JP2013156830A - 物品収納払出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納量の拡大を図ることができる物品収納払出装置を提供すること。
【解決手段】物品収納払出装置(DVDレンタル装置1)は、ラック21と、ガイド部材28と、受渡ユニット5とを含む。ラック21の収納スペース27では、複数の物品(DVDケース9)を、隣り合うDVDケース9同士が接するように、直接積み重ねて収納することができる。ガイド部材28は、ラック21の入出口26に関連して備えられ、ラック21へのDVDケース9の収納および払い出しを規制する。受渡ユニット5は、本体30と、本体30から突出した状態および本体30に戻った状態にスライド変位する差込板15とを有し、差込板15を本体30から突出させてラック21へ差し込み、差込板15を本体30に戻すことにより、DVDケース9をラック21へ出し入れする。
【選択図】図2

Description

この発明は、物品を収納したり払い出したりすることができる物品収納払出装置に関する。
物品収納払出装置の一例として、下記特許文献1では、DVDの搬送収納機構が提案されている。この搬送収納機構は、前面が開放された薄型箱体状のケースと、ケースの開放された前面を覆う扉とを備えており、ケース内には、水平方向に平坦な板状をなす多数の棚が配設されていて、上下に隣り合う棚に囲まれた領域が、1枚のDVD(厳密には、DVDを収容したDVDケース)を収納する収納部になっている。ケース内には、各収納部に対してDVDケースを出し入れするバケットが設けられている。バケットは、上下左右前後に移動することによって、扉に形成されたDVD挿入口に対して機外から挿入されたDVDケースを収納部に収納したり、収納部からDVDケースを取り出してDVD挿入口まで搬出したりすることができる。
特開2008−137740号公報
特許文献1の搬送収納機構では、上下に隣り合う棚で仕切られた収納部1つに対してDVDが1枚ずつ収納される構成上、搬送収納機構全体では、ケースの限られたスペースに収納できるDVDの数(収納量)が比較的少なくなってしまい、収納量の拡大を図ることが困難である。
また、バケットを各収納部まで移動させる際、特許文献1の搬送収納機構に限らず、各収納部の位置を、所定の基準点に基づく収納部までの距離や座標による絶対位置で特定するのが一般的であるが、この場合には、当該距離や座標に誤差が生じやすいので、バケットを各収納部まで精度よく移動させるのが困難である。バケットを精度よく移動させるためには、当該距離や座標に誤差が生じないように搬送収納機構全体を頑丈に構成して当該距離や座標の管理を厳重に行う必要がある。つまり、各収納部におけるDVDの位置管理および位置特定を容易におこなうことが困難である。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、収納量の拡大を図ることができる物品収納払出装置を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、収納された物品の位置管理および位置特定を容易におこなうことができる物品収納払出装置を提供することを別の目的とする。
請求項1記載の発明は、物品を収納したり払い出したりすることができる物品収納払出装置であって、複数の物品を、隣り合う物品同士が接するように、直接積み重ねて収納するための収納部と、前記収納部の入出口に関連して備えられ、前記収納部への物品の収納および払い出しを規制するためのガイド部材と、本体と、前記本体から突出した状態および前記本体に戻った状態にスライド変位する差込板とを有し、前記差込板を前記本体から突出させて前記収納部へ差し込み、前記差込板を前記本体に戻すことにより、物品を前記収納部へ出し入れする受渡ユニットと、を含むことを特徴とする、物品収納払出装置である。
請求項2記載の発明は、前記ガイド部材は、前記収納部への物品の入出を規制した規制状態と、前記収納部への物品の入出規制を解除した解除状態とに変位可能であり、前記受渡ユニットが前記収納部から物品を取り出すとき、前記ガイド部材を前記解除状態にする連動機構を有することを特徴とする、請求項1記載の物品収納払出装置である。
請求項3記載の発明は、前記受渡ユニットでは、前記本体が少なくとも前記収納部における物品の積層方向に移動可能であり、前記差込板が前記積層方向に対する前後方向に移動可能であり、前記差込板が突出状態から前記本体へ戻る変位に連動して前記ガイド部材を前記規制状態にする連動機構を有することを特徴とする、請求項2記載の物品収納払出装置である。
請求項4記載の発明は、前記連動機構は、前記受渡ユニットに備えられていることを特徴とする、請求項3記載の物品収納払出装置である。
請求項5記載の発明は、前記収納部に収納するための物品を保持した前記受渡ユニットが前記収納部の入出口に対向した場合に、前記連動機構は、前記ガイド部材を前記解除状態にし、物品を保持した前記差込板が前記本体から突出して前記収納部に差し込まれたのに連動して、前記連動機構は、前記ガイド部材を前記規制状態にし、前記ガイド部材が前記規制状態になったのに連動して、前記差込板が前記本体に戻ることを特徴とする、請求項3または4記載の物品収納払出装置である。
請求項6記載の発明は、前記本体は、計数センサを有し、前記本体の前記積層方向への移動の際に、前記計数センサが前記収納部に収納された物品を1つずつ計数し、前記計数センサの計数結果に基づいて物品の位置を特定する特定手段を含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の物品収納払出装置である。
請求項1記載の発明によれば、物品収納払出装置の収納部では、複数の物品が直接積み重ねて収納されるので、隣り合う物品の間に仕切りを設けずに済み、その分、物品の収納量の拡大を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、受渡ユニットが収納部から物品を取り出すときには、連動機構がガイド部材を解除状態にするので、収納部から物品を円滑に取り出すことができる。
請求項3記載の発明によれば、差込板が突出状態になって物品を収納部へ差し込んでから本体へ戻るのに連動して、連動機構がガイド部材を規制状態にするので、収納部内の物品が入出口から不意にこぼれ出ることを防止できる。
請求項4記載の発明によれば、受渡ユニットは、収納部への物品の出し入れに際して、自身に備えられた連動機構によってガイド部材を規制状態と解除状態とに変位させることができる。
請求項5記載の発明によれば、受渡ユニットが物品を収納部に収納するのに先立って、ガイド部材が解除状態になるので、差込板が突出して収納部に物品を差し込むことができる。そして、差込板が収納部に物品を差し込むと、ガイド部材が規制状態になるので、その後、差込板が本体に戻ると、差込板によって今まで保持されていた物品が、規制状態のガイド部材によって収納部に留められる。これにより、収納部への物品の収納を達成できる。
請求項6記載の発明によれば、収納部に収納された物品を計数センサによって計数して、その計数結果に基づいて物品の位置を特定するので、各物品の位置を所定の基準点に基づく座標や距離で特定した絶対位置で管理する場合に比べて、物品の位置管理および位置特定を容易におこなうことができる。
図1は、本発明の物品収納払出装置の一例としてのDVDレンタル装置1を正面側から見た斜視図である。 図2は、図1のDVDレンタル装置1において扉3を開いた状態を示している。 図3は、DVDレンタル装置1で用いられるDVDケース9を上方から見た斜視図である。 図4は、DVDケース9の六面図である。 図5Aは、DVDケース9を挟持する差込板15を上方から見た斜視図である。 図5Bは、差込板15の平面図である。 図5Cは、一対の差込板15の間隔が狭まった状態を側方から見た図である。 図5Dは、一対の差込板15の間隔が広がった状態を側方から見た図である。 図6は、DVDレンタル装置1においてDVDケース9を積層状態で収納しているラック21の要部を上方から見た斜視図である。 図7は、図6においてガイド部材28が開いた状態を示している。 図8は、受渡ユニット5の分解斜視図であり、図8(a)は、本体30を示していて、図8(b)は、ターンテーブル部31を示していて、図8(c)は、ベース部32を示している。 図9は、完成状態にある受渡ユニット5の斜視図である。 図10(a)は、図9の受渡ユニット5からサイドカバー34、アッパカバー35および差込板15を取り除いた状態を示していて、図10(b)は、図10(a)における要部の拡大図である。 図11は、図9において差込板15が進出位置にある状態を示しているとともに、手前側のサイドカバー34の図示を省略している。 図12は、DVDレンタル装置1においてラック21および受渡ユニット5を抜き出して示した斜視図である。 図13は、ラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図14は、DVDレンタル装置1の制御回路ブロック図であり、この発明の特徴と関連する部分のみを示すブロック図である。 図15は、DVDレンタル装置1のメモリ部74に記憶されるテーブル75の内容を示す図である。 図16Aは、受渡ユニット5がラック21からDVDケース9を取り出す様子を説明するためのラック21および受渡ユニット5の平面図である。 図16Bは、図16Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図17Aは、図16Aの次の状態を示す図である。 図17Bは、図17Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図18Aは、図17Aの次の状態を示す図である。 図18Bは、図18Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図19Aは、図18Aの次の状態を示す図である。 図19Bは、図19Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図20Aは、図19Aの次の状態を示す図である。 図20Bは、図20Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図21Aは、図20Aの次の状態を示す図である。 図21Bは、図21Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図22Aは、図21Aの次の状態を示す図である。 図22Bは、図22Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図23Aは、図22Aの次の状態を示す図である。 図23Bは、図23Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図24Aは、受渡ユニット5がラック21にDVDケース9を収納する様子を説明するためのラック21および受渡ユニット5の平面図である。 図24Bは、図24Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図25Aは、図24Aの次の状態を示す図である。 図25Bは、図25Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図26Aは、図25Aの次の状態を示す図である。 図26Bは、図26Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図27Aは、図26Aの次の状態を示す図である。 図27Bは、図27Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図28Aは、図27Aの次の状態を示す図である。 図28Bは、図28Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図29Aは、図28Aの次の状態を示す図である。 図29Bは、図29Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。 図30Aは、図29Aの次の状態を示す図である。 図30Bは、図30Aにおけるラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下では、左右方向と幅方向とは同じであり、上下方向と高さ方向とは同じである。そして、前後方向および左右方向(幅方向)は、水平方向に含まれている。
