JP2013152321A - 鍵盤蓋の開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構造で、低価格を図り、且つ鍵盤蓋を安全に且つ良好に開閉できる鍵盤蓋の開閉装置を提供する。
【解決手段】 楽器ケース1に回転可能に取り付けられて鍵盤蓋8の開閉動作と共に回転するアーム部材16と、鍵盤蓋8を開く際に鍵盤蓋8の後部が鍵盤部7の後方に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の開動作を制動する第1制動部材17と、鍵盤蓋8を閉じる際に鍵盤蓋8の前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の閉動作を制動する第2制動部材18とを備えている。従って、鍵盤蓋8を開く際に第1制動部材17によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を制動でき、また鍵盤蓋8を閉じる際に第2制動部材18によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を制動できるので、鍵盤蓋8を開閉する際に第1、第2の制動部材17、18でそれぞれ個別に鍵盤蓋8を制動できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器に用いられる鍵盤蓋の開閉装置に関する。
例えば、ピアノなどの鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、楽器ケース内に設けられた鍵盤部を鍵盤蓋で開閉可能に覆うように構成されたものが知られている。このような鍵盤蓋の開閉装置は、鍵盤蓋に取り付けられたアーム部材を楽器ケースに設けられた支持軸に回転可能に取り付け、鍵盤蓋を開閉操作すると、鍵盤蓋の開閉動作に連動してアーム部材が支持軸を中心に回転するように構成されている。
特開2011−13250号公報
この種の鍵盤蓋の開閉装置は、鍵盤蓋を安全に開閉するために、アーム部材に対して常に一定の負荷を与えて鍵盤蓋の開閉動作を制動する第1ダンパ部材と、鍵盤蓋の閉動作に応じてアーム部材に負荷を与えて鍵盤蓋の閉動作を制動する一方、鍵盤蓋の開動作に応じてアーム部材に負荷を与えて鍵盤蓋の開動作を制動する第2ダンパ部材とを備えている。
このような鍵盤蓋の開閉装置では、第1ダンパ部材によってアーム部材に対して常に一定の負荷を与えて鍵盤蓋の開閉動作を制動した状態で、第2ダンパ部材によって鍵盤蓋の閉動作に応じてアーム部材に更に負荷を与えて鍵盤蓋の閉動作を制動する一方、鍵盤蓋の開動作に応じてアーム部材に更に負荷を与えて鍵盤蓋の開動作を制動している。
しかしながら、このような鍵盤蓋の開閉装置では、第1ダンパ部材と第2ダンパ部材とによってアーム部材に負荷を与えているので、鍵盤蓋の開閉動作が重くなり、鍵盤蓋を良好に開閉することができないばかりか、第2ダンパ部材によって鍵盤蓋が開く際、および閉じる際に、それぞれ逆向きの負荷をアーム部材に付与しなければならないため、第2ダンパ部材の構造が複雑で、部品点数が多く、その製作が煩雑で、製作コストが高くなるなどの問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、低価格を図り、且つ鍵盤蓋を安全に且つ良好に開閉することができる鍵盤蓋の開閉装置を提供することである。
この発明は、鍵盤部を備えた楽器ケースに取り付けられて前記鍵盤部を開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、前記楽器ケースに回転可能に取り付けられて前記鍵盤蓋の開閉動作と共に回転するアーム部材と、前記鍵盤蓋を開いて前記鍵盤部を露出させる際に、前記鍵盤蓋の後部が前記鍵盤部の後方に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の開動作を制動する第1制動部材と、前記鍵盤蓋が前記鍵盤部を覆って閉じる際に、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の閉動作を制動する第2制動部材とを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
この発明によれば、鍵盤蓋を開いて鍵盤部を露出させる際に、第1制動部材によってアーム部材に負荷を付与して鍵盤蓋を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋が鍵盤部を覆って閉じる際に、第2制動部材によってアーム部材に負荷を付与して鍵盤蓋を確実に且つ良好に制動することができる。このため、鍵盤蓋を開く際、および鍵盤蓋を閉じる際に、それぞれ個別の制動部材によって鍵盤蓋を確実に且つ最適に制動することができる。これにより、第1、第2の各制動部材の構造が簡単で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋を安全に且つ良好に開閉することができる。
この発明を鍵盤楽器に適用した第1実施形態において、鍵盤蓋を閉じて鍵盤部を覆った状態を示した要部の断面図である。 図1に示された鍵盤楽器において鍵盤蓋を開いて楽器ケース内に収納して鍵盤部を露出させた状態を示した要部の断面図である。 図1に示された鍵盤楽器において鍵盤蓋を途中まで開いた状態を示した要部の断面図である。 図3に示された鍵盤楽器において鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大正面図である。 図4に示された鍵盤楽器において鍵盤蓋を開いて楽器ケース内に収納した状態を示した要部の拡大正面図である。 図4に示された鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大平面図である。 図4に示された鍵盤蓋の開閉装置のA−A矢視における要部の拡大断面図である。 図7に示された鍵盤蓋の開閉装置において、鍵盤蓋が閉じて弾性突起部が傾斜溝部に最も強く弾接した状態を示した要部の拡大断面図である。 図4に示されたアーム部材を示し、(a)はその拡大平面図、(b)はその拡大正面図、(c)はその拡大左側面図、(d)はその拡大右側面図である。 この発明を鍵盤楽器に適用した第2実施形態において、鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大正面図である。 図10に示された鍵盤蓋の開閉装置のB−B矢視における要部の拡大断面図である。 図11に示された鍵盤蓋の開閉装置において、鍵盤蓋が閉じる際に弾性突起部が複数の制動突起部を順次乗り越える状態を示した要部の拡大断面図である。 この発明の第1、第2の各実施形態における弾性突起部の変形例を示した要部の拡大平面図である。 この発明を鍵盤楽器に適用した第3実施形態において、鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大正面図である。 図14に示された鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大平面図である。 この発明を鍵盤楽器に適用した第4実施形態において、鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大正面図である。 図16に示された鍵盤蓋の開閉装置を示した要部の拡大平面図である。
(第1実施形態)
以下、図1〜図9を参照して、この発明を鍵盤楽器に適用した第1実施形態について説明する。
この鍵盤楽器は、図1〜図3に示すように、楽器ケース1を備えている。この楽器ケース1は、脚部を兼ねる一対の側板2と、この一対の側板2間における上部側に位置する箇所に設けられた棚板である底板3と、この底板3の前端部(図1では左端部)上に設けられた前板4と、底板3の後端部(図1では右端部)に設けられた後板5と、この後板5の上部および一対の側板2における後部側の上部に亘って設けられた天板6とを備えている。
