JP3729467B2 - 光情報記録媒体および光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光情報記録媒体および光学的情報記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体上に予め形成された案内溝(グルーブ)内の領域、および案内溝間の領域(ランド)の両方を情報トラックとして用いる光情報記録媒体、及び、これに情報信号を記録する光学的情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像もしくは音声信号などの情報信号を記録再生できる光情報記録媒体の開発が盛んである。そのような光情報記録媒体として光ディスクがある。記録が可能な光ディスクでは、予め案内溝(グルーブ)が光ディスクの基板に刻まれ情報トラックが形成されている。また、グルーブとグルーブの間の領域はランドと呼ばれる。グルーブもしくはランドの平坦部にレーザ光が集光されることによって、情報信号の記録もしくは再生が行われる。
【0003】
現在市販されている一般的な光ディスクにおいては、通常グルーブもしくはランドのどちらか一方にのみ情報信号が記録され、他方は隣合うトラックを分離するガードバンドとなっている。
【0004】
図9はそのような従来の光ディスクの拡大斜視図である。同図において、85は記録層であり、例えば相変化材料で形成されている。86は記録ピット、87はレーザ光のビームスポットである。88、90及び92は案内溝によって形成されたグルーブ、89及び91はランドで、グルーブはランドに比べて幅広になっている。また、93は、ディスク上の位置情報を表す識別信号をなすプリピットである。なお、同図では入射光が透過する透明ディスク基板は省略してある。
【0005】
ここで、従来は光ディスク7の記録容量を増加させるために、ランド89の幅を狭くしてトラック間隔を詰めていた。ところが、トラック間隔を詰めると、グルーブによる反射光の回折角が大きくなるため、トラックにビームスポット87を精度良く追従させるためのトラッキング誤差信号が低下するという問題点がある。
【0006】
また、ランドの幅だけでトラック間隔を詰めても限界があるため、グルーブの幅も狭めなければならない。これは、記録ピット86が細くなるので、再生信号の振幅低下という問題が生じる。
【0007】
一方、特公昭63−57859号公報にあるように、グルーブとランドの両方に情報信号を記録して、トラック密度を大きくするという技術がある。
【0008】
図10は、その様な光ディスクの拡大斜視図である。同図において、85は記録層、86は記録ピット、93は透明基板であり、以上は図9において説明したものと同一のものには同符号を付してある。94、96及び98はグルーブ、95および97はランドである。
【0009】
同図に示すように、グルーブとランドとの幅は略等しくなっている。また、99はプリピットで、グルーブとランドの両方に形成され、光ディスク上の位置情報を現す識別信号として、両情報トラックの各セクタの先頭に刻まれている。
【0010】
この光ディスクにおいては、記録ピット86は、同図に示すようにグルーブ及びランドの両方に形成され、グルーブの周期は図9の光ディスクと等しいが、記録ピット列同士の間隔は2分の1になっている。これにより、光ディスクの記録容量は2倍になる。
【0011】
さらに、書換可能型光ディスクでは、ディスク上の位置情報などを表す識別信号をディスク上に予め記録して置くことが必須であるが、本発明者らは既に特開平6−176404号公報において、グルーブとランドの中間に、隣合う一組のグルーブとランドに対して一つの識別信号を記録する技術を提案した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の様な光情報記録媒体では、トラックピッチが従来の半分となるため、トラック追従制御を従来よりもさらに高精度に行わなければならない。特に、識別信号をランドとグルーブの中間に配した場合、ビームスポットはその片側しかプリピットにかからないため、ビームスポットがトラック中心から識別信号が記録されてない側に少しでもずれると、識別信号を検出できなくなるという課題がある。
【0013】
本発明は、上記課題を解決することが可能な光情報記録媒体、及び光学的情報記録・再生装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による光情報記録媒体は、隣接する少なくとも一つのグルーブトラックおよび少なくとも一つのランドトラックを有し、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに対して情報の記録あるいは再生を行うことのできる光情報記録媒体であって、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに関する識別情報を示すプリピット列と、該プリピット列より該グループトラックおよび該ランドトラックに沿って先行する位置に配置され、該プリピット列の識別情報を再生するための再生同期信号を示す複数のピットとを備え、該再生同期信号を示す複数のピットは、該グルーブトラックおよび該ランドトラックの何れか一方の中心線に対して内周側と外周側に配置され、それにより上記目的を達成する。
前記グルーブトラックおよび前記ランドトラックは、複数のセクタに分割されており、前記識別信号領域にあるプリビット列は、対応するセクタのアドレス情報を示すアドレスピット列を含んでいてもよい。
隣接する少なくとも一つのグルーブトラックおよび少なくとも一つのランドトラックを有し、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに対して情報の記録あるいは再生を行うことのできる光情報記録媒体に光ビームで情報を記録/再生する光学的情報記録再生装置であって、該光情報記録媒体は、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに関する識別情報を示すプリピット列と、該プリピット列より該グルーブトラックおよび該ランドトラックに沿って先行する位置に配置される複数のピットであって、該プリピット列の識別情報を再生するための再生同期信号を示す複数のピットとを備え、該再生同期信号を示す複数のピットは、該グルーブトラックおよび該ランドトラックの何れか一方の中心線に対して内周側と外周側に配置され、該再生同期信号を示す複数のピットに基づいてトラッキングオフセットを補償する回路を備え、それにより上記目的を達成する。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光情報記録媒体および光学的情報記録・再生装置の実施例を説明する。
【0047】
以下の各実施例においては、光情報記録媒体として、反射係数によって記録を行う記録再生可能な相変化型の記録材料を用いていた光ディスクの場合を取り上げる。また、光ディスクの回転の制御方式としては、角度速度一定(CAV:コンスタント・アンギュラー・ベロシティの略)を用いた場合について説明する。
【0048】
しかし、本発明に適用できる光情報記録媒体は、少なくともランドとグルーブを記録対象とする光学的記録媒体であれば良く、反射型に限らず透過型であっても良い。また、記録方式としては相変化型、光磁気型、色素型等いわゆる光学的手段で情報を記録・再生できる媒体であれば良い。
【0049】
(実施例1)
図1を参照しながら、本発明の第1の実施例を説明する。
【0050】
図1は、本実施例の光ディスクの主要部の平面拡大図である。
【0051】
図1において、1、3、5及び7はグルーブ、2、4及び6はランドで、ランドとグルーブの幅はお互いに等しくなっている。8はプリピット、9はビームスポットである。
【0052】
10に示した区間は同期信号部で、この区間ではグルーブは形成されず、グルーブの延長線上にプリピットが形成される。この区間のプリピットは図に示すとおり、他のプリピットよりも幅が広くなっている。
【0053】
また、プリピットの深さはグルーブとランドの高低差に等しくなっている。グルーブの深さは、光学長で約λ/10から約λ/4(λは読み取りレーザ光の波長)の間にすることができる。特に、特開平5ー282705号公報にあるように、隣接トラックからのクロストークを低減することができるので、グルーブの深さは略λ/7から略λ/5が好適である。
【0054】
11に示した区間はウォブルピット部で、この区間でもグルーブは形成されず、各トラックの中心線を境にして、トレース方向左右かつ前後にプリピットが配置される。
【0055】
ビームスポット9が矢印の方向にトレースするとしたとき、先にビームスポット9が通過する方のプリピットを、第1のウォブルピット、後に通過する方を第2のウォブルピットと呼ぶことにする。
【0056】
第1のウォブルピットと第2のウォブルピットとは、隣合う情報トラックで共有されている。よって、ランドをビームスポット9がトレースするときは、第1のウォブルピット14はビームスポット9の進行方向に対して左側に位置するが、グルーブをビームスポット9がトレースするときは、第1のウォブルピット14はビームスポット9の進行方向に対して右側に位置することになる。
【0057】
反対に、ランドをビームスポット9がトレースするときは、第2のウォブルピット15はビームスポット9の進行方向に対して右側に位置するが、グルーブをビームスポット9がトレースするときは、第2のウォブルピット15はビームスポット9の進行方向に対して左側に位置することになる。そして、ビームスポット9が第1のウォブルピット上にあるときの戻り光量と、第2のウォブルピット上にあるときの戻り光量との差によって、トラッキング誤差量を検出することができる。
【0058】
トラッキング誤差量が得られる理由は、例えば特開昭61ー224145号公報に詳しい。
【0059】
12に示した区間は識別信号部で、この区間ではグルーブは形成されない。識別信号を表すプリピットは、グルーブの中心線とランドの中心線の間に1トラックおきに形成される。なお、本発明の識別信号とは、情報記録媒体上のトラック及び/またはセクタの位置情報、セクターマーク、基準同期信号等のいわゆる情報記録媒体の識別信号に他ならない。
【0060】
ビームスポットが識別信号領域を通過するときには、ランドとグルーブのどちらにおいても、ビームスポットの一部がプリピット上を通過するため、反射光量がプリピットによって変調を受ける。よって、ランドにおいてもグルーブにおいても識別信号が再生可能となる。
【0061】
本実施例では、主情報信号部13の直前にではなく、識別信号部12の前に、ウォブルピット部11が配置されており、このウォブルピット部11を利用してトラッキング誤差信号の補正を行う。このため、識別信号部12のプレピットによるトラッキング誤差信号の乱れが生じる前に、トラッキング誤差信号の補正が開始され、その結果、識別信号部12のプレピットによるトラッキング誤差信号の乱れが極めて小さく抑えられる。
