JP2013159097A - 積層構造体 - Google Patents

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寛 前中
Shunsuke Kondo
峻右 近藤
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秀 中村
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
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Abstract

【課題】熱を効果的に放散させることができ、更にプリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程にそのまま用いることが可能である積層構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係る積層構造体1は、ベース基材13と、ベース基材13の第1の表面13aに積層された絶縁層12と、絶縁層12のベース基材13側とは反対の表面に積層された導電層11と、ベース基材13の第1の表面13aとは反対の第2の表面13bに積層された粘着層14とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程などに用いられる積層構造体に関する。
近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。これに伴って、電子部品の実装密度が高くなってきており、電子部品から発生する熱を放散させる必要が高まっている。熱を放散させる方法として、高い放熱性を有し、かつ熱伝導率が10W/m・K以上であるアルミニウム等の熱伝導体を、発熱源に接着する方法が広く採用されている。この熱伝導体を発熱源に接着するために、ペースト状の樹脂組成物又は樹脂シートが用いられている。
下記の特許文献1には、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、該熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、該絶縁層の上記熱伝導体側とは反対の表面に積層された導電層とを備え、上記絶縁層が、特定の樹脂組成物を硬化させることにより形成されている積層構造体が開示されている。
また、特許文献1では、上記熱伝導体の少なくとも一方の面に、上記絶縁層と上記導電層とがこの順に積層されていればよく、上記熱伝導体の他方の面にも、絶縁層と導電層とがこの順に積層されていてもよいことが記載されている。
下記の特許文献2には、フレキシブルプリント配線板の一部に粘着剤層を設け、この粘着剤層が設けられた部分に、その部分の外形をカバーし、その外形より広い離型紙を貼り合わせたフレキシブルプリント配線板が開示されている。
特開2011−132368号公報 特開平8−97520号公報
特許文献1には、上記熱伝導体の少なくとも一方の面に、上記絶縁層と上記導電層とがこの順に積層されており、上記熱伝導体の他方の面にも、絶縁層と導電層とがこの順に積層されている積層構造体が記載されている。
しかしながら、上記積層構造体では、熱伝導体の一方の面と他方の面とに、硬化した絶縁層を形成することが記載されているにすぎない。熱伝導体の両面に積層された2つの絶縁層はいずれも硬化しており、粘着性を有さない。
特許文献2では、フレキシブルプリント基板の片面に、粘着剤層が設けられているにすぎない。
特許文献2に記載のフレキシブルプリント基板は、プリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程にそのまま用いることはできず、プリント配線板としての回路形成を行った後に粘着剤層の貼り付けをしなければならないという問題がある。
本発明の目的は、熱を効果的に放散させることができ、更にプリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程にそのまま用いることが可能である積層構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材と、該ベース基材の第1の表面に積層された絶縁層と、該絶縁層の上記ベース基材側とは反対の表面に積層された導電層と、上記ベース基材の上記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された粘着層とを備える、積層構造体が提供される。
本発明に係る積層構造体のある特定の局面では、上記絶縁層の熱伝導率は0.5W/m・K以上である。
本発明に係る積層構造体の他の特定の局面では、該積層構造体は、上記粘着層の上記ベース基材側とは反対の表面に積層されており、かつ上記粘着層の表面から剥離可能である基材層を備える。
上記粘着層は、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含むことが好ましい。上記絶縁層は、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含むことが好ましい。
本発明に係る積層構造体の別の特定の局面では、上記粘着層が、10%塩酸水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満であり、かつ10%水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満である粘着層である。
本発明に係る積層構造体のさらに別の特定の局面では、上記粘着層の260℃での重量減少が5%以下である。
