JP2013153857A - 放射線撮像システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影1枚目のX線画像から診断画像として好適な画像とする仕組みを提供する。
【解決手段】被写体に対してX線を発生させるX線発生装置103と、複数の画素を備え、被写体を透過したX線をX線画像として検出するフラットパネルセンサ105と、前記画素の第1のリセット駆動の期間を前記画素のサンプリング駆動の期間よりも長くするとともに、前記X線画像を得るためにX線発生装置103から発生させる放射線の曝射許可期間を前記X線画像ごとに同一とする制御を行う撮影制御部109を備える。
【選択図】図4
【解決手段】被写体に対してX線を発生させるX線発生装置103と、複数の画素を備え、被写体を透過したX線をX線画像として検出するフラットパネルセンサ105と、前記画素の第1のリセット駆動の期間を前記画素のサンプリング駆動の期間よりも長くするとともに、前記X線画像を得るためにX線発生装置103から発生させる放射線の曝射許可期間を前記X線画像ごとに同一とする制御を行う撮影制御部109を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、放射線を用いて被写体の撮像を行う放射線撮像システム及びその制御方法に関するものである。
近年、デジタル放射線撮像装置の分野では、イメージ・インテンシファイアに代わり、解像度の向上や体積の小型化、画像の歪みを押さえることを目的として、光電変換素子を用いた等倍光学系の大面積フラットパネル式のセンサが普及している。
光電変換素子を用いた撮像装置には、アモルファスシリコン型、CCD型やCMOS型がある。ガラス基板上にアモルファスシリコン半導体を使った撮像素子は、大画面のものが作製しやすい。しかしながら、その反面、アモルファスシリコン半導体は、単結晶シリコン半導体基板に比べてガラス基板上の半導体基板の微細加工が難しく、その結果、出力信号線の容量が大きくなるなど、動作に対して半導体特性が十分ではない。CCD型の撮像装置については、完全空乏型で高感度であるが、大画面の撮像装置としては電荷転送の転送段数が増加する、消費電力がCMOS型の撮像装置と比較して10倍以上大きくなるなど大画面化には不向きである。
ここで、大面積フラットパネル式のセンサとして、光電変換素子にCMOS型撮像素子を使用し、シリコン半導体ウエハからCMOS型の光電変換素子を矩形状に切り出した矩形半導体基板をタイリングして大面積を実現したものが、特許文献1に開示されている。CMOS型撮像素子は、微細加工によりアモルファスシリコン型撮像素子よりも高速読み出しが可能で、さらに高感度が得られる。また、CMOS型撮像素子は、CCD型撮像素子のような電荷転送の転送段数や消費電力に問題が無く大面積化が容易であり、大面積フラットパネル式のセンサの特に動画像撮像装置として、優位性が高いことが知られている。
図1は、一般的なタイリングに用いられるCMOS型矩形半導体基板に2次元状に構成される画素回路の、1画素分の画素回路の一例を示す図である。
図1において、PDは、光電変換を行うフォトダイオードである。M2は、フローティングディフュージョン(浮遊拡散領域)に蓄積された電荷を放電させるためのリセットMOSトランジスタ(リセットスイッチ)、Cfdは、電荷を蓄積するフローティングディフュージョンの容量である。
M1は、高ダイナミックレンジモードと高感度モードとを切り換えるための感度切り換え用MOSトランジスタ(感度切り換えスイッチ)である。C1は、ダイナミックレンジ拡大用の容量であり、感度切り換えスイッチ(M1)をオンすると電荷の蓄積が可能となる。感度切り換えスイッチ(M1)をオンすると、フローティングノード部の容量が実質増え、感度は低くなるがダイナミックレンジを拡大することができる。よって、例えば、高感度が必要な透視撮影時には感度切り換えスイッチ(M1)をオフし、高ダイナミックレンジが必要なDSA撮影時などには感度切り換えスイッチ(M1)をオンする。
M4は、ソースフォロアとして動作する増幅MOSトランジスタ(画素アンプ1)である。M3は、画素アンプ1(M4)を動作状態とさせるための選択MOSトランジスタ(選択スイッチ1)である。画素アンプ1(M4)の後段には、光電変換部で発生するkTCノイズを除去するクランプ回路が設けられている。Cclは、クランプ容量であり、M5は、クランプ用MOSトランジスタ(クランプスイッチ)である。
M7は、ソースフォロアとして動作する増幅MOSトランジスタ(画素アンプ2)である。M6は、画素アンプ2(M7)を動作状態とするための選択MOSトランジスタ(選択スイッチ2)である。画素アンプ2(M7)の後段には、2つのサンプルホールド回路が設けられている。M8は、光信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する、サンプルホールド用MOSトランジスタ(サンプルホールドスイッチS)である。CSは、光信号用ホールド容量である。M11は、ノイズ信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する、サンプルホールドMOSトランジスタ(サンプルホールドスイッチN)である。CNは、ノイズ信号用ホールド容量である。M10は、ソースフォロアとして動作する光信号の増幅MOSトランジスタ(画素アンプS)である。M9は、画素アンプS(M10)で増幅された光信号をS信号出力線へ出力するためのアナログスイッチ(転送スイッチS)である。M13は、ソースフォロアとしての動作するノイズ信号の増幅MOSトランジスタ(画素アンプN)である。M12は、画素アンプN(M13)で増幅されたノイズ信号をN信号出力線へ出力するためのアナログスイッチ(転送スイッチN)である。
EN信号は、選択スイッチ1(M3)、選択スイッチ2(M6)のゲートに入力され、画素アンプ1(M4)、画素アンプ2(M7)を動作状態とさせるための制御信号である。EN信号がHiレベルの時、画素アンプ1(M4)、画素アンプ2(M7)は同時に動作状態となる。
WIDE信号は、感度切り換えスイッチ(M1)のゲートに入力され、感度の切り換えを制御する。WIDE信号がLoレベルの時は、感度切り換えスイッチ(M1)がオフし、高感度モードとなる。
