JP2013147556A - 発熱性組成物及び酸素吸収組成物 - Google Patents

発熱性組成物及び酸素吸収組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本件発明の課題は、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱又は酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物を提供することにある。
【解決手段】上記課題を解決するため、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む発熱性組成物及び酸素吸収組成物であって、25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であることを特徴とする発熱性組成物及び酸素吸収組成物を提供する。
【選択図】図1

Description

本件発明は、空気中の酸素と鉄粉との酸化反応を利用した発熱性組成物及び酸素吸収組成物に関する。
従来より、鉄粉、反応促進剤、水等を成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱性組成物を通気性を有する袋(内袋)に収納し、さらにこの内袋を非通気性の包材からなる袋(外袋)に収容した発熱体が使い捨てカイロ等として広く利用されている。使用時に外袋が開封されると、内袋内に空気が通気し、発熱性組成物が酸素と接触して発熱する。このような発熱性組成物に対しては、使用の態様を考慮すると、酸素と接触したときの速やかな昇温性能が求められる。例えば、特許文献1に記載の活性鉄粉のように、酸素との反応性に富む鉄粉を主剤として用いることにより、酸素と接触した際の発熱性組成物の発熱効率を上げることができる。
また、鉄粉の酸化反応を利用した他の製品として、脱酸素剤が知られている。脱酸素剤は、発熱性組成物と同様の組成を有する酸素吸収組成物を通気性を有する包材内に充填したものである。脱酸素剤は、食品等を無酸素雰囲気下で保存する際に用いられるもので、非通気性の包装容器(包装袋含む)内に食品等と共に封入されて使用される。そして、鉄粉が包装容器内の酸素と反応することにより、包装容器内を無酸素雰囲気にすることができる。
特開2003−117385号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されるような反応性の高い活性鉄粉を用いた発熱性組成物であっても、その組成によっては、開封直後に迅速に発熱させることができない場合があった。同様に、このような活性鉄粉を用いた酸素吸収組成物であっても、その組成によっては、迅速に酸素を吸収させることができない場合があった。また、脱酸素剤にあっては、保湿性に乏しく、食品等の水分が奪われる場合があった。そこで、本件発明の課題は、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱又は酸素を吸収させることができ、且つ、保湿性の高い発熱性組成物及び酸素吸収組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、水分活性が以下の範囲である発熱性組成物を採用することで上記課題を達成するに到った。
本件発明に係る発熱性組成物は、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む発熱性組成物であって、25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であることを特徴とする。
本件発明に係る発熱性組成物は、前記鉄粉100質量部に対して、前記アルカリ金属塩を2.0質量部以上10.0質量部以下含むことが好ましい。
本件発明に係る発熱性組成物は、アルカリ剤を更に含むことが好ましい。
本件発明に係る発熱性組成物は、予め飽和量の水分を含んだ活性炭を更に含むことが好ましい。
本件発明に係る発熱性組成物は、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む酸素吸収組成物であって、25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であることを特徴とする。
本件発明によれば、25℃における発熱性組成物及び酸素吸収組成物の水分活性(Aw)を0.79以上0.99以下とすることにより、発熱性組成物及び酸素吸収組成物の初期反応性を高め、酸素と接触した際に速やかに発熱させ、若しくは酸素を吸収させることができる。また、本件発明に係る発熱性組成物及び酸素吸収組成物によれば、雰囲気湿度を高く維持することが可能になる。
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例5で調製した発熱性組成物(酸素吸収組成物)の酸素吸収量の変化を示す図である。 実施例1、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5で調製した発熱性組成物(酸素吸収組成物)の酸素吸収量の変化を示す図である。 実施例1、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5で調製した発熱性組成物(酸素吸収組成物)を用いたときの雰囲気温度の変化を示す図である。 実施例1、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5で調製した発熱性組成物(酸素吸収組成物)を用いたときの雰囲気湿度の変化を示す図である。
