JP2013158884A - 基板研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板処理装置により研磨したブラスト材や削り屑などが、粉塵として装置内部で舞い上がることで、粉塵が爆発を引き起こす危険性が高くなる。また、従来装置では、粉塵が装置内部に舞うので基板の製造環境を高度の清浄度に保つことができない。
【解決手段】本発明の基板処理装置では、砥粒と液体との混合用液体をミスト状にして基板に噴射する噴射手段と、前記基板上の処理を行わない箇所の一部又は全部に保護用液体を供給して、液体層を形成して、混合用液体のミストから基板を保護する基板保護手段と、噴射後の前記混合用液体等を吸引する吸引回収手段と、前記噴射手段によるミスト噴射量、前記基板保護手段による保護用液体の供給量、前記吸引回収手段による前記混合用液体及び保護用液体等の吸引量を制御する第1制御手段とを備えることで、研磨を行わない領域に砥粒などが侵入するのを防止できるとともに、装置内部を清浄に保つことができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の基板処理装置では、砥粒と液体との混合用液体をミスト状にして基板に噴射する噴射手段と、前記基板上の処理を行わない箇所の一部又は全部に保護用液体を供給して、液体層を形成して、混合用液体のミストから基板を保護する基板保護手段と、噴射後の前記混合用液体等を吸引する吸引回収手段と、前記噴射手段によるミスト噴射量、前記基板保護手段による保護用液体の供給量、前記吸引回収手段による前記混合用液体及び保護用液体等の吸引量を制御する第1制御手段とを備えることで、研磨を行わない領域に砥粒などが侵入するのを防止できるとともに、装置内部を清浄に保つことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウェーハその他の半導体基板や液晶パネル基板、半導体用マスク等の基板に形成された薄膜その他の不要物を除去する基板処理装置及び基板研磨処理方法に関する。
近年、半導体ウェーハの配線幅の微細化とともに、半導体製造プロセスにおける更なる歩留まり向上が求められている。このため、従来は問題視されていなかった半導体ウェーハのエッジ、ベベル、端面で発生する膜剥れ、残渣、パーティクル、クラックなどの欠陥やダメージによる発塵の低減が求められている。一般にウェーハエッジ近傍に位置するダイ(半導体チップ)とウェーハ中央部のダイ(半導体チップ)の歩留まりを比較するとエッジ近傍の歩留まりが低い。この主な原因はエッジからの発塵であり、従来問題視されていなかった微小サイズのパーティクルが、上流プロセスでエッジに付着する。その後の工程において、パーティクルが、下流プロセスで飛散する。このように、パーティクルが、デバイスを汚染するため製品歩留まりに大きな影響を与える。また、デザインルールの精細化に伴い、フォトリソグラフィー工程での焦点深度が狭くなりフォーカスマージンの確保が難しくなっていることから、露光時のデフォーカス対策としてウェーハ裏面の凹凸や異物に対する要求が厳しくなりウェーハ裏面の洗浄も重要となっている。
一般的にウェーハの端面・ベベル近傍の断面形状は、曲面形状である。このため、成膜、エッチング、CMPなどの加工プロセスにおける膜厚管理やエッチングレートを制御することが困難である。半導体ウェーハのエッジ付近の断面を観察すると、異なる膜種が積層された層(積層膜と称する。)が存在する。その積層膜には、反応副生成物が不均一に存在している。さらに半導体素子の微細化や高集積化に伴いメタルゲート電極材料、High-k絶縁膜(高誘電率膜)、Low-k絶縁膜(低誘電率膜)、Cu配線など材料の多様化されるとともに積層膜の層数が増加している。これらの積層膜をエッチングするために用いるガスや薬液は、除去する薄膜材料の種類よって異なるものを使用する。このため、膜の種類に合わせたガス及び薬液の種類や濃度等を調整する必要がある。また、不均一な積層膜を除去する場合、ウェーハ表面の箇所によってエッチング速度が異なるので部分的に除去残が存在することがある。その除去残が、次のエッチングのマスクとして働き、ウェーハ表面の凹凸や膜残りが生じる。このため、従来のドライエッチング装置やウェットエッチング装置によりウェーハのエッジやベベルに残存する積層膜や残渣を非選択的に短時間で一括除去することは困難である。
このような問題を解消すべく、基板処理装置(特許文献1)が提案されている。特許文献1に記載の方法は、基板に高温スチームガス又はブラスト材を吹き付けて基板表面の端縁又は基板の裏面に形成された薄膜を除去するものである。この基板処理装置によれば、研磨パッドによる研磨方法とは異なり、基板回転方向に研磨痕が残ることもない。
また、別の基板処理装置(特許文献2)も提案されている。この基板処理装置では、砥粒と液体との混合用液体を圧縮空気によりミスト状にして基板に吹き付けて、基板の端面又は裏面に形成された不要な薄膜を除去できる。この基板処理装置では、ミスト状の混合用液体(以下単に「ミスト」と称する)により研磨処理を行わない箇所については、カバーにより基板平面を覆って、ミストがかからないようにするとともに、研磨を行わない領域側の圧力を、研磨を行う領域側に対して高い圧力とすることで、砥粒などが研磨を行わない領域(カバーで覆われた領域)に侵入するのを防止する。
従来の基板処理装置では、カバーにより基板平面を覆ってミストがかからないようにしている。これ加えて、カバー内部の圧力を高くして、この圧力差によって気流をつくって、研磨を行わない領域に砥粒などが侵入するのを防止することができる。しかし、侵入防止の効果は十分であっても、装置内部に発生したブラスト材や削り屑などの粉塵が、装置内部で舞い上がることになる。舞った粉塵が爆発を引き起こす危険性が高くなる。また、従来装置では、粉塵が装置内部に舞うので基板の製造環境を高度の清浄度に保つことができない。
