JP2013156415A - 感光性樹脂組成物、これを用いたパターンの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いたパターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】矩形性、感度、PED、解像性及び残膜性に優れる感光性樹脂組成物、パターンの製造方法、有機EL表示装置、液晶表示装置の製造方法および硬化膜の提供。
【解決手段】(A1)ヒドロキシスチレンの水酸基をビニルエーテル化合物で保護した繰り返し単位(a1)とα位が水素もしくはメチル基であるヒドロキシスチレン繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、(A2)ヒドロキシスチレンの水酸基をフラン誘導体で保護した繰り返し単位(a3)と繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、(B)重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が1.5〜5.0であるパラヒドロキシスチレン樹脂、(C)光酸発生剤、(D)塩基化合物、および(E)溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造方法、有機EL表示装置、液晶表示装置の製造方法、および硬化膜に関する。さらに詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置などの電子部品のレジストエッチングの形成に好適なポジ型感光性樹脂組成物およびそれを用いたパターンの製造方法に関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置などには、パターン形成されたITO膜などの金属配線パターンが設けられている。このITO膜などのパターン形成には、ITO膜上で感光性樹脂組成物を塗布および溶媒除去、露光、現像し、形成されたパターンをマスクとしてITO膜をエッチングし、加工を施す方法が広く知られている。
また、近年は有機EL表示装置や液晶表示装置を高精細な表示特性とするため、ITO加工の高解像性が求められている。ITOを高精細で微細加工するためには、エッチングの際にマスクとして機能する感光性樹脂組成物の高解像性が求められている。
高精細で微細なパターン形状が得られる感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、ヒドロキシスチレンモノマーの繰り返し単位と、ヒドロキシル基が保護されたヒドロキシスチレンモノマーの繰り返し単位とからなる共重合体を含む感放射線性樹脂組成物が開示されている。
引用文献1に記載の組成物により、高精細で微細なパターンを形成することができる。しかし、これら共重合体を作製するには、コストのかかるリビング重合をさせる必要がある。これら共重合体の重合方法をコストの低いラジカル重合に変更すると、共重合体の分子量分布が広くなり、低分子量成分が増加する。これにより、膜の軟化点が低くなり、現像後に矩形なパターン形状(矩形性)が得られないことがあるという問題がある。また、本発明者が引用文献1に記載の組成物を検討したところ、感度、線幅感度安定性(PED:Post Exposure Time Delay)、密着性、及び細線化が満足できるものではないことがわかった。
特開平9−325473号公報
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、矩形性、感度、PED、解像性及び残膜性に優れる感光性樹脂組成物、パターンの製造方法、有機EL表示装置、液晶表示装置の製造方法および硬化膜を提供することを課題とする。
上記課題のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、特定の2種類のポリマーおよびパラヒドロキシスチレン樹脂を併用することにより、アルカリ溶解速度が向上することで高感度となり、また、光酸発生剤から発生した酸の拡散が促進されることでPED特性が向上し、更にバインダーTgが上昇することで画素の耐熱性が向上し、ポストベーク後も矩形性を維持することが可能となって、上記課題を解決しうることを見出した。
前記課題を解決するための手段は、下記[1]の手段であり、好ましくは、下記[2]〜[13]の手段である。
[1] (A1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、
(A2)下記一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、
(B)重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が1.5〜5.0であるパラヒドロキシスチレン樹脂、
(C)光酸発生剤、
(D)塩基性化合物、および
(E)溶剤、を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2013156415
(一般式(I)中、R2は、水素原子またはメチル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表し、R4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す;
一般式(II)中、R1は、水素原子またはメチル基を表す;
一般式(III)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ra2とRa3、Ra4とRa5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は、水素原子またはメチル基を表し、Ra8は、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、n1は、0〜4の整数を表す。)
[2] 上記(A1)成分が、下記一般式(I’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(A1’)であり、
上記(A2)成分が、下記一般式(III’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(A2’)であり、
上記ポリマー(A1’)と上記ポリマー(A2’)の少なくともいずれかを含む[1]のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2013156415
(一般式(I’)中、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表す。一般式(III’)中、Ra11、Ra12は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Ra11およびRa12は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。)
[3] 上記(C)光酸発生剤が、下記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含む[1]又は[2]のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2013156415
(一般式(b1)中、R1は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、またはアリール基を表す。)
[4] 上記(D)塩基性化合物が、下記一般式(Q−a)で表される化合物、下記一般式(Q−b)で表される化合物、および下記一般式(Q−c)で表される化合物の少なくとも1種を含む[1]〜[3]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2013156415
(一般式(a)中、R2は、炭素数が1〜6の置換基を有していてもよいアルキル基または炭素数3〜10の置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表し、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、Y1は、酸素原子または−NH−基を表し、p1は、1〜3の整数を表す。)
Figure 2013156415
(一般式(Q−b)中、R8、R9、R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または炭素数3〜10の置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。)
Figure 2013156415
[5] 上記(A1)成分および上記(A2)成分の少なくとも一方の重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が、1.5〜5.0である[1]〜[4]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[6] 上記(A2)成分の含有率が感光性樹脂組成物全体に対して30〜97重量%である[1]〜[5]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[7] 上記(A1)成分と上記(A2)成分との重量比(A1:A2)が50:50〜5:95である[1]〜[6]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[8] 感光性樹脂組成物に含まれるポリマー成分の95重量%以上が、ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位からなる、[1]〜[7]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物。
[9] (1)[1]〜[9]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程、
(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、
(3)活性放射線で露光する工程、
(4)水性現像液で現像する工程、
(5)形成されたレジストパターンをマスクとして上記基板をエッチングする工程、および、
(6)上記レジストパターンを剥離する工程、を含むことを特徴とするパターンの製造方法。
[10] 上記現像工程後、エッチング工程前に、上記レジストパターンを100〜160℃でポストベークする工程を含む[9]のパターンの製造方法。
[11] 上記基板が、ITO基板、IGZO基板、モリブデン基板、Ti基板、Al基板、Cu基板、タングステン基板、酸化ケイ素基板、窒化ケイ素基板、またはシリコン基板であることを特徴とする[9]又は[10]のパターンの製造方法。
[12] [9]〜[11]のいずれかのパターンの製造方法を含む、有機EL表示装置または液晶表示装置の製造方法。
[13] [1]〜[8]のいずれかのポジ型感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
本発明によれば、矩形性、感度、PED、解像性及び残膜性に優れるポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造方法、有機EL表示装置、液晶表示装置の製造方法および硬化膜を提供することができる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL表示装置とは、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機エレクトロルミネッセンス素子)のことをいう。
本発明における多分散度とは、Mw/Mnの値をいう。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、(A2)下記一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、(B)重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が1.5〜5.0であるパラヒドロキシスチレン樹脂、(C)光酸発生剤、(D)塩基化合物、および(E)溶剤、を含有することを特徴とする。
Figure 2013156415
(一般式(I)中、R2は、水素原子またはメチル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表し、R4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す。)
