JP5906621B2 - 電子部品の製造方法及び固定治具 - Google Patents
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Description
金属ベース配線板に使用される金属板は配線板の部材としては、比較的高価であり、金属板の厚みが厚くなると、材料費が大きくなるほか、重量増、熱抵抗の増大などの課題が多くなる傾向にある。そのため、薄い金属板を使用することが軽量化、熱抵抗低減、コスト削減の点で好ましい。しかし、金属板が薄いと、フレキシブルになりすぎるため、回路加工、組立時の作業性が悪化する傾向にある。そのため、300μm以下の金属板を使用することはほとんど行われていない。
これに関連して、密着性を保つために、厚い両面粘着テープを使用することが挙げられる。しかし厚い両面粘着テープには熱抵抗を悪化させるとの問題があった。
<1> 電子素子、金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有する素子実装配線板の前記電子素子が実装された素子実装面上に、前記電子素子を受容する空間及び素子実装配線板に粘着する面を有する固定治具を配置する固定治具設置工程と、前記素子実装配線板の前記素子実装面とは反対側の面の前記支持用金属層上に、粘着剤層及びセパレータがこの順に積層された積層体を得る粘着剤層積層工程と、前記積層されたセパレータを前記粘着剤層との界面で剥離して粘着剤層面を露出するセパレータ剥離工程と、筐体に、露出した前記粘着剤層面が接するように前記素子実装配線板を貼付する貼付工程と、を含む電子部品の製造方法。
本発明の電子部品の製造方法は、電子素子、金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有する素子実装配線板の前記電子素子が実装された素子実装面上に、前記電子素子を受容する空間及び前記素子実装配線板に粘着する面を有する固定治具を配置する固定治具設置工程と、前記素子実装配線板の前記支持用金属層上に、粘着剤層及びセパレータがこの順に積層された積層体を得る粘着剤層積層工程と、前記積層されたセパレータを前記粘着剤層との界面で剥離して粘着剤層を露出するセパレータ剥離工程と、筐体に、前記露出した粘着剤層が接するように前記素子実装配線板を貼付する貼付工程とを含み、必要に応じて、例えば、電子素子、金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有する素子実装配線板を準備する準備工程等のその他の工程を含む。
従って前記製造方法は、配線板単体の強度が充分ではない場合、例えば配線板の厚みが薄い場合(例えば、600μm以下)や、配線板の形状が細長い矩形の場合(例えば、アスペクト比が10以上)に特に好適に適用することができる。
さらに素子実装面上に配置された固定治具が素子実装面に対して粘着性を有することで、前記セパレータ剥離工程におけるセパレータ剥離時の素子実装配線板にかかる応力を緩和することができ、素子実装配線板の変形を抑制することができる。
本発明の電子部品の製造方法は、電子素子、金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有する素子実装配線板を準備する準備工程を含むことができる。前記素子実装配線板は、図1に示すように、金属回路層11、絶縁層12、及び支持用金属層14をこの順に有する配線板31の金属回路層11上に電子素子40を導電性接続材料42を介して実装することで準備することができる。電子素子の実装方法は、通常用いられる方法から適宜選択することができる。例えば、金属回路層上に設けられた金属ペーストなどを介して実装される方法が用いられる。
半導体素子は例えば、半導体チップと、半導体チップ及び外部を電気的に接続する端子と、半導体チップを密封し保持する封止材とから構成される。前記端子としては、特に制限されず、例えば、銅などの導体や、はんだ等が用いられる。前記封止材としては、特に制限されず、エポキシ樹脂等が用いられる。なお、電子素子は、特開2007−110113号公報等に記載の方法等に準じて得ることができる。
半導体素子の具体例としては、LEDチップ、パワー半導体、CPU等を挙げることができる。
前記電子部品の製造方法は平均厚みが600μm以下である薄い配線板を用いた場合でも、優れた密着性と熱伝導性で素子が実装された配線板を筐体に粘着することができる。
前記電子部品の製造方法はアスペクト比が10以上である配線板を用いた場合でも、優れた密着性と熱伝導性で素子が実装された配線板を筐体に粘着することができる。
