JP2013148716A - 弾性部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニッケル、あるいはニッケルメッキを施した基材と、シリコーンゴムとを、シランカップリング剤を用いて接着して成る弾性部材における、基材とシランカップリング剤との間での接着不良の発生を防止する。
【解決手段】ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合を介して結合している弾性部材であって、該基材は、表面に酸化ニッケルを有することを特徴とする弾性部材。
【選択図】図2
【解決手段】ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合を介して結合している弾性部材であって、該基材は、表面に酸化ニッケルを有することを特徴とする弾性部材。
【選択図】図2
Description
本発明は弾性部材およびその製造方法に関する。
電子写真装置において定着ローラや加圧ローラ等に用いられている弾性部材には、金属製の基材上にシリコーンゴムを含む弾性層が設けられていることが多い。そして、金属製の基材の表面には、酸化を防ぐために、通常、ニッケルメッキが施されている。しかしながら、シリコーンゴムはニッケル表面に対する接着性が低い(特許文献1)。かかる課題に対して、特許文献2および特許文献3には、シリコーンゴム材料の組成またはプライマー成分を調節することで、基材とシリコーンゴム材料の接着性を向上させることが提案されている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、シランカップリング剤を用いることで、シリコーンゴムのニッケル表面への接着性は向上するものの、経時的な接着力の低下が認められた。この傾向は、特に、高湿環境下で顕著であった。
そこで、本発明の目的は、ニッケル表面を有する基材上にシリコーンゴム弾性層が形成されてなる弾性部材の耐久性の向上に向けたものである。
そこで、本発明の目的は、ニッケル表面を有する基材上にシリコーンゴム弾性層が形成されてなる弾性部材の耐久性の向上に向けたものである。
本発明によれば、ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合によって結合している弾性部材であって、該基材は、表面に酸化ニッケルを有する弾性部材が提供される。
また本発明によれば、ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合によって結合している弾性部材であって、該基材は、表面に酸化ニッケルを有する弾性部材の製造方法であって、
(1)該基材の該表面に酸化ニッケルを形成する第一の工程と、
(2)該第一の工程で得られた基材の表面にシランカップリング剤を適用する第二の工程と、
(3)第二の工程で得られた、該シランカップリング剤を適用した該基材の表面に、未架橋の液状シリコーンゴム混合物の層を形成する第3の工程と、
(4)該シランカップリング剤を該基材の表面および該液状シリコーンゴムと反応させると共に、該液状シリコーンゴムを架橋させる第4の工程と、を有する弾性部材の製造方法が提供される。
(1)該基材の該表面に酸化ニッケルを形成する第一の工程と、
(2)該第一の工程で得られた基材の表面にシランカップリング剤を適用する第二の工程と、
(3)第二の工程で得られた、該シランカップリング剤を適用した該基材の表面に、未架橋の液状シリコーンゴム混合物の層を形成する第3の工程と、
(4)該シランカップリング剤を該基材の表面および該液状シリコーンゴムと反応させると共に、該液状シリコーンゴムを架橋させる第4の工程と、を有する弾性部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、基材と弾性層との間の接着力の経時的な劣化が抑制された、耐久性に優れた弾性部材を得ることができる。
本発明者は、上記の目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、基材の表面に酸化ニッケルを存在させることによって、基材と弾性層との間の接着力の経時的な低下を有効に抑制できることを見出した。
その理由は明らかでないが、以下のようであるものと推測される。
まず、ニッケル表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層との接着力をシランカップリング剤を用いることで向上させてなる弾性部材においては、基材とシリコーンゴム弾性層との界面において、脱水縮合によってNi−O−Si結合が生成していると考えられる。そして、当該接着力の経時的劣化の原因は、ゴム中に含まれる水、または、環境中の水が、基材と弾性層との間の結合を介在しているNi−O−Si結合を攻撃し、当該化学結合が加水分解によって切断されているためであると推定される。
