本実施形態の記録媒体によれば、ガイド層と複数の記録層とを備えている。ガイド層には、トラッキング用のガイドトラックが形成されている。このため、当該記録媒体に対して(より具体的には、当該記録媒体が備える複数の記録層に対して)記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイド層に照射されるガイドレーザ光の戻り光(つまり、ガイド層によって反射されたガイドレーザ光)に基づいて、ガイドトラックとガイドレーザ光のビームスポットとの位置関係に応じたプッシュプル信号を取得することができる。その結果、記録再生装置は、当該プッシュプル信号に基づいて、トラッキング制御を行うことができる。
本実施形態では、ガイド層には、マーク群が形成されている。具体的には、マーク群は、ガイドレーザ光がガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成される。つまり、同一のビットデータ(例えば、1ビットから数ビットないしは十数ビットのビットデータ)を示す同一のマーク群が、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々に、ガイドトラックの進行方向に対して直交する方向に沿って隣接するように形成されている。このとき、マーク群は、ガイドレーザ光がガイド層上で形成するビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々に形成される。つまり、同一のマーク群が形成されるガイドトラックの数は、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されるガイドトラックの数以下となり且つ2以上となる。
更に、少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に形成されるマーク群は、ガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群である。つまり、マーク群は、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとを含む一対の記録マークが、任意の態様で組み合わせられたマーク群となる。このような一対の記録マークとして、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークや、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークが一例としてあげられる。従って、マーク群は、このような一対の記録マークが1つだけ組み合わせられたマーク群(つまり、一対の記録マークそのものと一致するマーク群)であってもよいし、このような一対の記録マークが任意の態様で組み合わせられたマーク群であってもよい。或いは、マーク群は、後述するように、このような一対の記録マークとその他の記録マーク(例えば、トラック中心上に位置する記録マーク)とが任意の態様で組み合わせられたマーク群であってもよい。
より具体的な構成を例示して説明する。例えば、ガイドレーザ光のビームスポットに3本のガイドトラックが包含されるとする。この場合、第k(但し、kは1以上の整数)番目のガイドトラック、第k+1番目のガイドトラック及び第k+2番目のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの同一回転位相位置に、同一のマーク群が形成される。例えば、第k番目のガイドトラックの回転位相位置がx(但し、xは0≦x≦360を満たす実数)°となる位置及び第k+2番目のガイドトラックの回転位相位置がx°となる位置に、同一のマーク群が形成される。より具体的には、例えば、第1番目のガイドトラックの回転位相位置が10°となる位置及び第3番目のガイドトラックの回転位相位置が10°となる位置に、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークそのものとなるマーク群が形成されてもよい。他方で、例えば、第4番目のガイドトラックの回転位相位置が60°となる位置及び第6番目のガイドトラックの回転位相位置が60°となる位置に、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークとトラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークとがガイドトラックの進行方向に沿ってこの順に配列している一対の記録マークそのものとなるマーク群が形成されてもよい。
尚、ガイド層に形成されるマーク群の全てが、上述した一対の記録マークが組み合わせられたマーク群でなくともよい。例えば、ガイド層に形成されるマーク群の一部が上述した一対の記録マークそのもの(或いは、上述した一対の記録マークの組み合わせ)となるマーク群である一方で、ガイド層に形成されるマーク群の他の一部が上述した一対の記録マークを含まない任意の記録マーク(例えば、トラック中心上に位置する記録マーク)であってもよい。
まず、本実施形態によれば、ガイド層に形成されるマーク群は、ガイドトラックのトラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられたマーク群である。このため、このようなマーク群をガイド層に形成したとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。従って、記録再生装置は、好適なトラッキング制御を行いながら、複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
その一方で、マーク群を構成する一対の記録マークの組み合わせの違いに応じて、マーク群に異なるビットデータを割り当てることで、当該マーク群を用いてビットデータをガイド層に記録することができる。このようなビットデータ(つまり、一対の記録マークの組み合わせの違い)は、プッシュプル信号の信号レベルの変動の瞬時値の変化を監視することで容易に読み取ることができる。従って、本実施形態によれば、プッシュプル信号を用いて読み取ることができるビットデータを、ガイド層に記録することができる。言い換えれば、本実施形態によれば、RF信号(言い換えれば、総和信号)を用いて読み取らなくともよいビットデータを、ガイド層に記録することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号に基づいて、ガイド層に予め形成されたマーク群に応じたビットデータを好適に読み取りながら、複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
加えて、本実施形態によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。従って、後に図面を用いて詳述するように、記録再生装置は、ガイドレーザ光のフォーカスオフセットの偏差(いわゆる、デフォーカス)に影響を受けることなく、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
このように、本実施形態の記録媒体によれば、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層に対して、トラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータ(例えば、上述のビットデータ等)を記録することができる。
この態様によれば、上述したようにプッシュプル信号を用いてトラッキング制御及びマーク群の読取(つまり、マーク群が示すビットデータの読取)の双方が行われるため、記録マークの深さを、プッシュプル信号の信号レベルの特性に合わせて設定することができる。つまり、記録マークの深さを、RF信号の信号レベルの特性を考慮することなく、プッシュプル信号の信号レベルの特性に合わせて設定することができる。
この態様によれば、上述したようにプッシュプル信号を用いてトラッキング制御及びマーク群の読取(つまり、マーク群が示すビットデータの読取)の双方が行われるため、記録マークの深さを、プッシュプル信号の信号レベルの特性が最良となる深さに設定することができる。つまり、記録マークの深さを、RF信号の信号レベルの特性を考慮することなく、プッシュプル信号の信号レベルの特性が最良となる深さに設定することができる。
この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。つまり、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックの全ての同一回転位相位置に同一のマーク群が形成される。つまり、同一のマーク群が形成されるガイドトラックの数は、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されるガイドトラックの数とほぼ等しい。尚、ここで言う「ほぼ等しい」とは、フォーカスオフセットの状態(例えば、フォーカスオフセットの量)によって変動し得るビームスポットの大きさのマージンを考慮した上で概ね等しいと同視し得る状態を含む趣旨である。従って、後に図面を用いて詳述するように、記録再生装置は、ガイドレーザ光のフォーカスオフセットの偏差(いわゆる、デフォーカス)に影響をより一層受けることなく、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの中心付近に位置する少なくとも一つ(好ましくは、一つ)のガイドトラックには、マーク群を形成しなくともよくなる。このため、マーク群の形成(言い換えれば、このようなマーク群が形成された記録媒体の製造)が相対的には簡略化される。
この態様によれば、最も外側のガイドトラックに形成されるマーク群を構成する一対の記録マークは、その一部がガイドレーザ光のビームスポットに包含されなくなる可能性がある。このため、この態様によれば、ガイドレーザ光のビームスポットに包含されなくなる可能性がある一対の記録マークのうちの一方を、トラック中心を基準としてシフトさせなくともよくなる。このため、マーク群の形成(言い換えれば、このようなマーク群が形成された記録媒体の製造)が相対的には簡略化される。
