JP2016152542A - 放射線撮像装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像切り出しモードの際に、画素からの電荷信号の読み出し時に遅延が生じることを回避する仕組みを提供する。【解決手段】入射したX線を電荷信号に変換する変換素子を含む画素201が行列状に複数設けられた放射線検出部と、画素201を行方向に接続する行信号線204に対して、当該行信号線204に接続されている画素201を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う垂直走査回路202と、画像切り出しモードの際に、画素201のリセット駆動の開始から画素201のサンプリング駆動の開始までの期間中に、垂直走査回路202に対して、画像切り出しモードにおける画像切り出し開始位置の手前までの位置に相当する行信号線204に駆動信号を順次出力する走査を行わせる走査制御部を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、被写体を放射線撮像する放射線撮像装置及びその制御方法に関するものである。
近年、デジタルX線撮像装置の分野では、イメージインテンシファイアに代わり、解像度の向上や体積の小型化、画像の歪みを押さえることを目的として、光電変換素子を用いた等倍光学系の大面積フラットパネル式の放射線撮像装置が普及している。光電変換素子を用いた撮像装置には、アモルファスシリコン型、CCD型やCMOS型がある。
アモルファスシリコン型の撮像装置は、大画面のものを作製しやすい。しかしながら、その反面、高速動作に対して半導体特性が十分ではない。また、アモルファスシリコン半導体は、単結晶シリコン半導体に比べてガラス基板上の半導体基板としての微細加工が難しく、その結果、出力信号線の容量が大きくなり、いわゆるkTCノイズの原因となる。
CCD型の撮像装置は、完全空乏型で高感度であるが、大画面化には不向きである。CCDは電荷転送型であるため、大面積になり、電荷転送の転送段数が増加すると、駆動電圧が駆動端と中心付近では異なり完全転送が困難になる。また、消費電力は、CVf2(Cは基板とウエルとの間の容量、Vはパルス振幅、fはパルス周波数)で表されるが、大面積である程、CとVが大きくなり、消費電力がCMOS型の撮像装置と比較して10倍以上大きくなる。
下記の特許文献1には、大面積フラットパネル式のセンサとしてCMOS型の撮像装置を適用し、シリコン半導体ウエハからCMOS型の光電変換素子を矩形状に切り出した矩形半導体基板をタイリングすることにより、大面積を実現したものが開示されている。CMOS型の撮像装置は、微細加工によりアモルファスシリコン型の撮像装置よりも高速読み出しが可能で、さらに高感度が得られる。また、CMOS型の撮像装置は、CCD型の撮像装置のような電荷転送の転送段数や消費電力に問題が無く大面積化が容易であり、大面積フラットパネル式のセンサの特に動画像撮像装置として、優位性が高いことが知られている。
一方で、X線撮像装置のユーザは、撮影対象部位やX線照射野に応じて、任意の画像サイズ指定・画素数指定でのX線画像の取得が可能となっている。例えば、下記の特許文献2には、診断に最適なX線画像を得るために、ユーザの設定に応じて、撮影装置の全画素領域のうちの一部の画素領域に基づく画像を切り出して画像出力する技術が開示されている。
X線撮影装置で用いるフラットパネルセンサは、例えば、11inch×11inch等の大画面サイズの撮影領域を有するが、X線撮影装置は、システム制御装置等からの設定により、この撮影領域を任意のサイズに切り出して画像出力する機能を有している。これにより、ユーザは、撮影対象部位やX線照射野に応じて、任意のサイズの画像取得が可能となっている。
撮影画像を任意のサイズに切り出す際、フラットパネルセンサ内で扱う画像データ容量を初段にて小さくするために、フラットパネルセンサからの画素信号(電荷信号)の読み出し時に、切り出す任意のサイズの画像における電荷信号のみを読み出す処理が行われる。この際、読み出し走査開始位置や読み出し走査停止位置を指定し、任意の領域のみの電荷信号を読み出す駆動方式のセンサである「デコード式読み出しセンサ」の利用が考えられる。しかしながら、この「デコード式読み出しセンサ」は、読み出し位置選択信号をパルス転送により順次走査を行う駆動方式の「シフトレジスタ式読み出しセンサ」に比べると、回路規模が大きくなり、センサのパターンデザインやコストに影響を及ぼしていた。
一方、「シフトレジスタ式読み出しセンサ」は、回路規模やコストの面で優位なものの、画素からの電荷信号の読み出し開始時に、画像切り出しサイズに従った指定の読み出し開始位置まで順次走査を行う必要がある。このため、画素からの電荷信号の読み出し時に遅延が生じるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、画像切り出しモードの際に、画素からの電荷信号の読み出し時に遅延が生じることを回避する仕組みを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮像装置は、入射した放射線を電荷信号に変換する変換素子を含む画素が行列状に複数設けられた放射線検出手段と、前記画素のリセット駆動を制御するリセット駆動制御手段と、前記画素のサンプリング駆動を制御するサンプリング駆動制御手段と、前記行列状に設けられた前記画素を行方向および列方向のうちの一方の方向に接続する複数の第1の信号線に対して、当該第1の信号線に接続されている前記画素を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う走査手段と、画像切り出しモードの際に、前記リセット駆動の開始から前記サンプリング駆動の開始までの期間中に、前記走査手段に対して、前記画像切り出しモードにおける画像切り出し開始位置の手前までの位置に相当する前記第1の信号線に前記駆動信号を順次出力する第1の走査を行わせる走査制御手段とを有する。
また、本発明は、上述した放射線撮像装置の制御方法を含む。
また、本発明は、上述した放射線撮像装置の制御方法を含む。