以下、本件発明に係る発熱性組成物の実施の形態を説明する。
本件発明に係る発熱性組成物は、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含み、25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であることを特徴とする。本実施の形態では、まず、発熱性組成物を構成する材料について説明した上で、本件発明の主たる特徴である水分活性について説明する。
1.発熱性組成物
本件発明に係る発熱性組成物は、鉄粉、アルカリ金属塩及び水を必須の構成とする。鉄粉は、当該発熱性組成物の主剤であり、酸素と反応し、雰囲気中の酸素を吸収する。アルカリ金属塩は、この鉄の酸化反応を促進するための酸化促進剤として機能する。水は、この酸化反応を生じさせるための場を提供すると共に、主剤と副剤とを馴染ませる。以下では、主剤、副剤の順に、発熱性組成物を構成する各材料について説明する。
1−1.主剤
本件発明では、発熱性組成物の主剤として、鉄粉を含む。本件発明において、鉄粉は特に限定されるものではなく、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等の公知の鉄粉を用いることができる。しかしながら、酸素吸収能が高いという観点から、還元鉄粉を用いることが好ましい。また、これらの鉄粉(還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等)の表面を導電性炭素質物質で部分的に被覆した活性鉄粉(例えば、上記「特許文献1」参照。)等を用いることも好ましい。
1−2.副剤
本件発明に係る発熱性組成物は、上述の主剤と共に、副剤として、アルカリ金属塩及び水を必須の成分として含有する。また、本件発明に係る発熱性組成物は、副剤としてアルカリ剤及び活性炭を含むことが好ましく、上記必須成分としての水を担持するための担持体を含むことが好ましい。
アルカリ金属塩: アルカリ金属塩は、上述したとおり、主剤である鉄粉の酸化反応を促進させるために添加される反応促進剤である。アルカリ金属塩としては、アルカリ金属のハロゲン化物を用いることが好ましく、特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を好ましく用いることができる。
本件発明では、鉄粉100質量部に対して、アルカリ金属塩を2.0質量部以上10.0質量部以下含むことが好ましい。アルカリ金属塩の含有量が当該範囲内である場合、水分活性(Aw)を上述した範囲内とすることができ、高い発熱性能を有すると共に、高い初期反応性を有する発熱性組成物とすることができる。
水: 水は、鉄粉の酸化反応を促進すると共に、主剤及び副剤とを馴染ませるために添加される。本件発明では、鉄粉100質量部に対して、水を10質量部以上60質量部以下含むことが好ましく、水を25質量部以上35質量部以下含むことがより好ましい。鉄粉を100質量部としたとき、水分量を当該範囲内とすることにより、発熱性組成物に適切な発熱性能を発揮させることができる。一方、主剤を100質量部としたときの水の含有量が10質量部未満の場合、水以外の発熱性組成物を構成する各材料が混ざり難く、発熱性能が低下する。また、鉄粉を100質量部としたときの水の含有量が60質量部を超える場合、水分活性(Aw)を上記範囲内とすることが困難になり、発熱性組成物の初期反応性を高めるという本件発明の目的を達成することができず、好ましくない。
アルカリ剤: 本件発明では、上記アルカリ金属塩及び水と共に、副剤としてアルカリ剤を添加することが好ましい。アルカリ剤としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。これらのアルカリ剤を適宜添加することにより、鉄粉の酸化反応に好適なpHに安定化することができる。これにより、使い捨てカイロの外袋が開封されて、内袋内の酸素濃度が急激に増加したとき、鉄粉と酸素との酸化反応を速やかに進行させて、迅速に発熱させることが可能になる。但し、鉄粉の酸化反応に好適なpH領域は、概ねpH9以上pH11以下の弱アルカリ性領域である。
本件発明では、鉄粉100質量部に対して、アルカリ剤を1質量部以上5質量部以下含むことが好ましく、1質量部以上2.5質量部以下含むことがより好ましい。アルカリ剤の含有量が当該範囲内である場合、アルカリ金属塩及び水の存在下で鉄粉を効率よく酸化させることができ、水素の発生を抑制することができる。
活性炭: 本件発明では、副剤として予め飽和量の水分を含む活性炭を含むことが好ましい。活性炭は、鉄粉の酸化反応を促進させる反応促進剤として用いられる。すなわち、発熱性組成物中において、予め飽和量の水分を含ませた活性炭を陰極、水及びアルカリ金属塩と共存する鉄粉を陽極とする局部電池が形成され、これにより鉄粉の周囲では酸化反応が促進され、雰囲気中の酸素を効率よく吸収させることが可能になる。また、予め飽和量の水分を含む活性炭を添加することにより、発熱性組成物の流動性を維持し、且つ、自動充填包装時に発熱性組成物の構成材料が飛散するのを防止することができる。