これにより、楽器ケース1は、図1〜図3に示すように、天板6の前側(図1では左側)が開放されたほぼ箱形状に形成されている。この楽器ケース1の内部には、鍵盤部7が上方に露出する状態で設けられている。この鍵盤部7は、白鍵7aおよび黒鍵7bを備え、これら白鍵7aおよび黒鍵7bが、底板3上に設けられた鍵盤シャーシ(図示せず)上に上下方向に回転可能に取り付けられた状態で、多数配列された構成になっている。
また、この楽器ケース1の上部には、図1〜図3に示すように、鍵盤部7を覆う鍵盤蓋8が開閉装置10によって開閉可能に設けられている。この鍵盤蓋8は、前蓋8aと後蓋8bとを備え、この前蓋8aと後蓋8bとを蝶番9によって折り曲げ可能に連結した構成になっている。また、この鍵盤蓋8は、図1に示すように、鍵盤部7の上方に配置されて鍵盤部7を覆って閉じた状態のときに、前蓋8aと後蓋8bとが前下がり(図1では左下がり)に傾斜した状態で平板状に配列されるように構成されている。
また、この鍵盤蓋8は、図3に示すように、前蓋8aと後蓋8bとが鍵盤部7の上方を移動して開く際に、後蓋8bが蝶番9を中心に回転して折れ曲がりながら天板6の下側に移動するように構成されている。さらに、この鍵盤蓋8は、図2に示すように、前蓋8aと後蓋8bとが楽器ケース1の後部内に移動して鍵盤部7を開放した際に、前蓋8aが天板6の下側にほぼ平行な状態で位置し、後蓋8bが蝶番9を中心に前蓋8aに対しほぼ直角に折れ曲がって後板5の内面に接近して起立した状態で楽器ケース1内に収納されるように構成されている。
この場合、前蓋8aの前端部には、図1〜図5に示すように、取手部11が取り付けられている。この取手部11の下端部には、楽器ケース1の側板2の内面に設けられたガイド溝部12に沿ってガイドされるガイド軸部13が、両側の側板2に向けて突出して設けられている。ガイド溝部12は、図1〜図5に示すように、鍵盤部7の前側から立ち上がり、鍵盤部7の上側に沿って斜め上方に向けて傾斜した状態で後方に延び、この後方に延びた部分が天板6の前端部の下側に位置するように、楽器ケース1の側板2の内面に設けられている。
また、この楽器ケース1の側板2の内面には、図1〜図5に示すように、鍵盤蓋8を支持するガイド支持部15が設けられている。このガイド支持部15は、ガイド溝部12の後部側に位置する箇所の上側に設けられている。これにより、このガイド支持部15は、図1に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた際に、後蓋8bを支持して前蓋8aと後蓋8bとを前下がり(図1では左下がり)に傾斜させた状態で平板状に支持するように構成されている。また、このガイド支持部15は、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8が途中まで開いた際に、前蓋8aと後蓋8bとが蝶番9で折れ曲がるように、蝶番9に対応する箇所を支持するように構成されている。
ところで、鍵盤蓋を開閉させるための開閉装置10は、図4〜図6に示すように、楽器ケース1の側板2に回転可能に取り付けられて鍵盤蓋8の開閉動作と共に回転するアーム部材16と、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、鍵盤蓋8の後蓋8bの後部が鍵盤部7の後方に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の開動作を制動する第1制動部材17と、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の閉動作を制動する第2制動部材18とを備えている。
アーム部材16は、図4〜図6に示すように、一端部が楽器ケース1の側板2に設けられた支持軸20に回転自在に取り付けられ、他端部に連結軸21が押え板20aによって回転可能に取り付けられた構成になっている。この場合、アーム部材16は、図9(a)〜図9(d)に示すように、帯状の金属板をその長手方向に沿って断面コ字形状に折り曲げると共に、先端部に軸取付溝部16aを設けた構成になっている。また、支持軸20は、カバー部材19によって覆われている。
このカバー部材19は、図4および図5に示すように、金属板を断面コ字形状に折り曲げた構成で、楽器ケース1の側板2に取付ビス19aによって取り付けられている。連結軸21は、アーム部材16の他端部に取り付けられた状態で、鍵盤蓋8の後蓋8bの後部に取り付けられた取付板14に回転可能に取り付けられている。これにより、アーム部材16は、図1〜図3に示すように、連結軸21によって鍵盤蓋8の後蓋8aに回転可能な状態で連結されていることにより、鍵盤蓋8の開閉動作に伴って支持軸20を中心に回転するように構成されている。
このため、このアーム部材16は、図1に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、支持軸20を中心に反時計回りに回転してほぼ垂直に起立し、また鍵盤蓋8が開く際に、図3に示すように、支持軸20を中心に時計回りに回転しながら徐々に後方(図3では右側)に向けて傾き、さらに鍵盤蓋8が開いて楽器ケース1内に収納された際に、図2に示すように、支持軸20を中心に時計回りに回転して、後部下がり(図2では右下がり)に傾くように構成されている。
この場合、楽器ケース1の側板2には、図4〜図6に示すように、アーム部材16の連結軸21をガイドするガイドレール部22が設けられている。このガイドレール部22は、アーム部材16の支持軸20を中心とする円弧状に形成され、その上端部が鍵盤部7の後端部の上方で、且つガイド支持部15の後端部に接近する箇所に位置し、下端部が底板3の後部上側に位置するように構成されている。このガイドレール部22には、アーム部材16の連結軸21の端部21aが移動可能に挿入するガイド溝22aがガイドレール部22と同様、支持軸20を中心とする円弧状に設けられている。
また、このガイドレール部22には、図4〜図6に示すように、ラックギア23がガイド溝22aに沿って設けられている。また、アーム部材16と鍵盤蓋8とを連結する連結軸21には、ラックギア23に噛み合って回転移動するピニオンギア24が回転自在に取り付けられている。これにより、アーム部材16は、鍵盤蓋8の開閉動作に連動して支持軸20を中心に回転する際に、ピニオンギア24がラックギア23に噛み合って回転移動することにより、鍵盤蓋8をガイドしながら開閉させるように構成されている。
一方、開閉装置10の第1制動部材17は、図4〜図6に示すように、鍵盤蓋8を開く際に鍵盤蓋8の後蓋8bの後部が鍵盤部7の後方に移動した時点から、鍵盤蓋8を閉じる方向に向けてアーム部材16を付勢する捻じりコイルばねである。すなわち、この第1制動部材17は、捻じりコイルばねのコイル部17aがアーム部材16の支持軸20に巻き付けられ、このコイル部17aの一端部17bがアーム部材16に弾接し、他端部17cがカバー部材19における下側の取付ビス19aに当接して固定されるように構成されている。
これにより、第1制動部材17は、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、鍵盤蓋8の後蓋8bの後部が鍵盤部7の後方に移動した時点、つまりアーム部材16がほぼ半分程度回転して中間部付近に位置した時点から、捻じりコイルばねのコイル部17aの一端部17bがアーム部材16に弾接して押されることにより、アーム部材16にコイル部17aのばね力による負荷を付与して、鍵盤蓋8の開動作に対する制動を開始するように構成されている。
