JP4153621B2 - チルト検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を光ディスク媒体に照射することで情報の記録を行う光ディスクとその光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク装置は大容量のデータを記録再生する手段として盛んに開発が行われ、より高い記録密度を達成するためのアプローチがなされており、その中の一つの方式に、結晶−非結晶間の可逆的な状態変化を利用した相変化型光ディスク装置がある。
【0003】
相変化型の光ディスク装置では、結晶部をアモルファス化するピークパワーと
、アモルファス部を結晶化するバイアスパワーの2つのパワーで半導体レーザを光ディスク媒体に照射させることにより、光ディスク媒体上にマーク(アモルファス部)と、マークに挟まれたスペース(結晶部)を形成する。
【0004】
これらマークおよびスペースは、ディスク上の案内溝のランド部とグルーブ部の両方のトラックに記録されるランド・グルーブ記録技術がある。
【0005】
光ディスクの信頼性を上げるためには、品質のよい信号を光ディスクに記録再生する必要がある。光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾き(チルト角)があると、光スポットが収差をもち、品質のよい信号を光ディスクに記録再生することが困難である。そのため、光ディスクに信号を記録再生するためには
、前記チルト角を正確に検出し、チルト角を補正する必要がある。
【0006】
従来のチルト位置を補正する方法を図2に示す。
【0007】
図2において、201は光ディスク、202は、光ディスクに光ビームを集光させる光ヘッド、203はチルト台、204は、信号演算回路、205は光スポットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォーカス制御手段、206は光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段、207は前記光ビームの光軸に対する光ディスクの信号の傾きを検出するための光を光ディスクに照射し、光ディスクで反射した光を受光し、前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルトセンサ、208は前記チルトセンサの検出値から、前記チルト台を傾け、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾きを制御するチルト制御手段である。
【0008】
図3は従来の光ディスク装置で光ディスクの内周および外周でチルト位置を補完した場合のグラフである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の構成では、光ディスクのチルト位置を検出するために、図2で示したようなチルトセンサとチルト制御手段を用いるために、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾きを補正する際に、光ヘッド202とは別にチルト検出用のチルトセンサ207が必要であった。光ヘッドとチルトセンサの2つの光学系は、光ディスク装置を複雑にし、装置の実施規模の増大させコストアップを招く。また、光ヘッドとチルトセンサの2つの光学系に対して光軸調整をしなければならず、調整作業を複雑にし、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾き(チルト角)と、チルトセンサとの間に誤差が生じ、正確にチルト角を検出することが困難であった。
【0010】
本発明は、上述の課題をすべて解決するものであり、チルト検出手段の検出値が適切な値になるように、光ディスクの内周、中周、外周の各半径位置で光ビームの光軸に対する光ディスクの傾きを補正し、光スポットの品質および記録再生特性を改善することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために本発明は、次の種種の観点を有する。なお、第1の観点〜第5の観点、第9の観点〜第18の観点、第20の観点〜第26の観点は、明細書の最後に、参考例として説明されている。
【0012】
第6の観点は実施の形態における(5)に対応するものである。
【0013】
同心円またはスパイラル状に連続したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記第1シフトピットからの反射光を前記2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第1差信号と、前記第2シフトピットからの反射光を前記2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第2差信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出装置である。
【0014】
第7の観点は実施の形態における(5)、特に図22に示す上側信号レベルに対応するものである。
【0015】
第6の観点のチルト検出装置において、前記チルト検出手段は、第1差信号のエンベロープの絶対値の高い方のレベルと、前記第2差信号のエンベロープの絶対値の高い方のレベルとを比較することを特徴とする。
【0016】
第8の観点は実施の形態における(5)、特に図22に示す振幅に対応するものである。
【0017】
第6の観点のチルト検出装置において、前記チルト検出手段は、第1差信号の振幅と、前記第2差信号の振幅とを比較することを特徴とする。
【0018】
第19の観点は実施の形態における(5)に対応するものである。
【0019】
同心円またはスパイラル状に連続したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第1差信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第2差信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段と、
チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディスクの角度を制御するチルト補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置である。
【0020】
第27の観点は実施の形態における図26、図27に対応するものである。
【0021】
本発明にかかる、チルト検出装置において、前記第1及び第2のシフトピットからの反射光を4分割光検出器で受光し、前記4分割ディテクタの対角和信号出力の内、前後それぞれのピットに対応する出力値の位相を比較することによって、前記トラッキング制御のオフセット量であるオフトラック検出手段を有し、前記トラッキング制御手段に加算していることを特徴とする。
【0022】
第28の観点は実施の形態における図26,図27に対応するものである。
【0023】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックを有する光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光スポットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォーカス制御手段と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
直交する分割線で4分割された受光面で、前記光ビームの反射光を受光する4分割光検出器と、
前記4分割光検出器の出力から生成されたフォーカスエラー信号と、
前記4分割光検出器の出力から生成されたトラッキングエラー信号と、
前記4分割光検出器の出力から生成された全加算信号と、
前記4分割光検出器の対角をなす2つの受光素子の出力を加算した二組みの対角和信号から生成されたオフトラック検出信号と
を生成する演算回路と、
前記演算回路で生成されたオフトラック検出信号からオフトラック量を検出するオフトラック検出手段と、
前記オフトラック検出手段によって検出された検出値から前記光スポットのオフトラック位置を補正するオフトラック制御手段とを備えた光ディスク装置である。
【0024】
第29の観点は実施の形態における図26、図27に対応するものである。
【0025】
第28の観点の光ディスク装置において、オフトラック検出手段によって検出される検出値は、トラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを前記光ヘッドで再生した再生信号から検出される検出値であることを特徴とする。
【0026】
第30の観点は実施の形態における図26、図27に対応するものである。
【0027】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックを有する光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて信号の記録再生を行うステップと、
前記光スポットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォーカス制御ステップと、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御ステップと、
直交する分割線で4分割された受光面で、前記光ビームの反射光を4分割光検出器で受光する受光ステップと、
前記4分割光検出器の出力から生成されたフォーカスエラー信号と、
前記4分割光検出器の出力から生成されたトラッキングエラー信号と、
前記4分割光検出器の出力から生成された全加算信号と、
前記4分割光検出器の対角をなす2つの受光素子の出力を加算した二組みの対角和信号から生成されたオフトラック検出信号と
を生成する演算ステップと、
前記演算ステップで生成されたオフトラック検出信号からオフトラック量を検出するオフトラック検出ステップと、
前記オフトラック検出ステップによって検出された検出値から前記光スポットのオフトラック位置を補正するオフトラック制御ステップとを備えた光ディスクのオフトラック検出方法である。
【0028】
第31の観点は実施の形態における図26、図27に対応するものである。
