JP2013157354A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染雰囲気との接触による基板の汚染を低減できる基板処理装置および基板処理方法を提供すること。
【解決手段】基板処理装置は、基板Wを水平に保持するスピンチャック3と、基板Wの上面に処理液を供給するノズルと、スピンチャック3を取り囲む筒状のガード54、55を含む。各ガード54、55の内周面59xには、ガード54、55の周方向に配列された複数の吸引口59aが形成されている。各ガード54、55は、複数の吸引口59aに気体を吸引して、放射状に広がる気流を基板W上に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が知られている。
特許文献1に記載の枚葉式の基板処理装置は、処理室内に配置された基板載置プレートと、基板載置プレート上で基板の下面周縁部を支持する環状部材と、環状部材の内側で基板の下面を支持する複数の球体と、環状部材および球体に水平に支持された基板の上面に気化したHMDSを供給する供給装置とを備えている。
この基板処理装置は、さらに、気化したHMDSが基板載置プレートの上面と基板の下面との間に進入することを防止するために、基板載置プレートに設けられた貫通孔を通じて基板載置プレートと基板との間の気体を排出し、基板の下面周縁部を環状部材に密着させる第1の排気装置と、処理室の底面に設けられた排気口を通じて処理室内の気体を排出する第2の排気装置とを備えている。
特開2010−219435号公報
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、気化したHMDSなどの処理ガスや、薬液やリンス液などの処理液が、基板の上面に供給される。そのため、基板を汚染する汚染雰囲気(処理成分やパーティクルを含む雰囲気)が基板上に発生する場合がある。特許文献1の基板処理装置では、第2の排気装置によって処理室内が排気される。しかしながら、排気口が処理室の底面に設けられているので、第2の排気装置の吸引力を強くしたとしても、基板上の汚染雰囲気を直接吸うことができない。そのため、雰囲気の滞留域が基板上に発生し、汚染雰囲気が確実に排気されない場合がある。
そこで、本発明の目的は、汚染雰囲気との接触による基板の汚染を低減できる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を水平に保持する基板保持手段(3)と、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段(5〜10)と、前記基板保持手段を取り囲んでおり、周方向に配列された複数(好ましくは、3つ以上)の吸引口(59a)が内周面(59x)に形成されており、前記複数の吸引口に気体を吸引して、放射状に広がる気流を前記基板上に形成する筒状のガード(54〜57)とを含む、基板処理装置(1)である。
この構成によれば、基板保持手段に水平に保持された基板上の気体が、基板保持手段を取り囲む筒状のガードの内周面に形成された複数の吸引口に吸引される。複数の吸引口は、ガードの周方向に配列されている。したがって、放射状に広がる気流、すなわち、基板の中央部上から外方に広がる気流が基板上に形成され、基板上の気体が複数の吸引口に直接吸引される。そのため、処理液供給手段から基板への処理液の供給によって、基板を汚染する汚染雰囲気が、基板上に発生したとしても、この雰囲気は、基板上から確実に排出される。よって、汚染雰囲気の拡散を抑制または防止でき、汚染雰囲気との接触による基板の汚染を低減できる。これにより、基板の清浄度を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、前記複数の吸引口は、前記ガードの前記周方向に等間隔で配列されている、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、複数の吸引口が、ガードの周方向に等間隔で配列されているので、放射状に広がる均一な気流が、基板上に形成される。したがって、雰囲気の滞留域が基板上に発生することを抑制または防止できる。そのため、汚染雰囲気を確実に排出できる。
請求項3に記載の発明は、前記ガードは、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給が開始される前に前記複数の吸引口への気体の吸引を開始し、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給と並行して前記複数の吸引口に気体を吸引する、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液供給手段から基板への処理液の供給が開始される前に、吸引口への気体の吸引が開始されるので、吸引口が気体を吸引している状態で、処理液供給手段からの処理液が基板に供給される。そのため、汚染雰囲気を確実に排出でき、基板の汚染を低減できる。
請求項4に記載の発明は、前記ガードは、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給が終了した後に、前記複数の吸引口への気体の吸引を終了する、請求項3に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液供給手段から基板への処理液の供給が終了した後に、吸引口への気体の吸引が終了されるので、処理液の供給終了後に汚染雰囲気が残留しているとしても、この汚染雰囲気を確実に排出できる。これにより、基板の汚染を低減できる。
