JP2013151750A - アルミニウム合金導体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐屈曲疲労特性に優れたアルミニウム合金導体とその製造方法を提供する。
【解決手段】Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体とその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気配線体の導体として用いられるアルミニウム合金導体およびその製造方法に関する。
従来、自動車、電車、航空機等の移動体の電気配線体として、ワイヤハーネスと呼ばれる銅または銅合金の導体を含む電線に銅または銅合金(例えば、黄銅)製の端子(コネクタ)を装着した部材が用いられていたが、近年の移動体の軽量化の中で、電気配線体の導体として、銅又は銅合金より軽量なアルミニウム又はアルミニウム合金を用いる検討が進められている。
アルミニウムの比重は銅の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)であり、純アルミニウムの導体線材に純銅の導体線材と同じ電流を流すためには、純アルミニウムの導体線材の断面積を純銅の導体線材の約1.5倍にする必要があるが、それでも質量では銅に比べて約半分となるので、有利な点がある。
なお、上記の%IACSとは、万国標準軟銅(International Annealed Copper Standard)の抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%IACSとした場合の導電率を表したものである。
そのアルミニウムを移動体の電気配線体の導体として用いるためには幾つかの課題がありそのひとつに耐屈曲疲労特性の向上がある。移動体の電気配線体に使用されるアルミニウム導体に耐屈曲疲労特性が要求されるのは、ドアなどに取り付けられたワイヤハーネスではドアの開閉により繰り返し曲げ応力を受けるためである。アルミニウムなどの金属材料は、一回の負荷では破断しないような低い荷重でもドアの開閉のように荷重を加えたり除いたりを繰り返し行なうと、ある繰り返し回数で破断する疲労破壊が生じる。前記アルミニウム導体が開閉部に用いられたとき、耐屈曲疲労特性が悪いとその使用中に導体が破断することが懸念され、耐久性、信頼性に欠けるという問題を生ずる。
一般に強度の高い材料ほど疲労特性は良好と言われている。そこで、強度の高いアルミニウム線材を適用すればよいが、ワイヤハーネスはその設置時の取り回し(車体への取り付け作業)がしやすいことが要求されているために、一般的には伸びが10%以上確保できる鈍し材(焼鈍材)が使われていることが多い。
よって、移動体の電気配線体に使用されるアルミニウム導体には、取扱い及び取り付け時に必要となる強度、及び電気を多く流すために必要となる導電率に加えて、耐屈曲疲労特性の優れた材料が求められている。
このような要求のある用途に対して、送電線用アルミニウム合金線材(JIS A1060やJIS A1070)を代表とする純アルミニウム系では、ドアなどの開閉で生じる繰り返し曲げ応力に十分耐えることはできない。また、種々の添加元素を加えた合金化した材料は強度には優れるものの、アルミニウム中への添加元素の固溶現象により導電率の低下を招くこと、アルミニウム中に過剰な金属間化合物を形成することで伸線加工中に断線を引き起こす場合があることが問題であった。そのため、添加元素を限定、選択して導電率低下及び加工性劣化を防ぎ、強度及び耐屈曲疲労特性を向上する必要があった。
移動体の電気配線体に用いられるアルミニウム導体として代表的なものに特許文献1〜3に記載のものがある。しかし下記のように、いずれの特許文献記載の発明も、さらに解決すべき課題を有する。
特許文献1に記載されている電線導体は、引張強度が高すぎであり、車体への取り付け作業がしにくくなることがある。
特許文献2に具体的に記載されているアルミ導電線では、仕上げ焼鈍を行なっていない。またCuが含まれていないため、伸びが低く、車体での取り付け作業にはさらに柔軟性が高いものが要望される。
特許文献3には軽量、柔軟かつ屈曲性に優れたアルミニウム導電線が開示されているが、移動体の電気配線体への特性改善の要求は強まるばかりであり、さらなる特性の向上が望まれている。
特開2008−112620号公報 特開2006−19163号公報 特開2006−253109号公報
