以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
《システム構成》
図1は、本発明に係るウェーハ処理システムの一態様を示すシステム構成図である。
このウェーハ処理システム10は、表面に複数の素子がパターン形成されたウェーハWの裏面に電極となる金属膜を形成(成膜)し、その後、個々のチップに分割するシステムとして構成される。
このウェーハ処理システム10は、図1に示すように、ウェーハWの裏面に印刷処理を行う印刷装置20と、印刷処理されたウェーハWを乾燥処理する乾燥装置40と、乾燥処理されたウェーハWの裏面に金属膜を成膜する金属成膜装置50と、金属成膜されたウェーハWを洗浄処理する洗浄装置60と、洗浄処理されたウェーハWを個々のチップに分割する分割装置80とで構成される。
〈印刷装置〉
印刷装置20は、水溶性レジストRを用いて所定の画像をウェーハWの裏面に形成する。この画像は、ウェーハWの分割予定線に合致した線画である。すなわち、ウェーハWは、印刷により分割予定線上にマスクとなる水溶性レジストRが付与される。
ここで、本実施の形態のウェーハ処理システム10で処理するウェーハWは、上記のように、表面に複数の素子がパターン形成されたウェーハWである。
図2は、本実施の形態のウェーハ処理システムで処理するウェーハの上面図(表面側から見た図)である。また、図3は、本実施の形態のウェーハ処理システムで処理するウェーハの下面図(裏面側から見た図)である。
図2に示すように、ウェーハWの表面には、複数の素子Eが碁盤目状にパターン形成されている。分割予定線Lとは、この碁盤目状に配列された各素子Eを賽の目状に切断するための線であり、縦横複数条の罫で構成される。ウェーハWは、この分割予定線Lに沿って切削等することにより、個々のチップに分割される。
印刷装置20は、図4に示すように、分割予定線Lに沿って所定の線幅でウェーハWの裏面に水溶性レジストRを付与する。印刷装置20は、たとえば、スクリーン印刷装置で構成され、スクリーン印刷の技法を用いてウェーハWの裏面に所定の画像を形成(印刷)する。
図5、図6は、それぞれ印刷装置20の概略構成を示す平面図と正面図である。
同図に示すように、印刷装置20は、主として、印刷ステージ22と、スクリーンマスク24と、スキージ26と、水溶性レジスト補給装置(図示せず)とを備えて構成される。
印刷ステージ22は、ウェーハWを水平に保持する。印刷ステージ22は、図示しない水平移動機構によって、図5中X−Y方向に移動可能に設けられるとともに、図示しない昇降機構によって、図6中Z方向に移動可能に設けられる。さらに、図示しない回転機構によって、中心軸(θ軸)周りに回転可能に設けられる。印刷ステージ22は、図中Xに移動することにより、ウェーハWの交換を行うための交換位置と、印刷処理を行うための印刷位置との間を移動する。ウェーハWは、この印刷ステージ22の上に裏面を上に向けて載置され、保持される。
印刷ステージ22へのウェーハWの供給、回収は、たとえば、ロボットアームにより行われる。ウェーハWは、カセットに収容され、カセットからロボットアームにより取り出されて、印刷ステージ22に供給される。また、ロボットアームにより印刷ステージ22から回収されて、カセットの元の位置に収容される。
スクリーンマスク24は、たとえば、メッシュ上に塗布された感光性乳剤膜をフォトリソグラフィ技術によりパターン形成して製造される。あるいは、金属膜をフォトリソグラフィ技術によって選択的にエッチングしてメッシュパターンを形成して製造される。
スクリーンマスク24は、ウェーハWの裏面に形成する画像に合わせて開口部30Aとマスク部30Bとが形成される。すなわち、ウェーハWに水溶性レジストRを付与する部分が開口部30Aとされる。上記のように、本実施の形態のウェーハ処理システム10では、分割予定線Lに沿って水溶性レジストRを付与するので、処理対象のウェーハWの分割予定線Lに対応した開口部30Aが形成される。この分割予定線Lは、縦横複数条の罫で構成されるので(図2参照)、スクリーンマスク24には、図7に示すように、縦横複数条の罫からなる開口部30Aが形成される。
メッシュは、使用する水溶性レジストの組成や印刷対象の表面性状、形成する線幅、塗布する厚さなどによって番手が適宜設定される。分割予定線Lの線幅やウェーハWの表面性状等を考慮すると、たとえば、メッシュの番手は300以上とすることが好ましい。
以上のように構成されるスクリーンマスク24は、外周部をフレーム28に保持されて、所定位置に水平に設置される。印刷ステージ22は、印刷位置に移動すると、このスクリーンマスク24の下方に位置する。
スキージ26は、スクリーンマスク24に形成された開口部30Aに水溶性レジストRを充填させるためのものであり、図示しないスキージ駆動手段に駆動されて、図6中Y方向に水平移動し、スクリーンマスク24の上を摺動する。
水溶性レジスト補給装置(図示せず)は、スクリーンマスク24の上に水溶性レジストRを補給する。