【0062】
もし、識別信号部12の後にウォブルピット部11が配置されていると、識別信号部12のプレピットによるトラッキング誤差信号の乱れが生じた後に、トラッキング誤差の補正が開始されるため、充分な補正が実行されない。また、このような場合、トラッキング誤差の補正が完了しないうちに、光ビームのスポットは主情報信号部13に到達するので、主情報信号部13の先頭部では、トラッキングにズレが生じたままであるおそれがある。
【0063】
13に示した区間は主情報信号部で、従来の光ディスクと同じく、映像、音声もしくはコンピュータデータ等の情報信号に応じて記録ピットが形成される。19に示した一点鎖線は、各グルーブもしくはランドの中心線である。また、ウォブルピット部11の前後は、図に示すようにギャップG1及びG2が設けられている。
【0064】
本実施例の光ディスクは、トラック一周が複数のセクタに分割され、各セクタの先頭に、図1に示した同期信号部10、ウォブルピット部11、識別信号部12が配されている。各セクターはCAV制御対応の場合、ディスク半径方向に放射状に配置される。また、複数のトラックをまとめて一つのゾーンにし、ディスク全体を複数のゾーンに分割して、それぞれのゾーン内でCAV制御を行うようにしてもよい。
【0065】
次に、本実施例の光ディスクのトラックフォーマットについて説明する。図2は情報トラックの構成図である。同図において16はグルーブ、17はランドである。各トラックは、1周ごとに情報トラック番号がランドとグルーブを通して割り当てられている。
【0066】
ビームスポットは、内周側から外周側へ時計回りにトレースして行き、同図で情報トラック番号はT、T+1、T+2、T+3、T+4で示している。
【0067】
18は、各トラックは1周をN分割したセクタで、各々1番からN番までセクタ番号がつけられている。
【0068】
情報トラックは螺旋をなしているので、グルーブでは、T番トラックのN番セクタとT+2番トラックの1番セクタとがつながっている。また、ランドでは、T+1番トラックのN番セクタとT+3番トラックの1番セクタとがつながっている。これらの情報トラック番号及びセクタ番号は、前述のプリピットとしてディスク上に予め形成されている。
【0069】
本実施例では、グルーブの情報トラックのアドレスデータをプリピットとして記録してある。ランドの情報トラックをトレースしているときは、プリピットを再生したアドレスデータのトラック番号に1を加えるだけで、現在の位置情報を得ることができる。また、セクタ番号は半径方向に隣合うセクタ同士で同一であるので、グルーブとランドの情報トラックでプリピットを再生した信号をそのまま位置情報として使用できる。
【0070】
図3は、1セクタあたりの識別信号のフォーマット説明図である。同図に示すように、1つのセクタは同期信号部、ウォブルピット部、識別信号部及び主情報信号領域から成り、識別信号領域はセクタマーク、同期パターン、アドレスマーク、トラック番号及びセクタ番号の各ブロックからなっている。各ブロックの働きは次の
1)セクタマーク:各セクタの先頭であることを示す
2)同期用パターン:アドレスデータ再生用のクロックを生成させる
3)アドレスマーク:アドレスデータが始まることを示す
4)トラック番号、セクタ番号:アドレスデータを示す
通りである。このうち、セクタマーク、同期用パターン、およびアドレスマークはすべてのセクタで同一である。
【0071】
次に、図4を参照しながら、本実施例の光ディスクに情報信号を記録、再生もしくは消去することのできる光学的情報記録・再生装置を説明する。
【0072】
図4の光ディスク21は、前記構造を有しており、ランド及びグルーブから形成された情報トラック22を備えている。この光学的情報記録・再生装置によれば、光ディスク21に対して情報を記録し、または再生することができる。
【0073】
まず、光ヘッド29の構成を説明する。光ヘッド29は、半導体レーザ素子23と、半導体レーザ23が出射されたレーザ光を平行光にするコリメートレンズ24と、ハーフミラー25と、ハーフミラー25を通過した平行光を光ディスク21の情報面に集光させる対物レンズ26と、対物レンズ26及びハーフミラー25を経た光ディスク21からの反射光を受光する光検出器27と、対物レンズ26を支持するアクチュエータ28とを備えている。光検出器27は、トラッキング誤差信号を生成するため、ディスクのトラック方向と平行に2分割された2つの受光部27a及び27bを有している。これらの素子は、図示しないヘッドベースに取り付けられている。
【0074】
光ピックアップ29からの出力(光検出器27の受光部27a及び27bから出力された検出信号)は、差動アンプ30及び加算アンプ37に入力される。差動アンプ30の出力は、ローパスフィルタ(LPF)31に入力される。LPF31は、差動アンプ30の出力する差信号を受け取り、信号S1として極性反転回路32に出力する。極性反転回路32は、LPF31の出力する信号S1と、後述するシステムコントローラ56からの制御信号L4とを受け取り、合成回路33へ信号S2を出力する。
【0075】
他方、加算アンプ37の出力(和信号)は、ハイパスフィルタ(HPF)38に入力される。HPF38は、和信号の高周波成分を第1の波形整形回路39、第2の波形成形回路42および同期信号検出回路45に出力する。第1の波形整形回路39は、HPF38から和信号の高周波成分を受け取り、ディジタル信号を後述する再生信号処理回路40に出力する。再生信号処理回路40は、再生された情報信号を出力端子41へ出力する。第2の波形整形回路42は、HPF38から和信号の高周波成分を受け取り、ディジタル信号を後述するアドレス再生回路43に出力する。アドレス再生回路43は、第2の波形整形回路42からディジタル信号を受け取り、第1のアドレスデータを後述するアドレス算出回路44に出力する。アドレス算出回路44は、アドレス再生回路43から第1のアドレスデータと、システムコントローラ56とから制御信号L1とを受け取り、システムコントローラ56へ第2のアドレスデータを出力する。
【0076】
同期信号検出回路45は、HPF38から和信号の高周波成分を受け取り、同期検出信号をタイミング発生回路46に出力する。タイミング発生回路46は、同期信号検出信号が受け取り、サンプルホールド回路47へタイミングパルスを出力する。サンプルホールド回路47は、加算アンプ37から和信号と、タイミング発生回路46からタイミングパルスとを受け取り、補正信号生成回路48へサンプリング信号を出力する。補正信号生成回路48は、サンプルホールド回路47からサンプリング信号を受け取り、合成回路48へ補正信号S4を出力する。
【0077】
合成回路33は、極性反転回路32からの信号S2と、補正信号生成回路48からの信号S4とを受け取り、トラッキング制御回路34に信号S3を出力する。
【0078】
トラッキング制御回路34は、合成回路33の出力信号S3とシステムコントローラ56からの制御信号L1とを受け取り、第1のセレクタ35の2つの入力端子の内の一つへトラッキング制御信号を出力する。第1のセレクタ35は、トラッキング制御回路34からトラッキング制御信号と、ジャンプパルス発生回路49から駆動パルスと、システムコントローラ56から制御信号L5とを受け取り、駆動回路36及びトラバース制御回路50へ駆動信号を出力する。
【0079】
駆動回路36は、第1のセレクタ35から駆動信号が入力され、アクチュエータ28に駆動電流を出力する。
【0080】
記録マークによる主情報信号とプリピットによる識別信号の再生振幅とは異なるので、第1の波形整形回路39と第2の波形整形回路42との増幅率は異ならせてある。
【0081】
ジャンプパルス発生回路49は、システムコントローラ56から制御信号L6を受け取り、駆動パルスを第1のセレクタ35に出力する。
【0082】
トラバース制御回路50は、システムコントローラ56から制御信号L2と、第1のセレクタ35からトラッキング制御信号とを受け取り、トラバースモータ51に駆動電流を出力する。
【0083】
トラバースモータ51は、光ヘッド29を光ディスク21の半径方向に移動させるモータである。また、スピンドルモータ52は、光ディスク21を回転させるモータである。
【0084】
記録信号処理回路53は、外部入力端子54から映像音声やコンピュータデータなどの情報信号と、システムコントローラ56から制御信号L3とが入力され、記録信号を後述するレーザ駆動回路55に出力する。レーザ駆動回路55は、システムコントローラ56より制御信号L3と、記録信号処理回路53より記録信号とを受け取り、半導体レーザ23に駆動電流を出力する。
【0085】
システムコントローラ56は、アドレス算出回路44から第2のアドレスデータを受け取り、トラッキング制御回路34、トラバース制御回路50、記録信号処理回路53、レーザ駆動回路55、極性反転回路32、アドレス算出回路44、第1のセレクタ35及びジャンプパルス発生回路49に制御信号L1〜L6を出力する。
【0086】
図4を参照しながら、上記光学的情報記録・再生装置の動作を説明する。
【0087】
まず、情報信号の再生時の動作について説明する。
【0088】
レーザ駆動回路55は、システムコントローラ56からの制御信号L3によって再生モードとなり、半導体レーザ23へ駆動電流を流して一定の強度で発光させる。一方、トラバース制御回路50は、システムコントローラ56からの制御信号L2に応じ、トラバースモータ51に駆動電流を出力し、光ヘッド29を目標トラックまで移動させる。
【0089】
半導体レーザ23から放射されたレーザビームは、コリメートレンズ24によって平行光にされ、ビームスプリッタ25を経て対物レンズ26によって光ディスク21上に収束される。
【0090】
光ディスク21によって反射された光ビームは、回折によって情報トラック22の情報を持ち、対物レンズ26を経てビームスプリッタ25によって光検出器27上に導かれる。
【0091】
受光部27a及び27bは、入射した光ビームの光量変化を電気信号に変換し、それぞれ差動アンプ30及び加算アンプ37に出力する。差動アンプ30は、それぞれの入力電流をI−V変換した後差動をとって、差信号として出力する。
【0092】
LPF31は、この差動信号から低周波成分を抜き出し、信号S1として極性反転回路32へ出力する。極性反転回路32は、システムコントローラ56から入力される制御信号L4に応じて、信号S1をそのまま通過させるか、正負の極性を反転させて、信号S2として合成回路33に出力する。
【0093】
ここでは、記録もしくは再生したいトラックが、グルーブである時にはそのまま通過させ、ランドであるときには反転させるものとする。
【0094】
合成回路33は、信号S2に補正信号生成回路48からの信号S4を加えて、トラッキング制御回路34に信号S3として出力する。ここで、信号S2はいわゆるプッシュプル信号で、情報面に集光されたビームスポットと情報トラックとの間のトラッキング誤差量に対応している。信号S4については後に説明するが、プッシュプル信号のオフセット量に対応し、合成回路33は信号S2に含まれる不必要なオフセット成分を、信号S4を加えることによってキャンセルする。