請求項5に記載の発明は、前記ガードは、前記基板保持手段を取り囲む筒状の外ガード(55〜57)と、前記基板保持手段と前記外ガードとの間で前記基板保持手段を取り囲む筒状の内ガード(54〜56)とを含み、前記外ガードは、前記基板より上方に配置された筒状の上端部を含み、前記外ガードの前記上端部の内周面に前記複数の吸引口が形成されており、前記内ガードは、前記基板より下方に配置された筒状の上端部を含み、前記内ガードの前記上端部の内周面に前記複数の吸引口が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、周方向に配列された複数の吸引口が、外ガードの上端部の内周面に形成されている。同様に、周方向に配列された複数の吸引口が、内ガードの上端部の内周面に形成されている。外ガードの上端部は、基板より上方に配置されており、内ガードの上端部は、基板より下方に配置されている。したがって、基板上の気体は、外ガードの上端部に向かって斜め上に吸い寄せられると共に、内ガードの上端部に向かって斜め下に吸い寄せられる。これにより、上下方向への汚染雰囲気の拡散範囲を狭めることができる。
請求項6に記載の発明は、前記複数の吸引口のそれぞれに接続された吸引装置(64)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、吸引装置からの吸引力が各吸引口に伝達され、基板上の気体が各吸引口に吸引される。すなわち、各吸引口が共通の吸引装置に接続されているので、複数の吸引装置を設けなくてもよい。そのため、基板処理装置の構成の複雑化を抑制または防止できる。
請求項7に記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面全域に対向する対向面(4x)を含む対向部材(4)をさらに含み、前記ガードは、前記基板と前記対向部材との間の気体を前記複数の吸引口に吸引する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、対向部材の対向面が、基板の上方に配置されているので、汚染雰囲気の拡散が、対向部材によって抑制または防止される。さらに、ガードは、基板の上面と対向部材の対向面との間の気体を複数の吸引口に吸引するので、汚染雰囲気を確実に排出できる。そのため、汚染雰囲気との接触による基板の汚染をより確実に低減できる。
請求項8に記載の発明は、前記対向部材は、前記基板の中央部に対向する前記対向面内の位置で開口しており、前記基板の上面に向けて気体を吐出する中心開口(4b)をさらに含む、請求項7に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、対向面で開口する中心開口から気体が吐出される。中心開口は、基板の中央部に対向している。したがって、中心開口から吐出された気体は、基板と対向部材との間を放射状に広がる。そのため、基板と対向部材との間の気体は、複数の吸引口からの吸引力によって外方に引き寄せられるだけでなく、中心開口から吐出された気体によって外方に押し流される。これにより、基板と対向部材との間の気体が、基板の周囲に排出され、複数の吸引口に吸引される。したがって、汚染雰囲気を確実に排出でき、汚染雰囲気との接触による基板の汚染をより確実に低減できる。
請求項9に記載の発明は、基板保持手段によって基板を水平に保持する保持工程と、前記保持工程と並行して、前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、前記保持工程と並行して、前記基板保持手段を取り囲む筒状のガードの内周面に形成されており、前記ガードの周方向に配列された複数の吸引口に気体を吸引して、放射状に広がる気流を前記基板上に形成する吸引工程とを含む、基板処理方法。この方法によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置を水平な方向から見た模式図である。 スピンチャックおよびガードの一部を水平な方向から見た模式的な部分断面図である。 スピンチャックおよびカップの平面図である。 基板処理装置によって行われる基板の処理の一例について説明するための模式図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1を水平な方向から見た模式図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理室2と、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直な基準線A1まわりに回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、基板Wの上面に対向する遮断板4(対向部材)とを含む。基板処理装置1は、さらに、液体や気体などの処理流体を基板Wに供給する複数本のノズル5〜10(処理液供給手段)と、スピンチャック3を取り囲む筒状のカップ11と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置12とを含む。複数本のノズルは、3本のスキャンノズル5〜7と、固定ノズル8と、二流体ノズル9と、中心軸ノズル10とを含む。
処理室2は、シャッター13によって開閉される箱形の隔壁14と、隔壁14の上部から隔壁14内(処理室2内に相当)に清浄空気を送る送風ユニットとしてのFFU15(ファン・フィルタ・ユニット)と、隔壁14の下部から処理室2内の気体を排出する排気装置16とを含む。スピンチャック3、遮断板4、ノズル5〜10、およびカップ11は、隔壁14内に配置されている。FFU15は、隔壁14の上方に配置されており、隔壁14の天井に取り付けられている。FFU15は、隔壁14の天井から処理室2内に清浄空気を送る。排気装置16は、カップ11の底部に接続されており、カップ11の底部から処理室2内の気体を吸引する。FFU15および排気装置16は、処理室2内にダウンフロー(下降流)を形成する。基板Wの処理は、処理室2内にダウンフローが形成されている状態で行われる。