図1は、本発明の物品収納払出装置の一例としてのDVDレンタル装置1を正面側(前側)から見た斜視図である。
図1に示すDVDレンタル装置1は、ショッピングモールやコンビニエンスストア等に設置されてDVDの貸し出しや返却受付を無人で行う装置である。
DVDレンタル装置1は、たとえば、縦長で前後に扁平な略直方体状をなしている。DVDレンタル装置1は、図1に現れている構成部材として、DVDレンタル装置1の外郭をなす装置本体2と、扉3とを含んでいる。
図2は、図1のDVDレンタル装置1において扉3を開いた状態を示している。
図2を参照して、装置本体2は、縦長で前後に扁平な中空の略直方体状(ボックス状)であり、その正面領域(図2における手前側領域)は全域に亘って開放されていて、装置本体2の内部を正面側に露出させている。装置本体2内には、DVDを収納するためのラックユニット4と、貸し出すまたは返却されるDVDをラックユニット4との間で受け渡すための受渡ユニット5とが設けられている。ラックユニット4および受渡ユニット5の説明は、扉3の説明の後に行う。
扉3は、長方形の板状であり、装置本体2の正面における開放部分2Aをちょうど覆う大きさを有している。扉3は、装置本体2の開放部分2Aの左端部に設けられたヒンジ6を介して装置本体2に連結されていて、ヒンジ6を中心に回動可能である。扉3を回動させることによって開放部分2Aを開いたり閉じたりすることができる。図1に示す扉3の外表面の上端側には、操作表示部7が設けられている。操作表示部7は、タッチパネル付きの液晶表示器である。
たとえば、DVDを借りたい場合には、操作表示部7に表示されたガイダンスに従うとともに、操作表示部7に表示されたタッチキーを操作して、借りたいDVDを選択したり、入金したりすることができる。一方、借りていたDVDを返却したい場合には、操作表示部7に表示されたガイダンスに従うとともに、操作表示部7に表示されたタッチキーを操作して、DVDの返却処理を行う。
扉3において、たとえば、操作表示部7の右下の位置には、出入口8が形成されている。出入口8は、横長のスリット状であり、扉3を、その厚さ方向において貫通している。出入口8には、DVD(詳しくは、後述するDVDケース9)が出し入れされる。また、図2に示す扉3の裏面(装置本体2内に臨む面)には、出入口8を開閉するシャッタ80が設けられている。シャッタ80は、上下に移動することによって出入口8を開閉する。図2では、シャッタ80が出入口8を閉じた状態が示されている。以下では、特に断りがない限り、シャッタ80が出入口8を閉じているものとする。
図3は、DVDレンタル装置1で用いられるDVDケース9を上方から見た斜視図である。図4は、DVDケース9の六面図である。図4では、(a)が正面図であり、(b)が平面図であり、(c)が背面図であり、(d)が左側面図であり、(e)が右側面図であり、(f)が底面図である。
ラックユニット4および受渡ユニット5の説明に先立って、図3および図4を参照して、DVDケース9について説明しておく。
DVDケース9は、DVD10を収容する保護ケースである。DVDケース9は、DVD10より一回り大きい中空の平板状であり、内部のDVD10を目視できるように、透明または半透明の樹脂で形成されている。DVDケース9は、その厚さ方向(DVD10の厚さ方向でもある)から見た平面視において、略正方形状をなしている(図4(b)および図4(f)参照)。
DVDケース9において平面視略正方形状の一辺をなす部分(図3における左端縁部)の全域は、DVDケース9の厚さ方向に直交する方向(図3における右手前側)から見て二等辺三角形状に尖った山型部分11になっている(図4(d)および図4(e)参照)。山型部分11の長さ方向における略中央部分は、山型部分11の他の部分の表面から一段凹んだ読取部分12となっている。読取部分12も二等辺三角形状に尖っている。山型部分11では、読取部分12の先端がやや鋭利に尖っているものの、読取部分12以外の先端は、丸められている(図4(a)参照)。
DVDケース9において山型部分11に沿いつつ、DVDケース9内のDVD10を避けた位置には、DVDケース9を厚さ方向に貫通する2つの抜き穴13が形成されている。抜き穴13は、山型部分11の長さ方向における両端側に1つずつ設けられており、当該長さ方向において、これらの抜き穴13間の位置(各抜き穴13から等間隔の位置)に、読取部分12が設けられている。抜き穴13は、当該長さ方向において長手の長穴である。
DVDケース9において山型部分11が設けられた一辺とは反対側の辺(図3における右奥側端縁部)には、当該反対側の辺を凹状に切欠く切込み14が2つ設けられている。これらの切込み14は、山型部分11の長さ方向において間隔を隔てて設けられている。
DVDケース9では、山型部分11および抜き穴13が形成された側に特徴があり、山型部分11および抜き穴13が形成された側とは反対側の部分(図4の各図において点線よりも切込み14側の部分)の形状や寸法は、任意に変更可能である。
次に、DVDレンタル装置1においてDVDケース9を挟持する構成をなす差込板15について説明する。図5Aは、DVDケース9を挟持する差込板15を上方から見た斜視図である。図5Bは、差込板15の平面図である。図5Cは、一対の差込板15の間隔が狭まった状態を側方から見た図である。図5Dは、一対の差込板15の間隔が広がった状態を側方から見た図である。図5A〜図5Dでは、紙面左側を差込板15の前側とする。
図5Aを参照して、差込板15は一対設けられている。一対の差込板15は、上下に重ねられた状態で配置されている。一対の差込板15は、上方から見て一致するように、ほぼ同じ大きさおよび形状になっている。図5Bを参照して、差込板15は、平面視において前方(図5Bでは左側)へ向けて尖るホームベース形状であって、上下に薄くなるように略水平に沿って配置されている(図5Cおよび図5D参照)。差込板15の前端部には、さらに前方へ突出する突出部分15Aが一体的に設けられている。差込板15の前端部(突出部分15Aも含む)は、左右方向(図5Bでは上下方向)における差込板15の中心から左右のいずれかに偏った位置に設けられている。差込板15において突出部分15Aとは反対側の後端部を「根元部分15B」ということにする。差込板15には、比較的大きな貫通穴16が形成されていて、これにより、差込板15の肉抜きが図られている。
図5Cおよび図5Dに示すように、一対の差込板15は、根元部分15B側を中心として閉脚することで互いの間隔が狭まるように、付勢部材17によって付勢されている。なお、図5Cおよび図5Dに示す付勢部材17は、一対の差込板15の根元部分15B間に介挿されるばねであるが、この構成はあくまでも一例である。そのため、一対の差込板15のうち、一方の位置が固定されていて、他方が付勢部材17によって当該一方側へ付勢されていてもよい。
一対の差込板15は、図5Cに示すように、それぞれの突出部分15Aが互いに接するように付勢部材17によって付勢されている。ここで、図5Dに示すように上側の差込板15の根元部分15B(詳しくは、当該根元部分15Bから連続して下方へ突出した部分)が開放軸18(後述する)に乗り上げるとする。この場合、一対の差込板15が根元部分15B側を中心として開脚するように、当該上側の差込板15が下側の差込板15から上方ヘ離間し、一対の差込板15の間隔が付勢部材17の付勢力に抗して強制的に広げられる。
図5Cに示すように上側の差込板15の根元部分15Bが開放軸18に乗り上げていない場合に、一対の差込板15は、DVDケース9を挟持することができる。説明の便宜上、図5Aでは、一対の差込板15に挟持されたDVDケース9が仮想線(点線)で示されている。そして、図5Dに示すように一対の差込板15の間隔を広げると、一対の差込板15によるDVDケース9の挟持が解除されているので、一対の差込板15の間からDVDケース9を取り出すことができる。
次に、ラックユニット4について説明する。
ラックユニット4は、図2のようにDVDレンタル装置1を正面から見た場合に、装置本体2内で左寄りの位置に設けられている。ラックユニット4は、ベース部分19と、回転部分20とを含んでいる。
ベース部分19は、上下にやや扁平な直方体形状であり、装置本体2において内部空間を下から区画する底板2B上に載置され、底板2Bに対して固定されている。ベース部分19には、モータ(図示せず)等が内蔵されている。
回転部分20は、略正方形の平断面を有する縦長四角柱状である。回転部分20は、4つのラック21(収納部)を組み合わせることで構成されている。
ラック21は、回転部分20と同じ高さ方向寸法を有する縦長中空体である。各ラック21は、垂直方向に沿って平行に延びる一対の側板22と、垂直方向に延びつつ各側板22の一端縁間に架設された1枚の背板23と、水平方向に延びつつ各側板22および背板23の上端縁に連結された天板24と、天板24と平行に延びつつ上下に間隔を隔てて配置された複数枚(ここでは6枚)の載置板25とを含んでいる。ラック21では、一対の側板22において背板23に連結された側とは反対側の端縁の間の領域が、入出口26となっている。入出口26は、ラック21とほぼ同じ高さ方向寸法を有していて、ラック21の内部を露出させている。入出口26の水平方向における幅は、水平にしたときのDVDケース9(図3参照)がちょうど通れる程度になっている。
天板24および各載置板25は、平面視で矩形状である。各載置板25は、一対の側板22間に架設されつつ、背板23に連結されている。最下位にある載置板25は、ラック21の底板として、各側板22および背板23の下端縁に連結されている。最上位にある載置板25と天板24との上下間隔と、上下に隣り合う載置板25同士の上下間隔とは、ほぼ同じである。
各ラック21では、最上位にある載置板25と天板24との間、および、上下に隣り合う載置板25同士の間に、DVDケース9の収納スペース27(収納部)が区画されている。各ラック21には、6つの収納スペース27が上下に並んで形成されている。各収納スペース27は、入出口26から露出されている。つまり、入出口26は、ラック21全体の入出口であるとともに、各収納スペース27の入出口でもある。
各収納スペース27には、複数のDVDケース9を収納することができる。各収納スペース27において、DVDケース9は、各収納スペース27の下端を区画する載置板25上において、上下方向に沿って平積みされた状態で収納されている。つまり、収納スペース27におけるDVDケース9の積層方向は、上下方向(高さ方向)である。ラック21の収納スペース27において、平積み状態で上下に隣り合うDVDケース9同士は、互いに接するように直接積み重ねられている。そのため、ラック21の各収納スペース27では、隣り合うDVDケース9の間に仕切りを設けずに済み、その分(仕切りのためのスペースの分)、各収納スペース27におけるDVDケース9の収納量の拡大(収納効率の向上)を図ることができる。
この実施形態では、1つの収納スペース27に最大30枚のDVDケース9を収納することができるので、1つのラック21に最大180枚のDVDケース9を収納することができ、ラックユニット4全体で最大720枚のDVDケース9を収納することができる。