Figure 2013156415
(一般式(II)中、R1は、水素原子またはメチル基を表す。)
Figure 2013156415
(一般式(III)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ra2とRa3、Ra4とRa5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は、水素原子またはメチル基を表し、Ra8は、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、n1は、0〜4の整数を表す。)
以下、本発明の感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
<(A)成分>
本発明の感光性樹脂組成物(以下、本発明の感光性組成物又は本発明の組成物とも言う)は、(A)成分として、(A1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、(A2)下記一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマーとを含む。
(A)成分は、上記繰り返し単位(a1)〜(a3)以外にも、その他の繰り返し単位(a4)を含有していてもよい。
詳細なメカニズムについては不明であるが、本発明では、(A)成分として、A1成分とA2成分とのポリマーを含むことで、矩形性、感度、PEDに優れる。
上記(A)成分は、アルカリに対して不溶性または難溶性であることが好ましく、かつ、酸の作用で上記モノマー単位(a1)が有する保護されたヒドロキシ基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。このような酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増加する樹脂として、上記モノマー単位(a1)を有するヒドロキシスチレンに相当する繰り返し単位を有し、酸の作用により分解しアルカリに対する溶解性が増加する樹脂が用いられる。ここで、本発明において「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることをいう。
<<(A1)成分>>
本発明の感光性樹脂組成物における(A1)成分は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマーである。
Figure 2013156415
(一般式(I)中、R2は、水素原子またはメチル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表し、R4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す。)R3、R4、およびR5のいずれか2つは互いに結合して環を形成することはない。
2は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す。R3の例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、エチルフェニル基、プロプルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基などが挙げられ、水素原子、メチル基が好ましい。これらはさらに置換基を有していてもよい。
上記一般式(I)におけるR3が有しうる好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基等のヘテロ環残基などが挙げられる。これらの置換基の炭素数は、好ましくは、12以下である。また、これらの基は、さらにこれらの基によって置換されていてもよい。
上記一般式(I)におけるR3のアルキル基が有しうる好ましい置換基の具体例としては、例えば、p−t−ブチルベンジルカルボニルオキシ基、p−メトキシベンジルカルボニルオキシ基、2−チオフェンカルボニルオキシ基、3−チオフェンメチルカルボニルオキシ基、N−ピロリドニル基、フェニル基、シクロヘキシル基、フェニルチオ基、シクロヘキシルチオ基、4−t−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ基、4−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す。R4、R5の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、s−ヘプチル基、t−ヘプチル基、s−オクチル基、t−オクチル基、s−ノニル基、t−ノニル基、s−デシル基、t−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、エチルフェニル基、プロプルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、クロロペンチル基、クロロヘキシル基、クロロヘプタ基、クロロオクタ基、クロロノニル基、クロロデシル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロモブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキシル基、ブロモヘプタ基、ブロモオクタ基、ブロモノニル基、ブロモデシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。これらはさらに置換基を有していてもよい。
4、R5が有しうる好ましい置換基は、一般式(I)のR3が有しうる好ましい置換基と同様である。
上記一般式(I)は、下記一般式(I’)で表されることが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(I’)中、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
6は、炭素数1〜6のアルキル基であり、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6個の直鎖、分岐あるいは環状のものが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
6は、さらに置換基を有していてもよく、R6が有しうる好ましい置換基は、一般式(I)のR3が有しうる好ましい置換基と同様である。
本発明では、特に、R3が水素原子で、R4がメチル基であり、R5が無置換のアルキル基または、アルキル基又はアリール基で置換されたアルキル基であることが好ましい。R5の炭素数としては、置換基を含めて、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(II)中、R1は、水素原子またはメチル基を表す。)
1は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
また一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)の骨格は、一部水素添加されていてもよい。
ここで、上記ヒドロキシスチレンのモノマー単位の骨格は、上記モノマー単位(a1)と上記モノマー単位(a2)においてそれぞれ独立に、o−,m−,あるいはp−ヒドロキシスチレンのいずれでもよいが、現像後のパターン形状の観点からp−ヒドロキシスチレン骨格が好ましい。
上記一般式(II)は、下記一般式(II’)で表されることが好ましい。
Figure 2013156415
上記A1成分としては、上記一般式(I’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを含有するポリマー(A1’)であることが好ましい。
[他のモノマー(a4)]
上記(A)成分は、上記A1成分を構成する繰り返し単位(a1)および(a2)以外に、他のモノマーから誘導される構造単位が含まれてもよい。他のモノマーとしては、水素化ヒドロキシスチレン;ハロゲン、アルコキシもしくはアルキル置換ヒドロキシスチレン;スチレン;ハロゲン、アルコキシ、アシロキシもしくはアルキル置換スチレン;無水マレイン酸;アクリル酸誘導体;メタクリル酸誘導体;N−置換マレイミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記他のモノマー(a4)の含有量は、A1成分に対して、20重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。
上記繰り返し単位(a1)および上記繰り返し単位(a2)の合計と他のモノマーの構造単位との比率は、モル比で、〔モノマー単位(a1)+モノマー単位(a2)〕/〔他のモノマー成分〕=100/0〜80/20、好ましくは100/0〜95/5、更に好ましくは100/0〜97/3である。
特に、本発明では、(A1)成分を構成する繰り返し単位のうち、ヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位以外が、3モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。実質的に含まないとは、例えば、本発明の効果に影響を与えないことをいう。
上述の一般式(I)および一般式(II)で示される繰り返し構造単位を含む樹脂の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
上記具体例において、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Buはn−ブチル基、iso−Buはイソブチル基、t−Buはt−ブチル基を表す。上記具体例の中でも、(IV−2)〜(IV−14)が好ましく、(IV−2)、(IV−3)、(IV−4)、(IV−8)、および(IV−9)がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と、一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)との比率は、好ましくは1/99〜60/40であり、より好ましくは5/95〜50/50であり、更に好ましくは10/90〜40/60である。
A1成分の保護率は、好ましくは、1〜60%であり、より好ましくは5〜50%であり、さらに好ましくは10〜40%である。保護率とは、ポリマー中のヒドロキシスチレンおよびその誘導体単位の合計を100%として、ヒドロキシル基の水素原子を他の置換基で置換した誘導体単位のモル比率を言う。
上記A1成分の重量平均分子量(Mw)は、2000〜15000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5000〜12000であり、さらに好ましくは、7500〜12000である。2000以上とすることにより、形成された画素がポストベークによる加熱後も矩形性を維持できるという効果が得られ、15000以下とすることにより感度、PED特性が向上するという効果が得られる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
上記A1成分の多分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.5〜5.0が好ましく、1.7〜3.0がより好ましく、1.9〜2.5がさらに好ましい。多分散度が1.5未満又は5.0を超えると線幅感度安定性(PED特性)や感度が低下し、矩形性が低下してしまうので好ましくない。
<<A2成分>>
本発明の感光性樹脂組成物における(A2)成分は、下記一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と上記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマーである。
Figure 2013156415
(一般式(III)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ra2とRa3、Ra4とRa5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は、水素原子またはメチル基を表し、Ra8は、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、n1は、0〜4の整数を表す。)
Ra1〜Ra6におけるアルキル基としては、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を挙げることができ、炭素数1〜12の直鎖状、炭素数3〜12の分岐状、または、炭素数5〜10の環状のアルキル基が好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基、フェニル基、ナフチル基を挙げられる。