スピンチャック3は、FFU15の下方に配置されている。スピンチャック3は、基板Wを水平に保持する円盤状のスピンベース17と、スピンベース17を基準線A1まわりに回転させるスピンモータ18とを含む。スピンチャック3は、基板Wの上面に非接触の状態で当該基板Wを水平に保持する。スピンチャック3は、基板Wを水平方向に挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックであってもよいし、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着することにより当該基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。図1では、スピンチャック3が挟持式のチャックである場合を示している。
遮断板4は、基板Wより直径が大きい円板状である。遮断板4は、上下方向に延びる支軸19によって水平な姿勢で支持されている。支軸19は、遮断板4の上方で水平に延びる支持アーム20に支持されている。遮断板4は、支軸19の下方に配置されている。遮断板4の中心軸線は、基準線A1上に配置されている。遮断板4の下面4x(対向面)は、基板Wの上面に対向している。遮断板4は、遮断板回転ユニット21および遮断板昇降ユニット22に連結されている。遮断板回転ユニット21は、支持アーム20に対して遮断板4を基準線A1まわりに回転させる。遮断板昇降ユニット22は、遮断板4および支軸19と共に支持アーム20を鉛直方向に昇降させる。
遮断板昇降ユニット22は、遮断板4の下面4xがスピンチャック3に保持されている基板Wの上面に近接する近接位置と、近接位置の上方に設けられた退避位置との間で遮断板4を昇降させる。遮断板昇降ユニット22は、たとえば4つの位置(近接位置、下側中間位置、上側中間位置、および退避位置)で遮断板4を保持可能である。下側中間位置は、近接位置と退避位置との間の位置であり、上側中間位置は、下側中間位置と退避位置との間の位置である。下側中間位置は、基板Wと遮断板4との間にスキャンノズル5〜7および二流体ノズル9が進入できない高さに設定されており、上側中間位置は、スキャンノズル5〜7および二流体ノズル9が基板Wと遮断板4との間に進入できる高さに設定されている。図1では、遮断板4が上側中間位置に位置している状態が示されている。
中心軸ノズル10は、遮断板4および基板Wの中心を通る鉛直な軸線、すなわち、基準線A1に沿って上下方向に延びている。中心軸ノズル10は、スピンチャック3の上方に配置されている。中心軸ノズル10は、支持アーム20によって支持されている。中心軸ノズル10は、支持アーム20に対して回転不能である。中心軸ノズル10は、遮断板4、支軸19、および支持アーム20と共に昇降する。支軸19は、筒状であり、その内部空間は、遮断板4の中央部を上下に貫通する貫通孔に連通している。貫通孔は、遮断板4の下面4xの中央部で開口している。中心軸ノズル10は、支軸19内に挿入されている。中心軸ノズル10の下面は、遮断板4の下面4xと同じ高さまたは遮断板4の下面4xより上方に配置されている。中心軸ノズル10は、中心軸ノズル10の周囲に形成された筒状流路23によって取り囲まれている。筒状流路23の下端は、中心軸ノズル10を取り囲む環状の開口を形成している。
中心軸ノズル10は、上下方向に延びる筒状のケース24と、ケース24内に挿入された2本のチューブ25、26(液用チューブ25および気体用チューブ26)とを含む。各チューブ25、26は、上下方向に延びており、各チューブ26、26の下端に設けられた開口は、ケース24の下端と同じ高さに配置されている。筒状流路23は、ケース24を取り囲んでいる。液用チューブ25は、中心リンス液バルブ27が介装された中心リンス液配管28)に接続されており、気体用チューブ26は、中心気体バルブ29が介装された中心気体配管30に接続されている。また、筒状流路23は、周囲気体バルブ31が介装された周囲気体配管32に接続されている。
中心リンス液バルブ27が開かれると、中心リンス液配管28から中心軸ノズル10に供給されたリンス液が、中心軸ノズル10の下面から下方に吐出される。同様に、中心気体バルブ29が開かれると、中心軸ノズル10に供給された気体が、中心軸ノズル10の下面から下方に吐出される。また、周囲気体バルブ31が開かれると、周囲気体配管32から筒状流路23に供給された気体が、筒状流路23の下端から下方に吐出される。したがって、中心リンス液バルブ27、中心気体バルブ29、および周囲気体バルブ31の少なくとも一つが開かれると、リンス液および気体の少なくとも一つが、遮断板4の下面4xの中央部で開口する中心開口4bから下方に吐出される。
中心軸ノズル10に供給されるリンス液は、純水(脱イオン水:Deionzied Water)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよいし、これ以外の液体であってもよい。また、中心軸ノズル10および筒状流路23に供給される気体は、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよいし、清浄空気であってもよいし、その他の気体であってもよい。以下では、リンス液の一例である純水が中心軸ノズル10に供給され、気体の一例である窒素ガスが、中心軸ノズル10および筒状流路23に供給される例について説明する。
第1スキャンノズル5は、第1薬液バルブ33が介装された第1薬液配管34に接続されている。同様に、第2スキャンノズル6は、第2薬液バルブ35が介装された第2薬液配管36に接続されており、第3スキャンノズル7は、第3薬液バルブ37が介装された第3薬液配管38に接続されている。第1薬液バルブ33が開かれると、第1薬液配管34から第1スキャンノズル5に供給された薬液が、第1スキャンノズル5から下方に吐出される。第2薬液バルブ35および第3薬液バルブ37についても同様である。
各スキャンノズル5〜7に供給される薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、および腐食防止剤のうちの少なくとも一つを含む液体であってもよいし、これ以外の液体であってもよい。たとえば、SPM(HSOとHとを含む混合液)、SC1(NHOHとHとを含む混合液)、SC2(HClとHとを含む混合液)、FPM(HFとHとを含む混合液)、およびBHF(HFとNHFとを含む混合液)のいずれかが、薬液として用いられてもよい。また、各スキャンノズル5〜7に供給される薬液は、同種の薬液であってもよいし、異なる種類の薬液であってもよい。以下では、SPMが第1スキャンノズル5に供給され、過酸化水素水が第2スキャンノズル6に供給され、SC1が第3スキャンノズル7に供給される例について説明する。
