JP2013158674A - 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池 - Google Patents

炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2013158674A
JP2013158674A JP2012021476A JP2012021476A JP2013158674A JP 2013158674 A JP2013158674 A JP 2013158674A JP 2012021476 A JP2012021476 A JP 2012021476A JP 2012021476 A JP2012021476 A JP 2012021476A JP 2013158674 A JP2013158674 A JP 2013158674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
catalyst
carbon catalyst
organic
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012021476A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Kaneda
潤 金田
Naoki Deguchi
直幹 出口
Hiroto Watabe
寛人 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2012021476A priority Critical patent/JP2013158674A/ja
Publication of JP2013158674A publication Critical patent/JP2013158674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】炭素触媒の触媒活性要因の一つとして報告されている窒素元素を、炭素材料中に容易に導入可能な材料を窒素源に用い、それらを含む前駆体を熱処理し炭化させることで得られる炭素触媒、及びその製造方法、並びに該触媒を用いた燃料電池を提供すること。更に、有機溶剤や水に難溶性の有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物を、安価な媒体で効率的に、且つ均一に炭素材料表面に担持でき、それを熱処理し炭化させることで得られる炭素触媒、及びその製造方法、並びに該触媒を用いた燃料電池を提供すること。
【解決手段】前記課題は、有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、熱処理して得られることを特徴とする炭素触媒の製造方法により解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、白金や白金合金等の貴金属を全く担持しない炭素触媒の製造方法、及び該炭素触媒を用いた燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池や水電解装置などの各種電気化学デバイスにおいて、固体高分子電解質は、膜状に成形され、その両面に電極を接合した膜電極接合体(MEA)の状態で使用される。また、固体高分子型燃料電池において、電極は一般にガス拡散層と電極触媒層の二層構造をとる。ガス拡散層は、電極触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボン繊維、カーボンペーパーなどが用いられる。また、電極触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。
このような各種電気化学デバイスに用いられる電極触媒には、従来、白金などの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの炭素材料担体上に白金などの貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成された貴金属の薄膜等が用いられている。
しかし、白金等の貴金属は、高い触媒活性(酸素還元活性、水素酸化活性)とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られている。そのため、電極触媒が各種電気化学デバイスのコストを高くする一因となっている。特に、燃料電池は所定の出力を得るために多数のMEAが積層された状態で使用されるので、燃料電池1個あたりの電極触媒の使用量も多くなり、このことが燃料電池の普及を妨げている。
上記のような課題を解決させるために、これまでに様々な対策が取られてきた。具体的には、大環状化合物を炭素担体表面に担持し炭化させた炭素触媒(特許文献1、2、3)、炭素材料を含まず大環状化合物と有機材料との混合物を炭化させた炭素触媒(特許文献4、5、6、7、8)、大環状化合物を含まない有機材料を炭化させた炭素触媒(特許文献9、10)、などが報告されている。いずれの方法も、貴金属使用量の低減、または貴金属を全く使用しない代替触媒を提案するものであり、貴金属触媒の代表である白金触媒、又は白金担持カーボンより、安価な材料系で構成される電極触媒である。
その中でも、大環状化合物を炭素担体表面に担持し炭化させた炭素触媒は、貴金属触媒の代替として期待される材料の一つである。しかし、その製造方法に関しては、これまでに様々な方法が検討されてきており、その方法の違いで触媒活性も大きく変わるものである。
具体的に提案されている製造方法としては、大環状化合物を溶解度と沸点の異なる2種類の混合溶剤中で溶解させ、混合溶剤を加熱により蒸発させる際に溶剤の溶解度と沸点の違いで炭素材料表面に大環状化合物を均一処理し、その乾燥物を数百℃で炭化させることで炭素触媒を製造する方法(特許文献1)が報告されている。