まず、ニッケル表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層との接着力をシランカップリング剤を用いることで向上させてなる弾性部材においては、基材とシリコーンゴム弾性層との界面において、脱水縮合によってNi−O−Si結合が生成していると考えられる。そして、当該接着力の経時的劣化の原因は、ゴム中に含まれる水、または、環境中の水が、基材と弾性層との間の結合を介在しているNi−O−Si結合を攻撃し、当該化学結合が加水分解によって切断されているためであると推定される。
一方、基材表面の接触角の計測によれば、X線光電子分光(XPS)にて酸化ニッケル(NiO)が存在していることが確認された基材の表面は、通常のニッケル表面に比べて親水性であった。このことから、酸化ニッケルが形成された基材の表面は、当該酸化ニッケル部分において水分子をトラップすることにより、Ni−O−Si結合の加水分解が抑制されているものと考えられる。これにより、本発明に係る弾性部材は、基材と弾性層との間の経時的な接着力の低下が生じにくくなっているものと考えられる。図5に本発明のニッケルを含む表面を有する基材であってその表面に酸化ニッケルを有する基材とシリコーンゴム弾性層とのNi−O−Si結合の一例を示す。
以下に図面を用いて本発明の詳細を説明する。
図1は、本発明に係る弾性部材の態様のひとつとして、電子写真装置の定着器に用いられる電子写真装置用の定着部材としての加圧ローラ10の斜視図である。また、図2は図1に示した加圧ローラの回転軸に直交する方向の断面図である。図1〜図2において、21は基材、22はプライマー層、23はシリコーンゴム弾性体、24は離型層である。離型層24は、シリコーンゴム弾性体23の周面に、硬化シリコーンゴム接着層26により固定されている。本発明では図2において、基材21は快削鋼に無電解メッキを施した芯金であり、その表面には酸化ニッケル25が存在させられている。
図1は、本発明に係る弾性部材の態様のひとつとして、電子写真装置の定着器に用いられる電子写真装置用の定着部材としての加圧ローラ10の斜視図である。また、図2は図1に示した加圧ローラの回転軸に直交する方向の断面図である。図1〜図2において、21は基材、22はプライマー層、23はシリコーンゴム弾性体、24は離型層である。離型層24は、シリコーンゴム弾性体23の周面に、硬化シリコーンゴム接着層26により固定されている。本発明では図2において、基材21は快削鋼に無電解メッキを施した芯金であり、その表面には酸化ニッケル25が存在させられている。
加圧ローラ10は、不図示の加熱体に圧接配置して使用する。該加熱体と、加圧ローラ10との間には加熱・加圧領域となる定着ニップ部が形成し、この定着ニップ部に紙などの被記録材(未定着トナーによる画像を形成済み)を挟持搬送することで、被記録材上の未定着トナー画像を加熱、加圧する。その結果、トナーは溶融・混色、その後、冷却されることによって被記録材上に画像が定着するものである。
図3は、本発明に係る弾性部材の別の態様のひとつとして、電子写真装置のクリーニングブレードを示す概略図である。図3において、30はクリーニングブレード、31は支持部材、32はシリコーンゴムから成る弾性体、33はプライマー層である。シリコーンゴム弾性体32は支持部材31とプライマー層33を介して一体化し、クリーニングブレード30を構成している。支持部材31にはニッケルメッキが施され、シリコーンゴム弾性体と接する面には、酸化ニッケル(NiO)層34が配置されている。なお酸化ニッケル(NiO)層34は、支持部材31の全面に配置されても良いし、シリコーンゴム弾性体と接する部分の一部または全部に配置されても良い。
クリーニングブレード30は、電子写真装置などの画像形成装置の感光体の表面に残留するトナーの除去のために使用される。
図4は、本発明の弾性部材をクリーニングブレードとして用いたクリーニング装置の断面模式図であり、クリーニングブレード30は、外囲器と一体化してクリーニング装置43を形成している。図4において、41は矢印方向に回転する感光ドラムである。感光ドラム41は、本来、静電潜像に応じた未定着トナー像を不図示の転写材に転移するが、この転写工程で転移できなかった残留トナー42を担持している。残留トナー42が感光ドラムの回転に順じてクリーニングブレード位置まで到達すると、ドラムに当接したクリーニングブレード30により掻き落され、ドラム表面がクリーニングされる。
以下に、本発明の弾性部材を構成する基材、シランカップリング剤から成る接着層(プライマー)、シリコーンゴム弾性層について説明する。
(1)基材
本発明の弾性部材に適用できる基材はニッケルのほか、他の金属材料でも表面にニッケルメッキが施されていれば使用することができる。また、無機材料、有機材料を問わず、表面にニッケルメッキが施されていれば使用することができる。なお、電解メッキでも無電解メッキでも適用が可能であり、いずれの場合でも、基材中のニッケル成分の一部を酸化ニッケル(NiO)に改質して使用するのが好適であるが、公知の手段により、基材の表面に酸化ニッケル(NiO)を配置することでも適用可能である。