本発明の基板処理装置の態様によれば、砥粒と液体との混合用液体を圧縮気体によりミスト状にして基板に噴射する噴射手段と、前記基板上の処理を行わない箇所の一部又は全部に保護用液体を供給することにより液体層を形成して、前記ミスト状の混合用液体から基板を保護する基板保護手段と、噴射後の前記混合用液体及び前記保護用液体を吸引する吸引回収手段と、前記噴射手段による前記ミスト状の混合用液体の噴射量、前記基板保護手段による保護用液体供給量、前記吸引回収手段による前記混合用液体等の吸引量を制御する第1制御手段と、を備えることを特徴とする。混合用液体混合用液体混合用液体。
本発明の基板処理装置では、基板保護手段による液体層により基板にミスト状の混合用液体がかからないようにするとともに、ミスト状の混合用液体や液体層を形成する保護用液体を使用後に吸引回収手段により回収するので研磨を行わない領域に砥粒などが侵入するのを防止する。また、研磨を行わない領域に砥粒などが侵入を防止するので、砥粒が基板上に残って、後の工程において歩留まりを低く抑えることができる。また、従来の気流により砥粒などの侵入を防止する従来基板処理装置と異なり、基板の処理を行わない領域側から基板の処理を行う側へ保護手段による液により砥粒を流して、砥粒や削り屑や液体、気体が混ざったものを吸引回収手段により回収するので、装置内部に粉塵が舞い上がることがない。このため、基板の製造環境を高度の清浄度に保つことができる。
噴射手段は、中空状の噴射ノズルを備える。噴射ノズルの内部で砥粒と薬液とを混合して混合用液体にする。さらに、噴射ノズル内部に圧縮気体を供給する。そうすると、噴射ノズル先端の噴射口から、圧縮気体で圧縮された混合用液体が噴霧化された状態で、基板の処理箇所に向けて噴射される。噴射された混合用液体は霧化される(ミストにされる)。ここで、噴霧化された砥粒と液体の混合用液体をミストと称する。ミストが基板処理面に到達した時点では、圧縮空気は膨張が完了していないと考えられる。この圧縮気体が基板と衝突したときに圧縮空気が膨張し、もしくは負圧キャビテーションが起こり、基板処理面に対して洗浄効果を発揮すると考えられる。
本発明の基板処理装置では、水もしくは薬品を含んだ液体と微小粒子である砥粒を混ぜて混合用液体(スラリ)として使用することができる。これにより、従来技術のように砥粒のみを噴射するのに比べて、砥粒と液体を噴射することで、基板に衝突後に反射して周辺への飛散するのを抑制できる。このため、研磨を行わない領域を保護しやすくなる。
基板保護手段は、基板表面に供給する保護用液体によって保護層を形成する。この保護層は、ミストによって基板が研磨されないように保護するものである。このように液体を供給することで砥粒衝突によって発生する摩擦熱を冷却する効果がある。また、砥粒と基板の摩擦によって発生する静電気が、保護用液体を伝ってアースされることになり、基板の帯電を防止できる。
基板保護手段は、基板表面と平行した面を有する保護部材を供える構成とすることができる。基板保護部材は、基板表面から僅かに離間し、基板表面と平行に設けられた平板面を備えている。基板保護部材は、基板平面の上方または下方を覆う平板(カバー)であり、ミストから基板を直接的に保護することができる。ここで、基板平面の上方とは、基板を平面上に載置した時に、基板表面(上面)の上方領域をいい、基板平面の下方とは、基板裏面(下面)の下方領域をいう。また、保護部材と基板表面との隙間に上記保護用液体を流入することで基板平面と基板保護部材との間に保護用液体を満たすことにより液体層を形成する。液体層は、吸引回収手段により強制的に吸引されるため、保護用液体は、基板上の処理を行わない領域側から基板上の処理を行う領域側へと流れる。仮に、基板上の処理を行う領域側から基板上の処理を行わない領域側に保護用液体が逆流すると、砥粒を含む液体が基板上の処理を行わない領域側に侵入することになる。このため、保護部材と基板との隙間に砥粒が侵入するのを防止する。これにより、非研磨領域を砥粒等や研磨にともなう塵埃等から保護することができる。
ここで、隙間は、0.5mmから1mm程度である。この隙間空間には、砥粒の逆流を防止する観点から、保護用液体が隙間や空気泡等がないように満たされるのが好ましい。保護用液体は、基板保護部材の平板面の基板に面した位置に設けられた開口部(液体流入口)より基板に向けて噴出される。噴出される液体量は、平板の面積などにもよるが、常時隙間が液体で満たされるとともに、基板の研磨を行わない領域に(基板保護部材の基板に面した平行平面の面積範囲を超えて)あふれ出ない程度が好ましい。なお、基板保護手段により供給される液体の給水量が少なくなると、基板に衝突して反射する砥粒や飛散した削り屑が装置内部に舞うため、基板保護手段による遮蔽効果が弱まり、基板の研磨を行わない領域に砥粒が付着して残る可能性がある。逆に、水の供給量が多いと処理面が多量の純水で覆われ砥粒衝突時の緩衝材として働き加工速度が著しく低下する。
基板保護手段により供給される保護用液体が基板処理面の残留付着物や削り屑を洗い流す。このため、噴射された砥粒が基板表面に付着した砥粒を基板内部に打ち込むという埋め込み残渣も極めて少なくなる。また、薄膜が除去された新生面を、保護用液体が瞬時に覆う(液体層を形成する)ためゴミや砥粒、削り屑が付着(再付着を含む)しにくくなる。また、基板保護手段により供給される保護用液体として被処理膜種に応じた薬品を用いることで2次加工が可能である。保護用液体の種類と、2次加工の種類は以下のようになる。
基板保護手段により供給される保護用液体は、純水または、薬液である。特に、薬液はHF・H2O保護用液体、NH4F・HF・H2O保護用液体、H3PO4・NHO3保護用液体、H2SO4・H2O2保護用液体、HCl・H2O2保護用液体、NH4OH・HsO2保護用液体、KOH・H2O保護用液体を採用するができる。