PRES信号は、リセットスイッチ(M2)をオンしてフォトダイオードPDに蓄積された電荷を放電させるリセット信号である。
PCL信号は、クランプスイッチ(M5)を制御する信号であり、PCL信号がHiレベルの時にクランプスイッチ(M5)がオンし、クランプ容量(Ccl)を基準電圧VCLにセットする。
TS信号は、光信号サンプルホールド制御信号であり、TS信号をHiレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで、光信号が画素アンプ2(M7)を通して容量CSに一括転送される。次いで、全画一括でTS信号をLoレベルとし、サンプルスイッチS(M8)をオフすることで、サンプルホールド回路への光信号電荷の保持が完了する。
TN信号は、ノイズ信号サンプルホールド制御信号であり、TN信号をHiレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることで、ノイズ信号が画素アンプ2(M7)を通して容量CNに一括転送される。次いで、全画一括でTN信号をLoレベルとし、サンプルスイッチN(M11)をオフすることで、サンプルホールド回路へのノイズ信号電荷の保持が完了する。
容量CS及び容量CNのサンプルホールド後は、サンプルホールドスイッチS(M8)及びサンプルホールドスイッチN(M11)がオフとなる。これにより、容量CS及び容量CNは、前段の蓄積回路と切り離されるため、再度、サンプルホールドされるまで蓄積した光信号を非破壊で読み出すことが可能である。
図2は、図1の画素回路における、動画撮影時の駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。以下、動画像撮影において、光信号用ホールド容量CS及びノイズ信号用ホールド容量CNに電荷がサンプルホールドされるまでの制御信号のタイミングについて図2を用いて説明する。
図2のタイミングチャートにおいて、(t50)で撮影モードが設定され、(t51)から撮影のための駆動が開始される。(t51)から(t56)までは、リセットとクランプを行うリセット駆動R1である。
まず、(t51)でEN信号をHiレベルにし、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)を動作状態にする。次に、(t52)でPRES信号をHiレベルにし、フォトダイオードPDを基準電圧VRESに接続してリセットを行う。その後、(t54)でPRES信号をLoレベルにしてリセットを終了し、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ1(M4)側にリセット電圧がセットされる。
また、(t53)でPCL信号をHiレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオンし、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLがセットされる。その後、(t55)でPCL信号をLoレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオフし、基準電圧VCLと基準電圧VRESの差分の電圧に応じた電荷がクランプ容量(Ccl)に蓄積されてクランプが終了する。
その後、(t56)でEN信号をLoレベルしてリセット駆動R1を終了し、(t56)からフォトダイオードPD、フローティングディフュージョン容量(Cfd)の光電変換部の蓄積が開始される。
タイリングされたCMOS型撮像素子は、動画撮影時に撮像素子間、走査線間の時間的スイッチングのずれにより発生する画像ズレを防止するために、タイリングされた各撮像素子の全ての画素を一括して同一のタイミング、同一の期間で蓄積開始駆動が行われる。その後、一括してフォトダイオードPDで発生した電荷がフローティングディフュージョン容量(Cfd)に蓄積される。
(t51)から(t56)までのリセット駆動R1において光電変換部でリセットノイズ(kTCノイズ)が発生するが、クランプ回路のクランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLをセットすることにより、リセットノイズが除去される。
(t60)から(t70)は、サンプリング駆動S1である。
まず、(t60)でEN信号をHiレベルにし、選択スイッチ1(M3)及び選択スイッチ2(M6)をオンする。これにより、フローティングディフュージョン容量(Cfd)に蓄積されている電荷が電荷/電圧変換され、ソースフォロアとして動作する画素アンプ1(M4)により電圧としてクランプ容量(Ccl)に出力される。画素アンプ1(M4)の出力はリセットノイズを含むが、クランプ回路によりリセット時に画素アンプ2(M7)側を基準電圧VCLにセットしているので、リセットノイズが除去された光信号となって画素アンプ2(M7)に出力される。
次に、(t61)でTS信号をHiレベルにし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで、光信号は、画素アンプ2(M7)を通して光信号用ホールド容量(CS)に一括転送される。そして、(t62)で曝射許可信号をディセーブルとし、放射線曝射を禁止する。その後、(t63)でTS信号をLoレベルにし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオフすることで、光信号用ホールド容量(CS)に光信号電荷がサンプルホールドされる。
次に、(t64)でPRES信号をHiレベルにし、リセットスイッチ(M2)をオンし、フローティングディフュージョン容量(Cfd)を基準電圧VRESにリセットする。その後、(t66)でPRES信号をLoレベルにしてリセットを終了する。
また、(t65)でPCL信号をHiレベルとする。これにより、クランプ容量(Ccl)には、基準電圧VCLと基準電圧VRESの差分の電圧にリセットノイズが重畳した電荷が蓄積される。