スクリーンマスク24の上に水溶性レジストRを補給し、印刷ステージ22に保持されたウェーハWの裏面をスクリーンマスク24の下面に接触させ、スキージ26をスクリーンマスク24の一端から他端に向けて摺動させることにより、スクリーンマスク24に形成された開口部30Aに水溶性レジストRが充填される。この後、ウェーハWをスクリーンマスク24から離間させることにより、ウェーハWの裏面に水溶性レジストRが付与される。上記のように、開口部30Aは、分割予定線Lに対応して形成されているので、ウェーハWの裏面には、分割予定線Lに沿って水溶性レジストRが付与(印刷)される。
なお、分割予定線Lに沿って水溶性レジストRを正確に付与するためには、スクリーンマスク24とウェーハWとの位置合わせを正確に行う必要がある。このため、印刷装置20には、位置合わせを行うための機構(アライメント機構)が備えられる。
この位置合わせを行うための機構(アライメント機構)としては、たとえば、基準となるガイドピンを印刷ステージに設置し、ウェーハに設けたオリフラ等に当接させて位置合わせをする方式や、電子カメラ(CCDカメラなど)を使用し、画像処理技術により位置合わせを行う方式などを採用することができる。画像処理技術による方式は、たとえば、テスト印刷等で先にスクリーンマスク24の位置を登録しておき、印刷ステージに供給されたウェーハのズレを電子カメラで拡大認識し、印刷ステージ22をXY方向に移動、又は、回転させて、そのズレ分を補正するものである。
以上のように構成される印刷装置20では、次のようにしてウェーハWの印刷処理が行われる。
まず、ウェーハWが印刷ステージ22に供給される。このとき、ウェーハWは、印刷面である裏面が上に向けられて、印刷ステージ22の上に供給される。
次に、アライメント機構によりウェーハWのアライメントが行われる。これにより、印刷時に所定の位置に水溶性レジストRが付与される。すなわち、分割予定線L上に所定の幅をもって水溶性レジストRが付与される。
次に、印刷処理が行われる。まず、印刷ステージ22が印刷位置に移動する。これにより、印刷ステージ22がスクリーンマスク24の下に移動する(図8(a))。次に、印刷ステージ22が所定量上昇する。これにより、印刷ステージ22に載置されたウェーハWの裏面がスクリーンマスク24の下面に密着する(図8(b))。次に、スキージ26が駆動される(図8(c))。これにより、スクリーンマスク24上に付与された水溶性レジストRがスクリーンマスク24の開口部30Aに充填される(図8(d))。開口部30Aに充填された水溶性レジストRは、ウェーハWの裏面に載置される。この開口部30Aは、分割予定線Lに対応して形成されているので、水溶性レジストRは、分割予定線Lの上に載置される。スキージ26が一方端から他方端に移動すると、印刷ステージ22が所定量下降する。これにより、ウェーハWがスクリーンマスク24から離間する。このとき、スクリーンマスク24の開口部30Aに充填された水溶性レジストRが、ウェーハWと共にスクリーンマスク24から離間する。これにより、ウェーハWの裏面に水溶性レジストRが付与(印刷)される(図8(e))。この後、印刷ステージ22が交換位置に移動し、印刷ステージ22からウェーハWが回収される。
このように、印刷装置20は、スクリーン印刷によって、マスクとなる水溶性レジストRをウェーハWの裏面に付与する。この印刷装置20で印刷処理することにより、ウェーハWの裏面には、図4に示すように、あらかじめ設定された分割予定線Lに沿って水溶性レジストRが所定の幅で付与される。
なお、水溶性レジストRを付与する幅(印刷する線幅)は、後の分割工程を考慮して設定される。すなわち、ダイシングブレードによってウェーハWを分割処理する場合は、ダイシングブレードの幅よりも広い幅に設定される(図19参照)。同様に、スクライビングカッターによってウェーハWを分割処理する場合は、スクライビングカッターよりも広い幅に設定される。また、レーザーによってウェーハWを分割処理する場合は、照射するレーザーが透過可能な幅に設定される。
また、付与する水溶性レジストRの厚さは、後の乾燥工程、金属成膜工程、洗浄工程を考慮すると、5μm〜20μm程度が好ましい。
〈乾燥装置〉
乾燥装置40は、印刷処理されたウェーハWを乾燥処理する。すなわち、ウェーハWの裏面に付与された水溶性レジストRを乾燥させて、ウェーハWの裏面に定着させる。乾燥装置40は、たとえば、ウェーハWを加熱して乾燥処理(加熱乾燥)する。
図9は、乾燥装置の概略構成図である。同図に示すように、乾燥装置40は、ウェーハWが載置される乾燥ステージ42と、ヒータ44とを備えて構成される。
乾燥ステージ42は、ウェーハWを水平に保持する。この乾燥ステージ42は、ウェーハWの交換を行うための交換位置と、乾燥処理を行うための加熱位置との間を移動する。ウェーハWは、水溶性レジストRが付与された面(裏面)を上にして乾燥ステージ42の上に載置される。