被処理基板の薄膜に応じた薬液を添加することでの表面化学作用によって処理面のラフネスを向上することができる。たとえば、薬液を硫酸加水(HF・H2O保護用液体)とすると、ウェーハ表面に酸化膜を形成することができる。薬液をエッチング液(NH4F・HF・H2O保護用液体)とすると、ウェーハ表面の酸化膜を取り除くことができる。薬液をリン酸溶液(H3PO4・NHO3保護用液体)とすると、ウェーハ表面のAlを取り除くことができる。薬液を硫酸加水(H2SO4・H2O2保護用液体)とすると、ウェーハ表面を洗浄することができる。薬液をSC-2(HCl・H2O2・H2O混合用液体)とすることで、ウェーハを洗浄することができる。これにより、処理面のパーティクル除去、金属汚染除去などの洗浄をブラスト処理と同時に行うことが可能である。
被処理基板の薄膜に応じた薬液を添加することでの表面化学作用によって処理面のラフネスを向上することができる。たとえば、薬液を硫酸加水(HF・H2O保護用液体)とすると、ウェーハ表面に酸化膜を形成することができる。薬液をエッチング液(NH4F・HF・H2O保護用液体)とすると、ウェーハ表面の酸化膜を取り除くことができる。薬液をリン酸溶液(H3PO4・NHO3保護用液体)とすると、ウェーハ表面のAlを取り除くことができる。薬液を硫酸加水(H2SO4・H2O2保護用液体)とすると、ウェーハ表面を洗浄することができる。薬液をSC-2(HCl・H2O2・H2O混合用液体)とすることで、ウェーハを洗浄することができる。これにより、処理面のパーティクル除去、金属汚染除去などの洗浄をブラスト処理と同時に行うことが可能である。
上記効果に加えて、本願発明ではさらに以下のような効果も有している。従来装置では、本発明の基板処理装置のように基板に保護用液体を流入する基板保護手段6を備えていない。このため、基板に砥粒であるSiCなどが基板表面に衝突する際に生じる摩擦熱の発生や静電気を帯びやすい。このため、デバイス素子のゲート絶縁膜破壊や真性寿命劣化など製品の信頼性に悪影響を及ぼす。これに対して、本発明の基板処理装置は、基板保護手段により基板表面に保護用液体を流入(供給)しながら、砥粒が処理面に衝突させるので、衝突による発熱は冷却され、静電気は水を伝って周辺機器にアースされることになる。
吸引回収手段は、噴射されたミスト(砥粒と液体の混合用液体、および混合気体)と、基板保護手段により供給された液体と、ミストにより研磨された際に発生した削り屑などの液体、固体、気体などを吸引して回収するものである。なお、吸引回収手段により回収した砥粒を、循環方式により再利用してもよい。このような場合には、ランニングコストを大幅に低減できる。
本発明の基板処理装置では、第1制御手段を備えて、噴射圧力の変動に伴い可及的に排気圧力を制御するフィードバック制御を行うことができる。具体的には、第1制御手段により、基板保護手段による液体の供給量と、噴射手段による薬液と砥粒の混合用液体に圧縮気体を加えたミストの噴射量と、研磨によって発生した削り屑と、を装置外に排出する吸引回収量とを所定の量となるように各種制御部に対して通信を行い、各種制御に対して動作命令を行うことで、圧力バランスを一定に保つことができる。
第1制御手段は、噴射手段によるミスト噴射量、基板保護手段による液体供給量、吸引回収手段による前記混合用液体等の吸引量を制御することができる。噴射手段によるミスト噴射量と基板保護手段による液体供給量との総量が、吸引回収手段による前記混合用液体等の吸引能力をはるかに超えると、ミストや液体が装置内に飛散する。そうすると、高清浄な環境を保つことができない。噴射手段によるミスト噴射量と基板保護手段による液体供給量との総量に対して、吸引回収手段による混合用液体等の吸引量がはるかに多いと、ランニングコストが余計にかかることとなる。よって、本発明の基板処理装置では、制御手段を備えることで、圧力バランスを考慮した基板処理ができる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記基板保護手段は、前記基板と離間し、基板と平行に配置された平板面を有する基板保護部材を有し、前記基板保護部材は前記基板に対して前記保護用液体を供給するスリット形状の液体供給口を備え、前記液体供給口から滴下又は噴射される前記保護用液体により、前記基板上の処理を行わない箇所と処理を行う箇所を隔てる液体層を形成することを特徴とする。
このような基板保護手段によれば、基板表面の上方に設けられる細長い長方形形状のスリット(隙間)から基板表面の処理を行う箇所と処理を行わない箇所の境界に、保護用液体を滴下もしくは圧力を加えて噴射する。保護用液体は、連続的に滴下又は噴射されることで、液体の壁(液体層)を形成する。保護用液体による壁(液体のカーテン)により基板表面(上面)の上方空間を基板の処理を行う領域と行わない領域とに隔離することができる。これにより、ミストから基板の処理を行わない箇所を保護することができる。ここで、保護用液体を滴下する基板上の箇所は、基板表面の処理を行う箇所と処理を行わない箇所の境界より基板上の処理を行わない領域側にずらした位置としてもよい。保護用液体が滴下する基板上の箇所は、ミストによる処理されないで保護されるためである。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記砥粒の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする。
