JP6082087B1 - 管の挿口の突部の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リング等の型部材が不要な突部の形成方法を提供する。【解決手段】金属製の管4の挿口5の外周に突部を形成する方法であって、溶接トーチ33を、管軸心34に直交する面35に対して、挿口先端5aとは反対側S2へ傾斜させて、シールドガス36を放出しながら挿口の外周に肉盛溶接を行うことにより、突部を溶接金属で形成するものである。【選択図】図5

Description

本発明は、金属製の管の挿口の外周に突部を形成する方法に関する。
従来、この種の管の挿口の外周に突部を備えた管継手としては、例えば図10に示すように、離脱防止機能を持たせたスリップオンタイプのものがある。この管継手110は、一方の管111の挿口112が他方の管113の受口114に挿入され、受口114の内面と挿口112の外面との間をシールするゴム製のシール材115が受口114の内部に設けられている。
また、受口114の内部で且つシール材115よりも奥側には、ロックリング116が設けられており、挿口112の外周に突部117が形成され、突部117は受口奥側からロックリング116に係合可能な構造である。
尚、突部117は、シール材115とロックリング116を通過する際の抵抗を低減し、挿口112を受口114に挿入する際に要する接合力(押込み力)を低減できるように、先端側117aが挿口112の外周面に対して緩やかに傾斜している。また、挿口112が受口114から離脱する方向に移動した際に、突部117が確実にロックリング116に係合して離脱防止機能が発揮されるように、突部117の先端とは反対側117bは挿口112の外周面に対してほぼ直角に近い角度に形成されている形状が望ましい。
従来、上記のような挿口の突部の形成方法としては、例えば下記特許文献1に記載のように、リング部材を挿口の外周に配置して溶接する方法が一般的である。一方、突部を肉盛溶接により簡易に形成する方法が下記特許文献2に提案されている。通常、肉盛溶接で突部を形成する場合、突部形状を制御することが困難であり、溶接後にグラインダー加工などの追加の加工工程が必要となる。しかしながら、下記特許文献2に記載された方法では、図11に示すように、型部材として挿口112に一対の銅製のリング121,122を外嵌めして固定し、挿口112を軸心周りに回転させながら、溶接トーチを用いて、一対のリング121,122間に鉄系の溶接金属123を供給して肉盛溶接を行い、その後、リング121,122を挿口112から取り外すことにより、挿口112の外周に突部124を形成することによって簡易に突部124を形成することが提案されている。
特開平9−189388 特開2008−185114
しかしながら上記のように肉盛溶接によって突部124を形成するには、リング121,122が必要となるため、リング121,122の着脱に手間がかかったり、コストがかかるといった問題がある。特に、挿口の外面に対する突部の挿口先端側の面の傾斜角度を、挿口の外面に対する突部の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度よりも小さくすることは困難であった。
本発明は、肉盛溶接を用いて容易に突部を形成することができる突部の形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、突部を利用した離脱防止機能を備えた管継手における金属製の管の挿口の外周に突部を形成する方法であって、
溶接トーチを、管軸心に直交する面に対して、挿口先端とは反対側へ傾斜させて、シールドガスを放出しながら挿口の外周に肉盛溶接を行うことにより、挿口先端側とその反対側とにおいて溶接金属の冷却速度に差を生じさせて、挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端側の面の傾斜角度が挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度よりも小さい突部を、溶接金属で形成することを特徴とする管の挿口の突部の形成方法。
これによると、挿口先端とは反対側においては、溶接金属は、シールドガスによって急速に冷却されるため、管軸方向へ流れて拡がっていく時間的余裕が短縮され、短時間で迅速に凝固する。これに対して、挿口先端側においては、溶接金属は、シールドガスによる冷却効果の影響が少ないため、管軸方向へ流れて拡がりながら、比較的ゆっくりと冷却されて凝固する。
これにより、挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端側の面の傾斜角度を第1の傾斜角度とし、挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度を第2の傾斜角度とすると、第1の傾斜角度が第2の傾斜角度よりも小さい突部を溶接金属で形成することができる。