【0029】
第30の観点の光ディスク装置において、前記オフトラック検出ステップによって検出される検出値は、トラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを前記光ヘッドで再生した再生信号から検出される検出値であることを特徴とする。
【0030】
【実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1に本実施形態における光ディスク装置の構成図を示す。
【0032】
図1において、101は光ディスク、102は、光ディスクに光ビームを集光させる光ヘッド、100はa、b、c、dの光検出素子からなる4分割光検出器、103はチルト台、104は、信号演算回路、105は光スポットを光ディスク面上に焦点位置制御するフォーカス制御部、106は光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御部、107は前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出するために、光検出器の出力から前記光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出部、108は前記チルト検出部の検出値から、前記光ヘッドを傾け、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾きを補正するチルト補正部である。110はオフトラック検出部、111はオフトラック制御部である。なお、4分割光検出器は、a、dを一体物、b、cを一体物と見た場合は、トラック方向に平行に2分割された2分割光検出器と見ることもできる。
【0033】
次に、記録再生動作の説明をする。
【0034】
光ヘッド102によって、光ディスク101上に集光された光スポットは、フォーカス制御部105によって、光ディスク101上にフォーカスされ、トラッキング制御部106によって、光ディスク101の所望の半径位置の所望のトラック位置に光スポットをトラッキングする。フォーカスおよびトラッキングされた光スポットによって、光ディスク上の凹凸のピットあるいは、相変化光ディスクのような反射率の異なる濃淡のマークを再生することによって、光ディスク上に記録されたデータを読み出す。
【0035】
図4を用いて記録動作の説明をする。
【0036】
相変化型の光ディスク装置では、結晶部をアモルファス化するピークパワー401と、アモルファス部を結晶化するバイアスパワー402の2つのパワーで半導体レーザを光ディスク媒体に照射させることにより、光ディスク媒体上にマーク(アモルファス部)404と、マークに挟まれたスペース405(結晶部)を形成する。
【0037】
マークとスペースでは反射率が異なるので、再生時にはこの反射率の違いを、前記ピークパワー401および前記バイアスパワー402よりもパワーよりも低いパワーである再生パワー403を利用して記録された信号を読み出す。
【0038】
次に、図5を用いてチルトについて説明する。
【0039】
図5のように光ディスク501の中心と、光ヘッド502から光ディスク501上に集光された光スポットを結ぶ線上をラジアル方向504とよび、光ディスク501のある平面上で前記ラジアル方向504に垂直な方向をタンジェンシャル方向505とよぶ。また、光ディスク501上の平面に垂直な方向をz軸方向506とよぶ。
【0040】
チルトには、方向で区別すると、トラックに直交する向きのラジアル方向のチルトとトラックに平行な向きであるタンジェンシャル方向のチルトがある。
【0041】
図6を用いてラジアルチルト(Rチルト)について説明する。
【0042】
図6において601は光ディスク、602は光ヘッド、603はチルト台である。ラジアルチルト(Rチルト)には、ディスクの反り、ディスクの回転によって生じる面ぶれ等によって生じるディスクRチルト604と、光ビームの光軸に対する前記光ディスク601の記録面の傾きを(チルト)が、光ヘッドの取り付け誤差やチルト台の傾きによって生じるドライブRチルト605がある。本質的には、ディスクRチルトとドライブRチルトは区別せずにRチルトとよぶ。
【0043】
図7を用いてタンジェンシャルチルト(Tチルト)について説明する。
【0044】
図7において701は光ディスク、702は光ヘッド、703はチルト台である。タンジェンシャルチルト(Tチルト)には、ディスク回転振動、ディスクの面精度誤差等によって生じるディスクTチルト704と、光ビームの光軸に対する前記光ディスク701の記録面の傾きを(チルト)が、光ヘッドの取り付け誤差やチルト台の傾きによって生じるドライブTチルト705がある。本質的には、ディスクTチルトとドライブTチルトは区別せずにTチルトとよぶ。
【0045】
次にRチルトの検出方法を説明する。図1のチルト検出部107で検出される信号には、以下のものがある。
(1)トラッキングオンの状態、すなわち光ビームがトラックに沿って動作している状態で、光ディスクにあらかじめ形成された案内溝で回折された光を受光した2分割光検出器の差動信号(プシュプルTE)の電圧を検出する方法。
(2)トラッキングオフの状態、すなわち光ビームがトラックを横断しながら動作している状態で、光ディスクにあらかじめ形成された案内溝で回折された光を受光した2分割光検出器の差動信号(プシュプルTE)の振幅を検出する方法。
(3)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらかじめ周期的に蛇行(ウォブル)させながら形成された案内溝のウォブル信号の振幅を検出する方法。
(4)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部の振幅あるいは下側信号のレベル(下エンベロープ)あるいは上側信号のレベル(上エンベロープ)を比較して検出する方法。
(5)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2分割光検出器の差信号出力の再生信号の前半部と後半部の振幅あるいは上側信号のレベル(上エンベロープ)を比較して検出する方法。
(6)トラッキングオンの状態で、光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の孤立ピットを再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部の振幅あるいは下側信号のレベル(下エンベロープ)を比較して検出する方法がある。
【0046】
以上の内、(1)、(3)、(4)、(5)、(6)については、トラッキングオンの状態で制御を行っている。たとえRチルトまたはTチルトが生じていても、オフトラック検出部110、オフトラック制御部111により、光スポットをトラックのセンタに位置させることが可能である。従って、(1)、(3)、(4)、(5)、(6)については、まず、オフトラック検出部110、オフトラック制御部111により、光スポットをトラックのセンタに位置させる。その状態で、光スポットの中心(真円部分の中心)を通り、トラック方向に平行な線で光スポットを2分割し、それぞれの分割部分の光量を調べる。2つの分割部分の光量が等しい場合は、チルトがない場合であり、差が生じている場合は、チルトがある場合である。
【0047】
以下の(1)、(3)、(4)、(5)、(6)の説明においては、オフトラック検出部110、オフトラック制御部111により、光スポットはトラックのセンタに位置させられているものとして説明する。なお、オフトラック検出部110、オフトラック制御部111の詳細については、後で、図24から図29を参照しながら説明する。
【0048】
まず、(1)の光スポットが光ディスクにあらかじめ形成された案内溝で回折された光を受光した2分割光検出器の差動信号(プシュプルTE)を検出する方法を例に説明する。
【0049】
図18が光ディスク上の案内溝の断面図とそのときの再生信号波形である。1801がグルーブトラック、1802がランドトラックである。
【0050】
図18に示す例は、トラッキングオン制御がなされており、かつ、オフトラック制御がなされている状態、すなわち光スポットがトラックのセンタに沿って動作するように制御されている状態にある。図18に示す波形図は、再生時における2分割光検出器の差信号出力(プシュプルTE信号)を示す。 再生信号波形はRチルト0度の時、プシュプルTE信号は、1803の基準レベルにある。Rチルトが+0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、プシュプルTE信号には位相シフトが生じ前記Rチルトが0度のときの基準レベルからプシュプルTE信号の再生信号にオフセット+Gが生じる。Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、プシュプルTE信号には位相シフトが生じ前記Rチルトが0度のときの基準レベルからプシュプルTE信号の再生信号にオフセット−Gが生じる。Rチルトが+0.4度のときと、Rチルトが−0.4度のときにプシュプルTE信号は基準レベルからのオフセットGが異なる。チルト検出部は、オフセットGをチルト検出部の検出値として保持する。
【0051】
チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0052】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値Gの関係のシミュレーション結果が図11である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図11でRチルトが生じていない場合、プシュプルTE信号のオフセットGは0である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもち案内溝からの回折光が真円とならず、光スポットの側部にこぶ状の1次光スポットが形成される。Rチルトの角度が、+の方向にある場合(図6参照)は、+1次光スポットが真円の右側(図18(c)参照)に発生し、Rチルトの角度が、−の方向にある場合は、−1次光スポットが真円の左側(図18(a)参照)に発生する。Rチルトが+0.4度のときとRチルトが−0.4度のときでは案内溝からの回折光を2分割光検出器で受光した場合の差動信号の出力(プシュプルTE信号)に差が生じる。前記プシュプルTE信号のオフセットGをプロットしたものが図11の曲線になる。