回転部分20では、4つのラック21が一体化されている。この状態で、図2に現れている左右に並ぶ2つのラック21を参照して、1つ(図2における左側)のラック21の背板23に対して、そのラック21の背面側(背板23の裏側)に位置する別(図2における右側)のラック21の一方(図2における左側)の側板22が連結されている。そして、当該1つのラック21の一方(図2における正面側)の側板22と、当該別のラック21の入出口26とが同一垂直面上で左右に隣り合っている。このようなレイアウトが、4つのラック21間の隣り合うラック21同士において成立している。
回転部分20は、ベース部分19の上に載置されている。この状態で、回転部分20は、ベース部分19に内蔵されたモータ(図示せず)から駆動力を受けることによって、上下に延びる回転軸周りに回転可能である。
ここで、回転部分20における4つのラック21のそれぞれには、No.1〜No.4のいずれかの識別番号(「ラックNo.」ということにする)が割り当てられている。そして、各ラック21における6つの収納スペース27のそれぞれには、No.1〜No.6のいずれかの識別番号(「収納スペースNo.」ということにする)が割り当てられている。そして、各収納スペースNo.の収納スペース27に対応する載置板25(各収納スペース27の載置板25)とは、それぞれの収納スペース27において、収納スペース27の下端を区画する載置板25を指している。
図6は、DVDレンタル装置1においてDVDケース9を積層状態で収納しているラック21の要部を上方から見た斜視図である。
図6を参照して、各収納スペース27に平積み状態で収容された各DVDケース9は、平面視において収納スペース27内にほぼぴったりと収まっており、山型部分11が入出口26に最も近くなるように、山型部分11を入出口26に向けている。そのため、同じ収納スペース27内の全てのDVDケース9では、山型部分11が上下に揃っていて、これらの山型部分11全体が、上下に延びるぎざぎざを構成している(後述する図13も参照)。
そして、入出口26に関連して、各ラック21における入出口26側には、一対のガイド部材28が備えられている。各ガイド部材28は、ラック21とほぼ同じ高さ方向寸法を有する板状であり、その平断面は、S字のクランク状である。一対のガイド部材28のうち、一方のガイド部材28は、一対の側板22における一方の入出口26側端縁に設けられていて、他方のガイド部材28は、他方の側板22における入出口26側端縁に設けられている。各ガイド部材28は、自身が設けられた側の側板22に沿いつつ、当該側板22の入出口26側端縁において相手のガイド部材28側へ屈曲し、さらに屈曲して入出口26(ラック21の収納スペース27)から離れる方向(図6における手前側)へ延びている。
図6では、各ガイド部材28は、閉じた状態にあり、入出口26内にはみ出ている、そのため、入出口26の水平方向における幅が一対のガイド部材28の分だけ狭くなっている。これにより、ラック21の各収納スペース27に収納されたDVDケース9は、入出口26を通って収納スペース27の外へ出ることができず、逆に、外部のDVDケース9を、入出口26を介して収納スペース27の中に入れることもできない。つまり、閉じたガイド部材28は、各収納スペース27へのDVDケース9の入出を規制した規制状態にある。
図7は、図6においてガイド部材28が開いた状態を示している。
図7に示すように、各ガイド部材28は、入出口26から離れるように水平方向における入出口26の外側へずれることによって開く。ガイド部材28が開くと、入出口26の水平方向における幅が広くなるので、DVDケース9は、入出口26を通過できる。これにより、DVDケース9を、入出口26を介して各収納スペース27に対して出し入れすることができる。つまり、開いたガイド部材28は、各収納スペース27へのDVDケース9の入出規制(図6参照)を解除した解除状態にある。
ここで、ラック21には、一対のガイド部材28を連結させるリンクレバー29が設けられており、どちらか一方のガイド部材28を開閉させると、他方のガイド部材28も連動して開閉するようになっている。なお、ラック21の背板23は、図7に示すように、水平方向(左右方向)における途中において途切れている。
ガイド部材28は、以上のように開閉することによって、前述した規制状態と解除状態とに変位可能であり、ラック21の各収納スペース27へのDVDケース9の収納および払い出しを規制することができる。
ここで、一対のガイド部材28は、図示しない付勢部材によって、閉じるように常に付勢されている。
そして、ラックユニット4には、ガイド部材28の開閉を検出するセンサ(図示せず)が設けられている。当該センサでガイド部材28の開閉を監視することによって、ラック21の各収納スペース27へのDVDケース9の収納および払い出し(ラック21と受渡ユニット5との間でのDVDケース9の受け渡し)の際、DVDケース9が一対のガイド部材28の間で詰まる等の不具合が無く、当該受け渡しが正常に完了したか否かが判断されるようになっている。
次に、受渡ユニット5について説明する。
図8は、受渡ユニット5の分解斜視図である。図9は、完成状態にある受渡ユニット5の斜視図である。
図8を参照して、受渡ユニット5は、前述した一対の差込板15(図5A〜図5D参照)と、本体30(図8(a)参照)と、ターンテーブル部31(図8(b)参照)と、ベース部32(図8(c)参照)とを含んでいる。受渡ユニット5では、本体30が、DVDケース9の受け渡しを行う機能を有していて、DVDケース9の受け渡しに関連して、本体30が、ターンテーブル部31上で水平方向にスライドしたり、ターンテーブル部31とともにベース部32上で回転したりするようになっている。
図8(a)を参照して、本体30は、上下にやや扁平なボックス状である。本体30は、その骨格をなすフレーム33と、水平方向からフレーム33を挟むようにフレーム33に取り付けられた一対のサイドカバー34と、一対のサイドカバー34の上端縁間に架設されたアッパカバー35と、スライド部材36と、計数センサ37とを主に含んでいる。なお、前述した一対の差込板15を本体30の一部とみなしてもよい。
図10(a)は、図9の受渡ユニット5からサイドカバー34、アッパカバー35および差込板15を取り除いた状態を示していて、図10(b)は、図10(a)における要部の拡大図である。図11は、図9において差込板15が進出位置にある状態を示しているとともに、手前側のサイドカバー34の図示を省略している。
本体30を含めた受渡ユニット5全体の説明に際し、図8〜図11において、左手前側を受渡ユニット5の前側とし、右奥側を受渡ユニット5の後側とし、左奥側を受渡ユニット5の左側とし、右手前側を受渡ユニット5の右側とする。
引き続き図8(a)を参照して、フレーム33は、水平に沿って延びる板状である。前述した開放軸18(図5Cおよび図5D参照)は、左右に延びた状態でフレーム33に取り付けられている。フレーム33の左右両端部には、左右方向における内側へ窪みつつ前後に延びるスライドレール38が、当該両端部の前後方向におけるほぼ全域に亘って設けられている。各スライドレール38には、スライダ39が外れ不能に嵌め込まれている。スライダ39は、前後に長手のブロック形状である。スライダ39は、スライドレール38内において前後にスライド自在である。そして、フレーム33の前端部には、上方ヘ延びる部分(「下側垂直部分40」ということにする)が一体的に設けられている。下側垂直部分40は、前方から見て横長の矩形板状である。
サイドカバー34は、左右方向から見て前後方向に長手の矩形板状である。一対のサイドカバー34のうち、一方のサイドカバー34は、フレーム33の右端縁から連続して上方ヘ延び、他方のサイドカバー34は、フレーム33の左端縁から連続して上方ヘ延びている。
アッパカバー35は、上方から見て前後に長手の矩形板状である。アッパカバー35には、貫通穴35Aが形成されている。アッパカバー35は、水平方向に沿った状態で、左右一対のサイドカバー34の上端縁の間に架設されている。アッパカバー35の前端部には、下方へ延びる部分(「上側垂直部分41」ということにする)が一体的に設けられている。上側垂直部分41は、前方から見て横長の矩形板状であり、下側垂直部分40と面一になっている。上側垂直部分41の下端縁と下側垂直部分40の上端縁との間には、水平方向に延びる隙間42が区画されている。隙間42は、水平にしたときのDVDケース9(図3参照)が通れる大きさになっている。
本体30の内部における隙間42の後側近傍には、左右に延びる回転軸43が設けられている。回転軸43は、一対のサイドカバー34間に架設され、この状態で回転可能である。回転軸43の左右方向(長手方向)両端部には、取込ローラ44が1つずつ設けられている。図10(a)を参照して、取込ローラ44は、外周部分がウレタン等の柔らかい素材で形成されたローラであって、回転軸43に対して同軸状に取り付けられており、回転軸43とともに回転可能である。
取込ローラ44に関連して、フレーム33には、モータ45が設けられている。モータ45の出力軸と回転軸43の左端部(左側の取込ローラ44よりも左側にはみ出た部分)とがタイミングベルト46によって連結されている。これにより、モータ45の駆動力がタイミングベルト46を介して回転軸43に伝達され、回転軸43および取込ローラ44が回転するようになっている。
また、図8〜図11には図示されていないが、本体30の内部において、各取込ローラ44と左右方向で同じ位置には、対向ローラ47が1つずつ設けられている(後述する図16A以降参照)。対向ローラ47は、たとえばPOM(ポリオキシメチレン)で形成されていて、隙間42(図9参照)の後側近傍において、左右方向で同じ位置にある取込ローラ44に対して上方から対向配置されている。
前述した一対の差込板15は、図11に示すように下側垂直部分40および上側垂直部分41から前方へはみ出た進出位置と、図8(a)および図9に示すように下側垂直部分40および上側垂直部分41よりも後方かつ一対のサイドカバー34の間(本体30内)に収容された退避位置との間で進退可能である。進出位置にある一対の差込板15は、本体30から前方へ突出した状態にあり、退避位置にある一対の差込板15は、大部分において本体30内に戻った状態にある。一対の差込板15は、進出位置と退避位置との間で進退することによって、本体30から突出した状態と本体30に戻った状態(厳密には、部分的に本体30内に収容された状態)とに、水平方向に沿ってスライド変位し、その際、下側垂直部分40と上側垂直部分41との間の隙間42を通過するようになっている。
そして、図10(a)および図11を参照して、一対の差込板15の進退に関連して、フレーム33には、モータ48と、第1タイミングベルト49と、第2タイミングベルト50(図10(a)では、説明の便宜上、図示せず)と、スライドシャフト51と、スライド固定部52とが設けられている。
モータ48は、フレーム33の上側面の後寄りの位置に固定されている。
第1タイミングベルト49は、左右方向から見て環状をなすエンドレスベルトであり、フレーム33の右端部において、モータ48の出力軸と、図示しない回転軸との間に掛け回されている。
第2タイミングベルト50は、左右方向から見て環状をなすエンドレスベルトであり、フレーム33の右端部において、当該右端部の前後方向におけるほぼ全域に亘って設けられている(図11参照)。第2タイミングベルト50は、第1タイミングベルト49が掛けられた前述した回転軸(図示せず)と、さらに別の回転軸(図示せず)との間に掛け回されている。
スライドシャフト51は、前後方向に細長い円柱状であって、フレーム33の右端部において、当該右端部の前後方向におけるほぼ全域に亘って設けられている。