従って、管同士を接続する場合、挿口の突部が受口内のシール材の内側とロックリングの内側を通過する際の抵抗がそれぞれ低減され、これにより、挿口を受口に挿入する際に要する接合力(押込み力)を低減することができるとともに、挿口が受口から離脱する方向に移動した際には突部が確実にロックリングに係合して離脱防止機能が発揮できる。
また、溶接時、スパッタは、溶接トーチに対して、挿口の先端側における外面に飛散し、挿口の先端とは反対側における外面にはほとんど飛散しない。これにより、挿口の先端側における外面さえカバーで覆えば、挿口の先端とは反対側における外面をカバーで覆わなくても、スパッタが挿口の外面に付着するのを防止できる。このため、スパッタの除去作業が容易に行える。
本第2発明における管の挿口の突部の形成方法は、溶接トーチの傾斜角度を10°以上で30°以下の範囲にするものである。
これによると、上記第2の傾斜角度(すなわち挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度)を60°以上で90°以下にすることができる。
本第3発明における管の挿口の突部の形成方法は、挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度を、60°以上で90°以下にするものである。
これによると、内部にロックリングを備えた受口に挿口を挿入して管同士を接続した状態で、挿口の突部が受口奥側から受口内のロックリングに係合することによって、受口からの挿口の離脱が防止される。ここで、溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度が60°以上で90°以下であるため、突部が確実にロックリングに係合して離脱防止機能が発揮されるとともに、係合した際の突部に作用する管径内向きの力が低減される。
本第4発明における管の挿口の突部の形成方法は、管の温度を150℃以上にした状態で溶接トーチを傾斜させて溶接を行うものである。
これによると、挿口先端とは反対側においては、溶接金属は、シールドガスによって急速に冷却されるため、管軸方向へ流れて拡がっていく時間的余裕が短縮され、短時間で迅速に凝固する。これに対して、挿口先端側においては、溶接金属は、シールドガスによる冷却効果の影響が少ないことに加えて管の温度が高いため、管軸方向へ流れて拡がりながら、比較的ゆっくりと冷却されて凝固する。
これにより、第1の傾斜角度が第2の傾斜角度よりも小さい突部を溶接金属で容易に形成することができる。
本第5発明における管の挿口の突部の形成方法は、挿口の外面に溶接金属を複数層盛って突部を形成するものである。
これによると、管径方向における挿口の外面から溶接金属の外周端までの高さを十分に確保することができる。
本第6発明における管の挿口の突部の形成方法は、溶接トーチに対して挿口の先端側における外面をカバーで覆って、挿口の外周に肉盛溶接を行うものである。
以上のように本発明によると、第1の傾斜角度が第2の傾斜角度よりも小さい突部を溶接金属で容易に形成することができるため、突部の形成作業に要する手間やコストを削減することができる。
本発明の第1の実施の形態における管継手の断面図である。 同、管継手の挿口に形成された突部の拡大断面図である。 同、挿口に形成された突部と溶接トーチの拡大図である。 同、挿口に突部を形成する形成方法を示す図である。 上記図4におけるX−X矢視図である。 同、挿口に形成された突部がロックリングに係合したときの拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態における管の製造工程を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における挿口に突部を形成する形成方法を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における挿口に突部を形成する形成方法を示す図である。 従来の突部を備えた挿口が受口に挿入された管継手の断面図である。 従来の突部の形成方法を示す図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は離脱防止管継手であり、互いに接続される一方の鋳鉄(ダクタイル)製(金属製の一例)の管2の端部に形成された受口3に、他方の鋳鉄(ダクタイル)製の管4の端部に形成された挿口5が挿入されている。
受口3の内面には、係止溝10と、係止溝10よりも受口奥側に位置するロックリング用溝11とがそれぞれ全周にわたり形成されている。ロックリング用溝11には、芯出し用部材12を介して、ロックリング13が嵌め込まれている。