本発明に係る積層構造体では、導電層と絶縁層と熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材と粘着層とがこの順に積層されているので、熱を効果的に放散させることができ、更にプリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程に、積層構造体をそのまま用いることが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に断面図で示す。
図1に示す積層構造体1は、導電層11と、絶縁層12と、ベース基材13と、粘着層14と、基材層15とを備える。ベース基材の熱伝導率は10W/m・K以上である。ベース基材は熱伝導体である。基材層15は、粘着層14の表面から剥離可能である。積層構造体1では、導電層11と、絶縁層12と、ベース基材13と、粘着層14と、基材層15とがこの順で積層されている。なお、積層構造体は、基材層を必ずしも備えていなくてもよい。
絶縁層12は、ベース基材13の第1の表面13aに積層されている。導電層11は、
絶縁層12のベース基材13側とは反対の表面(外側の表面)に積層されている。
粘着層14は粘着性を有する。粘着層14は、ベース基材13の第1の表面13aとは反対の第2の表面13bに積層されている。基材層15は、粘着層14のベース基材13側とは反対の表面(外側の表面)に積層されている。
積層構造体1では、上述した各層が備えられているので、熱が伝わりやすく、熱を効果的に放散させることができる。積層構造体1は、プリント配線板の作製工程や電子部品の実装工程にそのまま用いることができる。例えば、粘着層14の外側の表面に、電子部品などの積層対象部材を貼り付けることができる。なお、粘着層14の外側の表面に基材層15が積層されている場合には、積層構造体1の使用時に、基材層15を粘着層14の外側の表面から剥離すればよい。
上記粘着層は、アクリル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、ポリエステル変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂又はポリイミド樹脂を含む組成物(以下、組成物Aと記載することがある)により形成されていることが好ましい。
上記絶縁層は、組成物(以下、組成物Bと記載することがある)により形成されていることが好ましい。組成物Bは熱硬化性組成物であることが好ましい。上記絶縁層は、組成物Bを硬化させることにより形成されていることが好ましい。上記絶縁層は、熱硬化した硬化物であることが好ましい。この場合には、導電層と絶縁層、並びに絶縁層とベース基材との接着強度をかなり高めることができる。
なお、組成物Aと組成物Bとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。組成物Aと組成物Bとは、異なることが好ましい。
上記導電層は導電性を有していれば特に限定されない。上記導電層としては、銅、金、銀、ニッケル及びアルミニウム等が挙げられる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材は特に限定されない。上記熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材としては、例えば、アルミニウム、銅、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム及びグラファイトシート等が挙げられる。中でも、上記熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。銅又はアルミニウムは、放熱性に優れている。
上記基材層を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリイミド、並びにポリカーボネートなどが挙げられる。上記基材層は、離型紙であってもよい。剥離性を高めるために、上記基材層は、離型処理されていることが好ましい。上記基材層は、マット処理又はコロナ処理されていてもよい。
上記粘着層及び上記組成物Aは、イミド骨格、シリコーン骨格、ネオペンチル骨格、脂環式骨格、芳香族骨格又は架橋構造を含むことが好ましく、イミド骨格、シリコーン骨格、ネオペンチル骨格、脂環式骨格又は芳香族骨格を有する化合物を含むことが好ましい。熱をより一層効果的に放散させる観点からは、上記粘着層及び上記組成物Aは、無機フィラーを含むことが好ましく、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含むことがより好ましい。
積層構造体の放熱性をより一層高める観点からは、上記粘着層及び上記組成物A100重量%中、無機フィラーの含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%
以上、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
上記絶縁層及び上記組成物Bは、熱硬化性化合物と、熱硬化剤とを含むことが好ましい。熱をより一層効果的に放散させる観点からは、上記絶縁層及び上記組成物Bは、無機フィラーを含むことが好ましく、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含むことがより好ましい。
上記粘着層は、10%塩酸水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満であり、かつ10%水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満である粘着層であることが好ましい。この場合には、粘着層に積層対象部材を貼り付けた状態で回路形成などのプリント配線板製造工程を実施することができ、製造工程が簡略化できる。