本発明によれば、画像切り出しモードの際に、画素からの電荷信号の読み出し時に遅延が生じることを回避することができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下の本発明の実施形態の説明では、本発明に係る放射線撮像装置として、放射線の一種であるX線を用いて被写体の撮影(撮像)を行うX線撮像装置を適用した場合について説明を行う。また、本発明においては、このX線撮像装置に限らず、例えば、他の放射線(例えば、α線、β線、γ線等)を用いて被写体の撮像を行う放射線撮像装置に適用することも可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)100の概略構成の一例を模式的に示す図である。図1において、110はX線撮像装置(放射線撮像装置)、120はX線管(放射線管)、130は画像処理・システム制御装置、140はX線発生装置(放射線発生装置)、150は画像表示装置である。ここで、被写体(不図示)は、X線管120とX線撮像装置110との間の空間に配置される。また、X線撮像装置110は、画像処理・システム制御装置130と通信可能に構成され、X線画像を撮影(撮像)する装置である。
被写体(不図示)の撮影時には、画像処理・システム制御装置130により、X線撮像装置110とX線発生装置140が同期制御される。撮影時に、X線発生装置140によりX線管120から照射され、被写体(不図示)を透過したX線(放射線)は、X線撮像装置110に入射する。そして、X線撮像装置110に入射したX線は、シンチレータ(不図示)により可視光に変換される。そして、X線撮像装置110では、光電変換により可視光の光量に応じた電荷信号をアナログの電気信号として蓄積し、その後、蓄積した電荷信号を読み出してA/D変換を行う。これにより、X線照射に対応したX線画像データ(放射線画像データ)が生成される。そして、このX線画像データは、X線撮像装置110から画像処理・システム制御装置130に転送され、画像処理・システム制御装置130において画像処理が行われる。その後、画像表示装置150に、画像処理が行われたX線画像データに基づくX線画像がリアルタイムで表示される。
X線撮像装置110において、111は、矩形半導体基板である。この矩形半導体基板111は、例えば、入射したX線を電荷信号に変換する変換素子(例えば上述したシンチレータ、及び光電変換素子からなる)を含む画素が行列状に複数設けられたX線検出部(放射線検出部)を備えて構成されている。この矩形半導体基板111は、例えば、CMOS型の撮像素子で構成されている。112は、フラットパネルセンサである。このフラットパネルセンサ112は、矩形半導体基板111が、平面基台(不図示)上に12行×2列にタイリングされて構成されている。この際、矩形半導体基板111は、つなぎ用エリアセンサとして設けられている。そして、矩形半導体基板111上に形成される画素は、等ピッチで行列状に並んでおり、上述した平面基台上で隣接する矩形半導体基板111は、その境界を挟んで画素が矩形半導体基板上と同じピッチになるようにタイリングされている。
フラットパネルセンサ112の上辺と下辺部には、行列状に並んだ矩形半導体基板111の不図示の外部端子(電極パット)が一列に並んでいる。この矩形半導体基板111の電極パットは、フライングリード式プリント配線板(不図示)で外部の回路と接続される。また、矩形半導体基板111上には、アナログ出力のイネーブル/ディセーブルを切り換えるアナログスイッチ素子等の切り換え素子が構成されている。アナログ出力用スイッチ素子を構成することにより、チップセレクト制御信号による矩形半導体基板111の出力制御が可能であり、矩形半導体基板111のアナログ出力線同士をまとめて接続し直接増幅器113に接続することができる。
X線撮像装置110は、フラットパネルセンサ112にタイリングされた3枚の矩形半導体基板111からのアナログの電気信号を、1つの増幅器113を介して1つのA/D変換部114でアナログ・デジタル変換(A/D変換)してデジタルの電気信号を得る。そして、各A/D変換部114から、デジタル信号のX線画像データが出力される。
X線撮像装置110において、115は、撮像装置内制御部である。この撮像装置内制御部115は、画像処理・システム制御装置130との間で制御コマンドの通信、同期信号の通信、X線画像データの通信、及び、各種の情報通信を行う。また、撮像装置内制御部115は、フラットパネルセンサ112の制御機能も兼ね備えており、フラットパネルセンサ112の駆動制御や撮影モード制御を行う。そして、撮像装置内制御部115は、複数のA/D変換部114からA/D変換されたブロックごとのデジタルX線画像データを合成してフレームX線画像データとし、これを画像処理・システム制御装置130に転送する。
図1において、161は、コマンド制御用インターフェースである。このコマンド制御用インターフェース161を介して、画像処理・システム制御装置130からは、撮像装置内制御部115に対して、撮影モードの設定情報、各種パラメータの設定情報、撮影開始設定情報、撮影終了設定情報などが送信される。また、このコマンド制御用インターフェース161を介して、撮像装置内制御部115からは、画像処理・システム制御装置130に対して、X線撮像装置110の状態情報などが送信される。
図1において、162は、画像データインターフェースである。この画像データインターフェース162を介して、撮像装置内制御部115から画像処理・システム制御装置130に対して、X線画像データが送信される。図1において、163は、READY信号であり、X線撮像装置110が撮影可能状態になったことを撮像装置内制御部115から画像処理・システム制御装置130に伝える信号である。図1において、164は、外部同期信号であり、画像処理・システム制御装置130が撮像装置内制御部115からREADY信号163を受け、撮像装置内制御部115にX線曝射のタイミングを知らせる信号である。図1において、165は、曝射許可信号である。この曝射許可信号165がイネーブルの間に画像処理・システム制御装置130からX線発生装置140に曝射信号が送信され、X線管120から曝謝されたX線が有効なX線として取り扱われ、X線撮像装置110においてX線画像データが生成される。