Ra1〜Ra6は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、炭素数3〜12の分岐状、または、炭素数5〜10の環状のアルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状のアルキル基、または、フェニル基、Ra4およびRa5が互いに結合して六員環を形成した態様がより好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基、Ra4およびRa5が互いに結合して六員環を形成した態様がさらに好ましい。
Ra1、Ra2、Ra3、Ra6は、水素原子であることが好ましく、さらに、Ra1、Ra2、Ra3、Ra5は、水素原子であって、Ra4およびRa5が、それぞれ、上記の基であることがより好ましい。
Ra1〜Ra6におけるアルキル基、アリール基が有していてもよい置換基としては、一般式(I)のR3が有しうる好ましい置換基と同様である。
Ra7は水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
Ra8はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基であり、塩素原子、臭素原子、水酸基またはメチル基が好ましい。
n1は0〜4の整数であり、n1は0が好ましい。
上記一般式(III)は、下記一般式(III’)で表されることが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(III’)中、Ra11、Ra12は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Ra11およびRa12は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。)
Ra11、Ra12は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6個の直鎖、分岐あるいは環状のものが挙げられる。
Ra11、Ra12は、さらに置換基を有していてもよく、R6が有しうる好ましい置換基は、一般式(I)のR3が有しうる好ましい置換基と同様である。
本発明では、特に、Ra11、Ra12が水素原子、メチル基、フェニル基、互いに結合して六員環を形成した態様であることが好ましい。
上記A2成分としては、上記一般式(III’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを含有するポリマー(A2’)であることが好ましい。なお、上記A成分としては、上記ポリマー(A1’)とポリマー(A2’)の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
[他のモノマー(a4)]
上記(A)成分は、上記A2成分を構成する繰り返し単位(a3)および(a2)以外に、他のモノマーから誘導される構造単位が含まれてもよい。他のモノマーとしては、水素化ヒドロキシスチレン;ハロゲン、アルコキシもしくはアルキル置換ヒドロキシスチレン;スチレン;ハロゲン、アルコキシ、アシロキシもしくはアルキル置換スチレン;無水マレイン酸;アクリル酸誘導体;メタクリル酸誘導体;N−置換マレイミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記他のモノマー(a4)の含有量は、A2成分に対して、20重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。
上記繰り返し単位(a3)および上記繰り返し単位(a2)の合計と他のモノマーの構造単位との比率は、モル比で、〔モノマー単位(a3)+モノマー単位(a2)〕/〔他のモノマー成分〕=100/0〜80/20、好ましくは100/0〜95/5、更に好ましくは100/0〜97/3である。
特に、本発明では、(A2)成分を構成する繰り返し単位のうち、ヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位以外が、3モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。実質的に含まないとは、例えば、本発明の効果に影響を与えないことをいう。
上述の一般式(III)および一般式(II)で示される繰り返し構造単位を含む樹脂の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2013156415
一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と、一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)との比率は、好ましくは1/99〜60/40であり、より好ましくは5/95〜50/50であり、更に好ましくは10/90〜40/60である。
A2成分の保護率は、好ましくは、1〜60%であり、より好ましくは5〜50%であり、さらに好ましくは10〜40%である。保護率とは、ポリマー中のヒドロキシスチレンおよびその誘導体単位の合計を100%として、ヒドロキシル基の水素原子を他の置換基で置換した誘導体単位のモル比率を言う。
上記A2成分の重量平均分子量(Mw)は、2000〜15000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5000〜12000であり、さらに好ましくは、7500〜12000である。2000以上とすることにより、形成された画素がポストベークによる加熱後も矩形性を維持できるという効果が得られ、15000以下とすることにより感度、PED特性が向上するという効果が得られる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
上記A2成分の多分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.5〜5.0が好ましく、1.7〜3.0がより好ましく、1.9〜2.5がさらに好ましい。多分散度が1.5未満又は5.0を超えると矩形性や耐熱性が低下してしまうので好ましくない。
また、本発明の感光性組成物の成分のa1〜a3成分は、2種類以上混合して使用してもよい。成分(A)の使用量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは60〜98重量%である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物に含まれる全ポリマー成分の95重量%以上が、ヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位であることが好ましく、97重量%以上がヒドロキシスチレン誘導体由来の繰り返し単位であることがより好ましい。このような構成とすることにより、矩形性がよく、残渣や、脱膜現像が起こらない良好な画像パターンが得られるという効果が得られる。また、ヒドロキシスチレン誘導体は、p−ヒドロキシスチレン誘導体であることが好ましい。
上記A1成分と上記A2成分との重量比(A1成分:A2成分)は、好ましくは50:50〜5:95であり、より好ましくは25:75〜10:90である。
また、上記A2成分の含有率は、感光性樹脂組成物全体に対して30〜97重量%が好ましく、50〜97重量%が好ましい。
本発明において、上記A1成分とA2成分との合計の含有量としては、全繰り返し単位に対して5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜40モル%である。本発明において、上記A1成分とA2成分の合計の繰り返し単位の含有量としては、全繰り返し単位に対して5〜95モル%が好ましく、より好ましくは10〜85モル%である。
上記(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜300,000の範囲であることが好ましい。2,000未満では未露光部の現像により膜減りが大きく、300,000を超えると樹脂自体のアルカリに対する溶解速度が遅くなり感度が低下してしまう。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
(A)成分として用いられる重合体の合成は、アセタール化に関してはビニルエーテルを用いる方法、アルコールとアルキルビニルエーテルを用いたアセタール交換法のいずれを用いても合成することが出来る。また、効率よく、かつ安定的に合成するため、以下の実施例に示すような脱水共沸法を用いることも出来る。ただし、これら合成法に限定されることはない。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶解した後、通常例えば孔径0.05μm〜0.2μm程度のフィルターで濾過することによって溶液として調整される。ここで使用される溶媒としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの溶剤は単独もしくは組み合わせて用いられる。溶媒の選択は、本発明のポジ型フォトレジスト組成物に対する溶解性や基板への塗布性、保存安定性等に影響するため重要である。また、溶媒に含まれる水分はレジスト諸性能に影響するため少ない方が好ましい。
さらに本発明の感光性樹脂組成物は、メタル等の金属不純物やクロルイオンなどの不純物成分を100ppb以下に低減しておくことが好ましい。これらの不純物が多く存在すると、半導体デバイスを製造する上で動作不良、欠陥、収率低下を招いたりするので好ましくない。
上記感光性樹脂組成物の上記A1成分およびA2成分の固形分は、上記溶剤に溶解し固形分濃度として、3〜40%溶解することが好ましい。より好ましくは5〜30%、更に好ましくは7〜20%である。
<(B)パラヒドロキシスチレン樹脂>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(B)パラヒドロキシスチレン樹脂を含有する。本発明で使用されるパラヒドロキシスチレン樹脂(「(B)成分」ともいう。)としては、重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が1.5〜5.0である。上記(B)成分を含有させることでアルカリ溶解性が高く、高感度で、光酸発生剤から発生した酸の拡散が早くなるためPED特性が良好となり、ポストベークによる熱変形がなく矩形性の良好な画素が得られるという利点がある。
上記(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、2000〜15000であり、より好ましくは5000〜12000であり、さらに好ましくは、7500〜12000である。2000以上とすることにより、形成された画素がポストベークによる加熱後も矩形性を維持できるという効果が得られ、15000以下とすることにより感度、PED特性が向上するという効果が得られる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
上記(B)成分の多分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1.5〜5.0であり、1.7〜3.0が好ましく、1.9〜2.5がより好ましい。多分散度が1.5以上とすることにより、アルカリ溶解速度が速く、高感度であり、光酸発生剤から発生した酸の拡散が速く、PED特性に優れるという効果が得られ、5.0以下とすることによりポストベークによる加熱後も矩形性を維持できるという効果が得られる。
パラヒドロキシスチレン樹脂としては、市販されているもの、および、任意に合成されたものを使用することができる。市販されているパラヒドロキシスチレン樹脂の具体例としては、丸善化学工業株式会社製、マルカリンカーM H−2、マルカリンカーM S−4、マルカリンカーM S−2、マルカリンカーM S−1、日本曹達株式会社製、VP−8000、VP−15000などを挙げることができる。
上記(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜30重量%であることが好ましく、10〜20重量%であることがより好ましい。この範囲にすることで、PED特性、矩形性、感度が良好となるという利点がある。