また、この第1制動部材17は、鍵盤蓋8が更に開いてアーム部材16が更に時計回りに回転する際に、第1制動部材17の一端部17bと他端部17cとの開き角度が徐々に狭くなり、これに伴ってコイル部17aが徐々に捻じれて圧縮することにより、アーム部材16に対するばね力の負荷を徐々に増大させるように構成されている。
さらに、この第1制動部材17は、図2および図5に示すように、鍵盤蓋8の前蓋8aが天板6の下側に位置し、後蓋8bがほぼ垂直に起立した状態で、鍵盤蓋8が楽器ケース1内に収納された際に、コイル部17aの一端部17bと他端部17cとの開き角度が最も狭くなり、これに伴ってコイル部17aが最も捻じれてアーム部材16に最も強いばね力の負荷を付与し、鍵盤蓋8を閉じる方向つまり鍵盤蓋8の後蓋8bを押し上げる方向にばね力の負荷を付与するように構成されている。
また、この開閉装置10の第2制動部材18は、図4〜図6に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点から、アーム部材16の回転速度を減速させるための抵抗部材である。この第2制動部材18は、アーム部材16の長手方向におけるほぼ中間部に設けられたゴムなどの弾性材料からなる弾性突起部25と、この弾性突起部25の移動軌跡に対応する箇所における楽器ケース1の側板2の内面に設けられた傾斜溝部26とを有している。
この場合、傾斜溝部26は、図4および図5に示すように、アーム部材16の支持軸20を中心とする円弧状に形成され、鍵盤蓋8が開いて楽器ケース1内に収納された状態のときに、図7に示すように、アーム部材16の弾性突起部25が接触する接触圧が最も低く、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態のときに、図8に示すように、アーム部材16の弾性突起部25が接触する接触圧が最も高くなるように、緩やかに傾斜して形成されている。
すなわち、この傾斜溝部26は、図2および図5に示すように、鍵盤蓋8が開いてアーム部材16が最も下側に位置した状態のときに弾性突起部25が位置する箇所から、図1に示すように、鍵盤蓋8が閉じてアーム部材16が最も上側に位置した状態のときに弾性突起部25が位置する箇所までに亘って、半円弧状に形成されている。
また、この傾斜溝部26は、図1に示すように、鍵盤蓋8が閉じてアーム部材16が最も上側に位置した状態のときに弾性突起部25が位置する箇所から、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8の前蓋8aが開いて後蓋8bが楽器ケース1内に移動してアーム部材16がほぼ半分程度回転した中間位置付近状態のときに弾性突起部25が位置する箇所までの間の領域(図4に点線の斜線で示す領域)が、傾斜面26aに形成されている。
この傾斜面26aは、図7および図8に示すように、アーム部材16がほぼ半分程度回転した中間位置付近状態のときに弾性突起部25の位置する箇所が深く、鍵盤蓋8が閉じてアーム部材16が最も上側に位置した状態のときに弾性突起部25の位置する箇所が最も浅くなるように傾斜している。
また、この傾斜溝部26は、図4および図5に示すように、アーム部材16がほぼ半分程度回転した中間位置付近状態のときに弾性突起部25の位置する箇所から、アーム部材16が最も下側に位置した状態のときに弾性突起部25の位置する箇所までの領域が、深さの深い平坦面に形成されている。
これにより、第2制動部材18は、図3に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7のほぼ中間部の上方に移動した時点、つまりアーム部材16がほぼ半分程度回転して中間部付近に位置した時点から、弾性突起部25が傾斜溝部26の傾斜面26aに接触して接触圧が生じることにより、アーム部材16に摩擦抵抗による負荷を付与して、鍵盤蓋8の閉動作に対する制動を開始するように構成されている。
また、この第2制動部材18は、鍵盤蓋8が更に閉じる方向に移動してアーム部材16が更に反時計回りに回転する際に、弾性突起部25が傾斜溝部26の傾斜面26aに沿って移動することにより、傾斜面26aに対する弾性突起部25の接触圧が徐々に高くなり、これにより摩擦抵抗が徐々に増大し、この徐々に増大する摩擦抵抗による負荷をアーム部材16に付与するように構成されている。
さらに、この第2制動部材18は、図1に示すように、鍵盤蓋8の前蓋8aが鍵盤部7の前端部に位置して、前蓋8aと後蓋8bとが鍵盤部7を完全に覆った状態のときに、図8に示すように、傾斜面26aに対する弾性突起部25の接触圧が最も高くなり、これにより摩擦抵抗が最も高くなることにより、この最も高い摩擦抵抗による負荷をアーム部材16に付与するように構成されている。
次に、このような鍵盤蓋8の開閉装置10の作用について説明する。
鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態から開く際には、鍵盤蓋8の前蓋8aに設けられた取手部11を持ち上げて楽器ケース1の後部側に向けて移動させる。このときには、図1に示すように、第1制動部材17は鍵盤蓋8にほとんど負荷を付与していないが、図8に示すように、第2制動部材18の弾性突起部25が楽器ケース1の傾斜溝部26の傾斜面26aに接触する接触圧が高いので、鍵盤蓋8を移動させる際の移動力が重い。
このようにして、鍵盤蓋8が開く方向に移動する際には、図1および図3に示すように、前蓋8aの取手部11に設けられたガイド軸部13が楽器ケース1の側板2に設けられたガイド溝部12に沿ってガイドされながら移動すると共に、鍵盤蓋8の後蓋8bの取付板14に設けられた連結軸21の端部21aが楽器ケース1の側板2に設けられたガイドレール部22のガイド溝22aに沿ってガイドされながら移動する。このときには、連結軸21に回転可能に取り付けられたピニオンギア24がガイドレール部22に設けられたラックギア23に噛み合って回転移動する。
そして、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8が開く方向に移動すると、アーム部材16が支持軸20を中心に時計回りに回転し、第2制動部材18の弾性突起部25が傾斜溝部26の傾斜面26aに沿って徐々に下がる方向つまり深い方向に移動するので、傾斜溝部26の傾斜面26aに対する弾性突起部25の接触圧が徐々に小さくなり、これにより鍵盤蓋8を移動させる際の移動力が徐々に軽くなる。
また、このように鍵盤蓋8が開いて、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8の蝶番9がガイド支持部15上に移動すると、鍵盤蓋8の前蓋8aと後蓋8bとが蝶番9によって折れ曲がりながら移動し、この後蓋8bの後部が鍵盤部7の後方に移動する。これにより、アーム部材16が支持軸20を中心に時計回りにほぼ半分程度回転し、アーム部材16に第1制動部材17のばね力による負荷が付与されて、鍵盤蓋8の開動作に対する制動が開始される。このときには、第2制動部材18の弾性突起部25は、図7に示すように、傾斜溝部26の深い位置に移動するので、傾斜溝部26に対する弾性突起部25の接触圧がほとんど生じることがない。
そして、鍵盤蓋8が更に開く方向に移動して楽器ケース1内に収納される際には、図2および図5に示すように、アーム部材16が支持軸20を中心に時計回りに更に回転し、このアーム部材16の回転に伴って第1制動部材17のばね力が徐々に増大する。すなわち、アーム部材16が時計回りに回転すると、第1制動部材17の他端部17cがカバー部材19の取付ビス19aに当接した状態で、一端部17bがアーム部材16によって押されるので、第1制動部材17のコイル部17aが徐々に捻じれて圧縮される。これにより、コイル部17aのばね力が徐々に増大し、鍵盤蓋8の開く動作が制動される。
