JP2013158267A - 食品残渣物を用いたペーストの製造方法 - Google Patents

食品残渣物を用いたペーストの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品残渣物を利用して、有用性の高いペーストを提供する。
【解決手段】おからなどの食物繊維を含有する食品残渣物を用意するS1。この食品残渣物に150℃以上で熱風乾燥処理S2を施し、粉砕するS3。こうして得られた物に、水、油脂、および乳化剤を混合S5し、乳化処理S6を施す。最後に、得られた物を、レトルト容器に密封充填S7し、高温・高圧下でレトルト殺菌S8する。こうすることにより、芳香性を有し、安定性が高く、食品や化粧品などの原料として使用しやすいペーストを得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品残渣物を用いたペーストの製造方法に関する。
おからは、食物繊維を多く含み、健康的な食品として知られているが、ぱさつき感やざらつき感といった食感によって、嗜好に合わず敬遠されることが多い。従来、主として食感の改善をはかるべく種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1は、おからに温水と調味料を加えてから磨砕し、微粉ペーストとする技術を開示している。特許文献2は、おからに水を加え加熱し、糖、有機酸を混合する技術を開示している。特許文献3は、無蒸煮発酵大豆乳化油脂、燻液、水分を含有したペーストを開示している。
特開平8−266240号公報 特開2006−230274号公報 特開2009−106179号公報 特開2011−45289号公報
しかし、従来技術では、おからを食用その他の用途で利用するためには、食感その他の点で、まだ改善の余地が残されていた。かかる課題は、おからに限られるものではなく、食物繊維を多く含む食品残渣物について、同様に存在していた。
本発明は、かかる課題を解決し、おからその他の食品残渣物を利用し、食用その他の用途に利用しやすいペーストを提供することを目的する。
本発明の食品残渣物を用いたペーストの製造方法は、
(A) 食物繊維を含む食品残渣物を用意する工程と、
(B) 前記食品残渣物に、100℃以上で乾燥処理を施す工程と、
(C) 粉砕した前記食品残渣物に、水または親水性物を含む液体と混合する工程とを備えるペーストの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、スラリー状のペーストを製造することができるとともに、100℃以上で乾燥処理を施すことにより、食品残渣物に芳香性を生じさせることができる。この結果、例えば、食品原料として用いた場合には、食味・食感を向上させることができる。また、化粧品原料など他の用途に用いた場合も、芳香性を持たせることによって使用感を向上させることができる。
さらに、乾燥処理を施すことによって、食品残渣物の腐敗を抑制することができる効果もある。
乾燥処理は、種々の方法で行うことができるが、例えば、乾燥室内に熱風を送り、その熱と風で室内の材料を乾燥させる熱風乾燥処理が好ましい。また、乾燥させる際の温度は、100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上が好ましい。芳香性を十分に生じさせるという観点では、200℃以上が好ましい。
本発明において、食品残渣物としては、おから、果汁を搾ったあとの果実や野菜の絞りかす、茶葉の抽出滓などを用いることができる。
食品残渣物に加える液体としては水に代えて、または水とともに親水性物を含む液体を用いても良い。親水性物を含む液体としては、エタノールなどの親水性分子または脂肪酸におけるカルボン酸残基などの親水性基を有する物質を含む液体を用いることができる。
本発明のペーストの製造方法においては、さらに
(D)油脂もしくは親油性を有する物質を添加して乳化処理を行う工程を備えるものとしてもよい。
大豆には大豆レシチンが含まれているため、その油脂等との乳化作用を奏することができる。従って、油脂等を加えて乳化処理を行うことにより、製造されたペーストに親水性、親油性の双方を持たせることができ、ペーストと他の材料とを安定的に混合させることが可能となるため、ペーストの有用性を向上させることができる。本発明者は、種々の実験の結果、ペースト状にした後、他の材料と混合する際に乳化処理を行うよりも、ペーストを製造する時点で乳化処理を施す方が、他の材料と安定的に混合可能なペーストになることを見いだした。上記態様は、かかる知見に基づくものである。