乾燥ステージ42へのウェーハWの供給、回収は、たとえば、ロボットアームにより行われる。ウェーハWは、カセットに収容され、カセットからロボットアームにより取り出されて、印刷ステージ22に供給される。また、ロボットアームにより乾燥ステージ42から回収されて、カセットの元の位置に収容される。
ヒータ44は、たとえば、赤外線ヒータで構成され、加熱位置に位置した乾燥ステージ42の上方に設置される。乾燥ステージ42に載置されたウェーハWは、このヒータ44からの熱(輻射熱)によって加熱され、裏面に付与された水溶性レジストRが乾燥される(水溶性レジスト中の溶媒成分が除去される。)。
加熱温度、加熱時間等は、使用する水溶性レジストの種類やウェーハWの裏面に付与した水溶性レジストの厚さ等に応じて適宜設定される。たとえば、80度で10分〜15分加熱する。
乾燥装置40は、この他、ウェーハWの裏面に熱風を吹き当てて乾燥処理する構成とすることもできる。
〈金属成膜装置〉
金属成膜装置50は、乾燥処理されたウェーハWの裏面の全面に電極となる金属膜を成膜する。
金属成膜装置50は、たとえば、真空蒸着装置で構成され、真空蒸着の手法により、ウェーハWの裏面全面に金属膜Mを成膜する。すなわち、真空中(たとえば、真空蒸着槽中)で金属を電子銃などで加熱し蒸発させ、発生した分子をウェーハWの裏面に堆積させ、ウェーハWの裏面全面に薄膜を形成させる。
真空蒸着の技術、及び、その装置構成は、公知の技術なので、その具体的な説明については省略する。
金属成膜装置50については、この他、スパッタ装置等で構成することもできる。スパッタは、真空中に不活性ガス(主にArガス)を導入しながらウェーハとスパッタ材との間に直流高電圧を印加し、イオン化したArをスパッタ材に衝突させて、弾き飛ばされたスパッタ物質をウェーハに成膜させる技術である。
なお、金属膜Mは、図10に示すように、ウェーハWの裏面全面に成膜する。上記のように、ウェーハWの裏面には、分割予定線Lに沿って水溶性レジストRが付与されているので、分割予定線上の領域(水溶性レジストRが付与された領域)については、図11に示すように、水溶性レジストRの上に金属膜Mが成膜される。
〈洗浄装置〉
洗浄装置60は、金属膜Mが成膜されたウェーハWの裏面を洗浄し、分割予定線上に成膜された金属膜Mを水溶性レジストRと共に剥離、除去する。
洗浄装置60は、たとえば、ウェーハWの裏面に向けて洗浄液を噴射して、ウェーハWを洗浄処理する。
図12、図13は、それぞれ洗浄装置の概略構成を示す平面図、正面図である。
同図に示すように、本例の洗浄装置60は、ウェーハWを移送するコンベア62と、コンベア62によって移送されるウェーハWを洗浄処理する洗浄部64と、洗浄後のウェーハWを乾燥処理する乾燥部66とで構成される。
コンベア62は、所定の移送経路に沿ってウェーハWを水平に移送する。ウェーハWは、このコンベア62の上に裏面を上にして載置される。コンベア62へのウェーハWの供給、回収は、図示しない供給装置、回収装置によって行われる。供給装置(たとえば、ロボットアーム)は、金属膜Mが成形されたウェーハWをコンベア62の上に供給する。回収装置(たとえば、ロボットアーム)は、洗浄、乾燥後のウェーハWをコンベア62から回収する。
洗浄部64は、コンベア62によるウェーハWの移送経路上に設置される。洗浄部64は、ウェーハWに向けて洗浄液を噴射して、ウェーハWを洗浄処理する。
洗浄部64は、図12、図13に示すように、複数の洗浄液噴射管68を備えて構成される。各洗浄液噴射管68は、コンベア62の移送方向に対して直交して配置される。各洗浄液噴射管68には、洗浄液スプレーノズル68Aが一定ピッチで複数配置される。洗浄液スプレーノズル68Aは、鉛直下向きに配置され、コンベア62に載置されたウェーハWに向けて洗浄液を噴射する。
各洗浄液噴射管68は、図示しない洗浄液供給装置(洗浄液源)に接続される。この洗浄液供給装置を駆動することにより、各洗浄液噴射管68に洗浄液が供給され、各洗浄液噴射管68に備えられた洗浄液スプレーノズル68Aから洗浄液が所定圧で噴射される。
洗浄液の噴射圧(スプレー圧)は、ウェーハWに付与された水溶性レジストRを剥離可能な圧に設定される(たとえば、2kgf/cm2程度に設定される。)。
なお、洗浄液は、特に限定されないが、純水を使用することが好ましい。また、洗浄液は、必要に応じて温調される(たとえば、30℃〜40℃程度)。温調することにより、効率よく水溶性レジストRを剥離除去することができる。
乾燥部66は、コンベア62によるウェーハWの移送経路上であって、洗浄部64の下流側に設置される。乾燥部66は、ウェーハWに向けて圧縮エアを噴射して、ウェーハWを乾燥処理(ウェーハ上に残留する洗浄液の除去処理)する。
乾燥部66は、図12に示すように、複数のエア噴射管70を備えて構成される。各エア噴射管70は、コンベア62の移送方向に対して直交して配置される。各エア噴射管70には、エアスプレーノズル70Aが一定ピッチで複数配置される。エアスプレーノズル70Aは、鉛直下向きに配置され、コンベア62に載置されたウェーハWに向けて圧縮エアを噴射する。