例えば、本発明に係る弾性部材を、電子写真装置の定着器用の加圧ローラとする場合、基材としては、加圧性と加工性に優れる快削鋼(SUM材)からなる芯金の表面に無電解ニッケルメッキを施したのち、大気等の酸化性雰囲気下で温度300℃以上にて熱処理(焼成)することで酸化ニッケル(NiO)を形成したものを使用できる。
本発明の弾性部材に適用できる基材はニッケルのほか、他の金属材料でも表面にニッケルメッキが施されていれば使用することができる。また、無機材料、有機材料を問わず、表面にニッケルメッキが施されていれば使用することができる。なお、電解メッキでも無電解メッキでも適用が可能であり、いずれの場合でも、基材中のニッケル成分の一部を酸化ニッケル(NiO)に改質して使用するのが好適であるが、公知の手段により、基材の表面に酸化ニッケル(NiO)を配置することでも適用可能である。
例えば、本発明に係る弾性部材を、電子写真装置の定着器用の加圧ローラとする場合、基材としては、加圧性と加工性に優れる快削鋼(SUM材)からなる芯金の表面に無電解ニッケルメッキを施したのち、大気等の酸化性雰囲気下で温度300℃以上にて熱処理(焼成)することで酸化ニッケル(NiO)を形成したものを使用できる。
一方、本発明に係る弾性部材が、電子写真装置に用いられる弾性ブレードである場合において、支持基材とシリコーンゴムとをプライマーを用いて接着させる場合、該支持基材としては、金属ニッケルや、鋼板にニッケルメッキを施したものを使用できる。なお、支持基材全面に酸化ニッケルを配置できるほか、レーザー加熱などの局所加熱手法により支持基材の一部を酸化ニッケルとすることでも本発明に適用可能である。
(2)シランカップリング剤から成る接着層(プライマー)
シランカップリング剤は、分子中に2種類以上の反応基、すなわち、無機物と相性のいい加水分解基(例:アルコキシ基)と、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基、とをその構造中に保有する。加水分解基によってガラスや金属などと反応・結合し、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基によって有機成分と結びつくことができる。シリコーンゴムに対する接着性を考慮する場合、有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、SiH基などが挙げられる。本発明に適用可能なシランカップリング剤からなる接着層としては様々な種類が適用できる。一例を挙げるならば、ニッケルあるいはニッケルメッキ上に配置した酸化ニッケル(NiO)と加水分解、縮合して接着するアルコキシ基と、液状未架橋シリコーンゴムのビニル基に対して付加反応により接着するSiH基を、分子中に同時に有するものである。
シランカップリング剤は、分子中に2種類以上の反応基、すなわち、無機物と相性のいい加水分解基(例:アルコキシ基)と、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基、とをその構造中に保有する。加水分解基によってガラスや金属などと反応・結合し、有機成分に対する接着性を付与した有機官能基によって有機成分と結びつくことができる。シリコーンゴムに対する接着性を考慮する場合、有機官能基としては、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、SiH基などが挙げられる。本発明に適用可能なシランカップリング剤からなる接着層としては様々な種類が適用できる。一例を挙げるならば、ニッケルあるいはニッケルメッキ上に配置した酸化ニッケル(NiO)と加水分解、縮合して接着するアルコキシ基と、液状未架橋シリコーンゴムのビニル基に対して付加反応により接着するSiH基を、分子中に同時に有するものである。
(3)シリコーンゴム弾性層
液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物は、ビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)と、Si−H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(B)とを混合することで未架橋のシリコーンゴムとし、加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi−Hが付加反応することで架橋が進行する。反応を促進させる架橋触媒として(A)に白金化合物を含有するのが一般的である。近年、内部に空孔を有する低密度シリコーンゴムを得るために、未架橋シリコーンゴムに含水ゲルを分散・混合する場合がある。含水ゲルとしてはポリアクリル酸ナトリウムと水をその成分に含む含水ゲルを使用することが一般的であるが、未架橋シリコーンゴムに適度に分散・混合できるものであれば、これに限るものではない。