第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6は、共通のノズルアーム39に保持されている。第3スキャンノズル7は、ノズルアーム39とは異なるノズルアーム40に保持されている。ノズルアーム39は、第1&2ノズル移動ユニット41に接続されており、ノズルアーム40は、第3ノズル移動ユニット42に接続されている。第1&2ノズル移動ユニット41は、第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6と共にノズルアーム39を移動させる。第3ノズル移動ユニット42は、第3スキャンノズル7と共にノズルアーム40を移動させる。
第1&2ノズル移動ユニット41および第3ノズル移動ユニット42は、スキャンノズル5〜7から吐出された処理液が基板Wの上面中央部に着液する中心位置と、スキャンノズル5〜7から吐出された処理液が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、スキャンノズル5〜7を移動させる。たとえば、第1スキャンノズル5が処理液を吐出しており、基板Wが回転している状態で、第1&2ノズル移動ユニット41が、第1スキャンノズル5を中心位置および周縁位置の一方から他方に移動させると、処理液の着液位置が基板Wの上面全域を走査し、基板Wの上面全域に処理液が供給される。
固定ノズル8は、リンス液バルブ43が介装されたリンス液配管44に接続されている。リンス液バルブ43が開かれると、リンス液配管44から固定ノズル8に供給されたリンス液が、固定ノズル8から下方に吐出される。固定ノズル8は、所定位置に固定された状態でリンス液を吐出する。固定ノズル8がリンス液を吐出する吐出位置(図1に示す位置)は、固定ノズル8から吐出されたリンス液が基板Wの上面中央部に着液するように設定されている。基板Wが回転している状態で、リンス液が固定ノズル8から吐出されると、基板Wの上面中央部に着液したリンス液が、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。これにより、基板Wの上面全域にリンス液が供給される。以下では、リンス液の一例である炭酸水が、固定ノズル8に供給される例について説明する。
二流体ノズル9は、液体バルブ45が介装された液体配管46と、気体バルブ47が介装された気体配管48とに接続されている。液体バルブ45が開かれると、リンス液などの液体が、液体配管46から二流体ノズル9に供給され、気体バルブ47が開かれると、気体が、二流体ノズル9に供給される。液体バルブ45および気体バルブ47の両方が開かれている状態では、液体と気体とが混合され、多数の液滴によって形成された噴流が二流体ノズル9から下方に噴射される。以下では、リンス液の一例である純水と、気体の一例である窒素ガスとが、二流体ノズル9に供給される例について説明する。
二流体ノズル9は、二流体ノズル移動ユニット49に接続されている。二流体ノズル移動ユニット49は、二流体ノズル9から噴射された液滴が基板Wの上面中央部に衝突する中心位置と、二流体ノズル9から噴射された液滴が基板Wの上面周縁部に衝突する周縁位置との間で二流体ノズル9を移動させる。二流体ノズル9が液滴を噴射しており、基板Wが回転している状態で、二流体ノズル移動ユニット49が、二流体ノズル9を中心位置および周縁位置の一方から他方に移動させると、液滴の衝突位置が基板Wの上面全域を走査し、多数の液滴が基板Wの上面全域に衝突する。
カップ11は、スピンチャック3に保持されている基板Wよりも外方(基準線A1から離れる方向)に配置されている。カップ11は、スピンチャック3を取り囲む円筒部材50と、スピンチャック3と円筒部材50との間に配置された複数の処理液カップ51〜53(第1〜第3処理液カップ51〜53)と、基板Wの周囲に飛散した処理液を受け止める複数のガード54〜57(第1〜第4ガード54〜57)と、個々のガード54〜57を独立して昇降させるガード昇降ユニット58とを含む。図1では、基準線A1の右側と左側とで、第3ガード56が異なる高さに配置されている状態が示されている。
各処理液カップ51〜53は、円筒状であり、スピンチャック3と円筒部材50との間でスピンチャック3を取り囲んでいる。内側から2番目の第2処理液カップ52は、第1処理液カップ51よりも外方に配置されており、第3処理液カップ53は、第2処理液カップ52よりも外方に配置されている。第3処理液カップ53は、たとえば、第2ガード55と一体であり、第2ガード55と共に昇降する。各処理液カップ51〜53は、上向きに開いた環状の溝を形成している。各処理液カップ51〜53に導かれた処理液は、この溝を通じて図示しない回収ユニットまたは廃液ユニットに送られる。これにより、基板Wから排出された処理液が回収または廃棄される。
各ガード54〜57は、円筒状であり、スピンチャック3と円筒部材50との間でスピンチャック3を取り囲んでいる。内側の3つのガード54〜56は、外側の3つのガード55〜57のうちの少なくとも一つによって取り囲まれた内ガードであり、外側の3つのガード55〜57は、内側の3つのガード54〜56のうちの少なくとも一つを取り囲む外ガードである。
各ガード54〜57は、基準線A1に向かって斜め上に延びる円筒状の傾斜部59と、傾斜部59の下端から下方に延びる円筒状の案内部60とを含む。各傾斜部59の上端部は、ガード54〜57の内周部を構成しており、基板Wおよびスピンベース17よりも大きな直径を有している。4つの傾斜部59は、上下に重ねられており、4つの案内部60は、同軸的に配置されている。最も外側の案内部60を除く3つの案内部60は、それぞれ、複数の処理液カップ51〜53内に出入り可能である。すなわち、カップ11は、折り畳み可能であり、ガード昇降ユニット58が4つのガード54〜57の少なくとも一つを昇降させることにより、カップ11の展開および折り畳みが行われる。