図2は、図1に示す矩形半導体基板111の内部構造の一例を模式的に示す図である。矩形半導体基板111は、チップセレクト端子CS、光信号出力端子S、ノイズ信号出力端子N、垂直走査回路スタート信号端子VST、垂直走査回路クロック端子CLKV、水平走査回路スタート信号端子HST、水平走査回路クロック端子CLKHを有する。
図2において、201は、入射したX線を電荷信号に変換する変換素子を含む画素である。矩形半導体基板111には、この画素201が行列状に複数設けられた放射線検出部が設けられている。図2において、202は、行方向の画素201の集合である画素群を行信号線204を介して順次選択し、垂直走査クロックCLKVに同期してそれぞれの画素群を副走査方向である垂直方向に順次走査する垂直走査回路である。図2において、203は、垂直走査回路202により選択された主査方向である行方向の画素群を、列信号線205及び206を介して、水平走査クロックCLKHに同期して1画素ずつ順次選択する水平走査回路である。図2において、204は、行列状に設けられた画素201を行方向(一方の方向)に接続する行信号線である。この行信号線204がイネーブルになることにより、画素201にサンプルホールドされた光電圧信号S及びノイズ電圧信号Nが、それぞれ、列信号線205及び206に出力される。ここで、光電圧信号Sは、例えば、X線が照射された際に変換素子で生成された電荷信号に基づくものであり、ノイズ電圧信号Nは、例えば、X線が非照射の際に変換素子で生成された電荷信号に基づくものである。図2において、205及び206は、行列状に設けられた画素201を列方向(他方の方向)に接続する列信号線である。列信号線205及び206に出力された各種の電圧信号を水平走査回路203が順次選択することにより、それぞれ、アナログ信号出力線207及び208に各画素201の電圧信号が順次出力される。
このように、矩形半導体基板111は、垂直走査回路202及び水平走査回路203を使用したXYアドレス方式によるスイッチング動作によって画素201の選択走査が行われる。そして、この選択走査により、トランジスタで増幅された各画素201の光電圧信号S及びノイズ電圧信号Nは、それぞれ、列信号線205及び206、アナログ信号出力線207及び208を介して、光信号出力端子S及びノイズ信号出力端子Nに出力される。
図2において、CSは、チップセレクト端子であり、このチップセレクト端子CSをオンすることにより、電荷信号読み出し走査に従った画素201の光電圧信号S及びノイズ電圧信号Nが、光信号出力端子S及びノイズ信号出力端子Nから出力される。ここで、画素201の内部のサンプルホールド回路の後段のS信号出力切り換えアナログスイッチ(転送スイッチS)及びN信号出力切り換えアナログスイッチ(転送スイッチN)、列信号線205及び206、列信号線205及び206を水平走査回路203の出力により切り換えるスイッチングトランジスタは、読み出し回路を構成している。
図2において、CLKVは、垂直走査回路クロック端子である。図2において、VSTは、垂直走査回路スタート信号端子である。垂直走査スタート信号端子VSTをハイにした後、垂直走査クロック端子CLKVから垂直走査クロックを入力することにより、V1,V2,・・・Vmと行選択信号が順次イネーブルに入れ替わる。ここで、行選択信号V1,V2,・・・Vmは、それぞれの行信号線204に接続されている画素201を駆動させるための駆動信号に相当する。次いで、垂直走査が開始されたら、垂直走査スタート信号端子VSTをローにする。
図2において、CLKHは、水平走査回路クロック端子である。図2において、HSTは、水平走査回路スタート信号端子である。水平走査スタート信号端子HSTをハイにし、水平走査クロック端子CLKHから水平走査クロックを入力することにより、H1,H2,・・・Hnと列選択信号が順次イネーブルに入れ替わる。次いで、水平走査が開始されたら、水平走査スタート信号端子HSTをローにする。
垂直走査回路202の行選択信号V1の出力がイネーブルになると、行選択信号V1が出力された行信号線204に接続する横1行の画素群(1,1)〜(n、1)が選択される。そして、当該横1行の各画素201から、それぞれの列信号線205及び206に、光電圧信号S及びノイズ電圧信号Nが出力される。そして、水平走査回路203の列選択信号のイネーブルをH1,H2,・・・Hnと順次切り換えることにより、横1行の画素201の光電圧信号S及びノイズ電圧信号Nが順次アナログ信号出力線207及び208を経由して、光信号出力端子S及びノイズ信号出力端子Nに出力される。行選択信号Vmまで同様な水平走査を行うことにより、全画素の画素信号の出力が得られる。
図3は、図2に示す1つの画素201の内部回路の一例を示す図である。図3において、PDは、光電変換を行う光電変換素子であるフォトダイオードである。図3において、M2は、フローティングディフュージョンに蓄積された電荷信号を放電させるためのリセットMOSトランジスタ(リセットスイッチ)であり、Cfdは、電荷信号を蓄積するフローティングディフュージョン(浮遊拡散領域)の容量である。図3において、M1は、高ダイナミックレンジモードと高感度モードを切り換えるための感度切り換え用MOSトランジスタ(感度切り換えスイッチ)である。図3において、C1は、ダイナミックレンジ拡大用の容量であり、感度切り換えスイッチ(M1)をオンすると電荷信号の蓄積が可能となる。また、感度切り換えスイッチ(M1)をオンすると、フローティングノード部の容量が実質的に増え、感度は低くなるがダイナミックレンジを拡大することができる。よって、例えば、高感度が必要な透視撮影時には、感度切り換えスイッチ(M1)をオフし、高ダイナミックレンジが必要なDSA撮影時などには、感度切り換えスイッチ(M1)をオンする。図3において、M4は、ソースフォロアとして動作する増幅MOSトランジスタ(画素アンプ1)である。図3において、M3は、画素アンプ1(M4)を動作状態とさせるための選択MOSトランジスタ(選択スイッチ1)である。
図3において、画素アンプ1(M4)の後段には、フォトダイオードPDで発生するkTCノイズを除去するクランプ回路が設けられている。図3において、Cclは、クランプ容量であり、M5は、クランプ用MOSトランジスタ(クランプスイッチ)である。図3において、M7は、ソースフォロアとして動作する増幅MOSトランジスタ(画素アンプ2)である。図3において、M6は、画素アンプ2(M7)を動作状態とするための選択MOSトランジスタ(選択スイッチ2)である。