この態様によれば、一対の記録マークが組み合わせられたマーク群に加えて、一対の記録マークとトラック中心上に位置する他の記録マークとが組み合わせられたマーク群が、ガイド層に形成される。このため、記録再生装置は、一対の記録マークとトラック中心上に位置する他の記録マークとが組み合わせられたマーク群を読み取ることで、一対の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動に加えて、トラック中心上に位置する他の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動(つまり、信号レベルの基準値となるいわゆるゼロレベルの変動)をも認識することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう(例えば、DC成分のオフセットが生じてしまう)場合であっても、トラック中心上に位置する他の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルを基準として、一対の記録マークに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。従って、記録再生装置は、当該マーク群を用いてガイド層に記録されたビットデータを、好適に読み取ることができる。
このように構成すれば、記録再生装置は、ビットデータを読み取る前に同期データを読み取るため、当該同期データの読取結果に基づいて、プッシュプル信号の信号レベルの基準値の変動を認識することができる。従って、記録再生装置は、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう場合であっても、当該マーク群を用いてガイド層に記録されたビットデータを好適に読み取ることができる。
この態様によれば、このようなマーク群がガイド層に形成されたとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。
この態様によれば、このようなマーク群がガイド層に形成されたとしても、当該マーク群がプッシュプル信号に及ぼし得る信号レベルの変動の平均値はゼロ(但し、実質的にゼロと同視し得る程度のマージンを含む)となる。従って、マーク群の存在がプッシュプル信号に基づくトラッキング制御に悪影響を及ぼすことは殆ど或いは全くなくなる。
この態様によれば、離散的に形成された複数の異なるマーク群に応じた複数の異なるビットデータを組み合わせることで、ビットデータと比較して相対的にサイズが大きくなる制御情報(例えば、アドレス情報やクロック情報や記録開始タイミング情報等)をガイド層に記録することができる。このため、記録再生装置は、離散的に形成された複数の異なるマーク群に応じた複数の異なるビットデータを組み合わせることで、ビットデータと比較して相対的にサイズが大きくなる制御情報を読み取ることができる。従って、記録再生装置は、このような制御情報に基づいて、複数の記録層に対する記録動作及び前記再生動作の少なくとも一方を行うことができる。
この態様によれば、一のマーク群の少なくとも一部と当該一のマーク群とは異なる他のマーク群の少なくとも一部とが、同一のガイドトラックの同一回転位相位置に重複的に形成されることがなくなる。従って、同一のマーク群が複数のガイドトラックの夫々に形成される場合であっても、一のマーク群は、他のマーク群の影響(言い換えれば、干渉)を受けることなく、好適に形成される。このため、同一のマーク群が複数のガイドトラックの夫々に形成される場合であっても、記録再生装置は、他のマーク群の影響(言い換えれば、干渉)を受けることなく、一のマーク群を好適に読み取ることができる。
この態様によれば、グルーブトラック及びランドトラックの双方にマーク群が形成される。従って、記録再生装置は、グルーブトラック及びランドトラックのいずれかにガイドレーザ光を照射すれば、マーク群に応じたビットデータを読み取ることができる。
以上説明したように、本実施形態の記録媒体は、ガイド層及び複数の記録層を備え、ガイドレーザ光のビームスポットに包含される複数のガイドトラックのうちの少なくとも二つのガイドトラックの夫々の同一回転位相位置に、トラック中心を基準として左右に所定距離シフトしている一対の記録マークが組み合わせられた同一のマーク群が形成されている。従って、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層に対して、トラッキング制御に及ぼす影響を抑えながら好適にデータを記録することができる。
以下、図面を参照しながら、実施例について説明する。
(1)光ディスクの構成
はじめに、図1及び図2を参照して、光ディスク11の構成について説明する。図1は、一枚の光ディスク11を構成する複数の層を、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。図2は、光ディスク11の断面を、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の照射態様と共に示す断面図である。
図1に示すように、光ディスク11は、単一のガイド層12と複数の(つまり、2層以上の)記録層13とを備える。つまり、光ディスク11は、いわゆるガイド層分離型光ディスクである。
光ディスク11に対する記録動作(特に、所望の記録層13に対する記録動作)が行われる場合には、ガイド層12に集光されるトラッキング用のガイドレーザ光LB1と、複数の記録層13の夫々に集光される記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置100から同時に照射される。一方で、光ディスク11に対する再生動作(特に、所望の記録層13に対する再生動作)が行われる場合にもまた、ガイドレーザ光LB1と記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置100から同時に照射される。但し、光ディスク11に対する再生動作が行われる場合には、記録再生レーザ光LB2が、トラッキング用に用いられてもよい(つまり、ガイドレーザ光LB1が用いられなくともよい)。
光ディスク11はCLV方式を採用することが好ましい。同心円状又は螺旋状のガイドトラックTR(具体的には、後述するグルーブトラックGT及びランドトラックLT)にには、CLV方式に準拠して、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)が予め記録されている。本実施例では、このような制御情報は、トラック中心を基準として左右に等距離シフトしている一対の記録マークML及びMR(図3及び図5参照)が組み合わせられたマーク群MG(図4(a)から図4(c)及び図6(a)から図6(c)参照)を用いて記録されている。このようなマーク群MGは、光ディスク11の製造時に予めガイド層12(言い換えれば、ガイド層12が備えるガイドトラックTR)に形成されることが好ましい。尚、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGについては、図3以降の図面を参照しながら、後に詳述する。
尚、ガイド層12に形成されているガイドトラックTRは、シングルスパイラルであってもよい。この場合、グルーブトラックGTは、ガイド層12の所定の領域でランドトラックLTに切り替わることが好ましい。同様に、ランドトラックLTは、ガイド層12の所定の領域でグルーブトラックGTに切り替わることが好ましい。但し、ガイドトラックTRは、グルーブトラックGTとランドトラックLTとが分離しているダブルスパイラルであってもよい。
図2に示すように、記録再生レーザ光LB2は、ガイド層12上に積層された複数の記録層13のうち記録対象又は再生対象たる一つの所望の記録層13に集光される。記録再生レーザ光LB2は、例えばBD(Blu−ray Disc:ブルーレイディスク)と同じく比較的短波長の青色レーザビームである。一方で、ガイドレーザ光LB1は、例えばDVDと同じく比較的長波長の赤色レーザビームである。ガイドレーザ光LB1によりガイド層12上に形成されるビームスポットの直径は、記録再生レーザ光LB2により記録層13上に形成されるビームスポットの直径と比べて、例えば数倍程度となる。
複数の記録層13の夫々は、独立して記録情報を光学的に記録及び再生可能な記録層である。より具体的には、複数の記録層13は夫々、例えば、2光子吸収材料を含む半透明の薄膜から構成される。例えば、2光子吸収材料としては、2光子吸収が起こった領域の蛍光強度が変化する蛍光物質を用いる蛍光タイプ、電子の局在化によって屈折率が変化するフォトリフラクティブ物質を用いる屈折率変化タイプなどが、採用可能である。屈折率変化タイプの2光子吸収材料としては、フォトクロミック化合物やビス(アラルキリデン)シクロアルカノン化合物などの利用が有望視されている。
2光子吸収材料を利用した光ディスク構造としては、(i)光ディスク11の全体が2光子吸収材料からなるバルク型と、(ii)2光子吸収材料の記録層及び別の透明材料のスペーサ層を交互に積層した層構造型とが存在する。層構造型は、記録層13とスペーサ層との間の界面で反射される光を利用してフォーカス制御が可能となる利点がある。バルク型は、多層成膜工程が少なく、製造コストを抑えられる利点がある。
複数の記録層13は夫々、上述の2光子吸収材料、相変化材料以外にも、例えば色素材料等であってもよい。複数の記録層13には夫々、未記録状態では、ガイドトラックTRは予め形成されておらず、例えば全域が鏡面或いは凹凸のない平面である。
尚、以下の説明では、説明の便宜上、グルーブトラックGT及びランドトラックLTがストレート構造を有する例を示す。しかしながら、グルーブトラックGT及びランドトラックLTには、ウォブリングが適宜に施されていてよい。例えば、グルーブトラックGT又はランドトラックLTは夫々、例えば光反射性の材料からなる反射膜が、凹凸溝が形成された基材としての透明膜上に成膜され、更に保護膜としての透明又は不透明な膜で埋められることで形成されてよい。このようなグルーブトラックGTやランドトラックLTの側壁に、ウォブリングが施されていてよい。
(2)ガイド層に形成されるマーク群の構成
続いて、図3から図6を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MG(つまり、トラック中心を基準として左右に等距離シフトしている一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MG)の構成について説明する。
(2−1)グルーブトラックに形成されるマーク群の構成
はじめに、図3及び図4(a)から図4(c)を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MGのうちグルーブトラックGTに形成されるマーク群MGの構成について説明する。図3は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークML及びMRの構成を示す平面図である。図4(a)から図4(c)は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGによって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