前記固定治具設置工程においては、前記素子実装配線板の電子素子が実装された素子実装面上に、固定治具を配置する。前記固定治具は、電子素子を受容する空間と素子実装配線板に接する面とを有し、素子実装配線板に接する面が粘着性を有する。
固定治具60が配線板31の素子実装面上に配置された状態の上面図(A)及び断面図(B)を図3に示す。図3に示すように、固定治具60の素子受容空間62には配線板31上の電子素子40が挿入され、固定治具60の粘着性を有する面が配線板31の素子実装面に接するように固定治具が配置される。
圧力を加える方法は特に制限されない。ローラー等の回転体を用いて加圧してもよく、板状や棒状、球状のもので加圧してもよく、さらに道具を用いずに手や指で直接加圧してもよい。このときの圧力は固定治具の粘着性等に応じて適宜設定できる。例えば0.1MPa〜50MPaとすることができ、1MPa〜20MPaであることが好ましい。
かかる構成の固定治具であることで配線板に実装された電子素子を保護しつつ固定治具を配線板に容易に貼り付けることができる。
また前記固定治具を配線板の電子素子が実装された側(金属回路層側)に設けることで、電子素子が実装された配線板を筐体に貼り付ける際の圧力が電子素子だけに加わることがなくなり、電子素子の脱落や損傷の発生が抑制される。また固定治具をロールや指で加圧して素子実装配線板を筐体に貼付することで、素子実装配線板の少なくとも素子実装部分以外のほぼ全面が加圧されるため、より高い密着性を得ることができる。
図4に示す固定治具60は、素子受容空間62として固定治具の厚み方向に貫通孔を有する。前記貫通孔は素子実装配線板上に実装された電子素子に対応するように独立して設けられている。これにより配線板と筐体との密着性をより向上させることができる。
図4の上面図(A)では素子受容空間62である貫通孔の断面が矩形の場合を示したが、矩形以外の多角形であっても円形又は楕円形等であってもよい。
図5の上面図(A)では素子受容空間62である非貫通孔の断面が矩形の場合を示したが、矩形以外の多角形であっても円形又は楕円形等であってもよい。
図6の右側面図(C)では素子受容空間62の断面が矩形の場合を示したが、矩形以外の多角形であっても半円形等であってもよい。
図7の右側面図(C)では素子受容空間62の断面が矩形の場合を示したが、矩形以外の多角形であっても四分円等であってもよい。
一方、図5〜図7のように固定治具60が素子受容空間62として凹みを有する場合、その凹みの深さは電子素子の高さの90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。固定治具が凹みの深さが電子素子の高さの90%以上であると、固定治具を加圧した場合に電子素子に応力が集中することを抑制することができる。
また固定治具を素子実装配線板上に配置した場合の固定治具と素子実装配線板の接触面積は特に制限されない。例えば接触面積は素子実装配線板の面積に対して30%以上とすることができ、40%以上であることがより好ましい。これにより素子実装配線板と筐体との密着性をより向上させることができる。
または、固定治具の本体は一層だけでなく、二層以上の多層構造にしてもよい。例えば、固定治具の配線板と対向する側に配置される層をゴム等の柔軟な層とし、それを支持する層として一般的なプラスチック板や金属板等のように、弾性変形し、かつ取扱に必要な強度を十分に有する材料の基材を用いて構成してもよい。
なお、ピール強度は引張試験機(テンシロン万能試験機等)を用い、JIS Z0237(2000)に準じて測定される。
前記粘着剤層積層工程では、前記素子実装配線板の前記支持用金属層上に、粘着剤層及びセパレータがこの順に積層された積層体を得る。粘着剤層を支持用金属層上に形成することで素子実装配線板を筐体に効率的に貼付することができる。粘着剤層積層工程においては、支持用金属層上に粘着剤層とセパレータとを順次積層してもよく、またセパレータ付き粘着剤層を準備し、粘着剤層が支持用金属層に接するようにセパレータ付き粘着剤層を積層してもよい。
図9には固定治具60の素子受容空間62に、配線板31の金属回路層(図示せず)上に実装された電子素子40が挿入され、固定治具60の一方の面が配線板31に接するように、固定治具60が配線板31の素子実装面上に配置された状態を示す。このような固定治具60が配置された配線板31に対し、図10に示すように、配線板31の固定治具60が接する面とは反対側の面の支持用金属層(図示せず)上に、セパレータ付き粘着剤層を粘着剤層16が支持用金属層に接するようにローラー70を用いて、セパレータ付き粘着剤層のセパレータ18側から配線板方向に加圧しながら積層する。これにより配線板31の支持用金属層上に、粘着剤層16とセパレータ18とがこの順に積層された積層体を得ることができる。