その後、(t67)でTN信号をHiレベルにし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることで、基準電圧VCLにセットされた時のノイズ信号をノイズ信号用ホールド容量(CN)に転送する。続いて、(t68)でTN信号をLoレベルにし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオフにすることで、ノイズ信号のノイズ信号用ホールド用容量(CN)にノイズ信号がサンプルホールドされる。
その後、(t69)でPCL信号をLoレベルにするとともに、(t70)でEN信号をLoレベルにし、サンプリング駆動S1を終了する。このサンプリング駆動S1は、全画素を一括して行う。
図3は、一般的なCMOS型矩形半導体基板の内部構成の一例を模式的に示す図である。
図3において、301は、矩形半導体基板である。この矩形半導体基板301は、チップセレクト端子CS、光信号出力端子S、ノイズ信号出力端子N、垂直走査回路スタート信号端子VST、垂直走査回路クロック端子CLKV、水平走査回路スタート信号端子HST、水平走査回路クロック端子CLKHを有する。
303は、横方向(主走査方向)の画素群を選択し、垂直走査クロック端子CLKVから入力される垂直走査クロックに同期して画素群を行信号線305を介して順次副走査方向である垂直方向に走査する垂直走査回路である。
304は、垂直走査回路303により選択された主走査方向である横方向の画素群を列信号線306及び307を介して水平走査クロック端子CLKHから入力される水平走査クロックに同期して順次1画素ずつ選択する水平走査回路である。
302は、図1に示した画素回路が構成された画素である。この画素302は、垂直走査回路303の出力線である行信号線305がイネーブルになることにより、列信号線306及び307にサンプルホールドされた光信号(電圧信号)S及びノイズ信号(電圧信号)Nを出力する。列信号線306及び307に出力された各電圧信号を水平走査回路304が順次選択することにより、アナログ出力線308及び309に各画素302の電圧信号が順次出力される。
以上のように、矩形半導体基板は、垂直走査回路303及び水平走査回路304を使用したXYアドレス方式によるスイッチング動作によって画素選択が行われ、トランジスタで増幅された各画素の光信号S,ノイズ信号Nの電圧信号は、列信号線306,307、アナログ出力線308,309を通して、アナログ出力端子S,Nに出力される。端子CSは、チップセレクト信号入力端子であり、端子CSをオンすることにより内部走査に従った撮像素子の光信号S、ノイズ信号Nがアナログ出力端子S、Nから出力される。
サンプルホールド回路後段のS信号出力切り換えアナログスイッチ(転送スイッチS)、N信号出力切り換えアナログスイッチ(転送スイッチN)、光信号S及びノイズ信号Nの伝送路である列信号線306及び307、当該列信号線を水平走査回路304の出力により切り換えるスイッチングトランジスタは、読み出し走査の伝送回路を構成している。
端子CLKVは、垂直走査回路303のクロック端子、端子VSTは、垂直走査回路303のスタート信号端子である。垂直走査回路スタート信号端子VSTをHiにした後、垂直走査回路クロック端子CLKVからクロック信号を入力することにより、行信号線V1,V2,・・・Vmの行選択信号が順次イネーブルに入れ替わる。垂直走査が開始されたら、垂直走査回路スタート信号端子VSTをLoにする。
端子CLKHは、水平走査回路304のクロック端子、端子HSTは、水平走査回路304のスタート信号端子である。水平走査回路スタート信号端子HSTをHiにした後、水平走査回路クロック端子CLKHからクロック信号を入力することにより、H1,H2,・・・Hnの列選択信号が順次イネーブルに入れ替わる。水平走査が開始されたら、水平走査回路スタート信号端子HSTをLoにする。
垂直走査回路303の行信号線V1の出力がイネーブルになると、行信号線V1に接続する横1行の画素群(1,1)〜(n、1)が選択され、横1行の各画素からそれぞれの列信号線306,307に、S電圧信号,N電圧信号が出力される。そして、水平走査回路304の列選択信号のイネーブルをH1,H2,・・・Hnと順次切り換えることにより、横1行の画素302のS電圧信号,N電圧信号が順次アナログ出力線308,309を経由してアナログログ出力端子S,Nに出力される。行信号線Vmまで同様な水平走査を行うことにより、全画素の画素出力が得られる。
撮影開始時、或いは、撮影モード切替時には、前述したリセット駆動を実施し、画像取得1枚目から有効な画像を得る工夫をしているが、安定した出力の画像を得るためには、十分長い時間、フォトダイオードを基準電圧に接続したり、クランプ容量の画素アンプ側に基準電圧VCLを接続したりする必要がある。
しかしながら、リセット駆動の時間を長くすると、放射線画像取得1枚目の放射線曝射許可期間(放射線ウインドウ幅)が放射線画像取得2枚目以降よりも短い期間(ウインドウ幅)となるため、1枚目の放射線画像は診断画像として有効でなくなっていた。そのため、無効画像として読み出された画像データを読み捨てる処理を行う方法が取られているが、読み捨てを行うことにより無効な放射線の照射や撮影開始にディレイが発生するなどの問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、撮影1枚目の放射線画像から診断画像として好適な画像とする仕組みを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮像システムは、放射線を用いて被写体の撮像を行う放射線撮像システムであって、前記被写体に対して放射線を発生させる放射線発生手段と、複数の画素を備え、前記被写体を透過した放射線を放射線画像として検出する放射線検出手段と、前記画素の第1のリセット駆動の期間を前記画素のサンプリング駆動の期間よりも長くするとともに、前記放射線画像を得るために前記放射線発生手段から発生させる放射線の曝射許可期間を前記放射線画像ごとに同一とする制御を行う制御手段とを有する。
また、本発明は、上述した放射線撮像システムによる制御方法を含む。
また、本発明は、上述した放射線撮像システムによる制御方法を含む。