【0053】
チルト検出部は、前記プシュプルTE信号のオフセットGをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0054】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記プシュプルTE信号のオフセットGが−0.08である場合、図11より、Rチルトは+0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0055】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0056】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0057】
次に、(2)の光スポットが光ディスクにあらかじめ形成された案内溝から回折された光を受光2分割光検出器の差動信号(プシュプルTE)の振幅を検出する方法を例に説明する。
【0058】
ここでは、トラッキングオフの状態にあるので、光スポットはトラックを横断するよう動作している。図19が光ディスク上の案内溝の配置図とそのときの再生信号波形である。1901が光スポット、1902が案内溝の中心であるトラック中心、1903が前記光ディスクにあらかじめ形成された案内溝である。
【0059】
トラッキングオフのときの2分割光検出器の差信号出力(この場合プシュプルTE信号)の再生時の例である。
【0060】
再生信号波形はRチルト0度の時、プシュプルTE信号の振幅Kは大である。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、プシュプルTE信号の振幅Kも回折の影響で振幅が減少する。Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、プシュプルTE信号の振幅Kも回折の影響で振幅が減少する。Rチルトが+0.4度のときと、Rチルトが−0.4度のときのプシュプルTE信号の振幅K、Rチルトが0度のときの振幅Kと異なる。チルト検出部は、このプシュプルTE信号の振幅Kをチルト検出部の検出値として保持する。
【0061】
チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0062】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値Hの関係のシミュレーション結果が図12である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図12でRチルトが生じていない場合、プシュプルTE信号の振幅Kは1.0ある。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもち案内溝からの回折光がRチルトが+0.4度のときとRチルトが−0.4度のときでは案内溝からの回折光を2分割光検出器で受光した場合の差動信号の出力(プシュプルTE信号)に差が生じる
。前記プシュプルTE信号の振幅Kをプロットしたものが図12の曲線になる。
【0063】
チルト検出部は、前記プシュプルTE信号の振幅Kをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0064】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記プシュプルTE信号の振幅Kが0.8である場合、図12より、Rチルトは+0.4度あるいは−0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0065】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0066】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0067】
次に、(3)の光スポットが光ディスクにあらかじめ周期的に蛇行(ウォブル)させながら形成された案内溝から回折された光を受光2分割光検出器の差動信号(ウォブル信号)の振幅を検出する方法を例に説明する。
【0068】
図20が光ディスク上の案内溝の配置図とそのときの再生信号波形である。2001が光スポット、2002が案内溝の中心であるトラック中心、2003あらかじめウォブルさせながら形成された案内溝である。
【0069】
ここでは、トラッキングオンの状態にあるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作している。図20には、再生時における2分割光検出器の差信号出力(この場合ウォブル信号)が示されている。
【0070】
再生信号波形はRチルト0度の時、ウォブル信号の振幅Hは最大である。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、ウォブル信号の振幅Hも回折の影響で振幅が減少する。Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、ウォブル信号の振幅Hも回折の影響で振幅が減少する。Rチルトが+0.4度のときと、Rチルトが−0.4度のときのウォブル信号の振幅Hは、Rチルトが0度のときの振幅Hと異なる。チルト検出部は、このウォブル信号の振幅Hをチルト検出部の検出値として保持する。
【0071】
チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0072】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値Hの関係のシミュレーション結果が図13である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図13でRチルトが生じていない場合、ウォブル信号の振幅Hは0.09である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもち案内溝からの回折光がRチルトが+0.4度のときとRチルトが−0.4度のときでは案内溝からの回折光を2分割光検出器で受光した場合の差動信号の出力(ウォブル信号)に差が生じる。前記ウォブル信号の振幅Hをプロットしたものが図13の曲線になる。
【0073】
チルト検出部は、前記ウォブル信号の振幅Hをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0074】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記ウォブル信号の振幅Hが0.083である場合、図13より、Rチルトは+0.4度あるいは−0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0075】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0076】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0077】
次に、(4)の光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部の下側信号のレベルを比較してチルト角を検出する方法を例に説明する。
【0078】
図8が光ディスク上のピット配置図である。801がデータを記録するためにスパイラル状に掘られた案内溝のグルーブトラック、802が前記グルーブトラックに挟まれたランドトラックである。803は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるいは内周側にウォブリングされて形成されている前半部の繰返しピット列、804は前記前半部の繰返しピット列に続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半部の繰返しピット列とはトラック中心に対して対称位置にウォブリングされて形成されている後半部の繰返しピット列である。ウォブルされているピット列のラジアル方向のピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μm、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、タンジェンシャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパターン、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットである。ここでシフトされたピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、Lp<Ls<2Lpを満たす。
【0079】
図21に2分割光検出器の和信号出力の再生時の例である。ここでは、トラッキングオンの状態にあるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作している。
【0080】
再生信号波形はRチルト0度の時、前半部の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピットを再生した場合、ピット列によって変調された和信号出力の下側レベルAbとBbはAb=Bbの関係にある。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の下側レベルAbと、後半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の下側レベルBbは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の和信号出力の下側信号レベルAb−Bbをチルト検出部の検出値として保持する。
【0081】
Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の下側レベルAと、後半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の下側レベルBは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の和信号出力の下側信号レベルA−Bをチルト検出部の検出値として保持する。