油脂としては、例えば、サラダ油・ゴマ油などの植物性の脂肪油、鯨油などの魚油その他の動物性の脂肪油、カカオバター・パーム油・マーガリンなどの植物性の脂肪、ラード・ヘット・乳脂・バターなどの動物性の脂肪を用いることができる。親油性を有する物質は、これらの油脂に代えて用いても良いし、これらの油脂とともに用いてもよい。
本発明のペーストの製造方法においては、
前記工程(D)は、さらに乳化作用を有する物質を添加して乳化処理を行う工程を備えるものとしてもよい。
こうすることによって、より乳化作用を促進させることができ、安定的に製造することが可能となる。
乳化作用を有する物質としては、モノグリセリド(グリセリン脂肪酸エステル)・ソルビタン脂肪酸エステル・シュガーエステル(ショ糖脂肪酸エステル)・プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの乳化剤、コレステロールや乳汁、卵黄、大豆などに含まれるレシチンなどを用いることができる。乳化作用を有する物質は、レシチンのように油滴が親水基で取り囲まれているO/W型、コレステロールのように水滴が疎水基で取り囲まれているW/O型のいずれであってもよい。
また、本発明においては、さらに、
(E) 前記混合された物を、スチーム殺菌またはレトルト殺菌する工程を備えるものとしてもよい。
レトルト殺菌とは、加圧加熱殺菌を意味し、蒸気や加圧熱水を利用して100℃を超える温度で殺菌する処理である。スチーム殺菌の条件は種々設定可能であるが、例えば、温度95℃以上とすることが好ましい。いずれの殺菌方法をとるかに関わらず、上記工程では、95℃を超える温度に加熱することが目的であり、必ずしもこれによる殺菌効果は奏しなくてもよい。
上述のように、スチーム殺菌またはレトルト殺菌を施すことにより、製造されたペーストをより安定化させることができ、原料としての有用性を増すことができる。
上述の製造方法で製造されたペーストは、食品原料として利用する他、種々の態様で利用することができ、化粧品原料の製造に利用することも出来る。
即ち、本発明は、
上述の製造方法で製造された食品残渣物を用いたペーストを用意する工程と、
該ペーストと化粧品用の材料を混合する工程とを備える化粧品原料の製造方法とすることもできる。
ここで化粧品としては、例えば、クリーム、石けん、シャンプー、コンディショナーなどが考えられる。上述の態様において混合すべき化粧品用の材料は、最終製品としての化粧品に応じて種々選択可能である。
本発明は、上述した種々の特徴を全て備えている必要はなく、適宜、一部を省略したり、組み合わせたりして構成することができる。本発明は、ペーストの製造方法、化粧品原料の製造方法としての態様のみならず、こうして製造されたペースト、化粧品の態様をとることもできる。
実施例におけるペーストの製造工程を示すフローチャートである。 芳香性に関する官能試験の概要を示す説明図である。 芳香性に関する官能試験結果を示す説明図である。 食味・食感に関する官能試験の概要を示す説明図である。 食味・食感に関する官能試験結果を示す説明図である。 粘度の測定結果を示す説明図である。
食料残渣物として豆腐製造時に副産物として産出されるおからを用いた場合の実施例について、以下、説明する。
A.製造工程:
B.比較実験結果:
B1.芳香性:
B2.食味・食感:
B3.粘度:
C.効果等:
A.製造工程:
図1は、実施例におけるペーストの製造工程を示すフローチャートである。この工程は、全てまたは一部を機械で自動化することもできるが、ここでは作業員によって作業するものとして説明する。
まず、作業員は、最初に、食品残渣物を用意する(ステップS1)。本実施例では、おからが食品残渣物に当たる。
次に、作業員はこの食品残渣物を、100℃以上で熱風乾燥処理する(ステップS2)。この処理は、おからの水分調整、およびアミノカルボニル反応などの芳香性を生じさせる反応を目的として行うものである。熱風乾燥処理の温度条件としては、100℃以上で任意に設定可能であるが、150℃以上とすることが好ましく、200℃とすることがより好ましい。ただし、あまり高温にすると、原料が焦げてしまい芳香性を損ねるため、原料の量および芳香性の程度を考慮して、温度および加熱時間を調整する必要がある。
熱風乾燥処理に代えて、他の加熱方法を採用してもよい。例えば、鉄板などの上で単純に加熱する方法をとることもできる。加熱温度、加熱時間は、加熱方法に応じて、調整する必要がある。