ここで、活性炭の飽和含水量は、活性炭の種類によって異なるため、ここでは乾燥減量により大凡の水分量を示す。水分を含有した活性炭の乾燥減量をJIS K1474に準拠して測定した場合に、当該乾燥減量が40%〜60%となる含水量の活性炭を用いることが好ましく、45%〜62%となる含水量の活性炭を用いることが更に好ましい。なお、本件発明において、この活性炭に含まれる水は、上記必須成分としての水とは別に取り扱うものとする。
本件発明に係る発熱性組成物は、鉄粉100質量部に対して、この予め飽和量の水分を含有する活性炭を、1質量部以上6質量部以下の範囲で含むことが好ましい。当該活性炭の含有量が多い方が、鉄粉の酸化反応を促進させることができる。従って、当該活性炭の含有量が1質量部未満である場合、鉄粉の酸化反応を促進させる効果が少なく好ましくない。一方、6質量部を超えて添加すると、鉄粉の酸化反応が速く進み過ぎるため、水分活性を上述の範囲内にしたとしても、鉄粉の初期反応性を抑制するという本件発明の目的を達成することができず、好ましくない。当該観点から、この予め飽和量の水分を含有する活性炭は、1.5質量部以上5質量部以下とすることがより好ましく、2質量部以上3質量部以下であることが更に好ましい。
本件発明において、活性炭の種類について特に限定はなく、例えば、石炭、おが屑、やし殻等を原料とする公知の活性炭を使用することができる。但し、微粉の活性炭を用いることが好ましく、具体的にはレーザー回析式粒度分布測定法により得られる50%粒子径(平均粒径)が100μm以下のものを用いることが好ましい。このような微粉の活性炭を用いれば、鉄粉の周囲に活性炭が付着しやすくなり、発熱性能が向上する。当該観点から、活性炭の粒径は小さい方が好ましく、平均粒径が5μm〜50μmであることがより好ましい。
1−3.担持体
本件発明では、上述した発熱性組成物の必須成分としての水を担持させる担持体として、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪藻土、パーライト、ゼオライト、活性白土等を用いることができる。これらの担持体に必須成分としての水を担持させることにより、粉体としての発熱性組成物の流動性を維持することができる。なお、担持体には、アルカリ金属塩、アルカリ剤、鉄粉が水溶液の状態で、或いは水に分散した状態で、担持されていてもよいのは勿論である。
2.水分活性
次に、本件発明に係る発熱性組成物の水分活性(Aw)について説明する。水分活性(Aw)とは、その物に含まれる自由水の割合を示す値である。当該発熱性組成物の水分活性(Aw)は、発熱性組成物を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義され、下記式(1)によって求められる。
[式1]
Aw=P/PO・・・(1)
本件発明では、25℃における当該発熱性組成物の水分活性(Aw)を0.79以上0.99以下となるように、発熱性組成物を構成する各材料を上述した範囲内で、その混合比を調整することにより、発熱性能が高く、且つ、初期反応性の高い発熱性組成物を得ることができる。このため、25℃における水分活性が上記範囲内の発熱性組成物を用いることにより、酸素と接触した際に速やかに発熱させることができる。
当該水分活性(Aw)が0.79未満である場合、初期反応性が低く、本件発明の目的を達成することができず好ましくない。一方、当該水分活性(Aw)が0.99を超える場合、初期反応性が低くなる他、酸素との反応性が全般に低くなり、発生する熱量が低下するため好ましくない。
また、本件発明に係る発熱性組成物では、水分活性(Aw)を0.79以上0.99以下の範囲において、適宜調整することにより、雰囲気湿度を水分活性の低い側(0.79以上0.80未満の範囲)では、雰囲気湿度を低湿度に保持することができる。この場合、からりとした使用感のある発熱体とすることができる。一方、水分活性(AW)の高い側(0.80以上0.99以下程度の範囲)では、雰囲気湿度を高湿度に保持することができる。この場合、しっとりとした使用感のある発熱体とすることができる。
3.発熱性組成物の製造方法
次に、本件発明に係る発熱性組成物の製造方法について説明する。本件発明において、発熱性組成物は、上記各構成材料を適宜量ずつ混合・混練することにより製造される。各構成材料を混合・混練する順序等は特に限定されるものではないが、次のようにすることが好ましい。
まず、担持体、アルカリ金属塩、活性炭及びアルカリ剤とをそれぞれ所定量ずつ計量して混合する。次に、所定量の水を加えて混合し、最後に鉄粉を混合する。このように、最初に水及び鉄粉以外の各構成材料を混合することにより、各構成材料の偏在を防ぐと共に、活性炭に含ませた水に対しても、アルカリ金属塩及びアルカリ剤をある程度溶解させることができる。その後、水を添加することにより、各構成材料を馴染ませると共に、担持体にはアルカリ金属塩及びアルカリ剤が溶解した水を担持させることができる。そして、最後に、鉄粉を混合することにより、鉄粉の周囲に他の構成材料を均一に分散させることができ、発熱性組成物全体において鉄粉の酸化反応を均質に行わせることができる。