従来の基板処理装置では、粒径の小さな砥粒(ブラスト材)は空気抵抗に対して質量が小さく、高速で噴射することができない課題がある。このため砥粒の粒子径をたとえば10μm以下にするとノズルから噴射される砥粒は周囲の空気抵抗を受けて著しく減速する。従来の基板処理装置では、微粒子を勢いよく噴射して迅速で強力な基板処理加工が行うことができないという課題がある。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記基板を保持する基板保持手段と、前記噴射手段と前記基板とを相対的に移動させる駆動手段と、前記噴射手段による混合用液体の噴射量に対して駆動手段による相対的な移動量を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
駆動手段は、基板を保持する保持部又は噴射手段のいずれかに備えられる。駆動手段は、基板の処理箇所に対してミストを噴射する位置を移動させるためのものである。駆動手段としては、ボールねじ軸とモータとによって構成される直動移動手段などの通常の駆動手段が用いられる。
第2制御手段は、噴射手段による混合用液体の噴射量と、駆動手段による相対的な移動量とを制御することができる。具体的には、制御手段は、噴射手段のバルブを開閉して混合用液体の流量の制御を行い、圧縮気体の流量の制御を行い、駆動手段のたとえばモータに対して所定の速度で所定の移動量だけ移動する制御を行う。これにより、基板の処理箇所の研磨量を所定の量となるように制御することできる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記混合用液体は、砥粒と水、又は砥粒と水と薬液とを混合した液体とすることを特徴とする。
特に、薬液としてはHF・H2O混合用液体、NH4F・HF・H2O混合用液体、H3PO4・NHO3混合用液体、H2SO4・H2O2混合用液体、HCl・H2O2混合用液体、NH4OH・HsO2混合用液体、KOH・H2O混合用液体を採用するができる。これら薬液による2次加工の効果は以下のとおりである。
被処理基板の薄膜に応じた薬液を添加することでの表面化学作用によって処理面のラフネスを向上することができる。たとえば、薬液を硫酸加水(HF・H2O混合用液体)とすると、ウェーハ表面に酸化膜を形成することができる。薬液をエッチング液(NH4F・HF・H2O混合用液体)とすると、ウェーハ表面の酸化膜を取り除くことができる。薬液をリン酸溶液(H3PO4・NHO3混合用液体)とすると、ウェーハ表面のAlを取り除くことができる。薬液を硫酸加水(H2SO4・H2O2混合用液体)とすると、ウェーハ表面を洗浄することができる。薬液をSC-2(HCl・H2O2・H2O混合用液体)とすることで、ウェーハを洗浄することができる。これにより、処理面のパーティクル除去、金属汚染除去などの洗浄をブラスト処理と同時に行うことが可能である。
これに対して、本発明の基盤処理装置では、砥粒と液体からなる混合用液体を圧縮気体によりミストにして噴射する。そうすると、微小粒子である砥粒と噴霧化された液体とを合わせた質量の物質に加速度がかかることから、砥粒だけを噴射した時に比べて空気抵抗に対して影響が少なくなる。このため、従来装置で使用していた砥粒より微小な砥粒を大きな力で噴射できる。砥粒の粒径は、小さいので基板処理面の凹凸は、砥粒の粒径が大きなときに比べて凸凹か少なく平らである(平面度が高い)。このため、たとえば10μm以下の微粒子砥粒であっても基板に勢いよく衝突するため緻密で無方向性の均一な処理面を得ることができる。
砥粒の粒子径が10μm以下とする理由は以下のとおりである。半導体ウェーハの直径が、8インチであったとき、表面粗さ(ラフネス)は、一般的にRa=240〜280nm程度とされていた。近年のウェーハサイズは、300mmである。その表面粗さは少なくともRa<240nmを満たす必要がある。基板の処理面が粗いと、ブラスト処理面に後工程でCVD膜、スパッタ膜を成膜した際の膜密着性劣化する。また、ブラスト処理後に、薄膜を付ける処理を行うときにボイド(微小空間)発生して、ブラスト処理後の工程において埋め込み加工時に不具合を生じることがある。また、大きな砥粒によりブラスト処理したことにより生じた基板表面の窪みに不純物がはまり込むことで、洗浄によるコンタミ除去が難しくなる。さらに、大きな砥粒によりブラスト処理したことにより生じた基板表面の窪みにより破砕層が深くなり、結晶欠陥が容易に発生しクラックやスリップの原因となるためである。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記砥粒をシリコンカーバイト、シリコン酸化物、アルミナ、樹脂、ガラス、ジルコニア、ダイヤモンドのいずれか、もしくはこれらの組み合わせとすることができる。
砥粒は、材質の違いにより質量と硬さが異なる。質量の大きいものを選択すれば、衝突時の力が大きい。質量の小さいものは衝突時の力が小さい。硬い材質の砥粒は、衝突時の変形量が大きい。軟らかい材質の砥粒は、衝突時の基板処理面の変形量が小さい。加工目的に応じて砥粒の材質を選択するのが好ましい。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記砥粒は、Na、Mg、Al、K、Ca、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y各元素のいずれかであり、各元素の不純物濃度が1ppm以下のものを採用することができる。
各元素の不純物濃度が1ppm以下とすることで砥粒の不純物が基板処理面へ転写を防止できる。砥粒に起因するコンタミネーションを低減することができる。各種不純物元素が1ppm以下の超高純度砥粒を用いることで基板への汚染を概ね5E10atoms/cm2以下に抑制できる。その結果、素子性能劣化を起こしにくくなる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記混合用液体は、砥粒の凝集を防止する凝集防止材が混合されることを特徴とする。