作業員は、熱風乾燥処理が完了すると、食品残渣物を粉砕処理し、異物除去を行う(ステップS3)。粉砕処理と異物除去の順序は問わない。両者を並行して行ってもよい。
製造されるペーストの食感や、他の原料と混ぜた際の使用感を向上させるためには、粉砕処理における粒径は、できるだけ細かくすることが好ましい。
粉砕処理によって微粉末化された原料を放冷した後(ステップS4)、作業員は、これに水、油脂、乳化剤および調味料を添加し攪拌混合し(ステップS5)、乳化処理を行う(ステップS6)。乳化処理には、ホモゲナイザーや高速の剪断機などを用いることができる。乳化剤は省略することもできる。
上記工程において、調味料の添加は、省略しても差し支えない。この工程によって、原料は、スラリー状のペーストとなる。
このように油脂および乳化剤を加えることによって、ペーストに親水性、親油性の双方を持たせることができ、ペーストと他の材料とを安定的に混合させることが可能となるため、ペーストの有用性を向上させることができる。
油脂としては、例えば、サラダ油・ゴマ油などの植物性の脂肪油、鯨油などの魚油その他の動物性の脂肪油、カカオバター・パーム油・マーガリンなどの植物性の脂肪、ラード・ヘット・乳脂・バターなどの動物性の脂肪を用いることができる。油脂に代えて、または油脂とともに、親油性を有する物質を加えてもよい。かかる物質としては、例えば、トマトジュースや牛乳などをあげることができる。
乳化剤としては、モノグリセリド(グリセリン脂肪酸エステル)・ソルビタン脂肪酸エステル・シュガーエステル(ショ糖脂肪酸エステル)・プロピレングリコール脂肪酸エステルなどを用いることができる。また、これらの乳化剤とともに、または乳化剤に代えて、コレステロールや乳汁、卵黄、大豆などに含まれるレシチンなどを用いてもよい。おからを原料とする場合、おからには大豆レシチンが含まれているから、乳化剤を省略または減量してもよい。
油脂および乳化剤の添加量は、安定したエマルジョンとなるよう、原料の種類および量などに応じて、適宜、調整すればよい。上述した通り大豆レシチンは乳化作用を有しているため、乳化剤の添加を省略することも可能である。
水は、スラリー状にするために添加するものである。水に代えて、温水を用いてもよいし、親水性物を含む液体を用いてもよい。
乳化処理まで完了すると、作業員は、製品を計量し、容器に充填して、密封し(ステップS7)、レトルト殺菌をする(ステップS8)。容器は、レトルト殺菌に適したものであればよく、紫外線透過性については問わない。
レトルト殺菌は、蒸気や加圧熱水を利用して100℃を超える温度で殺菌する加圧加熱殺菌である。100℃を超える温度に加熱することにより、製造されたペーストをより安定化させることができ、原料としての有用性を増すことができる。
以上でペーストの製造工程が完了する。製造されたペーストは、食品原料として、他の食材と混ぜて使用することができる。
また、ペーストを混合して、クリーム、石けん、シャンプー、コンディショナーなどの化粧品等を製造することも可能である。ペーストを、適宜、化粧品の種別に応じた原料と混合すればよい。
B.比較実験結果:
本実施例における製造工程による効果を示すため、以下、芳香性および食感についての比較実験結果を示す。
B1.芳香性:
図2は、芳香性に関する官能試験の概要を示す説明図である。
試料は、生おから100グラムを、ラミカップ、鉄板に載せ、オーブンで加熱して作成した。加熱時間は60分とし、加熱温度を50℃〜200℃まで50℃刻みで変化させた。試料は、各温度条件I〜IVに対して、2回に分けて製造した。図の右側に加熱後の試料の外観を示す。加熱温度が高くなるにつれて、若干、褐色に着色していることが分かる。また、加熱温度が高くなるにつれて、乾燥が進むため、粉砕処理を施しているわけではないが、見た目の粒状感が小さくなりサラサラとした粉末状の外観となる。
概して、50℃の状態(温度条件I)では、ほぼ生に近い状態でしっとりとした触感であり、原料にほとんど匂いは感じられなかった。100℃の状態(温度条件II)では、しっとりとした触感ではあるが、芳香が感じられた。150℃(温度条件III)では、乾燥が進みサラサラの状態に近づくとともに、はっきりと良い芳香が感じられた。200℃(温度条件IV)では、乾燥がさらに進み顆粒状になるとともに、周囲から焦げが進み、比較的強い芳香が感じられた。
図3は、芳香性に関する官能試験結果を示す説明図である。
