JP2013149900A - 被加工物の分割方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割屑を効率的に被加工物上から除去することが可能であり、洗浄時間を短縮し得る分割方法を提供する。
【解決手段】被加工物の分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップ、被加工物にプラズマ洗浄を施して被加工物の表面を親水化させるプラズマ洗浄ステップ、被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップ、を実施する分割前ステップと、分割前ステップを実施した後、分割起点が形成されるとともに表面が親水化されてテープが裏面に貼着された被加工物に外力を付与して分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、分割ステップを実施した後、被加工物上に洗浄液を供給して分割屑を除去する洗浄ステップと、を備えたことを特徴とする被加工物の分割方法とする。
【選択図】図3
【解決手段】被加工物の分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップ、被加工物にプラズマ洗浄を施して被加工物の表面を親水化させるプラズマ洗浄ステップ、被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップ、を実施する分割前ステップと、分割前ステップを実施した後、分割起点が形成されるとともに表面が親水化されてテープが裏面に貼着された被加工物に外力を付与して分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、分割ステップを実施した後、被加工物上に洗浄液を供給して分割屑を除去する洗浄ステップと、を備えたことを特徴とする被加工物の分割方法とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体ウェーハ等の被加工物を分割予定ラインに沿って分割する分割方法に関する。
従来、半導体ウェーハの分割方法において、レーザビームにより形成される改質層(変質層)やレーザ加工溝、切削ブレードにより形成される切削溝等の分割起点を被加工物に形成した後、外力を付与して分割する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
そして、分割後の被加工物は、例えば特許文献3に開示されるスピンナ洗浄装置を用いて洗浄され、分割時に発生した分割屑を除去することが行われている。
しかし、分割で発生した分割屑を完全に洗浄により除去するのは難しく、洗浄にも非常に長い時間を要しており、洗浄時間を短縮するとともに分割屑の効率的な除去を可能とすることが切望されている。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、分割屑を効率的に被加工物上から除去することが可能であり、洗浄時間を短縮し得る分割方法を提供することである。
本発明によると、複数の交差する分割予定ラインが設定された被加工物を分割予定ラインに沿って分割する被加工物の分割方法であって、被加工物の分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップ、被加工物にプラズマ洗浄を施して被加工物の表面を親水化させるプラズマ洗浄ステップ、被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップ、を実施する分割前ステップと、分割前ステップを実施した後、分割起点が形成されるとともに表面が親水化されてテープが裏面に貼着された被加工物に外力を付与して分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、分割ステップを実施した後、被加工物上に洗浄液を供給して分割屑を除去する洗浄ステップと、を備えたことを特徴とする被加工物の分割方法が提供される。
本発明によれば、従来に比べて分割屑を効率的に被加工物上から除去することが可能であり、洗浄時間を短縮し得る分割方法が提供される。具体的には、分割と洗浄に先立って行われるプラズマ洗浄ステップによって、被加工物の表面が親水化処理されるため、従来に比べて洗浄時に分割屑が被加工物上から除去され易くなる。
本発明は、複数の交差する分割予定ラインが設定された被加工物を分割予定ラインに沿って分割するウェーハの分割方法であり、以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、被加工物の実施形態である半導体ウェーハ11(以下、単に「ウェーハ11」とも記載される)について示す図である。ウェーハ11は、例えば厚さが700μmのシリコンウェーハからなっており、表面11aに複数の交差する分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン13によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス15が形成されている。