各エア噴射管70は、図示しないエア供給装置(エア源)に接続される。このエア供給装置を駆動することにより、各エア噴射管70に洗浄液が供給され、各エア噴射管70に備えられたエアスプレーノズル70Aから圧縮エアが噴射される。この圧縮エアの噴射圧は、ウェーハWに上に残留する液滴を除去可能な圧に設定される。
供給装置(不図示)によってコンベア62上に載置されたウェーハWは、コンベア62によって所定の移送経路を所定の移送速度で水平に移送される。そして、その移送過程で洗浄部64、乾燥部66を通過して、洗浄、乾燥処理が施される。
洗浄部64では、コンベア62によって移送されるウェーハWに向けて所定のスプレー圧で洗浄液が噴射される。ウェーハWは、この洗浄液が吹き付けられることにより、水溶性レジストRがウェーハWの裏面から剥離され、除去される。このとき、図14に示すように、水溶性レジストRと共に、その水溶性レジストRの上に被膜された金属膜Mも除去される。すなわち、図15に示すように、分割予定線Lに沿って、水溶性レジストRが付与された部分のみ金属膜Mが除去される。
乾燥部66では、コンベア62によって移送されるウェーハWに向けて圧縮エアが噴射される。これにより、ウェーハ上に残存する液滴が除去される(吹き飛ばされる。)。
なお、本例では、ウェーハWを水平に移送しながら、洗浄液を吹き付けて、ウェーハWを洗浄する構成としているが、洗浄装置の構成は、これに限定されるものではない。この他、ウェーハWを起立(垂直又は傾斜起立)させた状態で移送し、その移送過程でウェーハWに洗浄液を吹き付けて、洗浄処理する構成とすることもできる。また、ウェーハWを回転させながら、ウェーハWの裏面に洗浄液を吹き付けて、ウェーハWを洗浄処理する構成とすることもできる(いわゆるスピン洗浄)。更に、回転するブラシをウェーハの裏面に当接させて、ウェーハをスクラブ洗浄する構成とすることもできる。
〈分割装置〉
分割装置80は、ウェーハWを分割予定線Lに沿って分割処理する。ウェーハWの分割処理は、ダイシングブレードを用いた切削加工によるダイシング(ブレードダイシング)、レーザーを用いたレーザー加工によるダイシング(レーザーダイシング)、スクライビングカッターを用いたスクライビング等により実施することができる。ここでは、ブレードダイシングによりウェーハWを分割処理する場合(分割装置80が、ブレード方式のダイシング装置で構成される場合)について説明する。
図16、図17は、それぞれブレード方式のダイシング装置(分割装置)の概略構成を示す平面図、正面図である。
同図に示すように、ダイシング装置80は、ウェーハWを保持する加工テーブル82と、加工テーブル82に保持されたウェーハWをダイシング加工する加工部84とを備えて構成される。
加工テーブル82は、ウェーハWを水平に保持する。加工テーブル82は、図示しない水平移動機構によって、図16中X−Y方向に移動可能に設けられるとともに、図示しない回転機構によって、中心軸(θ軸)周りに回転可能に設けられる。加工テーブル82は、図中Xに移動することにより、ウェーハWの交換を行うための交換位置と、加工処理を行うための加工位置との間を移動する。ウェーハWは、この加工テーブル82の上に表面を上に向けて載置され、保持される。
加工テーブル82へのウェーハWの供給、回収は、たとえば、ロボットアームにより行われる。ウェーハWは、カセットに収容され、カセットからロボットアームにより取り出されて、加工テーブル82に供給される。また、ロボットアームにより加工テーブル82から回収されて、カセットの元の位置に収容される。
加工部84は、一対のスピンドル86を備え、各スピンドル86に装着されたダイシングブレード88により、ウェーハWをダイシング加工(切削加工)する。
一対のスピンドル86は、加工テーブル82の移動方向(X方向)に直交して配置され(Y方向に沿って配置される)、互いに対向して配置される。各スピンドル86は、図示しない昇降機構によって、図17中Z方向に昇降可能に設けられるとともに、図示しない水平移動機構によって、図17中Y方向に移動可能に設けられる。
ダイシングブレード88は、薄い円盤状に形成され、外周部にダイヤモンド砥粒が固着される。ダイシングブレード88は、各スピンドル86の出力軸に装着される。スピンドル86に装着されたダイシングブレード88は、X方向に沿って配置される(ダイシングブレード88の回転軸はY軸と平行に配置される)。ダイシングブレード88は、スピンドル86を駆動することにより高速回転する。
ダイシング装置(分割装置)80は、以上のように構成される。
