JP2013158792A - 肉盛溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた外観と正確な厚みの肉盛層を実現できるTIG溶接を使用して、しかも高速に肉盛層を形成する。
【解決手段】TIG溶接によって管体Pを肉盛溶接するに際し、管体Pの長手方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である第1トーチ角αを0〜30°、管体Pの周方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である第2トーチ角βを0〜30°、管体Pの周方向における溶接進行方向からの溶接トーチ1の軸周りの一方向を+側とした溶接ワイヤ4の回転角位置である第3トーチ角γを0〜180°の間に設定し、かつ溶接温度を20〜100℃の間に保つ。
【選択図】 図2
【解決手段】TIG溶接によって管体Pを肉盛溶接するに際し、管体Pの長手方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である第1トーチ角αを0〜30°、管体Pの周方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である第2トーチ角βを0〜30°、管体Pの周方向における溶接進行方向からの溶接トーチ1の軸周りの一方向を+側とした溶接ワイヤ4の回転角位置である第3トーチ角γを0〜180°の間に設定し、かつ溶接温度を20〜100℃の間に保つ。
【選択図】 図2
Description
本発明は肉盛溶接方法に関し、特に適正な厚みの優れた外観の肉盛層を、TIG溶接を使用して高速に形成することが可能な肉盛溶接方法に関する。
腐食を防止するためにボイラーの管壁等に肉盛溶接する方法としては例えば特許文献1に示されたものがあり、これはいわゆるMIG溶接における溶接条件を規定したものである。
ところで、MIG溶接は、溶接速度を速くできるものの、肉盛厚の制御が困難であり、また肉盛層の外観も、酸化物の付着や表面の凹凸が大きい等によって、劣ったものになるという問題があった。一方、TIG溶接にはこのような問題は無いが、溶接速度を速くすることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、優れた外観と適正な厚みの肉盛層を実現できるTIG溶接を使用して、しかも高速に肉盛層を形成することが可能な肉盛溶接方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、TIG溶接によって管体(P)を肉盛溶接するに際し、管体(P)の長手方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ(1)の傾き角である第1トーチ角αを0〜30°、管体(P)の周方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ(1)の傾き角である第2トーチ角βを0〜30°、管体(P)の周方向における溶接進行方向からの溶接トーチ(1)の軸周りの一方向を+側とした溶接ワイヤ(4)の回転角位置である第3トーチ角γを0〜180°の間に設定し、かつ管体(P)内に流通させる冷却水の温度を20〜100℃の間に保ったことを特徴とする。
本発明によれば、第1トーチ角〜第3トーチ角を上記範囲に設定し、かつ溶接温度を上記範囲に保つことによって、TIG溶接によって、優れた外観と適正な厚みの溶接肉盛層を高速で形成することができる。
以上のように本発明によれば、優れた外観と適正な厚みの肉盛層を、TIG溶接によって高速に形成することができる。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
図1には本発明方法に使用する溶接トーチ1の構造の一例を示す。図1において、円筒状のトーチ本体11の中心には電極ホルダ2が配設されて、その一端から棒状の電極3が突出している。トーチ本体11の外周部にはワイヤガイド41が配置されており、当該ワイヤガイド41の先端は円筒ノズル5の切欠き部51を経て内方の電極3に向けて湾曲している。
ワイヤガイド41内には溶接ワイヤ4が挿通されており、その先端部は電極3と一定角度θをなしている。溶接時には、公知の構造で電極3の周囲に供給される不活性ガスの下で、電極3先端と母材との間でアーク放電を生じ、所定の速度で電極3先端の近傍下方へ送給される溶接ワイヤ4と電極3直下の母材表面がアーク熱で溶融させられて肉盛層が形成される。なお、本実施形態では母材は炭素鋼製の管体であり、溶接ワイヤ4としてはオーステナイトステンレス鋼材ないしNi基合金材を使用する。
本実施形態においては、管体を軸周りに所定速度で回転させつつ、同時に溶接トーチ1を管体の長手方向へ移動させて、管体の外周面全面に肉盛層を形成する。この時の管体に対する溶接トーチ1の姿勢、および管体に対する溶接位置を種々変更して、形成される溶接肉盛層の状態を確認した。