この状態で、鍵盤蓋8が楽器ケース1内に収納されて、図2および図5に示すように、鍵盤蓋8の前蓋8aが天板6の下側に位置し、後蓋8bがほぼ垂直に起立した際には、第1制動部材17のばね力による負荷がアーム部材16に最も強く付与される。このため、第1制動部材17のばね力が鍵盤蓋8を閉じる方向つまり鍵盤蓋8の後蓋8bを押し上げる方向に付勢されるので、鍵盤蓋8が勢いよく楽器ケース1内に収納されることがなく、鍵盤蓋8がゆっくり移動しながら楽器ケース1内に収納される。
一方、鍵盤蓋8を閉じる際には、図2および図5に示すように、第1制動部材17のばね力によって鍵盤蓋8が閉じる方向、つまり鍵盤蓋8の後蓋8bが押し上げられる方向に付勢されているので、軽い力で鍵盤蓋8の前蓋8aが引き出される。このときにも、図3および図4に示すように、前蓋8aの取手部11のガイド軸部13が楽器ケース1の側板2のガイド溝部12に沿ってガイドされながら移動する。
また、このときには、図3および図4に示すように、鍵盤蓋8の後蓋8bの取付板14の連結軸21の端部21aが楽器ケース1の側板2に設けられたガイドレール部22のガイド溝22aに沿ってガイドされながら移動すると共に、連結軸21に回転可能に取り付けられたピニオンギア24がガイドレール部22に設けられたラックギア23に噛み合って回転移動する。これにより、アーム部材16が鍵盤蓋8の後蓋8bの移動に伴って支持軸20を中心に反時計回りに回転する。
このように、鍵盤蓋8が閉じる方向に移動して、図3および図4に示すように、前蓋8aの前端部が鍵盤部7のほぼ中間部の上方に位置し、アーム部材16がほぼ半分程度回転して中間部付近に位置すると、鍵盤蓋8の後蓋8bに対する第1制動部材17のばね力による付勢力が徐々に低下して、ほとんどばね力による付勢力が後蓋8bに付与されなくなる。このときには、鍵盤蓋8の後蓋8bがガイドレール部22の上部側に位置し、この状態で鍵盤蓋8の前蓋8aのガイド軸部13が、前下がりに傾斜したガイド溝部12に沿って移動するので、鍵盤蓋8を軽い力で閉じる方向に移動させることができる。
そして、鍵盤蓋8が更に閉じる方向に移動すると、図3および図4に示すように、アーム部材16の回転動作が第2制動部材18によって制動される。すなわち、アーム部材16に設けられた第2制動部材18の弾性突起部25が、楽器ケース1の側板2に設けられた第2制動部材18の傾斜溝部26内の傾斜面26aに沿って深い方向から浅い方向に向けて移動するので、傾斜溝部26の傾斜面26aに対する弾性突起部25の接触圧が徐々に増大し、鍵盤蓋8の閉動作が制動される。
これにより、鍵盤蓋8はその閉じる速度が遅くなり、鍵盤蓋8を閉じる力が徐々に重くなる。このため、図1に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7上を完全に覆って閉じる際には、図8に示すように、第2制動部材18の弾性突起部25が傾斜溝部26の傾斜面26aに最も強く弾接する。これにより、鍵盤蓋8が完全に閉じる際には、鍵盤蓋8の閉じる速度が最も遅くなると共に、鍵盤蓋8を閉じる力も最も重くなる。これにより、鍵盤蓋8が急激に閉じることがなく、安全に且つゆっくり閉じることができる。
このように、この鍵盤蓋8の開閉装置10によれば、楽器ケース1に回転自在に取り付けられて鍵盤蓋8の開閉動作と共に回転するアーム部材16と、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、鍵盤蓋8の後部が鍵盤部7の後方に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の開動作を制動する第1制動部材17と、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点からアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8の閉動作を制動する第2制動部材18とを備えているので、簡単な構造で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋8を安全に且つ良好に開閉することができる。
すなわち、この鍵盤蓋8の開閉装置10では、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、第1制動部材17によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材18によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができる。
このため、この鍵盤蓋8の開閉装置10では、鍵盤蓋8を開く際、および鍵盤蓋8を閉じる際に、第1制動部材17と第2制動部材18とによる個別の制動部材によって、確実に且つ最適に鍵盤蓋8の開閉動作を制動することができ、これにより第1、第2の各制動部材17、18の構造が簡単で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋8を安全に且つ良好に開閉することができる。
この場合、第1制動部材17は、鍵盤蓋8を開く際に鍵盤蓋8の後部が鍵盤部7の後方に移動した時点から、鍵盤蓋8を閉じる方向に向けてアーム部材16にばね力である負荷を付勢する捻じりコイルばねであることにより、鍵盤蓋8を開いて楽器ケース1内に収納する際に、第1制動部材17のばね力によって鍵盤蓋8が急激に開くことがなく、鍵盤蓋8をゆっくり楽器ケース1内に収納することができ、また鍵盤蓋8を閉じる際に、第1制動部材17のばね力によって鍵盤蓋8を軽い力で引き出すことができ、これにより鍵盤蓋8の開閉操作性を向上させることができる。
すなわち、この第1制動部材17は、捻じりコイルばねのコイル部17aがアーム部材16を回転可能に支持する支持軸20に巻き付けられ、このコイル部17aの一端部17bがアーム部材16に弾接し、他端部17cが楽器ケース1に取り付けられたカバー部材19の取付ビス19aに当接して固定された構成であるから、鍵盤蓋8を開いて楽器ケース1内に収納する際に、コイル部17aの捻じれによるばね力によって鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋8を閉じる際にコイル部17aの捻じれに伴うばね復帰力によるばね力によって鍵盤蓋8が閉じる方向に付勢されているので、軽い力で鍵盤蓋8を閉じることができる。
また、この開閉装置10では、第2制動部材18が、鍵盤蓋8を閉じる際に鍵盤蓋8の前部を鍵盤部7の前部側に移動させた時点から、アーム部材16の回転速度を減速させる抵抗部材であることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材18の抵抗力によって鍵盤蓋8の閉じる力を重くして、鍵盤蓋8の閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
この場合、第2制動部材18は、アーム部材16に設けられた弾性突起部25と、この弾性突起部25の移動軌跡に対応する楽器ケース1の側板2に設けられて鍵盤蓋8の開状態側から鍵盤蓋8の閉状態側に向けて弾性突起部25の接触圧を徐々に高くする傾斜溝部26とを有していることにより、鍵盤蓋8を閉じる際に、確実に且つ良好に摩擦抵抗を付与することができる。
すなわち、この第2制動部材18は、鍵盤蓋8が鍵盤部7上を覆って閉じる際に、傾斜溝部26の傾斜面26aに対する弾性突起部25の接触圧が徐々に高くなるので、鍵盤蓋8の閉じる力を徐々に重くして、鍵盤蓋8の閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを確実に防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