【0082】
前記前半部と後半部の和信号出力の振幅は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保持され、前半部の和信号出力の保持値Ab、後半部の和信号出力の保持値Bbの差Ab−Bbをチルト検出値とし、チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0083】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値Ab−Bbの関係のシミュレーション結果が図14である
。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図21でRチルトが生じていない場合、和信号出力の下側レベルの差Ab−Bbは0である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもちピットからの回折光が前半部の繰返しピットからの回折光量と後半部の繰返しピットからの回折光量に差が生じる。前記前半部の和信号出力の下側レベルAbと前記後半部の和信号出力の下側レベルBbの差Ab−Bbをプロットしたものが図14の曲線になる。
【0084】
チルト検出部は、前記下側信号レベル差Ab−Bbをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0085】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記和信号出力の下側信号レベル差Ab−Bbが−0.06である場合、図14より、Rチルトは+0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0086】
ここでは、繰返しピット列の前半と後半の和信号出力の下側信号レベルの差をチルト制御部の検出値として説明したが、チルト検出値として和信号出力の下側信号レベル差Ab−Bbの代わりに、繰返しピット列の和信号出力の上側信号レベル差At−Btを用いても構わない。
【0087】
ここでは、繰返しピット列の前半と後半の和信号出力の下側信号レベルの差をチルト制御部の検出値として説明したが、チルト検出値として和信号出力の下側信号レベル差Ab−Bbの代わりに、繰返しピット列の和信号出力の信号振幅差C−Dを用いても構わない。
【0088】
後で図26、図27と共に説明するように、オフトラック検出においても前半の繰返しピット列の和信号と、後半の繰返しピット列の和信号との差が用いられている。上述より明らかなように、和信号は、およそ正弦波カーブを描いて変動しているので、和信号の値は、(i)上側信号レベルを採る場合と、(ii)下側信号レベルを採る場合と、(iii)正弦波カーブの振幅を採る場合の3通りの採り方がある。この(4)のチルト検出方法を行う場合、(i)、(ii)、(iii)のいずれかひとつを採用すれば、オフトラック検出においては、残りのいずれかひとつを採用するようにしている。これによりチルト検出に利用される信号と、オフトラック検出に利用される信号とが全く同じものになることを回避している。
【0089】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0090】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0091】
次に、(5)の光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の連続ピットを再生したときの2分割光検出器の差信号出力の再生信号の前半部と後半部の振幅を比較して検出する方法を例に説明する。
【0092】
図23が光ディスク上のピット配置図である。2301がデータを記録するためにスパイラル状に掘られた案内溝のグルーブトラック、2302が前記グルーブトラックに挟まれたランドトラックである。2303は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるいは内周側にウォブリングされて形成されている前半部の繰返しピット列、2304は前記前半部の繰返しピット列に続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半部の繰返しピット列とはトラック中心に対して対称位置にウォブリングされて形成されている後半部の繰返しピット列である。ウォブルされているピット列のラジアル方向のピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μm、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、タンジェンシャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパターン、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットである。
【0093】
トラッキングオンの時の2分割光検出器の差信号出力について説明する。ここでは、トラッキングオンの状態にあるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作している。
【0094】
図23で、2分割光検出器の一方をN1、もう一方のディテクタがN2である。トラック中心からウォブルされて配置されている連続ピットを再生する場合、ディテクタの一方は、ピットで回折された光によって、大きく変調されるが、もう一方は、ピットによる回折の影響が少なく、光強度変化は少ない。差信号出力は前記N1とN2の差信号出力N1−N2で、N−の出力となる。
【0095】
図22に2分割光検出器の差信号出力の再生時の例である。
【0096】
再生信号波形はRチルト0度の時、前半部の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピットを再生した場合、ピット列によって変調された信号の振幅IとJはI=Jの関係にある。Rチルトが0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される差信号出力の振幅Iと、後半部の繰返しピット列から再生される差信号出力の振幅Jは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の差信号出力の振幅差I−Jをチルト検出部の検出値として保持する。
Rチルトが−0.4度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる
。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される差信号出力の振幅Iと、後半部の繰返しピット列から再生される差信号出力の振幅Jは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の差信号出力の振幅差I−Jをチルト検出部の検出値として保持する。
【0097】
前記前半部と後半部の差信号出力の振幅は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保持され、前半部の差信号出力の保持値I、後半部の差信号出力の保持値Jの差I−Jをチルト検出値とし、チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0098】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値I−Jの関係のシミュレーション結果が図15である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図15でRチルトが生じていない場合、差信号出力の振幅の差I−Jは0である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもちピットからの回折光が前半部の繰返しピットからの回折光量と後半部の繰返しピットからの回折光量に差が生じる。前記前半部差信号出力の振幅Iと前記後半部差信号出力の振幅Jの振幅差I−Jをプロットしたものが図15の曲線になる。
【0099】
チルト検出部は、前記差信号出力の振幅差I−Jをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0100】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記差信号出力の振幅差I−Jが−0.09である場合、図15より、Rチルトは+0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0101】
上記の場合、さらに光スポットがトラックの中心から+0.02μmオフトラックが生じている状態での、Rチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値I−Jの関係のシミュレーション結果が図16である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図16でRチルトが生じていない場合、差信号出力の振幅の差I−Jは0である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもちピットからの回折光が前半部の繰返しピットからの回折光量と後半部の繰返しピットからの回折光量に差が生じる。前記前半部差信号出力の振幅Iと前記後半部差信号出力の振幅Jの振幅差I−Jをプロットしたものが図16の曲線になる。図16の曲線は、図15の曲線とほとんど同じである。これは、光スポットがトラックの中心にある場合(図15)と、光スポットがトラックの中心から+0.02μmずれた位置にある場合(図16)とではチルト角の検出結果が同じであることを示す。
【0102】
チルト検出部は、前記差信号出力の振幅差I−Jをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0103】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記差信号出力の振幅差I−Jが−0.09である場合、図16より、Rチルトは+0.4度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0104】
