JP3470105B2 - チルト検出装置および光ディスク装置、チルト検出方法 - Google Patents

チルト検出装置および光ディスク装置、チルト検出方法

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JP3470105B2
JP3470105B2 JP2001078590A JP2001078590A JP3470105B2 JP 3470105 B2 JP3470105 B2 JP 3470105B2 JP 2001078590 A JP2001078590 A JP 2001078590A JP 2001078590 A JP2001078590 A JP 2001078590A JP 3470105 B2 JP3470105 B2 JP 3470105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を光デ
ィスク媒体に照射することで情報の記録を行う光ディス
クとその光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク装置は大容量のデータ
を記録再生する手段として盛んに開発が行われ、より高
い記録密度を達成するためのアプローチがなされてお
り、その中の一つの方式に、結晶−非結晶間の可逆的な
状態変化を利用した相変化型光ディスク装置がある。
【0003】相変化型の光ディスク装置では、結晶部を
アモルファス化するピークパワーと、アモルファス部を
結晶化するバイアスパワーの2つのパワーで半導体レー
ザーを光ディスク媒体に照射させることにより、光ディ
スク媒体上にマーク(アモルファス部)と、マークに挟
まれたスペース(結晶部)を形成する。
【0004】これらマークおよびスペースは、ディスク
上の案内溝のランド部とグルーブ部の両方のトラックに
記録されるランド・グルーブ記録技術がある。
【0005】光ディスクの信頼性を上げるためには、品
質のよい信号を光ディスクに記録再生する必要がある。
光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾き(チ
ルト角)があると、光スポットが収差をもち、品質のよ
い信号を光ディスクに記録再生することが困難である。
そのため、光ディスクに信号を記録再生するためには、
前記チルト角を正確に検出し、チルト角を補正する必要
がある。
【0006】従来のチルト位置を補正する方法を図2に
示す。
【0007】図2において、201は光ディスク、20
2は、光ディスクに光ビームを集光させる光ヘッド、2
03はチルト台、204は、演算回路、205は光スポ
ットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォーカス制
御部、206は光スポットをトラック上に位置制御する
トラッキング制御部、207は前記光ビームの光軸に対
する光ディスクの記録面の傾きを検出するための光を光
ディスクに照射し、光ディスクで反射した光を受光し、
前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾き
を検出するチルトセンサ、208は前記チルトセンサの
検出値から、前記チルト台を傾け、前記光ビームの光軸
に対する前記光ディスクの記録面の傾きを制御する手段
としてのチルト制御部である。
【0008】図3は従来の光ディスク装置で光ディスク
の内周および外周でチルト位置を補間した場合のグラフ
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構
成では、光ディスクのチルト位置を検出するために、図
2で示したようなチルトセンサとチルト制御部を用いる
ために、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの
記録面の傾きを補正する際に、光ヘッド202とは別に
チルト検出用のチルトセンサ207が必要であった。光
ヘッドとチルトセンサの2つの光学系は、光ディスク装
置を複雑にし、装置の実施規模を増大させコストアップ
を招く。また、光ヘッドとチルトセンサの2つの光学系
に対して光軸調整をしなければならず、調整作業を複雑
にし、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記
録面の傾き(チルト角)と、チルトセンサとの間に誤差
が生じ、正確にチルト角を検出することが困難であっ
た。
【0010】本発明は、上述の課題をすべて解決するも
のであり、チルト検出手段の検出値が適切な値になるよ
うに、光スポットの品質および記録再生特性を改善する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために本発明は、次の種種の観点を有する。
【0012】第1の観点は、次の通りである。
【0013】同心円またはスパイラル状に連続して形成
したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
と第2シフトピットとを有し、前記第1シフトピットは
繰り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピッ
トが繰り返し連続して設けられている光ディスクの記録
面の傾きを検出するチルト検出装置であって、前記光デ
ィスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記
録再生を行う光ヘッドと、前記光ディスクからの反射光
を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2
受光素子で受光する2分割光検出器と、前記光スポット
を2分割光検出器の差信号であるプシュプル信号を用い
てトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で
受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第3
和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割
光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和
である第4和信号とを比較することによって前記トラッ
クのセンタと光スポットのセンタとのずれ量であるオフ
セット量を出力するオフトラック検出手段と、前記トラ
ッキング制御手段にオフトラック検出手段の出力を加算
し、光スポットがトラックのセンタに位置された状態
で、前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出
器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である
第1差信号の振幅(I)と、前記第2シフトピットから
の反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素
子からの出力の差である第2差信号の振幅(J)とを比
較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出す
るチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出
装置である。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】第の観点は、次の通りである。
【0023】同心円またはスパイラル状に連続して形成
したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
と第2シフトピットを有し、前記第1シフトピットは繰
り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピット
が繰り返し連続して設けられている光ディスクの記録面
の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、前
記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信
号の記録再生を行う光ヘッドと、前記光ディスクからの
反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第
1、第2受光素子で受光する2分割検出器と、前記光ス
ポットを2分割光検出器の差信号であるプシュプル信号
を用いてトラック上に位置制御するトラッキング制御手
段と、前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検
出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和であ
る第3和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を
2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出