本発明は、耐屈曲疲労特性などに優れたアルミニウム合金導体とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは種々の検討を重ね、要求される耐屈曲疲労特性を満足するものとして、アルミニウム合金導体に含まれる成分、ならびに前記導体の鋳造冷却速度や仕上げ焼鈍条件などの製造工程を制御することにより、添加元素の効果を利用し、前記導体の結晶粒径を最適化することで、前記特性を改善し得ることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の解決手段を提供するものである。
(1)Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体。
(2)Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、Fe0.01mass%〜1.0mass%と、Mg0.1〜0.35mass%とを含有し、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体。
(3)(1)項に記載のアルミニウム合金導体に、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含むアルミニウム合金導体。
(4)Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の含有量の総量(W1)と、Zrの含有量(W2)の質量比が、0.6〜2.6であることを特徴とする(2)または(3)項に記載のアルミニウム合金導体。
(5)前記導体が移動体内で、バッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用線材として用いられることを特徴とする(15)〜(18)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(6)前記導体が車両、電車、または航空機に用いられることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金組成を与えるアルミニウム合金成分を溶解後、連続鋳造圧延を施して粗棒材とし、冷間線引き加工して荒引き線材とし、熱処理を施し、伸線加工を行って線材とし、さらに焼鈍熱処理を行う工程を有してなる(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体を製造する方法であって、前記連続鋳造圧延を、鋳造冷却速度が1〜20℃/秒の条件で行い、前記冷間線引き加工を、加工前の線材断面積をA、加工後の線材断面積をAとして、η=ln(A/A)で表される加工度が1以上6以下の条件で行い、前記熱処理を、温度300〜450℃で10分〜6時間の条件で行い、前記伸線加工を、加工度が1以上6以下で伸線速度が500〜2000m/分の条件で行い、前記焼鈍熱処理を、急熱、急冷の工程を含む連続熱処理であって、下記<1>または<2>のいずれかを施すことによって行うことを特徴とするアルミニウム合金導体の製造方法:
<1>線材温度y(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
0.03≦x≦0.55、かつ
26x−0.6+377≦y≦23.5x−0.6+423
の関係を満たす連続通電熱処理;または
<2>焼鈍炉温度z(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
1.5≦x≦5、かつ
−50x+550≦z≦−36x+650
の関係を満たす連続走間熱処理。
本発明のアルミニウム合金導体は強度、及び導電率に優れ、移動体に搭載されるバッテリーケーブル、ハーネスあるいはモータ用導体として有用なもので、優れた耐屈曲疲労特性が求められるドアやトランク、ボンネットなどにも好適に用いることができる。
さらに、本発明のアルミニウム合金導体は、高温(例えば120℃)に曝されても屈曲疲労特性が低下しない優れたものであり、耐食性に優れるものである。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、実施例の繰返破断回数試験の説明図である。
次に、本発明について説明する。