また、この開閉装置10では、鍵盤蓋8が前蓋8aと後蓋8bとを有し、この前蓋8aと後蓋8bとが蝶番9によって折り曲げ可能に連結され、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態のときに前蓋8aと後蓋8bとが平板状に配列され、また鍵盤蓋8が鍵盤部7の上方を移動して開いた際に後蓋8bが蝶番9によって前蓋8aに対し折れ曲がりながら楽器ケース1内に収納されるので、鍵盤蓋8を楽器ケース1内に効率良く且つコンパクトに収納することができ、これにより楽器全体の小型化を図ることができる。
さらに、この開閉装置10では、鍵盤蓋8とアーム部材16とを回転自在に連結する連結軸21と、楽器ケース1に設けられて鍵盤蓋8の開閉動作に応じて連結軸21をガイドするガイドレール部22とを備えているので、開閉蓋8を開閉する際に、鍵盤蓋8が横振れすることなく、鍵盤蓋8を円滑に且つ良好にガイドすることができ、これにより鍵盤蓋8を安定した状態で開閉することができるので、鍵盤蓋8の開閉操作性を向上させることができる。
また、この開閉装置10では、鍵盤蓋8とアーム部材16とを連結する連結軸21に回転自在に取り付けられたピニオンギア24と、ガイドレール部22に設けられてピニオンギア24が噛み合って回転移動するラックギア23とを備えているので、開閉蓋8を開閉する際に、連結軸21がガイドレール部22に対して滑りを生じることがなく、ピニオンギア24をラックギア23に噛み合せて回転移動させることができ、これにより、より一層、安定した状態で円滑に且つ良好に開閉蓋8を開閉させることができる。
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、この発明を鍵盤楽器に適用した第2実施形態について説明する。なお、図1〜図9に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器における鍵盤蓋8の開閉装置30は、図10〜図12に示すように、第2制動部材31が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、この第2制動部材31は、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点、つまりアーム部材16がほぼ半分程度回転して中間部付近に位置した時点から、アーム部材16の回転速度を減速させる抵抗部材である。この抵抗部材である第2制動部材31は、アーム部材16に設けられたゴムなどの弾性材料からなる弾性突起部32と、この弾性突起部32の移動軌跡に対応する箇所に位置する楽器ケース1の側板2の内面に設けられて弾性突起部32が弾力的に順次乗り越える複数の制動突起部33とを有している。
この場合、楽器ケース1の側板2の内面には、図10〜図12に示すように、アーム部材16の支持軸20を中心とする円弧状に湾曲した溝部34が形成されている。この溝部34は、鍵盤蓋8が開いてアーム部材16が最も下側に位置した状態のときに弾性突起部32が位置する箇所から、鍵盤蓋8が閉じてアーム部材16が最も上側に位置した状態のときに弾性突起部32が位置する箇所までに亘って、半円弧状に形成されている。
この溝部34の内部には、図10に示すように、鍵盤蓋8が閉じてアーム部材16が最も上側に位置した状態のときに弾性突起部32が位置する箇所から、鍵盤蓋8の前蓋8aが開いて後蓋8bが楽器ケース1内に移動してアーム部材16がほぼ半分程度回転した中間位置付近状態のときに弾性突起部32が位置する箇所までの間の領域に、複数の制動突起部33が支持軸20を中心とする放射線状に形成されている。
この場合、溝部34内に複数の制動突起部33が設けられていない領域、つまり溝部34内におけるアーム部材16がほぼ半分程度回転した中間位置付近状態のときに弾性突起部32が位置する箇所から、アーム部材16が最も下側に位置した状態のときに弾性突起部32が位置する箇所までの間の領域は、図10に示すように、平坦面に形成されている。このため、この平坦面の領域には、制動突起部33が設けられていない。
これにより、第2制動部材31は、図10〜図12に示すように、鍵盤蓋8を閉じる際に鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7のほぼ中間部の上方に移動した時点、つまりアーム部材16がほぼ半分程度回転して中間部付近に位置した時点から、弾性突起部32が最初に制動突起部33を乗り越える抵抗力による負荷をアーム部材16に付与して、鍵盤蓋8の閉動作に対する制動を開始するように構成されている。
また、この第2制動部材31は、図1に示したように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前蓋8aが鍵盤部7の前端部に位置した状態のときに、弾性突起部32が複数の制動突起部33を順次乗り越えることによるそれぞれの抵抗力による負荷をアーム部材16に繰り返して付与し、これにより鍵盤蓋8の閉動作を制動するように構成されている。
このような鍵盤蓋8の開閉装置30によれば、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、第1制動部材17によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材31によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができる。
このため、この鍵盤蓋8の開閉装置30においても、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開く際、および鍵盤蓋8を閉じる際に、第1制動部材17と第2制動部材31とによる個別の制動部材によって、確実に且つ最適に鍵盤蓋8の開閉動作を制動することができ、これにより第1、第2の各制動部材17、31の構造が簡単で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋8を安全に且つ良好に開閉することができる。
この場合、第2制動部材31は、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、鍵盤蓋8の前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点から、アーム部材16の回転速度を減速させる抵抗部材であることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材31の抵抗力によって鍵盤蓋8の閉じる力を重くして、鍵盤蓋8の閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを確実に防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
すなわち、この第2制動部材31は、アーム部材16に設けられた弾性突起部32と、この弾性突起部32の移動軌跡に対応する箇所に位置する楽器ケース1の側板2に設けられて弾性突起部32が弾力的に順次乗り越える複数の制動突起部33とを有していることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7上を覆って閉じる際に、弾性突起部32が複数の制動突起部33を弾力的に順次乗り越えることによる抵抗力を繰り返し鍵盤蓋8に付与して、鍵盤蓋8の閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを確実に防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
なお、上述した第1、第2の各実施形態では、第2制動部材18、31の弾性突起部25、32がゴムなどの弾性材料で形成されている場合について述べたが、これに限らず、例えば図13に示す変形例のように弾性突起部36を構成しても良い。すなわち、この変形例の弾性突起部36は、アーム部材16に設けられたばね部材37と、このばね部材37に取り付けられたキャップ部38とを備えた構成である。