しかし、この製造方法では、使用する有機溶剤としてジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、トルエン、エチレングリコールと人体に有害な溶剤が多量に使用され、ジメチルスルホキシドやエチレングリコールなどは沸点が200℃近くあり、蒸発させるにも大量のエネルギーが必要となり、均一な乾燥物を得るためには時間が要するため、製造コストも高いものとなる。更に、大環状化合物の溶解性を有する上記有機溶剤を選択しているが、安価に入手可能な大環状化合物であるフタロシアニン系化合物は上記有機溶剤に対して非常に溶解性が悪く、炭素材料表面への分子レベルでの理想的な表面処理を行うことは容易でないため、均一で活性の高い炭素触媒が得られにくい課題があった。
特許第4461427号公報 特開2006−314871号公報 国際公開第2009/124905号パンフレット 特許第4452887号公報 特開2010−275115号公報 特開2010−275116号公報 特開2011−6282号公報 特開2011−6283号公報 特開2011−6280号公報 特開2011−6293号公報
本発明が解決しようとする課題は、炭素触媒の触媒活性要因の一つとして報告されている窒素元素を、炭素材料中に容易に導入可能な材料を窒素源に用い、それらを含む前駆体を熱処理し炭化させることで得られる炭素触媒、及びその製造方法、並びに該触媒を用いた燃料電池を提供することにある。更に、有機溶剤や水に難溶性の有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物を、安価な媒体で効率的に、且つ均一に炭素材料表面に担持でき、それを熱処理し炭化させることで得られる炭素触媒、及びその製造方法、並びに該触媒を用いた燃料電池を提供することにある。
すなわち本発明は、有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、熱処理して得られることを特徴とする炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、90〜100重量%の濃硫酸中に溶解させたあと、炭素材料と分散混合する工程1と、前記分散液を水に混合し、有機色素を炭素材料表面に析出させる工程2と、前記表面処理炭素材料を取り出し、洗浄、乾燥する工程3とを行い、さらに前記乾燥物を熱処理して得られることを特徴とする炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、大環状化合物が、フタロシアニン系化合物である炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、熱処理が不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃に保持する処理である炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、前記炭素触媒を固体高分子電解質膜の一方、又は双方の面に配置させた電極触媒を有する燃料電池に関する。
本発明により、炭素触媒の触媒活性要因の一つとして報告されている窒素元素を、様々な結合状態で含んだ有機顔料を窒素源として用いることで、容易に炭素触媒に窒素元素を導入可能となった。また、窒素元素の結合状態の異なる有機顔料を複数同時に用いることで、得られる炭素触媒の触媒活性も制御可能となった。
更に、本発明により、有機溶剤や水に難溶性の有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素を、炭素材料と溶解、混合させる溶媒として90〜100重量%の濃硫酸を用いることで、容易に、多量の有機色素を均一に炭素材料表面に処理することができ、それを熱処理することで高い触媒活性を示す炭素触媒が得られた。
図1は本発明の炭素触媒を電極触媒に適用した燃料電池の構成を示す図である。
本発明における炭素触媒は、有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を含む前駆体の熱変性物で構成される。有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素は、本発明における製造方法で製造された炭素触媒の持つ触媒活性において、重要な要因と考えられる窒素元素や金属元素を一分子中に1個以上含んでいるため、それらを原料として用いることで効率的に炭素材料表面に触媒活性機能を導入可能となる。
更に、本発明における炭素触媒は、前駆体として炭素材料、樹脂成分、又は天然材料なども含有可能であり、それらを含んだ状態で熱処理すると、より複雑な熱分解挙動を示し、有機顔料だけでは昇華しやすい材料も熱処理において残存しやすくなり、炭素触媒の原料として使用可能となる。
ちなみに、大環状化合物とは、9又はそれ以上の原子(全てが異原子である場合を含む)、及び、3又はそれ以上の結合原子を有する化合物と定義されている(Coordination Chemistry of Macrocyclic Compounds, G.A.Melson, Plenum Pres, New York & London, 1979)。本発明において、大環状化合物とは、基本骨格の中に4個の窒素原子が平面上に並んだN4構造を有するものをいい、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物などが該当する。
<有機顔料>
