセットを上記洗浄槽へ入出させるキャリア搬送手段と、上記キャリアカセットが洗浄槽内に搬入されることにより洗浄液に浸漬された基板間の洗浄液に気泡を混入存在させる気泡供給手段とを備え、
    上記基板を洗浄液に浸漬して洗浄すると共に、上記基板間の洗浄液中に気泡を混入させ、気泡混入洗浄液が上記基板間に存在している状態において上記キャリアカセットを洗浄槽から引き上げて上記基板を洗浄液から取り出す制御を行うことを特徴とする基板洗浄装置。
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