このように弾性突起部36を構成すれば、ばね部材37のばね力によってキャップ部38を傾斜溝部26または制動突起部33に弾力的に押し付ける際に、ばね部材37のばね力を調整することにより、キャップ部38の接触圧を最適な状態に調整することができるので、上述した第1、第2の各実施形態よりも、良好に鍵盤蓋8の開閉動作を制動することができる。
また、上述した第1、第2の各実施形態およびその変形例では、第2制動部材18、31が、アーム部材16に設けられた弾性突起部25、32、36と、楽器ケース1の側板2に設けられた傾斜溝部26または複数の制動突起部33とを備えた構成である場合について述べたが、これに限らず、例えばアーム部材16に弾性変形しない突起部を設け、この突起部の移動軌跡上に対応する箇所に位置する楽器ケース1の側板2に板ばねを設け、この板ばねのばね力によってアーム部材16の突起部に対する接触圧をアーム部材16の回転動作に応じて変化させるように構成しても良い。
(第3実施形態)
次に、図14および図15を参照して、この発明を鍵盤楽器に適用した第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器における鍵盤蓋8の開閉装置40は、図14および図15に示すように、第2制動部材41が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
この第2制動部材41は、図14に示すように、鍵盤蓋8を閉じる際に前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を付勢する付勢部材である。この付勢部材である第2制動部材41は、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16の先端部に設けられた連結軸21を弾力的に付勢するコイルばねであり、ガイドレール部22のガイド溝22a内に配置されている。
すなわち、この第2制動部材41は、図14および図15に示すように、ガイドレール部22のガイド溝22a内における上端部側に位置する箇所に配置されている。これにより、第2制動部材41は、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、アーム部材16の連結軸21が弾接してコイルばねを徐々に圧縮させ、この圧縮されたコイルばねのばね力による負荷をアーム部材16に付与することにより、アーム部材16の反時計回り方向の回転力を徐々に重くして、アーム部材16の反時計回り方向の回転速度を遅くするように構成されている。
また、この第2制動部材41は、図14および図15に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態から開く際に、圧縮されたコイルばねのばね復帰力によるばね力によって、アーム部材16の連結軸21を鍵盤蓋8の開く方向に向けて付勢し、アーム部材16が支持軸20を中心に時計回り方向に付勢することにより、軽い力で鍵盤蓋8を開く方向に移動させるように構成されている。
このような鍵盤蓋8の開閉装置40によれば、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、第1制動部材17によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材41によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができる。
このため、この鍵盤蓋8の開閉装置40においても、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開く際、および鍵盤蓋8を閉じる際に、第1制動部材17と第2制動部材41とによる個別の制動部材によって、確実に且つ最適に鍵盤蓋8の開閉動作を制動することができ、これにより第1、第2の各制動部材17、41の構造が簡単で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋8を安全に且つ良好に開閉することができる。
この場合、第2制動部材41は、鍵盤蓋8の前部を鍵盤部7の前部側に移動させた状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を付勢する付勢部材であることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材41の付勢力によって鍵盤蓋8の閉じる力を重くして、鍵盤蓋8が閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
すなわち、この第2制動部材41は、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16の先端部の連結軸21を弾力的に付勢するコイルばねであることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、アーム部材16の連結軸21が弾接してコイルばねを徐々に圧縮させ、この圧縮されるコイルばねのばね力による負荷をアーム部材16に弾力的に付与することができ、これによりアーム部材16の回転力を徐々に重くして、アーム部材16の回転速度を遅くすることができる。
また、この第2制動部材41では、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態から開く際に、圧縮されたコイルばねのばね復帰力によるばね力によってアーム部材16の連結軸21を鍵盤蓋8の開く方向に向けて付勢することができるので、支持軸20を中心に軽い力でアーム部材16を時計回り方向に回転させることができると共に、軽い力で鍵盤蓋8を開く方向に移動させることができ、これにより鍵盤蓋8を開く方向に円滑に且つ良好に移動させることができるので、鍵盤蓋8の開閉操作性を向上させることができる。
なお、上述した第3実施形態では、第2制動部材41としてコイルばねを用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、アーム部材16の連結軸21が位置する箇所におけるガイドレール部22のガイド溝22a内にゴムやエラストマーあるいはスポンジなどの弾性部材を配置した構成であっても良い。このように第2制動部材41を弾性部材で構成しても、上述した第3実施形態とほぼ同様の作用効果がある。
(第4実施形態)
次に、図16および図17を参照して、この発明を鍵盤楽器に適用した第4実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器における鍵盤蓋8の開閉装置50は、図16および図17に示すように、第2制動部材51が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構成になっている。
この第2制動部材51は、図16および図17に示すように、鍵盤蓋8を閉じる際に前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した時点から、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を付勢する付勢部材である。この付勢部材である第2制動部材51は、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を弾力的に回転させる捻じりコイルばねである。
すなわち、この第2制動部材51は、図16および図17に示すように、楽器ケース1の側板2に設けられたカバー部材19に取り付けられた取付柱52に巻き付けられたコイル部53を備え、このコイル部53の一端部53aがアーム部材16に弾接し、コイル部53の他端部53bがカバー部材19に当接して固定されていることにより、支持軸20を中心にアーム部材16を時計回り方向に付勢するように構成されている。