本発明によれば、撮影1枚目の放射線画像から診断画像として好適な画像とすることができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態においては、放射線としてX線を適用した場合を例に挙げて説明するが、放射線は、X線に限らず、例えば、電磁波やα線、β線、γ線などであってもよい。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成の一例を模式的に示す図である。図4に示す放射線撮像システムは、大面積のフラットパネル式であって放射線動画像を撮像するための放射線撮像装置を有するシステムである。また、図4に示す矩形半導体基板106は、例えば、上述した図3に示す矩形半導体基板301に相当し、その内部構成を有する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成の一例を模式的に示す図である。図4に示す放射線撮像システムは、大面積のフラットパネル式であって放射線動画像を撮像するための放射線撮像装置を有するシステムである。また、図4に示す矩形半導体基板106は、例えば、上述した図3に示す矩形半導体基板301に相当し、その内部構成を有する。
図4において、100は放射線撮像装置(X線撮像装置)、101は画像処理装置及びシステム制御装置、102は画像表示装置、103は放射線発生装置(X線発生装置)、104は放射線管(X線管)である。
撮影時には、画像処理装置及びシステム制御装置101により、X線撮像装置100とX線発生装置103が同期制御される。ここで、被写体(不図示)は、X線管104とX線撮像装置100との間の空間に配置される。X線発生装置103によりX線管104から照射され、被写体(不図示)を透過したX線は、X線撮像装置100に入射する。そして、X線撮像装置100に入射したX線は、シンチレータ(不図示)により可視光に変換される。そして、X線撮像装置100では、光電変換により可視光の光量に応じた電荷をアナログの電気信号として蓄積し、その後、蓄積した電荷を読み出してA/D変換を行う。これにより、X線照射に対応したフレームX線画像データが生成される。そして、このフレームX線画像データは、X線撮像装置100から画像処理装置及びシステム制御装置101に転送され、画像処理装置及びシステム制御装置101において画像処理が行われる。その後、画像表示装置102に、画像処理が行われたフレームX線画像データに基づくX線画像がリアルタイムで表示される。
X線撮像装置100において、109は撮影制御部であり、画像処理装置及びシステム制御装置101と制御コマンドの通信、同期信号の通信、画像処理装置及びシステム制御装置101へのX線画像データの送信等を行う。また、撮影制御部109は、フラットパネルセンサ105の制御機能も兼ね備えており、フラットパネルセンサ105の駆動制御、撮影モード制御、X線撮像装置100内の複数のA/D変換部108からA/D変換されたブロックごとのデジタル画像データを合成してフレームX線画像データとし、これを画像処理装置及びシステム制御装置101に転送する。
110は、コマンド制御用インターフェースである。このコマンド制御用インターフェース110は、画像処理装置及びシステム制御装置101から撮影制御部109へは、撮影制御部109への撮影モードの設定、各種パラメータの設定、撮影開始設定、撮影終了設定などが通信される。また、コマンド制御用インターフェース110は、撮影制御部109から画像処理装置及びシステム制御装置101へは、X線撮像装置100の状態等が通信される。
111は、画像データインターフェースである。画像データインターフェース111は、X線撮像装置100での撮影により得られたX線画像データが、撮影制御部109から画像処理装置及びシステム制御装置101へ送られる。
112は、READY信号である。このREADY信号112は、X線撮像装置100が撮影可能状態になったことを撮影制御部109から画像処理装置及びシステム制御装置101へ伝える信号である。
113は、外部同期信号である。この外部同期信号113は、画像処理装置及びシステム制御装置101が撮影制御部109からREADY信号112を受け、撮影制御部109にX線曝射のタイミングを知らせる信号である。
114は、曝射許可信号である。この曝射許可信号114がイネーブルの間に、画像処理装置及びシステム制御装置101からX線発生装置103に曝射信号が送信され、X線管104から曝謝されたX線が有効なX線として被写体(不図示)を介してX線撮像装置100に入射する。その後、X線撮像装置100では、入射したX線に基づくX線画像データが生成される。
X線撮像装置100において、105はフラットパネルセンサである。このフラットパネルセンサ105は、シリコン半導体ウエハから光電変換素子を含む2次元状の画素を短冊状に切り出した、CMOS型撮像素子である矩形半導体基板106が、12列×2行にマトリクス状(行列状)にタイリングされて構成されている。また、フラットパネルセンサ105は、被写体を透過したX線(放射線)をX線画像データ(放射線画像データ)として検出するX線検出手段(放射線検出手段)を構成する。
ここで、横約20mm、縦約140mmの短冊状に切り出した矩形半導体基板106には、約160μmピッチで、横方向に画素が128画素、縦方向に画素が896画素形成されている場合を例に説明する。
フラットパネルセンサ105は、タイリングされた3枚の矩形半導体基板106を、1つの増幅部107を介して1つのA/D変換部108の変換領域としてデジタル変換する。ここで、矩形半導体基板106の読み出しのA/D変換部108の変換クロックを20MHzとする。
A/D変換部108は、矩形半導体基板106が3枚で構成される1つのA/D変換領域を、チップセレクトを切り換えながら領域内の矩形半導体基板106を横方向に1ラインのA/D変換を行う。A/D変換部108は、このA/D変換を順次、フラットパネルセンサ105の外側から中心部に向かって行い、更に縦方向に繰り返す。
図5は、第1の実施形態を示し、図4に示すタイリングされた3枚の矩形半導体基板106の画素データを1つのA/D変換部108で読み出すためのタイミングチャートである。
図5において、端子CS0〜CS2は、矩形半導体基板106からのアナログ信号の出力を制御するチップセレクト信号の入力端子である。図4に示す矩形半導体基板106のアナログ出力信号に付されている番号は、図5に示すタイミングチャートのチップセレクト信号入力端子CSから入力されるチップセレクト信号の数字と1対1で対応している。