セパレータ付き粘着剤層を支持用金属層上に積層する方法として、図10にはローラー70を用いて加圧する方法を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、積層方法として公知の方法から適宜選択することができる。
粘着剤層は粘着剤の少なくとも1種を含んで構成される。粘着剤は、例えば、高分子量成分、タッキファイヤ及び必要に応じてその他添加物を含んで構成される。粘着剤を構成する高分子量成分として具体的には、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ブタジエンゴム、アクリルゴム、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
使用できる架橋剤は特に制限されないが、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、金属キレートなどが挙げられる。架橋剤を添加する場合の架橋剤の含有率としては例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体に対して0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.02質量%〜5質量%であることがより好ましい。架橋剤量が0.01%以上であると、長期間の密着保持性が充分に得られる。また架橋剤量が10%以下であると、粘着剤の凝集力が高くなりすぎずに優れた粘着特性が得られる。
前記セパレータは、前記粘着剤層上に設けられるものであり、必要に応じてその他の層を含んで構成されてもよい。前記セパレータの材質としては、PET、紙、金属箔等が挙げられるが、耐熱性の観点から紙や金属箔であることが好ましい。セパレータの厚みは特に制限されない。例えば5μm〜200μmであることが好ましく、9μm〜110μmであることがより好ましく、17μm〜80μmであることがさらに好ましい。厚みが5μ以上であると取扱性がより容易になる。また200μm以下であると加工性がより向上し、副資材のコストを削減できる。
セパレータ上に粘着剤層を設ける工程としては、粘着剤層形成に通常用いられる方法を特に制限なく適用することができる。例えば、セパレータ上に粘着剤を含む粘着剤層用組成物を塗布又はラミネートする方法等を挙げることができる。また、別の基材上に粘着剤層を形成した後、形成された粘着剤層をセパレータ上に転写してもよい。別の基材を用いる場合、例えば離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどが使用される。
プレス、ラミネートは当該技術分野で通常行なわれる方法から適宜選択して行うことができる。例えば、ラミネートとしては、シリコーンゴム被覆ロールを備えたラミネータを用いて、20℃〜50℃という条件で行うことができる。
セパレータ剥離工程では、配線板の支持用金属層上に粘着剤層を介して積層されたセパレータを粘着剤層との界面で剥離して粘着剤層を露出する。セパレータ剥離工程の一例を、図面を参照しながら説明する。
図11には、セパレータ18を電子素子40が実装された配線板31上に積層された粘着剤層16から剥離する工程の一例を示す。図11に示すように、セパレータ18はその長手方向の一方の端から他方の端に向けて、粘着剤層16から剥離される。
セパレータ18を配線板31上に積層された粘着剤層16から剥離する場合、セパレータ18を剥離する力により配線板31が変形する可能性がある。しかし本発明においては、このセパレータ剥離工程の前に予め粘着性を有する固定治具60が配線板31に接して配置されていることで、セパレータ18の剥離に起因する応力による配線板31の変形を防ぐことができる。ここで固定治具60は粘着性を有するために配線板に粘着されている。そして固定治具60の配線板31に対する粘着力が、セパレータ18の粘着層16からの剥離に起因する応力を上回ることで、配線板31が固定治具60からはずれることなく、セパレータ18のみを配線板31上に積層された粘着剤層16から剥離することができる。
前記貼付工程では、筐体に、セパレータ剥離工程で露出した粘着剤層が接するように素子実装配線板を貼付する。前記貼付工程の一例を、図面を参照しながら説明する。図12に示すように、固定治具60が配置された配線板31の支持用金属層上に形成された粘着剤層16が筐体50の被粘着面に接するように、固定治具60が配置された配線板31を筐体50に貼付する。固定治具60が配置された配線板31を筐体50に貼付する方法は特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択することができる。例えば固定治具60が配線板31の筐体50に接する面とは反対側の面、すなわち固定治具60が配置された面側から筐体50方向に加圧する方法を挙げることができる。