<(C)光酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光酸発生剤を含有する。本発明で使用される光酸発生剤(「(C)成分」ともいう。)としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、キノンジアジド化合物、及びオキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性の観点から、オキシムスルホネート化合物またはキノンジアジド化合物を用いることが好ましく、オキシムスルホネート化合物がさらに好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、及びジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0083]〜[0088]に記載の化合物が例示できる。
上記他、特開2010−282228号公報の段落番号0031〜0052に記載の化合物も採用できる。
キノンジアジド化合物としては、o−キノンジアジド化合物(1,2−キノンジアジド化合物)やp−キノンジアジド化合物(1,4−キノンジアジド化合物)が挙げられる。中でも、感度や現像性の観点から、1,2−キノンジアジド化合物が好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド化合物が特に好ましい。
1,2−キノンジアジド化合物は、例えば、1,2−キノンジアジドスルホニルクロリド類と、ヒドロキシ化合物、アミノ化合物などと、を脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
1,2−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド等を挙げることができる。具体的には、J. Kosar著"Light-Sensitive Systems"、pp.339〜352(1965)、John Wiley&Sons社(New York)やW. S. De Forest著"Photoresist"50(1975)、McGraw-Hill, Inc,(New York)に記載されている1,2−キノンジアジド化合物、特開2004−170566号公報、特開2002−40653号公報、特開2002−351068号公報、特開2004−4233号公報、特開2004−271975号公報等に記載されている1,2−キノンジアジド化合物を挙げることができる。特開2008−224970号公報の段落0066〜0081に記載されているものも好ましい。
1,2−ナフトキノンジアジド基を有する化合物の中でも、以下の構造を有する化合物が特に高感度であることから好ましく使用することができる。
Figure 2013156415
さらに、最も好ましい1,2−ナフトキノンジアジド基を有する化合物としては、下記化合物である。DにおけるHと1,2−ナフトキノンジアジド基の割合(モル比)としては、感度と透明性の観点から50:50〜1:99であることが好ましい。
Figure 2013156415
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を含む化合物は、下記一般式(b1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(b1)中、R1は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R1におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
1のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R1のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
1のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R1のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
1のヘテロアリール基としては、後述する一般式(OS−3)〜(OS−5)におけるR22、R25およびR28のヘテロアリール基と好ましい範囲は同一である。
上記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記一般式(b2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2013156415
(式(b2)中、R31は、アルキル基またはアリール基を表し、X11は、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m11は、0〜3の整数を表し、m11が2または3であるとき、複数のX11は同一でも異なっていてもよい。)
11としてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
11としてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
11としてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
m11は、0または1が好ましい。
上記一般式(b2)中、m11が1であり、X11がメチル基であり、X11の置換位置がオルト位であり、R31が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
上記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることもより好ましい。
Figure 2013156415
(式(b3)中、R43は式(b1)におけるR42と同義であり、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
上記一般式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
上記一般式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、または、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
Figure 2013156415
上記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2013156415
上記一般式(OS−1)中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、または、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH2−、−CR106H−、または、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、または、アリール基を表す。
121〜R124は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、または、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としては、水素原子、ハロゲン原子、および、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−1)で表される化合物は、下記一般式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2013156415
上記一般式(OS−2)中、R101、R102、R121〜R124は、それぞれ式(OS−1)におけるのと同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、上記一般式(OS−1)および上記一般式(OS−2)におけるR101がシアノ基、または、アリール基である態様がより好ましく、上記一般式(OS−2)で表され、R101がシアノ基、フェニル基またはナフチル基である態様が最も好ましい。
また、上記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)のついてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる上記一般式(OS−1)で表される化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0128]〜[0132]に記載の化合物(例示化合物b−1〜b−34)が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
本発明では、上記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26およびR29のうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
23、R26およびR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、X1〜X3はそれぞれ独立にOまたはSを表し、Oであることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)において、X1〜X3を環員として含む環は、5員環または6員環である。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、X1〜X3がOである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に1であることが好ましく、また、X1〜X3がSである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に2であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にアルキル基またはアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基およびアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、上記(OS−3)〜(OS−5)のそれぞれの置換基について、特開2011−221494号公報の段落[0092]〜[0109]に記載の(OS−3)〜(OS−5)の置換基の好ましい範囲も同様に好ましい。
また、上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表されるオキシムスルホネート化合物であることが特に好ましい。
Figure 2013156415
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R301〜R306はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R307は、水素原子または臭素原子を表し、R308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、R311およびR314はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、R312、R315、R317およびR319はそれぞれ独立には水素原子またはメチル基を表す。)
上記一般式(OS−6)〜(OS−11)における各置換基の好ましい範囲は、特開2011−221494号公報の段落[0110]〜[0112]に記載される(OS−6)〜(OS−11)の好ましい範囲と同様である。
上記一般式(OS−3)〜上記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落[0114]〜[0120]に記載の化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物において、(C)光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100重量部に対して、0.1〜10重量部使用することが好ましく、0.5〜10重量部使用することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含む光酸発生剤と、後述する一般式(Q−a)で表される塩基性化合物とを組み合わせて使用することが好ましい。
<(D)塩基性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)塩基性化合物を含有する。本発明で使用される塩基性化合物(「(D)成分」ともいう。)としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することがさらに好ましい。