本発明における炭素触媒の製造方法において用いられる有機顔料としては、印刷インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用レジストインキ等に使用される種々の顔料が挙げられる。このような顔料としては溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等があり、上記貴金属元素を含有しない大環状化合物としてはフタロシアニン顔料が該当する。更に具体的な例をカラーインデックスのジェネリックネームで示すと、ピグメントブラック1,31,32、ピグメントブラウン5,23,25,41、ピグメントブルー1,6,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,17:1,24,24:1,25,26,56,60,61,62,63,75,79,80、ピグメントグリーン1,4,7,8,10,36、ピグメントバイオレット1,2,3,3:1,3:3,5:1,13,19,23,25,27,29,31,32,36,37,38,42,50、ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,21,22,23,31,32,38,41,48,49,52,53,54,57:1,58,60:1,63,64:1,68,81;1,83,88,89,95,112,114,119,122,123,144,146,147,149,150,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,211,213,214,216,220,221,224,226,238,242,245,247,248,251,253,254,255,256,257,258,260,264,266,268,269,272,279、ピグメントオレンジ1,2,3,4,5,13,15,16,17,19,31,34,36,37、38,40,43,46,48,49,51,60,61,62,64,65,66,67,68,69,71,72,73,74,81、ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,9,10,12,13,14,15,16,17,24,49,55,60,61,62,63,65,73,74,75,77,81,83,87,93,94,95,97,98,99,100,101,104,105,106,108,109,110,111,113,114,116,117,120,123,124,126,127,128,129,130,133,138,139,150,151,152,153,154,155,167,168,169,170,172,173,175,176,179,180,181,182,183,185,191,193,194,199,213,214,219等が挙げられる。
しかし、有機顔料は、上記例示には限定されるものでない。中でも、窒素元素を含んだ複素環を1分子中に多数持つフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ジオキサジン顔料等は、炭素材料表面に効率的に触媒活性要因となる金属元素や窒素元素を導入しやすくなるためより好ましい。
<貴金属元素を含有しない大環状化合物>
本発明における炭素触媒の製造方法において用いられる貴金属元素を含有しない大環状化合物としては、中心金属がコバルト、鉄、ニッケル、マンガン、銅、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、スズ、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる一種であり、それらに有機系配位子が結合したフタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物が挙げられる。また、貴金属元素を含有しない大環状化合物は、電子吸引性官能基や電子供与性官能基を導入されていても問題ない。中でも、コバルトフタロシアニン系化合物、ニッケルフタロシアニン系化合物、鉄フタロシアニン系化合物は、安価で、高い酸素還元活性も有することで知られていることから、それらより合成した炭素触媒は、安価で高い酸素還元活性を有する炭素触媒となるため原料としてより好ましい。
<炭素材料>
本発明における炭素触媒の製造方法において用いられる炭素材料としては、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック)、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン等が挙げられる。炭素材料は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性など様々な物性やコストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択する。
市販の炭素材料としては、例えば、
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック;
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULT
RA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック;
VGCF、VGCF−H、VGCF−X等の昭和電工社製カーボンナノチューブ;
名城ナノカーボン社製カーボンナノチューブ;
xGnP−C−750、xGnP−M−5等のXGSciences社製グラフェンナノプレートレット;
Easy−N社製ナノポーラスカーボン;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<樹脂成分>
本発明における炭素触媒の製造方法において用いられる樹脂成分としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等が挙げられる。又、これらの樹脂の変性体、混合物、又は共重合体であっても良い。
具体的には、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、及びビニルピロリドン等を構成単位として含む共重合体が挙げられる。
<天然材料>
本発明における炭素触媒の製造方法において用いられる天然材料としては、未変性又は変性の、多糖類、天然ワックス、天然樹脂、および植物油からなる群から選ばれる天然材料等が挙げられる。
<炭素触媒の製造方法>