本発明は、Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体である。ここで、このアルミニウム合金導体の合金組成における不可避不純物としては、JISH2110(電気用アルミニウム合金地金)に開示されており、Fe0.25mass%以下、Si0.1mass%以下、Cu0.005mass%以下、Mn0.005mass%以下、Ti+V0.005mass%以下が挙げられる。
また、実際に工業的に製造される地金中の不可避的不純物は、一般に、Fe0.05〜0.15mass%、Si0.04〜0.1mass%の範囲にある。なお、FeやSiの含有量が0.01mass%を下回るものは、一般に高純度アルミニウムとして取り扱われるが、高純度アルミニウムそのものは、FeやSiの含有量が低いため、この好ましい範囲には含まれない。
また、このアルミニウム合金導体の合金組成は、Mg0.1〜0.35mass%を含有していてもよい。また、Feは、前記不可避不純物の含有量を超えて、1.0mass%以下の量で含有してもよい。
耐屈曲疲労特性を向上させるためには、Cuが第二相粒子を形成せずに、アルミニウム中に固溶した状態とすることである。しかし、CuはAlと第二相粒子を容易に形成しやすく、この第二相粒子の形成量は、添加するCu量の増加と共に増え、形成された第二相粒子は、屈曲疲労特性に劣化をもたらす。
Cuを0.1〜1mass%としたのは、0.1mass%未満では、固溶量が少ないため耐屈曲疲労特性が良くないためであり、1mass%以上になると、以下に示す特定の製造方法においても、CuとAlの第二相粒子の形成を阻止することができず、その粒子が介在した腐食性が顕著となって耐食性が劣ると共に、その粒子により耐屈曲疲労特性の低下を招くことがあるためである。
ところで、Sn、CdおよびInは、アルミニウム合金中の空孔を捕獲する作用を有しており、すなわち空孔を伴って進行する拡散作用を抑制する、あるいは遅延する働きがあり、それによりAlとCuを成分とする第二相粒子の生成を抑制する。その結果、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の添加により、耐屈曲疲労特性をより向上させることができる。
Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の含有量を、総量で0.01〜0.5mass%とするのは、0.01mass%未満では、第二相粒子生成の抑止効果が無く、0.5mass%を超えると生成を抑止する効果が飽和するとともに伸びが低下し、また、この総量が多すぎると、伸線加工時に割れを生じやすくなり工業的な製造が成り立たないためである。
しかし、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の添加による、第二相粒子の生成を抑制する効果は、100℃以下の低温では顕著であるが、100℃を超える高温で、温度が高いほど、抑制の効果が現れなくなり、析出粒子が生成されることがある。そこで、さらにZrを添加することにより、析出抑制効果が消失してしまう現象をキャンセルすることができる。Zrは、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と共に添加することにより、100℃を超える高温においても、Al、Cuを成分とする第二相粒子の生成を抑制する効果を有している。Zrの添加量を0.001〜0.1mass%とするのは、0.001mass%未満では、その効果が不十分であり、0.1mass%を超えると、Al−Zr系の第二相粒子の生成量が多大となって、耐屈曲疲労特性を低下させるためである。
Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の含有量の総量(W1)と、Zrの含有量(W2)の質量比(W1/W2)において、より好ましい範囲は、0.6〜2.6である。この範囲において、100℃を超える高温においても、Al、Cuを成分とする第二相粒子の生成をより抑制する効果を有する。
本発明のアルミニウム合金導体によれば、上記の成分以外に製造方法を厳密に制御することにより、所望の優れた耐屈曲疲労特性、強度、及び導電率を具備したアルミニウム合金導体を得ることができる。
(引張強度)
本発明のアルミニウム合金導体の引張強度は120MPa以上である。これは、引張強度が120MPa未満では取り扱いを含めて強度不足であり、工業用導体として使用することが難しいためである。引張強度は好ましくは120〜160MPaであり、さらに好ましくは120〜150MPaである。