本発明において、(D)成分としては、下記一般式(Q−a)、(Q−b)、および(Q−c)で表される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(Q−a)中、R2は炭素数が1〜6のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。Xは酸素原子または硫黄原子を表す。Y1は酸素原子または−NH−基を表す。p1は1〜3の整数を表す。)
本発明で用いられる上記(D)成分は、分子内に少なくとも1つの尿素、もしくはチオ尿素結合で表わされる部分構造を有し、しかもモルフォリノ基、またはピペラジノ基を含有するという構造上の特徴を有する化合物である。
上記(D)成分は、上記Xが硫黄原子であり、下記一般式(Q−a2)で表されるチオ尿素化合物であること、すなわちチオ尿素結合で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(Q−a2)中、R3は炭素数が1〜6のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。Y2は酸素原子または−NH−基を表す。p2は1〜3の整数を表す。)
上記(D)成分は、更に下記一般式(Q−a3)で表されるチオ尿素化合物であること、すなわちモルフォリノ基を含有することがより好ましい。
Figure 2013156415
(一般式(Q−a3)中、R4は炭素数が1〜6のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。p3は1〜3の整数を表す。)
上記一般式(Q−a)〜(Q−a3)で表される化合物のR2〜R4における炭素数が1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、直鎖の炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(Q−a)〜(Q−a3)で表される化合物のR2〜R4における炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜10のシクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記一般式(Q−a)で表される上記(D)成分の具体例としては、以下に示す化合物(C−1)〜(C−7)を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013156415
これらの上記(D)成分は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
Figure 2013156415
一般式(Q−b)中、R8、R9、R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。
上記一般式(Q−b)で表される化合物のR8〜R10における炭素数が1〜6のアルキル基、アリール基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などが好ましく、直鎖の炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(Q−b)で表される化合物のR8〜R10における炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜10のシクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記一般式(Q−b)で表される化合物のR8〜R10におけるアルキル基、アリール基が有していてもよい置換基としては、一般式(I)のR3のアルキル基が有しうる好ましい置換基と同様である。
Figure 2013156415
本発明において、上記(D)成分の添加量は、感度、および解像性のすべてを満たす観点から、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)を基準として、通常0.001〜20重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.005〜10重量%、最も好ましくは0.01〜5重量%の範囲で使用される。
<(E)溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)溶剤を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である上記(A)〜(D)成分、後述のその他の成分を(E)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(E)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(E)溶剤の具体例としては、例えば特開2011−221494号公報の段落[0174]〜[0178]に記載の溶剤などが挙げられる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類またはジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましい。
また、(E)成分としては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、または、これらの混合物であることが好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上200℃以下の溶剤、または、これらの混合物であることがより好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤と沸点160℃以上200℃以下の溶剤との混合物であることが更に好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物における(E)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100重量部当たり、50〜3,000重量部であることが好ましく、100〜2,000重量部であることがより好ましく、150〜1,500重量部であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分以外に加えて、必要に応じて、(N)増感剤、(G)密着改良剤、(I)界面活性剤、(J)酸化防止剤を好ましく加えることができる。さらに本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸化防止剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
(N)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
(G)密着改良剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(G)密着改良剤を含有してもよい。本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(G)密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(G)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における(G)密着改良剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
(I)界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(I)界面活性剤を含有してもよい。(I)界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記一般式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2013156415
(式(1)中、R401およびR404はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R402は炭素数1〜4の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Lは炭素数3〜6のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す重量百分率であり、pは10重量%〜80重量%の数値を表し、qは20重量%〜90重量%の数値を表し、rは1〜18の整数を表し、sは1〜10の整数を表す。)
上記Lは、下記一般式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。一般式(2)におけるR405は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100重量%であることが好ましい。
一般式(2)
Figure 2013156415
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500〜5,000がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における(I)界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは、固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.01〜1重量部であることがさらに好ましい。
(J)酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(チバジャパン(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましく、0.5〜4重量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
[パターンの製造方法]
次に、本発明のパターンの製造方法を説明する。
本発明のパターンの製造方法は、以下の(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程、
(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、
(3)活性放射線で露光する工程、
(4)水性現像液で現像する工程、
(5)形成されたレジストパターンをマスクとして上記基板をエッチングする工程、および、
(6)上記レジストパターンを剥離する工程。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の工程では、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。
(2)の工程では、適用された上記の膜から、減圧(バキューム)および/または加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
(3)露光する工程では、得られた塗膜に波長300nm〜450nmの活性光線を照射する。この工程では、(C)光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、(A)成分中に含まれるヒドロキシスチレンのモノマー単位(a1)の保護されたヒドロキシ基が加水分解されて、フェノール性水酸基が生成する。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、必要に応じて、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基またはフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。本発明のパターンの製造方法では、上記現像工程後、エッチング工程前に、上記レジストパターンをポストベークして熱硬化させる工程を含むことが好ましい。
本発明における(A)成分中に含まれるヒドロキシスチレンのモノマー単位(a1)の保護されたヒドロキシ基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、フェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできるが、本発明のパターンの製造方法では、本発明の感光性樹脂組成物を用いて上記のポストベーク工程を行うことが好ましい。