図3に示すように、グルーブトラックGTには、当該グルーブトラックGTのトラック中心を基準として左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが形成されている。より具体的には、グルーブトラックGTには、(i)グルーブトラックGTのトラック中心を基準として左側(例えば、グルーブトラックGTの進行方向に対して左側)に所定距離だけシフトした記録マークMLと、(ii)グルーブトラックGTのトラック中心を基準として右側(例えば、グルーブトラックGTの進行方向に対して右側)に所定距離だけシフトした記録マークMRが形成されている。
グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGは、このような一対の記録マークML及びMRから構成される。例えば、図3は、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGが、一対の記録マークML及びMRそのものである(つまり、ただ一つの一対の記録マークML及びMRが組み合わせられた)マーク群MGである例を示している。但し、後の図4(a)から図4(c)等を参照して説明するように、グルーブトラックGTに形成されるマーク群MGは、一対の記録マークML及びMRが複数組み合わせられたマーク群MGであってもよいし、一又は複数の一対の記録マークML及びMRと一又は複数のその他の記録マーク(例えば、記録マークの中心がトラック中心上に位置する他の記録マークMC(図4(a)から図4(c)参照)若しくは記録マークが形成されない領域(図6(a)から図6(c)参照)とが組み合わせられたマーク群MGであってもよい。
本実施例では、同一のマーク群MGは、複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置(言い換えれば、同一回転角度位置)に形成される。つまり、同一のマーク群MGは、グルーブトラックGTの進行方向(図3中の左側から右側に向かう方向)に対して直交する方向(つまり、図3の上下方向)に沿って相隣接する又は配列するように、複数のグルーブトラックGTの夫々に形成される。図3は、3つのグルーブトラックGT(つまり、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT)の夫々の同一回転位相位置に、記録マークMLと記録マークMRとがグルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが形成される例を示している。
特に、同一のマーク群MGは、ガイドレーザ光LB1のビームスポット(つまり、ガイド層12上でのビームスポット)に包含されることになる複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に形成される。言い換えれば、同一のマーク群MGが同一回転位相位置に形成されることになる複数のグルーブトラックGTの数は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されるグルーブトラックGTの数と同一になる。図3は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されることになる複数のグルーブトラックGTの数が「3本」である例を示している。従って、図3は、3つのグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に、同一のマーク群MG(つまり、記録マークMLと記録マークMRとがグルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MG)が形成される例を示している。
尚、図3は、グルーブトラックGTの進行方向に沿って、記録マークMLと記録マークMRとがこの順に配列されているマーク群MGの例を示している。しかしながら、グルーブトラックGTの進行方向に沿って、記録マークMRと記録マークMLとがこの順に配列されているマーク群MGが用いられてもよい。
また、図3では、周囲と比較して凹部となっている箇所がハッチングで示されている。一方で、周囲と比較して凸部となっている箇所が空白(白色)で示されている。従って、本実施例の光ディスク11では、グルーブトラックGTが凹部となり且つランドトラックLTが凸部となると共に、記録マークML及びMRが凹部となる例を示している。但し、グルーブトラックGTが凸部となり且つランドトラックLTが凹部となると共に、記録マークML及びMRが凸部となっていてもよい。
本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)がガイド層12に(特に、グルーブトラックGTに)予め記録されている。より具体的には、本実施例では、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群MGを用いて、制御情報の一部を構成するビットデータがガイド層12に予め記録されている。従って、ガイド層12の複数箇所に形成された複数の異なるマーク群MGから得られるビットデータを組み合わせる(言い換えれば、統合する)ことで、一つの制御情報が得られる。更に、本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータを読み取るときの同期をとるための同期データがガイド層12に記録される。但し、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータや同期データに限らず、マーク群MGを用いて、任意のデータがガイド層12に予め記録されていてもよい。
具体的には、図4(a)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(a)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図4(a)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMC、記録マークML、記録マークMC及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「0」、「+(ハイ)」、「0」及び「−(ロー)」と変化する(但し、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心がグルーブトラックGTのトラック中心から左側にずれた状態が、プッシュプル信号の極性がマイナスになる状態に相当すると仮定している)。従って、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、同期データが読み取られる。
図4(b)に示すように、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(b)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図4(b)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMR及び記録マークMLをこの順に読み取ることに起因して、「−」及び「+」、と変化する。従って、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット0)が読み取られる。
図4(c)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGTに形成されてもよい。尚、図4(c)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、グルーブトラックGTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図4(c)に示すマーク群MGが形成されたグルーブトラックGTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークML及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「+」及び「−」、と変化する。従って、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット1)が読み取られる。
尚、図4に示すマーク群MG(つまり、同期データを構成するマーク群MG、並びにビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MG及びビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MG)の態様はあくまで一例である。従って、図4に示す態様以外の態様を示す3種類のマーク群MGを用いて、同期データ並びにビットデータ(ビット0)及びビットデータ(ビット1)が構成されてもよい。
(2−2)ランドトラックに形成されるマーク群の構成
続いて、図5及び図6(a)から図6(c)を参照して、ガイド層12に形成されるマーク群MGのうちランドトラックLTに形成されるマーク群MGの構成について説明する。図5は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークML及びMRの構成を示す平面図である。図6(a)から図6(c)は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGによって多種類のデータ(具体的には、ビットデータ及び同期データ)が記録される態様を示す平面図である。
図5に示すように、ランドトラックLTには、当該ランドトラックLTのトラック中心を基準として左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが形成されている。より具体的には、ランドトラックLTには、(i)ランドトラックLTのトラック中心を基準として左側(例えば、ランドトラックGTの進行方向に対して左側)のに所定距離だけシフトした記録マークMLと、(ii)ランドトラックLTのトラック中心を基準として右側(例えば、ランドトラックLTの進行方向に対して右側)に所定距離だけシフトした記録マークMRが形成されている。
ランドトラックLTに形成されるマーク群MGは、このような一対の記録マークML及びMRから構成される。例えば、図5は、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGが、一対の記録マークML及びMRそのものである(つまり、ただ一つの一対の記録マークML及びMRが組み合わせられた)マーク群MGである例を示している。但し、後の図6等を参照して説明するように、ランドトラックLTに形成されるマーク群MGは、一対の記録マークML及びMRが複数組み合わせられたマーク群であってもよいし、一又は複数の一対の記録マークML及びMRと一又は複数のその他の記録マーク(例えば、記録マークの中心がトラック中心上に位置する他の記録マークMC(図4(a)から図4(c)参照)若しくは記録マークが形成されない領域(図6(a)から図6(c)参照)とが組み合わせられたマーク群MGであってもよい。