このように構成されたウェーハ11は、デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19を備えている。ウェーハ11の外周にはシリコンウェーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ12が形成されている。なお、被加工物としては、分割予定ラインが規定されておらずパターンを有しないものも想定される。
そして、本実施形態では、このようなウェーハ11について、まず、分割前ステップが実施される。この分割前ステップは、分割起点形成ステップと、プラズマ洗浄ステップと、テープ貼着ステップの3つのステップを少なくとも含むものであり、3つのステップを実施する順番は、特に限定されるものではない。
まず、ウェーハ11の分割予定ライン13に沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップについて説明する。分割起点は、図2に示す本実施形態のようにレーザ加工装置による分割予定ライン13に沿った改質層(変質層)を形成するほか、レーザ加工装置によるレーザ加工溝の形成や、切削ブレードによる切削加工による切削溝の形成(ハーフカット)等が考えられる。
図2には、ウェーハ11の内部に分割予定ライン13に沿って改質層を形成するレーザ加工装置の要部が示されている。レーザ加工装置は、ウェーハ11を保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10に保持されたウェーハ11にレーザビームを照射するレーザビーム照射ユニット2と、チャックテーブル10に保持されたウェーハ11を撮像するCCDカメラ等の撮像手段4を具備して構成できる。
チャックテーブル10は、ウェーハ11を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構により図1において矢印Xで示す加工送り方向及び矢印Yで示す割り出し送り方向に移動される。
レーザビーム照射ユニット2は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング6を有している。ケーシング6内には、YAGレーザ発振器或いはYVO4レーザ発振器等のパルスレーザビーム発振器及び繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザビーム発振手段が配設されている。ケーシング6の先端部には、パルスレーザビーム発振手段から発振されたパルスレーザビームを集光するための集光器8が装着されている。
撮像手段4は、可視光線によって撮像する撮像素子(CCD)等を備えて構成されており、撮像した画像信号は図示しない制御手段に送信される。
以上の構成とするレーザ加工装置を用い、集光器8からウェーハ11に対して透過性を有するパルスレーザビームを照射しつつ、チャックテーブル10を矢印X方向に所定の送り速度で移動させることで、ウェーハ11の内部に分割予定ライン13に沿った改質層(溶融再硬化層)が形成される。なお、パターンのないウェーハ(予め分割予定ラインが設定されていないウェーハ)については、この改質層の形成(分割基点の形成)にあたり、チップサイズ等(デバイスサイズ等)に基づいて分割予定ラインが設定される。
改質層は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質層形成の際の加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザ
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
パルス出力 :10μJ
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4パルスレーザ
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集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
この改質層の形成は、第1の方向(図2におけるX軸方向)に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って実施した後、チャックテーブル10を90度回転してから、第1の方向と直角の第2の方向に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って実施される。
以上のようにして、分割起点形成ステップが実施される。次に、ウェーハ11にプラズマ洗浄を施してウェーハ11の表面を親水化させるプラズマ洗浄ステップについて説明する。