本発明のパターンの製造方法では比較的低温でPEBを行うことにより、架橋反応を起こすことなく、酸分解性基の加水分解を促進することが好ましい。PEBを行う場合の温度は、30℃〜130℃であることが好ましく、40℃〜110℃がより好ましく、50℃〜100℃が特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、1〜60分の範囲内とすることが好ましい。
(4)現像する工程では、遊離したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
比較的低温でPEBを行うことにより、架橋反応を起こすことなく、酸分解性基の加水分解を促進することが好ましい。PEBを行う場合の温度は、30℃〜130℃であることが好ましく、40℃〜110℃下がより好ましく、50℃〜80℃が特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜90分の範囲内とすることが好ましい。
本発明のパターンの製造方法では、(4)現像する工程から後述のエッチング工程までの間にポストベーク工程を含むことが好ましく、上記(4)現像する工程後、エッチング工程前に、上記レジストパターンを100〜160℃でポストベークする工程を含むことがより好ましい。(4)現像する工程後のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、エッチング寸法安定性向上の効果が得られる。
上記(4)現像する工程後、(5)エッチングする工程前のポストベーク工程は、120〜150℃であることがより好ましい。比較的低温でPEBを行うことにより、レジストパターンを熱フローさせずにエッチング寸法安定性を向上させる効果が得られる。
加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、1〜60分の範囲内とすることが好ましい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
(A)〜(E)の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、(A)〜(D)成分を、それぞれ予め(E)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<(1)感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程および(2)溶剤を除去する工程>
感光性樹脂組成物を、所定の基板に適用し、減圧および/または加熱(プリベーク)により溶剤を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。上記の基板としては、例えば液晶表示素子の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルター層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。感光性樹脂組成物を基板へ適用する方法としては特に制限はないが、その中でも、本発明では基板へ観光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。大型基板で製造すると生産性が高く好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上の大きさの基板をいう。
また、(2)の工程の加熱条件は、未露光部における(A)成分中のモノマー単位(a1)において酸分解性基が分解して、(A)成分をアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは80〜130℃で30〜120秒間程度である。
<(3)露光する工程および(4)現像する工程(パターン形成方法)>
(3)の工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行った後、(4)の工程では、アルカリ性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm〜450nmの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
(3)の工程で使用するマスクとしては、複数の厚みを持ったパターンを一度で得ることができるハーフトーン位相マスクを使用することが好ましい。
(4)の工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等の何れでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
<(5)エッチングする工程>
本発明のパターンの製造方法は、上記(5)形成されたレジストパターンをマスクとして上記基板をエッチングする工程を含む。
上記レジストパターンをマスクとして上記基板をエッチングする方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
<(6)レジストパターンを剥離する工程>
本発明のパターンの製造方法は、上記(6)上記レジストパターンを剥離する工程を含む。
上記レジストパターンを剥離方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
<基板>
本発明のパターンの製造方法に用いられる基板は特に制限はないが、例えばクロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜、Ni、Cu、Fe、Alなどのメタル基板;石英、ガラス、窒化珪素膜、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーン膜、SOG、半導体素子製造用のシリコーンウェーハ、液晶素子製造用のガラス角基板などのシリコン基板;紙、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、有機EL表示装置に用いられるその他のポリマー基板などのポリマー基板;セラミック材料、Ti基板、Al基板などを用いることができる。その中でも本発明では、ITO基板、モリブデン基板またはシリコン基板であることが好ましく、ITO基板であることがより好ましい。
基板の形状は、板状でもよいし、ロール状でもよい。
[硬化膜]
本発明では、(4)現像する工程後、現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば、180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜60分間、オーブンならば30〜90分間、加熱処理をすることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜等の硬化膜を形成することができる。
また、加熱処理を行う際は、窒素雰囲気下で行うことにより、硬化膜の透明性を向上させることもできる。
なお、加熱処理に先立ち、硬化膜がパターン状に形成した基板に活性光線により再露光した後、加熱することが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜を形成するには、現像する工程と熱硬化する工程の間に、活性光線により再露光する工程を含むことが好ましい。
再露光する工程における露光は、上記露光する工程と同様の手段により行えばよいが、上記再露光する工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。再露光する工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cm2である。
[パターン]
本発明のパターンは、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られたレジストパターンをマスクとして用いて、上記基板をエッチングして得られたパターンである。本発明のパターンは、ITOパターン、モリブデンパターンまたはシリコンパターンとして好ましく用いることができ、ITOパターンとしてより好ましく用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は感度、解像性および露光マージンに優れるため、矩形性に優れたレジストパターンが得られる。本発明のパターンは、上記レジストパターンを用いる本発明のパターンの製造方法で得られるため、微細加工することができ、有機EL表示装置や液晶表示装置を高精細な表示特性とすることができる。
[有機EL表示装置、液晶表示装置]
本発明の感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜としても使用することができ、本発明のパターンの製造方法にて、有機EL表示装置および液晶表示装置を製造することができる。本発明の有機EL表示装置および液晶表示装置はITOパターンを有することが好ましい。
本発明の有機EL表示装置や液晶表示装置としては、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物および本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化層4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は重量基準である。
(合成例1:ポリマーA1−1の合成)
アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P 丸善石油化学株式会社製)20gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)320gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、エチルビニルエーテル4.48gおよびp−トルエンスルホン酸0.35gを加え、室温にて1時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.28g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水、共沸分のPGMEAを留去し、酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性樹脂であるポリマーA1−1を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は11,000であった。また、多分散度は、2.6であった。
ポリマーA1−1の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。
Figure 2013156415
(合成例2:ポリマーA1−2の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテルの添加量を変更し、保護率を40%に代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−2を得た。
ポリマーA1−2の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(40モル%/60モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは11000であった。
(合成例3:ポリマーA1−3の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテル4.48gをメチルビニルエーテル3.61gに代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−3を得た。
ポリマーA1−3の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−メトキシエチル基保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは11000であった。
Figure 2013156415
(合成例4:ポリマーA1−4の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテル4.48gをプロピルビニルエーテル5.35gに代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−4を得た。
ポリマーA1−4の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−プロポキシエチル基保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは11000であった。
Figure 2013156415