例えば、チップセレクト信号入力端子CS0から入力されるチップセレクト信号が"Hi"の時は、矩形半導体基板106のアナログ出力信号の番号"0"のアナログ出力が有効になり、次段の増幅部107に出力される。また、チップセレクト信号入力端子CS1から入力されるチップセレクト信号が"Hi"の時は、矩形半導体基板106のアナログ出力信号の番号"1"のアナログ出力が有効になり、次段の増幅部107に出力される。また、チップセレクト信号入力端子CS2から入力されるチップセレクト信号が"Hi"の時は、矩形半導体基板106のアナログ出力信号の番号"2"のアナログ出力が有効になり、次段の増幅部107に出力される。チップセレクト信号入力端子CS0は、アナログ出力信号の番号"0"の矩形半導体基板106に接続され、チップセレクト信号入力端子CS1は、アナログ出力信号の番号"1"の矩形半導体基板106に接続され、チップセレクト信号入力端子CS2は、アナログ出力信号の番号"2"の矩形半導体基板106に接続される。
画像信号の読み出しは、まず、チップセレクト信号入力端子CS0が接続される矩形半導体基板106から行われる。
垂直走査回路スタート信号端子VSTがHiの状態で、垂直走査回路クロック端子CLKVからクロック信号が入力されると(クロック信号が立ち上がると)、図3の垂直走査回路303の行信号線V1の行選択信号がイネーブルとなる。これにより、行信号線V1に接続された画素群(1,1)〜(n,1)の出力が有効になり、列信号線306,307に画素群(1,1)〜(n,1)の各画素の電圧信号が出力される。
水平走査回路スタート信号端子HSTがHiの状態で、水平走査回路クロック端子CLKHからクロック信号が入力されると(クロック信号が立ち上がると)、水平走査回路304の信号線H1の列選択信号がイネーブルとなる。水平走査回路クロック端子CLKHからのクロック信号の立ち上がりに同期して、水平走査回路304の列選択信号がH2,・・,Hnと切り換わり、画素が(1,1)から順番に(n,1)まで選択される。そして、選択された各画素の電圧信号が、列信号線306,307を介して、アナログ出力線308,309に順次出力される。そして、チップセレクト信号入力端子CS0からのチップセレクト信号で選択された矩形半導体基板106の横方向画素群の走査を終了する。
A/D変換部108によるA/D変換は、A/D変換クロック端子CLKADからのクロック信号に同期して行われる。
次に、チップセレクト信号を入力するチップセレクト信号入力端子をチップセレクト信号入力端子CS1に切り換えて同様に水平走査を行う。さらに、チップセレクト信号を入力するチップセレクト信号入力端子をチップセレクト信号入力端子CS2に切り換えて同様に水平走査を行うことにより、3枚の矩形半導体基板106の、横1ラインに配列した画像群の読み出しを終了する。
以降、垂直走査回路クロック端子CLKVからのクロック信号により、垂直走査回路303の行信号線305を順次切り換えながら、同様に水平走査をVmまで行うことにより、矩形半導体基板106の3枚の全画素の読み出しが完了する。
図6は、第1の実施形態を示し、CMOS型矩形半導体基板内の画素加算回路の回路図及び模式的構成図である。
図6(a)は、図1に示す画素回路を2回路分簡略化した回路に画素加算回路を挿入した回路例である。実際の回路は、S信号及びN信号それぞれのサンプルホールド回路が構成されているが、図6では、S信号及びN信号のサンプルホールド回路は、説明簡略化のため片方のみ記載している。
160及び161は、それぞれの画素回路のフォトダイオードであり、図1のフォトダイオードPDに相当する。
162、163、166、167、172及び173は、それぞれの画素回路のソースフォロアとして動作する増幅MOSトランジスタ(画素アンプ)である。162及び163は図1の画素アンプ1(M4)に相当し、166及び167は図1の画素アンプ2(M7)に相当し、172及び173は図1の画素アンプS(M10)もしくは画素アンプN(M13)に相当する。
164及び165は、それぞれの画素回路のクランプ容量であり、図1のクランプ容量(Ccl)に相当する。
168及び169は、それぞれの画素回路の光信号蓄積用もしくはノイズ信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する、サンプルMOSトランジスタ(サンプルスイッチ)である。168及び169は、図1のサンプルホールドスイッチS(M8)もしくはサンプルホールドスイッチN(M11)に相当する。
170及び171は、光信号用もしくはノイズ信号用のホールド容量であり、図1の光信号用ホールド容量(CS)もしくはノイズ信号用ホールド容量(CN)に相当する。
150及び151は、画素加算回路を構成する加算用MOSトランジスタ(加算スイッチ)である。
図6(b)は、矩形半導体基板の1画素分の画素回路を"□"で表した画素加算回路を示す。図6(a)の点線で囲まれた部分と図6(b)の点線で囲まれた部分は同じ回路部を示している。
図6(b)に示すように、隣り合う画素ごとに光信号信号用もしくはノイズ信号用のホールド容量を接続し、画素加算を行う。これにより、画素情報を捨てることなく走査する画素を減らし、より高速なフレームレートでの信号の読み出しを可能としている。
図6(b)では、信号ADD0をHiレベル、信号ADD1をLoレベルにすると、2×2の画素加算が行われる。また、信号ADD0をHiレベル、信号ADD1をHiレベルにすると、4×4の画素加算が行われる。
CMOS型撮像素子においては、撮影のための光が照射されていない期間においても暗電流が発生する。このため、CMOS型撮像素子では、蓄積後の出力にオフセット値を持ち、光を照射しなくともゼロでない値を各画素が光信号として出力する。ある蓄積期間に光を照射しないで取得した光信号データをCMOS型撮像素子のオフセットパターンとして取得し、前記蓄積期間と同じ蓄積期間の動画像を取得する際に得た光信号データから、事前に取得した前記蓄積期間のオフセットパターンを減算してオフセット補正をする方法がある。