ガード昇降ユニット58は、ガードの上端が基板Wより上方に位置する上位置と、ガードの上端が基板Wより下方に位置する下位置との間で、各ガード54〜57を昇降させる。ガード昇降ユニット58は、上位置と下位置との間の任意の位置で各ガード54〜57を保持可能である。基板Wへの処理液の供給や基板Wの乾燥は、いずれかのガード54〜57が、基板Wの周端面に対向している状態で行われる。たとえば内側から3番目の第3ガード56を基板Wの周端面に対向させる場合には、第1ガード54および第2ガード55が下位置(図1の左側に示す位置)に配置され、第3ガード56および第4ガード57が上位置(図1の左側に示す位置)に配置される。また、最も外側の第4ガード57を基板Wの周端面に対向させる場合には、第4ガード57が上位置(図1の右側に示す位置)に配置され、他の3つのガード54〜56が下位置(図1の右側に示す位置)に配置される。
基板Wへの処理液の供給は、たとえば、4つのガード54〜57のいずれかが、基板Wの周端面に対向している状態で行われる。したがって、基板Wに処理液が供給されているときに基板Wの周囲に飛散した処理液は、第1ガード54、第2ガード55、および第3ガード56のいずれかによって、いずれかの処理液カップ51〜53に案内される。また、基板Wの乾燥は、たとえば、最も外側の第4ガード57が基板Wの周端面に対向している状態で行われる。したがって、基板Wの高速回転によって基板Wの周囲に飛散した処理液は、第4ガード57によって円筒部材50の底に案内され、円筒部材50の底から図示しない廃液ユニットに送られる。このようにして、基板Wの周囲に飛散した処理液がいずれかのガード54〜57によって受け止められる。そのため、処理室2内での処理液の飛散範囲が狭められる。
図2は、スピンチャック3およびガード54〜57の一部を水平な方向から見た模式的な部分断面図である。図3は、スピンチャック3およびカップ11の平面図である。図2では、第1ガード53および第2ガード55以外のガードの図示を省略している。また、図3の黒矢印は、吸引口59aによる気体の吸引方向を示している。図3では、理解を容易にするために、吸引口59aを模式的に示している。
図3に示すように、各ガード54〜57の上端部(傾斜部59の上端部)は、基板Wと同軸であり、基板Wよりも大きな直径を有する円筒状の内周面59xを含む。内周面59xには、複数の吸引口59aが形成されている。各吸引口59aは、円形または楕円形の孔であってもよいし、周方向に長い長孔であってもよい。複数の吸引口59aは、ガード54〜57の周方向に等間隔で配列されている。図2に示すように、共通のガード54〜57に形成された複数の吸引口59aは、当該ガード54〜57の内部に形成された吸引路63に接続されている。各ガード54〜57の吸引路63は、吸引バルブ65が介装された吸引配管66を介して吸引装置64に接続されている。したがって、吸引バルブ65が開かれると、全てのガード54〜57に形成された全ての吸引口59aに気体が供給される。各吸引口59aへの気体の吸引方向は、水平方向であってもよいし、水平面に対して上または下に傾いた方向であってもよい。
図2に示すように、上下に隣接する2つのガード(たとえば、第1ガード53と第2ガード55)がそれぞれ下位置および上位置に配置されている状態では、基板Wの周囲に飛散した液滴が、2つのガードの間に排出される。この状態で制御装置12が吸引バルブ65を開くと、基板W上の気体が、上位置のガード54〜57に形成された複数の吸引口59aに向かって斜め上に吸い寄せられる(図2の一点鎖線の矢印参照)。それと共に、基板W上の気体が、下位置のガード54〜57に形成された複数の吸引口59aに向かって斜め下に吸い寄せられる(図2の二点鎖線の矢印参照)。そのため、図3に示すように、基準線A1から放射状に広がる気流が基板W上に形成される。これにより、基板W上の気体がガード54〜57内に排出される。
図4は、基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例について説明するための模式図である。以下では、図1、図2、および図4を参照する。
基板Wが処理されるときには、処理室2内に基板Wを搬入する搬入工程(S1)が行われる。具体的には、制御装置12は、スキャンノズル5〜7および二流体ノズル9を退避位置(基板Wの上方から離れた位置)に位置させる。さらに、制御装置12は、遮断板4を退避位置に位置させ、全てのガード54〜57を下位置に位置させる。この状態で、制御装置12は、図4に示す搬送ロボットRによって処理室2内に基板Wを搬入させる。その後、制御装置12は、搬送ロボットRによってスピンチャック3上に基板Wを載置させる。そして、制御装置12は、スピンチャック3によって基板Wを保持させる。制御装置12は、スピンチャック3上に基板Wが載置された後、搬送ロボットRを処理室2から退避させ、シャッター13を閉じる。
次に、薬液の一例であるSPMを基板Wに供給する第1薬液処理工程(S2)が行われる。具体的には、制御装置12は、第1&2ノズル移動ユニット41によって第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6を退避位置から基板W上に移動させる。そして、制御装置12は、ガード昇降ユニット58によって少なくとも一つのガード54〜57を上昇させて、いずれかのガード54〜57を基板Wの周端面に対向させる。続いて、制御装置12は、スピンチャック3および遮断板回転ユニット21によって、基板Wおよび遮断板4を同じまたはほぼ同じ回転速度で同じ回転方向に回転させる。さらに、制御装置12は、遮断板昇降ユニット22によって遮断板4を退避位置から上側中間位置に下降させる。前述のように、上側中間位置は、スキャンノズル5〜7および二流体ノズル9が基板Wと遮断板4との間に進入できる高さに設定されている。したがって、制御装置12が遮断板4を上側中間位置まで下降させても、遮断板4は、基板W上の第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6に衝突しない。