圧力の加え方にも制限はなく、ローラー等の回転体を用いて加圧してもよく、板状や棒状、球状のもので加圧してもよく、道具を用いずに手や指で直接加圧してもよい。
本発明の電子部品は、前記電子部品の製造方法を用いて製造される。前記電子部品は図2に示すように、電子素子40、金属回路層11、絶縁層12、支持用金属層14、粘着剤層16及び筐体50がこの順に積層されてなり、電子素子40が導電性接続材料42を介して金属回路層11上に実装されている。
前記電子部品は、本発明の電子部品の製造方法を用いて製造されることで、配線板31と筐体50との密着性と熱伝導性に優れる。
<配線板の作製>
回路形成用金属層として35μm厚の銅箔、10μm厚の絶縁層、支持用金属層として105μm厚の銅箔がこの順に積層されてなる配線板材料(日立化成工業社製、HT−9000IMC)の回路形成用金属層にエッチングレジストを設けた後、塩化第二鉄水溶液中で銅を溶解することで回路加工し、金属回路層とした。その後、金属回路層面上の所定箇所にソルダーレジストを印刷し、120℃90分間の熱処理により硬化した。次いで、6mm幅、100mm長に外形加工し、配線板を製造した。
配線板積層体の金属回路層に複数のはんだ(千住金属工業社製、ECO SOLDER PASTE Lead Free、M705、Sn−3.0Ag−0.5Cu、溶融温度220℃)とLED部品(Philips Lumileds Lighting社製、LXML−PWC1−0080、4.6mm長×3.2mm幅×2.1mm高)、コネクタ等を載せ、リフロー処理(最大260℃)することで、片面実装した素子実装配線板を得た。
3mm厚のアクリル樹脂(PMMA)の板に、両面粘着テープ(日立化成工業社製、ヒタレックスDA−3050、50μm)を貼り付けることで両面粘着剤層を積層し、両面粘着剤層上に微粘着テープ(日立化成工業社製、ヒタレックスA−1310、60μm)の基材面を貼り付けることで微粘着剤層を積層し、さらに離型PETフィルムを積層し、微粘着剤層付アクリル板を得た。次いで、微粘着剤層付アクリル板を7mm幅、150mm長に外形加工し、さらに5.6mm長、4.2mm幅の長方形の貫通孔を複数設けて、微粘着剤層付の固定治具とした。ここで貫通孔の中心は配線板に実装されるLED部品の中心と一致するように設けた。
なお、微粘着剤層付の固定治具の平均厚みは3.1mmであった。
また固定治具のヤング率を曲げ試験機(テンシロン万能試験機RTA−100、オリエンテック社製)を用いて測定したところ、3GPaであった。
微粘着剤層付の固定治具から離型PETフィルムを剥離し、固定治具の微粘着剤層を、素子実装配線板の金属回路層側に、実装されたLED部品が固定治具の貫通孔に挿入されるように位置合わせし、ハンドローラーにより加圧して貼り付けた。
固定治具を下敷きとして配線板の支持用金属層を上向きにして、支持用金属層に配線板と同形の両面粘着テープ(日立化成工業社製、ヒタレックスDA−3050、50μm)を貼り付けることでセパレータ付きの粘着剤層を積層した。固定治具を設けられていることにより、セパレータ付き粘着剤層を積層する際の応力による配線板の変形は見られなかった。
その後、粘着剤層から離型PETフィルムを剥離した。固定治具を設けられていることにより、離型PETフィルムを剥離する際の応力による配線板の変形は見られなかった。
粘着剤層の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて評価した。キセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH社製NanoflashLFA447)を用いて、粘着剤層を0.6MPaで挟んだ2枚の銅板(1mm厚)にキセノンフラッシュ光を照射し、裏面銅板の温度の時間依存性を測定し、3層モデルを解析することで粘着剤層の熱伝導率[W/mK]を評価した。次いで、熱抵抗を計算式(熱抵抗[℃・cm2/W]=10×粘着剤層の厚み[mm]/熱伝導率[W/mK])から評価した。ここで粘着剤層の厚みは、前記の熱伝導シートを0.6MPaで挟んだ2枚の銅板の厚みから、銅板の厚みを差し引いた値とした。
その結果、粘着剤層の熱伝導率は0.2W/mK、熱抵抗は2.5℃・cm2/Wであった。