【0095】
トラッキング制御回路34は、入力された信号S3のレベルに応じ、第1のセレクタ35を介して駆動回路36にトラッキング制御信号を出力し、駆動回路36は、この信号に応じてアクチュエータ28に駆動電流を流し、対物レンズ26を情報トラック22を横切る方向に位置制御する。これにより、ビームスポットが情報トラック22上を正しく走査する。
【0096】
また、トラバース制御回路50は、トラッキング制御信号を入力され、その低域成分に応じて、トラバースモータ51を駆動し、再生の進行に沿って光ヘッド29を半径方向に徐々に移動させる。
【0097】
ここで、第1のセレクタ35は、システムコントローラ56からの制御信号L5によって、駆動回路36の入力側とジャンプパルス発生回路49の出力側とを接続している。制御信号L5は、第1のセレクタ35に、ビームスポットを情報トラック間で移動するとき、即ち、トラックジャンプさせるときのみ駆動回路36の入力側をジャンプパルス発生回路49に接続させ、その他のときはトラッキング制御回路34に接続させる。
【0098】
一方、ビームスポットがディスク上で正しく焦点を結ぶように、図示しないフォーカス制御回路により、対物レンズ26はディスク面と垂直方向に位置制御される。
【0099】
ビームスポットが情報トラック22上に正しく位置決めされると、加算アンプ37は受光部27a及び27bの出力電流をI−V変換した後加算し、和信号としてHPF38に出力する。
【0100】
HPF38は、和信号から不要な低周波成分をカットし、再生信号である主情報信号とアドレス信号とをアナログ波形のまま通過させ、第1の波形整形回路39、第2の波形整形回路42及び同期信号検出回路45へ出力する。
【0101】
第2の波形整形回路42は、アナログ波形のアドレス信号を、第2のしきい値でデータスライスしてパルス波形とし、アドレス再生回路43に出力する。
【0102】
アドレス再生回路43は、入力されたディジタルのアドレス信号を復調し、第1のアドレスデータとしてアドレス算出回路44に出力する。
【0103】
アドレス算出回路44は、制御信号L4から現在ビームスポットが走査しているトラックがランドであるかグルーブであるかを識別し、ランドであれば第1のアドレスデータのトラック番号に1を加えて、セクタ番号とともに第2のアドレスデータとしてシステムコントローラ56に出力する。
【0104】
第1のシステムコントローラ56は、この第2のアドレス信号を基に、現在ビームスポットが目標ののアドレスにあるかどうかを判断する。目標のアドレスであれば、制御信号L4及びL5等をそのまま維持し、引き続きビームスポットに主情報信号部をトレースさせる。ビームスポットが主情報信号部をトレースしているときは、第1の波形整形回路39は、光検出器27、加算アンプ37及びHPF38を通じて入力されたアナログ波形の主情報信号を、第1のしきい値でデータスライスしてディジタル信号とし、再生信号処理回路40へ出力する。
【0105】
再生信号処理回路40は、入力されたディジタルの主情報信号を復調し、以後誤り訂正などの処理を施して映像音声信号等として、出力端子41へ出力する。
【0106】
ビームスポットが同期信号部を通過するときは、同期信号検出回路45は、光検出器27、加算アンプ37及びHPF38を通じて入力された再生信号から同期信号を検出し、同期検出信号をタイミング発生回路46に出力する。タイミング発生回路46は、同期検出信号が入力されると、一定の時間差をおいて2つのタイミングパルスT1及びT2をサンプルホールド回路47に出力する。
【0107】
ここで、T1は、ビームスポットが第1のウォブルピット14のちょうど真上にくるときに出力され、T2は、ビームスポットが第2のウォブルピット15のちょうど真上にくるときに出力されるよう、光ディスク21上の同期信号と第1及び第2のウォブルピットとの間の距離と、ビームスポットの通過速度とを考慮して予め決められている。
【0108】
また、図1におけるギャップAG1は、ビームスポット9が同期信号部10を通過した後、同期信号を検出してタイミングパルスを出力するまでにビームスポットが通過する距離だけとられている。
【0109】
サンプルホールド回路47は、T1及びT2が入力されると、その時点で加算アンプ37から入力された和信号の電圧値をサンプルホールドし、それぞれサンプリング信号SP1及びSP2として補正信号生成回路48へ出力する。
【0110】
補正信号生成回路48は、SP1とSP2の差をとり、一定の増幅率G1で増幅もしくは減衰させ、合成回路33へ補正信号S4として出力する。合成回路33は、極性反転回路32から入力されたプッシュプル信号S2に、補正信号S4を加えて残留オフセット成分をキャンセルし、より精度の良いトラッキング誤差信号であるS3としてトラッキング制御回路34に出力する。
【0111】
ここでキャンセルされる残留オフセット成分は、例えばディスクの半径方向の傾き等によって生じる、S2のDCオフセットでこれが存在すると、S2のみを用いたトラッキング制御では、ビームスポットとトラック中心線とのずれを完全には解消できない。S3はビームスポット9が識別信号部12を通過し終わるまでの間、通過し始める直前の値に保持される。これにより、識別信号部での、プリピットのビームスポットに対するずれに起因したトラッキング誤差信号の大きな変動を防ぐことができる。従って、ビームスポット9は、情報トラック中心19上を安定にかつ高精度にトレースする。しかも、補正信号S4による残留オフセットの補正は、ビームスポットが識別信号部に到達する前に行われるので、識別信号を安定に読み出すことができる。
【0112】
なお、図1におけるギャップG2は、ビームスポット9が第2のウォブルピット15を通過した後、合成回路33が補正信号S4を出力するまでの間に、ビームスポット9が通過する距離だけとられている。こうすることで、トラッキング制御の残留オフセットが取り除かれた後に、ビームスポット9が識別信号部12をトレースし始めることになるので、識別信号部12の先頭の部分がオフトラックのために誤検出されることを避けることができる。
【0113】
記録時においては、システムコントローラ56は、制御信号L3によって記録信号処理回路53及びレーザ駆動回路55に記録モードであることを知らせる。記録信号処理回路53は、外部入力端子54から入力された映像音声信号やコンピュータデータなどに誤り訂正符号等を付加し、符号化された記録信号としてレーザ駆動回路55に出力する。制御信号L3によってレーザ駆動回路55が記録モードに設定されると、レーザ駆動回路55は、記録信号に応じて半導体レーザ23に印可する駆動電流を変調する。これによって、光ディスク21上に照射されるビームスポットが記録信号に応じて強度変化し、記録ピットが形成される。
【0114】
一方、再生時には、制御信号L3によってレーザ駆動回路55は再生モードに設定され、半導体レーザ23を記録モードの時よりも弱い一定の強度で発光するよう駆動電流を制御する。
【0115】
以上の各動作が行われている間、スピンドルモータ52は、光ディスク21を一定の角速度で回転させる。
【0116】
次に、ビームスポットを目標のアドレスに移動させる動作(以後シークと呼ぶ)について、さらに詳細に説明する。記録/再生を開始するアドレスが指定されると、システムコントローラ56は、指定されたアドレスのセクタがランドにあるセクタかグルーブにあるセクタかを、アドレスマップ等を参照して判定し、判定信号をL4として出力する。
【0117】
ここでは、グルーブの時はL4はLoレベルに、ランドの時はL4はHiレベルになると仮定する。開始アドレスがランド内のアドレスの時は、極性反転回路32は入力信号を極性反転させ、グルーブ内のアドレスの時は極性を変えずに出力する。また、第1のセレクタ35に制御信号L5を通じ、駆動回路36の入力先としてトラッキング制御回路34を選択させる。このときには、トラッキング制御回路34は、制御信号L1によってトラッキング制御信号を出力しない状態になっている。
【0118】
次に、トラバース制御回路50に制御信号L2を送ってトラバースモータ51を駆動させ、粗いシークが行われる。この移動は、例えば移動前のアドレス値と目標のアドレス値との差から両者の間のトラック本数を予め計算しておき、移動中にトラッキング誤差信号から得られる横断トラック本数と比較することにより行われる。
【0119】
次に、制御信号L1によってトラッキング制御回路34に、駆動回路36及びトラバース制御回路50へトラッキング制御信号を出力させ、ビームスポットをランドもしくはグルーブ上にトレースさせる。トラッキング引き込みが完了すると、識別信号部からのアドレスデータの再生が行われる。すなわち、光検出器27、加算アンプ37、HPF38、第2の波形整形回路42、アドレス再生回路43を通じ、第1のアドレスデータがアドレス算出回路44に入力される。
【0120】
アドレス算出回路44は、信号L4がLoのときは、入力された第1のアドレスデータを現在のアドレスとみなし、第2のアドレスデータとしてシステムコントローラ56に出力する。一方、信号L4がHiのときは、アドレスデータのトラック番号に1を加算し、第2のアドレスデータとしてシステムコントローラ56に出力する。
【0121】
システムコントローラ56は、第2のアドレスデータと目標アドレス値とを比較し、両者のトラック番号の差が1トラック以上あるときは、制御信号L5を通じて第1のセレクタ35にジャンプパルス発生回路49の出力と駆動回路36の入力とを接続させる。また、制御信号L2を通じてトラバース制御回路50に、トラバースモータ51へ駆動信号を出力しない状態にする。続いて、信号L6を通じてジャンプパルス発生回路49に、トラック番号差に対応した駆動パルスを駆動回路36に出力させる。
【0122】
駆動回路36は、駆動パルスに対応した駆動電流をアクチュエータ28に流し、ビームスポットに指定された本数だけトラックジャンプさせる。指定された本数のジャンプが完了すると、トラッキング引き込みが行われ、再びアドレスデータの再生が行われ、ディスクの回転によりビームスポットが目標のセクタに到達した後、このセクタ以降に情報信号の記録もしくは再生が行われる。
【0123】
本実施例の光ディスクの製造は、例えば特開昭50−68413号公報に記載された方法を応用することにより実現できる。本実施例の光ディスクを製造する装置を、図を用いて簡単に説明する。図5はその構成を示すブロック図である。
【0124】
60はレーザ光源のような放射ビーム源で、十分なエネルギーの放射ビーム61を放射する。放射ビーム61は光強度変調器62、光偏向器63、ミラープリズム64を経て、対物レンズ65によって微小放射ビームスポットに収束される。光ディスク基板などの記録担体66には、放射ビーム感知層67として例えばフォトレジスト層を塗布する。