図10(a)を参照して、スライド固定部52は、前後に延びる貫通孔53が形成されたブロック形状である。貫通孔53に対してスライドシャフト51が挿通されており、これによって、スライド固定部52は、スライドシャフト51に沿って前後にスライド可能である。スライド固定部52には、上下に延びる板状のステー54が固定されており、このステー54には、一対の差込板15の根元部分15B(図5A〜図5Dおよび図11参照)が取り付けられている。また、スライド固定部52には、第2タイミングベルト50(図11参照)の周上1箇所が連結されている。
図9に示すように一対の差込板15が退避位置にある場合、スライド固定部52は、図10(a)に示すようにスライドシャフト51の後端部に位置している。この状態でモータ48が駆動されてモータ48の出力軸が所定方向へ回転すると、第1タイミングベルト49および第2タイミングベルト50が、モータ48の駆動力を受けることでともに周回移動する。このとき、第2タイミングベルト50(図11参照)においてスライド固定部52に連結された部分は、前方へスライドするので、スライド固定部52およびスライド固定部52のステー54に取り付けられた一対の差込板15も前方へスライドし、一対の差込板15は、最終的に、図11の進出位置に到達する。
一対の差込板15が進出位置にある状態において、モータ48を駆動させてモータ48の出力軸(図示せず)を先程とは逆向きに回転させると、第1タイミングベルト49および第2タイミングベルト50が、先程とは逆向きに周回移動する。このとき、第2タイミングベルト50においてスライド固定部52(図10(a)参照)に連結された部分は、後方へスライドするので、スライド固定部52およびスライド固定部52のステー54に取り付けられた一対の差込板15も後方へスライドし、一対の差込板15は、最終的に、図8(a)および図9に示す退避位置に到達する。
ここで、フレーム33の右端部には、一対の差込板15が進出位置または退避位置にあることを検出するための位置センサ55が一対設けられている(図10(a)および図11参照)。一対の位置センサ55のうち、後寄りに設けられた位置センサ55が、一対の差込板15が退避位置にあることを検出し、前寄りに設けられた位置センサ55が、一対の差込板15が進出位置にあることを検出する。
スライド部材36は、図10(b)に示すように正面視でT字形状をなす薄板状である。スライド部材36の右端部は、前側へ折り曲げられており、当接部36Aをなしている。スライド部材36は、下側垂直部分40(図9参照)の裏面(後側面)に設けられていて、この状態で左右にスライド可能である。なお、図10(b)では、説明の便宜上、下側垂直部分40の図示が省略されている。スライド部材36では、当接部36Aが下側垂直部分40よりも前側へ突出している(図9参照)。そして、フレーム33において、スライド部材36の後側には、スライド部材36をスライドさせるモータ56が設けられている。以下では、図10(b)において最も左側にあるときのスライド部材36(実線で示したスライド部材36)の位置を「待機位置」といい、最も右側へ突出したときのスライド部材36(点線で示したスライド部材36)の位置を「スライド位置」ということにする。図8(a)では、待機位置にあるスライド部材36が実線で示されていて、スライド位置にあるスライド部材36が点線で示されている。また、下側垂直部分40の裏面(厳密には、下側垂直部分40に固定された計数センサ37の基板37Aの裏面)には、図10(b)に示すように、スライド部材36が待機位置およびスライド位置のどちらにあるかを検出するための一対の位置センサ68が設けられている。
ここで、スライド部材36と、スライド部材36をスライドさせるモータ56とのまとまりは連動機構77を構成している。連動機構77は、本体30(受渡ユニット5)に備えられていて、後述するようにラック21のガイド部材28(図6および図7参照)を開いて(前述した)解除状態にしたり、ガイド部材28を閉じて(前述した)規制状態にしたりする。この場合、受渡ユニット5は、ラック21へのDVDケース9の出し入れに際して、自身に備えられた連動機構77によってガイド部材28を規制状態と解除状態とに変位させることができる。
図10(a)を参照して、計数センサ37は、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線LED等から構成される発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)から発光された光のうち、検知物(ここでは、DVDケース9)に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。計数センサ37は、ラック21に収納されたDVDケース9の計数を行う機能を有しているが、その詳細については、以降で説明する。
また、本体30は、ガイド突起69(図9参照)と、タグリーダ70(図10(a)参照)と、受渡センサ78(図9参照)とをさらに含んでいる。
図9を参照して、ガイド突起69は、水平方向(左右方向)に薄くて上下に長手の板状であり、下側垂直部分40および上側垂直部分41の表面(前面)に一対ずつ設けられている。各ガイド突起69は、下側垂直部分40および上側垂直部分41の表面から前側へ突出している。
下側垂直部分40および上側垂直部分41のそれぞれにおける一対のガイド突起69は、水平方向に間隔を隔てて配置されている。下側垂直部分40における一対のガイド突起69の間に、計数センサ37が位置していて、下側垂直部分40における右側のガイド突起69よりも右側にスライド部材36の当接部36Aが位置している。
下側垂直部分40における左側のガイド突起69と、上側垂直部分41における左側のガイド突起69とは、左右方向においてほぼ同じ位置にあり、下側垂直部分40における右側のガイド突起69と、上側垂直部分41における右側のガイド突起69とは、左右方向においてほぼ同じ位置にある。下側垂直部分40および上側垂直部分41の各ガイド突起69の前端は、同一垂直面上にあり、各ガイド突起69は、計数センサ37およびスライド部材36の当接部36Aよりも前側へ突出している。下側垂直部分40における一対のガイド突起69と上側垂直部分41における一対のガイド突起69との間に、前述した隙間42が位置している。
図10(a)を参照して、タグリーダ70は、フレーム33に設けられている。前述したDVD10には、DVD10に記録された内容物のタイトルを記憶したタグ71が取り付けられていて(図3参照)、タグリーダ70は、このタグ71に記録されたタイトルを読み取ることができる。そのため、DVD10を貸し出したり、収納スペース27に戻したりする際、このDVD10を収容したDVDケース9を挟持した差込板15が退避位置にあるときに、タグリーダ70によって当該DVD10のタグ71からタイトルを読み取って、タイトルに間違いが無いか否かを確認することができる。
図9を参照して、受渡センサ78は、下側垂直部分40および上側垂直部分41の表面(前面)に1つずつ設けられている。各受渡センサ78は、下側垂直部分40および上側垂直部分41のそれぞれにおいて、一対のガイド突起69の間の位置に配置されていて、下側垂直部分40の受渡センサ78と上側垂直部分41の受渡センサ78とは上下方向において対向している。下側垂直部分40の受渡センサ78が発光素子になっていて、上側垂直部分41の受渡センサ78が受光素子になっており、発光素子から投光された光が受光素子で受光されるようになっている。下側垂直部分40と上側垂直部分41との間の隙間42にDVDケース9が詰まっていると、当該光がDVDケース9によって遮断されるので、一対の受渡センサ78は、この光が遮断されるか否かにより、隙間42にDVDケース9が詰まっているか否かを検出できる。
図8(b)を参照して、ターンテーブル部31は、テーブル本体57と、回転軸58と、モータ59とを含んでいる。
テーブル本体57は、水平方向に沿う矩形板状であり、その左右両端部は、上方ヘ折り曲げられて、一対のフランジ60をなしている。本体30は、テーブル本体57上に配置されている。このとき、本体30は、左右のフランジ60の間にあって、左右方向で同じ側にあるスライダ39(本体30側)とフランジ60(ターンテーブル部31側)とがボルト61によって連結されている。これにより、本体30は、テーブル本体57(左右のフランジ60を除く)から少し浮き上がった状態になっている。そして、フランジ60に固定されたスライダ39がスライドレール38内で相対的にスライドすることによって、本体30は、テーブル本体57(ターンテーブル部31)を基準として水平方向において相対的にスライドすることができる。本体30のスライド方向は、図8(a)の太線矢印で示されている。
回転軸58は、図8(b)におけるテーブル本体57の重心(平面視における中心)から後側へ少し偏った位置に設けられていて、テーブル本体57の裏面(下面)から下方へ垂直に延びた円柱状である。
モータ59は、本体30をスライドさせるための駆動力を発生するものであり、テーブル本体57の裏面に設けられている。なお、テーブル本体57の裏面には、本体30のスライド方向における位置を検出するセンサ(図示せず)も設けられている。
図8(c)を参照して、ベース部32は、ベース本体62と、支持ロータ63と、モータ64と、位置センサ65とを含んでいる。
ベース本体62は、水平方向に沿う矩形板状である。
支持ロータ63は、ベース本体62の上面に設けられている。支持ロータ63は、垂直方向に延びる円柱体であり、ベース本体62によって支持されていて、その中心軸周りに回転可能である。支持ロータ63の上端面の円中心位置には、下方へ窪む凹部66が形成されている。凹部66に対してターンテーブル部31の回転軸58(図8(b)参照)が上から挿通されていて、これにより、ターンテーブル部31と支持ロータ63とが一体化されている。そのため、ターンテーブル部31と支持ロータ63とターンテーブル部31上の本体30とは、支持ロータ63の中心軸周りに一体回転することができる。本体30(以下では、ターンテーブル部31および支持ロータ63も含む)の回転方向は、図8(b)の太線矢印で示されている。
モータ64は、ベース本体62の上面において支持ロータ63を避けた位置に設けられている。モータ64の出力軸と支持ロータ63の外周面とに1本のエンドレスベルト79が掛け回されていて、モータ64の駆動力によって本体30を回転させることができる。
ここで、ベース部32に関連して、装置本体2において受渡ユニット5が配置される空間を区画する内側面には、上下に延びるレール67が設けられている(図2参照)。このレール67にベース本体62が連結されていて、この状態で、ベース部32は、レール67に沿って上下方向にスライド可能になっている。これにより、本体30を含む受渡ユニット5全体が、レール67に沿って上下方向(ラック21におけるDVDケース9の積層方向と同じ)にスライドできる。装置本体2には、受渡ユニット5を上下にスライドさせるための駆動力を発生するモータ(図示せず)が設けられている。
ここで、このように上下方向(ラック21におけるDVDケース9の積層方向)に移動できる本体30(受渡ユニット5)に対し、水平方向に沿ってスライドする一対の差込板15は、当該積層方向に対する直交方向(図8〜図11における前後方向)に移動可能である(図9および図11参照)。
図12は、DVDレンタル装置1においてラック21および受渡ユニット5を抜き出して示した斜視図である。図13は、ラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。
受渡ユニット5では、本体30(ターンテーブル部31も含む)は、前述したように回転できるのだが(図8(b)の太線矢印参照)、具体的には、装置本体2内において四分の一回転(90°回動)することができる。具体的に、本体30は、図2に示す待機位置と、図12および図13に示すアクセス位置との間で四分の一回転することができる。