以上説明した本実施の形態は、本件発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。また、次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明するが、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1では、担持体として100gのゼオライト(新東北化学工業株式会社製:N−24P)と、飽和量の水分を含有した2.5gの活性炭(フタムラ化学株式会社製;SA−1000 W60)、アルカリ金属塩として2gの塩化ナトリウム(株式会社日本海水製;EF−40)、アルカリ剤として2.5gの消石灰を混合し、次に、28.5gの水を添加して混合し、最後にパウダーテック株式会社製の鉄粉(RDH−3M)を100g混合して、発熱性組成物を調製した。このように調製した発熱性組成物の水分活性(Aw)をロトロニック社製、HygroLabステーションを用いて、25℃の環境下において測定したところ、0.99であった。
4.酸素吸収組成物
次に、本件発明に係る酸素吸収組成物について説明する。本件発明に係る酸素吸収組成物は、上述した発熱性組成物と同じものとすることができる。但し、上述した発熱性組成物は、使い捨てカイロ等の発熱体としての用途で用いられるものであるが、当該酸素吸収組成物は発熱体としての用途に限らず、雰囲気中の酸素を吸収する脱酸素剤として利用することができる。また、当該酸素吸収組成物(発熱性組成物)は、上述した通り、水分活性(Aw)に応じて雰囲気湿度を調整する機能を有するため、調湿機能を有する発熱体若しくは脱酸素剤としての利用も可能である。特に、従来の脱酸素剤の場合、水分活性(Aw)が比較的低く(例えば、0.75以下等)、含水分量の高い食品等と共に使用した場合、食品等が乾燥してしまうという課題があった。しかしながら、上記範囲内において、水分活性(Aw)の高いものを用いることにより、食品等の乾燥を防ぎながら、すなわち高湿度無酸素雰囲気下においいて食品等を保存することが可能になる。
実施例2では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを3g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.98であった。
実施例3では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを4g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.95であった。
実施例4では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを5g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.93であった。
実施例5では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを6g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.89であった。
実施例6では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを8g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.87であった。
実施例7では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを10g用いた以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製した。このようにして調製した発熱性組成物の水分活性は、0.79であった。
比較例
比較例では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムの含有量を変化させて、発熱性組成物の水分活性(Aw)を1.00又は0.79未満0.75以上の範囲で調整したこと以外は、実施例1と同様にして発熱性組成物を調製して比較例とした。具体的には、表1に示すように塩化ナトリウムの含有量の異なる比較例1〜比較例5の発熱性組成物を調製した。なお、表1には比較例1〜比較例5で調製した発熱性組成物中の塩化ナトリウム量及び水分活性(Aw)と共に実施例1〜実施例7で調製した発熱性組成物中の塩化ナトリウム量及び水分活性(Aw)についても示す。
Figure 2013147556
[評価]
(1)評価方法
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例5で製造した発熱性組成物の酸素吸収量及び酸素吸収速度を評価した。酸素吸収量の測定は次のようにして行った。まず、空気2500mlを封入した発熱性組成物入りの密封袋を各実施例及び各比較例毎にそれぞれ複数用意した。各密封袋を室温(25℃)で保管し、1時間経過する毎に各密封袋内の酸素濃度(%)を東レエンジニアリング株式会社製ジルコニア式酸素濃度計LC−700Fを用いて測定した。そして、得られた酸素濃度に基づいて、それぞれ鉄粉1g当たりの酸素吸収量(ml/g)を求めた。また、実施例1、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5の発熱性組成物については、別途、上記と同様に空気500mlを封入した発熱性組成物入りの密封袋を用意し、1時間経過する毎に上記と同様に各発熱性組成物の酸素吸収量を測定すると共に、各密封袋内の温度及び湿度を測定した。