図3(a)は、芳香性を感じるか否かを温度条件ごとに被験者に尋ねた試験結果である。図示する通り、50℃(温度条件I)で芳香性を感じると回答したのは0%であるが、100℃(温度条件II)では62.5%の被験者が芳香性を感じると回答し、150℃(温度条件III)以降では、100%の被験者が芳香性を感じると回答した。
この結果から、芳香性を生じさせるためには、100℃以上に加熱することが好ましく、150℃以上に加熱することが、より好ましいことが見いだされた。
図3(b)は、最も良い芳香性を感じる試料を被験者に尋ねた試験結果である。図示する通り、25%の被験者が150℃(温度条件III)が最も良い芳香性を感じると回答し、75%の被験者が200℃(温度条件IV)が最も良い芳香性を感じると回答した。
この結果から、良い芳香性を生じさせるためには、150℃以上に加熱することが好ましく、200℃に加熱することがより好ましいことが見いだされた。
B2.食味・食感:
次に、食味・食感についての官能試験結果について示す。本実施例におけるおからペーストは、種々の食品原料として利用することができる。以下では、おからペーストを用いてドーナツを製造し、その食味・食感を確認した結果について示す。
図4は、食味・食感に関する官能試験の概要を示す説明図である。3種類のドーナツを製造し、その食味・食感を比較した。
いずれも約15グラムの丸形形状のドーナツであり、185℃で約3分間、調理して製造したものである。
試料Aは、おからパウダーのみを使用したものである。図中に示した配合率は、ドーナツを製造するための小麦粉など基本的な原料以外に添加した添加物における配合率である。試料Aは、1日経過した時点で、ぱさついた感じ、固くしまった感じの食感を呈した。また、10日経過した時点では、飲み込む辛いほどに、ぱさつく、固くしまったという食感となった。
試料Bは、おからパウダーに、水を加えたものである。両者の配合は、おからパウダー9.09%に対し、水90.91%とした。おからパウダーの量は、試料Aと同じとした。試料Bは、1日経過した時点で、しっとりとした食感をしているものの、固く重い感じであった。10日経過した時点では、ぱさつき、固い感じとなり、飲み込み辛い状態となった。
試料Cは、おからパウダーに、水および植物油脂を加えたものである。おからパウダー9.09%に対し、水81.82%、油脂9.09%という配合率とした。おからパウダーの量は、試料Aと同じとした。試料Cは、1日経過した時点で、しっとりとしており、口溶けが良く、もちっとした食感を呈していた。また10日経過時点では、若干ぱさつくものの、口溶けが良い食感を呈していた。
図5は、食味・食感に関する官能試験結果を示す説明図である。
図5(a)は、製造した当日に被験者に試料A〜Cを試食してもらい、もっともおいしいと感じるものを回答してもらった結果である。試料Bと回答した被験者が25%、試料Cと回答した被験者が75%であった。
図5(b)は、同様に、被験者に、もっともしっとりとした食感のものを回答してもらった結果である。試料Bと回答した被験者が12.5%、試料Cと回答した被験者が75%、不明と回答した被験者が12.5%であった。
この結果から、水だけを用いて製造したおからペーストよりも、おからペーストの製造時に、油脂を含有させることにより、おからペーストを用いた食品の食味・食感ともに大きく向上することが裏付けられた。
B3.粘度:
本実施例では、製造工程において、レトルト殺菌を施している(図1のステップS8参照)。レトルト殺菌を施すことにより、ペーストがより安定化する効果が得られる。この効果を確認するため、レトルト殺菌の有無、および条件を変化させた試料ついて、粘度を測定した。ペーストが十分に安定していない状態では、乳化状態が崩れて水分と油分とが分離するため、粘度が低下する。これに対し、十分に安定化した状態であれば、粘度が一定または増加する傾向が得られる。
図6は、粘度の測定結果を示す説明図である。図6(a)には、試料の製造条件および粘度の計測結果を一覧表にして示した。図6(b)には、粘度の計測結果をグラフにして示した。それぞれの試料A〜Eについて、白抜きの状態が未殺菌、中央のハッチングを付したものが1日後、クロスハッチを施したものが30日後である。
試料A〜Eは、いずれもおから、水、植物油脂(菜種)を1:9:1で配合したペーストである。
試料Aは、レトルト殺菌ではなく95℃、45分の条件でスチーム殺菌を施したものである。試料Bは、透明袋を用いてF値4のレトルト殺菌を施したものであり、試料Cは、アルミ袋を用いてF値4のレトルト殺菌を施したものである。同様に、試料Dは透明袋を用い、試料Eはアルミ袋を用いて、それぞれF値8のレトルト殺菌を施したものである。