図2に示す待機位置の本体30では、前述した隙間42が、装置本体2の正面を向いて開放部分2Aから露出されている。そして、閉じた扉3の出入口8と隙間42とが前後に対向している場合(正面視で出入口8と隙間42とが重なっている場合)の受渡ユニット5の上下方向における位置も待機位置に含まれるものとする(図1も参照)。つまり、ここでの待機位置とは、本体30の回転方向における位置と、受渡ユニット5の上下方向における位置との両方を含んでいる。
待機位置の本体30を正面視で左側へ四分の一回転させたときの本体30の位置が、図12および図13に示すアクセス位置である。アクセス位置にある本体30の隙間42は、ラックユニット4側(DVDレンタル装置1を正面から見た場合における左側であり、図12および図13では右側)を向いている。そして、前述したようにラックユニット4では回転部分20が回転可能なので、ラックNo.1〜4のいずれかのラック21の入出口26が本体30側(DVDレンタル装置1を正面から見た場合における右側であり、図12および図13では左側)を向くように回転部分20が回転すると、アクセス位置にある本体30の隙間42と、本体30側を向いたいずれかの入出口26とが対向する。
なお、回転中の回転部分20に対して、装置本体2内の他の部品(受渡ユニット5も含む)が接触することはない。また、待機位置とアクセス位置との間で移動する受渡ユニット5が装置本体2内の他の部品と接触することもない。
図8(c)を参照して、位置センサ65は、ベース本体62の上面に設けられている。この実施形態では、位置センサ65は一対設けられていて、図8(c)において、手前側の位置センサ65は、本体30が待機位置にあるか否かを検出し、奥側の位置センサ65は、本体30がアクセス位置にあるか否かを検出する。
図14は、DVDレンタル装置1の制御回路ブロック図であり、この発明の特徴と関連する部分のみを示すブロック図である。
次に、DVDレンタル装置1において本発明に関連する電気的構成について説明する。図14を参照して、DVDレンタル装置1は、装置本体2に制御部72(特定手段)を備えている。
制御部72は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。DVDレンタル装置1では、制御部72に対して、駆動部73と、前述した計数センサ37と、メモリ部74とが電気的に接続されている。
駆動部73は、前述した各モータを指している。制御部72は、駆動部73の駆動を制御することによって、受渡ユニット5(本体30)を回転させたり上下させたり水平方向にスライドさせたり(図8〜図11参照)、本体30のスライド部材36をスライドさせたり(図8(a)参照)、一対の差込板15を進退させたり(図9および図11参照)、ラックユニット4の回転部分20を回転させたりすることができる(図2参照)。
メモリ部74には、必要なデータが記憶されている。当該データのうち、本発明に関連するものとして、テーブル75がメモリ部74に記憶されている。
図15は、DVDレンタル装置1のメモリ部74に記憶されるテーブル75の内容を示す図である。
図15を参照して、テーブル75には、ラックユニット4の各ラック21に収納されているDVD10の情報が記憶されている。具体的には、所定のラックNo.のラック21における所定の収納スペースNo.の収納スペース27において、当該収納スペース27の下端の載置板25から(上側へ)所定の順番の位置に積まれているDVD10のタイトル等(このタイトルが新作か旧作かといった情報等も含む)がラックNo.毎(収納スペースNo.毎)に記憶されている。
一例として、図15のテーブル75には、ラックNo.1のラック21における収納スペースNo.1の収納スペース27において、現時点で載置板25から(上側へ)1番目の位置に積まれているDVD10のタイトルが「AAA」であること等が記憶されている。さらに別の例として、図15のテーブル75には、ラックNo.1のラック21における収納スペースNo.1の収納スペース27において、現時点で載置板25から(上側へ)5番目の位置に積まれているDVD10のタイトルが「EEE」であること等が記憶されている。これらの情報(各収納スペース27におけるDVD10のタイトル情報等)は、DVDレンタル装置1を設置して稼動させる際(各収納スペース27にDVD10を収納する際)に、係員によってテーブル75に初期登録される。
後述するように、各収納スペース27に収納されたDVD10(厳密には、DVD10を収容したDVDケース9であり、図3参照)は、同じ収納スペース27に積み上げられたDVD10の群れ(「積層群」ということがある)の中から差込板15(図5A参照)によって抜き取られて客に貸し出される。そのため、DVD10が1枚貸し出されると、収納スペース27内において、貸し出しのために抜き取られたDVD10より上方にある各DVD10の(載置板25からの)順番が1つずつ載置板25寄りにずれる(繰り上がる)。
よって、制御部72(図14参照)は、DVD10の貸し出しが行われる度に、テーブル75の内容を更新する。たとえば、図15を参照して、No.1のラック21のNo.1の収納スペース27において、載置板25から3番目にあった「CCC」のタイトルのDVD10が貸し出されるとする。この場合、制御部72は、テーブル75において、「CCC」のタイトル情報を消去し、「CCC」のタイトルのDVD10より上に積まれていた「DDD」、「EEE」、「FFF」…の各タイトルのDVD10のタイトル情報を、載置板25からの順番が1つずつ繰り上がるように登録し直す。
一方、客から返却されたDVD10は、収納スペース27に積み上げられたDVD10の積層群に上から載置される。そのため、制御部72は、返却されたDVD10が収納される収納スペース27において当該DVD10が載置板25から最も離れた順番にあることをテーブル75に新たに登録する。たとえば、図15を参照して、No.1のラック21のNo.1の収納スペース27において、今まで載置板25から5番目までDVD10が積まれていた状態で、「FFF」のタイトルのDVD10が返却されて、5番目の「EEE」のタイトルのDVD10の上に積まれたとする。この場合、制御部72は、テーブル75において、同じ収納スペース27における載置板25から6番目に、「FFF」のタイトル情報を新たに登録する。
そして、このようなテーブル75が記憶されたメモリ部74には、各収納スペース27の(DVDケース9が平積みされる)下端の載置板25(図2参照)の位置のデータ(位置データ)も記憶されている。当該位置は、座標を用いた絶対位置であってもよいし、最下位または最上位の載置板25等を基準とした相対位置(最下位または最上位の載置板25からの順番等)であってもよい。
次に、このDVDレンタル装置1におけるDVD10(DVDケース9)の貸出処理および返却処理について説明する。
まずは、貸出処理について説明する。図16A〜図23Bは、貸出処理に際して受渡ユニット5がラック21からDVDケース9を取り出すときのラック21および受渡ユニット5の平面図、または、ラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。なお、図16A〜図23Bでは、説明の便宜上、DVDケース9をドットで塗り潰して示している場合がある。
貸出処理が始まる前の段階では、受渡ユニット5(本体30)は待機位置にあり(図2参照)、本体30のスライド部材36は待機位置にあり(図8(a)の実線部分参照)、一対の差込板15は互いの間隔が広がった状態で退避位置にあり(図5Dおよび図9参照)、ラック21のガイド部材28は閉じている(図6参照)。
この状態において、客が操作表示部7(図1参照)を操作することによって、客が所望するタイトルのDVD10の貸し出しについての決済が完了する。決済完了に応じて、制御部72(図14参照)は、当該タイトルのDVD10について、このDVD10を収納したラック21のラックNo.および収納スペースNo.と、収納スペース27における下端の載置板25からの順番とをテーブル75(図15参照)から特定する。一例として、当該タイトルが、テーブル75における「EEE」であるとすると、制御部72は、「EEE」のDVD10を収納したラック21のラックNo.および収納スペースNo.がともに「1」であって、収納スペース27における載置板25からの順番が「5」であることをテーブル75から特定する(図15参照)。
次いで、制御部72は、駆動部73(図14参照)を駆動することによって、受渡ユニット5の本体30を待機位置からアクセス位置まで回転させるとともに、これから貸し出すタイトル(ここでは、「EEE」)のDVD10を収納したNo.1のラック21の入出口26が受渡ユニット5側を向くように回転部分20(図2参照)を回転させる。なお、「EEE」のDVD10を収納したラック21の入出口26が既に受渡ユニット5側を向いていれば、回転部分20の回転は省略される。ここでの本体30および回転部分20の移動が完了した状態が、図12に示されている。
このとき、本体30の下側垂直部分40および上側垂直部分41(ガイド突起69も含む)は、ラック21の入出口26(入出口26から露出されているDVD10の積層群)に対して、水平方向からある程度の間隔を隔てて対向している。また、DVDレンタル装置1を正面から見た場合における前後方向(図12において左下と右上とを結ぶ方向)において、ラック21内の各DVDケース9の読取部分12と、本体30の計数センサ37とが同じ位置にあって、計数センサ37は、読取部分12に対して水平方向から臨んでいる。
そして、図13を参照して、制御部72は、メモリ部74に記憶された各収納スペース27の載置板25の位置データを参照してから、駆動部73を駆動することによって受渡ユニット5を上下させ、貸し出すタイトル「EEE」のDVD10が収納されたNo.1の収納スペース27の載置板25のところまで受渡ユニット5を移動させる。ここで、各載置板25において入出口26から露出されている部分には、入出口26側(収納スペース27から外れる側であり、図13における左側)へ一段突出した調整部76が設けられている。制御部72は、「EEE」のDVD10が収納されたNo.1の収納スペース27の載置板25の調整部76に対して計数センサ37が水平方向から対向するように、受渡ユニット5を上下に移動させる。
計数センサ37では、前述した発光素子(図示せず)が調整部76に向けて投光し、調整部76で反射された反射光が受光素子(図示せず)に受光される。計数センサ37では、受光素子(図示せず)での反射光の受光量が大きくなるほど、焦点が合って出力が大きくかつ精度が高くなる。そのため、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、本体30を水平方向にスライドさせ(図8(a)の太線矢印参照)、計数センサ37の精度が最も高い状態になるように本体30の水平位置(ラック21に対する対向方向における位置)を調整する。また、ここでの調整によって、受渡ユニット5がラック21にぶつかることが防止されている。一例として、計数センサ37の焦点距離(計数センサ37から調整部76までの水平方向における距離)が3.5mm程度になるように、本体30の水平位置が調整される。
本体30の水平位置の調整が完了すると、制御部72は、駆動部73を駆動して受渡ユニット5を上昇させる。その際、計数センサ37では、発光素子(図示せず)が、先程投光していた調整部76を有する載置板25に近い側のDVDケース9(下側のDVDケース9)から順に、DVDケース9の山型部分11における読取部分12に向けて投光し、読取部分12で反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。これにより、計数センサ37では、1つの読取部分12に対する投光が終わると、この読取部分12の山型の輪郭の波形が1つ採取されるので、計数センサ37は、当該波形を1つ採取する毎に、DVDケース9が1枚あるとカウントする。なお、採取された波形自体には、測定誤差を考慮した加工処理が施され。加工後の波形がカウントに用いられる。