力の和である第4和信号とを比較することによって前記
トラックのセンタと光スポットのセンタとのずれ量であ
るオフセット量を出力するオフトラック検出手段と、
記トラッキング制御手段にオフトラック検出手段の出力
を加算し、光スポットがトラックのセンタに位置された
状態で、前記第1シフトピットからの反射光を2分割光
検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差で
ある第1差信号の振幅(I)と、前記第2シフトピット
からの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受
光素子からの出力の差である第2差信号の振幅(J)と
を比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検
出するチルト検出手段と、チルト検出手段により検出さ
れたチルト量により光ディスクの角度を補正するチルト
補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置で
ある。
【0024】第の観点は、次の通りである。
【0025】同心円またはスパイラル状に連続して形成
したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
と第2シフトピットとを有し、前記第1シフトピットは
繰り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピッ
トが繰り返し連続して設けられている光ディスクの記録
面の傾きを検出するチルト検出方法であって、前記光デ
ィスクに光ビームを絞った光スポットをあて、前記光デ
ィスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分
割された第1、第2受光素子で受光し、前記光スポット
を2分割光検出器の差信号であるプシュプル信号を用い
てトラック上に位置制御するトラッキング制御を行い、
前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で
受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第3
和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割
光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和
である第4和信号とを比較することによって前記トラッ
クのセンタと光スポットのセンタとのずれ量をあらわす
オフトラック検出信号を生成し、前記トラッキング制御
を行う信号にオフトラック検出信号の出力を加算し、光
スポットがトラックのセンタに位置された状態で、前記
第1シフトピットからの反射光を受光し、第1、第2受
光素子からの出力の差である第1差信号の振幅(I)
と、前記第2シフトピットからの反射光を受光し、第
1、第2受光素子からの出力の差である第2差信号の振
幅(J)とを比較することによって光ディスクの記録面
の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態及び参考
例における共通事項について、図面を参照しながら説明
する。
【0027】図1に光ディスク装置の構成図を示す。
【0028】図1において、101は光ディスク、10
2は、光ディスクに光ビームを集光させる光ヘッド、1
00はa、b、c、dの光検出素子からなる4分割光検
出器、103はチルト台、104は、演算回路、105
は光スポットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォ
ーカス制御部、106は光スポットをトラック上に位置
制御するトラッキング制御部、107は前記光ビームの
光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出するため
に、光検出器の出力から前記光ディスクの記録面の傾き
を検出するチルト検出部、108は前記チルト検出部の
検出値から、前記光ヘッドを傾け、前記光ビームの光軸
に対する前記光ディスクの記録面の傾きを補正するチル
ト補正部である。110はオフトラック検出部、111
はオフトラック制御部である。なお、4分割光検出器
は、a、dを一体物、b、cを一体物と見た場合は、ト
ラック方向に平行に2分割された2分割光検出器と見るこ
ともできる。
【0029】次に、記録再生動作の説明をする。
【0030】光ヘッド102によって、光ディスク10
1上に集光された光スポットは、フォーカス制御部10
5によって、光ディスク101上にフォーカスされ、ト
ラッキング制御部106によって、光ディスク101の
所望の半径位置の所望のトラック位置に光スポットをト
ラッキングする。フォーカスおよびトラッキングされた
光スポットによって、光ディスク上の凹凸のピットある
いは、相変化光ディスクのような反射率の異なる濃淡の
マークを再生することによって、光ディスク上に記録さ
れたデータを読み出す。
【0031】図4を用いて記録動作の説明をする。
【0032】相変化型の光ディスク装置では、結晶部を
アモルファス化するピークパワー401と、アモルファ
ス部を結晶化するバイアスパワー402の2つのパワー
で半導体レーザを光ディスク媒体に照射させることによ
り、光ディスク媒体上にマーク(アモルファス部)40
4と、マークに挟まれたスペース405(結晶部)を形
成する。
【0033】マークとスペースでは反射率が異なるの
で、再生時にはこの反射率の違いを、前記ピークパワー
401および前記バイアスパワー402よりも低いパワ
ーである再生パワー403を利用して記録された信号を
読み出す。
【0034】次に、図5を用いてチルトについて説明す
る。
【0035】図5のように光ディスク501の中心と、
光ヘッド502から光ディスク501上に集光された光
スポットを結ぶ線上をラジアル方向504とよび、光デ
ィスク501のある平面上で前記ラジアル方向504に
垂直な方向をタンジェンシャル方向505とよぶ。ま
た、光ディスク501上の平面に垂直な方向をz軸方向
506とよぶ。
【0036】チルトには、方向で区別すると、トラック
に直交する向きのラジアル方向のチルトとトラックに平
行な向きであるタンジェンシャル方向のチルトがある。
【0037】図6を用いてラジアルチルト(Rチルト)
について説明する。
【0038】図6において601は光ディスク、602
は光ヘッド、603はチルト台である。ラジアルチルト
(Rチルト)には、ディスクの反り、ディスクの回転に
よって生じる面ぶれ等によって生じるディスクRチルト
604と、光ビームの光軸に対する前記光ディスク60
1の記録面の傾き(チルト)が、光ヘッドの取り付け誤
差やチルト台の傾きによって生じるドライブRチルト6
05がある。本質的には、ディスクRチルトとドライブ
Rチルトは区別せずにRチルトとよぶ。
【0039】図7を用いてタンジェンシャルチルト(T
チルト)について説明する。
【0040】図7において701は光ディスク、702
は光ヘッド、703はチルト台である。タンジェンシャ
ルチルト(Tチルト)には、ディスク回転振動、ディス
クの面精度誤差等によって生じるディスクTチルト70
4と、光ビームの光軸に対する前記光ディスク701の
記録面の傾き(チルト)が、光ヘッドの取り付け誤差や
チルト台の傾きによって生じるドライブTチルト705
がある。本質的には、ディスクTチルトとドライブTチ
ルトは区別せずにTチルトとよぶ。
【0041】次にRチルトの検出方法を説明する。図1
のチルト検出部107におけるRチルト検出方法には、
以下のものがある。 (1)トラッキングオンの状態、すなわち光ビームがト
ラックに沿って動作している状態で、光ディスクにあら
かじめ形成された案内溝で回折された光を受光した2分
割光検出器の差動信号(プシュプルTE)の電圧を検出
してRチルトを検出する方法。 (2)トラッキングオフの状態、すなわち光ビームがト
ラックを横断しながら動作している状態で、光ディスク
にあらかじめ形成された案内溝で回折された光を受光し
た2分割光検出器の差動信号(プシュプルTE)の振幅
を検出してRチルトを検出する方法。 (3)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらか
じめ周期的に蛇行(ウォブル)させながら形成された案
内溝のウォブル信号の振幅を検出してRチルトを検出す
る方法。 (4)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらか
じめプリピットされているちどりマーク状の連続ピット
を再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信
号の前半部と後半部の振幅あるいは下側信号のレベル
(下エンベロープ)あるいは上側信号のレベル(上エン
ベロープ)を比較してRチルトを検出する方法。 (5)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらか
