JP2005044920A - 基板の加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板保持手段12により被加工物Wを保持しながら回転させ、ノズル14の先端より加工液供給手段18から供給される遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させながら、ノズル移動手段16によりノズル14を被加工物の表面に沿って移動させ、被加工物Wの表面に加工液当てて、この被加工物を加工する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板の加工方法及び加工装置に係り、特に、半導体集積回路の層間膜等の平坦化プロセスに好適に適用できる基板の加工方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路のデザインルールの縮小化に伴って、層間膜等の平坦化プロセスに化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )が多用されるようになってきた。このCMPによるウェーハの研磨は、回転する研磨パッドにウェーハを回転させながら所定の圧力で押し付け、その研磨パッドとウェーハとの間に研磨剤スラリーを供給することにより行われる(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−54854号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のCMPでは、以下に列挙するような各種の不具合点が指摘されており、この不具合点の対処法を各社が探求しているのが現状である。
【0005】
第1に、研磨パッドの管理が必要な点である。研磨パッドは、使用に伴い目詰まりを生じ、研磨性能が劣化して行く。これに対処すべく、ドレッシング等の処理が不可欠となる。
【0006】
第2に、CMPは化学的機械研磨法であり、研磨による傷、スクラッチ等の欠陥を生じ易い。たとえば、研磨パッドに目詰まりを生じたり、研磨剤スラリーに異物が混入したりした場合には、容易に傷、スクラッチ等の欠陥を生じることとなる。
【0007】
第3に、研磨時の加工圧、研磨パッドの硬度、研磨パッドの厚さ、基板(ウェーハ等)の材質等との相関で、基板のエッジ形状が不適切な形状(主に縁ダレ)となることが多い。
【0008】
第4に、研磨パッドは消耗品であり、所定の頻度で交換しなければならず、コスト的に不利である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ウェーハ等の基板の表面を所望の形状(主に平坦)に加工する除去加工において、品質面(加工精度、チッピング等の欠陥のないこと)とコスト面(加工速度、装置コスト)との両方を満足させることができる基板の加工方法及び加工装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、基板の基板表面より所定距離の位置に配置されたノズルより遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、該加工液を前記基板の表面に当てることにより、前記基板を加工することを特徴とする基板の加工方法、及びこれに使用される加工装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、基板の表面に当てることにより、この基板を加工できる。すなわち、CMP等の研磨加工と異なり、研磨パッド等を使用せずに基板を加工できる。これにより、品質面(加工精度、チッピング等の欠陥のないこと)とコスト面(加工速度、装置コスト)との両方を満足させることができる材料加工が行える。
【0012】
本発明において、前記基板を回転させるとともに、前記基板の表面に沿って前記ノズルを移動させることが好ましい。このように、基板を回転させながらノズルを移動させるのであれば、基板の表面の全面を漏れなく加工できるからである。
【0013】
また、本発明において、前記ノズルを移動させる移動手段は、前記ノズルより噴出される前記加工液が、前記基板の表面の略全面で均一に当るように前記ノズルの移動速度を制御することが好ましい。基板を回転させるとともに、基板の表面に沿ってノズルを一定速度で移動させると、基板の中心部分と周縁部分での加工量に差を生じることとなる。これに反し、たとえば、基板の中心部分でのノズルの移動速度を大とし、基板の周縁部分でのノズルの移動速度を小とするように制御すれば、基板表面の全面の加工速度を均一にできる。
【0014】