本発明における炭素触媒の製造方法としては、有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を含む前駆体を作製する工程と、前記前駆体を熱処理する工程とを含む方法が挙げられる。
前駆体を作製する方法としては、1種類の有機色素を単独で用いる場合もあるが、2種類以上の有機色素を用いる場合や、炭素材料、樹脂成分、又は天然材料などと併用する場合もある。2種類以上の成分を混合、または複合化させる場合、乾式混合や湿式混合などの方法があり、混合装置としては、以下のような乾式処理機や湿式処理機が使用できる。
乾式処理機としては、例えば、
2本ロールや3本ロール等のロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速攪拌機、マイクロナイザーやジェットミル等の流体エネルギー粉砕機、アトライター、ホソカワミクロン社製粒子複合化装置「ナノキュア」、「ノビルタ」、「メカノフュージョン」、奈良機械製作所社製粉体表面改質装置「ハイブリダイゼーションシステム」、「メカノマイクロス」、「ミラーロ」等が挙げられる。
又、乾式処理機を使用する際、母体となる原料粉体に、他の原料を粉体のまま直接添加しても良いが、より均一な混合物を作成するために、前もって他の原料を少量の溶媒に溶解、又、分散させておき、母体となる原料粉体の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
本発明における製造方法において使用される樹脂成分、又は天然材料の中には、常温では固体であるが、融点、軟化点、又はガラス転移温度が100℃未満と低い材料があり、こういった材料を用いる場合、常温で混合するより、加温下で溶融させて混合する方がより均一に混合できる場合もある。
湿式処理機としては、例えば、
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社製「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械製作所社製「マイクロス」等のメディアレス分散機;
又は、その他ロールミル、ニーダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、湿式処理機としては、装置からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。又、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
又、各原料の溶媒への濡れ性、分散性を向上させるために、一般的な顔料分散剤を一緒に添加し、分散、混合することができる。
又、湿式混合の場合、湿式処理機を用いて作製した分散体を乾燥させる工程が必要となる。この場合、用いる乾燥装置としては、棚式乾燥機、回転乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機 撹拌乾燥機、凍結乾燥機などが挙げられる。
本発明における製造方法では、炭素触媒の原料となる有機色素や、その他の炭素材料、樹脂成分、又は天然材料などに対して、最適な混合装置又は分散装置を選択することにより、触媒活性の優れた炭素触媒を得ることができる。
更に、前駆体として有機色素に樹脂成分を併用する場合、有機色素分散体、又は溶液中でモノマーを重合させ、樹脂成分と有機顔料を複合化させた状態で取り出し、使用することもできる。
最後に、有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を含む前駆体を熱処理する工程においては、加熱温度は処理される有機顔料によって異なるものであるが、500〜1000℃、好ましくは600〜900℃であることが好ましい。
熱処理工程における加熱温度が500℃を下回る場合、有機色素の融解や熱分解が生じにくく、炭素触媒活性も低いことがある。一方、加熱温度が1000℃を超える場合、有機色素の熱分解や昇華が激しくなり、炭素材料表面に触媒活性要因の一つとして考えられている有機色素由来の窒素元素や金属元素などが残存しにくくなり、触媒活性が低いことがある。
更に、熱処理工程における雰囲気に関しては、有機色素をできるだけ不完全燃焼により炭化させ、有機色素由来の窒素元素や金属元素などを炭素材料表面に残存させる必要性があるため、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気や、窒素やアルゴンに水素が混合された還元性ガス雰囲気などが好ましい。また、熱処理時の炭素触媒中の窒素元素量低減を抑制するために、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気で熱処理を行なうことも可能である。
また、熱処理工程に関しては、一定の温度下、1段階で処理行なう方法だけでなく、分解温度の異なる有機色素を2種類以上混合する場合や、有機色素以外の炭素材料、樹脂成分、又は天然材料などを混合し使用する場合などは、それぞれの成分の熱分解挙動に合わせて、加熱温度の異なる条件で数段階に分けて熱処理を行なうことも可能である。そうすることで、触媒活性要因の一つとして考えられている有機色素由来の窒素元素や金属元素などを、より効率的に多量に残存させられることがある。
<炭素触媒の製造方法;濃硫酸混合>
本発明における炭素触媒の製造方法としては、有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、90〜100重量%の濃硫酸中に溶解させたあと、炭素材料と分散混合する工程1と、前記分散液を水に混合し、有機色素を炭素材料表面に析出させる工程2と、前記表面処理炭素材料を取り出し、洗浄、乾燥する工程3とを行い、さらに前記乾燥物を熱処理して得られることを特徴とする製造方法が挙げられる。