【0125】
光強度変調器62は、識別信号発生器68から増幅器69を介して入力された識別信号に応じ、放射ビーム61を遮断する。よって、識別信号発生器68から出力された識別信号は放射ビームパルスに変換され、放射ビーム感知層67上の感光ピット列に変換されることになる。識別信号発生器68は、ゲート信号発生器70からのゲートパルスが入力されたときに識別信号を発生する。光強度変調器62は、例えば電圧が印加されると、放射ビームの偏向方向を回転させる光電結晶、及び偏向面の方位の変化を光強度変化に変換する検光子で構成することができる。
【0126】
また、光偏向器63は、増幅器71を介して接続されたゲート信号発生器70からのゲートパルスが入力された間だけ、微小ビームスポットが記録担体上で、半径方向の向きに一定の幅だけ変位するよう、放射ビーム61の角度を極めて小さい角度だけ変化させる。
【0127】
ゲート信号発生器70は、記録担体66を回転させるモータ72から出力される回転位相信号に同期して、所定の周期で識別信号部の長さに等しいゲートパルスを、識別信号発生器68及び増幅器71に出力する。これにより、ゲートパルスが発生されていない間は、放射ビーム感知層67上に連続トラックが書き込まれ、ゲートパルスが発生したときに、先の連続トラックに対して半径方向に一定量ずれた位置に、識別信号がピット列として書き込まれる。
【0128】
このように、連続トラックと識別信号のプリピット列とを、一連の動作で放射ビーム感知層67上に書き込むことができる。すなわち、識別信号は、連続トラックの断続で表される。また、同期信号部10のプリピットのように、大きなプリピット8を形成したいときは、放射ビーム61の強度をそのときだけ一定量増してやればよい。書き込んだ後はエッチング、転写、成形などの段階を経てディスク基板が完成する。
【0129】
(実施例2)
なお、図1に示した本実施例の光ディスクでは、ウォブルピット部11の前後にそれぞれギャップG1及びG2を設けていたが、図6に示すように、ギャップG2を設ける代わりに、ギャップG2のないウォブルピット部11と識別信号部12の幅広ビットのセクタマークブロック81を隣接させても良い。
【0130】
セクタマークは固定パターンであるから、隣接トラック間で同一である。従って、ビームスポット9がトラック中心からずれると、隣のセクタマークにビームスポットが掛かるようになるので、セクタマークを誤検出する可能性は少ない。また、ビームスポット9がセクタマークのブロックを通過し終わるまでの間に、合成回路33が信号S3を出力して、トラッキング制御の残留オフセットを解消することができる。セクタマークのプリピットを、同図の様に幅広ピット81にすれば、セクタマークの検出はさらに確実になる。
【0131】
なお、図3で示した識別信号部の各ブロックの内、同期用パターン、アドレスマーク、セクタ番号も、隣接するトラック同士で同一パターンである。よって、これらも幅広ピットにすることで、検出を確実にすることができる。
【0132】
(実施例3)
また、ウォブルピットをグルーブ及びランドからなる主情報信号部の直後に設けても良い。図7は、その一例である。82は、ウォブルピット部で、第1のウォブルピット及び第2のウォブルピットからなるペアが複数個、同図では4組含まれている。最初の一組は図1の同期信号部10の役割を果たすようになっている。2つのウォブルピットはそれぞれ両隣の情報トラックとの中間に配置され、ビームスポットの半分がこれらのウォブルピットに掛かるので、識別信号部12のプリピットと同様に検出可能である。
【0133】
同期信号用のプリピットをウォブルピットとすることで、図1のように幅広ピットにする必要がなくなる。よって、ディスクの作製が比較的容易となる。
【0134】
また、複数のウォブルピットを用い、トラッキング制御の残留誤差の検出を複数回行うようにしてもよい。この場合、残留オフセットの検出精度が向上するので、ビームスポットがトラック中心をさらに正確にトレースでき、トラッキング制御の安定性及び識別信号の読み取り精度が増す。
【0135】
また、本実施例の光ディスクでは、識別信号部12のプリピットはランドとグルーブの中心線のちょうど中間に設けられていたが、必ずしもちょうど中間でなくてもよい。
【0136】
このときは、識別信号の再生波形の振幅がランドとグルーブとで異なる。第2の波形整形回路におけるデータスライスのしきい値を、ランドとグルーブとで2つのレベルの間で切り替えることにより、どちらにおいても適切に波形整形が可能になる。
【0137】
例えば、プリピットが中間よりランド側に偏るようにディスク基板が作製されれば、ランドの情報トラックにおける識別信号の再生振幅がグルーブより大きくなるので、しきい値を高くすることが望ましい。
【0138】
このような光ディスクでは、識別信号部12のプリピットが、ランドとグルーブとのちょうど中間にある場合よりも、プッシュプル信号の乱れが少ないので、トラッキング制御が安定になる。
【0139】
さらに、本実施例の光ディスクではトラッキング制御の残留オフセットを検出するために、ディスク上にウォブルピットを設けたが、グルーブを左右に蛇行させてもよい。
【0140】
(実施例4)
蛇行した部分をビームスポットが走査するときの、蛇行による戻り光の変調成分を利用しても、ビームスポットと情報トラックとのズレ量を検出することができる。以下、図を用いて説明する。
【0141】
図8は、グルーブを蛇行させた光ディスクの主要部の平面拡大図である。同図において83で示したは同期信号部で、84で示した区間はウォブルグルーブ部であり、どちらもグルーブを蛇行させている。
【0142】
蛇行の周期は、前者は図1の同期信号部10及びウォブルピット部11のプリピットの代わりに、グルーブを左右に蛇行させている。
【0143】
ビームスポット9の中心がグルーブの中央もしくはランドの中央に一致しているときに反射光量は最大となるので、左右に蛇行したグルーブからの反射光量をサンプリングして比較することで、ウォブルピットと同様にトラッキング制御の残留オフセットを検出することができる。しかも、その間もグルーブが途切れないので、反射光量に大きな変動がなく、トラッキング制御がさらに安定になるという効果がある。
【0144】
同期信号の検出は、一方向への蛇行であるから、プッシュプル信号をモニタすればよい。また、ウォブルグルーブ部における蛇行は複数回繰り返しても良い。サンプリングを複数回行うことで、残留オフセットの検出精度が向上する。
【0145】
なお、図8のグルーブが蛇行してトラック中心からずれている長さWtは、ビームスポットの直径よりも長く、トラッキング制御が追従可能な長さよりも短いことが望ましい。前者よりも短いと反射光量の変調度が小さくなり、後者よりも長いとビームスポットがグルーブもしくはランドに沿って蛇行してしまうので、やはり変調度が小さくなるからである。
【0146】
一方、同図にグルーブの蛇行の振幅Wrは、グルーブピッチの1/4以下、望ましくは1/4が良い。
【0147】
また、残留オフセットのサンプリングを行うタイミング検出を、同期信号部83の同期信号の検出によって行う代わりに、ウォブルグルーブ部84におけるグルーブの蛇行を、プッシュプル信号で検出し、加算アンプ37の出力を同期検波しても良い。この場合は、同期信号部83が不必要になるので、その分だけ主情報信号部13を増やすことができ、光ディスクの容量を増加できるという利点がある。
【0148】
なお、光ディスク基板としては、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどがあるが、好ましくは、アクリルが望ましい。特開平6−338064号公報において、本発明者が説明したように、書換可能型記録媒体のランドとグルーブの両方に情報を記録するときには、隣接トラックへの熱拡散が大きな課題となる。グルーブのエッジを急峻にすると、記録層がエッジの部分で断絶するか、もしくは極端に薄くなるので、熱拡散を抑制することができる。アクリルは転写性が良く、エッジが急峻なグルーブを作ることが可能である。
【0149】
また、以上の実施例におけるプリピットの深さは、グルーブの深さと同一として説明したが、異なる深さにしても良い。特にλ/4にすれば、ビームスポットの回折効果が大きくなるため、識別信号等の変調度が高くなるという優れた効果がある。
【0150】
(実施例5)
図11は、本発明による光情報記録媒体の第5の実施例の主要部を示す拡大平面図である。図11に示すように、ディスク基板上には、情報トラックとしてグルーブ101、103、105、107・・・とランド102、104、106、108・・・がスパイラル状に交互に形成されている。ここで、グルーブ101、103、105、107・・・とランド102、104、106、108・・・の幅は略等しくなるように設定されている。読み取りレーザ光の波長をλとしたとき、グルーブ101、103、105、107・・・の深さは、光学長で約λ/10から約λ/4の間に設定される。特に、グルーブ101、103、105、107・・・の深さを約λ/7から約λ/5の間に設定すれば、隣接する情報トラックからのクロストークを低減することができるので好ましい(特開平5ー282705号公報)。
【0151】
111に示す区間は識別信号部である。この識別信号部1111にはグルーブは形成されておらず、識別信号を表すプリピット109が、グルーブの中心線115とランドの中心線115との間に1トラックおきに形成されている。ここで、プリピット109の深さは、グルーブとランドの高低差に等しくなるように設定されている。トラックは、ランドもしくはグルーブを指すので、トラックピッチはグルーブピッチの半分の値となる。識別信号とは、トラック及び/又はセクタの位置情報、セクタマーク、基準同期信号等のいわゆる光ディスクの識別信号に他ならない。
【0152】
識別信号を表すプリピット109をグルーブの中心線115とランドの中心線115との間に1トラックおきに形成したことにより、ビームスポット110が識別信号部111を通過するときには、ランドとグルーブのどちらにおいても、ビームスポット110の一部がプリピット109の上を通過するため、プリピット109によって反射光量が変調される。その結果、ランドにおいてもグルーブにおいても、識別信号が再生される。
【0153】
112に示す区間は、識別信号部111に含まれるフィールド番号部である。ここで、フィールドとは、隣接する一対のランドとグルーブとをひとまとめにして表すものとし、1つのフィールドには1つのフィールド番号が、光ディスクの内周側もしくは外周側から順番に付与されているものとする。図1においては、グルーブ101とランド102をまとめてフィールド116、グルーブ103とランド104をまとめてフィールド117、グルーブ105とランド106をまとめてフィールド118、グルーブ107とランド108をまとめてフィールド119としている。すなわち、フィールド番号部112内のプリピット109は、同一のフィールドに属するランドとグルーブの境界線上に形成されている。