なお、ダイシング装置80で加工するに際して、ウェーハWは、所定のダイシングフレームにマウントされる。図16、図17に示すように、ダイシングフレームFは、薄板状に形成され、中央部に円形の開口部が形成される。この開口部には、フィルム状のダイシングテープTが張られている。ダイシングテープTは、片面側(表面側)が粘着面とされている。ウェーハWは、このダイシングテープTに貼り付けられることにより、ダイシングフレームFにマウントされる。この際、ウェーハWは、表面を上にしてダイシングフレームFにマウントされる。すなわち、裏面をダイシングテープTに貼り付けさせて、ダイシングフレームFにマウントされる。
ダイシングフレームFへのウェーハWのマウントは、所定のマウント装置を用いて行われる。マウント装置は公知の装置なので、その具体的な構成についての説明は省略する。
ダイシング装置80によるウェーハWの加工処理は、次のように行われる。
まず、ダイシングフレームFにマウントされたウェーハWが、加工テーブル82に供給される。この際、ウェーハWは、表面側を上にして(裏面側(ダイシングテープ側)を下にして)、加工テーブル82に供給される。したがって、ウェーハWは、ダイシングテープTを介して裏面側を加工テーブル82に保持される。なお、ウェーハWの供給は、交換位置で行われる。
ウェーハWが供給されると、加工テーブル82が加工位置に向けて移動する。そして、アライメント後、加工が開始される。
アライメントは、たとえば、ダイシングブレード88の刃先を顕微鏡で拡大観察し(電子カメラで撮影)、ダイシングブレード88と分割予定線とのズレを演算し、そのズレを是正することにより行われる。ズレ量の演算は、電子カメラを介してえられる画像を解析することにより行われる。また、ズレの是正は、加工テーブル82を回転、ダイシングブレード88を移動等させることにより行われる。
加工は、次のように行われる。まず、スピンドル86が駆動され、ダイシングブレード88が高速回転させられる。次に、スピンドル86が、所定量下降される(Z方向に移動される。)。次に、加工テーブル82がX方向に向かって送られる(往路の送り)。これにより、高速回転するダイシングブレード88にウェーハWが接触し、ウェーハWがダイシングブレード88によって切削加工される。加工テーブル82は、X方向に沿って送られるので、ウェーハWは、X方向に沿って直線状に切削される。ウェーハWは、分割予定線にダイシングブレード88が接触するように位置合わせされているので、ウェーハWは、分割予定線に沿って切削される。
一本目の切削が終了すると、スピンドル86がY方向に所定量送られる(いわゆるインデックス送り)。これにより、ダイシングブレード88の刃先が、二本目の分割予定線を切削可能な位置に移動する。インデックス送り後、加工テーブル82がX方向に向かって送られる(復路の送り)。これにより、二本目の分割予定線に沿って、ウェーハWが切削される。このように、加工テーブル82のX方向の送り(加工送り)と、スピンドル86のY方向の送り(インデックス送り)とを繰り返すことにより、ウェーハWが分割予定線に沿って順次切削される。
縦方向の分割予定線の切削が、すべて完了すると、加工テーブル82が90度回転する。これにより、横方向の分割予定線(切削済みの分割予定線と直交する方向の分割予定線)の切削が可能になる。以下、同様の手順で横方向の分割予定線の切削が行われる。
縦横すべての分割予定線の切削が完了すると、スピンドル86が所定量上昇し、スピンドル86の駆動が停止される。その後、加工テーブル82が、交換位置に移動し、加工が完了する。加工後のウェーハWは、回収装置によって加工テーブル82から回収され、カセットに収容される。
なお、切削は、いわゆるハーフカット(ウェーハの途中まで切削する方式(ウェーハ厚の2/3程度切り込む方式))と、フルカット(ウェーハを全部切り込む方式)のいずれの方式を採用することもできる。ハーフカットの場合は、加工後、ダイシングテープTをエキスパンドして、個々のチップに分割する。この処理は、エキスパンド装置により行われる。エキスパンド装置は、公知の装置であるので、その具体的な構成についての説明は省略する。
《ウェーハの処理方法》
次に、上記のように構成されるウェーハ加工システムを用いたウェーハの処理方法について説明する。
図18は、ウェーハWの加工処理の手順を示すフローチャートである。
まず、印刷装置20を用いて、印刷処理が行われる(ステップS1)。すなわち、印刷によってウェーハWの裏面にマスクとなる水溶性レジストRが付与(印刷)される。
印刷は、スクリーン印刷によって行われ、あらかじめ設定された分割予定線Lによって水溶性レジストRが所定の線幅、厚さで付与される。スクリーン印刷により水溶性レジストRを付与することにより、水溶性レジストRを簡単かつ正確にウェーハWに付与することができる。また、スクリーン印刷により水溶性レジストRを付与することにより、水溶性レジストRの断面が矩形に近い形状となる。これにより、後の金属膜の成膜工程で金属膜を成膜する際、いわゆるシャドーイング現象により、レジスト側面に成膜される金属膜の厚さが薄くなる。これにより、その後の洗浄工程でレジストを剥離する際、容易に剥離することができるようになる。