この場合、光スポットがトラックの中心からオフトラックしていても正確にRチルト角を検出することが可能である。
【0105】
ここでは、繰返しピット列の前半と後半の差信号出力の下側信号レベルの差をチルト制御部の検出値として説明したが、チルト検出値として差信号出力の振幅差I−Jの代わりに、繰返しピット列の差信号出力の上側信号レベル差It−Jtを用いても構わない。
【0106】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0107】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0108】
次に(6)の光ディスクにあらかじめプリピットされているちどりマーク状の孤立ピットを再生したときの2分割光検出器の和信号出力の再生信号の前半部と後半部の下側信号のレベルを比較してチルト角を検出する方法を例に説明する。
【0109】
図9が孤立ピットを配した光ディスクのピットの配置図とそのときの再生信号波形である。901がデータを記録するためにスパイラル状に掘られた案内溝のグルーブトラック、902が前記グルーブトラックに挟まれたランドトラックである。903は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるいは内周側にウォブリングされて形成されている前半部の孤立ピット、904は、前記前半部の孤立ピットに続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半部の孤立ピットとはトラック中心に対して対称位置にウォブリングされて形成されている後半部の孤立ピットである。ウォブルされているピットのラジアル方向のピット間隔1.19μm、トラック方向の孤立ピット間隔10μm以上、孤立ピットのピット幅0.36μm、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットである。ここで、シフトされたピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、20Lp<Lsを満たす。
【0110】
再生信号波形は、2分割光検出器の和信号再生時の例である。ここでは、トラッキングオンの状態にあるので、光スポットはトラックのセンタに沿って動作している。
【0111】
再生信号波形はRチルト0度の時、前半部の孤立ピットを再生した場合と、後半部の孤立ピットを再生した場合、ピットによって変調された和信号出力の下側レベルEとFはE=Fの関係にある。Rチルトが+0.6度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の孤立ピットから再生される和信号出力の下側レベルEと、後半部の孤立ピットから再生される和信号出力の下側レベルFは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の和信号出力の下側信号レベル差E−Fをチルト検出部の検出値として保持する。
【0112】
Rチルトが−0.6度生じた場合、Rチルトによって光スポットに収差が生じる。このとき、前半部の孤立ピットから再生される和信号出力の下側レベルEと
、後半部の孤立ピットから再生される和信号出力の下側レベルFは異なる。チルト検出部は、この前半部と後半部の和信号出力の下側信号レベル差E−Fをチルト検出部の検出値として保持する。
【0113】
前記前半部と後半部の和信号出力の振幅は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保持され、前半部の和信号出力の保持値E、後半部の和信号出力の保持値Fの差E−Fをチルト検出値とし、チルト制御部は、前記チルト検出値をチルト角とみなしてチルト角を補正する。
【0114】
上記のようにRチルトが発生した状態でのRチルトの量とチルト検出部によって検出された検出値E−Fの関係のシミュレーション結果が図17である。シミュレーションで用いた光学条件は波長650nm、NA=0.6、ラジアル方向RIM強度0.25、タンジェンシャル方向RIM強度0.83である。またスポットはトラックの中心にトラッキングされている場合の結果である。図17でRチルトが生じていない場合、和信号出力の下側信号レベル差E−Fは0である。Rチルトが発生すると、光スポットが収差をもちピットからの回折光が前半部の孤立ピットからの回折光量と後半部の孤立ピットからの回折光量に差が生じる。前記前半部の和信号出力の下側信号レベルEと前記後半部の和信号出力の下側信号レベルFの差E−Fをプロットしたものが図17の曲線になる。
【0115】
チルト検出部は、前記和信号出力の下側信号レベル差E−Fをチルト角の検出値としてチルト角を検出する。
【0116】
例えば前記チルト検出部107で検出された検出値である前記和信号出力の下側信号レベル差E−Fが+0.06である場合、図17より、Rチルトは+0
.6度であることから、チルト補正部108は、この検出値に応じたチルト補正量をチルト制御部109に送信し、チルト制御部109によって、チルト台103を動かすことで、Rチルト角を補正する。
【0117】
なおシミュレーションで用いた光学条件に限らず、本Rチルト検出方法は実施できる。
【0118】
前記チルト検出値は2分割光検出器にミラー部からの反射光が100%光が戻ってきた場合を1と規格化されている。
【0119】
このようににチルト検出部で検出された検出は、チルト補正部によって、チルト角が算出され、チルト制御部によって、チルト台を動かして、Rチルトをなくし、記録再生信号の信号品質を向上させる。
【0120】
なお、前述の(1)から(6)の方法でRチルトを検出するためには、光スポットがあらかじめ案内溝で形成されたトラックの中心を走査していることが望ましい。光ディスクのトラックの中心と光スポットとずれをオフトラックと呼ぶ。オフトラックが0、すなわち、光スポットが光ディスクのあらかじめ形成された案内溝の中心を走査していると前述の(1)から(6)の方法でRチルトを検出する場合により精度よく、Rチルトを検出することが可能である。
【0121】
前記オフトラックを補正する方法を以下で説明する。
【0122】
オフトラックは、光ディスクにあらかじめウォブルされて形成された、繰返しピット列を、光スポットで再生する信号の和信号出力を用いて制御する。
【0123】
図24が光ディスク上のピット配置図である。2401がデータを記録するためにスパイラル状に掘られた案内溝のグルーブトラック、2402が前記グルーブトラックに挟まれたランドトラックである。2403は、前記グルーブトラックの中心から外周側あるいは内周側にウォブリングされて形成されている前半部の繰返しピット列、2404は前記前半部の繰返しピット列に続いて、前記グルーブトラックの中心から前記前半部の繰返しピット列とはトラック中心に対して対称位置にウォブリングされて形成されている後半部の繰返しピット列である。ウォブルされているピット列のラジアル方向のピット間隔1.19μm、ピット幅0.36μm、ピット深さλ/6、ピット長0.462μm、タンジェンシャル方向ピット間隔1.12μmの繰返しパターン、トラック中心からピット中心までの振り幅が0.3μm外周あるいは内周側にウォブルされたピットである。
【0124】
図25に2分割光検出器の和信号出力の再生時の例を示す。
【0125】
再生信号波形はオフトラック0の時、前半部の繰返しピットを再生した場合と、後半部の繰返しピットを再生した場合、ピット列によって変調された信号の振幅LとMはL=Mの関係にある。オフトラックが0.02μm度生じた場合、オフトラックによって2分割光検出器2つのディテクタの間に光量差が生じる。このとき、前半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の振幅Lと、後半部の繰返しピット列から再生される和信号出力の振幅Mは異なる。この前半部と後半部の和信号出力の振幅は、サンプルホールド回路によって、電圧のDC値が保持され、前半部の和信号出力の保持値L、後半部の和信号出力の保持値Mの差L−Mをオフトラック検出値とし、この検出値をオフトラック位置とみなしてオフトラック位置を補正する。この場合、チルトに依存せず、オフトラック位置を補正することが可能である。
【0126】
次に、チルト検出部によって検出された検出値から、光ディスクの異なる半径位置でのRチルトの補正方法を、図10を用いて説明する。
【0127】
Rチルトはディスクの反りによって発生するため、光ディスクの内周から外周にかけてRチルトの大きさは図10の曲線1001ように変化する。
【0128】
図10おいて、1001は、前記光ビームの光軸に対する前記光ディスクの記録面の傾き(チルト)が、光ディスクの半径位置とともにどのように変化しているかを表す実際のチルト曲線、1002は前記チルト曲線1001上の内周の所定の半径位置でのチルト量(またはチルト角)、1003は前記チルト曲線1001上の中周の所定の半径位置でのチルト量、1004は前記チルト曲線1001上の外周の所定の半径位置でのチルト量である。
【0129】
次に、チルト検出部によって検出される検出値から推定されるチルト量について説明する。1005は、前記チルト検出部によって、光ディスクの内周の所定の半径位置で検出された検出値から推定されたチルト量、1006は、前記チルト検出部によって、光ディスクの外周の所定の半径位置で検出された検出値から推定されたチルト量、1007は、前記チルト検出部によって、光ディスクの中周の所定の半径位置で検出された検出値から推定されたチルト量、1008は前記中周での推定されたチルト量1007と、前記内周での推定されたチルト量1005および前記外周での推定されたチルト量1006を直線で補完した補完曲線1008である。
【0130】