溶接トーチ1の姿勢は第1トーチ角α、第2トーチ角β、第3トーチ角γの三種で規定した。第1トーチ角αは図2に示すように、管体Pの長手方向における溶接進行方向(図中の矢印)を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である。また第2トーチ角βは図3に示すように、管体Pの周方向における溶接進行方向(図中の矢印)を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチ1の傾き角である。さらに第3トーチ角γは図4に示すように、管体Pの周方向における溶接進行方向(図中の矢印)からの溶接トーチ1の軸周りの一方向を+側とした溶接ワイヤ4の回転角位置である。管体Pに対する溶接位置である母材角度δは図3に示すように、管体Pの頂点からの周方向の一方向を+側とした角度位置である。
肉盛層の肉盛厚D、溶込みd、余盛e、肉盛層凹凸fの関係を図5に示す。また、希釈率(%)は以下の式(1)で算出される。
希釈率=d/D×100…(1)
希釈率=d/D×100…(1)
各トーチ角α,β,γおよび母材角度δの溶接条件を変更して溶接を行い、それぞれ判定された溶接肉盛層の状態を表1に示す。なお、母材はSTB340(JISG3461)の管体とし、溶接ワイヤ4はφ1.2mmのSUS310S(JISG4316)ものを使用した。また、管体P内には約50℃に維持した温度調節用の冷却水を流通させた。
表1の実施例1〜13から明らかなように、第1トーチ角αを0°〜30°、第2トーチ角βを0°〜30°、第3トーチ角γを0°〜180°母材角度δを0°〜90°の範囲に設定すると、溶接速度をMIG溶接並みの14000mm2/minと速くしても、肉盛厚が十分薄い1mm程度に正確に制御されて凹凸が0.5mm以下の外観良好な肉盛層が形成される。特に、第1トーチ角αを15°〜30°、第2トーチ角βを15°〜30°、第3トーチ角γを150°〜180°の範囲に設定すると、肉盛層の凹凸が0.3mm以下で外観がさらに良好な肉盛層が形成される(実施例6〜11,13)。
なお、余盛X(mm)は以下の式(2)で算出されるから、溶接ワイヤ4の送給体積速度V(mm3/min)を上げると厚い余盛が形成される。例えば実施例11では、ワイヤの送給速度を7200mm/minに設定して十分厚い3.24mmの平均余盛を実現している。
X=V/v1×v2×t…(2)
ここで、v1は管長手方向の溶接トーチの速度、v2は管周方向の溶接トーチの速度(実際には管体の回転速度)、tは管体を一周溶接するのに要する時間であり、式(2)の分母v1×v2×tが溶接速度(mm2/min)となる。
X=V/v1×v2×t…(2)
ここで、v1は管長手方向の溶接トーチの速度、v2は管周方向の溶接トーチの速度(実際には管体の回転速度)、tは管体を一周溶接するのに要する時間であり、式(2)の分母v1×v2×tが溶接速度(mm2/min)となる。
これに対して、表1の比較例1〜4に示すように、第1トーチ角α、第2トーチ角β、第3トーチ角γの設定を上記範囲外にすると、アンダカットや融合不良を生じて外観が損なわれ(比較例1〜3)、あるいは溶接トーチが干渉して溶接不可能になる(比較例4)。
発明者の実験では溶接温度の管理も重要である。これを表2に示す。なお、表2の条件として各トーチ角α,β,γをそれぞれ30°,30°,150°とし、母材角度δを90°とした。実施例1〜7に示すように、管体P内に20℃〜100℃の範囲で一定に保った冷却水を流通させると、肉盛層の凹凸は0.3mm以下となって良好な外観が得られる。特に冷却水温度を50℃〜70℃の範囲に設定すると、より良好な外観が得られる。冷却水温度が上記範囲を外れると、温度が低い場合(比較例1)にはアンダーカットや融合不良が生じ、凹凸が大きくなる。温度が高い場合(比較例2)には表面酸化を生じて外観不良となる。なお、比較例2では冷却媒体として油を使用した。
1…溶接トーチ、3…電極、4…溶接ワイヤ、P…管体。
Claims (1)
- TIG溶接によって管体を肉盛溶接するに際し、前記管体の長手方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチの傾き角である第1トーチ角を0〜30°、前記管体の周方向における溶接進行方向を+側として管体周面に直交する垂線からの溶接トーチの傾き角である第2トーチ角を0〜30°、前記管体の周方向における溶接進行方向からの溶接トーチの軸周りの一方向を+側とした溶接ワイヤの回転角位置である第3トーチ角を0〜180°の間に設定し、かつ前記管体内に流通させる冷却水の温度を20〜100℃の間に保ったことを特徴とする肉盛溶接方法。
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2012
- 2012-02-03 JP JP2012021800A patent/JP2013158792A/ja active Pending
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