【0154】
113に示す区間は、識別信号部111に含まれるトラック識別部である。トラック識別部113においては、少なくとも1個のトラック識別用プリピット124が、フィールド番号部112内のプリピット列の中間に、1フィールドおきに形成されている。すなわち、トラック識別部113においては、2つのフィールドの境界線上にトラック識別用のプリピット124が配置されている。トラック識別部113にトラック識別用プリピット124を配置することにより、ビームスポット110がランドとグルーブのどちらをトレースしているかを、ビームスポット110の反射光によって判別することができる。その理由については後で詳細に説明する。
【0155】
114に示す区間は主情報信号部である。この主情報信号部114には、従来の光ディスクと同様に、映像、音声もしくはコンピュータデータ等の情報信号に応じてアモルファス状態の記録ピットが形成される。
【0156】
次に、本実施例の光ディスクにおけるトラックフォーマットについて説明する。
【0157】
図12は本実施例の光ディスクにおける情報トラックの構成図である。図12に示すように、グルーブ120とランド121はスパイラル状に交互に形成されている。各トラックには、1周ごとにフィールド番号が割り当てられており、このフィールド番号は内周側から外周側に向かって1ずつ増加する(フィールド番号:M−1、M、M+1、M+2)。ビームスポットは、例えば、内周側から外周側へ時計回りにトレースして行く。122は、各トラックの1周をN分割したセクタであり、各々1番からN番までセクタ番号が付与されている。本実施例においては、グルーブ120とランド121はスパイラル状に形成されているので、M番フィールドのN番セクタとM+1番フィールドの1番セクタとは繋がっている。
【0158】
以上のフィールド番号及びセクタ番号は、プリピット109、124として図11における識別信号部111に形成される。CAV制御対応の場合、各セクタは光ディスクの半径方向に放射状に配置される。尚、複数のトラックをまとめて1つのゾーンとし、光ディスク全体を複数のゾーンに分割して、それぞれのゾーン内でCAV制御を行うようにしてもよい。
【0159】
図13は1セクタ当たりの識別信号のフォーマット説明図である。図13に示すように、1つのセクタは識別信号部と主情報信号部とからなり、識別信号部はセクタマーク、同期用パターン、アドレスマーク、フィールド番号、セクタ番号及びトラック識別部の各ブロックにより構成されている。各ブロックの働きは次の通りである。
【0160】
(1)セクタマーク:各セクタの先頭であることを示す。
【0161】
(2)同期用パターン:アドレスデータ再生用のクロックを生成させる。
【0162】
(3)アドレスマーク:アドレスデータが始まることを示す。
【0163】
(4)フィールド番号、セクタ番号:アドレスデータを示す。
【0164】
(5)トラック識別部:ランドとグルーブを区別する。
【0165】
これらのうち、セクタマーク、同期用パターン及びアドレスマークはすべてのセクタで同一である。従って、これらのブロックでは、ビームスポットがトラックの中心からずれても、隣のトラックの同一パターンのプリピットにビームスポットが掛かることとなるので、これらの信号を誤検出する可能性は少ない。また、プリピットを幅広ピットにすれば、検出精度はさらに向上する。
【0166】
以下に、図11に示した本実施例の光ディスクにおいて、ビームスポットがランドとグルーブのどちらをトレースしているかを、どのようにして判別することができるかについて説明する。
【0167】
図14(a)は本実施例の光ディスクにおける識別信号部の拡大図、図14(b)は識別信号部をビームスポットがトレースしたときの反射光量の波形図である。図14(a)において、101、103、105、107・・・はグルーブ、102、104、106、108・・はランド、116、117、118、119はフィールド、109、110、112、113及び124はそれぞれフィールド番号を表すプリピット、ビームスポット、フィールド番号部、トラック識別部及びトラック識別用プリピットであり、図11に示した同番号のものと同じものである。また、a及びcはグルーブ1及び3の中心線であり、b及びdはランド102及び104の中心線である。図14(b)のSa、Sb、Sc及びSdは、ビームスポット110が中心線a、b、c及びdの上を矢印の方向にトレースしたときの反射光量の波形である。
【0168】
フィールド番号部112においては、中心線aと中心線bとの間にフィールド番号を表すプリピット109が形成されているので、Sa及びSbは同一の波形となる。しかし、トラック識別部113においては、中心線bの隣にのみトラック識別用プリピット124が形成されているので、Sbにのみピークが発生する。すなわち、ランドのトラックにおいてのみ、トラック識別用プリピット124によるピークが発生する。また、フィールド番号部112においては、中心線cと中心線dとの間にフィールド番号を表すプリピット109が形成されているので、Sc及びSdは同一の波形となる。しかし、トラック識別部113においては、中心線cの隣にのみトラック識別用プリピット124が形成されているので、Scにのみピークが発生する。すなわち、グルーブのトラックにおいてのみ、トラック識別用プリピット124によるピークが発生する。このように、同一のフィールドであっても、2つの情報トラックにおける識別信号部111(図11)の再生波形は互いに異なったものとなる。
【0169】
さらに、フィールド116のフィールド番号を奇数、フィールド117のフィールド番号を偶数とすれば、奇数フィールド番号においては、トラック識別部113においてトラック識別用プリピット124によるピークが現れる方がランドとなり、ピークが現れない方がグルーブとなる。一方、偶数フィールド番号においては、トラック識別部113においてトラック識別用プリピット124によるピークが現れる方がグルーブとなり、ピークが現れない方がランドとなる。トラック識別部113のトラック識別用プリピット124は1フィールドおきに形成されているので、すべてのフィールドについて同じことが言える。
【0170】
従って、フィールド番号部112におけるフィールド番号が偶数であるか奇数であるかを識別することと、トラック識別部113におけるトラック識別用プリピット124による反射光量のピークの有無を検出することとにより、ビームスポット110がトレースしているトラックがランドであるかグルーブであるかを判別することができる。
【0171】
次に、上記した本実施例の光ディスクに情報信号を記録し、又は記録された情報信号を再生もしくは消去する光学的情報記録再生装置について説明する。
【0172】
図15は本発明に係る光学的情報記録再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【0173】
図15の光ディスク131は、前記構造を有しており、ランド及びグルーブから形成された情報トラック132を備えている。この光学的情報記録・再生装置によれば、光ディスク131に対して情報を記録し、または再生することができる。
【0174】
まず、光ヘッド139の構成を説明する。光ヘッド139は、半導体レーザ素子133と、半導体レーザ133が出射されたレーザ光を平行光にするコリメートレンズ134と、ハーフミラー135と、ハーフミラー135を通過した平行光を光ディスク131の情報面に集光させる対物レンズ136と、対物レンズ136及びハーフミラー135を経た光ディスク131からの反射光を受光する光検出器137と、対物レンズ136を支持するアクチュエータ138とを備えている。光検出器137は、トラッキング誤差信号を生成するため、ディスクのトラック方向と平行に2分割された2つの受光部137a及び137bを有している。これらの素子は、図示しないヘッドベースに取り付けられている。
【0175】
光ピックアップ139からの出力(光検出器137の受光部137a及び137bから出力された検出信号)は、差動アンプ140及び加算アンプ146に入力される。差動アンプ140の出力は、ローパスフィルタ(LPF)141に入力される。
【0176】
LPF141は、差動アンプ140の出力する差信号を受け取り、信号S1として極性反転回路142に出力する。極性反転回路142は、LPF141の出力する信号と、後述するシステムコントローラ162からの制御信号L4とを受け取り、トラッキング制御回路143へ信号を出力する。
【0177】
他方、加算アンプ146の出力(和信号)は、ハイパスフィルタ(HPF)147に入力される。HPF147は、和信号の高周波成分を第1の波形整形回路148、第2の波形成形回路151および識別子検出回路153に出力する。
【0178】
第1の波形整形回路148は、HPF147から和信号の高周波成分を受け取り、ディジタル信号を後述する再生信号処理回路149に出力する。再生信号処理回路149は、再生された情報信号を出力端子150へ出力する。第2の波形整形回路151は、HPF147から和信号の高周波成分を受け取り、ディジタル信号を後述するアドレス再生回路152に出力する。アドレス再生回路152は、第2の波形整形回路151からディジタル信号を受け取り、第1のアドレスデータを後述するアドレス算出回路154に出力する。
【0179】
識別子検出回路153は、HPF147から出力される和信号の高周波成分を受け取り、識別子検出信号をアドレス算出回路154に出力するである。アドレス算出回路154は、アドレス再生回路152から出力される第1のアドレスデータと、識別子検出回路153から出力される識別子検出信号とを入力し、システムコントローラ162に第2のアドレスデータを出力する。
【0180】
トラッキング制御回路143は、極性反転回路142の出力信号とシステムコントローラ162からの制御信号L1とを受け取り、第1のセレクタ144の2つの入力端子の内の一つへトラッキング制御信号を出力する。第1のセレクタ144は、トラッキング制御回路143からトラッキング制御信号と、ジャンプパルス発生回路155から駆動パルスと、システムコントローラ162から制御信号L5とを受け取り、駆動回路145及びトラバース制御回路156へ駆動信号を出力する。
【0181】
駆動回路145は、第1のセレクタ144から駆動信号が入力され、アクチュエータ138に駆動電流を出力する。
【0182】
記録マークによる主情報信号とプリピットによる識別信号の再生振幅とは異なるので、第1の波形整形回路148と第2の波形整形回路151との増幅率は異ならせてある。
【0183】
ジャンプパルス発生回路155は、システムコントローラ162から制御信号L6を受け取り、駆動パルスを第1のセレクタ144に出力する。
【0184】
トラバース制御回路156は、システムコントローラ162から制御信号L2と、第1のセレクタ144からトラッキング制御信号とを受け取り、トラバースモータ157に駆動電流を出力する。