砥粒の凝集化または塊化防止性を有する界面活性剤などを混合することで、混合用液体中の砥粒密度が均一となる。これにより、基板の処理面を緻密で均一に加工できる。また、砥粒が凝集または塊化が防止されるので、噴射ノズルの噴射口で目詰まりを起こしにくい。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記混合用液体は、薬液に投入する砥粒の量を5〜30wt%の範囲とすることを特徴とする。
砥粒の濃度が5wt%より薄い濃度だと粒子数が少なく加工効率が低い。砥粒の濃度が30wt%より濃い濃度であると、粒子同士の衝突によりエネルギー効率が悪くなる。いずれにしても加工効率は低下する。薬液に投入する砥粒の量を5〜30wt%の範囲とすることで概ね良好な薄膜の除去が達成できる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記噴射手段を、基板表面の法線方向に対して噴射ノズルの砥粒噴射方向θを0<θ≦90°の範囲で搖動可能とする搖動手段を備えることを特徴とする。
噴射ノズルにより砥粒を基板平面に対して法線方向から噴射した場合、被処理基板に衝突して反射した砥粒は処理全面に拡散してしまう。一方、被処理基板から反射する砥粒が常に基板外周の集塵排気部に拡散するように傾けるとデバイスパターン面への飛散が起こりにくくなり基板表面の保護が容易に達成できる。また、噴流は、物体の表面にぶつかるとその物体の表面に沿って流れるという性質を有している。(コアンダ効果)砥粒が傾斜した入射角で噴射されていることから処理表面に沿って流れるように滑走し被処理基板の処理面積を広くすることができる。また、前記コアンダ効果により、バリ状の突起物の除去や処理表面のラフネス向上に有効である。搖動手段としては、モータの可動部に噴射ノズルを固定して設けるもの、エアシリンダなど通常のアクチュエータを使用することができる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記噴射ノズルの先端部に基板の処理を必要としない領域へのミストの飛散を抑制するカバー部材を備えることを特徴とする。
砥粒は角度分布をもってノズルより噴射される。このため砥粒の噴射ノズル先端部に遮蔽を防止するカバー部材として吸引口カバーを設けることができる。これにより、ミストがデバイスパターン面への飛散するのを抑制できる。吸引口カバーは、基板を平面状に設置した時、基板の一部もしくは全部であって、その表面、裏面側面をカバーで覆う部材であり、開口部を有する筐体形状の吸引口カバーの壁面には吸引回収手段へと配管される吸引管が設けられている。吸引口カバーにより飛散が抑制されたミストなどは吸引管を通じて吸引されるため、装置内部の清浄状態を保つことできる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、前記噴射手段を複数設けること特徴とする。
噴射手段の噴射ノズルを複数設置するにより処理時間を短くすることができる。また、粒度の小さいと砥粒では研磨エッチング力が弱いため、まず粒度が大きく加工力の強い砥粒によって処理した後に砥粒の粒度を段階的に小さくして処理を行う多段の基板処理ができる。たとえば、噴射ノズルを基板表面と基板裏面に向けて複数個設けることで、基板の表裏面を同時に研磨処理することができる。
また、複数の噴射ノズルに種類が異なる砥粒を供給することで、異なる基板処理を同時にもしくは平行して行うことができる。2種類の工程を並行して行うことができ、工程の時間短縮ができる。
本発明の基板処理装置の別の態様によれば、基板処理面に多波長の光を照射する発光素子と、前記処理面で反射した多波長の光を受光する受光素子と、受光素子が受けた基板からの反射光に基づいて反射率を算出する手段を備えること特徴とする。
多層配線プロセスでは、ウェーハエッジ・ベベル・裏面の多層薄膜構造を研磨エッチングする際に金属膜と絶縁膜の単層が除去されたところで研磨エッチング過程を停止することが要望されている。例えば、配線材料にCuを用いたプロセスの場合、積層膜を完全に除去して基板シリコンが露出してしまうと基板表面のみでなく内部までCuが拡散されてデバイス性能劣化や特性に悪影響を与える。Cuの汚染対策は、シリコンへの拡散係数が他の遷移金属よりも大きいのでコンタミネーション制御の観点から非常に重要でありエッチング過程をモニタしながらバルクシリコン上の絶縁膜を僅かに残して処理を停止させることが望まれている。特に固定砥粒や遊離砥粒を用いて比選択的に薄膜を除去する場合、金属膜と絶縁膜の高い研磨エッチング速度比は得られるものではなく、研磨が過剰に行われるとシリコンが容易に露出するためエッチングの終了点(エンドポイント)を正確に検出する技術が強く求められている。
そこで、本発明の基板処理装置では、処理面の研磨量を観察検査するため、処理面に光を照射して、その反射光を検出する検出手段(センサ)を装置内に設けることができる。反射光の検出手段は、処理面の反射光をリアルタイムで測定(検出)する。その検出結果は演算手段に送られ、その検出結果情報に基づき演算手段により反射率が算出される。算出結果は、制御手段に送られる。制御手段は、算出結果に基づいて、基板の研磨量が所定の値に達していない箇所を有するか否かの判別を行う。制御手段は、噴射手段などの制御部と通信を行い、所定の値に達していないと判別された箇所について再度研磨を行うように命令(コマンド)を送信する。本実施例の基板処理装置によれば、基板表面を均一に研磨が可能となる。制御手段は、第1制御手段や第2制御手段と一体に設け、または、第3制御手段として物理的に切り離して別途設けてもよい。