本実施例では、同一のマーク群MGは、複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置(言い換えれば、同一回転角度位置)に形成される。つまり、同一のマーク群MGは、ランドトラックLTの進行方向(図5中の左側から右側に向かう方向)に対して直交する方向(つまり、図5の上下方向)に沿って相隣接する又は配列するように、複数のランドトラックLTの夫々に形成される。図5は、3つのランドトラックLT(つまり、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLT)の夫々の同一回転位相位置に、記録マークMLと記録マークMRとがランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが形成される例を示している。
特に、同一のマーク群MGは、ガイドレーザ光LB1のビームスポット(つまり、ガイド層12上でのビームスポット)に包含されることになる複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に形成される。言い換えれば、同一のマーク群MGが同一回転位相位置に形成されることになる複数のランドトラックLTの数は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されるランドトラックLTの数と同一になる。図5は、ガイドレーザ光LB1のビームスポットに包含されることになる複数のランドトラックLTの数が「3本」である例を示している。従って、図5は、3つのランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に、同一のマーク群MG(つまり、記録マークMLと記録マークMRとがランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MG)が形成される例を示している。
尚、図5は、ランドトラックLTの進行方向に沿って、記録マークMLと記録マークMRとがこの順に配列されているマーク群MGの例を示している。しかしながら、ランドトラックLTの進行方向に沿って、記録マークMRと記録マークMLとがこの順に配列されているマーク群MGが用いられてもよい。
本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)がガイド層12に(特に、ランドトラックLTに)記録される。より具体的には、本実施例では、同一回転位相位置に形成される同一のマーク群MGを用いて、制御情報の一部を構成するビットデータがガイド層12に予め記録されている。従って、ガイド層12の複数箇所に形成された複数の異なるマーク群MGから得られるビットデータを組み合わせる(言い換えれば、統合する)ことで、一つの制御情報が得られる。更に、本実施例では、このようなマーク群MGを用いて、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータを読み取るときの同期をとるための同期データがガイド層12に記録される。但し、制御情報の少なくとも一部を構成するビットデータや同期データに限らず、マーク群MGを用いて、任意のデータがガイド層12に記録されてもよい。
具体的には、図6(a)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(a)は、記録マークが形成されない領域、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図6(a)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークが形成されていない領域、記録マークML、記録マークが形成されていない領域及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「0」、「+」、「0」及び「−」と変化する。従って、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、同期データが読み取られる。
図6(b)に示すように、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(b)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図6(b)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークMR及び記録マークMLをこの順に読み取ることに起因して、「−」及び「+」、と変化する。従って、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号から、ビットデータ(ビット0)が読み取られる。
図6(c)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MGとして、ランドトラックLTに形成されてもよい。尚、図6(c)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さ(具体的には、ランドトラックLTの進行方向に沿った長さ)が、全て「a」となる例を示している。
この場合、図6(c)に示すマーク群MGが形成されたランドトラックLTをサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から生成されるプッシュプル信号の信号レベルは、記録マークML及び記録マークMRをこの順に読み取ることに起因して、「+」及び「−」、と変化する。従って、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号から、ビット1を示すビットデータが読み取られる。
尚、図6に示すマーク群MG(つまり、同期データを構成するマーク群MG、並びにビットデータ(ビット0)を構成するマーク群MG及びビットデータ(ビット1)を構成するマーク群MG)の態様はあくまで一例である。従って、図6に示す態様以外の態様を示す3種類のマーク群MGを用いて、同期データ並びにビットデータ(ビット0)及びビットデータ(ビット1)が構成されてもよい。
このようなランドグルーブLTに形成されるマーク群MGは、光ディスク11の製造時には、グルーブトラックGTの形成と同時に形成されることが好ましい。というのも、グルーブトラックGT並びに記録マークMR及びMLが凹部となるため、光ディスク11の製造時には、グルーブトラックGT及びマーク群MGに相当する位置に対してカッティングレーザ光を用いたカッティングが行われる。つまり、グルーブトラックGTに相当する位置並びに記録マークMRに相当する位置及び記録マークMLに相当する位置に対して、カッティングレーザ光が照射される。一方で、ランドトラックLTが凸部となるため、光ディスク11の製造時には、ランドトラックLTに相当する位置に対してカッティングレーザ光を用いたカッティングが行われなくともよい。つまり、ランドトラックLTに相当する位置に対して、カッティングレーザ光が照射されなくともよい。このため、ランドグルーブLT上に形成されるマーク群MGをグルーブトラックGTの形成と同時に形成すれば、ランドトラックLTの形成時にカッティングレーザ光を全く照射しなくともよくなる(言い換えれば、グルーブトラックGTの形成時にカッティングレーザ光のオンオフを切り替えればよくなる)。従って、光ディスク11の製造工程の簡略化が図られる。
(2−3)マーク群の分布の態様
続いて、図7から図9を参照して、ガイド層12に形成されているマーク群MGの分布の態様について説明する。図7は、ガイド層12(更には、記録層13)のデータ構造を示すデータ構造図である。図8は、特定のスロットに形成されるマーク群MGの一例を示す平面図である。図9は、複数のマーク群MGが複数のスロットに分散して記録される態様を示す平面図である。
図7に示すように、記録層13は、ECCブロックという単位で区分される。つまり、記録層13上に記録される記録情報は、ECCブロックという単位で記録される。このため、記録層13と同様に、ガイド層12もまた、ECCブロックという単位で区分される。つまり、ガイド層12上に記録される制御情報(例えば、アドレス情報やクロック情報や記録開始タイミング情報等)は、ECCブロックという単位で記録される。
1個のECCブロックは、83個のグループという単位に細分化される。1個のグループは、8個のスロットという単位に細分化される。1個のスロットは、21ウォブルに相当するサイズを有している。21ウォブルのうちヘッダに相当する3ウォブル及びフッタに相当3ウォブルは、夫々、隣接するスロットとの間の干渉を防ぐための緩衝領域に相当する。従って、1個のスロットには、実質的には、最大で15ウォブルに相当するサイズの情報を記録することができる。
図8に示すように、2つの同期データ及び4つのビットデータを示すマーク群MGは、15ウォブルのうちの8ウォブルを用いて形成される。つまり、図8に示す例では、1個のスロットには、4ビットのビットデータを記録することができる。尚、15ウォブルの全てをビットデータの記録に使用することが許容されるとすれば、1個のスロットには、2つの同期データ及び11つのビットデータを示すマーク群MGを形成することができる。
図9に示すように、本実施例では、このようなスロットの単位を利用して、異なるデータ群MGが同一のグルーブトラックGT又は同一のランドトラックLTの同一回転位相位置に重複して形成されないように構成される。以下、トラック番号が「k」となるガイドトラックTRを中心とする複数のガイドトラックTRの夫々の同一回転位相位置に形成されるマーク群MGを、マーク群MG(k)と称して説明を進める。
図9に示すように、マーク群MG(k)がスロット#1に形成されているとする。この場合、マーク群MG(k)は、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGTのみならず、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTにも同様に形成されている。従って、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGは、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTR上のスロット#1の位置には形成されない。これにより、マーク群MG(k)と当該マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGとが、同一のガイドトラックTR上の同一回転位相位置に重複的に形成されることはなくなる。