(導電率)
本発明のアルミニウム合金導体の導電率は52%IACS以上である。本来、導電率が57%IACS未満では、動力線に用いる場合では数十A(アンペア)の高電流が流れるため、電流ロスが激しくなる懸念があるため、好ましくは57〜62%IACS導電率である。しかし、例えば移動体内のバッテリーケーブルやワイヤハーネス等の通信線への適用に際しては、この57%IACS以上の範囲に限るものではなく、前記52%IACS以上であればよい。
(耐屈曲疲労特性)
本発明のアルミニウム合金導体は、優れた耐屈曲疲労特性を有する。耐屈曲疲労特性の基準として、ひずみ振幅±0.17%で試験を行う。耐屈曲疲労特性はひずみ振幅によって変化する。ひずみ振幅が大きい場合疲労寿命は短くなり、ひずみ振幅が小さい場合疲労寿命は長くなる。ひずみ振幅は図1記載の線材(アルミニウム合金導体)1の線径と曲げ冶具2、3の曲率半径により決定することができるため、線材1の線径と曲げ冶具2、3の曲率半径は任意に設定して屈曲疲労試験を実施することが可能である。
次に、1日あたりの開閉回数を10回とし20年間の使用を想定した場合、開閉回数は73000回となる(1年365日として計算)。実際に使用される電線は単線ではなく、撚り線構造となり、さらに被覆処理がされているために電線導体への負担は数分の一となる。単線での評価値として十分な耐屈曲疲労特性が確保できる80000回以上の繰返破断回数が望ましいとし、表1に記載した。より好ましくは100000回以上であり、さらに好ましくは150000回以上である。また、自動車用途では、過酷な使用環境下、電線は高温に曝されることがある。一般に、10年の使用を想定した場合、120℃の高温にて120時間曝す加速試験が適用される。よって、120℃、120時間の放置後にも、80000回以上の繰返し破断回数であることが好ましく、90000回以上の繰返し破断回数であることがより好ましい。
(製造方法)
次に、本発明のアルミニウム合金導体の製造方法について説明する。
本発明のアルミニウム合金導体は、[1]溶解、[2]鋳造、[3]熱間または冷間加工(溝ロール加工など)、[4]伸線加工、[5]熱処理(中間焼鈍)、[6]伸線加工、[7]熱処理(仕上げ焼鈍)の各工程を経て、所定の製造条件で製造することができる。
溶解は、前述のアルミニウム合金組成の合金成分をそれぞれの実施態様の濃度となるような分量で溶製する。
次いで、鋳造輪とベルトを組み合わせたプロペルチ式の連続鋳造圧延機を用いて、溶湯を水冷した鋳型で連続的に鋳造しながら圧延を行ない、約10mmφの粗棒材とする。このときの鋳造冷却速度は1〜20℃/秒である。鋳造及び熱間圧延は、ビレット鋳造、及び押出法などにより行なってもよい。
次いで、表面の皮むきを実施して、9〜9.5mmφとし、これを伸線加工して荒引き線材とする。加工度は、1以上6以下である。ここで加工度ηは、伸線加工前の線材断面積をA、伸線加工後の線材断面積をAとすると、η=ln(A/A)で表される。このときの加工度が小さすぎると、次工程の熱処理時、再結晶粒が粗大化し強度及び伸びが著しく低下し、断線の原因にもなることがある。大きすぎると、伸線加工が困難となり、伸線加工中に断線するなど品質の面で問題を生ずることがある。表面の皮むきは、行なうことによって表面の清浄化がなされるが、行なわなくてもよい。
冷間伸線した荒引き線材に中間焼鈍を施す。中間焼鈍は主に伸線加工で硬くなった線材の柔軟性を取り戻すために行なう。中間焼鈍温度が高すぎても低すぎても、後の伸線加工で断線を起し、線材が得られなくなる。中間焼鈍温度は300〜450℃、好ましくは350〜450℃である。中間焼鈍の時間は、10分以上6時間以下とする。10分未満であると、再結晶粒形成及び成長に必要な時間が足りず、線材の柔軟性を取り戻すことができないためである。好ましくは1〜6時間である。また、中間焼鈍時の熱処理温度から100℃までの平均冷却速度は特に規定しないが、0.1〜10℃/分が望ましい。
さらに伸線加工を施して線材とする。上記のような再結晶集合組織を得るため、この際の加工度(連続熱処理前の加工度)を1以上6以下とする。加工度は再結晶粒形成及び成長に多大に影響を及ぼす。加工度が小さすぎると、次工程の熱処理時、再結晶粒が粗大化し強度及び伸びが著しく低下し、断線の原因になる場合がある。また、再結晶粒界が移動するための駆動力が不十分で目的の再結晶集合組織を形成できない場合がある。大きすぎると、伸線加工が困難となり、伸線加工中に断線するなど品質の面で問題を生ずることがある。加工度は好ましくは2以上6以下である。