じめプリピットされているちどりマーク状の連続ピット
を再生したときの2分割光検出器の差信号出力の再生信
号の前半部と後半部の振幅を比較してRチルトを検出す
る方法。 (6)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらか
じめプリピットされているちどりマーク状の孤立ピット
を再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信
号の前半部と後半部の振幅あるいは下側信号のレベル
(下エンベロープ)を比較してRチルトを検出する方法
がある。
【0042】以上の内、(1)、(3)、(4)、
(5)、(6)の方法については、トラッキングオンの
状態でRチルトの検出を行っている。たとえRチルトま
たはTチルトが生じていても、オフトラック検出部11
0、オフトラック制御部111により、光スポットをト
ラックのセンタに位置させることが可能である。従っ
て、(1)、(3)、(5)、については、まず、オフ
トラック検出部110、オフトラック制御部111によ
り、光スポットをトラックのセンタに位置させる。その
状態で、光スポットの中心(真円部分の中心)を通り、
トラック方向に平行な線で光スポットを2分割し、それ
ぞれの分割部分の光量を調べる。2つの分割部分の光量
が等しい場合は、Rチルトがない場合であり、差が生じ
ている場合は、Rチルトがある場合である。
【0043】以下の(1)、(3)、(4)、(5)、
(6)の方法の説明においては、オフトラック検出部1
10、オフトラック制御部111により、光スポットは
トラックのセンタに位置させられているものとして説明
する。なお、オフトラック検出部110、オフトラック
制御部111の詳細については、後で、図24から図2
9を参照しながら説明する。尚、本願発明において、前
記(5)の方法を実施の形態とし、前記(1)〜(4)
および(6)の方法を参考例として以下に説明する。
【0044】参考例1 まず、(1)の光スポットが光ディスクにあらかじめ形
成された案内溝で回折された光を受光した2分割光検出
器の差動信号(プシュプルTE)の電圧を検出してRチ
ルトを検出する方法を参考例1として説明する。
【0045】図18が光ディスク上の案内溝の断面図と
そのときのトラッキングエラーを示す再生信号であるプ
シュプルTE信号波形である。1801がグルーブトラ
ック、1802がランドトラックである。
【0046】図18に示す例は、トラッキングオン制御
がなされており、かつ、オフトラック制御がなされてい
る状態、すなわち光スポットがトラックのセンタに沿っ
て動作するように制御されている状態にある。図18に
示す波形図は、再生時における2分割光検出器の差信号
出力(プシュプルTE信号)を示す。
【0047】Rチルト0度の時、プシュプルTE信号
は、1803の基準レベルにある。Rチルトが+0.4
度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生
じる。このとき、プシュプルTE信号には位相シフトが
生じ前記Rチルトが0度のときの基準レベルからプシュ
プルTE信号の再生信号にオフセット+Gが生じる。R
チルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光ス
ポットに収差が生じる。このとき、プシュプルTE信号
には位相シフトが生じ前記Rチルトが0度のときの基準
レベルからプシュプルTE信号の再生信号にオフセット
−Gが生じる。Rチルトが+0.4度のときと、Rチル
トが−0.4度のときにプシュプルTE信号は基準レベ
ルからのオフセットGが異なる。チルト検出部は、オフ
セットGをチルト検出部の検出値として保持する。
【0048】チルト制御部は、前記チルト検出値をチル
ト角とみなしてチルト角を補正する。
【0049】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
Gの関係のシミュレーション結果が図11である。シミ
ュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA
=0.6、ラジアル方向における正規化された対物レン
ズ外周部の光強度であるRIM強度は0.25、タンジ
ェンシャル方向RIM強度は0.83である。またスポ
ットはトラックの中心にトラッキングされている場合の
結果である。図11でRチルトが生じていない場合、プ
シュプルTE信号のオフセットGは0である。Rチルト
が発生すると、光スポットが収差をもち案内溝からの回
折光が真円とならず、光スポットの側部にこぶ状の1次
光スポットが形成される。Rチルトの角度が、+の方向
にある場合(図6参照)は、+1次光スポットが真円の右
側(図18(c)参照)に発生し、Rチルトの角度が、
−の方向にある場合は、−1次光スポットが真円の左側
(図18(a)参照)に発生する。Rチルトが+0.4
度のときとRチルトが−0.4度のときでは案内溝から
の回折光を2分割光検出器で受光した場合の差動信号の
出力(プシュプルTE信号)に差が生じる。前記プシュ
プルTE信号のオフセットGをプロットしたものが図1
1の曲線になる。
【0050】チルト検出部は、前記プシュプルTE信号
のオフセットGをチルト角の検出値としてチルト角を検
出する。
【0051】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記プシュプルTE信号のオフセットG
が−0.08である場合、図11より、Rチルトは+
0.4度であることから、チルト補正部108は、この
検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送
信し、チルト制御部109によって、チルト台103を
動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0052】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0053】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0054】参考例2 次に、(2)のトラッキングオフの状態で、光スポット
が光ディスクにあらかじめ形成された案内溝から回折さ
れた光を受光した2分割光検出器の差動信号(プシュプ
ルTE)の振幅を検出してRチルトを検出する方法を参
考例2として説明する。
【0055】ここでは、トラッキングオフの状態にある
ので、光スポットはトラックを横断するよう動作してい
る。図19が光ディスク上の案内溝の配置図とそのとき
のプシュプルTE信号波形である。1901が光スポッ
ト、1902が案内溝の中心であるトラック中心、19
03が前記光ディスクにあらかじめ形成された案内溝で
ある。
【0056】トラッキングオフのときの2分割光検出器
の差信号出力(この場合プシュプルTE信号)の再生時
の例である。
【0057】Rチルト0度の時、プシュプルTE信号の
振幅Kは大である。Rチルトが0.4度生じた場合、R
チルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、
プシュプルTE信号の振幅Kも回折の影響で振幅が減少
する。Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによ
って光スポットに収差が生じる。このとき、プシュプル
TE信号の振幅Kも回折の影響で振幅が減少する。Rチ
ルトが+0.4度のときと、Rチルトが−0.4度のと
きのプシュプルTE信号の振幅Kは、Rチルトが0度の
ときの振幅Kと異なる。チルト検出部は、このプシュプ
ルTE信号の振幅Kをチルト検出部の検出値として保持
する。
【0058】チルト制御部は、前記チルト検出値をチル
ト角とみなしてチルト角を補正する。
【0059】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
Kの関係のシミュレーション結果が図12である。シミ
ュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA
=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェ
ンシャル方向RIM強度0.83である。図12でRチ
ルトが生じていない場合、プシュプルTE信号の振幅K
は1.0である。Rチルトが発生すると、光スポットが
収差をもち案内溝からの回折光がRチルトが±0.4度
のときとRチルトが±0度のときでは案内溝からの回折
光を2分割光検出器で受光した場合の差動信号の出力
(プシュプルTE信号)に差が生じる。前記プシュプル
TE信号の振幅Kをプロットしたものが図12の曲線に
なる。
【0060】チルト検出部は、前記プシュプルTE信号
の振幅Kをチルト角の検出値としてチルト角を検出す
る。
【0061】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記プシュプルTE信号の振幅Kが0.