図7は、第1の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)における動画撮影時の駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。
図7において、R11はリセット駆動(第1のリセット駆動)、S11及びS12はサンプリング駆動である。矩形半導体基板106(301)のEN信号,TS信号,PRES信号,PCL信号,TN信号の制御における信号のタイミングについて、サンプリング駆動S11及び12は、図2のサンプリング駆動S1と同様である。図4のフラットパネルセンサ105は、リセット駆動R11により全画素同時リセットが行われ、サンプリング駆動S11及びS12により全画素同時サンプリングが行われる。
図7のタイミングチャートにおいて、画像処理装置及びシステム制御装置101と撮影制御部109との間でコマンド制御用インターフェース110によりコマンド通信が行われ、(t150)で撮影モード設定がなされる。
X線撮影は、X線発生装置103から出力される撮影パルスに従って実施される。(t101)において、最初の撮影パルスが入力されると、それをトリガにして、(t151)から撮影のためのリセット駆動R11が開始される。
以下に、(t151)で始まるリセット駆動R11について説明する。
リセット駆動R11は、各画素回路内のフローティング状態の電荷蓄積素子をリチャージするために、リセットとクランプを行う駆動である。
リセット駆動R11は、各画素回路内のフローティング状態の電荷蓄積素子をリチャージするために、リセットとクランプを行う駆動である。
まず、(t151)でEN信号をHiレベルにし、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)を動作状態にする。次に、(t152)でPRES信号をHiレベルにし、フォトダイオードPDを基準電圧VRESに接続してリセットを行う。その後、(t153)でPCL信号をHiレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオンし、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLが接続される。
続いて、(t154)でPRES信号をLoレベルにしてリセットを終了し、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ1(M4)側にリセット電圧がセットされる。また、(t155)でPCL信号をLoレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオフし、基準電圧VCLと基準電圧VRESの差分の電圧に応じた電荷がクランプ容量(Ccl)に蓄積されてクランプが終了する。(t155)からフォトダイオードPD、フローティングディフュージョン容量(Cfd)の光電変換部の蓄積が開始されるので、このタイミングで曝射許可信号をアサートする。続いて、(t156)でEN信号をLoレベルとし、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)を非動作状態にし、リセット駆動R11を終了する。
タイリングされた矩形半導体基板は、動画撮影時に撮像素子間、走査線間の時間的なスイッチングのずれにより発生する画像ズレを防止するために、タイリングされた各撮像素子の全ての画素を一括して同一のタイミング、同一の期間でリセット駆動が行われる。その後、一括露光による電荷の蓄積が行われ、各画素回路のフォトダイオードPDで発生した光電荷が容量(Cfd)に蓄積される。
リセット駆動R11の(t152)から(t154)のフォトダイオードPDへの基準電圧VRESの印加において、光電変換部でリセットノイズ(kTCノイズ)が発生するが、クランプ回路のクランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLをセットすることにより、リセットノイズが除去される。
続いて、2つ目の撮影パルスが入力されると、それをトリガにして、画像読み出しのためのサンプリング駆動S11を開始する。なお、2つ目の撮影パルス以降は、同様なサンプリング駆動(S11,S12,・・・)を実施する。
次に、(t160)で始まるサンプリング駆動S11について説明する。
まず、(t160)でEN信号をHiレベルにし、選択スイッチ1(M3)及び選択スイッチ2(M6)をオンする。これにより、フローティングディフュージョン容量(Cfd)に蓄積されている電荷が電荷/電圧変換され、ソースフォロアとして動作する画素アンプ1(M4)により電圧としてクランプ容量(Ccl)に出力される。画素アンプ1(M4)の出力はリセットノイズを含むが、クランプ回路によりリセット時に画素アンプ2(M7)側を基準電圧VCLにセットしているので、リセットノイズが除去された光信号となって画素アンプ2(M7)に出力される。
まず、(t160)でEN信号をHiレベルにし、選択スイッチ1(M3)及び選択スイッチ2(M6)をオンする。これにより、フローティングディフュージョン容量(Cfd)に蓄積されている電荷が電荷/電圧変換され、ソースフォロアとして動作する画素アンプ1(M4)により電圧としてクランプ容量(Ccl)に出力される。画素アンプ1(M4)の出力はリセットノイズを含むが、クランプ回路によりリセット時に画素アンプ2(M7)側を基準電圧VCLにセットしているので、リセットノイズが除去された光信号となって画素アンプ2(M7)に出力される。
次に、(t161)でサンプルホールド制御信号であるTS信号をHiレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで、光信号は、画素アンプ2(M7)を通して光信号用ホールド容量(CS)に一括転送される。サンプルホールドを開始したので、(t161)で曝射許可信号をディセーブルとし、X線曝射を禁止する。その後、(t163)でTS信号をLoレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオフすることで、光信号用ホールド容量(CS)に光信号電荷がサンプルホールドされる。