光ディスクは、チルトする際に内周と外周でチルト量が異なる。このチルト量の半径位置による違いを検出するために、本発明の光ディスク装置では、図10のように光ディスクの内周と外周およびその間の中周の少なくとも3つの半径位置でのチルト量を検出する。チルト角を検出した内周と中周の半径位置の間にある半径位置でのチルト量は、前記内周での検出値から推定されたチルト量1005と、前記中周での検出値から推定されたチルト量1007を直線で補完した曲線1008上の値を内周と中周の所望の半径位置での推定されたチルト量としている。チルト角を検出した外周と中周の半径位置の間にある半径位置でのチルト量は、前記外周での検出値から推定されたチルト量1006と、前記中周での検出値から推定されたチルト量1007を直線で補完した曲線1008上の値を外周と中周の所望の半径位置での推定されたチルト量としている。
【0131】
この場合、光ディスクの中周の所定の半径位置で推定されたチルト量1007と実際の光ディスクの中周でのチルト量1003のを正しく補正することが可能であり、従来の方法に比べて、内外周でチルト量が異なる光ディスクに対して、各半径位置で正確かつ精度よくチルト位置を補正することが可能であり、光ディスクの記録再生時の信号品質を著しく向上させることが可能である。
【0132】
次にチルト補正部108の動作について説明する。図10において、内周の半径位置でチルト角(Rチルト)が0度になっている。あるいは、内周のチルト角を相対的に0度とする。光ディスクの外周部においては、内周部に比べてディスクのたわみの影響でチルト角が大きくなっている。このたわみはディスク毎にばらついており、各々のディスクでチルト角の半径位置に対する大きさの特性は異なる。
【0133】
光スポットが光ディスク面上に収束している半径位置が外側に移動し、中周、あるいは外周で、前記チルト検出部によってチルト角を検出し、1008の補完したチルト曲線におけるチルト角が内周でのチルト角に比べて閾値(例えば0.4度)以上異なる場合は、チルト補正部は、チルト角が前記閾値となる半径位置においてチルト角が0になるようにチルト台103を動かすよう指令する。
【0134】
これにより、チルト角が内周から外周にかけて生じるディスクのたわみによって生じるチルト角を、チルト台を動かすことで小さくすることが可能であり、光ディスクの記録再生時の信号品質を向上させることが可能である。
【0135】
さらに、オフトラックの検出、制御について、より詳しく説明する。
【0136】
図26は、4分割検出器100の4つの受光素子からの出力a,b,c,dを受けて動作する演算回路104の動作について説明する。演算回路104からは、
TE信号:(a+d)−(b+c)、
FE信号:(a+c)−(b+d)、
RF信号:(a+b+c+d)、
オフトラック検出信号(OF信号):
対角和信号(a+c)、
対角和信号(b+d)
が生成される。
【0137】
前記TE信号は、トラッキング制御部106へ送られ、光スポットを光ディスクのトラック上にトラッキング位置制御するのに用いられる。前記FE信号は、フォーカス制御部105へ送られ、光スポットを光ディスク上に焦点位置制御するのに用いられる。前記RF信号は、光ディスクに記録されているデータを読み出した、再生信号となりデータ処理される。また前記、RF信号は、オフトラック検出部110に送られ、オフトラック位置検出に用いられる。前記オフトラック検出信号(OF信号)はオフトラック検出部110へ送られ、オフトラック位置検出に用いられる。
【0138】
次に、オフトラック検出部110で、前記オフトラック検出信号からオフトラック位置が検出される過程を説明する。
【0139】
オフトラック位置は、二組のオフトラック検出信号の間の位相差を抽出することで検出される。
【0140】
位相差信号の詳細を図27を用いて説明する。
【0141】
ここで図27のように、光スポット2701がトラックの中央にあるときにはディテクタ上での回折光の強度は図27の(B)のようになるため、対角線差信号(a+c)−(b+d)は、0である。ディスクが回転して、光スポットとピットの関係が矢印のように進んでも、この値は常にゼロで変わらない。光スポットがトラックからずれて、図27(A)、図27(C)のようになって、ディスクの回転とともに図27の矢印の方向に移動したとき、対角線差信号はともに正弦波状の出力になるが、これらは、RF信号(a+b+c+d)に対して位相が、+90度と−90度の関係になるので、前記RF信号に対する対角線差信号の位相差を検出すれば光スポットがピットの中央からどれだけオフトラックしているかが検出できる。
【0142】
オフトラック検出においても前半の繰返しピット列の和信号と、後半の繰返しピット列の和信号との差が用いられている。図21において説明したと同様に、対角和信号は、およそ正弦波カーブを描いて変動しているので、対角和信号の値は、(i)上側信号レベルを採る場合と、(ii)下側信号レベルを採る場合と、(iii)正弦波カーブの振幅を採る場合の3通りの採り方がある。
【0143】
図27(D)に対角線差信号の位相差とオフトラックの関係を表す波形を示す。図では(Bsig)は、光スポットがピットの中央を通った場合の出力点、(Asig)、(Csig)がそれぞれピットの左側および右側を通った場合の出力点を示す。この位相差を用いてピットの中心からのオフトラック位置が検出できる。
【0144】
図28(A)のように光ディスク上にあらかじめ記録されている凹凸のプリピット2805が案内溝のグルーブトラックの中心に対してトラックをまたぐ方向にWa(=Tp/4)だけ振られた位置に連続に配置されたピットを前半部プリピット列2803、前半部プリピット列とはグルーブトラックの中心を基準に反対側に振られた位置に連続に配置されたピット列を後半部プリピット列2804である。ここで前半部プリピットの振り幅Waと後半部プリピットの振り幅Wbは等しいディスクである。(Wa=Wb)配置されているピットは、単一周波数の連続のピットが並んでいる。
【0145】
図28(B)はピットを中心とした対角線差信号の位相差信号のグラフである。光スポットが前半部プリピット列のグルーブトラックの中心を通る場合、位相差信号の出力はPa、光スポットが後半部プリピット列のグルーブトラックの中心を通る場合、位相差信号の出力はPbである。これら前半部プリピット列での位相差信号と後半部プリピット列の位相差信号を保持し、オフトラック検出部で前半部プリピット列の出力と後半部繰返しピット列の出力の和を計算した結果が図28(C)である。光スポットがトラックの中心を通った場合に、この位相差和信号が0になる。
【0146】
上記、条件に基づいてコンピュータシミュレーションを行った結果の説明をする。シミュレーションで用いた条件は以下の通りである。レーザー波長(λ)650nm、対物レンズNA0.6、タンジェンシャル方向RIM強度0.83、ラジアル方向RIM強度0.25、ディスクのトラックピッチ1.19μm、ピット深さλ/6、ピット幅0.36μm、繰返しピットの線方向の周期は1.12um、ピット長0.46μmの繰返しウォブルピット列である。
【0147】
図29がRチルトが生じた場合の特性である。
【0148】
図29では(a)(b)(c)の順にRチルトを−0.6度、±0.0度、+0.6度与えた場合の、位相差信号を前半部ウォブルピットと後半部ウォブルピットで演算したオフトラック検出信号を示す。横軸はトラック中心を基準にしたオフトラック量を表している。縦軸がオフトラック検出信号である。オフトラック検出信号が0の場合がトラック中心である。(b)の曲線でRチルトがない場合、グラフからオフトラック量に応じたオフトラック検出信号が得られていることがわかる。また、オフトラック位置が0のとき、オフトラック検出信号も0となっている。
【0149】
次にRチルトが生じた場合、例えば(a)の−0.6度傾いた場合、グラフからオフトラック量に応じたオフトラック検出信号が得られていることがわかる。また、オフトラック位置が0のとき、オフトラック検出信号も0となっている。
【0150】
(c)の場合も同様である。
【0151】
このように位相差信号とウォブル上に配置された連続したプリピットを再生することで、Rチルトに対する影響なくオフトラック量を精度よく検出することが可能であり、図1で説明した実施の形態のオフトラック検出部に本方式を用いることでも良好なチルト検出、チルト制御の結果を得ることができる。
【0152】
そのため、トラッキングの精度が向上し、記録時に隣接トラックを消去してしまうクロス消去の影響を除き、隣接トラックに記録された信号の信号品質を向上させることが可能である。
【0153】
【発明の効果】
以上のように本発明の光ディスク装置および光ディスクのチルト制御方法によれば、記録再生信号用の光学系とは別にチルト角検出用の光学系を必要とせず、光ディスクにあらかじめ記録されているグルーブトラック、ランドトラックおよびグルーブトラックの中心から外周側あるいは内周側に中心をずらせて形成されている繰返しピット列を用い、独立または組み合わせてトラッキング信号およびチルト角を検出し、チルト補正部、チルト制御部を用いてチルト角を補正することで記録再生時の信号品質を向上させることが可能である。これによって、別途チルト検出器を設ける必要がなく装置の実施規模を縮小させコストを低減することができる。
【0154】
また、図10で示したチルト検出方法のように、内周、中周、外周の少なくとも3つの検出値から、光ディスクの所望の半径位置のチルト量を推定し、記録再生時の信号品質を劣化させることなく記録再生特性を著しく改善することが可能である。
【0155】
以下、参考例を説明する。なお、第6の観点〜第8の観点、第19の観点、第27の観点〜第31の観点は、明細書の「課題を解決するための手段」において説明されている。
1 の観点は、実施の形態における(1)に対応するものである。
【0156】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記連続トラックからの反射光を2分割光検出器で受光し、前記第1、第2受光素子からの信号の差である差信号出力を用いて前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出装置である。
【0157】
これにより、記録再生信号用の光学系とは別にチルト角検出用の光学系を必要とせず、光ディスクにあらかじめ記録されているピットを用いてチルト角を検出し、記録再生時の信号品質を向上させることが可能である。これによって、装置の実施規模を縮小させコストを低減する作用を有する。
【0158】
2 の観点は実施の形態における(4)に対応するものである。