90〜100重量%の濃硫酸に対して、本発明で使用する有機色素は、有機溶剤や水などと比較して非常に高濃度で溶解可能でなり、有機色素を分子レベルで、且つ高い処理量で炭素材料表面に吸着処理可能となるため、高い触媒活性を有する炭素触媒を製造する方法として好ましい。有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素は、分子レベルで高い平面構造を有し、疎水性の高い材料であるが、90〜100重量%の濃硫酸中において分子レベルで溶解するため、表面がグラフェン構造を有し、疎水性の高い炭素材料表面において吸着しやすくなる。更に、担持体となる炭素材料も濃硫酸に容易に分散しやすいため、高い比表面積を持つ炭素材料表面に対して有機色素を吸着処理しやすく、最終的に多数の触媒活性点を導入可能になるため高い酸素還元活性を示す炭素触媒が得られる製造方法である。
まず、有機顔料、及び貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、90〜100重量%の濃硫酸中に溶解あと、炭素材料と分散混合する工程1においては、溶解させる有機色素の濃硫酸に対する溶解度に合わせて有機色素の添加量を合わせることが好ましい。溶解度以上の添加量で処理を行なうと、最終的に得られる炭素触媒が不均一なものになりやすく、また有機色素の添加量に相当する高い触媒活性が得られるものではないからである。 濃硫酸の濃度に関しては、90重量%より低くなると、有機色素の溶解力が顕著に低下し、炭素材料表面に対して高濃度で均一な有機色素の析出処理が難しくなることから、90重量%以上、好ましくは95%以上であることが望ましい。硫酸濃度を上げても溶解しにくい有機色素、具体例としてフタロシアニン顔料などは、溶解度を上げるために、溶解時に加温や、濃硫酸中に発煙硫酸を混合し使用することも可能である。逆に、濃硫酸に溶けやすい有機色素、具体例としてアゾ顔料などのような分子量の小さい有機色素は、溶解と同時に加水分解反応やスルホン化反応など、構造が変化する化学反応が生じる場合がある。こう言った有機色素の場合は、低温下での溶解や、硫酸濃度を下げて使用することも可能である。
更に、有機色素が溶解した濃硫酸溶液中で炭素材料を分散混合する場合は、使用する炭素材料に合わせて添加量や分散混合方法を最適化することが好ましい。炭素材料の違いによって、粒子径、BET比表面積、嵩密度などが大きく異なるため、ある一定量の濃硫酸に対して分散混合できる最適量が異なる。具体的に、粒子径が小さく、BET比表面積が大きい炭素材料は、嵩密度は低い傾向にあるため、添加量が大きくなりすぎると濃硫酸溶液の粘性が急激に上がり、分散混合効率が低下する可能性がある。
更に、分散混合方法として、耐酸性の反応釜中で撹拌しながら炭素材料を濃硫酸に分散混合する方法や、耐酸性のある分散機などで分散混合することも可能である。
次に、炭素材料が分散された分散液を水に混合し有機色素を炭素材料表面に析出させる工程2においては、濃硫酸の分散液量に対して等倍以上の水と混合し、更に、混合時の急激な水和熱による発熱を抑制させるために、混合させる水を氷水などにし、5℃以下に冷却させながら混合することが好ましい。また、濃硫酸を希釈する媒体は、水に限定するものではなく、濃硫酸と混合しやすく、使用する有機色素の溶解性がほとんどない水溶性溶剤も使用することが可能である。具体的には、メタノール、エタノール、アセトンなどが挙げられる。
次に、有機色素により表面処理された炭素材料を洗浄、乾燥する工程3においては、硫酸成分が残存しないレベルまで洗浄したあと乾燥することが好ましい。洗浄方法としては、炭素材料の水スラリーをろ過したあと、蒸留水やイオン交換水をふりかけ洗浄するだけでなく、ろ過したあとの炭素材料の水ペーストを再度、蒸留水やイオン交換水に再分散し、ろ過することを数回繰り返すとより効率的な洗浄が可能となる。洗浄の終点としては、ろ液のpHが中性であることが好ましい。
洗浄後の乾燥方法に関しては、50〜150℃程度の乾燥装置で乾燥させることが好ましい。更に、減圧下で乾燥させると、より短時間で乾燥可能となり効率的である。
最後に、有機色素により表面処理された炭素材料の乾燥物を熱処理する工程においては、加熱温度は処理される有機色素によって異なるものであるが、500〜1000℃、好ましくは600〜900℃であることが好ましい。
熱処理工程における加熱温度が500℃を下回る場合、有機色素の融解や熱分解が生じにくく、炭素触媒活性も低いことがある。一方、加熱温度が1000℃を超える場合、有機色素の熱分解や昇華が激しくなり、炭素材料表面に触媒活性要因の一つとして考えられている有機色素由来の窒素元素や金属元素などが残存しにくくなり、触媒活性が低いことがある。
更に、熱処理工程における雰囲気に関しては、有機色素をできるだけ不完全燃焼により炭化させ、有機色素由来の窒素元素や金属元素などを炭素材料表面に残存させる必要性があるため、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気や、窒素やアルゴンに水素が混合された還元性ガス雰囲気などが好ましい。また、熱処理時の炭素触媒中の窒素元素量低減を抑制するために、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気で熱処理を行なうことも可能である。
また、熱処理工程に関して、一定の温度下、1段階で処理行なう方法だけでなく、分解温度の異なる有機色素を2種類以上使用した場合や、有機色素以外の樹脂成分などを混合し使用する場合などは、それぞれの有機色素や樹脂成分の熱分解挙動に合わせて、加熱温度の異なる条件で数段階に分けて熱処理を行なうことも可能である。そうすることで、触媒活性要因の一つとして考えられている有機色素由来の窒素元素や金属元素などを、より効率的に多量に残存させられることがある。
<燃料電池>
次に、本発明における製造方法で製造された炭素触媒を、アノード電極及びカソード電極に適用した燃料電池について説明する。
図1に本発明の形態の燃料電池の概略構成図を示す。燃料電池は、固体高分子電解質4を挟むように、対向配置されたセパレータ1、ガス拡散層2、アノード電極触媒(燃料極)3、カソード電極触媒(空気極)5、ガス拡散層6、及びセパレータ7とから構成される。