上記粘着層の260℃での重量減少は5%以下であることが好ましい。この場合には、粘着着層に積層対象部材を貼り付けた状態で半導体部品の半田付け実装を行うことができ、モジュールの製造工程がより一層簡略化される。
なお、上記重量減少は、23℃における上記粘着層の重量(初期重量)と、上記粘着層を、23℃から30℃/分で260℃まで昇温した後、260℃で2分間放置した後の上記粘着層の重量とから求められる。
上記絶縁層の熱伝導率は、好ましくは0.5W/m・K以上、より好ましくは1.0W/m・K以上である。上記絶縁層の熱伝導率が高いほど、積層構造体全体の放熱性がより一層高くなる。
上記粘着層の熱伝導率及び上記粘着層が硬化した絶縁層は、好ましくは0.3W/m・K以上、より好ましくは0.5W/m・K以上、更に好ましくは1.0W/m・K以上である。上記粘着層及び上記粘着層が硬化した絶縁層の熱伝導率が高いほど、積層構造体全体の放熱性がより一層高くなる。
上記粘着層の23℃での弾性率は、好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上、好ましくは1MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。上記粘着層の弾性率が上記下限以上及び上記上限以下であると、室温でのハンドリング性及び粘着性がより一層良好になる。
上記ベース基材の260℃での弾性率は、好ましくは0.001MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上、好ましくは1MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。上記ベース基材の弾性率が上記下限以上及び上記上限以下であると、粘着層の耐熱性が良好になり、半導体実装時などに粘着層とベース基材との密着性がより一層良好になる。
上記ベース基材の23℃での弾性率の上記粘着層の23℃での弾性率に対する比(ベース基材の23℃での弾性率/粘着層の23℃での弾性率)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上、好ましくは10以下、より好ましくは10以下である。弾性率の上記比が上記下限以上及び上記上限以下であると、積層構造体の打ち抜き加工などの加工性がより一層良好になる。
上記粘着層の弾性率は、回転型動的粘弾性測定装置を用いて、オシレーション歪み制御モード、開始応力10Pa,周波数1Hz,歪み1%の条件で測定される。回転型動的粘弾性測定装置としては、レオロジカインスツルメンツ社製「VAR−100」等が挙げら
れる。
上記ベース基材の弾性率は、万能試験機を用いてJIS K7111に準拠した曲げ弾性測定により測定される。
上記粘着層の上記ベース基材に対する粘着力は、好ましくは1N/cm以上、より好ましくは10N/cm以上、好ましくは100N/cm以下、より好ましくは50N/cm以下である。上記粘着層の上記ベース基材に対する粘着力が上記下限以上及び上記上限以下であると、ベース基材と粘着層との界面での剥離が効果的に抑えられつつ、貼り合わせ位置がずれた際などのリワークも良好に行うことができる。
上記粘着層の上記基材層に対する粘着力は、好ましくは0.1N/cm以上、より好ましくは1N/cm以上、好ましくは10N/cm以下、より好ましくは5N/cm以下である。上記粘着層の上記基材層に対する粘着力が上記下限以上及び上記上限以下であると、粘着層を積層対象部材に貼り付ける際に容易に基材層を剥離することができ、かつ基材層と粘着層との界面での意図しない剥離が効果的に抑えられる。
上記粘着層の上記ベース基材に対する粘着力及び上記粘着層の上記基材層に対する粘着力は、90度剥離試験を実施することにより測定可能である。
上記粘着層の厚みは特に限定されない。上記粘着層の厚みは好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。上記粘着層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、積層構造体の取扱性が高くなり、放熱性及び密着性がより一層良好になる。
上記絶縁層の厚みは特に限定されない。上記絶縁層の厚みは好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下である。上記絶縁層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、積層構造体の取扱性が高くなり、絶縁性及び放熱性がより一層良好になる。
上記ベース基材の厚みは特に限定されない。上記ベース基材の厚みは好ましくは30μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは5000μm以下、より好ましくは3000μm以下である。上記ベース基材の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、積層構造体の取扱性が高くなり、放熱性及び加工性がより一層良好になる。
上記基材層の厚みは特に限定されない。上記基材層の厚みは好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下である。上記基材層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、積層構造体の取扱性が高くなり、上記基材層の剥離が容易になり、取扱性がより一層良好になる。
上記積層構造体は、粘着層の外側の表面に銅張積層板を積層して、プリント配線板を作製するために好適に用いられる。また、上記積層構造体は、粘着層の外側の表面に銅張積層板を積層して、プリント配線板を得た後、該プリント配線板を切断して、個片化したプリント配線板を得るためにより好適に用いられる。