これにより、第2制動部材51は、図16および図17に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、コイル部53がアーム部材16の回転に伴って徐々に捻じれて圧縮され、このコイル部53の捻じれによるばね力の負荷をアーム部材16に付与することにより、アーム部材16の反時計回り方向(つまり鍵盤蓋8が閉じる方向)の回転力を徐々に重くして、アーム部材16の反時計回り方向の回転速度を遅くするように構成されている。
また、この第2制動部材51は、図16および図17に示すように、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態から開く際に、捻じれて圧縮されたコイル部53のばね復帰力によるばね力によって、鍵盤蓋8の開く方向に向けてアーム部材16を付勢し、支持軸20を中心にアーム部材16を時計回り方向に付勢することにより、軽い力で鍵盤蓋8を開く方向に移動させるように構成されている。
このような鍵盤蓋8の開閉装置50によれば、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開いて鍵盤部7を露出させる際に、第1制動部材17によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができ、また鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材51によってアーム部材16に負荷を付与して鍵盤蓋8を確実に且つ良好に制動することができる。
このため、この鍵盤蓋8の開閉装置50においても、第1実施形態と同様、鍵盤蓋8を開く際、および鍵盤蓋8を閉じる際に、第1制動部材17と第2制動部材51とによる個別の制動部材によって、確実に且つ最適に鍵盤蓋8の開閉動作を制動することができ、これにより第1、第2の各制動部材17、51の構造が簡単で、装置全体の低価格を図ることができると共に、鍵盤蓋8を安全に且つ良好に開閉することができる。
この場合、第2制動部材51は、鍵盤蓋8の前部を鍵盤部7の前部側に移動させた状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を付勢する付勢部材であることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、第2制動部材51の付勢力によって鍵盤蓋8の閉じる力を重くして、鍵盤蓋8が閉じる速度を遅くすることができ、これにより鍵盤蓋8が急激に閉じるのを確実に防ぐことができるので、安全に且つ良好に鍵盤蓋8を閉じることができる。
すなわち、この第2制動部材51は、鍵盤蓋8の前蓋8aの前部が鍵盤部7の前部側に移動した状態のときに、鍵盤蓋8を開く方向に向けてアーム部材16を弾力的に付勢する捻じりコイルばねであることにより、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、アーム部材16の回転に伴ってコイル部53が徐々に捻じれて圧縮され、この圧縮されるコイル部53のばね力による負荷をアーム部材16に付与することができ、これによりアーム部材16の回転力を徐々に重くして鍵盤蓋8の閉動作を重くすることができると共に、アーム部材16の回転速度を遅くて鍵盤蓋8の閉動作を遅くすることができる。
また、この第2制動部材51では、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じた状態から開く際に、捻じれて圧縮されたコイル部53のばね復帰力によるばね力によって、アーム部材16を鍵盤蓋8の開く方向に向けて付勢することができるので、支持軸20を中心にアーム部材16が時計回り方向に回転して鍵盤蓋8が開く際に、軽い力で鍵盤蓋8を開く方向に移動させることができ、これにより鍵盤蓋8を円滑に且つ良好に開くことができるので、鍵盤蓋8の開閉操作性を向上させることができる。
なお、上述した第4実施形態では、第2制動部材51として捻じりコイルばねを用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば一端がアーム部材16に弾接し、他端がカバー部材19に固定され、鍵盤蓋8が鍵盤部7を覆って閉じる際に、アーム部材16を時計回り方向に付勢する板ばねであっても良い。このように第2制動部材として板ばねを用いても、上述した第4実施形態とほぼ同様の作用効果がある。
また、上述した第1〜第4実施形態およびその各変形例では、鍵盤蓋8が前蓋8aと後蓋8bとを備え、この前蓋8aと後蓋8bとを蝶番9で折り曲がり可能に連結した構成である場合について述べたが、これに限らず、3枚以上の蓋部に分割してそれぞれ蝶番9で折り曲がり可能に連結した構成の鍵盤蓋であっても良く、また1枚の板で鍵盤蓋を形成した構成であっても良い。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、鍵盤部を備えた楽器ケースに取り付けられて前記鍵盤部を開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、前記楽器ケースに回転可能に取り付けられて前記鍵盤蓋の開閉動作と共に回転するアーム部材と、前記鍵盤蓋を開いて前記鍵盤部を露出させる際に、前記鍵盤蓋の後部が前記鍵盤部の後方に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の開動作を制動する第1制動部材と、前記鍵盤蓋が前記鍵盤部を覆って閉じる際に、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の閉動作を制動する第2制動部材とを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第1制動部材は、前記鍵盤蓋を開く際に前記鍵盤蓋の後部が前記鍵盤部の後方に移動した時点から、前記鍵盤蓋を閉じる方向に向けて前記アーム部材を付勢するばね部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋を閉じる際に前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から、前記アーム部材の回転速度を減速させる抵抗部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記抵抗部材である前記第2制動部材は、前記アーム部材に設けられた弾性突起部と、この弾性突起部の移動軌跡に対応する箇所に位置する前記楽器ケースに設けられて前記鍵盤蓋の開状態側から前記鍵盤蓋の閉状態側に向けて前記弾性突起部に対する接触圧を次第に高くする傾斜部とを有していることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記抵抗部材である前記第2制動部材は、前記アーム部材に設けられた弾性突起部と、この弾性突起部の移動軌跡に対応する箇所に位置する前記楽器ケースに設けられて前記弾性突起部が弾力的に順次乗り越える複数の制動突起部とを有していることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋を閉じる際に前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を付勢する付勢部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記付勢部材である前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した状態のときに、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を弾力的に付勢する