【0159】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第1和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第2和信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出装置である。
【0160】
第3の観点は実施の形態における(4)、特に図21示す下側信号レベルに対応するものである。
【0161】
2 の観点のチルト検出装置において、前記チルト検出手段は、第 1 和信号のエンベロープ信号の絶対値の低い方のレベルと、前記第2和信号のエンベロープ信号の絶対値の低い方のレベルとを比較することを特徴とする。
【0162】
第4の観点は実施の形態における(4)、特に図21示す上側信号レベルに対応するものである。
【0163】
2 の観点のチルト検出装置において、前記チルト検出手段は、第 1 和信号のエンベロープ信号の絶対値の高い方のレベルと、前記第2和信号のエンベロープ信号の絶対値の高い方のレベルとを比較することを特徴とする。
【0164】
第5の観点は実施の形態における(4)、特に図21示す振幅に対応するものである。
【0165】
2 の観点のチルト検出装置において、前記チルト検出手段は、第 1 和信号の振幅と、前記第2和信号の振幅とを比較することを特徴とする。
【0166】
第9の観点は実施の形態におけるオフトラック検出に対応するものである。
【0167】
参考例のチルト検出装置において、前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第3和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第4和信号とを比較することによって前記トラックのセンタと光スポットのセンタとのずれ量であるオフセット量を出力するオフトラック検出手段をさらに有し、オフセット量を前記トラッキング制御手段に加算していることを特徴とする。
【0168】
第10の観点は実施の形態におけるシフトピットの間隔に対応するものである。
【0169】
参考例のチルト検出装置において、前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられていることを特徴とする。
【0170】
第11の観点は実施の形態におけるシフトピットの間隔が小さい場合(図8)に対応するものである。
【0171】
第10の観点のチルト検出装置において、前記第1シフトピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、Lp<Ls<2Lpであることを特徴とする。
【0172】
第12の観点は実施の形態におけるシフトピットの間隔が大きい場合(図9)に対応するものである。
【0173】
第10の観点のチルト検出装置において、前記第1シフトピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、20Lp<Lsであることを特徴とする。
【0174】
第13の観点は実施の形態における(3)に対応するものである。
【0175】
同心円またはスパイラル状に連続し、周期的にウォブルさせて形成したトラックを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記ウォブルするトラックからの反射光を光検出器で受光し、ウォブル信号を出力し、ウォブル信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出装置である。
【0176】
第14の観点は実施の形態における(2)に対応するものである。
【0177】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記トラッキング制御手段をオフにして、光スポットがトラックを横断するようにした時に、トラックからの反射光を光検出器で受光し、トラッキングエラー信号を出力し、トラッキングエラー信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段を有することを特徴とするチルト検出装置である。
【0178】
第15の観点は実施の形態における図10に対応するものである。
【0179】
参考例のチルト検出装置において、光ディスクの内周部分、中周部分、外周部分でチルト検出を行い、チルト量のサンプリングを行う。これにより、光ディスクの半径位置によらず正確にチルト角を検出し、記録再生時の信号品質を向上させることが可能である。
【0180】
第16の観点は実施の形態における図10に対応するものである。
【0181】
チルト検出手段の出力が一定値以上の時にチルト量の補正を行う。
【0182】
第17の観点は実施の形態における(1)に対応するものである。
【0183】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記連続トラックからの反射光を2分割光検出器で受光し、前記第1、第2受光素子からの信号の差である差信号出力を用いて前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段と、
チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディスクの角度を制御するチルト補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置である。
【0184】
第18の観点は実施の形態における(4)に対応するものである。
【0185】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光する2分割光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第1和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第2和信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段と、
チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディスクの角度を制御するチルト補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置である。
【0186】
第20の観点は実施の形態における(3)に対応するものである。
【0187】
同心円またはスパイラル状に連続し、周期的にウォブルさせて形成したトラックを有する光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記ウォブルするトラックからの反射光を光検出器で受光し、ウォブル信号を出力し、ウォブル信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段と、
チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディスクの角度を制御するチルト補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置である。
【0188】
第21の観点は実施の形態における(2)に対応するものである。
【0189】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごと に設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出し、補正する光ディスク装置であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
前記トラッキング制御手段をオフにして、光スポットがトラックを横断するようにした時に、トラックからの反射光を光検出器で受光し、トラッキングエラー信号を出力し、トラッキングエラー信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段と、
チルト検出手段により検出されたチルト量により光ディスクの角度を制御するチルト補正手段とを有することを特徴とする光ディスク装置である。
【0190】
第22の観点は実施の形態における(1)に対応するものである。
【0191】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出方法であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光し、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御し、
前記連続トラックからの反射光を受光し、前記第1、第2受光素子からの信号の差である差信号出力を用いて前記光ビームの光軸に対する光ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法である。
【0192】
第23の観点は実施の形態における(4)に対応するものである。
【0193】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出方法であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光し、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御し、
前記第1シフトピットからの反射光を受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第1和信号と、前記第2シフトピットからの反射光を受光し、第1、第2受光素子からの出力の和である第2和信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法である。
【0194】
第24の観点は実施の形態における(5)に対応するものである。
【0195】
同心円またはスパイラル状に連続したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出方法であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