固体高分子電解質4としては、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を代表とするフッ素系陽イオン交換樹脂膜が用いられる。
また、本発明における製造方法で製造された炭素触媒をアノード電極触媒3及びカソード電極触媒5として、固体高分子電解質4の双方に接触させることにより、アノード電極触媒3及びカソード電極触媒5に炭素触媒を備えた燃料電池が構成される。
上述の炭素触媒を固体高分子電解質の双方の面に形成し、アノード電極触媒3及びカソード電極触媒5を電極反応層側で固体高分子電解質4の両主面にホットプレスにより密着することにより、MEA(Membrane Electrode Assembly)として一体化させる。
最近では、炭素触媒の比表面積が高いことから、炭素触媒にガス拡散層の機能を付与し、ガス拡散層がなくシンプルで安価な構成の燃料電池構成なども提案されていたりする。
上記セパレータ1、7は、燃料ガス(水素)や酸化剤ガス(酸素)等の反応ガスの供給、排出を行う。そして、アノード及びカソード電極触媒3、5に、ガス拡散層2、6を通じてそれぞれ均一に反応ガスが供給されると、両電極に備えられた炭素触媒と固体高分子電解質4との境界において、気相(反応ガス)、液相(固体高分子電解質膜)、固相(両電極が持つ触媒)の三相界面が形成される。そして、電気化学反応を生じさせることで直流電流が発生する。
上記電気化学反応において、
カソード側:O2+4H++4e-→2H2
アノード側:H2→2H++2e-
の反応が起こり、アノード側で生成されたH+イオンは固体高分子電解質4中をカソード側に向かって移動し、e-(電子)は外部の負荷を通ってカソード側に移動する。
一方、カソード側では酸化剤ガス中に含まれる酸素と、アノード側から移動してきたH+イオン及びe-とが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
なお、本発明における製造方法で製造された炭素触媒の用途は、上記燃料電池用電極触媒に限定するものではなく、金属‐空気電池用電極触媒、排ガス浄化用触媒、水処理浄化用触媒などとして用いることが可能である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、%は重量%をそれぞれ表す。
炭素触媒、及び前駆体である表面処理炭素材料の分析は、以下の測定機器を使用した。
・XRD(X線回折測定);PANalytical社製 X‘Pert PRO M PD
・CHN元素分析;パーキンエルマー社製 2400型CHN元素分析
・ICP発光分光分析;SPECTRO社製 SPECTRO ARCOS FHS1 2
・SEM(走査型電子顕微鏡);日立製作所社製 SEM S−4300
<炭素触媒の合成>
[実施例1;炭素触媒(1)]
ピグメントブラック1(BASF社製)とケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)を、重量比1:1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。
上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で1時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し炭素触媒(1)を得た。
得られた炭素触媒(1)は、CHN元素分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.01であった。
[実施例2;炭素触媒(2)]
95%濃硫酸500重量部を秤量したフラスコに、コバルトフタロシアニン(東京化成社製)3.5重量部を添加し溶解させた。その濃硫酸溶液に、ケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)7重量部を添加し、室温下で10時間、混合撹拌を行なった。得られたケッチェンブラック分散液を氷水2300重量部にゆっくり添加し、ケッチェンブラック表面にコバルトフタロシアニンを析出させた。得られた水スラリー液をろ過し、ろ液が中性になるまで水洗を行い、水ペーストを乾燥することで表面処理ケッチェンブラックを得た。得られた表面処理ケッチェンブラックは、XRD(X線回折測定)より、原料であるコバルトフタロシアニンの結晶性ピークが消失していることから非晶性の状態であることが示唆され、SEM(走査型電子顕微鏡)より、コバルトフタロシアニンが均一にケッチェンブラック表面に処理されていることが観察された。
上記表面処理ケッチェンブラックを乳鉢にて粉砕したあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で1時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し炭素触媒(2)を得た。
得られた炭素触媒(2)は、CHN元素分析、及びICP発光分光分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.06、モル比Co(コバルト)/C(炭素)は0.011であった。
[実施例3;炭素触媒(3)]
実施例2で得られた表面処理ケッチェンブラックをアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で1時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し炭素触媒(3)を得た。
得られた炭素触媒(3)は、CHN元素分析、及びICP発光分光分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.08、モル比Co(コバルト)/C(炭素)は0.013であった。
[実施例4;炭素触媒(4)]