(合成例5:ポリマーA1−5の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテル4.48gをターシャリーブチルビニルエーテル6.22gに代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−5を得た。
ポリマーA1−5の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−t−ブトキシエチル基保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは11000であった。
Figure 2013156415
(合成例6:ポリマーA1−6の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテル4.48gをシクロヘキシルビニルエーテル7.84gに代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−6を得た。
ポリマーA1−6の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−シクロヘキシロキシエチル基保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
Figure 2013156415
(合成例7:ポリマーA1−7の合成)
合成例1において、アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)をVP−15000(日本曹達株式会社製)に代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−7を得た。
ポリマーA1−7の多分散度は1.05であり、Mwは20000であった。
(合成例8:ポリマーA1−8の合成)
合成例1において、エチルビニルエーテルの添加量を変更し、保護率を40%に代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−8を得た。
ポリマーA1−8の構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。多分散度は1.1であり、Mwは24000であった。
(合成例9:ポリマーA1−9の合成)
合成例1において、アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)をマルカリンカーM H−2P(丸善石油化学株式会社製)に代えた以外は合成例1と同様にしてポリマーA1−9を得た。
ポリマーA1−9の多分散度は5.7であり、Mwは24000であった。
(合成例10:ポリマーA2−1の合成)
アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)15.6gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、2,3−ジヒドロフラン2.7gおよびp−トルエンスルホン酸0.015gを加え、室温にて2時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.090g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水を留去し、保護率25モル%の可溶性樹脂であるポリマーA2−1を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は12,000であった。また、多分散度は、2.6であった。
ポリマーA2−1の構造は、p−ヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。
Figure 2013156415
(合成例11:ポリマーA2−2の合成)
合成例10において、2,3−ジヒドロフランの添加量を4.3gに変更し、保護率を40%に代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−2を得た。
ポリマーA2−2の構造は、p−ヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(40モル%/60モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
(合成例12:ポリマーA2−3の合成)
合成例10において、2,3−ジヒドロフラン 2.7gを2,3−ジメチル−2,3−ジヒドロフラン 3.97gに代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−3を得た。
ポリマーA2−3の構造は、p−ヒドロキシスチレンの3,4−ジメチル‐2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
Figure 2013156415
(合成例13:ポリマーA2−4の合成)
合成例10において、2,3−ジヒドロフラン 2.7gを1−オキサビシクロ[4,2,0]ヘプタ-2,3-エン 5.02gに代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−4を得た。
ポリマーA2−4の構造は、p−ヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロフラニル誘導体の保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
Figure 2013156415
(合成例14:ポリマーA2−5の合成)
合成例10において、2,3−ジヒドロフラン 2.7gを2,3−ジフェニル−2,3−ジヒドロフラン 8.98gに代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−5を得た。
ポリマーA2−5の構造は、p−ヒドロキシスチレンの3,4−ジフェニル‐2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
Figure 2013156415
(合成例15:ポリマーA2−6の合成)
合成例10において、2,3−ジヒドロフラン 2.7gを2−メチル−2,3−ジヒドロ−フラン 2.83gに代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−6を得た。
ポリマーA2−6の構造は、p−ヒドロキシスチレンの3−メチル‐2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。多分散度は2.6であり、Mwは12000であった。
Figure 2013156415
(合成例16:ポリマーA2−7の合成)
合成例10において、アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)をVP−15000(日本曹達株式会社製)に代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−7を得た。
ポリマーA2−7の多分散度は1.10であり、Mwは21000であった。
(合成例17:ポリマーA2−8の合成)
合成例10において、アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)をVP−15000(日本曹達株式会社製)に代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−8を得た。
ポリマーA2−8の多分散度は1.10であり、Mwは21000であった。
(合成例18:ポリマーA2−9の合成)
合成例10において、アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P:丸善化学工業株式会社製)をマルカリンカーM H−2P(丸善石油化学株式会社製)に代えた以外は合成例10と同様にしてポリマーA2−9を得た。
ポリマーA2−9の多分散度は5.6であり、Mwは24000であった。
(合成例19:ポリマーA4の合成)
アルカリ可溶性樹脂(マルカリンカーM S−4P 丸善石油化学株式会社製)15.6gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、2,3−ジヒドロピラン3.4gおよびp−トルエンスルホン酸0.015gを加え、室温にて2時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.10g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水を留去し、保護率25モル%の可溶性樹脂であるポリマーA4を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は12,000であった。また、多分散度は、2.6であった。
ポリマーA4の構造は、p−ヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロピラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(25モル%/75モル%)である。
Figure 2013156415
(感光性樹脂組成物の調整)
下記表に示す組成となるように、各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例および比較例の感光性樹脂組成物を得た。尚、配合比は下記表のとおりとした。
・(A)ポリマー成分
(A1)ポリマーと(A2)ポリマーを下記表に示す割合で配合した。
・(B)パラヒドロキシスチレン樹脂 (A)ポリマー100重量部に対し、表中に記載の割合(重量% 表中に記載)で配合した。
・(C)酸発生剤 (A)ポリマー100重量部に対し、2.7重量部
・(D)塩基性化合物 (A)ポリマー100重量部に対し、0.2重量部
・増感剤 添加する場合は(A)ポリマー100重量部に対し、2.7重量部
・界面活性剤 (A)ポリマー100重量部に対し、0.1重量部
・溶剤 PGMEA 不揮発分がレジスト液に対して10重量%となるように調整
C−1:CGI−1397(チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)
Figure 2013156415
<C−2の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してC−2を2.3g得た。
なお、C−2の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
Figure 2013156415
<C−3の合成>
特表2002−528451号公報の段落番号[0108]に記載の方法に従って、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル(化合物C−3)を合成した。
Figure 2013156415
C−4:(商品名:TPS−1000 みどり化学社製)
Figure 2013156415
DBA(商品名、9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業製)
Figure 2013156415
Q−1:(商品名CMTU、東洋化成工業株式会社製)
Figure 2013156415
Q−2:(商品名 T0999、東京化成株式会社製)
Figure 2013156415
Q−3:(商品名 D131、東京化成株式会社製)
Figure 2013156415
VP−15000:(商品名VP−15000、日本曹達株式会社製)
VP−8000:(商品名VP−8000、日本曹達株式会社製)
S−1:(商品名マルカリンカーM S−1P、丸善化学工業株式会社製)
S−2:(商品名マルカリンカーM S−2P、丸善化学工業株式会社製)
S−4:(商品名マルカリンカーM S−4P、丸善化学工業株式会社製)
H−2:(商品名マルカリンカーM H−2P、丸善化学工業株式会社製)
界面活性剤:下記に示すパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤
Figure 2013156415
以上により得られた各実施例、各比較例の感光性樹脂組成物について、以下に示す各評価を行った。
<感度の評価>
洗浄、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板に1.3μmの膜厚で感光性樹脂組成物を塗布し、マスクを介して露光現像し10μmのラインアンドスペースパターンがちょうど10μmとなる露光量を最適露光量として感度を評価した。
1点:100mJ/cm2以上の露光量を必要