液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物は、ビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)と、Si−H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(B)とを混合することで未架橋のシリコーンゴムとし、加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi−Hが付加反応することで架橋が進行する。反応を促進させる架橋触媒として(A)に白金化合物を含有するのが一般的である。近年、内部に空孔を有する低密度シリコーンゴムを得るために、未架橋シリコーンゴムに含水ゲルを分散・混合する場合がある。含水ゲルとしてはポリアクリル酸ナトリウムと水をその成分に含む含水ゲルを使用することが一般的であるが、未架橋シリコーンゴムに適度に分散・混合できるものであれば、これに限るものではない。
そして、本発明に係る弾性部材は、下記工程(1)〜工程(4)を経ることにより製造することができる。
(工程1)上記(1)で説明した、表面に酸化ニッケルが存在している、ニッケルを含む表面を有する基材を用意する工程。
(工程2)該基材上に、上記(2)で説明したシランカップリング剤を適用する工程。
(工程3)工程(2)で得た、シランカップリング剤を適用した基材の表面に、未架橋の付加硬化型シリコーンゴム混合物の層を形成する工程。
(工程4)該シランカップリング剤を該基材の表面および該液状シリコーンゴム混合物と反応させると共に、該液状シリコーンゴムを架橋させる工程。
(工程1)上記(1)で説明した、表面に酸化ニッケルが存在している、ニッケルを含む表面を有する基材を用意する工程。
(工程2)該基材上に、上記(2)で説明したシランカップリング剤を適用する工程。
(工程3)工程(2)で得た、シランカップリング剤を適用した基材の表面に、未架橋の付加硬化型シリコーンゴム混合物の層を形成する工程。
(工程4)該シランカップリング剤を該基材の表面および該液状シリコーンゴム混合物と反応させると共に、該液状シリコーンゴムを架橋させる工程。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない
[実施例1]
本実施例においては、A3サイズの用紙に対応した定着器用の加圧ローラを製造した。
まず、快削鋼(SUM)を所望の形状、すなわち、軸受け部含む全長が400mm×径23mm;軸受け部 径8mm×22mm、径8mm×53mmに加工し、外面上に無電解ニッケルメッキ(リン濃度=8%)を、厚さ3μmに施した芯金を準備した。
次に、この芯金を大気雰囲気のオーブン中で温度350℃で60分間焼成した。なお、モニター用として無電解ニッケルメッキした試験片を同条件で焼成し、その表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認された。
焼成した上記芯金に、シランカップリング剤を含有するシリコーンプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。
一方、液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)、およびシリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)を配合した未架橋シリコーンゴム材料を準備し、プライマーを塗布した芯金を配置した金型に、この未架橋シリコーンゴム材料を流し込んだ。そして、金型を密閉して、温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。
一次架橋後、金型から、一次架橋したシリコーンゴム層が周囲に形成された芯金を脱型し、次いで、温度200℃で4時間加熱して、シリコーンゴム層を二次架橋して、芯金の周囲にシリコーンゴム弾性層が形成されてなる加圧ローラを得た。
<評価>
この加圧ローラを使用し、空回転耐久テストを実施した。空回転耐久テストは、220℃に温調しながら加圧力300Nで加圧ローラと定着ベルトを押しつけ、定着ベルトを加圧ローラに従動回転させる。なお、定着ベルトの表面速度は190mm/secとなる条件に定めた。そして、100時間毎に加圧ローラを目視で確認し、加圧ローラ弾性層が芯金から剥離していなければ接着耐久性ありと判断し、芯金から一部でも剥離していれば接着剥がれとした。
その結果、本実施例の加圧ローラは耐久延べ500時間を経過しても接着耐久性を保持していた。
本実施例においては、A3サイズの用紙に対応した定着器用の加圧ローラを製造した。
まず、快削鋼(SUM)を所望の形状、すなわち、軸受け部含む全長が400mm×径23mm;軸受け部 径8mm×22mm、径8mm×53mmに加工し、外面上に無電解ニッケルメッキ(リン濃度=8%)を、厚さ3μmに施した芯金を準備した。