(2)評価結果
図1に、実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例5で調製した発熱性組成物の酸素吸収量の変化を示す。また、表2に各時間経過毎の酸素吸収量を示す。図1に示すように、酸素と接触してから4時間経過するまでの間は実線で示す実施例の発熱性組成物は、波線で示す比較例の発熱性組成物と比較すると、全般的に酸素吸収量が高く、酸素との初期反応性が高いことが分かる。また、水分活性(Aw)が1.0(塩化ナトリウム添加量が0g)の比較例1の発熱性組成物の酸素吸収量は、他の発熱性組成物と比較すると極めて少なく、酸素との反応性が低いことが確認された。
Figure 2013147556
次に、図2、図3及び図4に、実施例1、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5の酸素吸収量、温度及び湿度の変化をそれぞれ示す。図2に示すように、実施例1、実施例3及び実施例7の発熱性組成物の酸素吸収量は、比較例1及び比較例5の発熱性組成物と比較すると、初期段階において高い値を示している。また、図3に示すように、実施例1、実施例3及び実施例7の発熱性組成物を収容した密閉袋内は、1時間経過時点における発熱量の差は顕著であり、4時間経過するまでの間は実施例の発熱性組成物は比較例の発熱性組成物と比較すると発熱量が多いことが確認された。一方、7時間が経過すると、各密封袋内の温度は概ね同程度となった。なお、測定に用いた発熱性組成物は1袋当たり3.2gであり、極少量であるため、発熱温度は使い捨てカイロとして用いるには低温であるが、測定時に用いる発熱性組成物の量を増加させれば、発熱温度はより高くなると考えられる。
また、図4に示すように、6時間程度経過すると密閉袋内の湿度変化が少なくなり、略一定の値を示すようになった。このことから、発熱性組成物には調湿機能があることが分かる。また、各発熱性組成物の水分活性(Aw)の相違により、密閉袋内の湿度が異なり、水分活性(Aw)が低い場合には、雰囲気湿度を低く(66%RH以下)調整することができることが確認された。逆に、水分活性(Aw)が高い場合には、雰囲気湿度を高く調整することができることが確認された。水分活性(Aw)が0.95の実施例3の発熱性組成物の場合は、6時間経過後の密閉袋内の湿度は75%RH程度であり、水分活性(Aw)が0.99、1.00の実施例1及び比較例5の発熱性組成物の場合は、80%RH以上の湿度に調整することができることが確認された。
以上のことから、略同じ組成を有する発熱性組成物であっても、水分活性(Aw)を0.79以上0.99以下の範囲内に調整することにより、発熱性組成物の初期反応性を高め、酸素と接触した際に速やかに発熱させることが可能であることが確認された。また、水分活性(Aw)を適宜調整することにより、雰囲気湿度を65%RH程度〜85%RH程度に調整することが可能であり、本件発明に係る発熱性組成物は調湿機能を有する発熱体としても使用可能であることが分かる。なお、当該実施例においては発熱性組成物について主に説明したが、上述した通り当該発熱性組成物は酸素吸収組成物として用いることも可能である。この場合、上記範囲内において水分活性(Aw)を適宜調整することにより、雰囲気中の酸素を吸収するだけでなく、保存する食品等に適した雰囲気湿度とすることができる。特に、脱酸素剤を用いた場合、雰囲気湿度が低くなり保存する食品等が乾燥することがあるが、このような場合でも水分活性(Aw)を高くすることにより、迅速に雰囲気中の酸素を吸収すると共に雰囲気湿度を高く調湿することができる。
本件発明に係る発熱性組成物は、初期反応性が高く、酸素と接触した際に速やかに発熱させることができるため、使い捨てカイロの発熱性組成物として好適に用いることができる。また、本件発明に係る酸素吸収組成物は、初期反応性が高いため、酸素と接触した際に速やかに酸素を吸収することができるため、脱酸素剤の内容物として好適に用いることができる。更に、本件発明に係る発熱性組成物及び酸素吸収組成物によれば、調湿機能を有する発熱体若しくは脱酸素剤を得ることができる。

Claims (5)

  1. 鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む発熱性組成物であって、
    25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であること、
    を特徴とする発熱性組成物。
  2. 前記鉄粉100質量部に対して、前記アルカリ金属塩を2.0質量部以上10.0質量部以下含む請求項1に記載の発熱性組成物。
  3. アルカリ剤を更に含む請求項1又は請求項2に記載の発熱性組成物。
  4. 予め飽和量の水分を含んだ活性炭を更に含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発熱性組成物。
  5. 鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む酸素吸収組成物であって、
    25℃における水分活性(Aw)が0.79以上0.99以下であること、
    を特徴とする酸素吸収組成物。
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