また、本発明において、前記ノズル移動手段に装備され、前記ノズルと前記基板の表面とがなす傾斜角度を可変とする傾斜角度調整手段を備えたことが好ましい。基板の形状、材質、加工条件等によっては、ノズルと基板の表面とがなす傾斜角度を所定の値に設定することが望ましい。このような場合に、傾斜角度を可変とする傾斜角度調整手段を備えていれば便利だからである。
【0015】
本発明において、好ましい加工条件として、前記加工液の液滴粒径が1μm以上500μm以下であり、前記加工液の霧粒を10m/秒以上500m/秒以下の速度で噴出させる条件が採用できる。
【0016】
同様に、好ましい加工条件として、前記加工液をノズルより噴出させるべく1MPa以上50MPa以下に加圧する条件が採用できる。
【0017】
なお、本発明は、基板の材質として、延性材料、脆性材料、又は、弾性材料、塑性材料等、特に制限なく適用できるが、基板が脆性材料である場合に顕著な効果が得られる。ここで「脆性材料」とは、塑性変形を起こさない材料であり、シリコンウェーハ、各種酸化物ウェーハ、セラミックス基板、ガラス基板等で代表されるものである。
【0018】
ちなみに、本発明と類似する技術として、アブレイシブウオータージェット加工が公知であるが、この技術は主に切断、溝掘り加工等に適用されるもので、本発明と目的、構成及び効果の全ての点で相違する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る基板の加工方法及び加工装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明の基板の加工装置10の概要を示す概念図である。図2は、図1の部分側面図である。
【0020】
図1に示されるように、基板の加工装置10は、基板であるウエハWを保持しながら回転させる基板保持手段12と、先端より遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、この加工液をウエハWの表面に当ててウエハWを加工するノズル14と、ウエハWの表面に沿ってノズル14を移動させるノズル移動手段16と、加工液をノズル14に供給する加工液供給手段18等より構成される。
【0021】
基板保持手段12は、図2に示されるように、ウエハWの周縁部の3箇所を保持するように設けられたガイドローラ20より構成される。このガイドローラ20は、プーリ形状をしており、プーリ溝20AでウエハWの周縁部を保持する。また、1以上のガイドローラ20には、図示しない軸より回転駆動力が付与されており、ウエハWを保持しながら回転させる。
【0022】
ノズル14は、ウエハWの表面より所定距離の位置に配置され、ノズル移動手段16により支持されている。図3及び図4は、このノズル14を説明するもので、図3はノズル14の断面図であり、図4はノズル14の下面図である。ノズル14は、吐出口22を有するノズルチップ24と、このノズルチップ24が内挿されているノズルケース26とから構成されている。吐出口22は、図4に示されるように縦長で、中央部が前方(図3中下側)に向けて拡開した楕円状に形成されている。ノズル14の種類は、後述する噴射パターンにより、各種の仕様のものが採用できる。
【0023】
ノズル移動手段16は、ウエハWの表面に沿ってノズル14を移動させるもので、各種の直動装置が採用できる。図1に示されるノズル移動手段16は、ガイド部材30と、ガイド部材30に摺動自在に支持される移動子32と、移動子32と螺合し移動子32を矢印A−A’方向に移動させるねじ部材(図示略)と、ねじ部材を回転駆動するモータ(図示略)等より構成される。ノズル14は移動子32に固定されている。
【0024】
加工液供給手段18は、加工液をノズル14に供給するもので、加工液を貯蔵する液槽40と、加工液を高圧で圧送する高圧発生器42と、加工後の加工液を回収する受け槽44と、これらを繋ぐ各配管、ポンプ等より構成される。
【0025】
液槽40は、加工液を貯蔵するためのもので、各種の配管が接続されている。液槽40の側壁下部には給液配管46が接続され、液槽40の上部には戻り配管48、50及び52が配されている。
【0026】
給液配管46は、ポンプ54及びフィルタ56を経て高圧発生器42に接続される。なお、フィルタ56にはドレーン用の配管58が接続されており、ドレーンの排出時に対応できるようになっている。
【0027】
高圧発生器42としては、高圧プランジャポンプ、アブレイシブウオータージェット加工に使用されている高圧ポンプ、超高圧ポンプ等、公知の各種ポンプが採用できる。
【0028】