95%濃硫酸500重量部を秤量したフラスコに、鉄フタロシアニン(東京化成社製)7重量部を添加し溶解させた。その濃硫酸溶液に、ケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)7重量部を添加し、室温下で10時間、混合撹拌を行なった。得られたケッチェンブラック分散液を氷水2300重量部にゆっくり添加し、ケッチェンブラック表面に鉄フタロシアニンを析出させた。得られた水スラリー液をろ過し、ろ液が中性になるまで水洗を行い、水ペーストを乾燥することで表面処理ケッチェンブラックを得た。得られた表面処理ケッチェンブラックは、XRD(X線回折測定)より、原料である鉄フタロシアニンの結晶性ピークが消失していることから非晶性の状態であることが示唆され、SEM(走査型電子顕微鏡)より、鉄フタロシアニンが均一にケッチェンブラック表面に処理されていることが観察された。
上記表面処理ケッチェンブラックを乳鉢にて粉砕したあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で1時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し炭素触媒(4)を得た。
得られた炭素触媒(4)は、CHN元素分析、及びICP発光分光分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.05、モル比Fe(鉄)/C(炭素)は0.013であった。
<炭素触媒の酸素還元活性評価>
実施例で得られた炭素触媒(1)〜(4)をグラッシーカーボン上に分散させた電極を用いて、酸素還元活性評価を行なった。評価方法は以下の通りである。
(1)インキ化方法
炭素触媒0.01gを秤量し、固体高分子電解質としてナフィオン(デュポン社製)が分散された水、エタノール、ブタノール混合溶液に添加したあと、超音波(45Hz)で15分間分散処理を行ない炭素触媒インキとした。
(2)作用電極作製方法
回転電極(グラッシーカーボン電極の半径0.15cm)表面を鏡面に研磨したあと、電極表面に上記炭素触媒インキ7.5μLを滴下し、1500rpmにてスピンコートし、自然乾燥により作用電極を作製した。
(3)LSV(リニアスイープボルタンメトリ)測定
上記で作製した作用電極と、対極(白金)、参照電極(Ag/AgCl)が取り付けられた電解槽に電解液(0.5M硫酸水溶液)を入れ、酸素還元活性試験を行なった。
酸素還元活性度合いの指標となる酸素還元開始電位は、電解液中に酸素でバブリングを行ったあと、酸素雰囲気下、作用電極を2000rpmで回転させLSV測定を行なった。ちなみに、電解液中に窒素でバブリングを行なったあと、窒素雰囲気下でLSV測定を行なった数値をバックグランドとした。
酸素還元開始電位は、電流密度は−10μA/cm2到達時点の電位を読み取り、その電位が高いほど酸素還元活性が高いことを示すものである。評価結果を表1に示した。
標準サンプルとして、白金担持カーボン(白金担持率40wt%)の酸素還元活性度合いを上記評価方法で行なったところ、酸化還元開始電位は0.75Vであった。
Figure 2013158674
表1から分かるように、実施例の製造方法で合成した炭素触媒は、高い酸素還元活性を有するものであった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
1 セパレータ
2 ガス拡散層
3 アノード電極触媒(燃料極)
4 固体高分子電解質
5 カソード電極触媒(空気極)
6 ガス拡散層
7 セパレータ

Claims (5)

  1. 有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、熱処理して得られることを特徴とする炭素触媒の製造方法。
  2. 有機顔料、および貴金属元素を含有しない大環状化合物からなる群から選ばれる有機色素の一種以上を、90〜100重量%の濃硫酸中に溶解させたあと、炭素材料と分散混合する工程1と、前記分散液を水に混合し、有機色素を炭素材料表面に析出させる工程2と、前記表面処理炭素材料を取り出し、洗浄、乾燥する工程3とを行い、さらに前記乾燥物を熱処理して得られることを特徴とする請求項1記載の炭素触媒の製造方法。
  3. 大環状化合物が、フタロシアニン系化合物である請求項1または2記載の炭素触媒の製造方法。
  4. 熱処理が不活性ガス雰囲気中で500〜1000℃に保持する処理である請求項1〜3いずれか記載の炭素触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の方法で製造された炭素触媒を、固体高分子電解質膜の一方、又は双方の面に配置させた電極触媒を有する燃料電池。
JP2012021476A 2012-02-03 2012-02-03 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池 Pending JP2013158674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021476A JP2013158674A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021476A JP2013158674A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013158674A true JP2013158674A (ja) 2013-08-19

Family

ID=49171403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012021476A Pending JP2013158674A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013158674A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160178A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東洋インキScホールディングス株式会社 スルホン化炭素触媒及びその製造方法、及び該スルホン化炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP2018183743A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 シャープ株式会社 触媒の製造方法