この印刷処理により、ウェーハWの裏面には、図4に示すように、分割予定線Lに沿って水溶性レジストRが、所定の線幅、厚さで付与される。
次に、乾燥装置40を用いて、乾燥処理が行われる(ステップS2)。すなわち、所定の加熱温度の下、所定時間加熱(ベーキング)されて、水溶性レジスト中の溶媒成分が除去される。これにより、スクリーン印刷によってウェーハWの裏面に付与された水溶性レジストRの画像が、ウェーハWに定着する。
次に、金属成膜装置50を用いて、金属膜の成膜処理が行われる(ステップS3)。すなわち、真空蒸着により、ウェーハWの裏面に電極となる金属膜Mが成膜される。金属膜Mは、ウェーハWの裏面全面に行われる。したがって、水溶性レジストRが付与されている領域(分割予定線L上の領域)については、図11(b)に示すように、水溶性レジストRに重ねて、金属膜Mが成膜される。
この金属膜の成膜処理により、ウェーハWの裏面には、図10に示すように、全面に金属膜Mが成膜される。
ここで、上記のように、水溶性レジストRは、スクリーン印刷によって断面が矩形に近い形状となっているため、いわゆるシャドーイング現象によって側面の金属膜厚が薄くなる。これにより、後の洗浄工程でレジストを剥離する際、容易に剥離することができる。
次に、洗浄装置60を用いて、ウェーハWの洗浄処理が行われる(ステップS4)。洗浄は、所定のスプレー圧でウェーハWの裏面に洗浄液(たとえば、純水)が噴射することにより行われる。これにより、ウェーハWに付与された水溶性レジストRが、ウェーハWから剥離除去される。この際、上記のように、水溶性レジストRは、いわゆるシャドーイング現象によって側面の金属膜厚が薄くなっているので、洗浄により容易に剥離除去することができる。
この洗浄処理により、ウェーハWは、図15に示すように、分割予定線L上の金属膜Mが除去される。すなわち、分割予定線を避けて金属膜を形成したウェーハWが生成される。
次に、分割装置80を用いて、ウェーハWの分割処理が行われる(ステップS5)。分割装置80は、高速回転するダイシングブレード88によって、ウェーハWを分割予定線Lに沿って切削することにより行われる。
この際、図19に示すように、ウェーハWは、ダイシングブレード88で切削する領域(分割予定線上の所定の線幅領域)の金属膜Mが除去されているので、ダイシングブレード88に目詰まりを発生させることなく切削することができる。
以上一連の工程でウェーハWの加工処理が完了する。
以上説明したように、本実施の形態の処理方法によれば、スクリーン印刷によってマスクとなるレジストをウェーハWに付与することにより、簡単かつ正確にマスクを形成することができる。
また、レジストに水溶性レジストを使用することにより、洗浄により簡単にレジストを剥離除去することができる。これにより、簡単に分割予定線上の金属膜を除去することができ、簡単に分割予定線を避けて金属膜を形成したウェーハWが生成することができる。
そして、このように分割予定線を避けてウェーハWの裏面に金属膜を形成することにより、分割処理時にダイシングブレードに目詰まり等の不具合を発生させることなく加工処理することができる。
《その他の実施の形態》
上記実施の形態では、分割装置80が、ブレード方式のダイシング装置で構成された場合を例に説明したが、レーザー方式のダイシング装置で構成することもできる。すなわち、上記のように、分割装置80で加工処理するウェーハWは、分割予定線を避けて金属膜が形成されているので、分割予定線に沿って、ウェーハWにレーザー光を入射させることができる。したがって、レーザー方式のダイシング装置(レーザーダイシング装置)を用いても、ウェーハWを加工処理することができる。
図20は、レーザー方式のダイシング装置(分割装置)の概略構成図である。
同図に示すように、レーザー方式のダイシング装置100は、ウェーハWを保持する加工テーブル102と、加工テーブル102に保持されたウェーハWにレーザーを入射するレーザー照射装置104とを備えて構成される。
加工テーブル102の構成は、ブレード方式のダイシング装置の加工テーブル82の構成と同じである。ウェーハWは、この加工テーブル102の上に表面を上に向けて載置され、保持される。
加工テーブル102へのウェーハWの供給、回収は、たとえば、ロボットアームにより行われる。ウェーハWは、カセットに収容され、カセットからロボットアームにより取り出されて、加工テーブル82に供給される。また、ロボットアームにより加工テーブル82から回収されて、カセットの元の位置に収容される。
レーザー照射装置104は、加工テーブル102の上方に設置され、加工テーブル102に向けてレーザー光を垂直に出射する。レーザー照射装置104は、レーザー発振装置と、コリメータレンズと、コンデンサレンズと、アクチュエータとを内蔵する。レーザー発振装置から発振されたレーザー光が、コリメータレンズによって平行光とされ、コンデンサレンズによって焦点に集光される。