図3において、画素アンプ2(M7)の後段には、2つのサンプルホールド回路が設けられている。図3において、M8は、光電圧信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する、サンプルホールド用MOSトランジスタ(サンプルホールドスイッチS)である。図3において、CSは、光電圧信号用ホールド容量である。図3において、M11は、ノイズ電圧信号蓄積用のサンプルホールド回路を構成する、サンプルホールドMOSトランジスタ(サンプルホールドスイッチN)である。図3において、CNは、ノイズ電圧信号用ホールド容量である。図3において、M10は、ソースフォロアとして動作する光電圧信号の増幅MOSトランジスタ(画素アンプS)である。図3において、M9は、画素アンプS(M10)で増幅された光電圧信号を列信号線205に出力するためのアナログスイッチ(転送スイッチS)である。図3において、M13は、ソースフォロアとしての動作するノイズ電圧信号の増幅MOSトランジスタ(画素アンプN)である。図3において、M12は、画素アンプN(M13)で増幅されたノイズ電圧信号を列信号線206に出力するためのアナログスイッチ(転送スイッチN)である。
図3において、EN信号は、選択スイッチ1(M3)、選択スイッチ2(M6)のゲートに接続され、画素アンプ1(M4)、画素アンプ2(M7)を動作状態とさせるための制御信号である。このEN信号がハイレベルの時、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)は、同時に動作状態となる。図3において、WIDE信号は、感度切り換えスイッチ(M1)のゲートに接続され感度の切換を制御する。このWIDE信号がローレベルの時は、感度切り換えスイッチがオフし高感度モードとなる。図3において、PRES信号は、リセットスイッチ(M2)をオンしてフォトダイオードPDに蓄積された電荷信号を放電させるリセット信号である。図3において、PCL信号は、クランプスイッチ(M5)を制御する信号であり、PCL信号がハイレベルの時にクランプスイッチ(M5)がオンし、クランプ容量(Ccl)を基準電圧VCLに設定する。図3において、TS信号は、光電圧信号サンプルホールド制御信号であり、TS信号をハイレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで光電圧信号が画素アンプ2(M7)を通して光電圧信号用ホールド容量CSに一括転送される。次いで、全画素一括でTS信号をローレベルとし、サンプルスイッチS(M8)をオフすることで、サンプルホールド回路への光電圧信号の保持が完了する。図3において、TN信号は、ノイズ電圧信号サンプルホールド制御信号であり、TN信号をハイレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることでノイズ電圧信号が画素アンプ2(M7)を通してノイズ電圧信号用ホールド容量CNに一括転送される。次いで、全画素一括でTN信号をローレベルとし、サンプルスイッチN(M11)をオフすることで、サンプルホールド回路へのノイズ電圧信号の保持が完了する。図3において、光電圧信号用ホールド容量CS及びノイズ電圧信号用ホールド容量CNへのサンプルホールド後は、サンプルホールドスイッチS(M8)及びサンプルホールドスイッチN(M11)がオフとなる。そして、光電圧信号用ホールド容量CS及びノイズ電圧信号用ホールド容量CNは、前段の蓄積回路と切り離されるため、再度サンプルホールドされるまで蓄積した光電圧信号を非破壊で読み出すことが可能である。
図4は、比較例に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の制御方法の一例を示すタイミングチャートである。具体的に、図4は、固定フレームレートでX線ウィンドウ制限のある動画撮影時の制御方法の一例を示すタイミングチャートである。以下、動画像撮影において、光電圧信号用ホールド容量CS及びノイズ電圧信号用ホールド容量に電荷信号がサンプルホールドされ、読み出されるまでのタイミングについて説明する。なお、図4の以下の説明では、上述した図1〜図3に示された構成を用いて説明を行う。
図4において、時刻t50で撮影モードが設定され、時刻t51から当該撮影モードにおける撮影のための駆動が開始される。
まず、図4の時刻t51で始まるリセット駆動R1について説明する。リセット駆動R1は、リセットとクランプを行う駆動である。まず、時刻t51でEN信号をハイレベルにし、画素アンプ1(M4)、画素アンプ2(M7)を動作状態にする。続いて、時刻t52でPRES信号をハイレベルにし、フォトダイオードPDを基準電圧VRESに接続する。続いて、時刻t53でPCL信号をハイレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオンし、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLが接続される。続いて、時刻t54でPRES信号をローレベルにしてリセットを終了し、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ1(M4)側にリセット電圧がセットされる。続いて、時刻t55でクランプスイッチ(M5)をオフし、基準電圧VCLと基準電圧VRESの差分の電圧に応じた電荷信号がクランプ容量(Ccl)に蓄積されクランプが終了する。リセット駆動R1を終了し、時刻t55からフォトダイオードPD、フローティングディフュージョン容量(Cfd)の蓄積が開始される。続いて、時刻t56でEN信号をローレベルとし、画素アンプ1(M4)、画素アンプ2(M7)を非動作状態にする。蓄積状態になったので、撮像装置内制御部115は、曝射許可信号165をイネーブルにしてX線の曝射を要求する。後に続くリセット駆動R1もこのタイミングで制御される。