一方で、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGは、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTR上であっても、スロット#1以外のスロットには形成されてもよい。つまり、本実施例では、あるマーク群MG(k)と、当該マーク群MG(k)が形成されるガイドトラックTRと同一のガイドトラックTR上に形成される他のマーク群MG(例えば、マーク群MG(k−4)からマーク群MG(k−1)及びマーク群MG(k+1)からマーク群MG(k+4))とは、別々のスロットに形成されることが好ましい。これにより、マーク群MG(k)と当該マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGとが、同一のガイドトラックTR上の同一回転位相位置に重複的に形成されることはなくなる。
例えば、図9は、MG(k−1)が、トラック番号が「k−3」となるランドトラックLT、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+1」となるランドトラックLTのスロット#8の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+1)が、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTのスロット#2の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+2)が、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+4」となるグルーブトラックGTのスロット#3の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+3)が、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+3」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+5」となるランドトラックLTのスロット#4の位置に形成される例を示している。同様に、例えば、図9は、MG(k+4)が、トラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k+4」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+6」となるグルーブトラックGTのスロット#5の位置に形成される例を示している。このように、マーク群MGが形成される回転半径位置をスロットの単位で区別することで、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGTからトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTに至るまでのガイドトラックTRに一部の記録マークが形成されることになるマーク群MG(k−1)からマーク群MG(k+4)は、互いに重複する位置(つまり、同一回転半径位置)に形成されなくなる。
尚、記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、全てのマーク群MGにおいて統一されていてもよいし、マーク群MG毎に異なっていてもよい。例えば、図9に示す例で言えば、マーク群MG(k)を構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、マーク群MG(k)以外の他のマーク群MGを構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量と同一であってもよいし、異なっていてもよい。要は、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、少なくとも同一のマーク群MG内において統一されていれば足りる。例えば、マーク群MG(k)を構成する記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量は、少なくともマーク群MG(k)内において統一されていれば足りる。
(2−4)マーク群の特性
続いて、本実施例のマーク群MGの特性について説明する。
まず、上述したように、マーク群MGの形成の有無に関わらず、ガイドトラックTR上をサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光からは、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心とガイドトラックTRのトラック中心との間の位置関係に応じたプッシュプル信号が得られる。その結果、当該プッシュプル信号に基づくトラッキング制御が行われる。
一方で、マーク群MGが形成されたガイドトラックTR上をサーチするガイドレーザ光LB1の戻り光から得られるプッシュプル信号の信号レベルは、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRのパターンに応じて変動する(例えば、図4(a)から図4(c)及び図6(a)から図6(c)参照)。つまり、本実施例では、プッシュプル信号の信号レベルは、ガイドレーザ光LB1のビームスポットの中心とマーク群MGを構成する記録マークとの間の位置関係に応じて変動する。しかしながら、マーク群MGが、トラック中心から左右に等距離シフトした一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGであるため、プッシュプル信号の信号レベルの変動の平均値(言い換えれば、積分値)は、ゼロになる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響(例えば、正常なトラッキング制御を行うことができない程度の悪影響)を及ぼすことは殆ど又は全くない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、好適なトラッキング制御が行われる。
それでいて、上述したように、プッシュプル信号の信号レベルの変動から、各種データ(例えば、上述した同期データやビットデータ)が読み取られる。つまり、本実施例では、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGをガイド層12上に形成することで、プッシュプル信号を用いて読み取られる各種データを記録することができる。言い換えれば、本実施例では、一対の記録マークML及びMRが組み合わせられたマーク群MGをガイド層12に形成することで、RF信号を用いて読み取らなくともよい各種データをガイド層12に記録することができる。
ここで、図10を参照して、ガイド層12に形成されたマーク群MGが示す情報を、トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号から読み取ることで実現される利点について説明する。図10は、グルーブトラックGTの凹部の深さ(つまり、ランドトラックLTに対するグルーブトラックGTの相対的な深さ)とプッシュプル信号及びRF信号の信号レベルとの関係を示すグラフである。
図10に示すように、トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号の信号レベルは、グルーブトラックGTの深さがλ/8n(つまり、λ÷(8×n))となる場合に最良となる。一方で、トラッキング制御に用いられないRF信号の信号レベルは、グルーブトラックGTの深さがλ/4n(つまり、λ÷(4×n))となる場合に最良となる。仮に、ガイド層12上に、RF信号を用いて読み取る必要がある制御情報を記録した場合には、プッシュプル信号の信号レベル(言い換えれば、信号特性)のみならず、RF信号の信号レベル(信号特性)をも考慮する必要がある。
しかるに、本実施例では、ガイド層12上には、元々トラッキング制御に用いられるプッシュプル信号を用いて読み取ることができる制御情報が記録される。従って、プッシュプル信号の信号レベル(言い換えれば、信号特性)が考慮されれば足りる。言い換えれば、RF信号の信号レベル(信号特性)が考慮されなくともよくなる。
このため、本実施例では、グルーブトラックGTの深さ(更には、記録マークML、MR及びMCの深さ)は、λ/6n未満に設定されてもよい。これにより、プッシュプル信号の信号特性が好適な特性となるため、トラッキング制御が好適に行われると共にマーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られる。
或いは、グルーブトラックGTの深さ(更には、記録マークML、MR及びMCの深さ)は、λ/8n未満に設定されてもよい。これにより、プッシュプル信号の信号特性が最良となるため、トラッキング制御がより一層好適に行われると共にマーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報がより一層好適に読み取られる。
加えて、本実施例では、複数のグルーブトラックGTの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成される。同様に、本実施例では、複数のランドトラックLTの夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成される。このため、ガイドレーザ光LB1のフォーカス偏差(フォーカスオフセット)に対する依存性を弱める(具体的には、フォーカス偏差が大きくなった場合であっても、マーク群MGが示す制御情報を好適に読み取る)ことができる。以下、図11から図13(a)及び図13(b)を参照して、フォーカス偏差に対する依存性を弱める効果を説明する。図11は、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成される比較例を示す平面図である。図12は、フォーカス偏差とプッシュプル信号の振幅との間の関係を示すグラフである。図13(a)及び図13(b)は、ガイド層12でのガイドレーザ光LB1のビームスポットとグルーブトラックGT並びに一対の記録マークML及びMRとの位置関係を示す平面図である。