焦点をウェーハWの内部に設定して、ウェーハWにレーザー光を入射すると、ウェーハWに改質領域が形成される。この状態でウェーハWを水平に移動させると、焦点の移動軌跡に沿って改質領域が連続的に形成され、改質層が形成される。加工時は、この改質層を分割予定線に沿って形成する。
アクチュエータは、コンデンサレンズを光軸方向に微小移動させる。アクチュエータを駆動して、コンデンサレンズを光軸方向に移動させることにより、レーザー光の焦点の位置が上下方向(ウェーハWの厚さ方向)に変位する。これにより、改質層を形成する位置(ウェーハWの厚さ方向の位置)を調整することができる。また、焦点の位置を変えて、ウェーハWに複数回レーザー光を入射することにより、ウェーハWの内部に複数の改質層を形成することができる。
分割工程は、このようなレーザー方式のダイシング装置を用いても、ウェーハWを加工処理することができる。
なお、上記の例では、ウェーハWの表面側からレーザー光を入射させて加工処理する場合を例に説明したが、ウェーハWの裏面にレーザー光を入射させて、ウェーハWを加工処理することもできる。この場合、ダイシングテープTを通してウェーハWにレーザー光を入射させる態様とすることもできる。
また、レーザーダイシングは、上記のように、いわゆるステルスダイシングによる方法や、いわゆるレーザースクライビングによる方法のいずれを採用することもできる。
ステルスダイシングによる場合は、たとえば、粘着シートに貼付したウェーハの内部に分割予定線に沿ってレーザー光を集光し、粘着シートをエキスパンドして割断する。また、レーザースクライビングによる場合は、分割予定線に沿ってレーザーによりウェーハに切れ込みを入れた後、応力をかけて割断する。
分割工程は、スクライビングカッターによってウェーハWを加工処理する構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、印刷工程において、スクリーン印刷によって、ウェーハWに水溶性レジストを付与する構成としているが、その他の手法、たとえば、インクジェット方式で水溶性レジストを付与する構成とすることもできる。
なお、他の印刷方式と比べて、スクリーン印刷によって、水溶性レジストを付与することにより、所望の線幅、厚さで水溶性レジストを簡単かつ正確に付与することができる。すなわち、インクジェット方式は、水溶性レジストの液滴をウェーハWに打滴して線画を形成するが、ウェーハWは、鏡面加工されているため、所望の位置に所望の形状(ドット形状)で水溶性レジストの液滴を着弾させることが難しいという問題がある。これに対して、スクリーン印刷によれば、スクリーンマスクに形成された開口に水溶性レジストを充填させて、転写させるだけなので、ウェーハWが鏡面加工されている場合であっても、所望の線画を精度よく形成することができる。
印刷後の乾燥工程や、金属膜の成膜工程、金属膜の成膜後の洗浄工程についても同様に、他の手法を用いて乾燥、金属成膜、洗浄等することができる。
特に、乾燥工程については、上述したように、輻射による加熱乾燥以外にも、送風による乾燥(送風乾燥)等を行うようにしてもよい。
また、金属膜の成膜工程については、真空蒸着の他、スパッタなどで成膜処理する構成としてもよい。
また、洗浄については、スピン洗浄やスクラブ洗浄などで洗浄する構成としてもよい。
図21、図22は、スクラブ洗浄によりウェーハを洗浄処理する洗浄装置の概略構成を示す正面図、平面図である。
同図に示すように、この洗浄装置120は、ウェーハWを保持する洗浄テーブル122と、洗浄テーブル122に保持されたウェーハWに当接されるロールブラシ124と、洗浄テーブル122に保持されたウェーハWに洗浄液を供給する洗浄液ノズル124とを備えて構成される。
洗浄テーブル122は、ウェーハWを水平に保持する。洗浄テーブル122は、図示しない回転機構によって、中心軸(θ軸)周りに回転可能に設けられる。ウェーハWは、この洗浄テーブル122の上に表面を上に向けて載置され、保持される。
洗浄テーブル122へのウェーハWの供給、回収は、たとえば、ロボットアームにより行われる。ウェーハWは、カセットに収容され、カセットからロボットアームにより取り出されて、洗浄テーブル122に供給される。また、ロボットアームにより洗浄テーブル122から回収されて、カセットの元の位置に収容される。
ロールブラシ124は、シャフトの周りに毛材が植毛されて構成される。ロールブラシ124は、ウェーハWの全面をスクラブできるように、ウェーハWの直径よりも長く形成される。ロールブラシ124は、洗浄テーブル122の中心部上方に水平に設置され、図示しない回転機構によって、回転駆動される。また、図示しない昇降機構によって、洗浄位置(洗浄テーブル122に保持されたウェーハWの上面(裏面)に当接する位置)と退避位置との間を上下動する。
洗浄液ノズル126は、洗浄テーブル122の上方に設けられ、洗浄テーブル122に保持されたウェーハWの上面(裏面)に洗浄液を供給する。この洗浄液ノズル126は、図示しない進退移動機構によって、洗浄液供給位置(洗浄テーブル122の上方位置)と退避位置との間を水平移動する。