次に、この芯金を大気雰囲気のオーブン中で温度350℃で60分間焼成した。なお、モニター用として無電解ニッケルメッキした試験片を同条件で焼成し、その表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケルの存在が確認された。
焼成した上記芯金に、シランカップリング剤を含有するシリコーンプライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。
一方、液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)、およびシリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)を配合した未架橋シリコーンゴム材料を準備し、プライマーを塗布した芯金を配置した金型に、この未架橋シリコーンゴム材料を流し込んだ。そして、金型を密閉して、温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。
一次架橋後、金型から、一次架橋したシリコーンゴム層が周囲に形成された芯金を脱型し、次いで、温度200℃で4時間加熱して、シリコーンゴム層を二次架橋して、芯金の周囲にシリコーンゴム弾性層が形成されてなる加圧ローラを得た。
<評価>
この加圧ローラを使用し、空回転耐久テストを実施した。空回転耐久テストは、220℃に温調しながら加圧力300Nで加圧ローラと定着ベルトを押しつけ、定着ベルトを加圧ローラに従動回転させる。なお、定着ベルトの表面速度は190mm/secとなる条件に定めた。そして、100時間毎に加圧ローラを目視で確認し、加圧ローラ弾性層が芯金から剥離していなければ接着耐久性ありと判断し、芯金から一部でも剥離していれば接着剥がれとした。
その結果、本実施例の加圧ローラは耐久延べ500時間を経過しても接着耐久性を保持していた。
[比較例1]
大気雰囲気下で温度350℃の焼成を行わなかった基材を用いた以外は、実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。
なお、モニター用に準備した、焼成を行わなかった無電解ニッケルメッキ試験片(リン濃度=8%)の表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケル(NiO)の存在は確認できなかった。
得られた加圧ローラは、芯金とシリコーンゴム弾性層との間に接着剥がれが認められた。そのため、実施例1と同じ空回転耐久テストに供し得なかった。
大気雰囲気下で温度350℃の焼成を行わなかった基材を用いた以外は、実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。
なお、モニター用に準備した、焼成を行わなかった無電解ニッケルメッキ試験片(リン濃度=8%)の表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケル(NiO)の存在は確認できなかった。
得られた加圧ローラは、芯金とシリコーンゴム弾性層との間に接着剥がれが認められた。そのため、実施例1と同じ空回転耐久テストに供し得なかった。
[実施例2]
芯金として、加工した所定の形状に加工した快削鋼(SUM)の外面上に電解ニッケルメッキを厚さ10μmに施した芯金を用いた以外は、実施例1と同様の方法で加圧ローラを作成した。
得られた加圧ローラについて、実施例1と同じ方法で、空回転耐久テストを実施した。その結果、本実施例の加圧ローラは耐久延べ500時間を経過しても接着耐久性を保持していた。
芯金として、加工した所定の形状に加工した快削鋼(SUM)の外面上に電解ニッケルメッキを厚さ10μmに施した芯金を用いた以外は、実施例1と同様の方法で加圧ローラを作成した。
得られた加圧ローラについて、実施例1と同じ方法で、空回転耐久テストを実施した。その結果、本実施例の加圧ローラは耐久延べ500時間を経過しても接着耐久性を保持していた。
[比較例2]
実施例1の芯金を、大気雰囲気下、温度200℃で60分間熱処理を行った以外は実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。
なおモニター用に準備した無電解ニッケルメッキ試験片を同時に温度200℃で60分熱処理し、表面をXPSで分析した。その結果、酸化ニッケル(NiO)は確認できなかった。
一次架橋後、金型から脱型し、成型した加圧ローラの端部ゴムをカットして調べたところ、芯金とゴムとは一体化していなかった。続いて温度200℃で4時間加熱して二次架橋を行ったが、芯金とシリコーンゴム弾性層とは一体化させ得なかった。
実施例1の芯金を、大気雰囲気下、温度200℃で60分間熱処理を行った以外は実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。
なおモニター用に準備した無電解ニッケルメッキ試験片を同時に温度200℃で60分熱処理し、表面をXPSで分析した。その結果、酸化ニッケル(NiO)は確認できなかった。