【0185】
トラバースモータ157は、光ヘッド139を光ディスク131の半径方向に移動させるモータである。また、スピンドルモータ158は、光ディスク131を回転させるモータである。
【0186】
記録信号処理回路159は、外部入力端子160から映像音声などの情報信号と、システムコントローラ162から制御信号L3とを受け取り、記録信号を後述するレーザ駆動回路161に出力する。レーザ駆動回路161は、システムコントローラ162より制御信号L3と、記録信号処理回路159より記録信号とを受け取り、半導体レーザ133に駆動電流を出力する。
【0187】
システムコントローラ162は、アドレス算出回路154から第2のアドレスデータを受け取り、トラッキング制御回路143、トラバース制御回路156、記録信号処理回路159、レーザ駆動回路161、極性反転回路142、第1のセレクタ144及びジャンプパルス発生回路155に制御信号L1〜L6を出力する。
【0188】
以下、上記のように構成された光学的情報記録・再生装置の動作について説明する。
【0189】
まず、情報信号を再生するときの動作を説明する。レーザ駆動回路161は、システムコントローラ162から出力される制御信号L3を受けて再生モードとなり、半導体レーザ133に駆動電流を出力して一定の強度で発光させる。一方、トラバース制御回路156は、システムコントローラ162から出力される制御信号L2に応じて、トラバースモータ157に駆動電流を出力し、光ヘッド139を目標トラックまで移動させる。
【0190】
半導体レーザ133から放射されたレーザビームは、コリメートレンズ134によって平行光に変換され、ビームスプリッタ135を経由して、対物レンズ136により光ディスク131の上に集光される。
【0191】
光ディスク131で反射された光ビームは、回折(反射光量の分布)によって情報トラック132上の情報が与えられた後、対物レンズ136を経由して、ビームスプリッタ135により光検出器137に導かれる。
【0192】
光検出器137の受光部137a、137bは、入射した光ビームの光量変化を電気信号に変換し、それぞれ差動アンプ140及び加算アンプ147に出力する。差動アンプ140は、それぞれの入力電流を電圧に変換した後、差動をとって、差信号としてLPF141に出力する。
【0193】
LPF141は、この差信号から低周波成分を抜き出し、信号S1として極性反転回路142に出力する。極性反転回路142は、システムコントローラ162から入力される制御信号L4に応じて、信号S1をそのまま通過させるか、信号S1の正負の極性を反転させて、信号S2としてトラッキング制御回路143に出力する。信号S2はいわゆるプッシュプル信号であり、光ディスク131の情報面に集光されたビームスポットと情報トラック132との間のトラッキング誤差量に対応している。
【0194】
ここでは、記録もしくは再生したいトラックがグルーブである場合には、信号S1をそのまま通過させ、記録もしくは再生したいトラックがランドである場合には、信号S1の正負の極性を反転させるものとする。
【0195】
トラッキング制御回路143は、入力された信号S2のレベルに応じて、セレクタ144を介して駆動回路145にトラッキング制御信号を出力する。駆動回路145は、このトラッキング制御信号に応じて、アクチュエータ138に駆動電流を出力し、対物レンズ136の位置を情報トラック132を横切る方向に移動させる。これにより、ビームスポットは光ディスク131の情報トラック132上を正しく走査することができる。
【0196】
トラバース制御回路156は、トラッキング制御回路143から出力されるトラッキング制御信号を入力し、その低域成分に応じて、トラバースモータ57を駆動し、再生を続けるに従って光ヘッド139を光ディスク131の半径方向に徐々に移動させる。
【0197】
セレクタ144は、システムコントローラ162から出力される制御信号L5に応じて、駆動回路145の入力側とジャンプパルス発生回路155の出力側とを接続する。セレクタ144は、ビームスポットを情報トラック間で移動させるとき、すなわち、トラックジャンプさせるときにのみ、駆動回路145の入力側をジャンプパルス発生回路155の出力側に接続させる。トラックジャンプさせない場合には、セレクタ144は、駆動回路145の入力側をトラッキング制御回路143の出力側に接続させる。
【0198】
一方、ビームスポットが光ディスク131上で正しく焦点を結ぶように、対物レンズ136は、図示しないフォーカス制御回路により、その光軸方向に位置制御される。
【0199】
ビームスポットが光ディスク131の情報トラック132上に正しく位置決めされると、加算アンプ146は、光検出器137の受光部137a、137bから出力される電流を電圧に変換した後、加算し、和信号としてHPF147に出力する。
【0200】
HPF147は、和信号から不要な低周波成分をカットし、再生信号である主情報信号及び識別信号をアナログ波形のまま通過させ、第1の波形整形回路148、第2の波形整形回路151及び識別子検出回路153に出力する。
【0201】
第2の波形整形回路151は、アナログ波形の識別信号を、第2の閾値によってデータスライスしてパルス波形とし、アドレス再生回路152に出力する。
【0202】
アドレス再生回路152は、入力されたディジタルの識別信号を復調し、フィールド番号及びセクタ番号を第1のアドレスデータとしてアドレス算出回路154に出力する。
【0203】
識別子検出回路153は、ビームスポットが光ディスク131上のトラック識別部を通過するときに、トラック識別用プリピットによる再生波形のピークの有無を検出し、検出した結果を例えばディジタルの2値レベルで識別子検出信号としてアドレス算出回路154に出力する。ここでは、トラック識別用プリピットを検出した場合には出力がハイ(Hi)レベルとなり、プリピットを検出しなかった場合にはロー(Lo)レベルになるものとする。トラック識別用プリピットの検出は、他のプリピットの検出と同様に、レベルコンパレータやピーク検出回路などによって行うことができる。図13に示したフォーマット構成においては、セクタ番号の後にトラック識別部が位置しているので、セクタ番号を読み取った後、所定の時間間隔を置いて、再生信号中にトラック識別用プリピットによるピークが存在するか否かをモニタすれば、トラック識別用プリピットを検出することができる。
【0204】
図16は識別子検出回路の詳細な構成を示すブロック図であり、図15に示した構成要素と同一のものには同一の番号を付している。また、図17はT1からT5までの信号のタイミングチャートである。図16に示すように、検出窓生成回路170は、アドレス再生回路152から識別信号部の読取りを開始したことを知らせるタイミングパルスT1を入力し、所定の遅延時間αを置いて一定の検出窓幅βのHiレベル区間を有する検出窓信号T2を、アンドゲート172に出力する。遅延時間α及び検出窓幅βは、ビームスポットがトラック識別用プリピットの検出パルスのみが検出窓信号T2のHiレベル区間内に収まるように、ビームスポットのトレース速度及びスピンドルモータの回転変動などを勘案して決定される。また、タイミングパルスT1は、アドレス再生回路152がアドレスマークを検出した時点で、アドレス再生回路152から出力される。一方、第3の波形整形回路171は、HPF147からアナログ波形の再生信号を、第3の閾値によってデータスライスした後、ディジタルパルスT3としてアンドゲート172に出力する。第3の閾値は、図14において、ビームスポット110がトラック中心上をトレースするときに、トラック識別部113のプリピット124によって生じる信号Sa又はSbのピークが十分検出可能となるように、例えばピーク電圧の半分程度に設定される。アンドゲート172は、検出窓信号T2とディジタルパルスT3とのアンド演算を行い、その結果をディジタル信号T4としてラッチ回路173に出力する。ラッチ回路173は、ディジタル信号T4が一旦Hiレベルになると、そのレベルをそのまま保持した状態で、識別子検出信号T5としてアドレス算出回路154に出力する。ラッチ回路173における入力信号レベルの保持状態は、アドレス算出回路154において第2のアドレスデータを算出するのに十分な時間が経過した後、タイマーなどの手段によってリセットされる。
【0205】
尚、アドレス再生回路152におけるタイミングパルスT1の発生は、アドレスマークを検出したタイミングを基準として行うようにされているが、セクタマークやフィールド番号、セクタ番号の検出したタイミングを基準としてもよい。
【0206】
図18に、アドレス算出回路154におけるランドとグルーブの判別アルゴリズムの一例を示す。ステップ1において、第1のアドレスデータにおけるフィールド番号が偶数であるか奇数であるかを判断する。フィールド番号が偶数であればステップ2に移り、フィールド番号が奇数であればステップ4に移る。ステップ2においては、識別子検出信号T5がHiレベルであるかLoレベルであるかを判断する。識別子検出信号T5がHiレベルであればステップ3に移り、識別子検出信号T5がLoレベルであればステップ5に移る。また、ステップ4においても、識別子検出信号T5がHiレベルであるかLoレベルであるかを判断する。そして、識別子検出信号T5がHiレベルであればステップ5に移り、識別子検出信号T5がLoレベルであればステップ3に移る。ステップ3においては、トレース中のトラックはグルーブであると判断し、ステップ5においては、トレース中のトラックはランドであると判断し、それぞれ第2のアドレスデータを決定する。
【0207】
図15に戻って説明を続ける。アドレス算出回路154は、識別子検出信号T5の出力レベルと、第1のアドレスデータのフィールド番号の偶奇とにより、ビームスポットが現在走査しているトラックがランドであるかグルーブであるかを判別する。そして、判別した結果と、フィールド番号及びセクタ番号とを第2のアドレスデータとしてシステムコントローラ162に出力する。
【0208】
システムコントローラ162は、この第2のアドレスデータを基に、ビームスポットが現在所望のアドレスにあるかどうかを判断する。ビームスポットが所望のアドレスにあれば、制御信号L4及びL5等をそのまま維持し、引き続きビームスポットに主情報信号部をトレースさせる。ビームスポットが主情報信号部をトレースしているとき、第1の波形整形回路148は、光検出器137、加算アンプ146及びHPF147を経由して入力されたアナログ波形の主情報信号を、第1の閾値によってデータスライスした後、ディジタル信号として再生信号処理回路49に出力する。
【0209】
再生信号処理回路149は、入力された主情報信号を復調し、以後誤り訂正などの処理を施して、映像音声信号もしくはコンピュータデータ等として出力端子150に出力する。
【0210】