8である場合、図12より、Rチルトは+0.4度ある
いは−0.4度であることから、チルト補正部108
は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部1
09に送信し、チルト制御部109によって、チルト台
103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0062】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0063】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0064】参考例3 次に、(3)の光スポットが光ディスクにあらかじめ周
期的に蛇行(ウォブル)させながら形成された案内溝か
ら回折された光を受光した2分割光検出器の差動信号
(ウォブル信号)の振幅を検出してRチルトを検出する
方法を参考例3として説明する。
【0065】図20が光ディスク上の案内溝の配置図と
そのときのプシュプルTE信号波形である。2001が
光スポット、2002が案内溝の中心であるトラック中
心、2003があらかじめウォブルさせながら形成され
た案内溝である。
【0066】ここでは、トラッキングオンの状態にある
ので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作して
いる。図20には、再生時における2分割光検出器の差
信号出力(この場合ウォブル信号)が示されている。
【0067】Rチルト0度の時、ウォブル信号の振幅H
は最大である。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチル
トによって光スポットに収差が生じる。このとき、ウォ
ブル信号の振幅Hも回折の影響で振幅が減少する。Rチ
ルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポ
ットに収差が生じる。このとき、ウォブル信号の振幅H
も回折の影響で振幅が減少する。Rチルトが+0.4度
のときと、Rチルトが−0.4度のときのウォブル信号
の振幅Hは、Rチルトが0度のときの振幅Hと異なる。
チルト検出部は、このウォブル信号の振幅Hをチルト検
出部の検出値として保持する。
【0068】チルト制御部は、前記チルト検出値をチル
ト角とみなしてチルト角を補正する。
【0069】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
Hの関係のシミュレーション結果が図13である。シミ
ュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA
=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェ
ンシャル方向RIM強度0.83である。またスポット
はトラックの中心にトラッキングされている場合の結果
である。図13でRチルトが生じていない場合、ウォブ
ル信号の振幅Hは0.09である。Rチルトが発生する
と、光スポットが収差をもち案内溝からの回折光がRチ
ルトが±0.4度のときとRチルトが±0度のときでは
案内溝からの回折光を2分割光検出器で受光した場合の
差動信号の出力(ウォブル信号)に差が生じる。前記ウ
ォブル信号の振幅Hをプロットしたものが図13の曲線
になる。
【0070】チルト検出部は、前記ウォブル信号の振幅
Hをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0071】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記ウォブル信号の振幅Hが0.083
である場合、図13より、Rチルトは+0.4度あるい
は−0.4度であることから、チルト補正部108は、
この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109
に送信し、チルト制御部109によって、チルト台10
3を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0072】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0073】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0074】参考例4 次に、(4)の光ディスクにあらかじめプリピットされ
ているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2
分割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部
の下側信号のレベルを比較してRチルトを検出する方法
を参考例4として説明する。
【0075】図8が光ディスク上のピット配置図であ
る。801がデータを記録するためにスパイラル状に掘
られた案内溝のグルーブトラック、802が前記グルー
ブトラックに挟まれたランドトラックである。803
は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるいは内
周側にウォブリングされて形成されている前半部の繰返
しピット列、804は前記前半部の繰返しピット列に続
いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半部の繰
返しピット列とはトラック中心に対して対称位置にウォ
ブリングされて形成されている後半部の繰返しピット列
である。ウォブルされているピット列のラジアル方向の
ピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μm、ピッ
ト深さλ/6、ピット長0.462μm、タンジェンシ
ャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパターン、ト
ラック中心からピット中心までの振り幅が0.3μm外
周あるいは内周側にウォブルされたピットである。ここ
でシフトされたピットが繰り返される間隔であるスペー
スLsは、ピット長をLpとした場合、Lp<Ls<2
Lpを満たす。
【0076】図21に2分割光検出器の和信号出力の再
生時の例を示す。ここでは、トラッキングオンの状態に
あるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作
している。
【0077】再生信号波形はRチルト0度の時、前半部
の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピッ
トを再生した場合、ピット列によって変調された和信号
出力の下側レベルAbとBbはAb=Bbの関係にあ
る。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチルトによって
光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の繰返し
ピット列から再生される和信号出力の下側レベルAb
と、後半部の繰返しピット列から再生される和信号出力
の下側レベルBbは異なる。チルト検出部は、この前半
部と後半部の和信号出力の下側信号レベルAb−Bbを
チルト検出部の検出値として保持する。
【0078】Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチル
トによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半
部の繰返しピット列から再生される和信号出力の下側レ
ベルAbと、後半部の繰返しピット列から再生される和
信号出力の下側レベルBbは異なる。チルト検出部は、
この前半部と後半部の和信号出力の下側信号レベルAb
−Bbをチルト検出部の検出値として保持する。
【0079】前記前半部と後半部の和信号出力の振幅
は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保
持され、前半部の和信号出力の保持値Ab、後半部の和
信号出力の保持値Bbの差Ab−Bbをチルト検出値と
し、チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみ
なしてチルト角を補正する。
【0080】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
Ab−Bbの関係のシミュレーション結果が図14であ
る。シミュレーションで用いた光学条件は波長650n
m、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、
タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。また
スポットはトラックの中心にトラッキングされている場
合の結果である。図21でRチルトが生じていない場
合、和信号出力の下側レベルの差Ab−Bbは0であ
る。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもちピ
ットからの回折光のうち前半部の繰返しピットからの回
折光量と後半部の繰返しピットからの回折光量に差が生
じる。前記前半部の和信号出力の下側レベルAbと前記
後半部の和信号出力の下側レベルBbの差Ab−Bbを
プロットしたものが図14の曲線になる。
【0081】チルト検出部は、前記下側信号レベル差A
b−Bbをチルト角の検出値としてチルト角を検出す
る。
【0082】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記和信号出力の下側信号レベル差Ab
−Bbが−0.06である場合、図14より、Rチルト
は+0.4度であることから、チルト補正部108は、
この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109
に送信し、チルト制御部109によって、チルト台10
3を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0083】ここでは、繰返しピット列の前半と後半の
和信号出力の下側信号レベルの差をチルト制御部の検出
値として説明したが、チルト検出値として和信号出力の
下側信号レベル差Ab−Bbの代わりに、繰返しピット
列の和信号出力の上側信号レベル差At−Btを用いて
も構わない。
【0084】ここでは、繰返しピット列の前半と後半の
和信号出力の下側信号レベルの差をチルト制御部の検出
値として説明したが、チルト検出値として和信号出力の
下側信号レベル差Ab−Bbの代わりに、繰返しピット
列の和信号出力の信号振幅差C−Dを用いても構わな
い。
【0085】後で図26、図27と共に説明するよう
に、オフトラック検出においても前半の繰返しピット列
の和信号と、後半の繰返しピット列の和信号との差が用
いられている。上述より明らかなように、和信号は、お
よそ正弦波カーブを描いて変動しているので、和信号の
値は、(i)上側信号レベルを採る場合と、(ii)下
側信号レベルを採る場合と、(iii)正弦波カーブの
振幅を採る場合の3通りの採り方がある。この(4)の
チルト検出方法を行う場合、(i)、(ii)、(ii
i)のいずれかひとつを採用すれば、オフトラック検出
においては、残りのいずれかひとつを採用するようにし
ている。これによりチルト検出に利用される信号と、オ
フトラック検出に利用される信号とが全く同じものにな
ることを回避している。
【0086】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0087】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0088】参考例5 次に(6)の光ディスクにあらかじめプリピットされて