上記積層構造体は、上記プリント配線板又は個片化したプリント配線板を用いて、光半導体素子モジュールを得るために好適に用いられる。
(無機フィラー(C))
上記組成物A,Bは、無機フィラー(C)を含むことが好ましい。無機フィラー(C)
の使用により、粘着層及び絶縁層の熱伝導性がかなり高くなる。無機フィラー(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
粘着層及び絶縁層の熱伝導性をより一層高める観点からは、無機フィラー(C)の熱伝導率は好ましくは10W/m・K以上、より好ましくは15W/m・K以上、更に好ましくは20W/m・K以上である。無機フィラー(C)の熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率が300W/m・K程度である無機フィラーは広く知られており、また熱伝導率が200W/m・K程度である無機フィラーは容易に入手できる。
無機フィラー(C)は、アルミナ、合成マグネサイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、粘着層及び絶縁層の熱伝導性がより一層高くなる。
シリカ以外の無機フィラー(C)は、球状アルミナ、破砕アルミナ及び球状窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、球状アルミナ又は球状窒化アルミニウムであることが更に好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、粘着層及び絶縁層の熱伝導性がより一層高くなる。
無機フィラー(C)の新モース硬度は、好ましくは12以下、より好ましくは9以下である。無機フィラー(C)の新モース硬度が9以下であると、粘着層及び絶縁層の加工性がより一層高くなる。
粘着層及び絶縁層の加工性をより一層高める観点からは、無機フィラー(C)は、合成マグネサイト、結晶シリカ、酸化亜鉛、及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの無機フィラーの新モース硬度は9以下である。
無機フィラー(C)は、球状のフィラー(球状フィラー)を含んでいてもよく、破砕されたフィラー(破砕フィラー)を含んでいてもよく、板状のフィラー(板状フィラー)を含んでいてもよい。無機フィラー(C)は、球状フィラーを含むことが特に好ましい。球状フィラーは高密度で充填可能であるため、球状フィラーの使用により粘着層及び絶縁層の熱伝導性がより一層高くなる。
上記破砕フィラーとしては、破砕アルミナ及び破砕シリカ等が挙げられる。破砕フィラーは、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー又はボールミル等を用いて、塊状の無機物質を破砕することにより得られる。破砕フィラーの使用により、粘着層及び絶縁層中のフィラーが、橋掛け又は効率的に近接された構造となりやすい。従って、粘着層及び絶縁層の熱伝導性がより一層高くなる。また、破砕フィラーは、一般的に、通常のフィラーに比べて安価である。このため、破砕フィラーの使用により、組成物のコストが低くなる。
破砕フィラーのアスペクト比は特に限定されない。破砕フィラーのアスペクト比は、好ましくは1.5以上、好ましくは20以下である。アスペクト比が1.5未満のフィラーは、比較的高価であり、組成物のコストが高くなる。上記アスペクト比が20以下であると、破砕フィラーの充填が容易である。
上記破砕フィラーのアスペクト比は、例えば、デジタル画像解析方式粒度分布測定装置
(日本ルフト社製「FPA」)を用いて、フィラーの破砕面を測定することにより求めることが可能である。
無機フィラー(C)の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは40μm以下である。平均粒子径が上記下限以上であると、無機フィラー(C)を高密度で容易に充填できる。平均粒子径が上記上限以下であると、粘着層及び絶縁層の耐電圧性がより一層高くなる。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
絶縁層を形成するための材料として、エポキシ樹脂とアルミナとを含む組成物A(アルミナの含有量80重量%)を用意した。ベース基材として、アルミニウムにより形成されたベース基材(厚み1.0mm)を用意した。粘着層として、イミド骨格、シリコーン骨格、ネオペンチル骨格、脂環式骨格、芳香族骨格を有さないアクリル樹脂を含む組成物Bを用意した。基材層として、離型紙(住化加工紙社製「SLB−65W」、厚み65μm)を用意した。
組成物Aをベース基材上に厚み100μmで塗工し、90℃オーブンで30分乾燥した。その後、組成物Aのベース基材と対向する面に厚み30μmの銅箔を重ねあわせ、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間加熱圧着して、銅張積層板を形成した。また、組成物Bを離型紙上に厚み30μmで塗布した後、90℃オーブンで30分乾燥して、粘着層を形成した。この離型紙と粘着層との積層物を、上記銅張積層板のベース基材面に粘着層側から室温でラミネートすることにより、導電層と絶縁層とベース基材と粘着層と基材層とがこの順で積層されている積層構造体を得た。
(実施例2)
ベース基材の材質を、銅に変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例3)
絶縁層を形成するための材料として、エポキシ樹脂とアルミナとを含む組成物A(アルミナの含有量30重量%)を用意した。この組成物Aを用いて、絶縁層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例4)