本発明の基板処理装置によれば、10μm以下の微粒子砥粒を減速させることなく、および研磨処理を必要としない領域に削り屑や飛散粒子が侵入することなく、良好な基板表面処理を行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の基板処理装置1を示す断面図である。Wは、半導体ウェーハ等の基板である。2は、スラリ撹拌槽59(図2を参照)から噴射ノズル4にスラリ(砥粒と薬液の混合用液体)を供給するスラリ供給経路である。3は、コンプレッサ69(図2を参照)から噴射ノズル4に圧力気体を供給する圧縮気体供給管である。6は、噴射されたミスト状の混合用液体から基板表面を保護する基板保護手段である。Lは、基板保護手段6を介して基板保護手段6と基板との隙間に供給される保護用液体である。5は、基板保護手段6と基板Wの隙間に保護用液体を供給する液体供給管である。7は、噴射ノズル4を支持する支持部材である。8は砥粒(ミスト)を基板に噴射したときに発生する削り屑、飛散粒子、保護用液体Lを吸引及び回収する吸引回収手段54の吸引口カバーである。
図1は、本発明の基板処理装置1を示す断面図である。Wは、半導体ウェーハ等の基板である。2は、スラリ撹拌槽59(図2を参照)から噴射ノズル4にスラリ(砥粒と薬液の混合用液体)を供給するスラリ供給経路である。3は、コンプレッサ69(図2を参照)から噴射ノズル4に圧力気体を供給する圧縮気体供給管である。6は、噴射されたミスト状の混合用液体から基板表面を保護する基板保護手段である。Lは、基板保護手段6を介して基板保護手段6と基板との隙間に供給される保護用液体である。5は、基板保護手段6と基板Wの隙間に保護用液体を供給する液体供給管である。7は、噴射ノズル4を支持する支持部材である。8は砥粒(ミスト)を基板に噴射したときに発生する削り屑、飛散粒子、保護用液体Lを吸引及び回収する吸引回収手段54の吸引口カバーである。
図2は、本発明の基板処理装置を示す説明図である。以下、図面を参照にして本発明の実施の形態について説明する。Wは、本発明の基板処理装置の処理対象物である基板である。本発明の基板処理装置1は、基板Wの上面縁部の上方に離間した位置に噴射ノズル4と基板保護手段6を設置する。
54は、研磨処理対象物である基板Wに砥粒を含むミストが衝突して生じる削り屑や飛散粒子とともに、基板保護手段6より供給される保護用液体(純水など)を吸引排出する吸引回収手段である。53は、吸引圧力調整部である。55は吸引管である。吸引口から吸引回収手段54までの間の吸引管55に吸引圧力計52及び吸引圧力を調整する吸引圧力調整部53を設けることができる。吸引管55は保護用液体Lやスラリ79の液体のみの通過経路と異なり、大量の気体含む液体を吸引するため圧縮や膨張による圧力変動が大きくなる可能性がある。本実施例のように、吸引圧力計52及び吸引圧力調整部53を設けることで、吸引の圧力と圧縮気体の流量、圧力および基板保護用の純水流量とが所望の割合とすることができる。これにより、本発明の基板の表面保護が容易になり、均一で緻密な処理面の加工ができる。
6は、基板上の研磨処理を行わない箇所(一部または全部)を、ミストから保護する基板保護手段である。基板保護手段6は、液体供給装置70から液体供給管5を介して保護部材6から保護用液体を放出するものである。保護部材6aは、基板Wの表面に対して平行した面を有しており、基板表面から離間した位置に設置される。保護部材6aによりおおわれた基板の箇所は、噴射されたミストが直接衝突することがない。さらに、保護部材6aと基板Wとの隙間に保護用液体を流すことで、隙間に砥粒や削り屑や飛散粒子が侵入するのを防止することができる。保護用液体を流す方向は、図中矢印Aで示す方向であり、基板上で保護を要する箇所側から研磨処理を行う箇所に向かって流す。液体供給管5には、電磁バルブ71、流量計73による測定結果に応じて流量を所定の値とするように流量調整手段72などを作動させて流量の制御を行う流量制御部84、流量計73を設けることができる。これらの機器により、適正な量の保護用液体を供給できる。
59は、液体と平均粒子径10μm以下の微粒子砥粒を混合した懸濁液に凝集防止材を添加したスラリ(砥粒と薬液からなる混合用液体)を貯蔵及び撹拌するスラリ攪拌槽である。スラリ供給管2には、スラリ用電磁バルブ62、スラリ流量の調整を行うスラリ流量調整部61、スラリ用流量計64、逆流防止弁63を設けることができる。スラリ攪拌槽59には、スラリ79中の液体と砥粒を所定割合に維持する攪拌翼60が設けられている。これにより、攪拌翼60の回転により砥粒が沈降することなく供給できる。
本発明の基板処理装置に噴射ノズル4の噴射角度を揺動する噴射角度調整手段78を設けることができる。この噴射角度調整手段78を作動することで、被処理基板Wの処理面に対して噴射方向(入射角θ)を鉛直方向から0°<θ≦90°の範囲で任意に変更できる。
69は、噴射ノズル4に圧縮気体供給管3を介して圧縮気体を供給するコンプレッサ69である。圧縮気体供給管3には、流量計65、マスフロー流量調整部66、電磁バルブ67、レギュレーター68を設けることができる。これにより、圧縮気体の供給量と吸引量との圧力バランスを高いレベルで安定して適正な状態に維持することができる。なお、圧縮気体は、例えば、圧縮空気、圧縮した不活性ガス、たとえば窒素ガス、アルゴンガス、その他炭酸ガスなどを使用することができる。圧縮気体は複数種類を混合して使用しても良い。砥粒や混合用液体は、除去する対象の薄膜に応じて適切な材料を使用することが望ましい。