そして、同様の手順により、受渡ユニット5の上昇の最中、計数センサ37は、下側のDVDケース9から順にDVDケース9をカウントして、収納スペース27に収納されたDVDケース9を1枚ずつ計数する。なお、受渡ユニット5の上昇が完了してから、今まで採取した波形のトータル数をカウントすることでDVDケース9の枚数を数えても構わない。
前述したように、制御部72は、計数に先立って、これから貸し出すタイトル「EEE」のDVD10の載置板25からの順番(ここでは、5番)を把握している。そのため、計数センサ37が載置板25からDVDケース9を4枚カウントしたとき、または、5枚カウントしたときに、制御部72は、計数センサ37によるカウント結果(計数結果)に基づいて、貸し出すタイトル「EEE」のDVD10の上下方向の位置を特定する。
この場合には、載置板25からの枚数を位置特定の要素としていることから、計数することによって、DVDケース9の位置を特定するとともに、DVDケース9がその位置にあることを実際に(計数センサ37で直接見て)確認している。また、載置板25や上下に隣り合うDVDケース9との相対位置によって、DVDケース9の位置を特定している。そのため、この場合には、各DVDケース9の位置を所定の基準点(原点)に基づく座標や距離で特定した絶対位置で管理する場合に比べて、DVDケース9の位置管理および位置特定を容易におこなうことができる。
絶対位置を用いてDVDケース9の位置を特定する場合には、前記座標や距離が狂わないように、DVDレンタル装置1全体を頑丈に(高剛性で)構成する必要があり、絶対位置の管理が大変である。さらに、この場合には、DVDケース9の位置を特定する際、座標や距離だけを頼りに特定する構成上、前記座標位置に当該DVDケース9の現物が実際にあるか否かを確認するわけではないので、装置の撓み等によって前記座標や距離が狂ってしまうと、座標や距離を頼りに特定した位置に、目的のDVDケース9が存在しない不具合が生じ得る。特に、前述した基準点から遠くなるほど、絶対位置の誤差が大きくなりやすい。
これに対し、本発明では、DVDレンタル装置1が低剛性で多少ラフに構成されていて各部材の位置関係に誤差があったとしても、載置板25からの枚数を用いた相対位置を基準とすることによって、目的のDVDケース9の位置を正確に特定できる。ここでの相対位置とは、載置板25や上下に隣り合うDVDケース9との相対位置なので、誤差があったとしても微小であり、載置板25から遠くなっても、この誤差が大きくなることはない。
そして、制御部72は、貸し出すタイトル「EEE」のDVD10の上下方向の位置をこのように特定した後、本体30の隙間42が「EEE」のDVDケース9に対向するように、受渡ユニット5の上下の位置を調整する。
この実施形態の場合、計数センサ37が隙間42よりも下方に位置しているので、計数センサ37がDVDケース9を4枚または5枚をカウントしたときには、隙間42は、貸し出す(載置板25から5番目の)DVDケース9よりも上方に位置している。そのため、計数センサ37がDVDケース9を4枚または5枚をカウントしたときには、制御部72は、受渡ユニット5を若干下降させる。
ここでの受渡ユニット5の上下の位置調整が完了した状態が、図16Aおよび図16Bに示されている。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動して、図17Aおよび図17Bに示すように、下側垂直部分40および上側垂直部分41の各ガイド突起69が収納スペース27内のDVDケース9の山型部分11に当接するように、本体30を水平方向に沿ってDVDケース9側へスライドさせる。なお、各ガイド突起69は、この時点で山型部分11に当接している必要はなく、山型部分11から若干離れていてもよい。また、このとき、平面視において、ラック21の一対のガイド部材28の間に、本体30において待機位置にあるスライド部材36の当接部36Aが位置している(図17A参照)。当接部36Aは、一対のガイド部材28のうち近い側(図17Aでは下側)のガイド部材28のすぐ内側に位置している。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動させて、図18Aおよび図18Bに示すように、今まで退避位置にあった一対の差込板15を進出させる。これにより、上側の差込板15の根元部分15Bが、今まで乗り上げていた開放軸18から外れる。その結果、図18Bに示すように、一対の差込板15の間隔は、付勢部材17(図5Cおよび図5D参照)の付勢力によって、今までの広がっていた状態(図17B参照)から、狭まった状態に変位する。このとき、一対の差込板15の突出部分15Aと、これから貸し出すタイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11との間には、水平方向において、たとえば、0.3mm程度の間隔がある。
互いの間隔が狭まった一対の差込板15は、引き続きDVDケース9側へ進出する。進出する差込板15の先には、これから貸し出すタイトル「EEE」のDVDケース9(図18Bにおける下から5番目のDVDケース9)が位置している。厳密には、一対の差込板15の突出部分15A間の境界と、タイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11の先端(最も尖った部分であり、図18Bにおける右端)とが、上下方向において同じ位置にある。
そのため、一対の差込板15がタイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11に到達すると、当該山型部分11の先端が一対の差込板15の突出部分15A間に入り込む。このとき、上側の差込板15の突出部分15Aは、タイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11と、「EEE」のDVDケース9の上に積まれた別のDVDケース9の山型部分11とで構成された谷部分に差し込まれる。同時に、下側の差込板15の突出部分15Aは、タイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11と、「EEE」のDVDケース9の真下に位置する別のDVDケース9の山型部分11とで構成された谷部分に差し込まれる。
ここで、各突出部分15Aにおいて相手の突出部分15Aと対向する部分における先端には、相手の突出部分15Aから離れる方向に傾斜して山型部分11との摩擦を低減するテーパ面15Cが設けられている。これにより、一対の差込板15の進出に伴って、山型部分11の先端が一対の差込板15の突出部分15A間に円滑に入り込むことができる。
また、各差込板15において、突出部分15Aは、平面視において差込板15の中心(図18Aにおける上下中心)からずれた位置(図18Aでは下側へずれた位置)に設けられているので、山型部分11の中央にある読取部分12からもずれた位置にある。そのため、差込板15の進退の際に突出部分15Aが読取部分12に接触しないようになっているので、読取部分12が突出部分15Aによって傷付けられることに起因して計数センサ37による読取部分12の検出(前述した波形の採取)に誤差が生じることが防止されている。
そして、一対の差込板15がさらに進出すると、タイトル「EEE」のDVDケース9の山型部分11が一対の差込板15の間にどんどん進入し、一対の差込板15がDVDケース9を山型部分11側から挟持していく。ただし、実際には、当該「EEE」のDVDケース9自体は静止しており、上側の差込板15が、「EEE」のDVDケース9と当該DVDケース9の真上のDVDケース9との間を水平方向に進んでいるとともに、下側の差込板15が、「EEE」のDVDケース9と当該DVDケース9の真下のDVDケース9との間を水平方向に進んでいる。このとき、一対の差込板15の間隔は、DVDケース9の厚み分だけ広がっている。
ここで、DVDケース9は、その厚さ方向に開閉してDVD10を収容できる構成になっている。仮にDVDケース9がちゃんと閉じておらず若干開いていたとしても、DVDケース9が一対の差込板15によって上下方向(DVDケース9の厚さ方向)から挟持されるので、DVDケース9内から中身(DVD10)が不意にこぼれ落ちることを防止できる。
そして、最終的に、図19Aおよび図19Bに示すように、一対の差込板15が進出位置まで進出すると、各差込板15の突出部分15Aの先端は、「EEE」のDVDケース9と当該DVDケース9の真上および真下のDVDケース9との間を通り過ぎて、DVDケース9の山型部分11とは反対側端部から外へはみ出ている。なお、DVDケース9の当該反対側端部からはみ出した突出部分15Aは、ラック21の背板23において途切れたスペース(図7参照)に位置していて、背板23に接触していない。このとき、一対の差込板15は、前述した付勢部材17(図5C参照)の付勢力によって「EEE」のDVDケース9を上下から挟持している(図19B参照)。また、一対の差込板15において「EEE」のDVDケース9を挟持している部分は、平面視においてDVDケース9の輪郭の内側に収まっている(図19A参照)。
一対の差込板15が進出位置まで進出した後に、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、本体30のスライド部材36を、今までの待機位置から、図20Aに示すスライド位置までスライドさせる。これにより、スライド部材36の当接部36Aが、最寄り(図20Aにおける下側)のガイド部材28に当接することで、図20Aに示すように、一対のガイド部材28が開く。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、今まで進出位置にあった一対の差込板15を退避位置へ向けて退避させるともに、取込ローラ44を、DVDケース9を本体30内へ取り込む方向(図20Bでは時計回りの方向)に回転させる。これにより、一対の差込板15に挟持された「EEE」のDVDケース9が、差込板15とともに水平方向に沿って本体30側へ移動する。
一対の差込板15が退避するとき、一対の差込板15に挟持された「EEE」のDVDケース9の上下にある別のDVDケース9が、差込板15や「EEE」のDVDケース9に引きずられることで本体30側へ移動しようとする。しかし、当該別のDVDケース9が移動しようとする先には、本体30側の下側垂直部分40および上側垂直部分41のいずれかのガイド突起69が位置しているので、当該別のDVDケース9は、本体30側へ移動することなく収納スペース27内で留まっている。
そして、一対の差込板15に挟持されて本体30側へ移動した「EEE」のDVDケース9は、図21Bに示すように、下側垂直部分40と上側垂直部分41との間の隙間42を通過すると、回転する取込ローラ44と対向ローラ47との間を通過し、その際、回転する取込ローラ44によって本体30内へ引き込まれる。なお、取込ローラ44によるDVDケース9の引き込み動作は、あくまで補助的なものであるので、一対の差込板15が退避するだけでも、DVDケース9を本体30内へ十分引き込むことができる。
一対の差込板15が退避位置まで退避すると、取込ローラ44の回転が停止するとともに、図22Aおよび図22Bに示すように、一対の差込板15の間にあった「EEE」のDVDケース9全体は、隙間42を越えて本体30内に収容される。ここで、一対の差込板15が退避位置に到達する際、図22Bに示すように、上側の差込板15の根元部分15Bが開放軸18に乗り上げるので、これに伴って一対の差込板15の間隔が広げられる。そのため、一対の差込板15が退避位置に到達したとき、一対の差込板15の間の「EEE」のDVDケース9は、一対の差込板15に弾性的に挟持されておらす、一対の差込板15の間で若干上下に動くことができる。