いるちどりマーク状の孤立ピットを再生したときの2分
割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部の
下側信号のレベルを比較してRチルトを検出する方法を
参考例5として説明する。
【0089】図9が孤立ピットを配した光ディスクのピ
ットの配置図とそのときの再生信号波形である。901
がデータを記録するためにスパイラル状に掘られた案内
溝のグルーブトラック、902が前記グルーブトラック
に挟まれたランドトラックである。903は、前記グル
ーブトラックの中心から外周側あるいは内周側にウォブ
リングされて形成されている前半部の孤立ピット、90
4は、前記前半部の孤立ピットに続いて、前記グルーブ
トラックの中心から前記前半部の孤立ピットとはトラッ
ク中心に対して対称位置にウォブリングされて形成され
ている後半部の孤立ピットである。ウォブルされている
ピットのラジアル方向のピット間隔1.19μm、トラ
ック方向の孤立ピット間隔10μm以上、孤立ピットの
ピット幅0.36μm、ピット深さλ/6、ピット長
0.462μm、トラック中心からピット中心までの振
り幅が0.3μm外周あるいは内周側にウォブルされた
ピットである。ここで、シフトされたピットが繰り返さ
れる間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした
場合、20Lp<Lsを満たす。
【0090】再生信号波形は、2分割光検出器の和信号
再生時の例である。ここでは、トラッキングオンの状態
にあるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動
作している。
【0091】再生信号波形はRチルト0度の時、前半部
の孤立ピットを再生した場合と、後半部の孤立ピットを
再生した場合、ピットによって変調された和信号出力の
下側レベルEとFはE=Fの関係にある。Rチルトが+
0.6度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収
差が生じる。このとき、前半部の孤立ピットから再生さ
れる和信号出力の下側レベルEと、後半部の孤立ピット
から再生される和信号出力の下側レベルFは異なる。チ
ルト検出部は、この前半部と後半部の和信号出力の下側
信号レベル差E−Fをチルト検出部の検出値として保持
する。
【0092】Rチルトが−0.6度生じた場合、Rチル
トによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半
部の孤立ピットから再生される和信号出力の下側レベル
Eと、後半部の孤立ピットから再生される和信号出力の
下側レベルFは異なる。チルト検出部は、この前半部と
後半部の和信号出力の下側信号レベル差E−Fをチルト
検出部の検出値として保持する。
【0093】前記前半部と後半部の和信号出力の振幅
は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保
持され、前半部の和信号出力の保持値E、後半部の和信
号出力の保持値Fの差E−Fをチルト検出値とし、チル
ト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチ
ルト角を補正する。
【0094】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
E−Fの関係のシミュレーション結果が図17である。
シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、
NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タン
ジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポ
ットはトラックの中心にトラッキングされている場合の
結果である。図17でRチルトが生じていない場合、和
信号出力の下側信号レベル差E−Fは0である。Rチル
トが発生すると、光スポットが収差をもちピットからの
回折光のうち前半部の孤立ピットからの回折光量と後半
部の孤立ピットからの回折光量に差が生じる。前記前半
部の和信号出力の下側信号レベルEと前記後半部の和信
号出力の下側信号レベルFの差E−Fをプロットしたも
のが図17の曲線になる。
【0095】チルト検出部は、前記和信号出力の下側信
号レベル差E−Fをチルト角の検出値としてチルト角を
検出する。
【0096】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記和信号出力の下側信号レベル差E−
Fが+0.06である場合、図17より、Rチルトは+
0.6度であることから、チルト補正部108は、この
検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送
信し、チルト制御部109によって、チルト台103を
動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0097】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0098】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0099】このようにチルト検出部で検出された検出
値は、チルト補正部によって、チルト角が算出され、チ
ルト制御部によって、チルト台を動かして、Rチルトを
なくし、記録再生信号の信号品質を向上させる。
【0100】なお、前述の(1)、(3)から(6)の
方法でRチルトを検出するためには、光スポットがあら
かじめ案内溝で形成されたトラックの中心を走査してい
ることが望ましい。光ディスクのトラックの中心と光ス
ポットとのずれをオフトラックと呼ぶ。オフトラックが
0、すなわち、光スポットが光ディスクのあらかじめ形
成された案内溝の中心を走査していると前述の(1)、
(3)から(6)の方法でRチルトを検出する場合によ
り精度よく、Rチルトを検出することが可能である。
【0101】実施の形態 次に、(5)の光ディスクにあらかじめプリピットされ
ているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2
分割光検出器の差信号出力の再生信号の前半部と後半部
の振幅を比較してRチルトを検出する方法を実施の形態
として説明する。
【0102】図23が光ディスク上のピット配置図であ
る。2301がデータを記録するためにスパイラル状に
掘られた案内溝のグルーブトラック、2302が前記グ
ルーブトラックに挟まれたランドトラックである。23
03は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるい
は内周側にウォブリングされて形成されている前半部の
繰返しピット列、2304は前記前半部の繰返しピット
列に続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半
部の繰返しピット列とはトラック中心に対して対称位置
にウォブリングされて形成されている後半部の繰返しピ
ット列である。ウォブルされているピット列のラジアル
方向のピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μ
m、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、タン
ジェンシャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパタ
ーン、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.
3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットであ
る。
【0103】トラッキングオンの時の2分割光検出器の
差信号出力について説明する。ここでは、トラッキング
オンの状態にあるので、光スポットはトラックのセンタ
に沿って動作している。
【0104】図23で、2分割光検出器の一方のディテ
クタの出力がN1、もう一方のディテクタの出力がN2
である。トラック中心からウォブルされて配置されてい
る連続ピットを再生する場合、ディテクタの一方は、ピ
ットで回折された光によって、大きく変調されるが、も
う一方は、ピットによる回折の影響が少なく、光強度変
化は少ない。差信号出力は前記N1とN2の差信号出力
N1−N2で、N−の出力となる。
【0105】図22に2分割光検出器の差信号出力の再
生時の例を示す。
【0106】再生信号波形はRチルト0度の時、前半部
の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピッ
トを再生した場合、ピット列によって変調された信号の
振幅IとJはI=Jの関係にある。Rチルトが0.4度
生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じ
る。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される
差信号出力の振幅Iと、後半部の繰返しピット列から再
生される差信号出力の振幅Jは異なる。チルト検出部
は、この前半部と後半部の差信号出力の振幅差I−Jを
チルト検出部の検出値として保持する。Rチルトが−
0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収
差が生じる。このとき、前半部の繰返しピット列から再
生される差信号出力の振幅Iと、後半部の繰返しピット
列から再生される差信号出力の振幅Jは異なる。チルト
検出部は、この前半部と後半部の差信号出力の振幅差I
−Jをチルト検出部の検出値として保持する。
【0107】前記前半部と後半部の差信号出力の振幅
は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保
持され、前半部の差信号出力の保持値I、後半部の差信
号出力の保持値Jの差I−Jをチルト検出値とし、チル
ト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチ
ルト角を補正する。
【0108】上記のようにRチルトが発生した状態での
Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値
I−Jの関係のシミュレーション結果が図15である。
シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、
NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タン
ジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポ
ットはトラックの中心にトラッキングされている場合の
結果である。図15でRチルトが生じていない場合、差
信号出力の振幅の差I−Jは0である。Rチルトが発生
すると、光スポットが収差をもちピットからの回折光の
うち前半部の繰返しピットからの回折光量と後半部の繰
返しピットからの回折光量に差が生じる。前記前半部差
信号出力の振幅Iと前記後半部差信号出力の振幅Jの振
幅差I−Jをプロットしたものが図15の曲線になる。
【0109】チルト検出部は、前記差信号出力の振幅差
I−Jをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0110】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記差信号出力の振幅差I−Jが−0.