また、伸線速度は目的の再結晶集合組織を得るために制御する。伸線速度は、500〜2000m/分とする。伸線速度が500m/分未満では次工程の仕上げ焼鈍時に目的の再結晶集合組織を得ることができない場合がある。伸線速度が2000m/分超では、線材に負荷される摩擦力が大きく、次工程の仕上げ焼鈍時に目的の再結晶集合組織を得ることができない場合があるばかりか、伸線加工中に断線するなど品質の面で問題を生ずることがある。伸線速度は、好ましくは800〜1800m/分である。
冷間伸線した所定線径の線材に、バッチ式熱処理又は連続熱処理により仕上げ焼鈍を行ない、アルミニウム合金導体を得る。
仕上げ焼鈍としてのバッチ式熱処理の条件は、以下の通りである。
バッチ式焼鈍炉による仕上げ焼鈍の条件は、温度は300〜450℃である。300℃未満であると、未再結晶粒が残存して、柔軟性が十分に確保できないためである。また、450℃を超えると粗大な再結晶粒が形成され、引張強度、伸びが著しく低下するためである。時間は10分〜6時間である。10分未満であると、未再結晶粒が残存して、柔軟性が十分に確保できないためである。また、6時間を超えると熱処理温度によっては粗大な再結晶粒が形成され、引張強度、伸びが著しく低下するためである。生産性の点からも6時間を越えると良くない。仕上げ焼鈍の条件は、好ましくは300〜450℃、30分〜4時間である。
仕上げ焼鈍の内、連続熱処理は、連続通電熱処理、連続走間熱処理の2つの方法のいずれかで行うことができる。
連続通電熱処理は、2つの電極輪を連続的に通過する線材に電流を流すことによって自身から発生するジュール熱により焼鈍するものである。急熱、急冷の工程を含み、線材温度と焼鈍時間で制御し線材を焼鈍することができる。冷却は、急熱後、水中または窒素ガス雰囲気中に線材を連続的に通過させることによって行なう。線材温度が低すぎるかまたは焼鈍時間が短すぎるかの一方または両方の場合は車載取り付け等の際に必要な柔軟性が得られず、一方、線材温度が高すぎるかまたは焼鈍時間が長すぎるかの一方または両方の場合は、過焼鈍により結晶方位が過剰に回転してしまい、目的の再結晶集合組織が得られず、さらには耐屈曲疲労特性も悪くなる。よって、以下の関係を満たす条件で行うと上記の所望の再結晶集合組織とすることができる。
連続通電熱処理においては線材温度をy(℃)、焼鈍時間をx(秒)とすると、
0.03≦x≦0.55、かつ
26x−0.6+377≦y≦23.5x−0.6+423
を満たすように行う。
なお、線材温度y(℃)は、線材として温度が最も高くなる、冷却工程に通過する直前の温度を表す。y(℃)は通常414〜616(℃)の範囲内である。
連続走間熱処理は、高温に保持した焼鈍炉中を線材が連続的に通過して焼鈍させるものである。急熱、急冷の工程を含み、焼鈍炉温度と焼鈍時間で制御し線材を焼鈍することができる。冷却は、急熱後、水中または窒素ガス雰囲気中に線材を連続的に通過させることによって行なう。焼鈍炉温度が低すぎるかまたは焼鈍時間が短すぎるかの一方または両方の場合は車載取り付け等の際に必要な柔軟性が得られず、一方、焼鈍炉温度が高すぎるかまたは焼鈍時間が長すぎるかの一方または両方の場合は、過焼鈍により結晶方位が過剰に回転してしまい、目的の再結晶集合組織が得られず、さらには耐屈曲疲労特性も悪くなる。よって、以下の関係を満たす条件で行うと上記の所望の再結晶集合組織とすることができる。
連続走間熱処理においては焼鈍炉温度をz(℃)、焼鈍時間をx(秒)とすると、
1.5≦x≦5、かつ
−50x+550≦z≦−36x+650
を満たすように行う。
なお、焼鈍炉温度z(℃)は、線材として温度が最も高くなる、冷却工程に通過する直前の温度を表す。z(℃)は通常300〜596(℃)の範囲内である。
また、連続熱処理による仕上げ焼鈍は上記2つの方法の他に、磁場中を線材が連続的に通過して焼鈍させる誘導加熱でもよい。
以上詳述したように適正に熱処理を施して作製した本発明のアルミニウム合金導体は、上記所定の合金組成を有することに加えて、再結晶組織を有する。再結晶組織とは、塑性加工により導入される転位などの格子欠陥が少ない結晶粒で構成された組織状態のことである。再結晶組織を有することにより、引張破断伸び、導電率が回復し、十分な柔軟性を得ることができる。