制御装置12は、遮断板4を移動させた後、吸引バルブ65を開く。これにより、基板Wと遮断板4との間の気体が、全てのガード54〜57に形成された全ての吸引口59aに吸引され、放射状に広がる気流が、基板Wと遮断板4との間に形成される。制御装置12は、ガード54〜57内に気体が吸引されている状態で、第1薬液バルブ33を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けて第1スキャンノズル5からSPMを吐出させる。さらに、制御装置12は、第1スキャンノズル5からSPMを吐出させながら、第1スキャンノズル5を中心位置と周縁位置との間で移動させる。そして、第1薬液バルブ33を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6を基板W上に位置させた状態で、ガード54〜57内への気体の吸引を継続させながら、第1薬液バルブ33を閉じて、第1スキャンノズル5からのSPMの吐出を停止させる。
第1スキャンノズル5から吐出されたSPMは、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。これにより、基板Wの上面全域にSPMが供給される。さらに、第1スキャンノズル5の移動に伴って基板WへのSPMの着液位置が移動するので、SPMが基板Wの上面全域に均一に供給される。これにより、基板Wの上面全域がSPMによって均一に処理される。さらに、SPMの吐出と並行して、ガード54〜57内に気体が吸引されるので、基板WへのSPMの供給に伴って発生した薬液雰囲気(SPMのミストやヒュームを含む汚染雰囲気)は、ガード54〜57内に吸引され、処理室2内から排出される。これにより、基板Wおよび遮断板4が、薬液雰囲気によって汚染されることが抑制または防止される。さらに、基板Wと遮断板4との間から薬液雰囲気が漏れて、処理室2の内壁面が汚染されることを抑制または防止できる。
次に、薬液の一例である過酸化水素水を基板Wに供給する第2薬液処理工程(S3)が行われる。具体的には、制御装置12は、遮断板4が上側中間位置に位置しており、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、第2薬液バルブ35を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けて第2スキャンノズル6から過酸化水素水を吐出させる。さらに、制御装置12は、第2スキャンノズル6から過酸化水素水を吐出させながら、第2スキャンノズル6を中心位置と周縁位置との間で移動させる。そして、第2薬液バルブ35を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、ガード54〜57内への気体の吸引を継続させながら、第2薬液バルブ35を閉じて、第2スキャンノズル6からの過酸化水素水の吐出を停止させる。その後、制御装置12は、第1&2ノズル移動ユニット41によって第1スキャンノズル5および第2スキャンノズル6を基板W上から退避させる。
SPMと同様に、第2スキャンノズル6から吐出された過酸化水素水は、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。そのため、基板W上のSPMは、第2スキャンノズル6から吐出された過酸化水素水によって置換される。これにより、過酸化水素水が基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域が過酸化水素水によって均一に処理される。さらに、過酸化水素水の吐出と並行して、ガード54〜57内に気体が吸引されるので、薬液雰囲気が基板Wと遮断板4との間に残留しているとしても、この雰囲気は、ガード54〜57内に吸引される。これにより、基板Wや遮断板4が汚染されたり、薬液雰囲気が基板Wと遮断板4との間から漏れることを抑制または防止できる。
次に、リンス液の一例である炭酸水を基板Wに供給するリンス工程(S4)が行われる。具体的には、制御装置12は、遮断板4が上側中間位置に位置しており、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、リンス液バルブ43を開いて、回転状態の基板Wの上面中央部に向けて固定ノズル8から炭酸水を吐出させる。そして、リンス液バルブ43を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、リンス液バルブ43を閉じて、固定ノズル8からの炭酸水の吐出を停止させる。その後、制御装置12は、吸引バルブ65を閉じて、ガード54〜57内への気体の吸引を停止させる。
固定ノズル8から吐出された炭酸水は、基板Wの上面中央部に着液した後、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。そのため、基板W上の過酸化水素水は、固定ノズル8から吐出された炭酸水によって置換される。これにより、炭酸水が基板Wの上面全域に供給され、基板W上の過酸化水素水が炭酸水によって洗い流される。さらに、炭酸水の吐出と並行して、ガード54〜57内に気体が吸引されるので、薬液雰囲気が基板Wと遮断板4との間に残留しているとしても、この雰囲気は、ガード54〜57内に吸引される。これにより、基板Wや遮断板4が汚染されたり、薬液雰囲気が基板Wと遮断板4との間から漏れることを抑制または防止できる。