そして、収納スペース27では、今まで「EEE」のDVDケース9の真上にあったDVDケース9が、「EEE」のDVDケース9が本体30内へ引き込まれるのに応じて、今まで「EEE」のDVDケース9の真下にあったDVDケース9の上に直接載置される。つまり、今まで「EEE」のDVDケース9の上にあった各DVDケース9の載置板25からの順番が1つずつ繰り上がる。これに応じて、制御部72は、テーブル75において、「EEE」のタイトル情報を消去し、「EEE」のタイトルのDVD10より上に積まれていた各タイトルのDVD10のタイトル情報を、載置板25からの順番が1つずつ繰り上がるように登録し直す(図15参照)。
一対の差込板15が退避位置まで退避することで「EEE」のDVDケース9が本体30内に収容された後、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、今までスライド位置にあったスライド部材36を、図23Aに示すように待機位置までスライドさせる。これに応じて、今まで開いていた一対のガイド部材28が、前述した付勢部材(図示せず)の付勢力によって、図23Aに示すように閉じる。
その後、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、受渡ユニット5(本体30)を、ラック21から水平方向へ一旦離間させた後、図2に示す待機位置まで移動させる。すると、受渡ユニット5における本体30の隙間42がDVDレンタル装置1の扉3の出入口8(図1参照)に対向する。この状態で、制御部72が、駆動部73を駆動することによって、受渡ユニット5を水平移動させて出入口8に接近させるとともに、前述したシャッタ80を開いて出入口8を開放する(図2参照)。そして、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、取込ローラ44を、本体30内からDVDケース9を引き出す方向(先程の取り込む方向とは逆方向)へ回転させると、本体30内から「EEE」のDVDケース9が排出され、隙間42および出入口8を順に通過して機外の客に払い出される。以上によって、貸出処理が完了する。
このように、受渡ユニット5は、一対の差込板15を本体30から突出させてラック21の収納スペース27へ差し込み(図19Aおよび図19B参照)、貸し出すDVDケース9を挟持した一対の差込板15を本体30に戻すことにより、DVDケース9を収納スペース27から出す(図21A〜図23B参照)。
また、受渡ユニット5が、貸し出すDVDケース9を収納スペース27から取り出すとき、連動機構77(スライド部材36および駆動部73(厳密には、図10(b)に示すモータ56)のまとまり)は、ガイド部材28と開いて(前述した)解除状態にする(図20A〜図22B参照)。そのため、受渡ユニット5は、ラック21からDVDケース9を円滑に取り出すことができる。
一方、連動機構77は、一対の差込板15が本体30から突出した状態(突出状態)から本体30へ戻る変位(図20A〜図22B参照)に連動して、ガイド部材28を閉じて(前述した)規制状態にする(図23Aおよび図23B参照)。そのため、ラック21内のDVDケース9が入出口26から不意にこぼれ出ることを防止できる。
次に、返却処理について説明する。図24A〜図30Bは、返却処理に際して受渡ユニット5がラック21にDVDケース9を収納するときのラック21および受渡ユニット5の平面図、または、ラック21および受渡ユニット5をこれらの並び方向に沿う垂直面で切断したときの縦断面の要部を示す図である。なお、図24A〜図30Bでは、説明の便宜上、DVDケース9をドットで塗り潰して示している場合がある。
返却処理が始まる前の段階では、受渡ユニット5(本体30)は待機位置にあり(図2参照)、本体30のスライド部材36は待機位置にあり(図8(a)の実線部分参照)、一対の差込板15は互いの間隔が広がった状態で退避位置にあり(図5Dおよび図9参照)、ラック21のガイド部材28は閉じている(図6参照)。
この状態において、客が返却したいDVDケース9を扉3の出入口8(図1参照)に差し込む。このとき、出入口8に対してDVDケース9を差し込む向きが決まっていて、DVDケース9は、山型部分11(図3参照)が最初に出入口8を通過するように差し込まれる必要がある。
具体的には、図1を参照して、出入口8の近傍における扉3の内側(装置本体2内に臨む側)には、3つの遮光センサ(図示せず)と、前述したシャッタ80(図2参照)とが設けられている。3つの遮光センサは、出入口8に沿って水平方向に略等間隔で並んで配置されていて、各遮光センサは、赤外線LED等から構成される発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)から発光された光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。発光素子と受光素子とは、上下に間隔を隔てて配置されており、上下方向において、これらの素子の間に、出入口8が位置している。
DVDケース9を、山型部分11が最初に出入口8を通過するように正しい向きで出入口8に差し込むと、DVDケース9において山型部分11側の端部には、3つの遮光センサの発光素子(図示せず)から光が投光される。3つの発光素子(図示せず)のうち、水平方向における両端側の2つの発光素子(図示せず)から投光された光の先には、DVDケース9において当該両端側の2つの発光素子と同じ位置にある抜き穴13(図3参照)が位置している。そのため、当該両端側の2つの発光素子(図示せず)から投光された光は、同じ位置にある抜き穴13を通過して、受光素子に受けられる。一方、当該両端側の2つの発光素子以外の発光素子(真ん中の発光素子)から投光された光の先には、いずれの抜き穴13も存在せず、DVDケース9において抜き穴13以外の樹脂部分が存在しているので、真ん中の発光素子から投光された光が受光素子に受けられることはない。
このように、真ん中の発光素子から投光された光だけ受光されないことによって、DVDケース9が正しい向きで出入口8に差し込まれたことが検出され、これに応じて、シャッタ80(図2参照)が開く。そのため、DVDケース9を出入口8に引き続き差し込むことができ、このDVDケース9は、山型部分11側から出入口8を通過した後に、待機位置にある受渡ユニット5の本体30の隙間42(図2参照)を介して本体30内に進入する。このとき、制御部72が、駆動部73を駆動することによって、取込ローラ44(図10(a)参照)を、DVDケース9を本体30内へ取り込む方向に回転させるので、隙間42を通過したDVDケース9は、回転する取込ローラ44によって本体30内に取り込まれ、間隔が広がった状態にある一対の差込板15の間に配置される(図24B参照)。
なお、DVDケース9が正しくない向きで出入口8に差し込まれた場合には、3つの発光素子から投光された全ての光は、DVDケース9の樹脂部分に遮られることで受光されない。この場合、DVDケース9が正しい向きで出入口8に差し込まれていないことが検出され、シャッタ80が閉じたままになる。そのため、DVDケース9を出入口8に引き続き差し込むことができないことで、客は、DVDケース9を出入口8に差し込む向きが間違っていることに気付く。なお、操作表示部7(図1参照)において、DVDケース9を出入口8に差し込む向きが間違っている旨のメッセージが、客に対して表示されたり、当該旨を報知する警報が鳴ったりしてもよい。
そして、以上のように、返却されるDVDケース9が正しい向きで出入口8に差し込まれた後に本体30内に取り込まれて一対の差込板15の間に配置されると、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、今まで待機位置にあった受渡ユニット5(本体30)をアクセス位置まで回転させる。
また、このとき、制御部72は、当該DVDケース9の収納先となるラックNo.のラック21の入出口26が受渡ユニット5側を向くように回転部分20(図2参照)を回転させる。なお、DVDケース9の収納先がどのラックNo.のラック21でもよいのであれば、制御部72は、受渡ユニット5に近いラック21の入出口26が受渡ユニット5側を向くように回転部分20を回転させる。ただし、収納先となるラック21の入出口26が既に受渡ユニット5側を向いていれば、回転部分20の回転は省略される。ここでの本体30および回転部分20の移動が完了した状態が、図12に示されている。なお、説明の便宜上、図12における一対の差込板15の間にDVDケース9が図示されていない。
本体30および回転部分20の移動が完了したとき、本体30の下側垂直部分40および上側垂直部分41(ガイド突起69も含む)は、ラック21の入出口26(入出口26から露出されているDVD10の積層群)に対して、水平方向からある程度の間隔を隔てて対向している。また、DVDレンタル装置1を正面から見た場合における前後方向(図12において左下と右上とを結ぶ方向)において、ラック21内の各DVDケース9の読取部分12と、本体30の計数センサ37とが同じ位置にあって、計数センサ37は、読取部分12に対して水平方向から臨んでいる。
そして、図13を参照して、制御部72は、受渡ユニット5と対向しているラック21において、返却されるDVDケース9の収納先となる収納スペース27を特定する。ここで、当該DVDケース9内のDVD10のタイトルに応じて、収納先となる収納スペース27の収納スペースNo.が予め決まっているのであれば、当該収納スペースNo.の収納スペース27が、収納先として特定される。一方、空きがあればどの収納スペース27でもよいのであれば、任意の収納スペースNo.の収納スペース27が、収納先として特定される。
そして、制御部72は、収納先となる収納スペースNo.の収納スペース27の載置板25の位置データ(メモリ部74に記憶されている)を参照する。そして、制御部72は、駆動部73を駆動することによって受渡ユニット5を上下させ、当該収納スペースNo.の収納スペース27の載置板25のところまで受渡ユニット5を移動させる。このとき、制御部72は、当該載置板25の調整部76に対して計数センサ37が水平方向から対向するように、受渡ユニット5を移動させる。そして、制御部72は、前述したように本体30を水平方向にスライドさせて(図8(a)の太線矢印参照)、計数センサ37の精度が最も高い状態になるように本体30の水平位置を調整する。
本体30の水平位置の調整が完了すると、制御部72は、駆動部73を駆動して受渡ユニット5を上昇させる。その際、計数センサ37は、下側のDVDケース9から順に1枚ずつDVDケース9をカウントしてDVDケース9の枚数を数える。そして、計数センサ37が収納先の収納スペース27における最上位のDVDケース9をカウントすると、受渡ユニット5が当該収納スペース27の範囲でそれ以上上昇しても、計数センサ37がDVDケース9をカウントしない。そこで、制御部72は、計数センサ37がDVDケース9をカウントしなくなったのに応じて、最上位のDVDケース9の位置を特定する。
制御部72は、最上位のDVDケース9の位置を特定した後に、本体30の隙間42が当該最上位のDVDケース9より少し高い位置に来るように、受渡ユニット5の上下の位置を調整する。