図3は、本発明の基板処理装置1bを示す一部切欠き組み立て図である。なお、(図中の基板保護手段6は、吸引口カバー8の内部の様子を説明するために、吸引口カバーから切り離して基板の上方に持ち上げた状態を示している。基板Wは、(図示しない)基板保持手段により水平に保持されている。基板Wの一部Wbは、吸引口カバー8の開口部(高さ3〜4mm、横幅150mm)に挿入されている。基板Wの図中斜線で示す範囲Wbが開口部から吸引カバー8内に挿入されている領域である。と示す本実施例では基板Wは、端部から基板中心方向に20mm程度吸引口カバー8の内部に挿入されている。基板の厚みは、2mm程度であり、基板の直径は300mm程度である。この基板を本実施例では、吸引口カバー8に基板保護手段6の保護部材6aと(図示しない)噴射ノズル4が一体に設けられている。基板保護手段6は、液体供給管5を介して吸引口カバー8と基板Wとの間の隙間に純水を滴下する。保護用液体を滴下する基板上の箇所は、基板端部から中心に向かって15mmの箇所である。吸引カバー8の天井面8aは、基板Wに対して平行となるように設けられている。吸引カバー8の天井面8aから基板Wの上面までの距離は、0.5mmから1mm程度であり望ましくは0.6mm〜0.7mm程度である。また吸引カバー8の底面8bから基板Wの裏面までの間の隙間も同様である。本実施例の吸引口カバー8は、ホース(吸引管55:内径32mm)を介して吸引回収手段54であるバキュームポンプへ配管されている。バキュームポンプによる吸引量は毎分2〜10立方メートル程度が好ましい。
図4を参照して後述するように、基板保護手段6の保護用液体の供給口6aは、短辺1mm、長辺140mm程度の細長いスリット状となっている。供給口6aの形状は細長いスリットに限定されず、たとえば、供給口に多孔質部材を設けて保護用液体の供給(滴下)範囲に純水を基板平面に平均的に滴下できる構成とすることもできる。本実施例では、基板保護手段6の液体供給管5により供給される保護用液体の量は、1〜5L/minである。この供給量は、スリット全体から連続的に保護用液体Lが滴下される。これにより、吸引カバー8と基板8との間に保護用液体の壁La(液体層)を形成することができる。図中矢印V1が示す領域は、基板の処理を行う側の上部領域を示す。図中矢印V2が示す領域は、基板の処理を行わない側の上部領域を示す。この保護用液体の壁Laは、V1とV2の領域に保護用液体の隔壁の役割をする。液体層は、吸引排気手段により吸引される。
図5は、本発明の基板処理装置の制御ブロックを示す説明図である。81は、基板保護手段6によって混合用液体や保護用液体等を吸引する際に、吸引圧力計52で吸引圧力を計測した結果である電気信号を受けて吸引圧力調整として開閉度合いを調整する吸引圧力制御部である。82は、スラリ用流量計64で流量を計測した結果である電気的信号を受けてスラリ流量調整部61によりスラリの流量を調整して所定の流量とするスラリ流量制御部である。83は、流量計65により噴射ノズル4に圧縮気体の供給流量を計測した結果である電気信号を受けてマスフロー流量調整部66により流量を調整して所定の流量とするマスフロー流量制御部である。84は、基板保護手段に供給する保護用液体の供給量を調整して所定の流量となるようにする流量制御部である。85は、基板保持部の上部に載置された基板を、基板の上方箇所に設置された噴射ノズルに対して相対的に移動させて位置制御を行う位置制御部である。86は噴射角度調整手段78モータを作動して、被処理基板Wの処理面に対して噴射方向(入射角θ)を鉛直方向から0°<θ≦90°の範囲で任意に駆動制御を行う角度調整制御部である。本実施例において噴射角度調整手段78は、モータであり、モータの回転シャフト先端に噴射ノズル4を固設して備える。
制御手段90は、各制御部とデータの共有、信号の授受を行うための通信手段を備える。通信手段は、RS23C iEEE、あるいは、有線、無線でも、セキュリティー上の問題を解決しておけばよい。制御手段は、CPU90a、RAM90cと、基板処理工程の管理、データベースを管理するデータベース管理を行う記憶部90b等に分離してもよい。なお、本実施例では、第1制御手段と第2制御手段とを合わせて制御手段90としているが、第1制御手段と第2制御手段を分離して、別々のものとして備える構成とすることもできる。
CPU90aは、記憶部90bに格納された処理プログラム等を読み出して、RAM90cに展開して実行することにより、基板処理装置1全体の制御を行う。
RAM90cは、CPU90aにより実行された処理プログラム等を、RAM90c内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
記憶部90bは、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部90bは、CPU90aが基板処理装置1全体を制御する機能を実現させるための各種データ、基板処理プログラム90d等の各種処理プログラム及びこれらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶している。
基板処理プログラム90dは、CPU90aに、アクチュエータ等への動作命令、アクチュエータやセンサからの環境情報、処理工程の有無情報に基づいて処理対象となる基板を各種処理する機能などを実現させるためのプログラムである。
図6は本実施例のスラリ砥粒の質量パーセント濃度と加工レートの関係を示したグラフである。横軸は炭化ケイ素(SiC)の質量パーセント濃度(wt%)を示す。縦軸は、加工レートを示す。図6のグラフは、質量パーセント濃度が5%、10%、20%のSiCを用いて加工レートを測定した結果である。なお、本実験例の被処理基板Wは、減圧CVD装置で300mmシリコンウェーハに窒化膜を200nm成膜したサンプルを使用している。この基板WにSiC粒子による湿式ブラスト処理を施した際の深さから加工レートを算出したものである。
図7は本実施例の噴射エアー圧力と加工レートの関係を示したグラフである。図4で示す実施例と同様に、被処理基板Wは、減圧CVD装置で300mmシリコンウェーハに窒化膜を200nm成膜したサンプルを使用している。この基板W(半導体ウェーハ)にSiC粒子による湿式ブラスト処理を施した際の研磨された深さから加工レートを求めた。湿式ブラスト処理において、砥粒の粒子径が同じ場合には、濃度又は圧縮気体の加速力を大きくすると加工レートの測定値が大きくなっていることがわかる。つまり、濃度や圧縮気体の圧力が増せば、それだけ加工力が大きくなる。本実験結果から高精度で均一な処理を達成するためには圧縮気体の圧力やスラリ濃度を常に設定値に制御することが重要であることが分かる。この観点から、本実施例では圧縮気体の供給経路にマスフロー流量制御機構を設置する構成とすることができる。これにより、流量が極めて高精度に制御でき、この流量制御に伴って圧力変動も可及的に抑制することができる。