これらの試料について、殺菌前の未殺菌の状態、1日後および30日後の粘度を計測した。
粘度の計測方法は、次の通りである。測定には、株式会社サン科学のレオメーターSD−700を用いた。この装置は、試料中に所定距離だけアダプタを挿入するために要する荷重を計測するものである。
本実施例では、豆腐パックを計測用の容器として使用した。この容器を試料で満たし、アダプタの挿入距離を容器深さの半分に相当する22.4mmとして、計測を行った。出力は、この計測時の荷重(グラム)である。試料の粘度が高いほど、計測結果としての荷重は大きくなり、粘度が低いほど、荷重は小さくなる。
図6(a)、図6(b)に示す通り、試料A〜Eのいずれにおいても、30日後では、未殺菌の状態に比較して、粘度が向上している。つまり、いずれもスチーム殺菌またはレトルト殺菌の効果により、安定性が向上していることが分かる。試料Bでは、1日後には一旦、粘度が低減しているが、30日後には大きく向上しているため、計測誤差による影響が否定できない。
このように、この実験結果から明らかな通り、試料に対してスチーム殺菌またはレトルト殺菌によって、ペーストの安定性を向上させる効果が得られる。
C.効果等:
以上で説明した通り、実施例におけるペーストの製造方法によれば、原料に加熱乾燥処理を施すことにより、芳香性を持たせることができる。
また、油脂を混合させ、乳化処理を施すことによって、食味・食感を大きく向上させることができる。かかる効果を生じる原因は、科学的に必ずしも解明できてはいないが、おからペーストが乳化処理によって親水性、親油性の両性質を有し、他の食品原料と容易に混ざりやすくなることによるものと考えられる。
さらに、スチーム殺菌またはレトルト殺菌により、おからペーストの安定性を向上させることが可能となる。
こうした効果は、必ずしも食品として利用する場合だけに限定されるものではない。従って、本実施例におけるおからペーストは、食品原料として使用するだけでなく、化粧品の原料として使用することも可能である。化粧品としては、例えば、クリーム、石けん、シャンプー、コンディショナーなどが考えられる。おからペーストは、これらの化粧品の原料ともよく混ざり合うため、おからを混入させながらも、容易に分離しない安定した化粧品を製造することができ、滑らかな使用感を実現することができる。そして、おからに含まれる成分の効果によって、種々の美容的な作用を奏することが可能となる。
以上の実施例は、おからを例にとって説明したが、本発明は、おからに限らず、食物繊維を含有する他の食品残渣物についても適用可能である。かかる食品残渣物としては、例えば、果汁を搾ったあとの果実や野菜の絞りかす、茶葉の抽出滓などを用いることができる。
なお、実施例で説明した種々の製造工程および効果は、必ずしも全てを備えている必要はなく、本発明は、これらの製造工程の一部を適宜、省略した態様で実施することも可能である。
本発明は、食物繊維を含む食品残渣物を用いたペーストの製造に利用可能である。

Claims (5)

  1. 食品残渣物を用いたペーストの製造方法であって、
    (A) 食物繊維を含む食品残渣物を用意する工程と、
    (B) 前記食品残渣物に、100℃以上で乾燥処理を施す工程と、
    (C) 粉砕した前記食品残渣物に、水または親水性物を含む液体と混合する工程とを備えるペーストの製造方法。
  2. 請求項1記載のペーストの製造方法であって、さらに
    (D)油脂もしくは親油性を有する物質を添加して乳化処理を行う工程を備えるペーストの製造方法。
  3. 請求項2記載のペーストの製造方法であって、
    前記工程(D)は、さらに乳化作用を有する物質を添加して乳化処理を行う工程であるペーストの製造方法。
  4. 請求項2または3記載のペーストの製造方法であって、さらに、
    (E) 前記混合された物を、スチーム殺菌またはレトルト殺菌する工程を備えるペーストの製造方法。
  5. 化粧品原料の製造方法であって、
    請求項1〜4いずれか記載のペーストの製造方法によって製造された食品残渣物を用いたペーストを用意する工程と、
    該ペーストと化粧品用の材料を混合する工程とを備える化粧品原料の製造方法。
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