このプラズマ洗浄ステップは、例えば、図3に示すような周知の平行平板型のプラズマ洗浄装置30を用いて実施することができる。このプラズマ洗浄装置30の例では、反応容器31内に上部シャワー電極32と下部電極34(ステージ)が設けられ、下部電極34上にウェーハ11が配設される。
このような平行平板型のプラズマ洗浄装置30では、DP方式(Direct Plasma方式)、RIE方式(Reactive Ion Etching方式)として知られているいずれの方式が実施できる。
プラズマ洗浄装置30において、上部シャワー電極32からはプラズマ生成用ガスが供給されるとともに、上部シャワー電極32と下部電極34の間にRF電源35(Radio Freqyency電源)による電圧が印加されることにより、ウェーハ11の表面にプラズマが発生する。なお、プラズマ生成用ガスとしては、例えば、He(ヘリウム)やAr(アルゴン)などの希ガスを主成分とするものを用いることが考えられる。
そして、ウェーハ11の表面11aにプラズマを発生させすることにより、ウェーハ11の表面の親水性を向上させることができ(親水化処理)、後述する洗浄ステップの際には、分割起点形成ステップの際に生じる付着物(異物)や、分割ステップにより生じる分割屑を効率よく除去することが可能となる。
以上のようにして、プラズマ洗浄ステップが実施される。なお、プラズマ洗浄ステップは、分割起点形成ステップを実施する前または後のいずれの段階で実施してもよいが、分割起点形成ステップを実施する後に実施される場合には、分割起点形成ステップの際に生じる切削屑やレーザ加工屑(デブリ)等の付着物(異物)がプラズマ(プラズマの照射)によって除去されることも期待できる。
次に、図4に示すように、ウェーハ11の裏面に粘着テープT(テープ)を貼着するテープ貼着ステップについて説明する。
この粘着テープTは、後述する分割ステップを実施する際に、分割予定ラインにウェーハ11を分離させる外力を付与するためのものである。粘着テープTは、環状フレームFで囲まれた領域を塞ぐように設けられ、ウェーハ11を粘着テープTに貼着すると、ウェーハ11が粘着テープTを介して環状フレームFに固定される。
また、テープ貼着ステップは、実施の形態に応じた適切なタイミングにおいて、分割ステップの前に適宜実施されることになる。
例えば、プラズマ洗浄ステップと分割起点形成ステップを実施する前にテープ貼着ステップが実施される場合では、粘着テープTに貼着された状態のウェーハ11についてプラズマ洗浄が実施されることになる。
この場合には、図3に示される平行平板型のプラズマ洗浄装置30ではなく、図5に示すように、プラズマ42をウェーハ11の表面11aに噴出させる形態のプラズマ洗浄装置40を使用することが考えられる。
また、プラズマ洗浄ステップと分割起点形成ステップを実施した後にテープ貼着ステップが実施される場合では、粘着テープTに貼着されていないウェーハ11単体についてプラズマ洗浄が実施されることになる。
この場合には、上述の図3に示す平行平板型のプラズマ洗浄装置30を利用することが考えられる。つまり、プラズマ洗浄装置30を利用する場合では、下部電極34にウェーハ11を載置してプラズマ洗浄を実施するため、プラズマ洗浄ステップの実施後に、図4に示すように粘着テープTが貼着される。
次いで、以上に説明した分割起点形成ステップ、プラズマ洗浄ステップ、テープ貼着ステップを実施する分割前ステップを実施した後に、分割ステップが実施される。即ち、分割起点が形成されるとともに表面が親水化されて粘着テープTが裏面に貼着されたウェーハ11に外力を付与して分割予定ラインに沿って分割する分割ステップが実施される。
この分割ステップでは、既に形成された分割起点に外力を付与することで、ウェーハ11を個々の半導体チップ(デバイス)に分割する。本実施形態では、図6(A)に示す分割装置60を用いることとし、ウェーハ11を粘着テープTを介して支持した環状フレームFを、フレーム保持部材66の載置面66a上に載置し、クランプ68によってフレーム保持部材66に固定する。このとき、フレーム保持部材66はその載置面66aが拡張ドラム61の上端と略同一高さとなる基準位置に位置付けられる。
次いで、エアシリンダ65を駆動してフレーム保持部材66を図6(B)に示す拡張位置に下降する。これにより、フレーム保持部材66の載置面66a上に固定されている環状フレームFも下降するため、環状フレームFに装着された粘着テープTは拡張ドラム61の上端縁に当接して主に半径方向に拡張される。
その結果、粘着テープTに貼着されているウェーハ11には放射状に引張力が作用する。このようにウェーハ11に放射状に引張力が作用すると、分割予定ライン13(図2参照)に沿って形成された改質層20は強度が低下されているので、この改質層20が分割基点となってウェーハ11は改質層20に沿って破断され、個々の半導体チップ(デバイス)15に分割される。