図11に示すように、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成されるとする。このとき、マーク群を構成する一対の記録マークML及びMRのトラック中心からのシフト量を、100nm、220nm、320nm及び640nmの4種類に設定したときのプッシュプル信号の振幅は、図12に示すようになる。図12に示すように、単一のグルーブトラックGT上にマーク群MGが形成される比較例では、フォーカス偏差が大きくなる(例えば、図12では、負の方向に大きくなる)につれて、プッシュプル信号の振幅が小さくなっているのが分かる。その結果、トラッキング制御が好適に行われないばかりか、マーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られなくなってしまうおそれがある。これは、フォーカス変化が大きくなるにつれてデフォーカスの度合いが強くなると、ただ一つのマーク群MGを好適に読み取ることができないことが理由であると想定される。
一方で、本実施例によれば、複数のグルーブトラックGT(或いは、複数のランドトラックLT)の夫々の同一回転位相位置に同一のマーク群MGが形成されるため、プッシュプル信号の振幅は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅と概ね同様になる。つまり、本実施例のプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性と概ね同様になる。トラッキング制御が好適に行われると共に、マーク群MGを用いてガイド層12に記録された制御情報が好適に読み取られる。
というのも、トラック中心に対して右側にシフトした記録マークMRをサーチしている時のガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(a)の状態A1参照)は、トラッキングサーボをオープンにした状態でトラック中心から左側にずれている(位相にして、約270°ずれている)ガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(b)の状態B1参照)と概ね同様である。同様に、トラック中心に対して左側にシフトした記録マークMRをサーチしているときのガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(a)の状態A2参照)は、トラッキングサーボをオープンにした状態でトラック中心から右側にずれている(位相にして、約90°ずれている)ガイドレーザ光LB1のビームスポットの状態(図13(b)の状態B2参照)と概ね同様である。従って、図13(a)に示す状態のガイドレーザ光LB1から得られるプッシュプル信号の波形は、図13(b)に示す状態のガイドレーザ光LB1から得られるプッシュプル信号の波形と概ね同様になる(図13(c)参照)。このため、上述したように、本実施例のプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性は、トラッキングサーボをオープンにした状態で得られるプッシュプル信号の振幅のフォーカス偏差に対する依存性と概ね同様になる。
尚、上述した先行技術2から6に開示された技術は、いずれも図11に示すような単一の記録トラック上に単一のデータを記録するために単一の記録トラック上に形成される記録ピットないしはウォブルを左右にシフトさせているに過ぎない。つまり、上述した先行技術2から6に開示された技術は、複数の記録トラックの同一回転位相位置に同一のデータを記録していない(言い換えれば、同一のデータを示すピットないしはウォブルを形成していない)という点で本実施例とは異なっている。
加えて、本実施例によれば、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの双方にマーク群MGが形成される。このため、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの一方のみにマーク群MGが形成される光ディスクと比較して、ガイド層12に記録可能な制御情報のサイズを増大させることができる。更に、このため、グルーブトラックGT及びランドトラックLTの一方のみにマーク群MGが形成される光ディスクと比較して、ガイド層12に記録された制御情報が読み取りやすくなる。
加えて、本実施例によれば、同期データを構成するマーク群MGには、一対の記録マークML及びMRに加えて、トラック中心上に位置する記録マークMCが含まれる。プッシュプル信号の信号レベルの基準値(例えば、ゼロレベル)が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。以下、図14(a)及び図14(b)を参照しながら、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる利点について説明する。図14(a)及び図14(b)は、一対の記録マークML及びMR並びにトラック中心上に位置する記録マークMCが含まれる同期データを構成するマーク群MGから得られるプッシュプル信号を示すグラフである。
図14(a)に示すように、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動しない場合には、いわゆるデフォールトのゼロレベルを用いて、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動が好適に認識される。
一方で、図14(b)の左側の実線で示すように、プッシュプル信号の信号レベルの基準値が変動してしまう(例えば、正方向にシフトしてしまう)場合には、いわゆるデフォールトのゼロレベルを用いると、記録マークMLに応じたプッシュプル信号の信号レベルと記録マークMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルとが互いに異なるものとなってしまう。その結果、プッシュプル信号に基づく記録マークML及びMRの読み取りの信頼性が悪化してしまいかねない。
しかるに、本実施例では、図14(b)の右側の点線で示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCに応じたプッシュプル信号の信号レベルを用いて、プッシュプル信号の信号レベルの基準値を調整することができる。従って、プッシュプル信号の信号レベルの基準値(例えば、ゼロレベル)が変動してしまう場合であっても、一対の記録マークML及びMRに応じたプッシュプル信号の信号レベルの変動を好適に認識することができる。
(3)変形例
続いて、図15(a)から図15(c)から図26(a)から図26(c)を参照して、本実施例の光ディスク11の変形例について説明する。尚、以下は、いずれも、マーク群MGの変形例に相当する。
(3−1)第1変形例
はじめに、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)を参照して、第1変形例について説明する。図15(a)から図15(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。図16(a)から図16(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第1変形例を示す平面図である。
図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示すように、第1変形例では、同期データを構成する記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する記録マークML及びMRの長さとが互いに異なる。より具体的には、図15(a)及び図16(a)に示すように、同期データを構成する記録マークML及びMRの長さが「a」となる。一方で、図15(b)及び図15(c)並びに図16(b)及び図16(c)に示すように、ビットデータを構成する記録マークML及びMRの長さが「2a」となる。
或いは、図15(a)及び図16(a)に示すように、同期データを構成するマーク群MGにおいても、記録マークML及びMRの長さと、記録マークMC(特に、同期データのミドル部分に位置する記録マークMC)及び記録マークが形成されない領域(特に、同期データのミドル部分に位置する記録マークが形成されない領域)の長さとが異なっていてもよい。より具体的には、記録マークML及びMRの夫々の長さが「a」となる一方と、記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さが「2a」とが異なっていてもよい。尚、図15(a)及び図16(a)に示すマーク群MGは、同期データのトップ部分に位置する記録マークMCの長さ及びテール部分に位置する記録マークMRの長さと、同期データのミドル部分に位置する記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さとを異ならしめている例であるとも言える。
このように構成すれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さによっても同期データやビットデータを示すことができる。言い換えれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域の長さからも、同期データやビットデータを読み取ることができる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
尚、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図15(a)から図15(c)及び図16(a)から図16(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さが異なる状態やランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さが異なる状態を実現してもよい。
(3−2)第2変形例
続いて、図17(a)から図17(c)を参照して、第2変形例について説明する。図17(a)から図17(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第2変形例を示す平面図である。
図17(a)から図17(c)に示すように、第2変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGが示す同期データ及びビットデータを構成する一対の記録マークMR及びMLのパターンと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGが示す同期データ及びビットデータを構成する一対の記録マークMR及びMLのパターンとが異なる。