高圧発生器42の出力側配管60は二又に分岐され、それぞれバルブ62、64に接続されている。バルブ62、64は、3方弁タイプのものであり、それぞれ供給側配管66、68と戻り配管50、52に切り換え可能となっている。供給側配管66、68はそれぞれ左右のノズル14、14に接続され、ノズル14、14に加工液を供給する。
【0029】
基板保持手段12の下方には、受け槽44が設けられている。この受け槽44は、加工後の加工液を回収するためのもので上部が開放された構成となっている。また、受け槽44の底44Aには傾斜が設けられており、加工後の加工液を容易に回収できるようになっている。回収した加工液は、受け槽44の底44Aに接続された戻り配管48より、ポンプ70を経由して液槽40に戻される。
【0030】
次に、基板の加工装置10を使用した基板の加工方法について説明する。液槽40に入れる加工液、すなわち遊離砥粒を拡散させた液体の溶媒としては、特に制限はない。基板であるウエハWを腐食させたり、変質させたりせず、引火性、有毒性等、安全面での懸念を生じさせず、遊離砥粒を拡散させることができるものであれば使用できる。一般的には水を主体とすればよいが、ウエハW及び遊離砥粒の特性によっては、分散剤を添加して、遊離砥粒の分散性を向上させたり、潤滑剤(いわゆる、クーラント)を添加して遊離砥粒の摩滅を低減させたり、増粘剤を添加して粘度を調整してウエハWの加工形状を変化させたり、各種の効果を持たせることもできる。
【0031】
液槽40に入れる液体に拡散させる遊離砥粒としては、各種の研磨材が使用できる。具体的には、ダイヤモンド、コランダム、ルビー、エメリー、ガーネット、パーミサイト、珪藻土、トリポリ、A砥粒(褐色アルミナ)、AE砥粒(人造エメリー)、AZ砥粒(アルミナジルコニア)、C砥粒(黒色炭化珪素)、cBN(六方晶窒化ほう素)、GC砥粒(緑色炭化珪素)、HA砥粒(解砕形アルミナ)、PA砥粒(淡紅色アルミナ)、WA砥粒(白色アルミナ)、WC砥粒(タングステンカーバイト)、酸化セリウム、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が使用できる。
【0032】
遊離砥粒の粒度としては、ウエハWの材質、砥粒の材質、ウエハWの加工形状(加工精度)、加工速度等に応じて任意に選択できるが、たとえば、シリコンウエハ上の層間膜等の平坦化プロセスに適用する場合には、シリカで粒径が0.01μm以上100μm以下のものが好ましく使用できる。更に好ましくは、粒径が1μm以上10μm以下のものが使用できる。
【0033】
遊離砥粒の濃度としては、ウエハWの材質、砥粒の材質、ウエハWの加工形状(加工精度)、加工速度等に応じて任意に選択できる。
【0034】
ノズル14より噴出させる加工液としては、既述したように特に制限はないが、異物の存在により液槽40の液体を汚染させたり、加工形状に誤差を生じさせない点より、純水が好ましく採用できる。
【0035】
ノズル14の吐出口22の内径(孔径)としては、ウエハWの材質、砥粒の材質、ウエハWの加工形状(加工精度)、加工速度等に応じて任意に選択できるが、一般的には、0.05〜10mmの範囲が採用できる。
【0036】
ノズル14の吐出口22の形状としては、円弧状が一般的であるが、これ以外の形状も採用できる。たとえば、図4の吐出口22の構成で、幅が0.2mmで長さが0.5mmのスリット形状又は楕円形状も使用できる。内径が円弧状のノズルではスキャンしなければならない加工形状であっても、このような形状のものであれば、スキャンが不要となる。
【0037】
ノズル14先端とウエハWの加工部位との距離としては、ウエハWの材質、砥粒の材質、ウエハWの加工形状(加工精度)、加工速度等に応じて任意に選択できるが、一般的には、20〜200mmの範囲が採用できる。この距離が20mm未満であると、噴出させる加工液パターンの面積が小さく、加工速度が極端に遅くなり不適であり、一方、この距離が200mm超であると、加工液が拡散し過ぎてしまい、加工速度が遅くなるとともに、加工精度も劣るからである。
【0038】
ノズル14先端での吐出圧力としては、ウエハWの材質、砥粒の材質、ウエハWの加工形状(加工精度)、加工速度等に応じて任意に選択できるが、一般的には、0.1〜300MPaの範囲が採用できる。吐出圧力が0.1MPa未満であると、加工速度が極端に遅くなり不適であり、一方、吐出圧力が300MPa超であると、装置面で制約を受けるからである。
【0039】
既述したように、ノズル移動手段16は、ノズル14より噴出される加工液が、ウエハWの表面の略全面で均一に当るようにノズル14の移動速度を制御するのが好ましい。このような制御は、ノズル移動手段16に設けられる既述のモータをモータコントローラにより制御する方法が一般的に採用できる。