矩形半導体基板では、動画撮影時に矩形半導体基板間、走査線間の時間的スイッチングのずれにより発生する画像ズレを防止するために、タイリングされた各矩形半導体基板の全ての画素を一括して同一のタイミング、同一の期間でリセット駆動R1が行われる。その後、一括露光による蓄積が行われ、各画素のフォトダイオードPDで発生した電荷信号が容量(Cfd)に蓄積される。リセット駆動R1の時刻t52〜時刻t54のフォトダイオードPDへの基準電圧VRESの印加においてフォトダイオードPDでリセットノイズ(kTCノイズ)が発生するが、クランプ回路のクランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLをセットすることによりリセットノイズが除去される。
次に、図4の時刻t60で始まるサンプリング駆動S1について説明する。時刻t60)でEN信号をハイレベルにして選択スイッチ1(M3)及び選択スイッチ2(M6)をオンする。これにより、容量(Cfd)に蓄積されている電荷信号は、電荷/電圧変換され、ソースフォロアとして動作する画素アンプ1(M4)により電圧信号としてクランプ容量(Ccl)に出力される。ここで、画素アンプ1(M4)の出力は、リセットノイズを含むが、クランプ回路によりリセット時に画素アンプ2(M7)側を基準電圧VCLにセットしているので、リセットノイズが除去された光電圧信号となって画素アンプ2(M7)に出力される。続いて、時刻t61でサンプルホールド制御信号TSをハイレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで、光電圧信号は、画素アンプ2(M7)を通して光電圧信号用ホールド容量(CS)に一括転送される。サンプルホールドを開始したので、続いて、時刻t62で曝射許可信号165をディセーブルとし、X線曝射を禁止する。続いて、時刻t63でTS信号をローレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオフすることで、光電圧信号用ホールド容量(CS)に光電圧信号がサンプルホールドされる。続いて、時刻t64でリセット信号PRESをハイレベルとし、リセットスイッチ(M2)をオンし、容量(Cfd)を基準電圧VRESにリセットする。続いて、時刻t65でPCL信号をハイレベルとする。これにより、クランプ容量(Ccl)には、電圧VCLと電圧VRESの差分の電圧にリセットノイズが重畳した電荷信号が蓄積される。続いて、時刻t66でリセット信号PRESをローレベルとし、リセットを完了する。続いて、時刻t67でTN信号をハイレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることで、基準電圧VCLにセットされた時のノイズ電圧信号をノイズ電圧信号用ホールド容量(CN)に転送する。続いて、時刻t68でTN信号をローレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオフすることで、ノイズ電圧信号用ホールド用容量(CN)にノイズ電圧信号がサンプルホールドされる。続いて、時刻t69でPCL信号をローレベルとし、さらに、時刻t70でEN信号をローレベルとし、サンプリング駆動S1を終了する。このサンプリング駆動S1は、全画素を一括して行う。後に続くサンプリング駆動S1もこのタイミングで制御される。このサンプリング駆動S1の後、時刻t91において再びリセット駆動R1が行われ、次のフレームのフォトダイオードPDでの蓄積を開始する。
光電圧信号及びノイズ電圧信号の走査は、画素ごとに行われる。転送スイッチS(M9)及び転送スイッチN(M12)をオンすることで、光電圧信号用ホールド容量(CS)及びノイズ電圧信号用ホールド用容量(CN)の電圧信号が、それぞれ、画素アンプS(M10)及び画素アンプN(M13)を通して、それぞれ、列信号線205及び206に転送される。列信号線205及び206に転送された電圧信号は、これらの列信号線に接続された作動入力アンプ(不図示)で減算される。これにより、画素アンプでの熱ノイズ、1/fノイズ、温度差、プロセスばらつきによるFPNを除去している。なお、センサからの読み出しが可能な期間は、時刻t68のサンプルホールド終了時から、光電圧信号用ホールド容量(CS)及びノイズ電圧信号用ホールド容量(CN)に、次フレームの電荷信号のサンプルホールドが再び開始される時刻t91までの間である。
そして、図4では、サンプリング駆動S1の終了後に、画素からの電荷信号の読み出し処理RDが行われる。この読み出し処理は、画像表示までの遅延をできる限り短くするようにサンプルホールド直後に行われる。
図3に示す画素の内部回路において、フォトダイオードPDの蓄積開始のタイミングは、図4に示すリセット完了後にPCL信号をローレベルにしてクランプが完了した時刻t55や時刻t69である。また、蓄積終了のタイミングは、TS信号をローレベルにして光電圧信号をサンプルホールドした時刻t63である。これにより、光電圧信号及びノイズ電圧信号をサンプルホールドするサンプリング駆動S1とサンプリング駆動S1との間に、蓄積時間開始のためのリセット駆動R1またはサンプリング駆動S1を挿入することで、蓄積時間を制限している。図4においては、時刻t60で始まるサンプリング駆動S1と時刻t90で始まるサンプリング駆動S1との間に、時刻t81で始まるリセット駆動R1を挿入して、実質的な蓄積時間であるX線ウィンドウを時刻t85〜時刻t93の期間Tに制限している。
図5は、本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)110の制御方法の一例を示すタイミングチャートである。具体的に、図5は、外部同期信号に基づき、画像切り出しモードの撮影モードでの制御方法の一例を示すタイミングチャートである。図5において、R2はリセット駆動、S1はサンプリング駆動である。図4の比較例に係るX線撮像装置の制御方法のタイミングチャートで説明したように、本実施形態においては、サンプリング駆動S1間にリセット駆動R2を挿入して、有効な光電圧信号の蓄積時間であるX線ウィンドウをリセット駆動R2からサンプリング駆動S1の期間Tとする。なお、図5の以下の説明では、上述した図1〜図3に示された構成を用いて説明を行う。
フラットパネルセンサ112は、リセット駆動R2により全画素同時リセットが行われ、また、サンプリング駆動S1により全画素同時サンプリングが行われる。なお、サンプリング駆動S1は、図4に示すサンプリング駆動S1と同等である。この図5に示す、画素201のサンプリング駆動S1を制御する撮像装置内制御部115は、サンプリング駆動制御手段を構成する。