次に、(t164)でリセット信号であるPRES信号をHiレベルとし、リセットスイッチ(M2)をオンし、フローティングディフュージョン容量(Cfd)を基準電圧VRESにリセットする。その後、(t165)でPCL信号をHiレベルとする。これにより、クランプ容量(Ccl)には、基準電圧VCLと基準電圧VRESの差分の電圧にリセットノイズが重畳した電荷が蓄積される。
続いて、(t166)でリセット信号であるPRES信号をLoレベルとし、リセットを終了する。その後、(t167)でTN信号をHiレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることで、基準電圧VCLにセットされた時のノイズ信号をノイズ信号用ホールド容量(CN)に転送する。続いて、(t168)でTN信号をLoレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオフすることで、ノイズ信号のノイズ信号用ホールド用容量(CN)にノイズ信号がサンプルホールドされる。
その後、(t169)でPCL信号をLoレベルにするとともに、(t170)でEN信号をLoレベルとし、サンプリング駆動S11を終了する。このサンプリング駆動S11は、全画素を一括して行う。後に続く、サンプリング駆動S12も、このタイミングで制御される。
光信号及びノイズ信号の走査は、画素302ごとに行われる。転送スイッチS(M9)及び転送スイッチN(M12)をオンすることで、それぞれ、光信号用ホールド容量(CS)の電圧及びノイズ信号用ホールド用容量(CN)の電圧が、画素アンプS(M10)及び画素アンプN(M13)を通して、光信号出力線とノイズ信号出力線に転送される。そして、光信号出力線とノイズ信号出力線に転送された信号は、光信号出力線とノイズ信号出力線に接続された不図示の作動入力アンプで減算される。これにより、画素アンプでの熱ノイズ、1/fノイズ、温度差、プロセスばらつきによるFPNを除去している。なお、センサからの読み出しが可能な期間は、(t168)のサンプルホールド終了時から、光信号用ホールド容量(CS)及びノイズ信号用ホールド容量(CN)に、次フレームの信号のサンプルホールドが再び開始されるまでの間である。
また、サンプリング駆動S11の終了後に画素302の読み出し処理RD11が行われる。この読み出し処理RD11は、画像表示までのディレイをできる限り短くするよう、サンプルホールド直後に行われる。
前述のように、図1の画素回路において、フォトダイオードPDの蓄積開始のタイミングは、図7に示すリセット終了後にPCL信号をLoレベルにしてクランプが完了した時点(t155)である。また、フォトダイオードPDの蓄積終了のタイミングは、TS信号をHiレベルとし、光信号をサンプルホールド開始した時点(t161)である。そして、この蓄積時間と同時間である、曝射許可信号がアサートされている期間(X11、X12及びX13で示す期間)が、X線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)となる。
(RD1)で読み出されるX線画像取得1枚目から安定した出力の画像を得るためには、十分長い時間、フォトダイオードPDを基準電圧に接続したり、クランプ容量の画素アンプ側に基準電圧VCLを接続したりする必要がある。すなわち、リセット駆動R11の期間を、サンプリング駆動S11及び12の期間に比べて十分長くする必要がある。
しかしながら、単にリセット駆動R11の期間を長くすると、(t101)の撮影パルス入力時間から(t155)のリセット駆動クランプ終了時間が、(t102)の撮影パルス入力時間から(t169)のサンプリング駆動クランプ終了時間に比べて長くなる。そうすると、(X11)の1枚目のX線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)が、(X12,X13,・・・)の2枚目以降のX線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)に比べて短くなってしまう。
良好なオフセット補正を行うためには、オフセット画像取得時の蓄積時間と、各X線画像におけるX線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)が同一である必要がある。
これを解決するために、例えば、リセット駆動R11の期間に合わせてサンプリング駆動S11及びS12の期間を延ばすと、センサ通電時間が長くなってしまい、電力消費や発熱が懸念事項となる。
そこで、本実施形態では、各読み出し画像におけるX線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)が同一となるように、(t102)の撮影パルスの入力開始から、(t160)のサンプリング駆動S11の開始までの時間(U11)を設定する。U11時間の設定は、駆動信号生成用FPGAに対するレジスタ設定によって実現する。設定値は、ファームがリセット駆動R11の時間設定を元に計算してもよいし、コントロールソフトからの指示に基づいて設定されてもよい。その結果、リセット駆動R11後のX線曝射許可期間(X11)と、サンプリング駆動S11後のX線曝射許可期間(X12)とが同一の長さになる。2枚目以降の各X線撮影においても、U12時間,U13時間と、同様の制御を行うことにより、各X線撮影でのX線曝射許可期間を同一にする。
これにより、必要十分なリセット駆動R11の時間を確保した上で、各読み出し画像におけるX線曝射許可期間が同一となり、1枚目の画像から診断画像として有用な画像が取得できる。また、撮影モード切替時には、毎回、撮影モード設定(t150)に続く本実施形態を実施することにより、撮影モード切替後の1枚目から診断画像として有用な画像が取得できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成は、図4に示す第1の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成と同様である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成は、図4に示す第1の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)の概略構成と同様である。