筐体に固定治具を圧着して配線板を筐体に粘着した。なお、筐体にはアノダイジング処理したアルミ製ヒートシンクを用いた。この時、配線板の一方の端部(A)を筐体に設置し、他方の端部(B)を筐体から離した状態で、配線板の一方の端部(A)から、配線板の他方の端部(B)に向けて、固定治具の上から筐体方向にゴムロールで加圧し、かつ、他方の端部(B)を徐々に筐体に近づけながら、粘着した。
次いで、固定治具を配線板から剥離して、筐体に素子実装配線板が貼付された電子部品を得た。
ここで固定治具と配線板の間のピール強度を引張試験機(テンシロン万能試験機RTA−100、オリエンテック社製)を用いて測定したところ、0.1N/25mmであった。
LED部品に0.3A通電し続け、30分間経過後に、配線板の素子実装していない部分の温度T1と筐体の温度T2をサーモカメラ(アピステ社製、FSV−7000E)を用いて行い、配線板と筐体の温度差ΔT=T1−T2を評価した。その結果、配線板と筐体の温度差ΔTは5.5℃だった。
配線板の作製から粘着剤層の積層までを前記と同様に行った。筐体にガラス板を用いた以外は、前記と同様に配線板と筐体の粘着を行った。その後、ガラス板側から配線板を撮影した。粘着剤層とガラスが密着している部分は、密着していない部分よりもコントラストが低いため、画像処理において2値化し、密着面積率を評価した。その結果、粘着剤と筐体の密着面積率は80%であった。
まず、実施例1と同様に配線板の作製から素子実装まで行った。次いで、配線板の支持金属層を上向きにし、支持金属層に配線板と同形の両面粘着テープ(日立化成工業社製、ヒタレックスDA−3050)を貼り付けることで粘着剤層を積層した。しかし、貼り付けの応力により、LED部品と配線板の接続不良、LED部品の脱落、配線板の塑性変形等の問題が生じた。
次いで、粘着剤層から離型PETフィルムを剥離した。しかし、離型PETフィルムの剥離力に配線板が耐えられず、配線板の塑性変形が生じた。
12 絶縁層
14 支持用金属層
16 粘着剤層
31 配線板
40 電子素子
42 導電性接続材料
44 コネクタ
50 筐体
60 固定治具
62 素子受容空間
70 ローラー
Claims (7)
- 電子素子、金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有する素子実装配線板の前記電子素子が実装された素子実装面上に、前記電子素子を受容する空間及び前記素子実装配線板に粘着する面を有する固定治具を配置する固定治具設置工程と、
前記固定治具が配置された前記素子実装配線板の前記支持用金属層上に、粘着剤層及びセパレータがこの順に積層された積層体を得る粘着剤層積層工程と、
前記積層されたセパレータを前記粘着剤層との界面で剥離して前記粘着剤層を露出するセパレータ剥離工程と、
筐体に、露出した前記粘着剤層が接するように、前記固定治具が配置された前記素子実装配線板を貼付する貼付工程と、
を含む電子部品の製造方法。 - 前記貼付工程は、前記素子実装配線板の長尺方向の一方の端部が前記筐体に設置されて他方の端部が前記筐体から離れた状態から、他方の端部が前記筐体に接した状態になるまで、前記筐体に設置された前記素子実装配線板の一方の端部から前記素子実装配線板の他方の端部の方向に、前記素子実装面側から前記筐体方向に前記固定治具を介して前記素子実装配線板を加圧する領域を移動させて、前記素子実装配線板と前記筐体とを粘着することを含む請求項1に記載の電子部品の製造方法
- 前記素子実装配線板に配置された固定治具と、前記素子実装配線板との間のピール強度が1.5N/25mm以下である、請求項1又は請求項2に記載の電子部品の製造方法。
- 前記固定治具のヤング率が、0.1GPa〜1000GPaである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記固定治具の平均厚みが、前記金属回路層上に実装された前記電子素子の高さの80%以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記素子実装配線板の金属回路層、絶縁層及び支持用金属層の総厚みの平均値が50μm以上500μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 金属回路層、絶縁層、及び支持用金属層を少なくともこの順に有し、かつ平均厚みが600μm以下である配線板と、前記配線板の前記金属回路層上に実装された電子素子と、を有する素子実装配線板を、粘着剤層を介して筐体に貼り付ける際に、前記素子実装配線板の前記電子素子が実装された素子実装面上に配置されて用いられ、前記電子素子を受容する空間を有し、且つ前記素子実装配線板に接する面が粘着性を有する固定治具。
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