WO2021193664A1 (ja) 2020-03-23 2021-09-30 エヌ・イーケムキャット株式会社 電極用触媒の製造システムおよび製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160178A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東洋インキScホールディングス株式会社 スルホン化炭素触媒及びその製造方法、及び該スルホン化炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP2018183743A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 シャープ株式会社 触媒の製造方法
WO2021193664A1 (ja) 2020-03-23 2021-09-30 エヌ・イーケムキャット株式会社 電極用触媒の製造システムおよび製造方法
KR20220151685A (ko) 2020-03-23 2022-11-15 엔.이. 켐캣 가부시키가이샤 전극용 촉매의 제조 시스템 및 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6225545B2 (ja) 炭素触媒造粒体、炭素触媒造粒体の製造方法、及び該炭素触媒造粒体を用いた触媒インキ並びに燃料電池
Zheng et al. Yolk-shell N/P/B ternary-doped biocarbon derived from yeast cells for enhanced oxygen reduction reaction
JP6350092B2 (ja) 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池
JP6244936B2 (ja) 炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
Li et al. A sulfonated cobalt phthalocyanine/carbon nanotube hybrid as a bifunctional oxygen electrocatalyst
EP3132845B1 (en) Nitrogen-containing carbon material and method for manufacturing same, and slurry, ink, and electrode for fuel cell
JP2007137755A (ja) 中型多孔性炭素の製造方法、中型多孔性炭素、担持触媒および燃料電池
KR20080020159A (ko) 고분자전해질 연료전지용 전기화학촉매의 제조방법
JP2016192399A (ja) 燃料電池用ペースト組成物、及び燃料電池
JP6672935B2 (ja) 炭素触媒及び、その製造方法、触媒インキ並びに燃料電池
JP2017210638A (ja) 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた水電解用触媒インキ並びに水電解装置
JP2013158674A (ja) 炭素触媒の製造方法、及び該触媒を用いた燃料電池
JP6237338B2 (ja) スルホン化炭素触媒及びその製造方法、及び該スルホン化炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
Mutyala et al. Methanol tolerant, high performance, noble metal free electrocatalyst developed from polyaniline and ferric chloride for the oxygen reduction reaction
JP6870420B2 (ja) 酵素電池正極用電極ペースト組成物、酵素電池正極用電極および酵素電極電池
JP6186959B2 (ja) 触媒インキの製造方法、触媒インキ、触媒電極、燃料電池、および空気電池
Lal et al. Paper based hydrazine monohydrate fuel cells with Cu and C composite catalysts
JP5387791B1 (ja) 炭素触媒、炭素触媒の製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP7293624B2 (ja) 酵素電池正極用触媒、酵素電池正極用電極ペースト組成物、及びその用途
JP6028650B2 (ja) 炭素触媒、炭素触媒の製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP2013191475A (ja) 燃料電池用触媒インキ及び塗布シート
JP7155814B2 (ja) 燃料電池正極用触媒、燃料電池正極用ペースト組成物、燃料電池用正極、燃料電池、および水分センサー
JP6263969B2 (ja) 酸化物系非白金触媒造粒体、酸化物系非白金触媒造粒体の製造方法、及び該酸化物系非白金触媒造粒体を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP7063155B2 (ja) 微生物燃料電池デバイス
Li et al. In situ preparation of multi-wall carbon nanotubes/Au composites for oxygen electroreduction