次いで、以上の分割ステップを実施した後、ウェーハ11上に洗浄液を供給して分割屑を除去する洗浄ステップが実施される。本実施形態では、図7に示すようなスピンナ洗浄装置70を用いて洗浄ステップが実施される。
スピンナ洗浄装置70は、スピンナテーブル機構72と、スピンナテーブル機構72を包囲して配設された洗浄水受け機構76と、スピンナテーブル77に保持されたウェーハ11を洗浄するための洗浄水供給手段74と、洗浄されたウェーハ11を乾燥するためのエア供給手段79を具備する。
スピンナテーブル機構72は、スピンナテーブル(保持テーブル)77と、スピンナテーブル77を回転駆動する電動モータ71を有する。
スピンナテーブル77は多孔性材料から形成された吸着チャック(保持面)を具備しており、吸着チャックが図示しない吸引手段に連通され、吸着チャック上にウェーハ11が吸引保持される。
スピンナテーブル77には振り子タイプの一対のクランプ77aが配設されており、スピンナテーブル77が回転されるとこのクランプ77aが遠心力で揺動して環状フレームFがクランプされる。
スピンナテーブル77は、電動モータ71の出力軸71aに連結されて、電動モータ71によって回転駆動される。
洗浄水供給手段74は、スピンナテーブル77に保持された加工後のウェーハ11に向けて洗浄水を噴出する洗浄水ノズル78と、洗浄水ノズル78を支持するアーム80と、アーム80に支持された洗浄水ノズル78を揺動する正転・逆転可能な電動モータ82とを有する。洗浄水ノズル78はアーム80を介して図示しない洗浄水供給源に接続されている。
以上の構成において、洗浄水供給源とエア源に接続された洗浄水ノズル78から純水とエアとからなる洗浄水を噴射しながらウェーハ11を低速回転(例えば800rpm)させることによりウェーハ11が洗浄される。
そして、洗浄水によるウェーハ11の洗浄が行われる際には、この洗浄ステップよりも前に行われるプラズマ洗浄ステップによって、被加工物の表面が親水化処理されるため、従来に比べて洗浄時に分割屑が被加工物上から除去され易くなる。これにより、分割屑を効率的に被加工物上から除去することが可能であり、洗浄時間を短縮し得ることになる。
なお、洗浄が終了したら、乾燥工程が実行される。即ち、洗浄水ノズル78を待機位置に位置付けるとともに、エア供給手段79のエアノズル84の噴出口をスピンナテーブル77上に保持されたウェーハ11の外周部上方に位置付ける。
そして、スピンナテーブル77を例えば2000rpmで回転しつつエアノズル84からスピンナテーブル77に保持されているウェーハ11に向けてエアを噴出する。この時、エアノズル84から噴出されたエアがスピンナテーブル77に保持されたウェーハ11の外周部に当たる位置から中心部に当たる位置までの揺動範囲で揺動される。その結果、ウェーハ11の表面が乾燥される。
なお、洗浄ステップの形態としては、上述のようにスピンナ洗浄装置を用いた洗浄のほか、例えば、分割ステップ実施後に被加工物(ウェーハ)を洗浄液に浸漬する形態や、洗浄液中に浸漬した被加工物を分割する(分割ステップと洗浄ステップを同時に実施)する形態も考えられる。
11 ウェーハ
11a 表面
13 分割予定ライン
15 デバイス
20 改質層
30 プラズマ洗浄装置
31 反応容器
32 上部シャワー電極
34 下部電極
35 RF電源
60 分割装置
70 スピンナ洗浄装置
F 環状フレーム
T 粘着テープ
11a 表面
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60 分割装置
70 スピンナ洗浄装置
F 環状フレーム
T 粘着テープ
Claims (1)
- 複数の交差する分割予定ラインが設定された被加工物を該分割予定ラインに沿って分割する被加工物の分割方法であって、
該被加工物の該分割予定ラインに沿って分割起点を形成する分割起点形成ステップ、
該被加工物にプラズマ洗浄を施して該被加工物の表面を親水化させるプラズマ洗浄ステップ、
該被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップ、を実施する分割前ステップと、
該分割前ステップを実施した後、該分割起点が形成されるとともに表面が親水化されて該テープが裏面に貼着された該被加工物に外力を付与して該分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、
該分割ステップを実施した後、該被加工物上に洗浄液を供給して分割屑を除去する洗浄ステップと、
を備えたことを特徴とする被加工物の分割方法。
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JP2012010960A JP2013149900A (ja) | 2012-01-23 | 2012-01-23 | 被加工物の分割方法 |
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