前記光ディスクからの反射光を、トラック方向の線に沿って2分割された第1、第2受光素子で受光し、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御し、
前記第1シフトピットからの反射光を受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第1差信号と、前記第2シフトピットからの反射光を受光し、第1、第2受光素子からの出力の差である第2差信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法である。
【0196】
第25の観点は実施の形態における(3)に対応するものである。
【0197】
同心円またはスパイラル状に連続し、周期的にウォブルさせて形成したトラックを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出方法であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
前記光ディスクからの反射光を受光し、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御し、
前記ウォブルするトラックからの反射光を受光し、ウォブル信号を出力し、ウォブル信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法である。
【0198】
第26の観点は実施の形態における(2)に対応するものである。
【0199】
同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出方法であって、
前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、
前記光ディスクからの反射光を受光し、
前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御し、
前記トラッキング制御手段をオフにして、光スポットがトラックを横断するようにした時に、トラックからの反射光を受光し、トラッキングエラー信号を出力し、トラッキングエラー信号の振幅によって光ディスクの記録面の傾きを検出することを特徴とするチルト検出方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における光ディスク装置の構成図
【図2】従来の光ディスク装置の構成図
【図3】従来の光ディスクのチルト補正方法を表す図
【図4】本発明の第1の実施形態における光ディスク装置での記録再生を説明するための図
【図5】本発明の第1の実施形態における光ディスク装置の構成図
【図6】本発明の第1の実施形態におけるRチルトを説明するための図
【図7】本発明の第1の実施形態におけるTチルトを説明するための図
【図8】本発明の第1の実施形態における光ディスクの構成図
【図9】本発明の第1の実施形態における光ディスクの構成図
【図10】本発明の第1の実施形態における半径位置とRチルトの関係を表すグラフ
【図11】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとプシュプルTE信号の関係を表すグラフ
【図12】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとプシュプルTE信号振幅の関係を表すグラフ
【図13】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとウォブル信号振幅の関係を表すグラフ
【図14】本発明の第1の実施形態におけるRチルトと繰返し連続ピット列の和信号下側信号レベル差の関係を表すグラフ
【図15】本発明の第1の実施形態におけるRチルトと繰返し連続ピット列の差信号振幅差の関係を表すグラフ
【図16】本発明の第1の実施形態におけるオフトラックがある場合のRチルトと繰返し連続ピット列の差信号振幅差の関係を表すグラフ
【図17】本発明の第1の実施形態におけるRチルトと孤立ピットの和信号下側信号レベル差の関係を表すグラフ
【図18】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとプシュプルTE信号の関係を説明するための図
【図19】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとプシュプルTE信号振幅の関係を説明するための図
【図20】本発明の第1の実施形態におけるRチルトとウォブル信号振幅の関係を説明するための図
【図21】本発明の第1の実施形態におけるRチルトと繰返し連続ピット列の和信号出力の関係を説明するための図
【図22】本発明の第1の実施形態におけるRチルトと繰返し連続ピット列の差信号出力の関係を説明するための図
【図23】本発明の第1の実施形態に差信号出力を説明するための図
【図24】本発明の第1の実施形態における光ディスクの構成図
【図25】本発明の第1の実施形態におけるオフトラックと繰返し連続ピット列の和信号出力の関係を説明するための図
【図26】本発明の第1の実施形態におけるオフトラック検出方法を説明するための図
【図27】本発明の第1の実施形態における位相差信号を説明するための図
【図28】本発明の第1の実施形態におけるオフトラック検出方法を説明するための図
【図29】本発明の第1の実施形態におけるRチルトに対するオフトラック誤差のシミュレーション結果を示した図
【符号の説明】
100 4分割光検出器
101 光ディスク
102 光ヘッド
103 チルト台
104 演算回路
105 フォーカス制御部 106 トラッキング制御部
107 チルト検出部
108 チルト補正部
109 チルト制御部
110 オフトラック検出部
111 オフトラック制御部
803 前半部繰返しピット列
804 後半部繰返しピット列
903 前半部孤立ピット
904 後半部孤立ピット

Claims (7)

  1. 同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
    前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
    トラック方向の線とこれに直交する線で分割された4つの受光素子の受光面で、前記光ビームの反射光を受光する4分割光検出器と、
    前記4分割光検出器の出力から生成されたトラッキングエラー信号から、前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
    前記4分割光検出器の対角をなす2つの受光素子の出力を加算した二組の対角和信号から生成されたオフトラック検出信号を生成する演算回路と、
    前記演算回路で生成されたオフトラック検出信号からオフトラック量を検出するオフトラック検出手段と、
    光スポットがトラックのセンタに位置された状態で、
    前記第1シフトピットからの反射光を4分割光検出器で受光した際、前記二組の対角和信号の差を第1差信号とし、
    前記第2シフトピットからの反射光を4分割光検出器で受光した際、前記二組の対角和信号の差を第2差信号とし、
    前記第1差信号と前記第2差信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段とを有し、
    前記トラッキング制御手段に前記オフトラック検出手段の出力を加算することを特徴とするチルト検出装置。
  2. 前記光ディスクは、前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチルト検出装置。
  3. 前記光ディスクは、前記第1シフトピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、Lp<Ls<2Lpであることを特徴とする請求項2に記載のチルト検出装置。
  4. 同心円またはスパイラル状に連続して形成したトラックと、該トラックに一定間隔ごとに設けられ、かつトラックの中心からトラックの第1側方および第2側方にそれぞれずらせて形成した第1シフトピットと第2シフトピットとを有する光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出装置であって、
    前記光ディスクに光ビームを絞った光スポットをあて、信号の記録再生を行う光ヘッドと、
    トラック方向の線とこれに直交する線で分割された4つの受光素子の受光面で、前記光ビームの反射光を受光する4分割光検出器と、
    前記4分割光検出器の出力から生成されたトラッキングエラー信号から、前記光スポットをトラック上に位置制御するトラッキング制御手段と、
    前記4分割光検出器の対角をなす2つの受光素子の出力を加算した二組の対角和信号から生成されたオフトラック検出信号を生成する演算回路と、
    前記演算回路で生成されたオフトラック検出信号からオフトラック量を検出するオフトラック検出手段と、
    トラック方向の線で分割された2つの受光素子を含む2分割光検出器と、
    光スポットがトラックのセンタに位置された状態で、
    前記第1シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光した際、2つの受光素子からの出力の差を第1差信号とし、
    前記第2シフトピットからの反射光を2分割光検出器で受光した際、2つの受光素子からの出力の差を第2差信号とし、
    前記第1差信号と前記第2差信号とを比較することによって光ディスクの記録面の傾きを検出するチルト検出手段とを有し、
    前記トラッキング制御手段に前記オフトラック検出手段の出力を加算することを特徴とするチルト検出装置。
  5. 前記光ディスクは、前記第1シフトピットは繰り返し連続して設けられ、続いて前記第2シフトピットが繰り返し連続して設けられていることを特徴とする請求項4に記載のチルト検出装置。
  6. 前記光ディスクは、前記第1シフトピットが繰り返される間隔であるスペースLsは、ピット長をLpとした場合、Lp<Ls<2Lpであることを特徴とする請求項5に記載のチルト検出装置。
  7. 前記2分割光検出器は、前記4分割光検出器の少なくとも一部を利用して構成したことを特徴とする請求項4に記載のチルト検出装置。
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