本発明を以下の実施例に基づきさらに詳細に説明する。なお本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
実施例No.201〜212、比較例No.213〜218
後記の表1に示すように、各成分を所定量比(質量%)で用いて、合金とした。ここで、Alについては、JIS−H4040 合金番号1070であって、不可避不純物の含有量が表1の値を超えないものとした。
この合金を、プロペルチ式の連続鋳造圧延機を用いて、溶湯を水冷した鋳型で連続的に鋳造しながら圧延を行ない、約10mmφの粗棒材とした。このときの鋳造冷却速度は1〜20℃/秒であった。
次いで、表面の皮むきを実施して、9〜9.5mmφとし、これを伸線加工して、2.6mmφの荒引き線材とした。次に表1に示すように、この冷間伸線した加工材に温度300〜450℃で0.5〜4時間の中間焼鈍を施した。
この実施例では、線材の伸線速度を1500m/分とし、加工度ηを2.1とし、最終線径は0.31mmとした。また、仕上げ焼鈍としての熱処理は、表1に示したように、連続通電熱処理またはバッチ式熱処理により、表1に記載の条件で行った。
このようにして、アルミニウム合金導体を作成した。
作製した各々の実施例及び比較例のアルミニウム合金導体について、以下のように各特性を測定した。
(b)引張強度(TS)及び柔軟性(引張破断伸び、El)
JIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、その平均値を求めた。柔軟性については引張破断伸びを用いて評価し、引張破断伸びが10%以上を合格とした。
(c)導電率(EC)
長さ300mmの試験片を20℃(±0.5℃)に保持した恒温漕中で、四端子法を用いて比抵抗を各3本ずつ測定し、その平均導電率を算出した。端子間距離は200mmとした。
(d)繰返破断回数
藤井精機株式会社(現 株式会社フジイ)製の両振屈曲疲労試験機を用い、線材(アルミニウム合金導体)に±0.17%の曲げ歪みが与えられる治具を使用して、繰り返し曲げを実施することにより、繰返破断回数を測定した。繰返破断回数は各4本ずつ測定し、その平均値を求めた。図1の説明図に示すように、線材1を、曲げ治具2及び3の間を1mm空けて挿入し、冶具2及び3に沿わせるような形で繰り返し運動をさせた。線材の一端は繰り返し曲げが実施できるよう押さえ冶具5に固定し、もう一端には約10gの重り4をぶら下げた。試験中は押さえ冶具5が動くため、それに固定されている線材1も動き、繰り返し曲げが実施できる。繰り返しは1.5Hz(1秒間に往復1.5回)の条件で行い、線材の試験片1が破断すると、重り4が落下し、カウントを停止する仕組みになっている。
また、繰り返し破断回数については、120℃に120時間放置した後の特性についても、計測した。
さらに、これらの試験に加え、電線(アルミニウム合金導体)に対して塩水噴霧試験を実施した。作製したアルミニウム合金導体を1mほどの長さに切り出し、中性5%塩水噴霧試験(JISH8502)に96時間曝した。試験後の試料断面を樹脂埋め研磨し、光学顕微鏡にて観察した際に、アルミニウム合金導体表面側に、線径の1/5以上の長さの孔食、あるいは、アルミニウム合金導体表面から深さ方向に向かって線径の1/5以上の深さまで粒界腐食の様相が検出された場合を×と判定した、一方、孔食や粒界腐食があっても、その長さが1/5未満のものを○、ほとんど見られないものを◎と判定した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2013151750
表1より、No.201〜212のSn、Cd、In、Zrを含有するアルミニウム合金導体における、繰り返し破断回数は、いずれも10万回を超えており、優れた屈曲特性であることが分かり、また、120℃放置後においても破断回数の低下はわずかであり、繰り返し破断回数は9万5千回を超えた。
これに対し、Cu添加の少なすぎたNo.213、214のアルミニウム合金導体は、繰り返し破断回数が9万回を大きく下回り、さらに120℃放置後に低下が顕著であった。また、Cu過剰のNo.215、216のアルミニウム合金導体は、120℃放置後の繰り返し破断回数低下が顕著であるとともに、塩水噴霧試験における劣化が悪かった。また、比較例No.217、218のアルミニウム合金導体は製造条件が本発明の規定範囲外となる例であるが、どちらも引張破断伸びが不足し、比較例No.218のアルミニウム合金導体では引張強度及び繰返破断回数も不足する。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2010年7月20日に日本国で特許出願された特願2010−163416に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 試験片(線材、アルミニウム合金導体)