記録時においては、システムコントローラ162は、制御信号L3を出力して記録信号処理回路159及びレーザ駆動回路161に記録モードであることを知らせる。記録信号処理回路159は、外部入力端子160から入力された映像音声信号もしくはコンピュータデータなどに誤り訂正符号等を付加し、符号化された記録信号としてレーザ駆動回路161に出力する。制御信号L3によって記録モードに設定されると、レーザ駆動回路161は、記録信号に応じて半導体レーザ33に印加する駆動電流を変調する。これにより、光ディスク131上に照射されるビームスポットが記録信号に応じて強度変化し、光ディスク131上に記録ピットが形成される。
【0211】
一方、再生時においては、制御信号L3によってレーザ駆動回路161が再生モードに設定される。そして、レーザ駆動回路161は、半導体レーザ133が記録モード時よりも弱い一定の強度で発光するように、駆動電流を制御する。
【0212】
以上の各動作が行われている間、スピンドルモータ158は、光ディスク131を一定の角速度で回転させる。
【0213】
次に、ビームスポットを目標のアドレスに移動させる動作(以下「シーク」という。)について、さらに詳細に説明する。記録/再生を開始するアドレスが指定されると、システムコントローラ162は、指定されたアドレスがランドであるかグルーブであるかによって制御信号L4を出力する。
【0214】
ここでは、指定されたアドレスがグルーブである場合には制御信号L4がLoレベルとなり、指定されたアドレスがランドである場合には制御信号L4がHiレベルになると仮定する。本実施例においては、トラッキング誤差検出法としてプッシュプル法を採用しているので、ランドとグルーブとで検出するトラッキング誤差信号の極性が逆になる。このため、開始アドレスがランドである場合には、極性反転回路142は入力信号を極性反転させ、開始アドレスがグルーブである場合には、極性を変えずに出力する。また、システムコントローラ162は、制御信号L5によってセレクタ144に駆動回路145の入力先としてトラッキング制御回路143を選択させる。このとき、トラッキング制御回路143は、制御信号L1によってトラッキング制御信号を出力しない状態となっている。
【0215】
システムコントローラ162は、トラバース制御回路156に制御信号L2を出力してトラバースモータ157を駆動させ、粗いシークが行われる。この移動は、例えば移動前のアドレス値と目標のアドレス値との差から両者間のトラック本数を予め計算しておき、移動中にトラッキング誤差信号から得られる横断トラック本数と比較することによって行われる。
【0216】
システムコントローラ162は、トラッキング制御回路143に制御信号L1を出力し、セレクタ144を経由させて駆動回路145及びトラバース制御回路156にトラッキング制御信号を出力し、ビームスポットをランドもしくはグルーブ上でトレースさせる。トラッキング引き込みが完了すると、識別信号部からのアドレスデータの再生が行われる。すなわち、光検出器137、加算アンプ146、HPF147、第2の波形整形回路151、アドレス再生回路152を通じて、第1のアドレスデータがアドレス算出回路154に入力される。
【0217】
アドレス算出回路154は、入力された第1のアドレスデータと、識別子検出回路153から出力された識別子検出信号の出力レベルとにより、第2のアドレスデータを算出し、システムコントローラ162に出力する。
【0218】
システムコントローラ162は、第2のアドレスデータと目標アドレス値とを比較し、両者のフィールド番号が一致しない場合には、制御信号L5をセレクタ144に出力して、ジャンプパルス発生回路155の出力側と駆動回路45の入力側とを接続させる。また、システムコントローラ162は、制御信号L2をトラバース制御回路156に出力して、トラバースモータ157へ駆動信号を出力しない状態にする。そして、システムコントローラ162は、信号L6をジャンプパルス発生回路156に出力し、信号L6を入力したジャンプパルス発生回路156は、フィールド番号差に対応した本数の駆動パルスを駆動回路145に出力する。
【0219】
駆動回路145は、駆動パルスに対応した駆動電流をアクチュエータ138に出力し、アクチュエータ138は、指定された本数だけビームスポットをトラックジャンプさせる。ここで、トラックジャンプとは、グルーブから隣のグルーブへ、もしくは、ランドから隣のランドへビームスポットが移動することを意味する。指定された本数のトラックジャンプが完了すると、トラッキング引き込みが行われ、再びアドレスデータの再生が行われる。そして、光ディスク131の回転によってビームスポットが目標のセクタに到達した後、このセクタ以降において情報信号の記録もしくは再生が行われる。
【0220】
尚、本実施例においては、トラック識別用プリピットが1個形成されているが、複数個形成してもよい。トラック識別用プリピットを複数個形成すれば、トラック識別の誤検出の確率が減少し、検出の信頼性が向上する。
【0221】
また、トラック識別用プリピットを複数個形成した場合には、そのパターンを識別信号部の他の信号には現れないようなものとしておくことにより、トラック識別の誤検出の可能性を一層低下させることができる。
【0222】
(実施例6)
図19は本発明の第6の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。図19において、101、103、105及び107はグルーブ、102、104、106及び108はランド、109、110、111、112、113及び114はそれぞれプリピット、ビームスポット、識別信号部、フィールド番号部、トラック識別部及び主情報信号部であり、上記第5の実施例の図11に示した同番号のものと同じものである。180はトラック識別用のプリピットであり、図11に示したトラック識別部113におけるトラック識別用プリピット124と同じ配置になっている。181はグルーブ、182はランド102及びグルーブ103からなるフィールド、183はランド104及びグルーブ105からなるフィールド、184はランド106及びグルーブ107からなるフィールド、185はランド108及びグルーブ181からなるフィールドである。本実施例においては、識別信号部111におけるプリピット109がすべてグルーブピッチの半分だけ光ディスクの半径方向にずれている。他の構成は、図11に示した構成と同一である。本実施例においても、フィールド番号の偶奇と、トラック識別用プリピット180の有無とにより、ランドとグルーブを判別することができる。
【0223】
(実施例7)
図20は本発明の第7の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。図20において、101、103、105及び107はグルーブ、102、104、106及び108はランド、109、110、111、112、113及び114はそれぞれプリピット、ビームスポット、識別信号部、フィールド番号部、トラック識別部及び主情報信号部、116、117、118及び119はフィールドであり、上記第5の実施例の図11に示した同番号のものと同じものである。190はトラック識別用プリピットであり、図11に示したトラック識別部113におけるトラック識別用プリピットと同じ配置になっている。また、191はタイミング生成用プリピットであり、フィールド番号部112のプリピット109と同一直線上に、グルーブピッチと同一の周期で形成されている。タイミング生成用プリピット191は、トラック識別用プリピット190よりも距離γだけ前方に配置されている。このタイミング生成用プリピット191は、フィールド番号部のプリピット109と同一直線上に形成されているので、グルーブにおいてもランドにおいても検出することができる。このため、このタイミング生成用プリピット191の検出信号を、上記第5の実施例において述べたタイミングパルスT1として用いることができる。
【0224】
(実施例8)
図21は本発明の第8の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。図21において、101、103、105及び107はグルーブ、102、104、106及び108はランド、109、110、111、112、113、114はそれぞれプリピット、ビームスポット、識別信号部、フィールド番号部、トラック識別部及び主情報信号部、116、117、118及び119はフィールドであり、図11に示した同番号のものと同じものである。200は第1のトラック識別用プリピットであり、1個のプリピットが、フィールド番号部112内のプリピット列の中間に、1フィールドおきに形成されている。201は第2のトラック識別用プリピットであり、第1のトラック識別用プリピット200の後方で、かつ、第1のトラック識別用プリピット200と交互に、1フィールドおきに2個形成されている。
【0225】
図22(a)は本実施例の光ディスクにおける識別番号部の拡大図、図22(b)はビームスポットが識別番号部をトレースしたときの反射光量の波形図である。図22(a)中、a及びcはグルーブ1及び3の中心線であり、b及びdはランド2及び4の中心線である。図22(b)のSa、Sb、Sc及びSdは、ビームスポット110が中心線a、b、c及びd上を矢印の方向にトレースしたときの反射光量の波形である。
【0226】
中心線aと中心線bとの間にはフィールド番号を表すプリピット109が形成されているので、Sa及びSbは、フィールド番号部112において同一の波形となる。しかし、トラック識別部113においては、中心線aの隣に第2のトラック識別用プリピット201が2個形成されており、中心線bの隣に第1のトラック識別用プリピット200が形成されているので、トラック識別部113におけるピークの個数は、Saで2個、Sbで1個となる。また、中心線cの隣に第1のトラック識別用プリピット200が形成され、中心線dの隣に第2のトラック識別用プリピット201が2個形成されているので、トラック識別部113におけるピークの個数は、Scで1個、Sdで2個となる。
【0227】
さらに、上記実施例の場合と同様に、フィールド116のフィールド番号を奇数、フィールド117のフィールド番号を偶数とすれば、奇数フィールド番号においては、トラック識別部113においてプリピットによるピークが1個現れる方がランドであり、ピークが2個現れる方がグルーブであると判別することができる。一方、偶数フィールド番号においては、トラック識別部113においてプリピットによるピークが1個現れる方がグルーブであり、2個現れる方がランドでるあと判別することができる。
【0228】
従って、フィールド番号部112におけるフィールド番号が偶数であるか奇数であるかを識別することと、トラック識別部113におけるプリピットによる反射光量の変化のピークの個数を検出することとにより、ビームスポット110がトレースしているトラックがランドであるかグルーブであるかを判別することができる。
【0229】
また、本実施例においては、フィールド番号の偶奇及びランドであるかグルーブであるかに関わらず、第1及び第2のトラック識別用プリピット200及び201によるピークが存在するので、誤検出が無く、ランドとグルーブを正確に判別することができる。