図5において、時刻t150で画像処理・システム制御装置130と撮像装置内制御部115との間でコマンド制御用インターフェース161によりコマンド通信が行われ、撮影モードが設定される。ここで、この撮影モードの設定には、ゲイン設定情報や、画像切り出しサイズ設定情報等が含まれる。そして、この画像切り出しサイズ設定情報に基づき、後述する垂直走査回路202による走査制御が行われるので、画像切り出しサイズ設定情報は、撮像装置内制御部115のFPGAレジスタ等に保持される。そして、撮影モード設定後、外部同期信号を受信すると、リセット駆動R2が実施される。この図5に示す、画素201のリセット駆動R2を制御する撮像装置内制御部115は、リセット駆動制御手段を構成する。
リセット駆動R2は、リセット・クランプ駆動とサンプリング駆動とを兼ねる駆動である。まず、時刻t151でEN信号をハイレベルにし、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)を動作状態にする。続いて、時刻t152でPRES信号をハイレベルにし、フォトダイオードPDを基準電圧VRESに接続する。続いて、時刻t153でPCL信号をハイレベルにすることによりクランプスイッチ(M5)をオンし、クランプ容量(Ccl)の画素アンプ2(M7)側に基準電圧VCLが接続される。続いて、時刻t154でTS信号とTN信号をハイレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)とスイッチN(M11)とをオンする。これにより、基準電圧VCLが供給された状態で、電荷信号が、光電圧信号用ホールド容量(CS)とノイズ電圧信号用ホールド容量(CN)に蓄積される。
本実施形態では、このリセット駆動R2中に、撮影モードで設定された画像切り出しサイズ設定情報に基づく、垂直走査回路202による画像切り出し事前走査(第1の走査)を行う。この垂直走査回路202による画像切り出し事前走査(第1の走査)を制御する撮像装置内制御部115は、走査制御手段を構成する。ここで、垂直走査回路202は、行列状に設けられた画素201を行方向に接続する複数の行信号線204(第1の信号線)に対して、当該行信号線204に接続されている画素201を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う走査手段である。そして、図5に示す画像切り出し事前走査は、画像切り出しモードの際に、リセット駆動R2の開始からサンプリング駆動S1の開始までの期間中に、垂直走査回路202において行われる、画像切り出しモードにおける画像切り出し開始位置の手前までの位置に相当する行信号線204に駆動信号を順次出力する走査である。具体的に、図5に示す画像切り出し事前走査は、リセット駆動R2の開始からリセット駆動R2の終了までの期間中に行われる。より詳細には、図5に示す画像切り出し事前走査は、当該リセット駆動中の、画素201にクランプ用基準電圧が供給されている期間中(PCL信号がハイレベルの期間中)に行われる。
図6は、図5に示す画像切り出し事前走査(第1の走査)による駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。図5に示す例では、垂直走査クロックCLKVが入力されても水平走査クロックCLKHが入力されないため、画像切り出し事前走査(第1の走査)は、読み出し回路による読み出しを伴わない走査である。
初期電位印加動作は読み出し回路内の走査であり、図5の画像切り出し事前走査は上述したように読み出し回路による読み出しを伴わない走査であるため、チップセレクト信号CS0,CS1,CS2はディセーブルのままで、A/D変換部114への出力は行わない。撮像装置内制御部115は、図6の時刻t250で垂直走査スタート信号VSTをハイにした後、垂直走査クロックCLKVを連続して入力し、行信号線204を順次走査しながら、所望の画像切り出し開始位置Vkの1行手前のVk−1まで事前走査を行う。図5に示す例では、画像切り出し事前走査として水平方向の走査を行わない分、垂直方向の走査を高速で行うことが可能である(例えば1us以下)。例えば、図5に示す画像切り出し事前走査は、例えば後述する図7に示す、垂直走査回路202において行われる読み出し回路による読み出しを伴う画像切り出し実行中走査(第2の走査)に比べて、高速である。このように、画像切り出し事前走査(第1の走査)を画像切り出し実行中走査(第2の走査)に比べて高速に実施することにより、画像切り出し実行中走査の準備期間を短縮することができる。
垂直走査回路202の出力は非選択時にオープンとなり、垂直走査回路202に接続される行信号線204はフローティングになる。矩形半導体基板111上の伝送路である信号線は半導体素子よりも大きな容量を有し、不定な電荷信号が蓄積する。即ち、非読み出し時には走査回路内にフローティング箇所が生じ、行信号線204に不定電位が発生する。読み出し回路内に残留電荷や不定電位が存在した状態で画像の読み出しを行うと、それらがノイズとしてオフセットに重畳し画質に影響する。そして、本実施形態では、図5に示すように、画像切り出し事前走査を、リセット駆動R2の期間中のクランプ電圧が出力された状態で実施することにより、電位が固定化された状態で走査を行うので、画像への悪影響も発生しない。なお、画像切り出しサイズ設定情報により、画像切り出し事前走査の時間が異なるので、それに応じて、リセット駆動R2の時間が異なるような形態としてもよい。或いは、画像切り出し最小サイズの仕様に応じて、予め固定のリセット駆動時間を設定しておき、画像切り出し事前走査が設定された固定リセット時間内に実施されるような形態としてもよい。
ここで、再び、図5の説明に戻る。画像切り出し事前走査が終了すると、時刻t157からフォトダイオードPD、フローティングディフュージョン容量(Cfd)の蓄積が開始される。続いて、時刻t158でEN信号をローレベルとし、画素アンプ1(M4)及び画素アンプ2(M7)を非動作状態にする。そして、蓄積状態になったので、曝射許可信号165をイネーブルにしてX線の曝射を要求する。後に続くリセット駆動R2もこのタイミングで制御される。