洗浄は、次のように行われる。
まず、処理対象のウェーハWが洗浄テーブル122に供給される。この際、ウェーハWは、洗浄対象である裏面を上に向けて、洗浄テーブル122の上に載置される。
ウェーハWが洗浄テーブル122に供給され、洗浄テーブル122に保持されると、洗浄液ノズル124が洗浄液供給位置に移動する。また、ロールブラシ124が洗浄位置に移動する。
この後、洗浄液ノズル124から洗浄液ノズル124の上のウェーハWに向けて洗浄液が供給される。また、洗浄テーブル122が、所定の速度で回転するとともに、ロールブラシ124が、所定の速度で回転する。
ウェーハWは、回転しながら、回転するロールブラシ124に擦られて、上面(裏面)がスクラブ洗浄される。
洗浄は、一定時間継続して行われる。一定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄液ノズル124が退避位置に移動する。また、ロールブラシ124の回転が停止され、ロールブラシ124が退避位置に移動する。
この後、洗浄液ノズル124が高速回転され、スピン乾燥される。スピン乾燥後、洗浄テーブル122からウェーハWが回収されて、洗浄処理が終了する。
このように、ブラシによってスクラブ洗浄することにより、より効果的に水溶性レジストRを剥離除去することができる。
図23、図24は、スクラブ洗浄によりウェーハを洗浄処理する洗浄装置の他の例の概略構成を示す正面図、平面図である。
同図に示すように、この洗浄装置130は、カップブラシ128でウェーハWをスクラブ洗浄する。その他の構成は、上記洗浄装置120と同じである。
カップブラシ128は、円盤状に形成されたカップの下面に毛材が植毛されて構成される。カップブラシ128は、ウェーハWの半径よりも大きな直径で形成される。カップブラシ128は、洗浄テーブル122の上方に水平に配設され、回転するウェーハWに当接させたときにウェーハWの全面が当接するように、洗浄テーブル122の中心に対して偏芯した位置に配置される。このカップブラシ128は、図示しない回転機構によって、回転駆動されるとともに、図示しない昇降機構によって、洗浄位置(洗浄テーブル122に保持されたウェーハWの上面(裏面)に当接する位置)と退避位置との間を上下動する。
洗浄は、次のように行われる。
まず、処理対象のウェーハWが洗浄テーブル122に供給される。この際、ウェーハWは、洗浄対象である裏面を上に向けて、洗浄テーブル122の上に載置される。
ウェーハWが洗浄テーブル122に供給され、洗浄テーブル122に保持されると、洗浄液ノズル124が洗浄液供給位置に移動する。また、ロールブラシ124が洗浄位置に移動する。
この後、洗浄液ノズル124から洗浄液ノズル124の上のウェーハWに向けて洗浄液が供給される。また、洗浄テーブル122が、所定の速度で回転するとともに、カップブラシ128が、所定の速度で回転する。
ウェーハWは、回転しながら、回転するカップブラシ128に擦られて、上面(裏面)がスクラブ洗浄される。
洗浄は、一定時間継続して行われる。一定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄液ノズル124が退避位置に移動する。また、カップブラシ128の回転が停止され、カップブラシ128が退避位置に移動する。
この後、洗浄液ノズル124が高速回転され、スピン乾燥される。スピン乾燥後、洗浄テーブル122からウェーハWが回収されて、洗浄処理が終了する。
このように、カップブラシ128によってスクラブ洗浄する構成とすることもできる。
なお、上記の例では、ウェーハWを洗浄テーブル122で保持して、中心軸周りに回転させながら、回転するブラシを当接させて、ウェーハWをスクラブ洗浄する構成としているが、ウェーハを水平移動させ、この水平移動するウェーハWに回転するブラシを当接させて、ウェーハWをスクラブ洗浄する構成とすることもできる。あるいは、静止したウェーハWに対して、ブラシを回転させながら水平移動させて、ウェーハWをスクラブ洗浄する構成とすることもできる。
なお、ウェーハ処理システムは、印刷、乾燥、金属成膜、洗浄までの処理を1つのシステムとして構成するようにしてもよい。すなわち、分割用のウェーハを加工処理するシステムとして構成するようにしてもよい。
また、1つのシステムにおいて、各装置間におけるウェーハの移送は、搬送機構を用いて自動で行うようにしてもよいし、オペレータが手動で行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、分割装置で分割処理する直前にウェーハWをダイシングフレームFにマウントする構成としているが、ウェーハWをダイシングフレームFにマウンとした状態で印刷処理、乾燥処理、金属成膜処理、又は、洗浄処理を行うようにしてもよい。この場合、ウェーハの表面側をダイシングテープTに貼り付けて、ウェーハWをダイシングフレームFにマウントする。