2、3 曲げ治具
4 重り
5 押さえ冶具
本発明は、耐屈曲疲労特性や引張破断伸び(本書においては、単に伸びともいう)などに優れたアルミニウム合金導体とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは種々の検討を重ね、要求される耐屈曲疲労特性や引張破断伸びを満足するものとして、アルミニウム合金導体に含まれる成分、ならびに前記導体の鋳造冷却速度や仕上げ焼鈍条件などの製造工程を制御することにより、添加元素の効果を利用し、前記導体の結晶粒径を最適化することで、前記特性を改善し得ることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の解決手段を提供するものである。
(1)Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなり、引張破断伸びが10%以上であるアルミニウム合金導体。
(2)Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、Fe0.01mass%〜1.0mass%と、Mg0.1〜0.35mass%とを含有し、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含有し、残部Alと不可避不純物からなり、引張破断伸びが10%以上であるアルミニウム合金導体。
(3)(1)項に記載のアルミニウム合金導体に、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含むアルミニウム合金導体。
(4)Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の含有量の総量(W1)と、Zrの含有量(W2)の質量比が、0.6〜2.6であることを特徴とする(2)または(3)項に記載のアルミニウム合金導体。
(5)前記導体が移動体内で、バッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用線材として用いられることを特徴とする()〜()のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(6)前記導体が車両、電車、または航空機に用いられることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金組成を与えるアルミニウム合金成分を溶解後、連続鋳造圧延を施して粗棒材とし、冷間線引き加工して荒引き線材とし、熱処理を施し、伸線加工を行って線材とし、さらに焼鈍熱処理を行う工程を有してなる(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体を製造する方法であって、前記連続鋳造圧延を、鋳造冷却速度が1〜20℃/秒の条件で行い、前記冷間線引き加工を、加工前の線材断面積をA、加工後の線材断面積をAとして、η=ln(A/A)で表される加工度が1以上6以下の条件で行い、前記熱処理を、温度300〜450℃で10分〜6時間の条件で行い、前記伸線加工を、加工度が1以上6以下で伸線速度が500〜2000m/分の条件で行い、前記焼鈍熱処理を、急熱、急冷の工程を含む連続熱処理であって、下記<1>または<2>のいずれかを施すことによって行うことを特徴とするアルミニウム合金導体の製造方法:
<1>線材温度y(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
0.03≦x≦0.55、かつ
26x−0.6+377≦y≦23.5x−0.6+423
の関係を満たす連続通電熱処理;または
<2>焼鈍炉温度z(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
1.5≦x≦5、かつ
−50x+550≦z≦−36x+650
の関係を満たす連続走間熱処理。
本発明のアルミニウム合金導体は引張破断伸び、強度、及び導電率に優れ、移動体に搭載されるバッテリーケーブル、ハーネスあるいはモータ用導体として有用なもので、優れた耐屈曲疲労特性が求められるドアやトランク、ボンネットなどにも好適に用いることができる。