09である場合、図15より、Rチルトは+0.4度で
あることから、チルト補正部108は、この検出値に応
じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チル
ト制御部109によって、チルト台103を動かすこと
で、Rチルト角を補正する。
【0111】上記の場合、さらに光スポットがトラック
の中心から+0.02μmオフトラックが生じている状
態での、Rチルトの量とチルト検出部によって検出され
た検出値I−Jの関係のシミュレーション結果が図16
である。シミュレーションで用いた光学条件は波長65
0nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.2
5、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。
図16でRチルトが生じていない場合、差信号出力の振
幅の差I−Jは0である。Rチルトが発生すると、光ス
ポットが収差をもちピットからの回折光のうち前半部の
繰返しピットからの回折光量と後半部の繰返しピットか
らの回折光量に差が生じる。前記前半部差信号出力の振
幅Iと前記後半部差信号出力の振幅Jの振幅差I−Jを
プロットしたものが図16の曲線になる。図16の曲線
は、図15の曲線とほとんど同じである。これは、光ス
ポットがトラックの中心にある場合(図15)と、光ス
ポットがトラックの中心から+0.02μmずれた位置
にある場合(図16)とではチルト角の検出結果が同じ
であることを示す。
【0112】チルト検出部は、前記差信号出力の振幅差
I−Jをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0113】例えば前記チルト検出部107で検出され
た検出値である前記差信号出力の振幅差I−Jが−0.
09である場合、図16より、Rチルトは+0.4度で
あることから、チルト補正部108は、この検出値に応
じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チル
ト制御部109によって、チルト台103を動かすこと
で、Rチルト角を補正する。
【0114】
【0115】
【0116】なおシミュレーションで用いた光学条件に
限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0117】前記チルト検出値は2分割光検出器にミラ
ー部からの反射光が100%戻ってきた場合の光量を1
として規格化されている。
【0118】前記(5)のRチルト検出方法における前
記オフトラックを補正する方法を以下で実施の形態とし
て説明する。また、以下のオフトラックを補正する方法
は、(5)のRチルト検出方法に限らず前記(1)、
(3)および(4)のRチルト検出方法におけるオフト
ラックを補正する方法として用いることも可能である。
【0119】オフトラックは、光ディスクにあらかじめ
ウォブルされて形成された、繰返しピット列を、光スポ
ットで再生する信号の和信号出力を用いて制御する。
【0120】図24が光ディスク上のピット配置図であ
る。2401がデータを記録するためにスパイラル状に
掘られた案内溝のグルーブトラック、2402が前記グ
ルーブトラックに挟まれたランドトラックである。24
03は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるい
は内周側にウォブリングされて形成されている前半部の
繰返しピット列、2404は前記前半部の繰返しピット
列に続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半
部の繰返しピット列とはトラック中心に対して対称位置
にウォブリングされて形成されている後半部の繰返しピ
ット列である。ウォブルされているピット列のラジアル
方向のピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μ
m、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、タン
ジェンシャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパタ
ーン、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.
3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットであ
る。
【0121】図25に2分割光検出器の和信号出力の再
生時の例を示す。
【0122】再生信号波形はオフトラック0の時、前半
部の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピ
ットを再生した場合、ピット列によって変調された信号
の振幅LとMはL=Mの関係にある。オフトラックが
0.02μm生じた場合、オフトラックによって2分割
光検出器の2つのディテクタの間に光量差が生じる。こ
のとき、前半部の繰返しピット列から再生される和信号
出力の振幅Lと、後半部の繰返しピット列から再生され
る和信号出力の振幅Mは異なる。この前半部と後半部の
和信号出力の振幅は、サンプルホールド回路によって、
電圧のDC値が保持され、前半部の和信号出力の保持値
L、後半部の和信号出力の保持値Mの差L−Mをオフト
ラック検出値とし、この検出値をオフトラック位置とみ
なしてオフトラック位置を補正する。この場合、チルト
に依存せず、オフトラック位置を補正することが可能で
ある。
【0123】次に、チルト検出部によって検出された検
出値にもとづいて、光ディスクの異なる半径位置でのR
チルトの補正方法を、図10を用いて説明する。
【0124】Rチルトはディスクの反りによって発生す
るため、光ディスクの内周から外周にかけてRチルトの
大きさは図10の曲線1001のように変化する。
【0125】図10において、1001は、前記光ビー
ムの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾き(チル
ト)が、光ディスクの半径位置とともにどのように変化
しているかを表す実際のチルト曲線、1002は前記チ
ルト曲線1001上の内周の所定の半径位置でのチルト
量(またはチルト角)、1003は前記チルト曲線10
01上の中周の所定の半径位置でのチルト量、1004
は前記チルト曲線1001上の外周の所定の半径位置で
のチルト量である。
【0126】次に、チルト検出部によって検出される検
出値から推定されるチルト量について説明する。100
5は、前記チルト検出部によって、光ディスクの内周の
所定の半径位置で検出された検出値から推定されたチル
ト量、1006は、前記チルト検出部によって、光ディ
スクの外周の所定の半径位置で検出された検出値から推
定されたチルト量、1007は、前記チルト検出部によ
って、光ディスクの中周の所定の半径位置で検出された
検出値から推定されたチルト量、1008は前記中周で
の推定されたチルト量1007と、前記内周での推定さ
れたチルト量1005および前記外周での推定されたチ
ルト量1006を直線で補間した補間曲線1008であ
る。
【0127】光ディスクは、チルトする際に内周と外周
でチルト量が異なる。このチルト量の半径位置による違
いを検出するために、本発明に関連する参考例の光ディ
スク装置では、図10のように光ディスクの内周と外周
およびその間の中周の少なくとも3つの半径位置でのチ
ルト量を検出する。チルト角を検出した内周と中周の半
径位置の間にある半径位置でのチルト量は、前記内周で
の検出値から推定されたチルト量1005と、前記中周
での検出値から推定されたチルト量1007を直線で補
間した曲線1008上の値を内周と中周の間での所望の
半径位置での推定されたチルト量としている。チルト角
を検出した外周と中周の半径位置の間にある半径位置で
のチルト量は、前記外周での検出値から推定されたチル
ト量1006と、前記中周での検出値から推定されたチ
ルト量1007を直線で補間した曲線1008上の値を
外周と中周の間での所望の半径位置での推定されたチル
ト量としている。
【0128】この場合、光ディスクの中周の所定の半径
位置で推定されたチルト量1007と実際の光ディスク
の中周でのチルト量1003を正しく補正することが可
能であり、従来の方法に比べて、内外周でチルト量が異
なる光ディスクに対して、各半径位置で正確かつ精度よ
くチルト位置を補正することが可能であり、光ディスク
の記録再生時の信号品質を著しく向上させることが可能
である。
【0129】次にチルト補正部108の動作について説
明する。図10において、内周の半径位置でチルト角
(Rチルト)が0度になっている。あるいは、内周のチ
ルト角を相対的に0度とする。光ディスクの外周部にお
いては、内周部に比べてディスクのたわみの影響でチル
ト角が大きくなっている。このたわみはディスク毎にば
らついており、各々のディスクでチルト角の半径位置に
対する大きさの特性は異なる。
【0130】光スポットが光ディスク面上に収束してい
る半径位置が外側に移動し、中周、あるいは外周で、前
記チルト検出部によってチルト角を検出し、1008の
補間したチルト曲線におけるチルト角が内周でのチルト
角に比べて閾値(例えば0.4度)以上異なる場合は、
チルト補正部は、チルト角が前記閾値となる半径位置に
おいてチルト角が0になるようにチルト台103を動か
すよう指令する。
【0131】これにより、チルト角が内周から外周にか
けて生じるディスクのたわみによって生じるチルト角
を、チルト台を動かすことで小さくすることが可能であ
り、光ディスクの記録再生時の信号品質を向上させるこ
とが可能である。参考例6さらに、オフトラックの検
出、制御について、本発明の実施の形態で述べたオフト
ラック補正方法とは別の方法について参考例6として説
明する。
【0132】図26を用いて、4分割検出器100の4
つの受光素子からの出力a,b,c,dを受けて動作す