絶縁層を形成するための材料として、エポキシ樹脂を含む組成物A(無機フィラーを使用せず)を用意した。この組成物Aを用いて、絶縁層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例5)
粘着層から基材層を剥離し、基材層を有さない積層構造体としたこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例6)
粘着層を形成するための材料として、シリコーン樹脂とアルミナとを含む組成物B(アルミナの含有量40重量%)を用意した。この組成物Bを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例7)
離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(リンテック社製「5011」)を用意した。
実施例6と同様の粘着層を形成したこと、並びに基材層を離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例8)
基材層として、離型PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム(帝人デュポン社製「テオネックスQ51−38」、厚み38μm)を用意した。
実施例6と同様の粘着層を形成したこと、並びに基材層を離型PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例9)
基材層として、ポリイミドフィルム(宇部興産社製「ユーピレックスR」、厚み50μm)を用意した。
実施例6と同様の粘着層を形成したこと、並びに基材層をポリイミドフィルムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例10)
粘着層を形成するための材料として、ポリイミド樹脂とアルミナとを含む組成物C(アルミナの含有量40重量%)を用意した。この組成物Cを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例11)
粘着層を形成するための材料として、ネオペンチル骨格を含むエポキシアクリレートとアルミナとを含む組成物D(アルミナの含有量40重量%)を用意した。この組成物Dを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例12)
粘着層を形成するための材料として、ネオペンチル骨格を含むエポキシアクリレートとアルミナとを含む組成物E(アルミナの含有量70重量%)を用意した。この組成物Eを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例13)
粘着層を形成するための材料として、ジシクロペンタジエン骨格を含むアクリル樹脂(脂環式アクリル樹脂)とアルミナとを含む組成物F(アルミナの含有量40重量%)を用意した。この組成物Fを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(実施例14)
粘着層を形成するための材料として、フェニル骨格を含むアクリル樹脂(フェニルアクリル樹脂)とアルミナとを含む組成物G(アルミナの含有量40重量%)を用意した。こ
の組成物Gを用いて、粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(比較例1)
粘着層を形成するための材料として、天然ゴムを含む組成物を用意した。この組成物を用いて、粘着層を形成したこと、並びにベース基材を、ガラスエポキシ基板に変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(比較例2)
粘着層ではなく、非粘着層を形成した。
非粘着層を形成するための材料として、ポリスチレンを含む組成物を用意した。この組成物を用いて、非粘着層を形成したこと、並びに非粘着層に基材層を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(比較例3)
粘着層及び基材層を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして、積層構造体を得た。
(評価)
(1)粘着力
上記粘着層の上記ベース基材に対する粘着力と、上記粘着層の上記基材層に対する粘着力とを、90度の角度で50mm/分の引張り速度で剥離した際の引き剥がし強さを測定することにより評価した。基材層に対する引き剥がし強さは積層構造体の基材層を引き剥がすことで測定した。ベース基材に対する引き剥がし強さは基材層を剥離した2つの積層構造体を粘着層面同士で貼り合わせ、それを引き剥がすことで測定した。
(2)耐酸性
10%の塩酸水溶液に基材層のあるサンプルは基材層をつけたまま1時間浸漬した後の粘着層のベース基材層に対する引き剥がし強さを評価することにより、粘着層の耐酸性を評価した。耐酸性を下記の基準で判定した。
[耐酸性の判定基準]
○○:浸漬後の粘着力が初期値の70%以上
○:浸漬後の粘着力が初期値の50%以上、70%未満
×:浸漬後の粘着力が初期値の50%未満
(3)耐アルカリ性
10%の水酸化カリウム水溶液に基材層のあるサンプルは基材層をつけたまま1時間浸漬後の粘着層のベース基材層に対する引き剥がし強さを評価することにより、粘着層の耐アルカリ性を評価した。
[耐酸性の判定基準]
○○:浸漬後の粘着力が初期値の70%以上
○:浸漬後の粘着力が初期値の50%以上、70%未満
×:浸漬後の粘着力が初期値の50%未満
(4)260℃での重量減少
23℃における上記粘着層の初期重量W1を測定した。上記粘着層を23℃から30℃/分で260℃まで昇温した後、260℃で2分間放置した後の上記粘着層の重量W2を
測定した。重量W1と重量W2とから260℃で加熱した後の重量減少を求めた。
[260℃での重量減少の判定基準]