所望のX線曝射が行われた後、サンプリング駆動S1を実施する。まず、時刻t160でEN信号をハイレベルにして選択スイッチ1(M3)及び選択スイッチ2(M6)をオンする。これにより、容量(Cfd)に蓄積されている電荷信号は、電荷/電圧変換され、ソースフォロアとして動作する画素アンプ1(M4)により電圧信号としてクランプ容量(Ccl)に出力される。ここで、画素アンプ1(M4)の出力は、リセットノイズを含むが、クランプ回路によりリセット時に画素アンプ2(M7)側を基準電圧VCLにセットしているので、リセットノイズが除去された光電圧信号となって画素アンプ2(M7)に出力される。続いて、時刻t161でサンプルホールド制御信号TSをハイレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオンすることで、光電圧信号は、画素アンプ2(M7)を通して光電圧信号用ホールド容量(CS)に一括転送される。サンプルホールドを開始したので、続いて、時刻t162で曝射許可信号165をディセーブルとし、X線曝射を禁止する。続いて、時刻t163でTS信号をローレベルとし、サンプルホールドスイッチS(M8)をオフすることで、光電圧信号用ホールド容量(CS)に光電圧信号がサンプルホールドされる。続いて、時刻t164でリセット信号PRESをハイレベルとし、リセットスイッチ(M2)をオンし、容量(Cfd)を基準電圧VRESにリセットする。続いて、時刻t165でPCL信号をハイレベルとする。これにより、クランプ容量(Ccl)には、電圧VCLと電圧VRESの差分の電圧にリセットノイズが重畳した電荷信号が蓄積される。続いて、時刻t166でリセット信号PRESをローレベルとし、リセットを完了する。続いて、時刻t167でTN信号をハイレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオンすることで、基準電圧VCLにセットされた時のノイズ電圧信号をノイズ電圧信号用ホールド容量(CN)に転送する。続いて、時刻t168でTN信号をローレベルとし、サンプルホールドスイッチN(M11)をオフすることで、ノイズ電圧信号用ホールド用容量(CN)にノイズ電圧信号がサンプルホールドされる。続いて、時刻t169でPCL信号をローレベルとし、さらに、時刻t170でEN信号をローレベルとし、サンプリング駆動S1を終了する。このサンプリング駆動S1は、全画素を一括して行う。後に続くサンプリング駆動S1もこのタイミングで制御される。このサンプリング駆動S1の後、再びリセット駆動R2が行われ、次のフレームのフォトダイオードPDでの蓄積を開始する。
本実施形態において、光電圧信号及びノイズ電圧信号の走査は、画素ごとに行われる。転送スイッチS(M9)及び転送スイッチN(M12)をオンすることで、光電圧信号用ホールド容量(CS)及びノイズ信号用ホールド用容量(CN)の電圧信号が、それぞれ、画素アンプS(M10)及び画素アンプN(M13)を通して、それぞれ、列信号線205及び206に転送される。列信号線205及び206に転送された電圧信号は、これらの列信号線に接続された作動入力アンプ(不図示)で減算される。これにより、画素アンプでの熱ノイズ、1/fノイズ、温度差、プロセスばらつきによるFPNを除去している。なお、センサからの読み出しが可能な期間は、時刻t168のサンプルホールド終了時から、光電圧信号用ホールド容量(CS)及びノイズ電圧信号用ホールド容量(CN)に、次フレームの電荷信号のサンプルホールドが再び開始されるまでの間である。
そして、図5では、サンプリング駆動S1の終了後に、画素201からの電荷信号の読み出し処理RDが行われる。この読み出し処理は、画像表示までの遅延をできる限り短くするようにサンプルホールド直後に行われる。
図7は、本発明の実施形態を示し、図2に示す垂直走査回路202において行われる読み出し回路による読み出しを伴う画像切り出し実行中走査(第2の走査)による駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。具体的に、図7は、フラットパネルセンサ112にタイリングされた3枚の矩形半導体基板111からのアナログの電気信号を1つのA/D変換部114でアナログ・デジタル変換(A/D変換)して読み出すためのタイミングチャートである。
図7において、CS0〜CS2は、矩形半導体基板111のアナログ信号の出力を制御するチップセレクト信号である。図1の矩形半導体基板111のアナログ出力信号に振られている番号は、図7に示すチップセレクト信号CSの番号と1対1で対応している。例えば、チップセレクト信号CS0が"H"の時は矩形半導体基板111のアナログ出力信号の番号"0"のアナログ出力が有効になり、次段の増幅器113に出力される。また、チップセレクト信号CS1が"H"の時は矩形半導体基板111のアナログ出力信号の番号"1"のアナログ出力が有効になり、次段の増幅器113に出力される。
チップセレクト信号CS0は、アナログ出力信号の番号"0"の矩形半導体基板111に接続される。また、チップセレクト信号CS1は、アナログ出力信号の番号"1"の矩形半導体基板111に接続される。また、チップセレクト信号CS2は、アナログ出力信号の番号"2"の矩形半導体基板111に接続される。画像の読み出しの際には、まず、チップセレクト信号C0が選択される。
読み出し処理の開始時には、上述したとおり、画像切り出しサイズ設定情報に基づき、予め、所望の画像切り出し開始位置Vkの1行手前のVk−1まで、図5の画像切り出し事前走査が実施されている。この状態で、図7の垂直走査クロックCLKVが立ち上がると、画像切り出し開始行である行信号線Vkがイネーブルとなり、行信号線Vkで選択される画素群(1,k)から(n,k)の出力が有効になり、列信号線に画素群(1,k)から(n,k)の各画素201の電圧信号が出力される。
そして、水平走査スタート信号HSTがハイの状態で、水平走査クロックCLKHが立ち上がると、水平走査回路203の列選択信号H1がイネーブルとなる。水平走査クロックCLKHの立ち上がりに同期して、水平走査回路203の列選択信号がH2,・・Hnと切り換わる。そして、画素201を(1,k)から順番に(n,k)まで選択し、水平方向のチップセレクト信号C0で選択された矩形半導体基板111の行方向の画素群の走査を終了する。