弾性部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記付勢部材である前記第2制動部材は、一端部が前記楽器ケースに対して固定され、他端部が前記アーム部材に弾接し、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した状態のときに、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を弾力的に付勢するばね部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記鍵盤蓋は、複数の蓋部が折れ曲がり可能に連結され、前記鍵盤部を覆って閉じた状態のときに前記複数の蓋部が平板状に配列され、前記鍵盤部の上方を移動して開く際に前記複数の蓋部が折れ曲がりながら前記楽器ケース内に収納されることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記鍵盤蓋と前記アーム部材とを回転自在に連結する連結軸と、前記楽器ケースに設けられて前記鍵盤蓋の開閉動作に応じて前記連結軸をガイドするガイドレール部とを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記連結軸に回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ガイドレール部に設けられて前記ピニオンギアが噛み合って回転移動するラックギアとを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置である。
1 楽器ケース
7 鍵盤部
8 鍵盤蓋
8a 前蓋
8b 後蓋
9 蝶番
10、30、40、50 開閉装置
16 アーム部材
17 第1制動部材
17a コイル部
17b コイル部の一端部
17c コイル部の他端部
18、31、41、51 第2制動部材
20 支持軸
21 連結軸
22 ガイドレール部
22a ガイド溝
23 ラックギア
24 ピニオンギア
25、32、36 弾性突起部
26 傾斜溝部
26a 傾斜面
33 制動突起部
53 コイル部
53a コイル部の一端部
53b コイル部の他端部

Claims (11)

  1. 鍵盤部を備えた楽器ケースに取り付けられて前記鍵盤部を開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
    前記楽器ケースに回転可能に取り付けられて前記鍵盤蓋の開閉動作と共に回転するアーム部材と、
    前記鍵盤蓋を開いて前記鍵盤部を露出させる際に、前記鍵盤蓋の後部が前記鍵盤部の後方に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の開動作を制動する第1制動部材と、
    前記鍵盤蓋が前記鍵盤部を覆って閉じる際に、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から前記アーム部材に負荷を付与して前記鍵盤蓋の閉動作を制動する第2制動部材と
    を備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  2. 請求項1に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第1制動部材は、前記鍵盤蓋を開く際に前記鍵盤蓋の後部が前記鍵盤部の後方に移動した時点から、前記鍵盤蓋を閉じる方向に向けて前記アーム部材を付勢するばね部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋を閉じる際に前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から、前記アーム部材の回転速度を減速させる抵抗部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  4. 請求項3に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記抵抗部材である前記第2制動部材は、前記アーム部材に設けられた弾性突起部と、この弾性突起部の移動軌跡に対応する箇所に位置する前記楽器ケースに設けられて前記鍵盤蓋の開状態側から前記鍵盤蓋の閉状態側に向けて前記弾性突起部に対する接触圧を次第に高くする傾斜部とを有していることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  5. 請求項3に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記抵抗部材である前記第2制動部材は、前記アーム部材に設けられた弾性突起部と、この弾性突起部の移動軌跡に対応する箇所に位置する前記楽器ケースに設けられて前記弾性突起部が弾力的に順次乗り越える複数の制動突起部とを有していることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋を閉じる際に前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した時点から、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を付勢する付勢部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  7. 請求項6に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記付勢部材である前記第2制動部材は、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した状態のときに、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を弾力的に付勢する弾性部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  8. 請求項6に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記付勢部材である前記第2制動部材は、一端部が前記楽器ケースに対して固定され、他端部が前記アーム部材に弾接し、前記鍵盤蓋の前部が前記鍵盤部の前部側に移動した状態のときに、前記鍵盤蓋を開く方向に向けて前記アーム部材を弾力的に付勢するばね部材であることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記鍵盤蓋は、複数の蓋部が折れ曲がり可能に連結され、前記鍵盤部を覆って閉じた状態のときに前記複数の蓋部が平板状に配列され、前記鍵盤部の上方を移動して開く際に前記複数の蓋部が折れ曲がりながら前記楽器ケース内に収納されることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記鍵盤蓋と前記アーム部材とを回転自在に連結する連結軸と、前記楽器ケースに設けられて前記鍵盤蓋の開閉動作に応じて前記連結軸をガイドするガイドレール部とを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  11. 請求項10に記載の鍵盤蓋の開閉装置において、前記連結軸に回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ガイドレール部に設けられて前記ピニオンギアが噛み合って回転移動するラックギアとを備えていることを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。

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