一次架橋後、金型から脱型し、成型した加圧ローラの端部ゴムをカットして調べたところ、芯金とゴムとは一体化していなかった。続いて温度200℃で4時間加熱して二次架橋を行ったが、芯金とシリコーンゴム弾性層とは一体化させ得なかった。
[実施例3]
芯金の外周面に塗布するプライマーを、DY35−067(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社)に変えた以外は、実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。得られた加圧ローラの芯金とシリコーンゴム弾性層とは強固に接着しており、実施例1と同じ空回転耐久試験に供したところ、耐久延べ500時間経過後も接着耐久性が保持されていた。
芯金の外周面に塗布するプライマーを、DY35−067(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社)に変えた以外は、実施例1と同様にして加圧ローラを作成した。得られた加圧ローラの芯金とシリコーンゴム弾性層とは強固に接着しており、実施例1と同じ空回転耐久試験に供したところ、耐久延べ500時間経過後も接着耐久性が保持されていた。
[実施例4]
本実施例は、本発明の弾性部材を電子写真装置のクリーニングブレードとして使用するものである。
全長300mm×幅60mm×厚さ1mmの亜鉛メッキ鋼の表面に無電解ニッケルメッキ(リン濃度=約8%)を厚さ3μmに施して支持基材を形成した。
次に、この支持基材を大気雰囲気のオーブン中で、温度350℃で60分間焼成した。熱処理を施した支持基材に、プライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。
次いで、液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)とシリコーンオイル(FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)とを配合した未架橋シリコーンゴム材料を準備した。そして、先に作成した、プライマーを塗布した支持基材を配置した金型に、該未架橋シリコーンゴム材料を流し込み、金型を密閉して温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。脱型後、更に、温度200℃で4時間加熱して、該シリコーンゴム層を二次架橋して、支持基板にシリコーンゴム弾性層が強固に接着してなるクリーニングブレードを得た。
本実施例は、本発明の弾性部材を電子写真装置のクリーニングブレードとして使用するものである。
全長300mm×幅60mm×厚さ1mmの亜鉛メッキ鋼の表面に無電解ニッケルメッキ(リン濃度=約8%)を厚さ3μmに施して支持基材を形成した。
次に、この支持基材を大気雰囲気のオーブン中で、温度350℃で60分間焼成した。熱処理を施した支持基材に、プライマー(商品名:DY35−051、東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。
次いで、液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)とシリコーンオイル(FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)とを配合した未架橋シリコーンゴム材料を準備した。そして、先に作成した、プライマーを塗布した支持基材を配置した金型に、該未架橋シリコーンゴム材料を流し込み、金型を密閉して温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。脱型後、更に、温度200℃で4時間加熱して、該シリコーンゴム層を二次架橋して、支持基板にシリコーンゴム弾性層が強固に接着してなるクリーニングブレードを得た。
[実施例5]
本実施例は、本発明の弾性部材を電子写真装置のクリーニングブレードとして使用するものである。
全長300mm×幅60mm×厚さ1mmのニッケル板を支持基材として準備した。
次に、この支持基材の一部に波長940nmの半導体レーザー(商品名:LD−HEATER L10060、浜松ホトニクス株式会社)を照射した。
モニター用として準備した金属ニッケルからなる試験片にも同様にレーザー照射し、表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケル(NiO)が確認できた。
支持基材に、プライマー(商品名: DY35−051東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)とシリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)を配合した未架橋シリコーンゴム材料を用意した。そして、先に作成した、プライマーを塗布した支持基材を配置した金型に、該未架橋シリコーンゴム材料を流し込み、金型を密閉して温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。脱型後、更に、温度200℃で4時間加熱してシリコーンゴム層を二次架橋させ、支持基板にシリコーンゴム弾性層が強固に接着してなるクリーニングブレードを得た。