る演算回路104の動作について説明する。演算回路1
04からは、 TE信号:(a+d)−(b+c)、 FE信号:(a+c)−(b+d)、 RF信号:(a+b+c+d)、 オフトラック検出信号(OF信号): 対角和信号(a+c)、 対角和信号(b+d) が生成される。
【0133】前記TE信号は、トラッキング制御部10
6へ送られ、光スポットを光ディスクのトラック上にト
ラッキング位置制御するのに用いられる。前記FE信号
は、フォーカス制御部105へ送られ、光スポットを光
ディスク上に焦点位置制御するのに用いられる。前記R
F信号は、光ディスクに記録されているデータを読み出
し、再生信号となりデータ処理される。また前記RF信
号は、オフトラック検出部110に送られ、オフトラッ
ク位置検出に用いられる。前記オフトラック検出信号
(OF信号)はオフトラック検出部110へ送られ、オ
フトラック位置検出に用いられる。
【0134】次に、オフトラック検出部110で、前記
オフトラック検出信号からオフトラック位置が検出され
る過程を説明する。
【0135】オフトラック位置は、二組のオフトラック
検出信号の間の位相差を抽出することで検出される。
【0136】位相差信号の詳細を図27を用いて説明す
る。
【0137】ここで図27のように、光スポット270
1がトラックの中央にあるときにはディテクタ上での回
折光の強度は図27の(B)のようになるため、対角和
信号(a+c)と(b+d)の位相差は0である。ディ
スクが回転して、光スポットとピットの関係が矢印のよ
うに進んでも、この値は常にゼロで変わらない。光スポ
ットがトラックからずれて、図27(A)、図27
(C)のようになって、ディスクの回転とともに図27
の矢印の方向に移動したとき、対角和信号はともに正弦
波状の出力になるが、これらは、RF信号(a+b+c
+d)に対して位相が、+90度と−90度の関係にな
るので、前記RF信号に対する対角和信号の位相差を検
出すれば光スポットがピットの中央からどれだけオフト
ラックしているかが検出できる。
【0138】オフトラック検出においても前半の繰返し
ピット列の和信号と、後半の繰返しピット列の和信号と
の差が用いられている。図21において説明したのと同様
に、対角和信号は、およそ正弦波カーブを描いて変動し
ているので、対角和信号の値は、(i)上側信号レベル
を採る場合と、(ii)下側信号レベルを採る場合と、
(iii)正弦波カーブの振幅を採る場合の3通りの採
り方がある。
【0139】図27(D)に位相差信号とオフトラック
の関係を表す波形を示す。図では(Bsig)は、光ス
ポットがピットの中央を通った場合の出力点、(Asi
g)、(Csig)がそれぞれピットの左側および右側
を通った場合の出力点を示す。この位相差を用いてピッ
トの中心からのオフトラック位置が検出できる。
【0140】図28(A)のように光ディスク上にあら
かじめ記録されている凹凸のプリピット2805が案内
溝のグルーブトラックの中心に対してトラックをまたぐ
方向にWa(=Tp/4)だけ振られた位置に連続に配
置されたピットを前半部プリピット列2803、前半部
プリピット列とはグルーブトラックの中心を基準に反対
側に振られた位置に連続に配置されたピット列を後半部
プリピット列2804とする。ここで前半部プリピット
の振り幅Waと後半部プリピットの振り幅Wbは等しく
配置されている(Wa=Wb)。配置されているピット
は、単一周波数の連続のピットが並んでいる。
【0141】図28(B)はピットを中心とした位相差
信号のグラフである。光スポットが前半部プリピット列
のグルーブトラックの中心を通る場合、位相差信号の出
力はPa、光スポットが後半部プリピット列のグルーブ
トラックの中心を通る場合、位相差信号の出力はPbで
ある。これら前半部プリピット列での位相差信号と後半
部プリピット列の位相差信号を保持し、オフトラック検
出部で前半部プリピット列の出力と後半部繰返しピット
列の出力の和を計算した結果が図28(C)である。光
スポットがトラックの中心を通った場合に、この位相差
和信号が0になる。
【0142】上記、条件に基づいてコンピュータシミュ
レーションを行った結果の説明をする。シミュレーショ
ンで用いた条件は以下の通りである。レーザー波長
(λ)650nm、対物レンズNA0.6、タンジェン
シャル方向RIM強度0.83、ラジアル方向RIM強
度0.25、ディスクのトラックピッチ1.19μm、
ピット深さλ/6、ピット幅0.36μm、繰返しピッ
トの線方向の周期は1.12um、ピット長0.46μ
mの繰返しウォブルピット列である。
【0143】図29がRチルトが生じた場合の特性であ
る。
【0144】図29では(a)(b)(c)の順にRチ
ルトを−0.6度、±0.0度、+0.6度与えた場合
の、位相差信号を前半部ウォブルピットと後半部ウォブ
ルピットで演算したオフトラック検出信号を示す。横軸
はトラック中心を基準にしたオフトラック量を表してい
る。縦軸がオフトラック検出信号である。オフトラック
検出信号が0の場合がトラック中心である。(b)の曲
線でRチルトがない場合、グラフからオフトラック量に
応じたオフトラック検出信号が得られていることがわか
る。また、オフトラック位置が0のとき、オフトラック
検出信号も0となっている。
【0145】次にRチルトが生じた場合、例えば(a)
の−0.6度傾いた場合、グラフからオフトラック量に
応じたオフトラック検出信号が得られていることがわか
る。また、オフトラック位置が0のとき、オフトラック
検出信号も0となっている。
【0146】(c)の場合も同様である。
【0147】このように位相差信号とウォブル状に配置
された連続したプリピットを再生することで、Rチルト
に対する影響なくオフトラック量を精度よく検出するこ
とが可能である。
【0148】そのため、トラッキングの精度が向上し、
記録時に隣接トラックを消去してしまうクロス消去の影
響を除き、隣接トラックに記録された信号の信号品質を
向上させることが可能である。
【0149】
【発明の効果】以上のように本発明の光ディスク装置お
よび光ディスクのチルト制御方法によれば、記録再生信
号用の光学系とは別にチルト角検出用の光学系を必要と
せず、光ディスクにあらかじめ記録されているグルーブ
トラック、ランドトラックおよびグルーブトラックの中
心から外周側あるいは内周側に中心をずらせて形成され
ている繰返しピット列を用い、トラッキング信号および
チルト角を検出し、チルト補正部、チルト制御部を用い
てチルト角を補正することで記録再生時の信号品質を向
上させることが可能である。これによって、別途チルト
検出器を設ける必要がなく装置の実施規模を縮小させコ
ストを低減することができる。
【0150】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光ディスク装置の
構成図
【図2】従来の光ディスク装置の構成図
【図3】従来の光ディスクのチルト補正方法を表す図
【図4】本発明の実施の形態における光ディスク装置で
の記録再生を説明するための図
【図5】本発明の実施の形態において、光ディスクと光
ディスク装置の関係を示す構成図
【図6】本発明のRチルトを説明するための図
【図7】本発明のTチルトを説明するための図
【図8】光ディスクのピット配置の拡大図
【図9】本発明の参考例5の場合の波形図および光ディ
スクのピット配置図
【図10】本発明の実施の形態における半径位置とRチ
ルトの関係を表すグラフ
【図11】本発明の参考例1の場合のRチルトとプシュ
プルTE信号の関係を表すグラフ
【図12】本発明の参考例2の場合のRチルトとプシュ
プルTE信号振幅の関係を表すグラフ
【図13】本発明の参考例3の場合のRチルトとウォブ
ル信号振幅の関係を表すグラフ
【図14】本発明の参考例4の場合のRチルトと繰返し
連続ピット列の和信号下側信号レベル差の関係を表すグ
ラフ
【図15】本発明の実施の形態の場合のRチルトと繰返
し連続ピット列の差信号振幅差の関係を表すグラフ
【図16】本発明の実施の形態の場合のオフトラックが
ある場合のRチルトと繰返し連続ピット列の差信号振幅
差の関係を表すグラフ
【図17】本発明の参考例5の場合のRチルトと孤立ピ
ットの和信号下側信号レベル差の関係を表すグラフ
【図18】本発明の参考例1の場合のRチルトとプシュ
プルTE信号の関係を説明するための図
【図19】本発明の参考例2の場合のRチルトとプシュ
プルTE信号振幅の関係を説明するための図
【図20】本発明の参考例3の場合のRチルトとウォブ
ル信号振幅の関係を説明するための図
【図21】本発明の参考例4の場合のRチルトと繰返し
連続ピット列の和信号出力の関係を説明するための図
【図22】本発明の実施の形態の場合のRチルトと繰返
し連続ピット列の差信号出力の関係を説明するための図
【図23】光ディスクのピット配置図および差信号出力
を説明するための図
【図24】光ディスクのピット配置の拡大図
【図25】本発明の参考例4の場合のオフトラックと繰
返し連続ピット列の和信号出力の関係を説明するための
【図26】本発明の参考例6におけるオフトラック検出
方法を説明するための図
【図27】本発明の参考例6における位相差信号を説明
するための図
【図28】本発明の参考例6におけるオフトラック検出
方法を説明するための図
【図29】本発明の参考例6におけるRチルトに対する
オフトラック誤差のシミュレーション結果を示した図
【符号の説明】
100 4分割光検出器 101 光ディスク 102 光ヘッド 103 チルト台 104 演算回路 105 フォーカス制御部 106 トラッキング制御部 107 チルト検出部 108 チルト補正部 109 チルト制御部 110 オフトラック検出部 111 オフトラック制御部 803 前半部繰返しピット列 804 後半部繰返しピット列 903 前半部孤立ピット 904 後半部孤立ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−208250(JP,A) 特開 昭59−38939(JP,A) 特開 平4−76828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 G11B 7/095