【0040】
図1の基板の加工装置10では、ノズル14の噴出方向は、ウエハWの表面に垂直な方向になっている。但し、ウエハWの形状、材質、加工条件等によっては、ノズル14とウエハWの表面とがなす傾斜角度を所定の値に設定することが好ましい場合もある。このような場合に、ノズル移動手段16に装備され、ノズル14とウエハWの表面とがなす傾斜角度を可変とする傾斜角度調整手段(図示略)を設けることもできる。
【0041】
加工液供給手段18において、ウエハWの加工をしない休止時には、バルブ62、64を切り換えて、加工液を戻り配管50、52より液槽40に戻し、この間で加工液を循環させることが好ましい。このような加工液の循環を行うことにより、遊離砥粒の分散性を維持させることができる。
【0042】
以上に説明した、本発明に係る基板の加工方法及び加工装置によれば、以下に列挙する効果が得られる。
【0043】
第1に、研磨パッドを使用しないので、研磨パッドの管理が不要となる。また、研磨パッド上の廃スラリーや研磨カスがなくなり、パターンの損傷、加工による傷、スクラッチ等の欠陥を生じにくい。
【0044】
第2に、CMPと異なり、ウエハに大きな圧力がかからないため、パターンの損傷、加工による傷、スクラッチ等の欠陥を生じにくい。
【0045】
第3に、研磨パッドを使用しないので、ウエハのエッジ形状が不適切な形状(主に縁ダレ)となりにくい。
【0046】
第4に、消耗品である研磨パッドは不要であり、コスト的に有利である。
【0047】
第5に、加工液を循環使用できるので、コスト的に有利である。
【0048】
第6に、研磨定盤を使用しないので、装置の小型化ができる。また、温度管理も容易である。
【0049】
以上、本発明に係る基板の加工方法及び加工装置の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0050】
たとえば、図1に示される本実施の形態では、ノズル14がウエハWの両面にそれぞれ配置されているが、ウエハWの片面を加工する場合には、ノズル14を1個設ける構成が採用できる。
【0051】
また、ウエハWの片面を加工する場合には、基板保持手段12も本実施の形態と異なる方式が採用できる。たとえば、回転ステージの表面の略全面に真空吸着孔を設けた基板保持テーブルを採用できる。基板保持テーブルを水平面で回転させる構成としてもよい。
【0052】
また、ノズル14として、図3及び図4に示されるような1流体タイプのものが使用されているが、気体と加工液とを別々に供給する2流体タイプのノズルを使用することもできる。
【0053】
また、図1に示される本実施の形態では、液槽40に付属する設備が図示されていないが、たとえば液槽40内の加工液を攪拌するスターラや超音波振動装置を備えている構成も採用できる。
【0054】
更に、使用後の遊離砥粒は磨耗して粒度分布が変化することより、これを再度分級して、磨耗して微小になった砥粒を除去するとともに、新規の砥粒を追加して粒度分布を適正化する粒度分布調整手段を設けることもできる。
【0055】
【実施例】
図1に示される構成の基板の加工装置10を使用してシリコンウエハの加工を行った。シリコンウエハとして、ウエハ表面に銅の配線パターンが形成されているものを使用した。以下、ノズル14の種類及び加工液の噴出条件を変化させた実施例1及び実施例2の加工結果を、従来のCMPによる加工結果と比較して説明する。
【0056】
なお、実施例1及び実施例2の加工に使用した遊離砥粒はコロイダルシリカである。加工液の溶媒として純水を使用した。遊離砥粒の加工液中の濃度は12.5重量%とした。実施例1及び実施例2のいずれにおいても、吐出口22(図4参照)が楕円形状のノズル14を使用した。したがって、噴射パターンも楕円形状となる。
【0057】
実施例1において、ノズル14の噴射開き角度(楕円の長径方向)は25度である。そして、供給圧力は10MPaとした。ノズル14先端とウエハWの加工部位との距離は50mmとした。この場合、ウエハWの表面に当る加工液の幅は、楕円の長径方向で約20mmとなる。
【0058】
図5は、実施例1における加工液の加工状態をSDPA(Shadow Doppler Particle Analizer)によって測定した結果のグラフである。このSDPAとは、光束中を粒子が通過するときの影に着目し、従来のLDV(Laser Doppler Velocimeter )とを組み合わせることにより、粒子の形状と速度を同時に、しかもin situ で計測する計測器であり、たとえば、カノマックス技術研究所より販売されているものが使用できる。