さらに、本発明のアルミニウム合金導体は、高温(例えば120℃)に曝されても屈曲疲労特性が低下しない優れたものであり、耐食性に優れるものである。
Figure 2013151750
表1より、No.201〜212のSn、Cd、In、Zrを含有するアルミニウム合金導体における、繰り返し破断回数は、いずれも10万回を超えており、優れた屈曲特性であることが分かり、また、120℃放置後においても破断回数の低下はわずかであり、繰り返し破断回数は9万5千回を超えた。
これに対し、Cu添加の少なすぎたNo.213、214のアルミニウム合金導体は、繰り返し破断回数が9万回を大きく下回り、さらに120℃放置後に低下が顕著であった。また、Cu過剰のNo.215、216のアルミニウム合金導体は、120℃放置後の繰り返し破断回数低下が顕著であるとともに、塩水噴霧試験における劣化が悪かった。また、比較例No.217、218のアルミニウム合金導体は、どちらも引張破断伸びが本発明の目標とする合格基準に達しなかった。さらに比較例No.218のアルミニウム合金導体では引張強度及び繰返破断回数も不足する。これらの比較例No.217、218は、製造条件も本発明の規定範囲外である。

Claims (7)

  1. Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体。
  2. Cuを0.1〜1mass%と、Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を総量で0.01〜0.5mass%とを含有し、Fe0.01mass%〜1.0mass%と、Mg0.1〜0.35mass%とを含有し、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体。
  3. 請求項1に記載のアルミニウム合金導体に、さらにZrを0.001〜0.1mass%を含むアルミニウム合金導体。
  4. Sn、CdおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の含有量の総量(W1)と、Zrの含有量(W2)の質量比が、0.6〜2.6であることを特徴とする請求項2または3に記載のアルミニウム合金導体。
  5. 前記導体が移動体内で、バッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用線材として用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
  6. 前記導体が車両、電車、または航空機に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金組成を与えるアルミニウム合金成分を溶解後、連続鋳造圧延を施して粗棒材とし、冷間線引き加工して荒引き線材とし、熱処理を施し、伸線加工を行って線材とし、さらに焼鈍熱処理を行う工程を有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体を製造する方法であって、前記連続鋳造圧延を、鋳造冷却速度が1〜20℃/秒の条件で行い、前記冷間線引き加工を、加工前の線材断面積をA、加工後の線材断面積をAとして、η=ln(A/A)で表される加工度が1以上6以下の条件で行い、前記熱処理を、温度300〜450℃で10分〜6時間の条件で行い、前記伸線加工を、加工度が1以上6以下で伸線速度が500〜2000m/分の条件で行い、前記焼鈍熱処理を、急熱、急冷の工程を含む連続熱処理であって、下記<1>または<2>のいずれかを施すことによって行うことを特徴とするアルミニウム合金導体の製造方法:
    <1>線材温度y(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
    0.03≦x≦0.55、かつ
    26x−0.6+377≦y≦23.5x−0.6+423
    の関係を満たす連続通電熱処理;または
    <2>焼鈍炉温度z(℃)と焼鈍時間x(秒)が、
    1.5≦x≦5、かつ
    −50x+550≦z≦−36x+650
    の関係を満たす連続走間熱処理。
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