次に、薬液の一例であるSC1を基板Wに供給する第3薬液処理工程(S5)が行われる。具体的には、制御装置12は、遮断板4が上側中間位置に位置しており、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、第3ノズル移動ユニット42によって第3スキャンノズル7を退避位置から基板W上に移動させる。その後、制御装置12は、第3薬液バルブ37を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けて第3スキャンノズル7からSC1を吐出させる。さらに、制御装置12は、第3スキャンノズル7からSC1を吐出させながら、第3スキャンノズル7を中心位置と周縁位置との間で移動させる。これにより、基板W上の炭酸水が、SC1に置換される。第3薬液バルブ37を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、第3薬液バルブ37を閉じて、第3スキャンノズル7からのSC1の吐出を停止させる。その後、制御装置12は、第3ノズル移動ユニット42によって第3スキャンノズル7を基板W上から退避させる。
次に、リンス液の一例である純水(DIW)の液滴を基板Wに衝突させる液滴衝突工程(S6)が行われる。具体的には、制御装置12は、遮断板4が上側中間位置に位置しており、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、二流体ノズル移動ユニット49によって二流体ノズル9を退避位置から基板W上に移動させる。その後、制御装置12は、液体バルブ45および気体バルブ47を開く。これにより、純水と窒素ガスとが、二流体ノズル9に供給され、多数の液滴が、回転状態の基板Wの上面に向けて二流体ノズル9から噴射される。制御装置12は、二流体ノズル9から多数の液滴を噴射させながら、二流体ノズル9を中心位置と周縁位置との間で移動させる。これにより、純水の液滴が、基板Wの上面全域に衝突し、基板Wと異物との結合力が、液滴の運動エネルギーによって弱められる。さらに、純水が基板Wの上面全域に供給され、基板W上のSC1が純水に置換される。液体バルブ45および気体バルブ47を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、液体バルブ45および気体バルブ47を閉じて、二流体ノズル9からの純水の吐出を停止させる。その後、制御装置12は、二流体ノズル移動ユニット49によって二流体ノズル9を基板W上から退避させる。
次に、リンス液の一例である炭酸水を基板Wに供給する最終リンス工程(S7)が行われる。具体的には、制御装置12は、スキャンノズル5〜7および二流体ノズル9が基板W上から退避しており、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、遮断板昇降ユニット22によって遮断板4を上側中間位置から下側中間位置に下降させる。その後、制御装置12は、中心リンス液バルブ27を開いて、回転状態の基板Wの上面中央部に向けて中心軸ノズル10から炭酸水を吐出させる。中心軸ノズル10から吐出された炭酸水は、基板Wの上面中央部に着液した後、基板Wの回転による遠心力によって外方に広がる。これにより、基板W上の純水が、炭酸水に置換されると共に、液滴の衝突によって基板Wから剥がれた異物が洗い流される。中心リンス液バルブ27を開いてから所定時間が経過すると、制御装置12は、中心リンス液バルブ27を閉じて、中心軸ノズル10からの炭酸水の吐出を停止させる。
次に、基板Wを乾燥させる乾燥工程(S8)が行われる。具体的には、制御装置12は、いずれかのガード54〜57が基板Wの周端面に対向している状態で、遮断板昇降ユニット22によって遮断板4を下側中間位置から近接位置まで下降させる。さらに、制御装置12は、中心気体バルブ29および周囲気体バルブ31の少なくとも一つを開いて、遮断板4の下面4xの中央部で開口する中心開口4bから窒素ガスを下方に吐出させる。その後、制御装置12は、スピンチャック3および遮断板回転ユニット21によって基板Wおよび遮断板4の回転を加速させて、基板Wおよび遮断板4を高回転速度で回転させる。そして、基板Wおよび遮断板4の高速回転を開始させてから所定時間が経過すると、制御装置12は、遮断板4からの窒素ガスの吐出を停止させると共に、基板Wおよび遮断板4の回転を停止させる。
遮断板4が近接位置に移動することにより、基板Wと遮断板4との間隔が狭まり、遮断板4の下面4xが基板Wの上面に近接する。そのため、基板Wと遮断板4との間の体積が減少する。また、中心開口4bから吐出された窒素ガスは、基板Wと遮断板4との間を外方に流れた後、基板Wと遮断板4との間の隙間から外方に排出される。そのため、基板Wと遮断板4との雰囲気が窒素ガスに置換される。基板W上の炭酸水は、基板Wの高速回転によって基板Wの周囲に振り切られる。したがって、基板W上の炭酸水は、窒素ガス雰囲気中で基板Wから除去される。そのため、基板Wは、窒素ガス雰囲気中で乾燥する。これにより、ウォーターマークの発生が低減される。
次に、処理室2内から基板Wを搬出する搬出工程(S9)が行われる。具体的には、制御装置12は、遮断板昇降ユニット22によって遮断板4を近接位置から退避位置まで上昇させる。さらに、制御装置12は、ガード昇降ユニット58によって全てのガード54〜57を下位置まで下降させる。この状態で、制御装置12は、搬送ロボットRを処理室2内に進入させる。その後、制御装置12は、搬送ロボットRによってスピンチャック3上の基板Wを保持させる。そして、制御装置12は、搬送ロボットRを処理室2内から退避させる。これにより、処理室2内から基板Wが搬出される。
以上のように本実施形態では、スピンチャック3に水平に保持された基板W上の気体が、スピンチャック3を取り囲む筒状のガード54〜57の内周面59xに形成された複数の吸引口59aに吸引される。複数の吸引口59aは、ガード54〜57の周方向に配列されている。したがって、放射状に広がる気流、すなわち、基板Wの中央部上から外方に広がる気流が基板W上に形成され、基板W上の気体が複数の吸引口59aに直接吸引される。そのため、基板Wへの処理液の供給によって、基板Wを汚染する汚染雰囲気が、基板W上に発生したとしても、この雰囲気は、基板W上から確実に排出される。よって、汚染雰囲気の拡散を抑制または防止でき、汚染雰囲気との接触による基板Wの汚染を低減できる。これにより、基板Wの清浄度を高めることができる。