図8は、第2の実施形態に係る放射線撮像システム(X線撮像システム)における動画撮影時の駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。以降の図8の説明においては、上述した図7の説明の内容と異なる内容を主として説明を行う。
図8における各信号は、図7における各信号と同じであり、R21はリセット駆動(第1のリセット駆動)、S21及びS22はサンプリング駆動である。矩形半導体基板106(301)のEN信号,TS信号,PRES信号,PCL信号,TN信号の制御における信号のタイミングについて、リセット駆動R21は図7のリセット駆動R11と同様であり、サンプリング駆動S21は図7のサンプリング駆動S11と同様である。図4のフラットパネルセンサ105は、リセット駆動R21により全画素同時リセットが行われ、サンプリング駆動S21及びS22により全画素同時サンプリングが行われる。
図7に示す第1の実施形態では、X線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)がフルウインドウモードとなっている。そのため、特に、低フレームレート撮影では、余分なダーク信号が長時間蓄積するとともに、ウインドウオープン(X線曝射許可タイミング)から画像出力までの期間が長くなってしまう。
一方、図8に示す第2の実施形態では、主に、低フレームレート撮影を想定し、X線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)及び画像出力のディレイを低減した制御方法である。
本実施形態では、リセット駆動R21或いはサンプリング駆動S21及びS22の後、再び、第2のリセット駆動であるリセット駆動R121、122及び123が行われ、次のフレームのフォトダイオードPDでの蓄積を開始させる。その結果、X線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)は、図8のX21、X22及びX23で示されるように、図7で示すX線曝射許可期間(X線ウインドウ幅)よりも短くすることができる。これにより、余分なダーク信号の蓄積を制限できる。
リセット駆動R121、122及び123の開始タイミングは、X線照射設定時間に応じて、ファームからセンサ駆動信号生成用FPGAレジスタに設定される。また、リセット駆動R121、122及び123は、リセット駆動R21の期間よりも短くなるように制御されている。
センサからの読み出しが可能な期間は、(t268)のサンプルホールド終了時から、光信号用ホールド容量(CS)及びノイズ信号用ホールド容量(CN)に、次フレームの信号のサンプルホールドが再び開始されるまでの間である。
サンプリング駆動S21の終了後に画素302の読み出し処理RD21が行われる。この読み出し処理RD21は、画像表示までのディレイをできる限り短くするよう、サンプルホールド直後に行われ、ウインドウオープン(X線曝射許可タイミング)から画像出力までの期間を短縮可能である。
なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態におけるリセット駆動やサンプリング駆動において、各信号をアサート及びネゲートする順番や対象信号の選択は一例であり、センサの特性に応じて最適化してもよい。また、撮影パルス信号は、X線発生装置103(或いは画像処理装置及びシステム制御装置101)からX線撮像装置100に入力される形態でなく、X線撮像装置100内部で生成する形態でもよい。
また、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 放射線撮像装置(X線撮像装置)、101 画像処理装置及びシステム制御装置、102 画像表示装置、103 放射線発生装置(X線発生装置)、104 放射線管(X線管)、105 フラットパネルセンサ、106 矩形半導体基板、107 増幅部、108 A/D変換部、109 撮影制御部、110 コマンド制御用インターフェース、111 画像データインターフェース、112 READY信号、113 外部同期信号、114 曝射許可信号
Claims (5)
- 放射線を用いて被写体の撮像を行う放射線撮像システムであって、
前記被写体に対して放射線を発生させる放射線発生手段と、
複数の画素を備え、前記被写体を透過した放射線を放射線画像として検出する放射線検出手段と、
前記画素の第1のリセット駆動の期間を前記画素のサンプリング駆動の期間よりも長くするとともに、前記放射線画像を得るために前記放射線発生手段から発生させる放射線の曝射許可期間を前記放射線画像ごとに同一とする制御を行う制御手段と
を有することを特徴とする放射線撮像システム。 - 前記制御手段は、前記曝射許可期間を前記放射線画像ごとに同一とするために、当該放射線画像の撮影パルスの入力開始から前記サンプリング駆動の開始までの時間を制御することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像システム。
- 前記第1のリセット駆動は、前記複数の画素における各画素に含まれるフローティング状態の電荷蓄積素子をリチャージすることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像システム。
- 前記制御手段は、前記曝射許可期間を短くするために、前記サンプリング駆動の前に、更に、前記第1のリセット駆動の期間よりも短い第2のリセット駆動を行う制御をすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像システム。
- 被写体に対して放射線を発生させる放射線発生手段と、複数の画素を備え、前記被写体を透過した放射線を放射線画像として検出する放射線検出手段とを備える放射線撮像システムの制御方法であって、
前記画素の第1のリセット駆動の期間を前記画素のサンプリング駆動の期間よりも長くするとともに、前記放射線画像を得るために前記放射線発生手段から発生させる放射線の曝射許可期間を前記放射線画像ごとに同一とする制御を行うことを特徴とする放射線撮像システムの制御方法。
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