図8は、本発明の基板処理装置の反射光の検出手段100を示す側面図である。114は基板処理面に多波長の光を照射する発光素子である。115は、基板表面で反射した多波長の光を受光する受光素子である。116は、基板の反射率をリアルタイムに算出する演算手段である。その算出した結果を(図示しない)制御手段90に伝達する。その後、制御手段により所定の研磨量であるか否かを判定することができる。それとともに、ミスト噴射量及び吸引回収量等を継続するか停止するかも判定することができる。停止する場合(事前に操作者またはプログラムなどにより設定された研磨量に達していると判定した場合)には、制御手段90は、各制御部を介して各種手段を停止などの電気的信号(コマンド)を送る。
半導体ウェーハの場合、ウェーハを回転させるとともに処理面に多波長の光を照射し、ウェーハ端面のノッチ位置を0度とし、0度から360度の位置で得た反射率の角度依存をプロットして波形データを得る。この反射率の変化から残膜有無を判断し、さらに、角度位置情報から不均一に残った膜が存在する箇所を選択的に研磨エッチングする。
W 基板
L 保護用液体
1 基板処理装置
2 圧縮気体供給管
3 スラリ供給管
4 噴射ノズル
5 液体供給管
6 基板保護手段
7 支持部
8 吸引回収手段
L 保護用液体
1 基板処理装置
2 圧縮気体供給管
3 スラリ供給管
4 噴射ノズル
5 液体供給管
6 基板保護手段
7 支持部
8 吸引回収手段
Claims (13)
- 砥粒と液体との混合用液体を圧縮気体によりミスト状にして基板に噴射する噴射手段と、
前記基板上の処理を行わない箇所の一部又は全部に保護用液体を供給することにより液体層を形成して、前記ミスト状の混合用液体から基板を保護する基板保護手段と、
噴射後の前記混合用液体及び前記保護用液体を吸引する吸引回収手段と、
前記噴射手段による前記ミスト状の混合用液体の噴射量、前記基板保護手段による保護用液体供給量、前記吸引回収手段による前記混合用液体等の吸引量を制御する第1制御手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。 - 前記基板保護手段は、前記基板と離間し、該基板と平行に配置された平板面を有する基板保護部材を有し、
前記基板保護部材は前記基板に対して前記保護用液体を供給するスリット形状の液体供給口を備え、
前記液体供給口から滴下又は噴射される前記保護用液体により、前記基板上の処理を行わない箇所と処理を行う箇所を隔てる液体層を形成することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記基板を保持する基板保持手段と、
前記噴射手段と前記基板とを相対的に移動させる駆動手段と、
前記噴射手段による混合用液体前記ミスト状の混合用液体の噴射量と、前記駆動手段による相対的な移動量とを制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記混合用液体は、砥粒と水、又は砥粒と水と薬液とを混合した液体とすることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記砥粒の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記砥粒は、シリコンカーバイト、シリコン酸化物、アルミナ、樹脂、ガラス、ジルコニア、ダイヤモンドのいずれかであることを特徴とする請求項1又は5のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記砥粒は、Na、Mg、Al、K、Ca、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Yのいずれかの元素であり、各元素の不純物濃度が1ppm以下であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記混合用液体に、砥粒の凝集を防止する凝集防止剤が混合されることを特徴とする請求項1、5、6、7のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記ミスト状の混合用液体は、薬液に投入する砥粒の量を5〜30wt%の範囲とすることを特徴とする請求項1、5、6、7、8のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記噴射手段を、基板表面の法線方向に対して噴射ノズルの砥粒噴射方向θを0<θ≦90°の範囲で搖動可能とする搖動手段を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記噴射ノズルの先端部に基板の処理を行わない領域へのミストの飛散を抑制するカバー部材を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 前記噴射手段を複数設けること特徴とする請求項1から11のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
- 基板処理面に多波長の光を照射する発光素子と、前記処理面で反射した多波長の光を受光する受光素子と、前記受光素子が受けた基板からの反射光に基づいて反射率を検出する検出手段と、検出手段からの検出結果を基に反射率を算出する演算手段とを備えること特徴とする請求項1から12のいずれかの請求項に記載の基板処理装置。
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