芯出し用部材12は、ロックリング13を保持し且つ芯出しするための樹脂製の円環状の部材である。また、ロックリング13は、周方向の一箇所で分割された一つ割りの金属製のリングであり、弾性的な縮径力を有することで、挿口5の外面に弾性的に抱き付くように構成されている。
挿口5の先端部外面には、突部15が全周にわたり形成されている。突部15は、挿口5の先端面から管軸方向Aに所定距離Lだけ離れた位置に形成されている。突部15が受口奥側からロックリング13に係合することで、受口3からの挿口5の離脱が防止される。
受口3の内部で且つ受口3の開口端部とロックリング13との間には、受口3の内面と挿口5の外面との間をシールするシール材18が設けられている。
シール材18は、ゴム等の弾性材からなる円環状の部材であり、係止溝10に嵌め込まれるヒール部19と、受口3の内面と挿口5の外面との間で圧縮されるバルブ部20とを有している。
図1〜図3に示すように、突部15は、断面が山形状であり、溶接金属25(溶接ビード)によって形成されている。挿口5の外面に対する突部15の挿口先端5a側の面27の傾斜角度を第1の傾斜角度θ1とし、挿口5の外面に対する突部15の挿口先端5aとは反対側(すなわち挿口5が受口3から離脱する方向に移動した際にロックリング13に係合する側)の面28の傾斜角度を第2の傾斜角度θ2とすると、第1の傾斜角度θ1は第2の傾斜角度θ2よりも小さい。尚、第2の傾斜角度θ2は60°以上で90°以下の範囲内にするのが好ましい。
尚、第1および第2の傾斜角度θ1,θ2は、挿口5の外面の微少な凹凸を平均化し、管軸方向Aにおける突部15の端部位置B1,B2と、挿口5の外面から管径方向Cにおける1.5mmの高さの位置D1,D2を通る直線E1,E2の傾斜角度に相当している。
また、32は突部15を挿口5に形成するために用いる半自動溶接機であり、溶接ワイヤを溶接トーチ33に送り込み、シールドガス36を噴射しながら半自動アーク溶接を行うものである。
次に、挿口5の突部15の形成方法を以下に説明する。
図4,図5に示すように、挿口5を有する管4を支持ローラ31上に載置し、支持ローラ31を回転駆動させて管4を軸心周りに一方向へ回転させる。この状態で、半自動溶接機32の溶接トーチ33を、管軸心34に直交する平面35に対して、挿口5の先端5aとは反対側へ傾斜させて斜め下向きにし、シールドガス36を放出しながら挿口5の外周に肉盛溶接を行うことにより、管周方向Jに沿って突部15を溶接金属25で形成する。
この際、図4に示すように、溶接トーチ33を管軸心34の真上に位置させるとともに、図5に示すように、上記平面35に対する溶接トーチ33の傾斜角度αを10°以上で30°以下の範囲内にする。また、管4を一方向へ二回転させることにより、溶接金属25を挿口5の外面に二層盛りして突部15を形成している。
上記のような突部15の形成方法によると、図3,図5に示すように、溶接トーチ33を傾斜させて溶接を行っている際、挿口5の先端5aとは反対側S2においては、溶接金属25は、シールドガス36によって急速に冷却されるため、管軸方向Aへ流れて拡がっていく時間的余裕が短縮され、短時間で迅速に凝固する。これに対して、挿口5の先端側S1においては、溶接金属25は、シールドガス36による冷却効果の影響が少ないため、管軸方向Aへ流れて拡がりながら、比較的ゆっくりと冷却されて凝固する。
これにより、図2に示すように、第1の傾斜角度θ1が第2の傾斜角度θ2よりも小さい突部15を溶接金属25で形成することができ、突部15の形成作業に要する手間やコストを削減することができる。尚、溶接トーチ33の傾斜角度αを10°以上で30°以下の範囲内にすることで、第2の傾斜角度θ2を60°以上で90°以下の範囲内に保つことができる。
また、溶接時、スパッタは、溶接トーチ33に対して、挿口5の先端側S1における外面に飛散し、挿口5の先端とは反対側S2における外面にはほとんど飛散しない。これにより、図4および図5の仮想線で示すように、挿口5の先端側S1における外面さえカバー37で覆えば、挿口5の先端5aとは反対側S2における外面をカバーで覆わなくても、スパッタが挿口5の外面に付着するのを防止できる。このため、スパッタの除去作業が容易に行える。尚、カバー37には、例えば金属製の平板等を用いる。
また、溶接金属25を挿口5の外面に二層盛りして突部15を形成しているため、図2に示すように、管径方向Cにおける挿口5の外面から溶接金属25の外周端までの高さHを十分に確保することができる。
上記のような突部15を挿口5に形成した後、図1に示すように、ロックリング13を、芯出し用部材12を介して、ロックリング用溝11に嵌め込み、さらに、シール材18のヒール部19を係止溝10に嵌め込んで、受口3の内部にロックリング13とシール材18とをセットする。