2点:50mJ/cm2以上の露光量が必要
3点:20mJ/cm2以上の露光量が必要
4点:10mJ/cm2以上20mJ/cm2未満の露光量
5点:10mJ/cm2未満の露光量
<解像度の評価>
洗浄、HMDS処理したガラス基板に1.3μmの膜厚で感光性樹脂組成物を塗布し、マスクを介して露光現像し、ラインアンドスペースパターンのうち解像しうる最も小さなパターンを解像度とした。
1点:解像度が5μm以上
2点:3.0μmが解像するが2.5μmは解像しない
3点:2.5μmが解像するが2.0μmは解像しない
4点:2.0μmが解像するが1.5μmは解像しない
5点:1.5μmが解像する。
<線幅感度(PED)の評価>
洗浄、HMDS処理したガラス基板に1.3μmの膜厚で感光性樹脂組成物を塗布し、マスクを介して露光現像し、2.5μmのラインアンドスペースパターン部分のスペース幅が露光から現像までの時間2分の場合と30分の場合で変動する変動幅(μm)をPEDとして評価した。
1点:変動幅が2μm以上
2点:変動幅が1.5μm以上2μm未満
3点:変動幅が1.0μm以上1.5μm未満
4点:変動幅が0.5μm以上1.0μm未満
5点:変動幅が0.5μm未満
<矩形性の評価>
洗浄、HMDS処理したガラス基板に1.3μmの膜厚で感光性樹脂組成物を塗布し、マスクを介して露光現像し、その後140℃でポストベークしポストベーク後の2.5μmのラインアンドスペースパターン部分の形状の矩形性を評価した。
1点:断面形状がドーム状で角がなくテーパー角が45°未満
2点:断面形状がドーム状で角がなくテーパー角が45°以上60°未満
3点:断面形状がドーム状で角がなくテーパー角が60°以上75°未満
4点:断面形状に角がありテーパー角が60°以上75°未満
5点:断面形状に角がありテーパー角が75°以上
<残膜性の評価>
洗浄、HMDS処理したガラス基板に1.3μmの膜厚で感光性樹脂組成物を塗布し、露光しないで現像し現像前の膜厚に対する現像後の膜厚の割合を残膜として評価した
1点:残膜が50%未満
2点:残膜が50%以上70%未満
3点:残膜が70%以上80%未満
4点:残膜が80%以上90%未満
5点:残膜が90%以上
<総合性能>
感度、解像性、PED、矩形性、および残膜性の評価の数値をそれぞれ合計し、以下の基準で総合性能として評価した。
1:17点以下
2:18点以上19点以下
3:20点以上21点以下
4:22点以上23点以下
5:24点以上
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
Figure 2013156415
上記表に示されるように、各実施例の感光性樹脂組成物は、各比較例の感光性樹脂組成物との対比において、感度、解像性、PED、残膜性および矩形性のいずれかの評価についても優れた結果が得られたことがわかった。パラヒドロキシスチレン樹脂を含まない比較例1〜3、およびパラヒドロキシスチレン樹脂の多分散度が1.5〜5.0の範囲外である比較例4、比較例7〜9は感度、PED及び矩形性のいずれかの評価が劣ることがわかった。また、A1成分およびA2成分のいずれか一方のみ含有する比較例5、6は、感度、解像性、PED、残膜性および矩形性のいずれかが実施例と比較して劣ることがわかった。
(実施例100)
<有機EL表示装置>
ITOパターンを具備する有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、特開2009−98616号公報の実施例1に記載の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。
感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、実施例1の感光性樹脂組成物をITO基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を20mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成した。その後、エッチング工程前に140℃で3分間のポストベーク加熱処理を行った。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント(3%シュウ酸水溶液)に40℃/1min浸漬させることで、ウエットエッチングによりITOのパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(MS2001、富士フイルムエレクトロ二クスマテリアルズ社製)に70℃/7min浸漬させて上記レジストパターンを剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、特開2009−98616号公報の実施例1に記載の感光性樹脂組成物を用い、上記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型のITOパターンを具備する有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
(実施例200)
<液晶表示装置>
ITOパターンを具備する液晶表示装置を以下の方法で作製した。
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例200の液晶表示装置を得た。
すなわち、上記実施例100における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られたITOパターンを具備する液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスター)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルター

Claims (13)

  1. (A1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(a1)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、
    (A2)下記一般式(III)で表される繰り返し単位(a3)と下記一般式(II)で表される繰り返し単位(a2)とを含有するポリマー、
    (B)重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が1.5〜5.0であるパラヒドロキシスチレン樹脂、
    (C)光酸発生剤、
    (D)塩基性化合物、および
    (E)溶剤、を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2013156415
    (一般式(I)中、R2は、水素原子またはメチル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表し、R4、R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を表す;
    一般式(II)中、R1は、水素原子またはメチル基を表す;
    一般式(III)中、Ra1〜Ra6は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Ra2とRa3、Ra4とRa5は、互いに結合して環を形成していてもよい。Ra7は、水素原子またはメチル基を表し、Ra8は、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表し、n1は、0〜4の整数を表す。)
  2. 前記(A1)成分が、下記一般式(I’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(A1’)であり、
    前記(A2)成分が、下記一般式(III’)で表される繰り返し単位と下記一般式(II’)で表される繰り返し単位とを有するポリマー(A2’)であり、
    前記ポリマー(A1’)と前記ポリマー(A2’)の少なくともいずれかを含む請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2013156415
    (一般式(I’)中、R6は炭素数1〜6のアルキル基を表す。一般式(III’)中、Ra11、Ra12は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Ra11およびRa12は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。)
  3. 前記(C)光酸発生剤が、下記一般式(b1)で表されるオキシムスルホネート構造を含む請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2013156415
    (一般式(b1)中、R1は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、またはアリール基を表す。)
  4. 前記(D)塩基性化合物が、下記一般式(Q−a)で表される化合物、下記一般式(Q−b)で表される化合物、および下記一般式(Q−c)で表される化合物の少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2013156415
    (一般式(a)中、R2は、炭素数が1〜6の置換基を有していてもよいアルキル基または炭素数3〜10の置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表し、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、Y1は、酸素原子または−NH−基を表し、p1は、1〜3の整数を表す。)
    Figure 2013156415
    (一般式(Q−b)中、R8、R9、R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または炭素数3〜10の置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。)
    Figure 2013156415
  5. 前記(A1)成分および前記(A2)成分の少なくとも一方の重量平均分子量が2000〜15000であり、多分散度が、1.5〜5.0である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記(A2)成分の含有率が感光性樹脂組成物全体に対して30〜97重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A1)成分と前記(A2)成分との重量比(A1:A2)が50:50〜5:95である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  8. 感光性樹脂組成物に含まれるポリマー成分の95重量%以上が、ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位からなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  9. (1)請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程、
    (2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、
    (3)活性放射線で露光する工程、
    (4)水性現像液で現像する工程、
    (5)形成されたレジストパターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程、および、
    (6)前記レジストパターンを剥離する工程、を含むことを特徴とするパターンの製造方法。
  10. 前記現像工程後、エッチング工程前に、前記レジストパターンを100〜160℃でポストベークする工程を含む請求項9に記載のパターンの製造方法。
  11. 前記基板が、ITO基板、IGZO基板、モリブデン基板、Ti基板、Al基板、Cu基板、タングステン基板、酸化ケイ素基板、窒化ケイ素基板、またはシリコン基板であることを特徴とする請求項9又は10に記載のパターンの製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載のパターンの製造方法を含む、有機EL表示装置または液晶表示装置の製造方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
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