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同心円またはスパイラル状に連続して形成
    したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
    れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
    第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
    と第2シフトピットとを有し、 前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続
    いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられ
    ている光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出
    装置であって、 前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
    信号の記録再生を行う光ヘッドと、 前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿
    って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割
    光検出器と、 前記光スポットを2分割光検出器の差信号であるプシュ
    プル信号を用いてトラック上に位置制御するトラッキン
    グ制御手段と、 前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で
    受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第3
    和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割
    光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和
    である第4和信号とを比較することによって前記トラッ
    クのセンタと光スポットのセンタとのずれ量であるオフ
    セット量を出力するオフトラック検出手段と、 前記トラッキング制御手段にオフトラック検出手段の出
    力を加算し、光スポットがトラックのセンタに位置され
    た状態で、前記第1シフトピットからの反射光を2分割
    光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差
    である第1差信号の振幅(I)と、前記第2シフトピッ
    トからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2
    受光素子からの出力の差である第2差信号の振幅(J)
    とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを
    検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチル
    ト検出装置。
  2. 【請求項2】 前記光ディスクは、前記第1シフトピッ
    トが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長
    をLpとした場合、Lp<Ls<2Lpであることを特
    徴とする請求項1記載のチルト検出装置。
  3. 【請求項3】同心円またはスパイラル状に連続して形成
    したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
    れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
    第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
    と第2シフトピットを有し、 前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続
    いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられ
    ている光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光
    ディスク装置であって、 前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
    信号の記録再生を行う光ヘッドと、 前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿
    って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割
    検出器と、 前記光スポットを2分割光検出器の差信号であるプシュ
    プル信号を用いてトラック上に位置制御するトラッキン
    グ制御手段と、 前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器
    で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第
    3和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分
    割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の
    和である第4和信号とを比較することによって前記トラ
    ックのセンタと光スポットのセンタとのずれ量であるオ
    フセット量を出力するオフトラック検出手段と、 前記トラッキング制御手段にオフトラック検出手段の出
    力を加算し、光スポットがトラックのセンタに位置され
    た状態で、前記第1シフトピットからの反射光を2分割
    光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差
    である第1差信号の振幅(I)と、前記第2シフトピッ
    トからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2
    受光素子からの出力の差である第2差信号の振幅(J)
    とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを
    検出するチルト検出手段と、 チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディ
    スクの角度を補正するチルト補正手段とを有することを
    特徴とする光ディスク装置。
  4. 【請求項4】同心円またはスパイラル状に連続して形成
    したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けら
    れ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および
    第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピット
    と第2シフトピットとを有し、 前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続
    いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられ
    ている光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出
    方法であって、 前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、 前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿
    って2分割された第1、第2受光素子で受光し、 前記光スポットを2分割光検出器の差信号であるプシュ
    プル信号を用いてトラック上に位置制御するトラッキン
    グ制御を行い、 前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器
    で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第
    3和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分
    割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の
    和である第4和信号とを比較することによって前記トラ
    ックのセンタと光スポットのセンタとのずれ量をあらわ
    すオフトラック検出信号を生成し、 前記トラッキング制御を行う信号にオフトラック検出信
    号の出力を加算し、光スポットがトラックのセンタに位
    置された状態で、前記第1シフトピットからの反射光を
    受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第1
    差信号の振幅(I)と、前記第2シフトピットからの反
    射光を受光し、第1、第2受光素子からの出力の差であ
    る第2差信号の振幅(J)とを比較することによって光
    ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチ
    ルト検出方法。
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