具体的には、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGは、図4(a)から図4(c)と同様の態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、記録マークMC、記録マークML、記録マークMC及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、同期データを示している。つまり、信号レベルが「0」、「+」、「0」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、同期データに相当する。記録マークMR及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、ビット0のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット0のビットデータに相当する。記録マークML及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、ビット1のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット1のビットデータに相当する。
他方で、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGは、図17(a)から図17(c)に示す態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、記録マークが形成されない領域、記録マークMR、記録マークが形成されない領域及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、同期データを示している。つまり、信号レベルが「0」、「−」、「0」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、同期データに相当する。記録マークML及び記録マークMRがこの順に配列したマーク群MGが、ビット0のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「+」及び「−」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット0のビットデータに相当する。記録マークMR及び記録マークMLがこの順に配列したマーク群MGが、ビット1のビットデータを示している。つまり、信号レベルが「−」及び「+」の順に変化するプッシュプル信号が、ビット1のビットデータに相当する。
このように構成すれば、記録マークMR及びML並びに記録マークMC及び記録マークが形成されない領域のパターンによって、グルーブトラックGT上に形成されたマーク群MGであるのか又はランドトラックLT上に形成されたマーク群MGであるのかが識別できる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
尚、図17(a)から図17(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図17(a)から図17(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGのパターンと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGのパターンとが異なる状態を実現してもよい。
(3−3)第3変形例
続いて、図18(a)から図18(c)を参照して、第3変形例について説明する。図18(a)から図18(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第3変形例を示す平面図である。
図18(a)から図18(c)に示すように、第3変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークMR及びMLの長さと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する一対の記録マークMR及びMLの長さとが異なる。
具体的には、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGは、図4と同様の態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さは、いずれも「a」となる。
他方で、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGは、図18に示す態様で同期データ及びビットデータを示している。つまり、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークMR及び記録マークMLの夫々の長さは、いずれも「2a」となる。
このように構成すれば、記録マークMR及びMLの長さによって、グルーブトラックGT上に形成されたマーク群MGであるのか又はランドトラックLT上に形成されたマーク群MGであるのかが識別できる。従って、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
尚、図18(a)から図18(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図18(a)から図18(c)に示す態様以外の態様で、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さと、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGを構成する記録マークの長さとが異なる状態を実現してもよい。
(3−4)第4変形例
続いて、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)を参照して、第4変形例について説明する。図19(a)から図19(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。図20(a)から図20(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第4変形例を示す平面図である。
図19(a)から図19(c)に示すように、第4変形例では、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGのパターンが、上述の図4(a)から図4(c)を用いて説明したマーク群MGのパターンとは異なっている。例えば、第4変形例では、トラック中心上に位置する記録マークMCが同期データを示すことに代えて、ビットデータを示すために用いられている。更に、第4変形例では、例えば、第1変形例と同様に、同期データを構成する一対の記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する一対の記録マークML及びMRの長さとが異なっている。
具体的には、図19(a)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(a)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「2a」となる例を示している。
図19(b)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット0を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(b)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図19(b)は、記録マークMCが記録マークMRの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークMCは、記録マークMRと記録マークMLとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMLの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
図19(c)に示すように、トラック中心上に位置する記録マークMCと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、グルーブトラックGTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット1を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、グルーブトラックGT上に記録されてもよい。尚、図19(c)は、記録マークMC、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図19(c)は、記録マークMCが記録マークMLの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークMCは、記録マークMLと記録マークMRとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMRの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
図20(a)から図20(c)に示すように、第4変形例では、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGのパターンが、上述の図6(a)から図6(c)を用いて説明したマーク群MGのパターンとは異なっている。例えば、第4変形例では、記録マークが形成されない領域が同期データを示すことに代えて、ビットデータを示すために用いられている。更に、第4変形例では、例えば、第1変形例と同様に、同期データを構成する一対の記録マークML及びMRの長さと、ビットデータを構成する一対の記録マークML及びMRの長さとが異なっている。
具体的には、図20(a)に示すように、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、同期データを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(a)は、記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「2a」となる例を示している。
図20(b)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRと、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット0を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(b)は、記録マークが形成されない領域並びに記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図20(b)は、記録マークが形成されない領域が記録マークMRの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークが形成されない領域は、記録マークMRと記録マークMLとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMLの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