その後、挿口5を受口3に挿入して管2,4同士を接続する場合、図2に示すように、突部15の第1の傾斜角度θ1が第2の傾斜角度θ2よりも小さいため、突部15がシール材18の内側とロックリング13の内側を通過する際の抵抗がそれぞれ低減され、これにより、挿口5を受口3に挿入する際に要する接合力(押込み力)を低減することができる。
上記のようにして挿口5を受口3に挿入して管2,4同士を接続した後、図6に示すように、挿口5の突部15が受口3の奥側からロックリング13に係合することによって、受口3からの挿口5の離脱が防止される。ここで、図2に示すように、溶接金属25の面28の第2の傾斜角度θ2が60°以上で90°以下の範囲内であるため、突部15が確実にロックリング13に係合して離脱防止機能が発揮されるとともに、係合した際の突部15に作用する管径内向きの力Fが低減される。これにより、挿口5が上記の力Fによって管径内向きに変形するのを防止することができる。
尚、シールドガス36には、例えば不活性ガスと炭酸ガスを混合したもの等が使用される。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図7に示すように、管2,4を製造する際、管2,4を加熱して熱処理(焼鈍等)した後、管2,4が高温状態のままで、管2,4に塗装を実施するのであるが、このような熱処理工程41と塗装工程42との間に、上記第1の実施の形態で記載した方法によって突部15を挿口5に形成する突部形成工程43を実施する。
この際、上記突部形成工程43において、管4の温度が約200℃(150℃以上の一例)の状態で、上記第1の実施の形態で記載した方法に従って、溶接トーチ33を傾斜させて溶接を行うことで、突部15を挿口5に形成する。
これにより、図3に示すように、挿口5の先端5aとは反対側S2においては、溶接金属25は、シールドガス36によって急速に冷却されるため、管軸方向Aへ流れて拡がっていく時間的余裕が短縮され、短時間で迅速に凝固する。これに対して、挿口5の先端側S1においては、溶接金属25は、シールドガス36による冷却効果の影響が少ないことに加えて管4の温度が高い(例えば約200℃)ため、管軸方向Aへ流れて拡がりながら、比較的ゆっくりと冷却されて凝固する。
これにより、リング等の型部材を用いることなく、第1の傾斜角度θ1が第2の傾斜角度θ2よりも小さい突部15を溶接金属25で容易に形成することができ、突部15の形成作業に要する手間やコストを削減することができる。
尚、上記のような突部15の形成方法を次のような条件で実施した場合、以下の結果が得られた。
管4の口径を100mm、管4の厚さを約4mm、管4の温度を200℃とし、管4の回転時の周速度を1500mm/分とし、半自動溶接機32のワイヤーの直径を1.2mmとし、溶接トーチ33から挿口5の外面までの距離を17mmとし、溶接トーチ33の傾斜角度αを20°とし、シールドガス36の種類をAr−CO混合ガスとし、シールドガス36の流量を25リットル/分とし、電流を240Aとし、電圧を25Vとする。
このような条件で突部15を挿口5に形成した結果、高さ3.0mmおよび幅8mmの突部15が形成され、突部15の第1の傾斜角度θ1が52°になり、第2の傾斜角度θ2が62°になり、第2の傾斜角度θ2を60°以上で90°以下の範囲内にすることができた。
尚、上記の条件のうち、溶接トーチ33の傾斜角度α(図5参照)を40°にした場合、突部15の第1の傾斜角度θ1(図2参照)が47°になり、第2の傾斜角度θ2(図2参照)が44°になり、第2の傾斜角度θ2が60°以上で90°以下の範囲から外れてしまった。この現象については、溶接トーチ33の傾斜角度αを40°に増大させると、溶融した状態の溶接金属25が流れ易くなるとともにシールドガス36によって吹き飛ばされるため、溶接金属25の形状が安定せず、これにより、第2の傾斜角度θ2が60°以上で90°以下の範囲から外れたものと考えられる。
このように、第2の傾斜角度θ2が小さくなると、図6に示すように、突部15がロックリング13に係合した際、突部15に作用する管径内向きの力Fが増大し、挿口5が上記の力Fによって管径内向きに変形する虞がある。
上記第2の実施の形態では、管4の温度を150℃以上(例えば200℃)にした状態で溶接トーチ33を傾斜させて溶接を行うことが好ましく、その温度の上限としては特に限定されるものではないが、溶接金属25の高さHを確保するためには、500℃以下 の状態で行うことが好ましい。
(第3および第4の実施の形態)
第1の実施の形態では図4に示すように溶接トーチ33を管軸心34の真上に位置させているが、第3の実施の形態では、図8に示すように、溶接トーチ33を管軸心34の真上の位置P1から管周方向Jにおけるいずれか一方へずれた位置P2に変位(オフセット)させて肉盛溶接を行っても良い。