【0230】
尚、上記第5〜第8の実施例の光ディスクにおいては、識別信号部111のプリピットがランドとグルーブの中心線のちょうど中間に設けられているが、必ずしもちょうど中間に設ける必要はない。識別信号部111のプリピットをランドとグルーブの中心線のちょうど中間に設けない場合には、識別信号の再生波形の振幅がランドとグルーブで異なる。第2の波形整形回路151におけるデータスライスの閾値を、ランドとグルーブとで2つのレベルの間で切り替えることにより、どちらにおいても適切に波形整形を行うことが可能となる。例えば、プリピットがランドとグルーブの中心線の中間よりもランド側に偏るようにディスク基板を作製した場合には、ランドの情報トラックにおける識別信号の再生振幅がランドよりも大きくなるので、閾値を高くするのが望ましい。このような光ディスクにおいては、識別信号部111のプリピットがランドとグルーブのちょうど中間にある場合よりも、プッシュプル信号の乱れが少ないので、トラッキング制御が安定する。
【0231】
また、光ディスク基板としては、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどがあるが、中でもアクリルが好ましい。書換可能な記録媒体のランドとグルーブの双方に情報を記録する場合には、隣接トラックへの熱拡散が大きな問題となる(特開平6−338064号公報)。グルーブのエッジを急峻にすると、記録層がエッジの部分で断絶するか、もしくは極端に薄くなるので、熱拡散を抑制することができる。アクリルは転写性が良く、エッジが急峻なグルーブを作ることが可能である。
【0232】
また、上記第5〜第8の実施例においては、プリピットの深さがグルーブの深さと同一である場合を例に挙げて説明したが、異なる深さにしてもよい。特に、プリピットの深さをλ/4にすれば、ビームスポットの回折効果が大きくなるので、識別信号等の変調度が高くなる。
【0233】
また、上記第5〜第8の実施例においては、識別信号部に一組のランドとグルーブの記録トラックをまとめてフィールド番号を付与したが、ランドとグルーブを区別せずに通し番号としてトラック番号を付与してもよい。識別信号部は2つのトラックに対して1つであるため、識別信号部にプリピットとして形成することができるトラック番号は奇数もしくは偶数のみとなる。この場合、トラック識別部によるランドとグルーブの判別結果に応じて、グルーブのときはプリピットを再生して得られたトラック番号に1を加え、ランドのときはプリピットを再生して得られたトラック番号に1を加えなければよい。
【0234】
また、上記第5〜第8の実施例の光ディスクにおいては、グルーブとランドの双方を情報トラックとし、隣り合う一組のグルーブとランドを1つの情報フィールドと定義して説明したが、主情報信号部のトラックピッチがプリピットからなる識別信号部のトラックピッチの半分となるような構成の光ディスクであれば、この限りでない。例えば、磁気的超解像効果を用いた光磁気ディスクにも、上記第5〜第8の実施例を適用することができる。
【0235】
以上のように本発明によれば、光ディスクの記録密度を向上させることができる。例えば、コンパクトディスク(CD)並の大きさのディスクに、レーザディスク並の映像情報を記録することが可能となり、光学的情報記録再生装置を小型化することができる。例えば、近年、パーソナルコンピュータで普及しているCD−ROMの再生装置の代わりに、上記実施例の光学的情報記録再生装置を用いれば、大きな記録容量を必要とする高画質の映像データ等を上記第1〜第8の実施例の光ディスクに記録再生することが可能となり、大容量情報の可搬性が向上する。
【0236】
なお、上記第1〜8の実施例の光ディスク各部のサイズは、典型的には、以下の通りである。
【0237】
グルーブピッチ: 1.48μm
トラックピッチ: 0.74μm
グルーブ深さ: 約60〜80nm
ピット深さ: 約60〜80nm
グルーブ幅(ランド幅): 0.6〜0.7μm
識別信号部のプリピットの幅: 0.5〜0.7μm
識別信号部のプリピットの長さの最小値: 約0.6μm
レーザ光の波長: 650nm
対物レンズのNA(開口数): 0.6
なお、本発明がこれらの数値に限定されないことは言うまでもない。
【0238】
【発明の効果】
本発明の光情報記録媒体及び光学的情報記録再生装置は、ランドまたはグルーブの中心線よりずらして配置されたプリピットからなる識別信号領域にビームスポットが到達する前に、サーボ領域のウォブルピットによってトラッキング制御の残留オフセットがキャンセルされるので、ビームスポットがトラック中心を正確にトレースする。従って、識別信号の検出が良好に行われる。
【0239】
また、本発明によれば、ディスク基板上にプリピットとして形成されたフィールド番号とトラック識別子とを検出することにより、2つの情報トラックのうちのどちらを光ビームが走査しているかを判別することができる。その結果、プリピットのトラックピッチ限界よりも狭いトラックピッチの情報トラックを有する光情報記録媒体においても、位置情報が正確に得られるので、光情報記録媒体の大容量化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における光ディスクの主要部の平面拡大図
【図2】同実施例における光ディスクの情報トラックの構成を示す図
【図3】同実施例における光ディスクのセクタフォーマットを説明するための図
【図4】同実施例の光学的情報記録・再生装置の構成を表すブロック図
【図5】同実施例における光ディスクの製造装置の主要部分の構成を表すブロック図
【図6】本発明の他の実施例における光ディスクの主要部の平面拡大図
【図7】本発明の他の実施例における光ディスクの主要部の平面拡大図
【図8】本発明の他の実施例における光ディスクの主要部の平面拡大図
【図9】従来の光ディスクの拡大斜視図
【図10】従来のランドとグルーブの両方に信号を記録する光ディスクの拡大斜視図
【図11】本発明の第5の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。
【図12】本発明の第5の実施例における光ディスクの情報トラックを示す構成図である。
【図13】本発明の第5の実施例における光ディスクのセクタフォーマットを説明するための図である。
【図14】(a)は本発明の第5の実施例における光ディスクの識別信号部の平面拡大図、(b)はビームスポットの反射光の再生信号の波形図である。
【図15】本発明の第5の実施例における光学的情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施例における識別子検出回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第5の実施例における識別子検出回路内の各種信号のタイミングチャート図である。
【図18】本発明の第5の実施例におけるランド/グルーブの判別アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図19】本発明の第6の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。
【図20】本発明の第7の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。
【図21】本発明の第8の実施例における光ディスクの主要部を示す拡大平面図である。
【図22】(a)は本発明の第8の実施例における光ディスクの識別信号部を示す拡大平面図、(b)はビームスポットの反射光の再生信号の波形図である。
【符号の説明】
1、3、5、7、16 グルーブ
2、4、6、17 ランド
8 プリピット
10、100 同期信号部
11、80、90 ウォブルピット部
12 識別信号部
13 主情報信号部
14 第1のウォブルピット
15 第2のウォブルピット
18 セクタ
21 光ディスク
22 情報トラック
23 半導体レーザ
24 コリメータレンズ
25 ビームスプリッタ
26 対物レンズ
27 光検出器
27a,27b 受光部
28 アクチュエータ
29 光ヘッド
30 差動アンプ
33 合成回路
34 トラッキング制御回路
36 駆動回路
37 加算アンプ
39 第1の波形整形回路
40 再生信号処理回路
42 第2の波形整形回路
43 アドレス再生回路
44 アドレス算出回路
45 同期信号検出回路
46 タイミング発生回路
47 サンプルホールド回路
48 補正信号生成手段
52 スピンドルモータ
53 記録信号処理回路
55 LD駆動回路
56 システムコントローラ

Claims (3)

  1. 隣接する少なくとも一つのグルーブトラックおよび少なくとも一つのランドトラックを有し、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに対して情報の記録あるいは再生を行うことのできる光情報記録媒体であって、
    該グルーブトラックおよび該ランドトラックに関する識別情報を示すプリピット列と、
    該プリピット列より該グループトラックおよび該ランドトラックに沿って先行する位置に配置され、該プリピット列の識別情報を再生するための再生同期信号を示す複数のピットと
    を備え、
    該再生同期信号を示す複数のピットは、該グルーブトラックおよび該ランドトラックの何れか一方の中心線に対して内周側と外周側に配置される、光情報記録媒体。
  2. 前記グルーブトラックおよび前記ランドトラックは、複数のセクタに分割されており、前記識別信号領域にあるプリビット列は、対応するセクタのアドレス情報を示すアドレスピット列を含んでいる、請求項に記載の光情報記録媒体。
  3. 隣接する少なくとも一つのグルーブトラックおよび少なくとも一つのランドトラックを有し、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに対して情報の記録あるいは再生を行うことのできる光情報記録媒体に光ビームで情報を記録/再生する光学的情報記録再生装置であって、
    該光情報記録媒体は、該グルーブトラックおよび該ランドトラックに関する識別情報を示すプリピット列と、
    該プリピット列より該グルーブトラックおよび該ランドトラックに沿って先行する位置に配置される複数のピットであって、該プリピット列の識別情報を再生するための再生同期信号を示す複数のピットと
    を備え、
    該再生同期信号を示す複数のピットは、該グルーブトラックおよび該ランドトラックの何れか一方の中心線に対して内周側と外周側に配置され、
    該再生同期信号を示す複数のピットに基づいてトラッキングオフセットを補償する回路を備えた光学的情報記録再生装置。
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