○○:260℃での重量減少が3%以未満
○:260℃での重量減少が3%以上5%以下
×:260℃での重量減少が5%を超える
(5)弾性率
回転型動的粘弾性測定装置(レオロジカインスツルメンツ社製「VAR−100」)を用いて、オシレーション歪み制御モード、開始応力10Pa,周波数1Hz,歪み1%の条件で、粘着層の弾性率を測定した。
万能試験機を用いてJIS K7111に準拠した曲げ弾性測定により、長さ8cm、幅1cmの試験片を支点間距離6cm、速度1.5mm/分の条件で、ベース基材の弾性率を測定した。
(6)熱伝導率
熱伝導率計(京都電子工業社製「迅速熱伝導率計QTM−500」)を用いて、絶縁層の熱伝導率を測定した。
(7)放熱性
得られた積層構造体を同サイズの100℃に温度制御した表面平滑な発熱体に20kgf/cmの圧力で押しつけ、導電層の温度を熱電対により測定し、発熱体との温度差より下記の基準で放熱性を判断した。
[放熱性の判定基準]
○○:発熱体と導電層との温度差が3℃未満
○:発熱体と導電層との温度差が3℃以上、6℃未満
△:発熱体と導電層との温度差が6℃以上、10℃未満
×:発熱体と導電層との温度差が10℃以上
(8)打ち抜き加工性
得られた積層構造体を用いて、5cm角の正方形に打抜きすることにより、打ち抜き加工性を評価した。打ち抜き加工性を下記の基準で判定した。
[打ち抜き加工性の判定基準]
○:ベース基材と粘着層との界面で剥離なし
△:5cm角の打抜きサンプルの周辺部端面より1cm以内でベース基材と粘着層との界面で剥離
×:5cm角の打抜きサンプルの周辺部端面より1cm以上でベース基材と粘着層との界面で剥離
(9)ハンドリング性
得られた積層構造体を用いて、ハンドリング性を評価した。基材層を有する積層構造体については、基材層を有するままで、ハンドリング性を評価した。ハンドリング性を下記の基準で判定した。
[ハンドリング性の判定基準]
○:積層構造体が手に付着することなく、取り扱いが容易
△:積層構造体がわずかに手に付着し、取り扱いがやや難
×:積層構造体が手に強く付着し、取り扱いが困難
(10)貼り付け性
得られた積層構造体を用いて、基材層を剥離して、粘着層をステンレス板に室温で0.98N/cmの圧力で5秒押し付けた。その後ステンレス面を上側に積層構造体を下側に配置して、吊り下げながら24時間静置することにより、貼り付け性を評価した。貼り付け性を下記の基準で判定した。
[貼り付け性の判定基準]
○:24時間後、積層構造体が良好に密着
△:24時間後、積層構造体の一部が剥離(浮き)
×:24時間後、積層構造体が落下
(11)耐リフロー性
得られた積層構造体を用いて、(基材層があるものについてはそのまま)23℃から30℃/分で260℃まで昇温した後、260℃で2分間放置した後、上記粘着層のベース基材層に対する引き剥がし強さを下記基準で評価することで粘着層の耐リフロー性(耐リフロー貼り付け性)を評価した。
[耐リフロー性]
○○:加熱処理後の引き剥がし強さが初期値の70%以上
○:加熱処理後の引き剥がし強さが初期値の50%以上、70%未満
△:加熱処理後の引き剥がし強さが初期値の30%以上、50%未満
×:加熱処理後の引き剥がし強さが初期値の30%未満
実施例及び比較例の詳細及び評価結果を下記の表1,2に示す。
Figure 2013159097
Figure 2013159097
1…積層構造体
11…導電層
12…絶縁層
13…ベース基材
13a…第1の表面
13b…第2の表面
14…粘着層
15…基材層

Claims (7)

  1. 熱伝導率が10W/m・K以上であるベース基材と、
    前記ベース基材の第1の表面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記ベース基材側とは反対の表面に積層された導電層と、
    前記ベース基材の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された粘着層とを備える、積層構造体。
  2. 前記絶縁層の熱伝導率が0.5W/m・K以上である、請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記粘着層の前記ベース基材側とは反対の表面に積層されており、かつ前記粘着層の表面から剥離可能である基材層を備える、請求項1又は2に記載の積層構造体。
  4. 前記粘着層が、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層構造体。
  5. 前記絶縁層が、熱伝導率が10W/m・K以上である無機フィラーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層構造体。
  6. 前記粘着層が、10%塩酸水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満であり、かつ10%水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬した後の粘着力の低下が50%未満である粘着層である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層構造体。
  7. 前記粘着層の260℃での重量減少が5%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230038731A1 (en) * 2020-03-27 2023-02-09 Avary Holding (Shenzhen) Co., Limited. Covering film, and circuit board and manufacturing method

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