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、全てのガードに吸引口が形成されている場合について説明したが、一部のガードだけに吸引口が形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、カップが、複数のガードを備えている場合について説明したが、ガードの数は、1つであってもよい。
また、前述の実施形態では、SPMの供給に伴って発生した薬液雰囲気が、吸引口を通じて排出される場合について説明したが、排出される薬液雰囲気は、SPM以外の薬液の供給に伴って発生した薬液雰囲気であってもよい。当然、薬液以外の処理液の供給に伴って発生した雰囲気が、吸引口を通じて排出されてもよい。
また、前述の実施形態では、ガードが気体の吸引を停止している状態で、SC1が基板に供給される場合について説明したが、ガードは、SC1の供給と並行して気体を吸引してもよい。たとえば、基板が処理室に搬入されてから搬出されるまで気体の吸引が継続されてもよい。
また、前述の実施形態では、基板へのSPMの供給が開始される前に、ガードが気体の吸引を開始し、基板へのSPMの供給が終了した後に、ガードが気体の吸引を終了する場合について説明した。しかし、ガードは、基板へのSPMの供給が開始されるのと同時または開始された後に、気体の吸引を開始してもよい。また、ガードは、基板へのSPMの供給が終了するのと同時または終了する前に、気体の吸引を終了してもよい。
また、前述の実施形態では、スキャンノズルから薬液が吐出され、固定ノズルおよび中心軸ノズルからリンス液が吐出される場合について説明した。しかし、スキャンノズルからリンス液が吐出され、固定ノズルおよび中心軸ノズルから薬液が吐出されてもよい。
また、前述の実施形態では、基板処理装置が、円板状の基板を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
3 :スピンチャック(基板保持手段)
4 :遮断板(対向部材)
4b :中心開口
4x :下面(対向面)
5 :第1スキャンノズル(処理液供給手段)
6 :第2スキャンノズル(処理液供給手段)
7 :第3スキャンノズル(処理液供給手段)
8 :固定ノズル(処理液供給手段)
9 :二流体ノズル(処理液供給手段)
10 :中心軸ノズル(処理液供給手段)
54 :第1ガード(内ガード)
55 :第2ガード(内ガード、外ガード)
56 :第3ガード(内ガード、外ガード)
57 :第4ガード(外ガード)
59 :傾斜部
59a :吸引口
59x :内周面
64 :吸引装置
W :基板

Claims (9)

  1. 基板を水平に保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の上面に処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記基板保持手段を取り囲んでおり、周方向に配列された複数の吸引口が内周面に形成されており、前記複数の吸引口に気体を吸引して、放射状に広がる気流を前記基板上に形成する筒状のガードとを含む、基板処理装置。
  2. 前記複数の吸引口は、前記ガードの前記周方向に等間隔で配列されている、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記ガードは、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給が開始される前に前記複数の吸引口への気体の吸引を開始し、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給と並行して前記複数の吸引口に気体を吸引する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記ガードは、前記処理液供給手段から基板への処理液の供給が終了した後に、前記複数の吸引口への気体の吸引を終了する、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記ガードは、前記基板保持手段を取り囲む筒状の外ガードと、前記基板保持手段と前記外ガードとの間で前記基板保持手段を取り囲む筒状の内ガードとを含み、
    前記外ガードは、前記基板より上方に配置された筒状の上端部を含み、前記外ガードの前記上端部の内周面に前記複数の吸引口が形成されており、
    前記内ガードは、前記基板より下方に配置された筒状の上端部を含み、前記内ガードの前記上端部の内周面に前記複数の吸引口が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記複数の吸引口のそれぞれに接続された吸引装置をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記基板保持手段に保持されている基板の上面全域に対向する対向面を含む対向部材をさらに含み、
    前記ガードは、前記基板と前記対向部材との間の気体を前記複数の吸引口に吸引する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記対向部材は、前記基板の中央部に対向する前記対向面内の位置で開口しており、前記基板の上面に向けて気体を吐出する中心開口をさらに含む、請求項7に記載の基板処理装置。
  9. 基板保持手段によって基板を水平に保持する保持工程と、
    前記保持工程と並行して、前記基板の上面に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記保持工程と並行して、前記基板保持手段を取り囲む筒状のガードの内周面に形成されており、前記ガードの周方向に配列された複数の吸引口に気体を吸引して、放射状に広がる気流を前記基板上に形成する吸引工程とを含む、基板処理方法。
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