【0059】
図5のうち、(a)は、噴出させた加工液の液滴の流速の分布であり、(b)は、噴出させた加工液の液滴の面積相当径(Area Equivalent Diameter)の分布である。いずれのグラフにおいても、縦軸は度数(N)を示す。
【0060】
図5(a)において、平均流速は80.04m/秒、流速の最大値は119.47m/秒、流速の最小値は18.81m/秒であった。図5(b)において、面積相当径の最大値は90.2μm、面積相当径の最小値は9.8μmであった。
【0061】
実施例2において、ノズル14の噴射開き角度(楕円の長径方向)は65度である。そして、供給圧力は10MPaとした。ノズル14先端とウエハWの加工部位との距離は100mmとした。この場合、ウエハWの表面に当る加工液の幅は、楕円の長径方向で約112mmとなる。
【0062】
図6は、実施例2における加工液の加工状態を実施例1と同様に測定した結果のグラフである。このうち、(a)は、噴出させた加工液の液滴の流速の分布であり、(b)は、噴出させた加工液の液滴の面積相当径(Area Equivalent Diameter)の分布である。いずれのグラフにおいても、縦軸は度数(N)を示す。
【0063】
図6(a)において、平均流速は46.53m/秒、流速の最大値は90.50m/秒、流速の最小値は8.30m/秒であった。図6(b)において、面積相当径の最大値は89.8μm、面積相当径の最小値は5.1μmであった。
【0064】
実施例1及び実施例2で加工したシリコンウエハ表面の配線パターンの欠陥を評価した。同時に、従来のCMPにより加工したシリコンウエハ表面の配線パターンの欠陥も評価した。これらの評価結果を比較したところ、実施例1及び実施例2における欠陥の数が従来のCMPにおける欠陥の数と比べ、1/3〜1/5に減少していることが確認された。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、基板の表面に当てることにより、この基板を加工できる。すなわち、CMP等の研磨加工と異なり、研磨パッド等を使用せずに基板を加工できる。これにより、品質面(加工精度、チッピング等の欠陥のないこと)とコスト面(加工速度、装置コスト)との両方を満足させることができる材料加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板の加工装置の概要を示す概念図
【図2】図1の部分側面図
【図3】ノズルの断面図
【図4】ノズルの下面図
【図5】実施例1における加工液の加工状態を測定した結果のグラフ
【図6】実施例2における加工液の加工状態を測定した結果のグラフ
【符号の説明】
10…基板の加工装置、12…基板保持手段、14…ノズル、16…ノズル移動手段、18…加工液供給手段、20…ガイドローラ、40…液槽、42…高圧発生器、44…受け槽、W…基板(ウエハ)
Claims (7)
- 基板の表面より所定距離の位置に配置されたノズルより遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、該加工液を前記基板の表面に当てることにより、前記基板を加工することを特徴とする基板の加工方法。
- 前記加工液の液滴粒径が1μm以上500μm以下であり、前記加工液の霧粒を10m/秒以上500m/秒以下の速度で噴出させる請求項1に記載の基板の加工方法。
- 前記加工液をノズルより噴出させるべく1MPa以上50MPa以下に加圧する請求項1又は2に記載の基板の加工方法。
- 前記基板を回転させるとともに、前記基板の表面に沿って前記ノズルを移動させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
- 基板を保持しながら回転させる基板保持手段と、
先端より遊離砥粒を含んだ加工液を噴出させ、該加工液を前記基板の表面に当てて前記基板を加工するノズルと、
前記基板の表面に沿って前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、
前記加工液を前記ノズルに供給する加工液供給手段と、
を備えたことを特徴とする基板の加工装置。 - 前記ノズル移動手段に装備され、前記ノズルと前記基板の表面とがなす傾斜角度を可変とする傾斜角度調整手段を備えた請求項5に記載の基板の加工装置。
- 前記ノズル移動手段は、前記ノズルより噴出される前記加工液が、前記基板の表面の略全面で均一に当るように前記ノズルの移動速度を制御する請求項5又は6に記載の基板の加工装置。
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