図20(c)に示すように、記録マークが形成されない領域と、トラック中心を基準として左側に所定距離シフトしている記録マークMLと、トラック中心を基準として右側に所定距離シフトしている記録マークMRとが、ランドトラックLTの進行方向に沿ってこの順に配列されているマーク群MGが、ビット1を示すビットデータを構成するマーク群MGとして、ランドトラックLT上に記録されてもよい。尚、図20(c)は、記録マークが形成されない領域並びに記録マークML及び記録マークMRの夫々の長さが、全て「a」となる例を示している。尚、図20(c)は、記録マークが形成されない領域が記録マークMLの前(つまり、ビットデータのトップ部分)に配列される例を示している。しかしながら、記録マークが形成されない領域は、記録マークMLと記録マークMRとの間(つまり、ビットデータのミドル部分)に配列されてもよいし、記録マークMRの後ろ(つまり、ビットデータのテール部分)に配列されてもよい。
このように構成しても、第1変形例と同様に、同期データやビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。加えて、データビットのトップ部分に記録マークMC又は記録マークが形成されない領域が配置される(つまり、データビットのトップ部分に相当するプッシュプル信号の信号レベルがゼロになる)ため、ビットデータの区切りが明確になる。
尚、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)に示すマーク群MGはあくまで一例であって、図19(a)から図19(c)及び図20(a)から図20(c)に示す態様以外の態様で、マーク群MGが形成されてもよい。
(3−5)第5変形例
続いて、図21(a)から図21(c)及び図22(a)から図22(c)を参照して、第5変形例について説明する。図21(a)から図21(c)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。図22(a)から図22(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第5変形例を示す平面図である。
図21(a)から図21(c)に示すように、第5変形例では、マーク群MGが形成されるべき複数のグルーブトラックGTのうち最も中心に位置するグルーブトラックGT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。言い換えれば、図4(a)から図4(c)に示す態様によればマーク群MGが形成されるべき複数のグルーブトラックGTのうち当該マーク群MGをサーチする時にガイドレーザ光LB1の集光位置に指定されるグルーブトラックGT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。例えば、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTの夫々に、マーク群MG(k)を形成する状態を想定する。この場合、第5変形例によれば、トラック番号が「k−2」となるグルーブトラックGT及びトラック番号が「k+2」となるグルーブトラックGTの夫々にはマーク群MG(k)が形成される一方で、トラック番号が「k」となるグルーブトラックGTにはマーク群MG(k)は形成されない。
同様に、図22(a)から図22(c)に示すように、第5変形例では、マーク群MGが形成されるべき複数のランドトラックLTのうち最も中心に位置するランドトラックLT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。言い換えれば、図6(a)から図6(c)に示す態様によればマーク群MGが形成されるべき複数のランドトラックGTのうち当該マーク群MGをサーチする時にガイドレーザ光LB1の集光位置に指定されるランドトラックLT上には、上述した記録マークML及びMRが形成されない。例えば、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTの夫々に、マーク群MG(k+1)を形成する状態を想定する。この場合、第5変形例によれば、トラック番号が「k−1」となるランドトラックLT及びトラック番号が「k+3」となるランドトラックLTの夫々にはマーク群MG(k+1)が形成される一方で、トラック番号が「k+1」となるランドトラックLTにはマーク群MG(k+1)は形成されない。
このように構成すれば、ガイド層12上に形成するべき記録マークMR及びMLの数が相対的に減少するため、光ディスク11の製造工程の簡略化が図られる。
(3−6)第6変形例
続いて、図23(a)から図23(g)を参照して、第6変形例について説明する。図23(a)から図23(g)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第6変形例を示す平面図である。
図23(a)から図23(g)に示すように、第6変形例では、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の数が同一となる。尚、図23(a)から図23(g)は、記録マークML及びMRの夫々の数が同一となるという条件を満たしながら7通りのビットデータを示すマーク群MGの例を示している。
尚、図23(a)から図23(g)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様を示している。しかしながら、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される場合であっても、マーク群MGを構成する記録マークML及びMRの夫々の数が同一となるように構成されることが好ましい。
このように構成すれば、プッシュプル信号の信号レベルの変動の平均値(言い換えれば、積分値)は、ゼロになる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響を及ぼすことは殆ど又は全くない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、好適なトラッキング制御が行われる。
(3−7)第7変形例
続いて、図24(a)及び図24(b)を参照して、第7変形例について説明する。図24(a)及び図24(b)は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第7変形例を示す平面図である。
図24(a)及び図24(b)に示すように、第7変形例では、ビットデータのトップ部分及びテール部分の夫々に一対の記録マークMR及びMLを配置した上で、当該2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域(つまり、ビットデータのミドル部分)に一対の記録マークMR及びMLが配列されるか否かによって、ビット0のビットデータとビット1のビットデータが区別される。具体的には、図24(a)に示すように、2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域に一対の記録マークMR及びMLが配列されていないマーク群MGがビット0のビットデータを構成する。他方で、図24(b)に示すように、2つの一対の記録マークMR及びMLに挟まれる領域に一対の記録マークMR及びMLが配列されているマーク群MGがビット1のビットデータを構成する。
このように構成しても、ビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。
(3−8)第8変形例
続いて、図25を参照して、第8変形例について説明する。図25は、グルーブトラックGT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第8変形例を示す平面図である。
図25に示すように、第8変形例では、4ビットのビットデータの前及び後ろの双方に同期データを配置した上で、当該2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されるか否かによって、ビット0のビットデータとビット1のビットデータが区別される。具体的には、図25に示すように、2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されていない箇所は、ビット0のビットデータを構成する。他方で、図25に示すように、2つの同期データに挟まれる領域における一対の記録マークMR及びMLが配列されている箇所は、ビット1のビットデータを構成する。
このように構成しても、ビットデータの読み取りにおける信頼性を相対的に向上させることができる。加えて、第8変形例によれば、一対の記録マークML及びMRを用いることなくビット0のビットデータを表すことができる。このため、ビット0のビットデータを示すマーク群MGがプッシュプル信号の信号レベルの変動に影響を与えることはない。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、当該マーク群MGが、プッシュプル信号に基づくトラッキング制御に大きな悪影響を及ぼす可能性をより一層低減することができる。従って、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されたとしても、マーク群MGがガイドトラックTR上に形成されていない場合と概ね同様に、より一層好適なトラッキング制御が行われる。
(3−9)第9変形例
続いて、図26(a)から図26(c)を参照して、第9変形例について説明する。図26(a)から図26(c)は、ランドトラックLT上に形成されるマーク群MGによって多種類のデータが記録される態様の第9変形例を示す平面図である。
図26(a)から図26(c)に示すように、第9変形例では、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、ランドマークLTを形成する時に同時に形成される。
尚、これまでの説明では、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、光ディスク11の製造工程の簡略化を図るために、グルーブトラックGTの形成と同時に形成されている。しかしながら、マーク群MGを用いてガイド層12に制御情報を記録するという効果を発揮するためであれば、第9変形例に示すように、ランドマークLT上に形成されるマーク群MGは、ランドマークLTを形成する時に同時に形成されてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。