ここでの受渡ユニット5の上下の位置調整が完了した状態が、図24Aおよび図24Bに示されている。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動して、図25Aおよび図25Bに示すように、下側垂直部分40の各ガイド突起69が収納スペース27内の最上位のDVDケース9の山型部分11に当接するように、本体30を水平方向に沿ってDVDケース9側へスライドさせる。なお、各ガイド突起69は、この時点で山型部分11に当接している必要はなく、山型部分11から若干離れていてもよい。また、このとき、平面視において、ラック21の一対のガイド部材28の間に、本体30において待機位置にあるスライド部材36の当接部36Aが位置している(図25A参照)。当接部36Aは、一対のガイド部材28のうち近い側(図25Aでは下側)のガイド部材28のすぐ内側に位置している。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、本体30のスライド部材36を、今までの待機位置から、図26Aに示すスライド位置までスライドさせる。これにより、スライド部材36の当接部36Aが、最寄り(図26Aにおける下側)のガイド部材28に当接することで、図26Aに示すように、一対のガイド部材28が開く。つまり、収納スペース27に収納するためのDVDケース9を保持した受渡ユニット5が入出口26に対向した場合に、連動機構77(スライド部材36および駆動部73(厳密には、前述したモータ56)のまとまり)は、ガイド部材28を開いて(前述した)解除状態にする。このように、受渡ユニット5がDVDケース9をラック21に収納するのに先立って、ガイド部材28が解除状態になるので、後述するように、差込板15が突出してラック21にDVDケース9を差し込むことができる(図27Aおよび図27B参照)。
この状態で、本体30内の一対の差込板15の間のDVDケース9において隙間42側の端部(山型部分11とは反対側の端部)は、図26Bに示すように、取込ローラ44と対向ローラ47とによって上下から挟まれている。そこで、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、取込ローラ44を、本体30内からDVDケース9を引き出す方向(図26Bにおける反時計回りの方向)へ回転させる。これにより、DVDケース9が本体30内から隙間42を通って収納スペース27側へ排出され始める。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動させて、図27Aおよび図27Bに示すように、今まで退避位置にあった一対の差込板15を進出させる。これにより、上側の差込板15の根元部分15Bが、今まで乗り上げていた開放軸18から外れる(図26Bも参照)。その結果、図27Bに示すように、一対の差込板15の間隔は、付勢部材17(図5Cおよび図5D参照)の付勢力によって、今までの広がっていた状態(図26B参照)から、狭まった状態に変位し、一対の差込板15の間のDVDケース9は、一対の差込板15によって弾性的に挟持された状態になる。そして、進出する差込板15の先には、収納スペース27内のDVDケース9の積層群(当該積層群における最上位のDVDケース9)の上方空間が位置している。
図27Aおよび図27Bに示すように、一対の差込板15が最終的に進出位置まで進出すると、一対の差込板15および一対の差込板15の間の(返却される)DVDケース9は、収納スペース27内に進入して、収納スペース27内のDVDケース9の積層群の真上に位置する。このとき、一対の差込板15の突出部分15Aの先端は、ラック21の背板23において途切れたスペース(図7参照)に位置していて、背板23に接触していない(図27A参照)。このとき、一対の差込板15は、前述した付勢部材17(図5C参照)の付勢力によって(返却する)DVDケース9を引き続き上下から弾性的に挟持している(図27B参照)。
なお、回転する取込ローラ44によるDVDケース9の引き出し動作(図26B参照)は、あくまで補助的なものであるので、一対の差込板15が進出するだけでも、DVDケース9を本体30内から十分引き出して収納スペース27内に進入させることができる。
一対の差込板15が進出位置まで進出した後に、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、取込ローラ44の回転を停止するとともに、本体30のスライド部材36を、今までのスライド位置から、図28Aに示す待機位置までスライドさせる。これに応じて、今まで開いていた一対のガイド部材28が、前述した付勢部材(図示せず)の付勢力によって、図28Aに示すように閉じる。つまり、返却するDVDケース9を保持した差込板15が進出位置まで進出することによって本体30から突出して収納スペース27に差し込まれたのに連動して、連動機構77(スライド部材36および駆動部73(モータ56)のまとまり)は、ガイド部材28を閉じて(前述した)規制状態にする。
次いで、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、今まで進出位置にあった一対の差込板15を退避位置へ向けて退避させる。つまり、ガイド部材28が規制状態になったのに連動して、一対の差込板15が本体30に戻る。
一対の差込板15が退避するとき、今まで一対の差込板15に挟持されていたDVDケース9が、差込板15とともに本体30側へ移動しようとする。しかし、DVDケース9が移動しようとする先(厳密には、当該DVDケース9の水平方向両端部の先)には、閉じた状態にある一対のガイド部材28が位置しているので、一対の差込板15だけが本体30側へ向けて一対のガイド部材28の間を通過するものの、当該DVDケース9は、本体30側へ移動することなく収納スペース27内で留まっている。そのため、図29Aおよび図29Bに示すように、一対の差込板15が退避するのに応じて、一対の差込板15の間のDVDケース9が一対の差込板15の間から次第に外れていく。ここで、図29Aを参照して、一対の差込板15が、閉じた一対のガイド部材28の間を、ガイド部材28に引っかからないように円滑に進退できるように、一対の差込板15の幅(図29Aにおける上下方向における寸法)は、閉じた一対のガイド部材28の間隔よりも小さく設定されている。
そして、一対の差込板15が退避位置まで退避して本体30内に収容されると、図30Aおよび図30Bに示すように、今まで一対の差込板15の間にあったDVDケース9は、一対の差込板15の間から完全に外れる。これに応じて、このDVDケース9は、収納スペース27内において落下し、収納スペース27内のDVDケース9の積層群の上に積み重ねられて、当該積層群における新たな最上位のDVDケース9となる。なお、返却されるDVDケース9の落下距離が極力小さくなるように、一対の差込板15は、進出位置まで進出したとき、当該DVDケース9を、収納スペース27内において当該積層群の直近の真上に持っていくようになっている(図27B参照)。
このように、一対の差込板15がラック21にDVDケース9を差し込むと、ガイド部材28が規制状態なるので(図28A参照)、その後、差込板15が本体30に戻ると、差込板15によって今まで保持されていたDVDケース9が、規制状態のガイド部材28によってラック21に留められ、ラック21へのDVDケース9の収納を達成できる(図30Aおよび図30B参照)。そして、制御部72は、前述したように、テーブル75において、今回ラック21に収納されたDVDケース9内のDVD10についてのタイトル情報を新たに登録する。
ここで、一対の差込板15が退避位置に到達する際、図30Bに示すように、上側の差込板15の根元部分15Bが開放軸18に乗り上げるので、これに伴って一対の差込板15の間隔が広げられる。
その後、制御部72は、駆動部73を駆動することによって、受渡ユニット5(本体30)を、ラック21から水平方向へ一旦離間させた後、図2に示す待機位置まで移動させる。すると、受渡ユニット5における本体30の隙間42がDVDレンタル装置1の扉3の出入口8(図1参照)に対向する。以上によって、返却処理が完了する。
このように、受渡ユニット5は、返却するDVDケース9を挟持した一対の差込板15を本体30から突出させてラック21の収納スペース27へ差し込み(図27Aおよび図27B参照)、一対の差込板15だけを本体30に戻すことにより、DVDケース9を収納スペース27に入れる(図29A〜図30B参照)。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、この実施形態では、物品収納払出装置の一例として、DVDレンタル装置1を挙げたが、DVD10(DVDケース9)以外の物品を収納したり払い出したりすることができるいかなる物品収納払出装置に対しても、本発明は適用可能である。
また、ラックユニット4において、1つの回転部分20内で4つのラック21が回転するようになっていたが(図2参照)、回転部分20の数や、1つの回転部分20に設けられるラック21の数は適宜変更できる。また、これらのラック21が、位置決めされた状態で、それぞれの入出口26(図2参照)が同一面に並ぶように整列配置されていて、受渡ユニット5が自在に動き回って、各ラック21との間でDVDケース9の受け渡しを行ってもよい。
1 DVDレンタル装置
5 受渡ユニット
9 DVDケース
10 DVD
15 差込板
21 ラック
26 入出口
27 収納スペース
28 ガイド部材
30 本体
37 計数センサ
72 制御部
77 連動機構

Claims (6)

  1. 物品を収納したり払い出したりすることができる物品収納払出装置であって、
    複数の物品を、隣り合う物品同士が接するように、直接積み重ねて収納するための収納部と、
    前記収納部の入出口に関連して備えられ、前記収納部への物品の収納および払い出しを規制するためのガイド部材と、
    本体と、前記本体から突出した状態および前記本体に戻った状態にスライド変位する差込板とを有し、前記差込板を前記本体から突出させて前記収納部へ差し込み、前記差込板を前記本体に戻すことにより、物品を前記収納部へ出し入れする受渡ユニットと、
    を含むことを特徴とする、物品収納払出装置。
  2. 前記ガイド部材は、前記収納部への物品の入出を規制した規制状態と、前記収納部への物品の入出規制を解除した解除状態とに変位可能であり、
    前記受渡ユニットが前記収納部から物品を取り出すとき、前記ガイド部材を前記解除状態にする連動機構を有することを特徴とする、請求項1記載の物品収納払出装置。
  3. 前記受渡ユニットでは、前記本体が少なくとも前記収納部における物品の積層方向に移動可能であり、前記差込板が前記積層方向に対する前後方向に移動可能であり、
    前記差込板が突出状態から前記本体へ戻る変位に連動して前記ガイド部材を前記規制状態にする連動機構を有することを特徴とする、請求項2記載の物品収納払出装置。
  4. 前記連動機構は、前記受渡ユニットに備えられていることを特徴とする、請求項3記載の物品収納払出装置。
  5. 前記収納部に収納するための物品を保持した前記受渡ユニットが前記収納部の入出口に対向した場合に、前記連動機構は、前記ガイド部材を前記解除状態にし、
    物品を保持した前記差込板が前記本体から突出して前記収納部に差し込まれたのに連動して、前記連動機構は、前記ガイド部材を前記規制状態にし、
    前記ガイド部材が前記規制状態になったのに連動して、前記差込板が前記本体に戻ることを特徴とする、請求項3または4記載の物品収納払出装置。
  6. 前記本体は、計数センサを有し、
    前記本体の前記積層方向への移動の際に、前記計数センサが前記収納部に収納された物品を1つずつ計数し、
    前記計数センサの計数結果に基づいて物品の位置を特定する特定手段を含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の物品収納払出装置。
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