A/D変換部114によるA/D変換は、水平走査クロックCLKHに同期して行われる。続いて、チップセレクト信号CS1に切り換えて同様に水平走査を行い、チップセレクト信号CS2も同様に水平走査を行うことにより、3枚の矩形半導体基板111の、横1行に配設された画像群の読み出しを終了する。以降、垂直走査クロックCLKVにより垂直走査回路202による行信号線204を順次切り換え走査しながら、同様に水平走査をVmまで行うことにより、画像切り出しサイズ設定情報に応じた、3枚の矩形半導体基板111の全画素201の読み出しが完了する。
本実施形態によれば、画像切り出し事前走査(第1の走査)を行うようにしたので、画像切り出しモードの際に、画素からの電荷信号の読み出し時に遅延が生じることを回避することができる。また、画像切り出し事前走査時に、電位が固定化された状態で走査を行うようにしたので、画像への悪影響も発生しない。
なお、本実施形態では、画像切り出し事前走査をリセット期間中に実施する例を示したが、画像や動作に二次的な不具合が無ければ、リセット駆動R2の開始からサンプリング駆動S1の開始までの期間中に、画像切り出し事前走査を実施するようにしてもよい。また、本実施形態では、画像切り出し事前走査を、画像切り出し開始行の1行手前まで実施する例を示したが、画像や動作に二次的な不具合が無ければ、切り出し開始行まで事前に画像切り出し事前走査を行ってもよい。
また、本実施形態では、画像切り出し事前走査を行う走査手段として、行列状に設けられた画素201を一方の方向である行方向に接続する行信号線204を走査する垂直走査回路202に適用した例について説明を行ったが、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば、矩形半導体基板111の内部構成上、水平走査回路において、列信号線に接続されている画素を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う形態であれば、当該水平走査回路において上述した画像切り出し事前走査を行うようにした形態も本発明に含まれる。
また、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
111 矩形半導体基板、201 画素、202 垂直走査回路、203 水平走査回路、204 行信号線、205,206 列信号線、207,208 アナログ信号出力線
Claims (7)
- 入射した放射線を電荷信号に変換する変換素子を含む画素が行列状に複数設けられた放射線検出手段と、
前記画素のリセット駆動を制御するリセット駆動制御手段と、
前記画素のサンプリング駆動を制御するサンプリング駆動制御手段と、
前記行列状に設けられた前記画素を行方向および列方向のうちの一方の方向に接続する複数の第1の信号線に対して、当該第1の信号線に接続されている前記画素を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う走査手段と、
画像切り出しモードの際に、前記リセット駆動の開始から前記サンプリング駆動の開始までの期間中に、前記走査手段に対して、前記画像切り出しモードにおける画像切り出し開始位置の手前までの位置に相当する前記第1の信号線に前記駆動信号を順次出力する第1の走査を行わせる走査制御手段と
を有することを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記行列状に設けられた前記画素を前記一方の方向とは異なる他方の方向に接続する複数の第2の信号線を介して、当該第2の信号線に接続されている前記画素から前記電荷信号を読み出す読み出し手段を更に有し、
前記第1の走査は、前記読み出し手段による読み出しを伴わない走査であり、前記走査手段において行われる前記読み出し手段による読み出しを伴う第2の走査に比べて、高速であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1の走査は、前記リセット駆動の開始から前記リセット駆動の終了までの期間中に行われることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像装置。
- 前記第1の走査は、前記リセット駆動中の、前記画素にクランプ用基準電圧が供給されている期間中に行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記第1の走査の前に、基準電圧が供給された状態で、前記画素の内部の容量に前記電荷信号の蓄積が行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 入射した放射線を電荷信号に変換する変換素子を含む画素が行列状に複数設けられた放射線検出手段と、前記画素のリセット駆動を制御するリセット駆動制御手段と、前記画素のサンプリング駆動を制御するサンプリング駆動制御手段と、前記行列状に設けられた前記画素を行方向および列方向のうちの一方の方向に接続する複数の第1の信号線に対して、当該第1の信号線に接続されている前記画素を駆動させるための駆動信号を順次出力する走査を行う走査手段とを有する放射線撮像装置の制御方法であって、
画像切り出しモードの際に、前記リセット駆動の開始から前記サンプリング駆動の開始までの期間中に、前記走査手段に対して、前記画像切り出しモードにおける画像切り出し開始位置の手前までの位置に相当する前記第1の信号線に前記駆動信号を順次出力する第1の走査を行わせることを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。 - 前記放射線撮像装置は、前記行列状に設けられた前記画素を前記一方の方向とは異なる他方の方向に接続する複数の第2の信号線を介して、当該第2の信号線に接続されている前記画素から前記電荷信号を読み出す読み出し手段を更に有し、
前記第1の走査は、前記読み出し手段による読み出しを伴わない走査であり、前記走査手段において行われる前記読み出し手段による読み出しを伴う第2の走査に比べて、高速であることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置の制御方法。
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