尚、この場合、図8に示すように、溶接トーチ33を、管軸心34の真上の位置P1に対して、管4の回転方向Kにおける手前側(すなわち回転方向Kの反対側)に位置させることが好ましい。これについては、管軸心34の真上の位置P1から回転方向Kの側(すなわち上記位置P2とは反対側)へ超えた位置では、挿口5に肉盛溶接された溶接金属25に対して重力が働くため、溶接金属25が挿口5の外周に沿って下方へ垂れる可能性があるが、溶接トーチ33の位置P2を管4の回転方向Kにおける手前側にすることで、溶接金属25が重力の影響で下方に垂れる前に溶接金属25の温度が低下するので、重力による溶接金属25の垂れを抑制することができるという効果が生じるためである。
また、第4の実施の形態では、図9に示すように、溶接トーチ33を管周方向Jにおけるいずれか一方へ傾斜させて肉盛溶接を行っても良い。尚、この場合、溶接トーチ33の向きを管軸心34に向けることが好ましい。これについては、溶接トーチ33の向きを管軸心34に向けることによって、溶接トーチ33の先端から管軸心34を通る延長線が挿口5の外周面に直交するため、溶接金属25が溶接トーチ33から挿口5の外周面に噴き付けられる際の噴き付け範囲が管周方向Jにおいて狭くなり、その分、突部15の高さHが高く形成されるためである。
また、溶接トーチ33を、管軸心34の真上の位置P1に対して、管4の回転方向Kにおける手前側(すなわち回転方向Kの反対側)に傾斜させることが好ましい。これについては、管軸心34の真上の位置P1から回転方向Kの側(すなわち上記位置P2とは反対側)へ超えた位置では、挿口5に肉盛溶接された溶接金属25に対して重力が働くため、溶接金属25が挿口5の外周に沿って下方へ垂れる可能性があるが、溶接トーチ33の位置P2を管4の回転方向Kにおける手前側にすることで、溶接金属25が重力の影響で下方に垂れる前に溶接金属25の温度が低下するので、重力による溶接金属25の垂れを抑制することができるという効果が生じるためである。
上記各実施の形態では、管4を一方向へ二回転させることにより、溶接金属25を挿口5の外面に二層盛りして突部15を形成しているが、管4を三回転以上の複数回転させることにより、溶接金属25を挿口5の外面に三層盛り以上の複数盛りして突部15を形成してもよい。また、十分な高さHの突部15を形成することが可能であれば、一層盛りで突部15を形成してもよい。
上記各実施の形態では、本発明を適用することが好ましい実施の形態として図1に示すようにスリップオンタイプの離脱防止管継手1を挙げたが、スリップオンタイプに限定されるものではなく、突部15を利用した離脱防止機能を備えた管継手であれば、押輪を利用するなどの他のタイプの管継手にも適用できる。
4 管
5 挿口
5a 挿口の先端
15 突部
25 溶接金属
27 溶接金属の挿口先端側の面
28 溶接金属の挿口先端とは反対側の面
33 溶接トーチ
34 管軸心
35 管軸心に直交する面
36 シールドガス
J 管周方向
α 溶接トーチの傾斜角度
θ1 第1の傾斜角度
θ2 第2の傾斜角度

Claims (6)

  1. 突部を利用した離脱防止機能を備えた管継手における金属製の管の挿口の外周に突部を形成する方法であって、
    溶接トーチを、管軸心に直交する面に対して、挿口先端とは反対側へ傾斜させて、シールドガスを放出しながら挿口の外周に肉盛溶接を行うことにより、挿口先端側とその反対側とにおいて溶接金属の冷却速度に差を生じさせて、挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端側の面の傾斜角度が挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度よりも小さい突部を、溶接金属で形成することを特徴とする管の挿口の突部の形成方法。
  2. 溶接トーチの傾斜角度を10°以上で30°以下の範囲にすることを特徴とする請求項1記載の管の挿口の突部の形成方法。
  3. 挿口の外面に対する溶接金属の挿口先端とは反対側の面の傾斜角度を、60°以上で90°以下にすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の管の挿口の突部の形成方法。
  4. 管の温度を150℃以上にした状態で溶接トーチを傾斜させて溶接を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管の挿口の突部の形成方法。
  5. 挿口の外面に溶接金属を複数層盛って突部を形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の管の挿口の突部の形成方法。
  6. 溶接トーチに対して挿口の先端側における外面をカバーで覆って、挿口の外周に肉盛溶接を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の管の挿口の突部の形成方法。
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