本実施例は、本発明の弾性部材を電子写真装置のクリーニングブレードとして使用するものである。
全長300mm×幅60mm×厚さ1mmのニッケル板を支持基材として準備した。
次に、この支持基材の一部に波長940nmの半導体レーザー(商品名:LD−HEATER L10060、浜松ホトニクス株式会社)を照射した。
モニター用として準備した金属ニッケルからなる試験片にも同様にレーザー照射し、表面をXPSで分析したところ、酸化ニッケル(NiO)が確認できた。
支持基材に、プライマー(商品名: DY35−051東レ・ダウコーニング株式会社)を塗布した。液状シリコーンゴム(商品名:DY35−561;東レ・ダウコーニング株式会社)に含水ゲル(商品名:レオジック250H;東亜合成株式会社)とシリコーンオイル(商品名:FZ−2207;東レ・ダウコーニング株式会社)を配合した未架橋シリコーンゴム材料を用意した。そして、先に作成した、プライマーを塗布した支持基材を配置した金型に、該未架橋シリコーンゴム材料を流し込み、金型を密閉して温度90℃で60分間加熱して一次架橋を行った。脱型後、更に、温度200℃で4時間加熱してシリコーンゴム層を二次架橋させ、支持基板にシリコーンゴム弾性層が強固に接着してなるクリーニングブレードを得た。
[比較例3]
実施例5において、支持基材への半導体レーザーの照射を行わなかった以外は、実施例5と同様にしてクリーニングブレードを作成した。得られたクリーニングブレードの
支持基材とシリコーンゴム弾性層との間には接着剥がれが認められた。
実施例5において、支持基材への半導体レーザーの照射を行わなかった以外は、実施例5と同様にしてクリーニングブレードを作成した。得られたクリーニングブレードの
支持基材とシリコーンゴム弾性層との間には接着剥がれが認められた。
10 加圧ローラ、
21 基材、
22 プライマー層、
23 シリコーンゴム弾性層、
24 離型層
25 酸化ニッケル(NiO)層
26 硬化シリコーンゴム接着層
21 基材、
22 プライマー層、
23 シリコーンゴム弾性層、
24 離型層
25 酸化ニッケル(NiO)層
26 硬化シリコーンゴム接着層
Claims (4)
- ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合を介して結合している弾性部材であって、該基材は、表面に酸化ニッケルを有することを特徴とする弾性部材。
- 前記弾性部材が定着部材であって、前記シリコーンゴム弾性層の表面に離型層を有する請求項1に記載の弾性部材。
- 前記弾性部材が弾性ブレードである請求項1に記載の弾性部材。
- ニッケルを含む表面を有する基材とシリコーンゴム弾性層とを有し、該基材の表面と該シリコーンゴム弾性層とが、Ni−O−Si結合を介して結合している弾性部材の製造方法であって、
(1)該基材の該表面に酸化ニッケルを形成する工程と、
(2)該工程(1)で得られた基材の表面にシランカップリング剤を適用する工程と、
(3)該工程(2)で得られた、該シランカップリング剤を適用した該基材の表面に、未架橋の液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物の層を形成する工程と、
(4)該シランカップリング剤を該基材の表面および該液状シリコーンゴムと反応させると共に、該液状シリコーンゴムを架橋させる工程と、を有することを特徴とする弾性部材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012009153A JP2013148716A (ja) | 2012-01-19 | 2012-01-19 | 弾性部材およびその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2015110216A (ja) * | 2013-10-28 | 2015-06-18 | キヤノン株式会社 | 塗膜形成方法、定着部材の製造方法 |
JP6024851B1 (ja) * | 2016-06-30 | 2016-11-16 | 富士ゼロックス株式会社 | 無端ベルト、定着装置、及び画像形成装置 |
JP6066011B1 (ja) * | 2016-06-30 | 2017-01-25 | 富士ゼロックス株式会社 | 回転部材、定着装置、及び画像形成装置 |
-
2012
- 2012-01-19 JP JP2012009153A patent/JP2013148716A/ja active Pending
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